JP2023096502A - 長尺定規用固定機 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺定規を被加工材に対して迅速に固定できる長尺定規用固定機が必要とされている。【解決手段】長尺定規10を被加工材Wに固定するための長尺定規用固定機15は、長尺定規10の下面に取外し可能に装着されて被加工材Wの第1側面W1に当接される第1固定具20と、長尺定規10の下面に装着されて被加工材Wの第2側面W2に当接されて第1固定具20と協働して被加工材Wを挟む第2固定具30を有する。第1固定具20は、長尺定規10の下面に形成されたレール11にスライド可能に装着される本体21と、本体21に設けられてレール11の第1下側縦壁11dに当たるカムを有する。カムは、第1固定具20が被加工材Wから離れる際にレール11の第1下側縦壁11dから力を受けて力を第1下側縦壁11dを水平方向に押す押圧力に変換する押圧面を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば携帯用加工機をガイドする長尺定規(英語名:GUIDE RAIL)を被加工材に固定するための長尺定規用固定機に関する。
例えば携帯用マルノコと称される携帯用加工機は、略矩形板状のベースと、ベースの上方に支持される加工機本体を有する。加工機本体には、ベースの下面の下方に突出可能な略円板形の刃具が回転可能に支持される。使用者は、ベースの下面を被加工材に当接させ、かつ刃具を回転させた状態で携帯用加工機を刃具の側面に沿った切断方向(前方)へ移動させる。これによりベースの下面から下方に突出した刃具は、切断方向に沿って被加工材を切断する。
例えば被加工材を真っ直ぐに切断する場合、長尺定規を用いて携帯用加工機の移動をガイドする。例えば携帯用加工機のベースの下面には、前後方向に直線状に延出しかつ上方に向けて凹形状の係合溝が設けられる。長尺定規の上面には、長尺定規の長手方向に直線状に延出しかつ上方に向けて凸形状の上側レールが設けられる。長尺定規は、加工作業中に被加工材に対して移動しないように長尺定規用固定機によって被加工材の上面に固定される。長尺定規を被加工材の上面に固定した状態で、ベースの係合溝を長尺定規の上側レールに係合させる。これにより携帯用加工機は、上側レールの延出方向に沿って直線状に移動するようにガイドされる。
特許文献1~3には、長尺定規を被加工材に固定するための長尺定規用固定機が記載されている。特許文献1に記載の長尺定規用固定機は、被加工材の切断方向の両端部において、ねじによって被加工材と長尺定規を上下方向にクランプする。そのため被加工材の両端部の2箇所でねじを締める操作が必要になる。また、被加工材と長尺定規のクランプ状態を解除するためには、被加工材の両端部の2箇所でねじを緩める操作が必要になる。そのため長尺定規を被加工材に対して固定または取り外す際の作業が多くなる。通常、加工面を加工する度に長尺定規の位置を固定する必要があるため手間がかかる。
特許文献2に記載の長尺定規用固定機は、長尺定規の長手方向に移動可能でありかつ被加工材を切断方向の両側から挟み込む第1固定具と第2固定具を有する。第1固定具には、水平方向に回転可能なカムと、カムを回転させるためのレバーと、カムの側面および被加工材の切断方向の側面に当接可能な当接部材が設けられる。第2固定具は、長尺定規の所定の位置に固定される。第1固定具の当接部材は、カムを締め方向に回転させることにより、カムの側面に押されて被加工材の側面に接近する。これにより第1固定具と第2固定具が協働して被加工材を長尺定規の長手方向にクランプする。カムを緩め方向に回転させることにより、当接部材は被加工材の側面から離間できる。これにより被加工材のクランプ状態が解除される。したがって被加工材の切断方向の両側面の2箇所でカムを回転させる操作が必要になり手間がかかる。また、使用者の操作力によって被加工材をクランプする力にばらつきが生じる。
特許文献3に記載の長尺定規用固定機も、被加工材を切断方向の両側から挟み込む第1固定具と第2固定具を有する。第1固定具には、切断方向を軸方向として長尺定規の下面に装着されるシリンダと、シリンダを軸方向に貫通しかつシリンダの軸方向に移動可能に支持される心棒が設けられる。心棒の先端には被加工材の切断方向の側面に当接可能な当接部材が設けられる。シリンダ内には、心棒を当接部材側に移動させる送り機構と、心棒が当接部材と反対側に戻ることを規制するワンウェイクラッチ機構が設けられる。送り機構とワンウェイクラッチ機構には、それぞれ使用者が引いて操作可能なレバーが設けられる。
特許文献3において第1固定具の心棒と当接部材は、送り機構のレバーを引くことにより被加工材の切断方向の側面に接近する。これにより第1固定具の当接部材と第2固定具が協働して被加工材を長尺定規の長手方向にクランプする。心棒と当接部材は、ワンウェイクラッチ機構のレバーを引くことにより被加工材の側面から離間する方向への移動が許容される。これにより被加工材のクランプ状態が解除される。第1固定具は、送り機構のレバーを操作する前に長尺定規の所定の位置に固定される必要がある。そのため被加工材をクランプするまたはクランプ状態を解除する度にそれぞれ2段階の操作が必要であり、二度手間であった。
米国特許第6173631号明細書 米国特許第4522098号明細書 独国実用新案第29805363号明細書
上述するように長尺定規を被加工材に対して固定する長尺定規用固定機には種々改良の余地があった。したがって長尺定規を被加工材に対して迅速に固定できる長尺定規用固定機が必要とされている。
本開示の一つの特徴によると長尺定規用固定機は、携帯用加工機をガイドする長尺定規を被加工材に固定するために用いられる。長尺定規用固定機は、長尺定規の下面に取外し可能に装着されて被加工材の第1側面に当接される第1固定具を有する。長尺定規用固定機は、長尺定規の下面に装着されて被加工材の第2側面に当接されて第1固定具と協働して被加工材を挟む第2固定具を有する。第1固定具は、長尺定規の下面に形成された溝にスライド可能に装着されるスライド部を有する。第1固定具は、スライド部に設けられて溝の縦壁に当たる押圧部を有する。押圧部は、第1固定具が被加工材から離れる際に溝の縦壁から力を受けて力を縦壁を水平方向に押す押圧力に変換する押圧面を備える。
したがって溝の縦壁を水平方向に押す押圧力によって第1固定具を長尺定規の下面の所定の位置に固定できる。押圧力は、第1固定具を被加工材から離れる方向に移動させる力を変換することによって得ることができる。そのため第1固定具を固定するための操作部を設けることなく第1固定具をレールに固定できる。これにより長尺定規を被加工材に対して迅速に固定できる。
本実施例に係る長尺定規用固定機によって被加工材の上面に固定された状態の長尺定規を上方から見た斜視図である。 本実施例に係る長尺定規用固定機と被加工材の上面に固定された状態の長尺定規を下方から見た斜視図である。 長尺定規用固定機の第1固定具の斜視図である。 第1固定具の下面図である。 長尺定規の断面を含む当接部材側から見た第1固定具の後面図である。 図4中のVI-VI線断面矢視図である。 第1固定具の上面図である。 長尺定規用固定機の第2固定具の下面図である。 第2固定具の上面図である。 長尺定規の断面を含む当接部材側から見た第2固定具の前面図である。 図10中のXI-XI線断面矢視図である。 図11中のXII-XII線断面矢視図である。 図9中のXIII-XIII部分の拡大図である。
本開示の他の特徴によるとスライド部には、縦壁と対向する溝の第2縦壁を押圧する第2押圧部が設けられる。したがって押圧部が縦壁を押圧する方向と反対方向に、第2押圧部が第2縦壁を押圧する。そのため押圧部と第2押圧部が協働して、縦壁と第2縦壁の間で突っ張った状態になる。これによりカムが縦壁を押す押圧力をより強くすることができる。かくして第1固定具を長尺定規に対して迅速に固定できる。
本開示の他の特徴によると押圧部は、スライド部に移動可能に設けられる。第2押圧部は、スライド部に固定されている。したがってスライド部に固定された第2押圧部と、スライド部に対して移動可能な押圧部というシンプルな構造で縦壁と第2縦壁をそれぞれ押圧できる。シンプルな構造にすることにより押圧力の伝達効率を良好にできる。
本開示の他の特徴によると第1固定具は、押圧部から下方に延出して第1固定具の本体に回転可能に支持される軸部材を有する。第1固定具は、本体に設けられて軸部材を付勢するトーションばねを有する。したがって押圧部を軸部材と共に回転させる機構を、トーションばねを用いたシンプルな構造で実現できる。また、シンプルな構造にすることにより押圧部の周囲をコンパクトに設けることができる。
本開示の他の特徴によると押圧部は、第1固定具が被加工材から力を受けて被加工材から離れる際にトーションばねが付勢する付勢方向に回転して縦壁を押圧する。第1固定具が被加工材に向けて移動する際に付勢方向と反対方向に回転して縦壁との間にクリアランスを生じる。
したがって第1固定具を長尺定規の溝に沿って被加工材に向けて移動させる際には、押圧部と縦壁の間に生じたクリアランスによって押圧部が縦壁を押圧しない。そのため第1固定具を容易に被加工材に向けて移動させることができる。第1固定具を長尺定規の溝に沿って被加工材から離間させようとすると、押圧部がトーションばねの付勢方向に回転して縦壁を押圧する。そのため第1固定具が被加工材から離間せず、長尺定規の溝に固定される。かくして溝に沿って被加工材に接近する方向に移動可能でありかつ被加工材から離間する方向の移動が規制される固定具を設けることができる。
本開示の他の特徴によると第1固定具は、軸部材に設けられたレバーを有する。レバーの操作部が被加工材から離れる方向にレバーが回転することで軸部材がトーションばねに抗して回転し、押圧部が縦壁を押す力が弱くなる。したがってレバーを回転させるシンプルな操作で第1固定具を被加工材から離間させることができる。そのため第1固定具と第2固定具による被加工材のクランプ状態を迅速に解除できる。
本開示の他の特徴によると本体には、トーションばねに付勢されるレバーの回転を規制するストッパが設けられる。したがってレバーがトーションばねに付勢される方向を付勢方向として、レバーの付勢方向前面には、ストッパで係止されることによって隙間が形成される。そのため隙間に使用者の指を進入させることで、レバーを付勢方向と反対方向に容易に回転させることができる。
本開示の他の特徴によると第2押圧部は、押圧部の押圧面に対して軸部材の反対側に位置する。したがって押圧部の押圧面と軸部材と第2押圧部とが、縦壁と第2縦壁に対して直交する方向に並ぶ。そのため押圧部が縦壁を押す押圧力と、第2押圧部が第2縦壁を押す押圧力は、溝の延出方向と直交する方向で互いに正反対に作用する。これにより溝に対する第1固定具の傾斜(こじり)を抑制できる。また、押圧部と第2押圧部の押圧力のロスを少なくして、固定具を効率良く溝に固定できる。
本開示の他の特徴によると第2押圧部は、第2縦壁に沿いかつ第2縦壁に当接する当接平面を有する。したがって当接平面は、第1固定具を溝の延出方向に沿って移動させるガイドと、第2縦壁を面直方向に押圧して第1固定具の移動を規制するブレーキを兼ねることができる。そのため第2押圧部をシンプルかつコンパクトに設けることができる。
本開示の他の特徴によると押圧部は、楕円状のカムである。したがって押圧部を楕円状の中心回りに回転させることにより、押圧部が縦壁を押圧する押圧位置と、押圧部と縦壁の間にクリアランスが生じる押圧解除位置を容易に切り替えることができる。
本開示の一つの実施例を図1~13に基づいて説明する。本実施例の長尺定規用固定機15は、いわゆる携帯用マルノコと称される携帯用加工機1を長尺定規10でガイドして被加工材Wを真っ直ぐに切断加工する際に用いられる。図1に示すように携帯用加工機1は、略矩形の板状のベース2と、ベース2の上方に支持される加工機本体3を有する。加工機本体3には、回転可能に支持された略円板状の刃具6と、刃具6を回転させる駆動源としての電動モータ4と、使用者が把持するハンドル部3aが設けられる。刃具6は、チップソーと称される丸鋸刃である。加工機本体3には、電動モータ4に電力を供給するバッテリ5を取り外し可能に装着できる。バッテリ5は、加工機本体3から取り外して別途用意した充電器を利用して繰り返し充電できる。バッテリ5は、例えばねじ締め機等のその他の充電式電動工具との間で電源として使い回すことができる。
図1に示すように刃具6は、側面が前後方向に延出した状態で左右方向に延出する回転軸6aを中心にして回転する。ベース2には、上下方向に貫通する窓部2aが設けられる。刃具6は、窓部2aからベース2の下面よりも下方に突出する。使用者は、ベース2の下面を被加工材Wの上面に当接させた状態で、ハンドル部3aを把持して携帯用加工機1を前方へ移動させる。これによりベース2の下方に突出しかつ回転する刃具6が被加工材Wに切り込まれる。かくして被加工材Wは、携帯用加工機1を移動させる切断方向に切断される。以下の説明において、切断方向前側を前方とし、携帯用加工機1に対して使用者が位置する側を後方とする。上下左右方向については、携帯用加工機1の後方(図1において左方手前側)に位置する使用者から見た視点で規定する。
図1,2に示すように長尺定規10は、前後方向を長手方向として被加工材Wの上面に固定される。長尺定規10の下面には、前後方向に直線状に延出しかつ上方に向けて凹形状のレール11が設けられる。レール11は、長手方向と直交する断面形状が略直角の角部を有する略矩形のU字状である。レール11は、長尺定規10の上面においては前後方向に直線状に延出する上側レール11aとして上方に向けて突出する。ベース2の下面には、上下方向に延出しかつ上方に向けて凹形状である不図示の係合溝が設けられる。ベース2の下面の係合溝を上側レール11aに係合させることにより、携帯用加工機1を上側レール11aの延出方向に沿ってガイドできる。上側レール11aは、長尺定規10の刃具側端面10aと平行に延出する。また、ベース2の下面の係合部も刃具6の側面と平行に延出する。そのため刃具6は、刃具側端面10aの延出方向に沿って被加工材Wを切断する。
図1,2に示すように長尺定規10の上面には、長尺定規10の長手方向に延出する摺動部12が設けられる。摺動部12は、ベース2の下面と小さい摩擦力で摺動する。そのため携帯用加工機1を長尺定規10の長手方向にスムーズに移動させることができる。長尺定規10の下面には、長尺定規10の長手方向に延出する滑り止め部13が設けられる。滑り止め部13は、例えばエラストマ樹脂を材料にして設けられる。滑り止め部13を被加工材Wの上面に当接させることにより、被加工材Wの上面に対して長尺定規10が滑って移動してしまうことを抑制できる。
図4に示すようにレール11は、下端に開口を有しかつ上端に底面を有する。レール11は、上端の底面の左右両端から下方に延出する左右一対の第1上側縦壁11b、第2上側縦壁11cを有する。レール11は、下端の開口の左右両端から上方に延出する左右一対の第1下側縦壁11d、第2下側縦壁11eを有する。第1上側縦壁11b、第2上側縦壁11c、第1下側縦壁11d、第2下側縦壁11eは、それぞれ長尺定規10の下面に対して垂直に起立して上下方向に延出する。第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの左右方向の間隔は、第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cの左右方向の間隔よりも短く設けられる。そのため第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eは、第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cの間の領域に係合した凸形レールの抜け止めとして作用する。
図2に示すように長尺定規用固定機15は、被加工材Wを切断方向に挟み込む第1固定具20と第2固定具30で構成される。第1固定具20は、被加工材Wの切断方向後側の第1側面W1に当接する。第2固定具30は、被加工材Wの切断方向前側の第2側面W2に当接する。第1固定具20は、長尺定規10の下面側において長尺定規10の後端の第1端部10bからレール11に装着され、第1側面W1に向けて後方へ移動される。第2固定具30は、長尺定規10の下面側において長尺定規10の前端の第2端部10cからレール11に装着され、第2側面W2に向けて前方へ移動される。
図2に示すように第1固定具20は、レール11に対して前後方向にスライド可能に装着された本体21と、本体21の後端で第1側面W1と当接する当接部材22を有する。本体21は、本開示においてレール11に対してスライド可能なスライド部に相当する。本体21は、概ね箱形矩形に形成される。当接部材22は、後方へ突出する円弧状面を有する。当接部材22の円弧状面が第1側面W1と当接する。
図3~5に示すように本体21の左側部の上面側には、ガイド23が設けられる。ガイド23は、本体21の前端から前方へ突出した前側ガイド23aと、本体21の後端から後方へ突出した後側ガイド23bを有する。前側ガイド23aと後側ガイド23bは、それぞれ略矩形の柱状に形成されて一直線上に並ぶ。前側ガイド23aの上部には、左右側方それぞれに張り出した側方張出部23cが設けられる。後側ガイド23bの上部には、左右側方それぞれに張り出した側方張出部23dが設けられる。
図4,5に示すように側方張出部23c,23dは、第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cの間隔よりもわずかに小さい左右幅で設けられる。側方張出部23c,23dは、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間隔よりも大きい左右幅で設けられる。そのため側方張出部23c,23dは、第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cの間の領域で前後方向にスライド可能でありかつ第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間の領域への進入が規制される。前側ガイド23aと後側ガイド23bの下部は、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間隔よりもわずかに小さい左右幅で設けられる。かくして前側ガイド23aと後側ガイド23bは、レール11から下方への脱落が防止された状態でレール11に沿って前後方向にスライド可能である。
図3,4に示すように本体21の中央には、凹部21aが設けられる。凹部21aは、左側面と下面が開口した略矩形箱形に凹設される。凹部21aの内部には、使用者が指で引いて操作可能なレバー29が設けられる。レバー29は、上下方向に延出する回転軸29aを中心に回転可能である。レバー29の操作部29bは、回転軸29aの右方に位置する。凹部21aの内部には、上下方向に起立する壁形状の第1ストッパ21cと第2ストッパ21dが設けられる。第1ストッパ21cは、回転軸29aと操作部29bの後方に配置されてレバー29の後方への回転を規制する。第2ストッパ21dは、操作部29bの前方に配置されてレバー29の前方への回転を規制する。そのためレバー29は、第1ストッパ21cに当接する初期位置L1から第2ストッパ21dに当接するまでの範囲内で回転可能である。初期位置L1のレバー29の前方には、使用者の指を挿入可能な隙間が形成される。
図6に示すようにレバー29は、円柱状の軸部材27とねじ締結で一体に設けられる。軸部材27は、レバー29の上部に連結されて上方に延出する。軸部材27は、凹部21aの上面を上下方向に貫通する貫通孔21bを通って本体21の上方に突出する。軸部材27の上端には、楕円状のカム26が設けられる。
図3,4,6に示すように本体21には、レバー29を初期位置L1に向けて付勢するトーションばね28が設けられる。凹部21aには、回転軸29aの左方において上下方向に延出する壁形状のばね受けリブ21eが設けられる。レバー29の前面には、上方に向けて板状に張り出したばね受け部29cが設けられる。トーションばね28は、一端が本体21のばね受けリブ21eと当接し、他端がレバー29のばね受け部29cと当接する。そのためレバー29と軸部材27とカム26は、トーションばね28によって図4において反時計回り方向の付勢力を受ける。
図6,7に示すように本体21の上面の上方には、レール11の内面を押圧して第1固定具20をレール11に固定させるための押圧機構24が設けられる。押圧機構24は、レバー29と一体に設けられたカム26と、本体21と一体に設けられたブロック25を有する。押圧機構24は、ガイド23をレール11に係合させた状態で、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間に位置する。
図6,7に示すようにブロック25は、本体21の上面から上方に起立する壁形状に設けられる。ブロック25は、上方から見てカム26の周囲を囲みかつ略直角の角部を2箇所に有するU字状である。ブロック25は、カム26の左方に位置する前後延出壁25eと、前後延出壁25eの前端から右方に延出する前壁25cと、前後延出壁25eの後端から右方に延出する後壁25dを有する。前壁25cと後壁25dは、右端において第1下側縦壁11dと当接しないように設けられる。前後延出壁25eは、ガイド23と平行に前後方向に延出する。前後延出壁25eの左側面は、第2下側縦壁11eと当接する当接平面25aである。前後延出壁25eの右側面には、回転するカム26との衝突を避けるために円弧状の弧状凹部25bが設けられる。
図6,7に示すようにカム26は、回転軸26aを中心とする楕円状であり、回転軸26aを中心にして回転可能である。回転軸26aは、レバー29の回転軸29aと同軸である。カム26の右端は、第1下側縦壁11dと当接して押圧する押圧面26bである。カム26の左端のブロック対向部26cは、弧状凹部25bとの間に隙間が形成される。カム26は、トーションばね28によって図7において時計回り方向に付勢される。カム26は、押圧面26bが第1下側縦壁11dと当接する押圧位置K1と、押圧面26bと第1下側縦壁11dの間にクリアランスCが形成される押圧解除位置K2の間で回転可能である。レバー29は、カム26が押圧位置K1に位置する時に初期位置L1(図4参照)に位置する。レバー29は、カム26が押圧解除位置K2に位置する時に操作位置L2(図4参照)に位置する。
図7に示すようにカム26が押圧位置K1に位置する時、押圧面26bが第1下側縦壁11dを右方に向けて押圧し、当接平面25aが第2下側縦壁11eを左方に向けて押圧する。押圧面26bの押圧方向と当接平面25aの押圧方向は左右正反対である。そのためカム26とブロック25は、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間で協働して左右双方に突っ張った状態になる。これにより第1固定具20は、レール11に対する前後方向の移動が規制される。カム26が押圧解除位置K2に位置する際には、押圧面26bと第1下側縦壁11dの間にクリアランスCが形成される。そのため押圧面26bの押圧力と当接平面25aの押圧力が解除される。これにより第1固定具20をレール11に沿って前後方向にスライドさせることができる。
図7に示す第1固定具20を第1側面W1(図2参照)に向けて後方(図7において左方)へスライドさせる。この時、第1下側縦壁11dは、押圧面26bに対して相対的に前方へ移動する。カム26は、押圧面26bと第1下側縦壁11dとの摩擦によって押圧位置K1から押圧解除位置K2へとトーションばね28(図6参照)の付勢力に抗して回転する。そのため押圧面26bと第1下側縦壁11dの間にクリアランスCが形成されて第1固定具20を後方に移動させることができる。
一方、第1固定具20を第1側面W1から離間する前方(図7において右方)へスライドさせようとする場合、第1下側縦壁11dは押圧面26bに対して相対的に後方へ移動する。押圧面26bには、第1下側縦壁11dとの摩擦によって押圧位置K1からトーションばね28の付勢方向(図7において時計回り方向)に回転する力が加わる。回転力は押圧面26bが第1下側縦壁11dを水平方向に押す押圧力に変換され、押圧面26bの押圧力が強くなる。そのため第1固定具20の前方への移動が規制される。使用者がレバー29(図4参照)を引いて初期位置L1から操作位置L2へ回転させると、カム26は押圧位置K1から押圧解除位置K2へと強制的に回転される。そのため押圧面26bと第1下側縦壁11dの間にクリアランスCが形成されて第1固定具20の前方への移動が許容される。
図2に示すように第2固定具30は、レール11に対して前後方向にスライド可能に装着された本体31と、本体31を前後方向に貫通するロッド35を有する。本体31は、本開示においてレール11に対してスライド可能なスライド部に相当する。本体31は、下側ハウジング32と上側ハウジング33を複数の止めねじ31hで上下方向に連結させることにより形成される。ロッド35の前端には、第2側面W2と当接する当接部材34が設けられる。当接部材34は、前方へ突出する円弧状面を有する。当接部材34の円弧状面が第2側面W2と当接する。
図8~10に示すように上側ハウジング33の上面側には、ガイド40が設けられる。ガイド40は、本体31の前端から前方へ突出した前側ガイド40aと、本体31の後端から後方へ突出した後側ガイド40bを有する。前側ガイド40aと後側ガイド40bは、ロッド35の左方に位置しかつロッド35と平行に延出する。前側ガイド40aと後側ガイド40bは、それぞれ略矩形の柱状に形成されて一直線上に並ぶ。
図8,9に示すように前側ガイド40aの上部には、左右側方それぞれに張り出した側方張出部40cが設けられる。後側ガイド40bの上部には、左右側方それぞれに張り出した側方張出部40dが設けられる。前側ガイド40a、後側ガイド40b、側方張出部40c,40dは、それぞれ前側ガイド23a、後側ガイド23b、側方張出部23c,23d(図4,7参照)と同様の左右幅で設けられる。そのため側方張出部40c,40dは、第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cの間の領域で前後方向にスライド可能でありかつ第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間の領域への進入が規制される。前側ガイド40aと後側ガイド40bは、レール11から下方への脱落が防止された状態でレール11に沿って前後方向にスライド可能である。
図11に示すように本体31の前端と後端には、前後方向に貫通するロッド支持孔31b,31cが設けられる。ロッド35は、ロッド支持孔31b,31cを貫通して前後方向に延出した姿勢で、前後方向に移動可能に本体31に支持される。本体31の内部には、ロッド35を前方へ移動させるための第1プレート37と、ロッド35の後方への移動を規制する第2プレート38が収容される。第1プレート37は、上側ハウジング33の下面に設けられた第1プレート支持部33dに支持される。第1プレート37は、第1プレート支持部33dに位置する傾動支点37bを中心にして前後方向に傾動する。第1プレート37は、上側ハウジング33の下面に設けられた第1プレート受けリブ33eによって後方への傾動が規制される。第1プレート37の中央には板厚方向(前後方向)に貫通する貫通孔37aが設けられる。ロッド35は貫通孔37aに挿通される。第1プレート37の前面と、ロッド支持孔31bの後端に設けられたばね受け部31fの間には、圧縮ばね35aが設けられる。
図11に示すように上側ハウジング33の下面には、下方から見て後部が開口した略U字状のばね収容部33gが設けられる。ばね収容部33gには、前後方向に圧縮される圧縮ばね33fが収容される。ばね収容部33gの後方には第2プレート受けリブ33hが設けられる。第2プレート38の右端は、圧縮ばね33fと第2プレート受けリブ33hの前後方向の間に挿入される。そのため第2プレート38は、圧縮ばね33fによって左端が後方へ傾動するように付勢される。第2プレート38の中央には板厚方向(前後方向)に貫通する貫通孔38aが設けられる。ロッド35は貫通孔38aに挿通される。第2プレート38は、圧縮ばね33fに付勢されることによりロッド35に対して傾斜している。そのため貫通孔38aとロッド35の外周面の間で摩擦力が発生し、ロッド35の後方への移動が規制される。
図11に示すようにロッド35の後端には、キャップ35cが装着される。本体31の後面には、ロッド支持孔31cの周囲にばね受け部31gが設けられる。ばね受け部31gとキャップ35cの前面との間には、戻り用圧縮ばね35bが設けられる。
図11に示すように本体31は、左方に延出するグリップ31aを有する。グリップ31aの前方には、ロッド35を送り方向に移動させるための送りレバー36が設けられる。送りレバー36は、グリップ31aの基端(右端)近傍に設けられた回転軸36aを中心に傾動可能である。送りレバー36の先端には、使用者がグリップ31aに向けて指で引くことができる操作部36bが設けられる。回転軸36aの右方には、送りレバー36の回り止めをするためのレバー受けリブ31eが設けられる。送りレバー36は、レバー受けリブ31eの前方の第1プレート係合部36cにおいて第1プレート37の後面と係合する。
図11に示すように本体31の後面には、後側ガイド40bの後方において前後方向に貫通する貫通孔31dが設けられる。貫通孔31dには、略円柱状の押しボタン39が装着される。押しボタン39の後端は、拡径された円板状の操作部39aとして設けられる。押しボタン39の前端は、操作部39aと略同じ形状で拡径された第2プレート係合部39bとして設けられる。押しボタン39は、操作部39aと第2プレート係合部39bによって貫通孔31dに対して抜け止めされる。第2プレート係合部39bの前面には、第2プレート38の左端のボタン係合部38bが当接する。
図11に示す送りレバー36を使用者が引くと、第1プレート係合部36cが第1プレート37を前方に押す。これにより第1プレート37がロッド35に対して傾斜し、貫通孔37aとロッド35の外周面の間で摩擦力が発生する。ロッド35は、前方へ傾動する第1プレート37と共に前方へ移動する。送りレバー36の引き操作を止めると、第1プレート37が圧縮ばね35aによって後方に押される。そのためロッド35に対する第1プレート37の傾斜(こじり)が解消され、貫通孔37aとロッド35の外周面の間の摩擦力が解消される。ロッド35は、第2プレート38によって後方への移動が規制されているため、前方に移動した位置で保持される。そのため第1プレート37と送りレバー36のみが初期位置に戻る。
ロッド35が前方へ移動した状態で押しボタン39を押すと、圧縮ばね33fの付勢力に抗して第2プレート38のボタン係合部38bが前方へ移動する。そのためロッド35に対する第2プレート38の傾斜(こじり)が解消され、貫通孔38aとロッド35の外周面の間の摩擦力が解消される。これによりロッド35は、戻り用圧縮ばね35bの付勢力によって後方の初期位置に戻される。
図8,11に示すように本体31の内部には、使用者が指で引いて操作可能なレバー46が設けられる。下側ハウジング32の下面には、レバー46に向けて指を進入させることができる開口32aが設けられる。レバー46は、上下方向に延出する回転軸46aを中心に回転可能である。レバー46の操作部46bは、回転軸46aの左方に位置する。上側ハウジング33の下面には、上下方向に起立する壁形状のストッパ33bが設けられる。ストッパ33bは、回転軸46aと操作部46bの前方に配置されてレバー46の前方への回転を規制する。そのためレバー46は、ストッパ33bに当接する初期位置N1から、初期位置N1の後方の操作位置N2まで回転可能である。
図12に示すようにレバー46は、円柱状の軸部材44とねじ締結で一体に設けられる。軸部材44は、レバー46の上部に連結されて上方に延出する。軸部材44は、上側ハウジング33を上下方向に貫通する貫通孔33aを通って上側ハウジング33の上方に突出する。軸部材44の上端には、楕円状のカム43が設けられる。
図11,12に示すように本体31には、レバー46を初期位置N1に向けて付勢するトーションばね45が設けられる。上側ハウジング33の下面には、回転軸46aの右方において上下方向に延出する壁形状のばね受けリブ33cが設けられる。レバー46の前面には、上方に向けて板状に張り出したばね受け部46cが設けられる。トーションばね45は、一端が上側ハウジング33のばね受けリブ33cと当接し、他端がレバー46のばね受け部46cと当接する。そのためレバー46と軸部材44とカム43は、トーションばね45によって図11において反時計回り方向の付勢力を受ける。
図9,12に示すように上側ハウジング33の上面の上方には、レール11の内面を押圧して第2固定具30をレール11に固定させるための押圧機構41が設けられる。押圧機構41は、レバー46と一体に設けられたカム43と、上側ハウジング33と一体に設けられたブロック42を有する。押圧機構41は、ガイド40をレール11に係合させた状態で、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間に位置する。
図12,13に示すようにブロック42とカム43は、ブロック25とカム26(図6,7参照)と同様の形状に設けられる。すなわちブロック42は、上側ハウジング33の上面から上方に起立する前後延出壁42eと前壁42cと後壁42dで構成される。カム43は、略U字状のブロック42の中央に配置される。前後延出壁42eは、カム43の右方においてガイド40と平行に前後方向に延出する。前後延出壁42eの右側面は、第1下側縦壁11dと当接する当接平面42aである。前後延出壁42eの左側面には、回転するカム43との衝突を避けるために円弧状の弧状凹部42bが設けられる。前壁42cは、前後延出壁42eの前端から第2下側縦壁11eと当接しない範囲で左方に延出する。後壁42dは、前後延出壁42eの後端から第2下側縦壁11eと当接しない範囲で左方に延出する。
図12,13に示すようにカム43は、回転軸43aを中心とする楕円状であり、回転軸43aを中心にして回転可能である。回転軸43aは、レバー46の回転軸46aと同軸である。カム43の左端は、第2下側縦壁11eと当接して押圧する押圧面43bである。カム43の右端のブロック対向部43cは、弧状凹部42bとの間に隙間が形成される。カム43は、トーションばね45によって図13において時計回り方向に付勢される。カム43は、押圧面43bが第2下側縦壁11eと当接する押圧位置M1と、押圧面43bと第2下側縦壁11eの間にクリアランスCが形成される押圧解除位置M2の間で回転可能である。レバー46は、カム43が押圧位置M1に位置する時に初期位置N1(図11参照)に位置する。レバー46は、カム43が押圧解除位置M2に位置する時に操作位置N2(図11参照)に位置する。
図13に示すようにカム43が押圧位置M1に位置する時、押圧面43bが第2下側縦壁11eを左方に向けて押圧し、当接平面42aが第1下側縦壁11dを右方に向けて押圧する。カム43とブロック42は、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eをそれぞれ左右正反対に押圧する。そのため第2固定具30は、レール11に対する前後方向の移動が規制される。カム43が押圧解除位置M2に位置する際には、押圧面43bと第2下側縦壁11eの間にクリアランスCが形成される。そのため押圧面43bの押圧力と当接平面42aの押圧力が解除され、第2固定具30をレール11に沿って前後方向にスライドさせることができる。
図13に示す第2固定具30を第2側面W2(図2参照)に向けて前方(図13において右方)へスライドさせる。この時、第2下側縦壁11eは、押圧面43bに対して相対的に後方へ移動する。カム43は、押圧面43bと第2下側縦壁11eとの摩擦によって押圧位置M1から押圧解除位置M2へとトーションばね45(図12参照)の付勢力に抗して回転する。そのため押圧面43bと第2下側縦壁11eの間にクリアランスCが形成されて第2固定具30を前方に移動させることができる。
一方、第2固定具30を第2側面W2から離間する後方(図13において左方)へスライドさせようとする場合、第2下側縦壁11eは押圧面43bに対して相対的に前方へ移動する。カム43は、押圧面43bと第2下側縦壁11eとの摩擦によって押圧位置M1からトーションばね45の付勢方向(図13において時計回り方向)に回転する力が加わる。回転力は押圧面43bが第2下側縦壁11eを水平方向に押す押圧力に変換され、押圧面43bの押圧力が強くなる。そのため第2固定具30の後方への移動が規制される。使用者がレバー46(図11参照)を引いて初期位置N1から操作位置N2へ回転させると、カム43は押圧位置M1から押圧解除位置M2へと強制的に回転される。そのため押圧面43bと第2下側縦壁11eの間にクリアランスCが形成されて第2固定具30の後方への移動が許容される。
第1固定具20と第2固定具30が協働して被加工材Wを挟み込み、長尺定規10が被加工材Wの上面に固定されるまでの一連の流れを説明する。先ず、図2に示すように第1固定具20をレール11の第1端部10bから後方に向けて装着する。第2固定具30をレール11の第2端部10cから前方に向けて装着する。第1固定具20の当接部材22と第2固定具30の当接部材34の間隔は、被加工材Wの前後幅よりも広い状態にしておく。長尺定規10を被加工材Wの上面に載せ、例えば被加工材Wの上面に引かれた墨線と平行に配置する。
図2に示す第1固定具20は、前方への移動は規制されるが後方には移動可能である。第1固定具20を、当接部材22が第1側面W1に当接するまで後方へ移動させる。第1側面W1に当接した第1固定具20は、前方に移動できないためレール11に対して固定される。第2固定具30は、後方への移動は規制されるが前方には移動可能である。第2固定具30を、当接部材34が第2側面W2に当接するまで後方へ移動させる。第2側面W2に当接した第2固定具30は、後方に移動できないためレール11に対して固定される。第2固定具30のロッド35は、後方への移動は規制されるが前方には移動可能である。送りレバー36を引いてロッド35を前方に移動させる。これによりロッド35の先端の当接部材34が第2側面W2を前方へ押圧する。かくして第1固定具20と第2固定具30が被加工材Wを前後方向に挟み込み、長尺定規10が被加工材Wに固定される。
第1固定具20と第2固定具30による被加工材Wの挟み込みを解除する場合は、先ず第2固定具30の押しボタン39を押してロッド35と当接部材34を後方に移動させる。第1固定具20のレバー29を引くことにより、第1固定具20の前方への移動が許容される。第2固定具30のレバー46を引くことにより、第2固定具の後方への移動が許容される。第1固定具20と第2固定具30の少なくとも一方を被加工材Wから離間させることで長尺定規10を被加工材Wから取り外すことができる。
上述するように長尺定規用固定機15は、図2に示すように携帯用加工機1をガイドする長尺定規10を被加工材Wに固定するために用いられる。長尺定規用固定機15は、長尺定規10の下面に取外し可能に装着されて被加工材Wの第1側面W1に当接される第1固定具20を有する。長尺定規用固定機15は、長尺定規10の下面に装着されて被加工材Wの第2側面W2に当接されて第1固定具20と協働して被加工材Wを挟む第2固定具30を有する。第1固定具20は、長尺定規10の下面に形成されたレール11にスライド可能に装着される本体21を有する。第1固定具20は、本体21に設けられてレール11の第1下側縦壁11dに当たるカム26を有する。カム26は、第1固定具20が被加工材Wから離れる際にレール11の第1下側縦壁11dから力を受けて力を第1下側縦壁11dを水平方向に押す押圧力に変換する押圧面26bを備える。
したがってレール11の第1下側縦壁11dを水平方向に押す押圧力によって第1固定具20をレール11の所定の位置に固定できる。押圧力は、第1固定具20を被加工材Wから離れる方向に移動させる力を変換することによって得ることができる。そのため第1固定具20を固定するための操作部を設けることなく第1固定具20をレール11に固定できる。これにより長尺定規10を被加工材Wに対して迅速に固定できる。
図7に示すように本体21には、第1下側縦壁11dと対向するレール11の第2下側縦壁11eを押圧するブロック25が設けられる。したがってカム26が第1下側縦壁11dを押圧する方向と反対方向に、ブロック25が第2下側縦壁11eを押圧する。そのためカム26とブロック25が協働して、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eの間で突っ張った状態になる。これによりカム26が第1下側縦壁11dを押す押圧力をより強くすることができる。かくして第1固定具20を長尺定規10に対して迅速に固定できる。
図7に示すようにカム26は、本体21に移動可能に設けられる。ブロック25は、本体21に固定されている。したがって本体21に固定されたブロック25と、本体21に対して移動可能なカム26というシンプルな構造で第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eをそれぞれ押圧できる。シンプルな構造にすることにより押圧力の伝達効率を良好にできる。
図6に示すように第1固定具20は、カム26から下方に延出して第1固定具20の本体21に回転可能に支持される軸部材27を有する。第1固定具20は、本体21に設けられて軸部材27を付勢するトーションばね28を有する。したがってカム26を軸部材27と共に回転させる機構を、トーションばね28を用いたシンプルな構造で実現できる。また、シンプルな構造にすることによりカム26の周囲をコンパクトに設けることができる。
図6,7に示すようにカム26は、第1固定具20が被加工材W(図2参照)から力を受けて被加工材Wから離れる際にトーションばね28が付勢する付勢方向に回転して第1下側縦壁11dを押圧する。第1固定具20が被加工材Wに向けて移動する際に付勢方向と反対方向に回転して第1下側縦壁11dとの間にクリアランスCを生じる。
したがって第1固定具20を長尺定規10のレール11に沿って被加工材Wに向けて移動させる際には、カム26と第1下側縦壁11dの間に生じたクリアランスCによってカム26が第1下側縦壁11dを押圧しない。そのため第1固定具20を容易に被加工材Wに向けて移動させることができる。第1固定具20を長尺定規10のレール11に沿って被加工材Wから離間させようとすると、カム26がトーションばね28の付勢方向に回転して第1下側縦壁11dを押圧する。そのため第1固定具20が被加工材Wから離間せず、レール11に固定される。かくしてレール11に沿って被加工材Wに接近する方向に移動可能でありかつ被加工材Wから離間する方向の移動が規制される第1固定具20を設けることができる。
図4,6に示すように第1固定具20は、軸部材27に設けられたレバー29を有する。レバー29の操作部29bが被加工材Wから離れる方向にレバー29が回転することで軸部材27がトーションばね28に抗して回転し、カム26が第1下側縦壁11dを押す力が弱くなる。したがってレバー29を回転させるシンプルな操作で第1固定具20を被加工材Wから離間させることができる。そのため第1固定具20と第2固定具30による被加工材Wのクランプ状態を迅速に解除できる。
図4に示すように本体21には、トーションばね28に付勢されるレバー29の回転を規制する第1ストッパ21cが設けられる。したがってレバー29がトーションばね28に付勢される方向を付勢方向として、レバー29の付勢方向前面には、第1ストッパ21cで係止されることによって隙間が形成される。そのため隙間に使用者の指を進入させることで、レバー29を付勢方向と反対方向に容易に回転させることができる。
図7に示すようにブロック25は、カム26の押圧面26bに対して軸部材27の反対側に位置する。したがってカム26の押圧面26bと軸部材27とブロック25とが、第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eに対して直交する方向に並ぶ。そのためカム26が第1下側縦壁11dを押す押圧力と、ブロック25が第2下側縦壁11eを押す押圧力は、レール11の延出方向と直交する方向で互いに正反対に作用する。これによりレール11に対する第1固定具20の傾斜(こじり)を抑制できる。また、カム26とブロック25の押圧力のロスを少なくして、第1固定具20を効率良くレール11に固定できる。
図7に示すようにブロック25は、第2下側縦壁11eに沿いかつ第2下側縦壁11eに当接する当接平面25aを有する。したがって当接平面25aは、第1固定具20をレール11の延出方向に沿って移動させるガイドと、第2下側縦壁11eを面直方向に押圧して第1固定具20の移動を規制するブレーキを兼ねることができる。そのためブロック25をシンプルかつコンパクトに設けることができる。
図7に示すようにカム26は、楕円状のカムである。したがってカム26を楕円状の回転軸26aを中心にして回転させることにより、カム26が第1下側縦壁11dを押圧する押圧位置K1と、カム26と第1下側縦壁11dの間にクリアランスCが生じる押圧解除位置K2を容易に切り替えることができる。
以上説明した本実施例には様々な変更を加えることができる。携帯用加工機1として携帯用マルノコを例示したが、例えばジグソー、ルータ等の他の携帯用加工機を長尺定規10と共に使用する際にも長尺定規用固定機15を利用できる。第1固定具20を被加工材Wの前方、第2固定具30を被加工材Wの後方に配置する構成を例示したが、第1固定具20と第2固定具30の前後位置を入れ替えた構成にしても良い。
第1固定具20において当接部材22の左方にガイド23が設けられ、第2固定具30において当接部材34の左方にガイド40が設けられる構成を例示した。これに代えてガイド23,40をそれぞれ当接部材22,34の右方に配置する構成としても良い。本体21の凹部21aが左方と下方に向けて開口する構成を例示した。これに代えて凹部21aを右方と下方に向けて開口する構成にしても良い。レバー29,46の操作方向を例示した方向と反対にしても良い。
カム26,43とブロック25,42が第1下側縦壁11dと第2下側縦壁11eを押圧する構成を例示した。これに代えて、カム26,43とブロック25,42が第1上側縦壁11bと第2上側縦壁11cを押圧する構成にしても良い。ブロック25,42は、例えば当接平面25a,42aを具備する前後延出壁25e,42eのみで設けられていても良い。ブロック25,42は、例えば前壁25c,42cと後壁25d,42dの一方を有しない構成であっても良い。カム26,43は、例えば円形に設けられており、円の中心から偏心した回転軸26a,43aを中心にして回転する構成であっても良い。
1…携帯用加工機
2…ベース、2a…窓部
3…加工機本体、3a…ハンドル部
4…電動モータ
5…バッテリ
6…刃具、6a…回転軸
10…長尺定規、10a…刃具側端面、10b…第1端部、10c…第2端部
11…レール(溝)、11a…上側レール、11b…第1上側縦壁
11c…第2上側縦壁、11d…第1下側縦壁、11e…第2下側縦壁
12…摺動部
13…滑り止め部
15…長尺定規用固定機
20…第1固定具
21…本体(スライド部)、21a…凹部、21b…貫通孔
21c…第1ストッパ、21d…第2ストッパ、21e…ばね受けリブ
22…当接部材
23…ガイド、23a…前側ガイド、23b…後側ガイド、23c,23d…側方張出部
24…押圧機構
25…ブロック(第2押圧部)、25a…当接平面、25b…弧状凹部
25c…前壁、25d…後壁、25e…前後延出壁
26…カム(押圧部)、26a…回転軸、26b…押圧面、26c…ブロック対向部
27…軸部材
28…トーションばね
29…レバー、29a…回転軸、29b…操作部、29c…ばね受け部
30…第2固定具
31…本体(スライド部)、31a…グリップ、31b,31c…ロッド支持孔
31d…貫通孔、31e…レバー受けリブ、31f…ばね受け部
31g…ばね受け部、31h…止めねじ
32…下側ハウジング、32a…開口
33…上側ハウジング、33a…貫通孔、33b…ストッパ、33c…ばね受けリブ
33d…第1プレート支持部、33e…第1プレート受けリブ、33f…圧縮ばね
33g…ばね収容部、33h…第2プレート受けリブ
34…当接部材
35…ロッド、35a…圧縮ばね、35b…戻り用圧縮ばね、35c…キャップ
36…送りレバー、36a…回転軸、36b…操作部、36c…第1プレート係合部
37…第1プレート、37a…貫通孔、37b…傾動支点、37c…レバー係合部
38…第2プレート、38a…貫通孔、38b…ボタン係合部
39…押しボタン、39a…操作部、39b…抜け止め部
40…ガイド、40a…前側ガイド、40b…後側ガイド、40c,40d…側方張出部
41…押圧機構
42…ブロック(第2押圧部)、42a…当接平面、42b…弧状凹部
42c…前壁、42d…後壁、42e…前後延出壁
43…カム(押圧部)、43a…回転軸、43b…押圧面、43c…ブロック対向部
44…軸部材
45…トーションばね
46…レバー、46a…回転軸、46b…操作部、46c…ばね受け部
W…被加工材、W1…第1側面、W2…第2側面
K1…押圧位置、K2…押圧解除位置
L1…初期位置、L2…操作位置
M1…押圧位置、M2…押圧解除位置
N1…初期位置、N2…操作位置
C…クリアランス

Claims (10)

  1. 携帯用加工機をガイドする長尺定規を被加工材に固定するための長尺定規用固定機であって、
    前記長尺定規の下面に取外し可能に装着されて前記被加工材の第1側面に当接される第1固定具と
    前記長尺定規の下面に装着されて前記被加工材の第2側面に当接されて前記第1固定具と協働して前記被加工材を挟む第2固定具を有し、
    前記第1固定具は、
    前記長尺定規の前記下面に形成された溝にスライド可能に装着されるスライド部と、
    前記スライド部に設けられて前記溝の縦壁に当たる押圧部を有し、前記押圧部は、前記第1固定具が前記被加工材から離れる際に前記溝の前記縦壁から力を受けて前記力を前記縦壁を水平方向に押す押圧力に変換する押圧面を備える長尺定規用固定機。
  2. 請求項1に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記スライド部には、前記縦壁と対向する前記溝の第2縦壁を押圧する第2押圧部が設けられる長尺定規用固定機。
  3. 請求項2に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記押圧部は、前記スライド部に移動可能に設けられ、
    前記第2押圧部は、前記スライド部に固定されている長尺定規用固定機。
  4. 請求項3に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記第1固定具は、前記押圧部から下方に延出して前記第1固定具の本体に回転可能に支持される軸部材と、前記本体に設けられて前記軸部材を付勢するトーションばねを有する長尺定規用固定機。
  5. 請求項4に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記押圧部は、前記第1固定具が前記被加工材から力を受けて前記被加工材から離れる際に前記トーションばねが付勢する付勢方向に回転して前記縦壁を押圧し、前記第1固定具が前記被加工材に向けて移動する際に前記付勢方向と反対方向に回転して前記縦壁との間にクリアランスを生じる長尺定規用固定機。
  6. 請求項4または5に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記第1固定具は、前記軸部材に設けられたレバーを有し、前記レバーの操作部が前記被加工材から離れる方向に前記レバーが回転することで前記軸部材が前記トーションばねに抗して回転し、前記押圧部が前記縦壁を押す力が弱くなる長尺定規用固定機。
  7. 請求項6に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記本体には、前記トーションばねに付勢される前記レバーの回転を規制するストッパが設けられる長尺定規用固定機。
  8. 請求項4~7のいずれか1つに記載の長尺定規用固定機であって、
    前記第2押圧部は、前記押圧部の前記押圧面に対して前記軸部材の反対側に位置する長尺定規用固定機。
  9. 請求項8に記載の長尺定規用固定機であって、
    前記第2押圧部は、前記第2縦壁に沿いかつ前記第2縦壁に当接する当接平面を有する長尺定規用固定機。
  10. 請求項2~9のいずれか1つに記載の長尺定規用固定機であって、
    前記押圧部は、楕円状のカムである長尺定規用固定機。
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