JP2023096192A - 幼若ブタ由来幹細胞およびその調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた増殖能および分化能を有する幹細胞を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、幼若ブタより単離された、幹細胞およびその調製方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、幼若ブタ由来幹細胞およびその調製方法に関し、より詳細には、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞に分化可能である幼若ブタ由来の間葉系幹細胞およびその調製方法に関する。
近年の間葉系幹細胞をはじめとする体性幹細胞研究の進歩により、体性幹細胞の臨床応用は、既に基礎的な研究段階から開発段階へ移行している。体性幹細胞は、大きく3つの機能(多分化能、免疫調節能、細胞外環境のリモデリング能)をもち、難治性疾患の治療用細胞として期待されている。
1つ目の多分化能については、体性幹細胞が直接骨、軟骨などに分化する能力であり、投与された体性幹細胞が失われた細胞を補完したり、機能が不十分な細胞に置換したりすることで治療効果を発揮する。
2つ目の免疫調節能は、体性幹細胞からの抗炎症性サイトカイン、ケモカイン、エクソソームなどの分泌を介し、あるいは、細胞間の接着因子などを介し、患者の免疫担当細胞に働きかけ、炎症や移植片対宿主病などの免疫反応を抑制することで治療効果を発揮する。
3つ目の細胞外環境のリモデリング能については、虚血性疾患における梗塞部位や、炎症によって引き起こされた線維化部位などに対し、体性幹細胞からの血管誘導因子、成長因子、抗線維化因子などの分泌により治療効果を発揮するものである。
間葉系幹細胞は、哺乳類の骨髄、脂肪、膵島、臍帯血等に存在し、中胚葉性組織(間葉)に由来する体性幹細胞であり、間葉系に属する細胞への分化能を有する。近年、移植片対宿主病、心血管障害、自己免疫疾患、変形性関節症、骨形成不全、肝障害、呼吸器疾患、脊髄損傷、脳梗塞、腎不全等の疾患に対して臨床治験が行われている(非特許文献1)。
間葉系幹細胞は、様々な臨床応用が期待されているが、ドナー確保、ドナーに対する侵襲、ドナーごとのウイルス否定検査等の安全性の担保などの課題がある。また、得られる間葉系幹細胞の効力は、ドナーやその年齢等の条件により大きく変動し、治療用細胞の安定した品質確保も大きな課題である。患者の骨髄等由来の間葉系幹細胞を体外で増殖させて、同一患者にその細胞を用いて治療する技術は、ドナー不足で問題となっている組織・臓器移植の代替の治療法となり得る。しかし、細胞の増殖能、分化能には個人差があり、全ての患者由来の細胞が同様の挙動を示さない(非特許文献2)。以上のように、治療に十分な幹細胞を準備するには、ドナー確保、安全性の確認、幹細胞の優れた増殖、分化能が求められる。
Lemos NE, de Almeida Brondani L, Dieter C, Rheinheimer J, Boucas AP,Bauermann Leitao C, Crispim D, Bauer AC. Islets. 2017 Jul 5:e1335842. doi:10.1080/19382014.2017.1335842 大串 始、生化学、第81巻、第2号、99~104頁、2009年2月
上記の通り、再生治療に幹細胞を用いる場合、ドナー確保、安全性の確認、幹細胞の優れた増殖、分化能が要求されるが、幹細胞は数継代を経るとその増殖能・分化能が低下するため、治療に十分な幹細胞を調製するにはコストおよび時間を要するという問題がある。したがって、本発明は、安定供給や病原体の管理が可能となる幼若医療用ブタをドナーソースとし、優れた増殖能及び分化能を有する幹細胞を提供することを目的とする。
本発明者らは、幼若ブタの骨髄より調製した間葉系幹細胞は、従来の間葉系幹細胞と比較して、顕著に増殖速度が速く増殖能に優れ、細胞サイズが小さいという優れた特性を有していることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記に関する。
1.幼若ブタより単離された、幹細胞。
2.平均直径が17μm以下である前記1に記載の幹細胞。
3.対数増殖期における倍加時間が36時間以下である前記1または2に記載の幹細胞。
4.間葉系幹細胞である前記1~3のいずれか1に記載の幹細胞。
5.幼若ブタがヒトへ細胞移植することができる幼若ブタである前記1~4のいずれか1に記載の幹細胞。
6.幼若ブタの骨髄または膵島より単離された前記1~5のいずれか1に記載の幹細胞。
7.移植用幹細胞である前記1~6のいずれか1に記載の幹細胞。
8.ヒト移植用幹細胞である前記7に記載の幹細胞。
9.フィーダー細胞用幹細胞である前記1~6のいずれか1に記載の幹細胞。
10.ヒト移植用幹細胞を増殖するためのフィーダー細胞用幹細胞である前記9に記載の幹細胞。
11.幼若ブタから細胞を単離する工程を含む、幹細胞の調製方法。
12.幹細胞を播種後3~12日後に継代する工程を含む、前記11に記載の幹細胞の調製方法。
13.幼若ブタから単離する細胞が単核球細胞画分の細胞である前記11または12に記載の幹細胞の調製方法。
14.幼若ブタからの細胞の単離が、幼若ブタの骨髄または膵島からの細胞の単離である前記11~13のいずれか1に記載の幹細胞の調製方法。
15.単離した単核球細胞画分の細胞を凍結する工程を含む、前記13または14に記載の幹細胞の調製方法。
本発明の幹細胞は、従来の幹細胞と比較して、増殖速度が顕著に速く増殖能に優れ、且つ細胞サイズが小さい、という利点を有する。本発明の幹細胞は増殖速度が顕著に速いことにより、短時間且つ安価に移植用・フィーダー細胞用等の用途に用いる幹細胞を大量に取得することができる。また、幹細胞の投与により該幹細胞が肺に詰まり肺塞栓を起こす場合があるが、本発明の幹細胞は細胞サイズが小さいことにより、このような肺塞栓の形成を防止することができる。
図1Aは、本発明の幹細胞を培養したときの、特定の培養期間(日)における全細胞量を示す図である。図1Bは、本発明の幹細胞を培養したときの、特定の培養期間(日)における全細胞増殖率を示す図である。図1Aおよび図1Bにおいて、点線および黒丸は幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)を、実線および白丸はヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)を示す。 図2Aおよび図2Bは、それぞれヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)についての脂肪細胞への分化を示す図である。 図3Aおよび図3Bは、それぞれヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)についての骨細胞への分化を示す図である。 図4Aおよび図4Bは、それぞれヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)についての骨細胞への分化を示す図である。 図5Aおよび図5Bは、幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)についての軟骨細胞への分化を示す図である。 図6は、間葉系幹細胞のマーカーであるCD44を用いて幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の細胞表面抗原解析をした結果を示す図である。 図7は、間葉系幹細胞のマーカーであるCD90幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の細胞表面抗原解析をした結果を示す図である。 図8A~図8Dは、間葉系幹細胞のマーカーであるCD29を用いて幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞(npISLET-MSC)の細胞表面抗原解析をした結果を示す図である。図8Aはサンプル11(膵島調製直後の凍結無し)、図8Bはサンプル12(膵島調製直後の凍結有り)、図8Cはサンプル13(膵島調製後培養3日目の凍結無し)、図8Dはサンプル14(膵島調製後培養3日目の凍結有り)の結果を示す。 図9A~図9Dは、間葉系幹細胞のマーカーであるCD44を用いて幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞(npISLET-MSC)の細胞表面抗原解析をした結果を示す図である。図9Aはサンプル11(膵島調製直後の凍結無し)、図9Bはサンプル12(膵島調製直後の凍結有り)、図9Cはサンプル13(膵島調製後培養3日目の凍結無し)、図9Dはサンプル14(膵島調製後培養3日目の凍結有り)の結果を示す。 図10A~図10Dは、間葉系幹細胞のマーカーであるCD90を用いて幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞(npISLET-MSC)の細胞表面抗原解析をした結果を示す図である。図10Aはサンプル11(膵島調製直後の凍結無し)、図10Bはサンプル12(膵島調製直後の凍結有り)、図10Cはサンプル13(膵島調製後培養3日目の凍結無し)、図10Dはサンプル14(膵島調製後培養3日目の凍結有り)の結果を示す。
本発明の幹細胞は、幼若ブタから単離された幹細胞である。なお、後述する実施例に記載の幹細胞は、幼若ブタの骨髄または膵島から分離されたが、例えば、幼若ブタの皮膚、脂肪など由来の幹細胞も本発明に含まれる。
本発明において、「幼若ブタ」とは、胎児から生後1ヶ月未満、好ましくは生後25日未満のブタを示す。幼若ブタは医療用であることが好ましく、ヒトへ細胞移植することができる幼若ブタであることがより好ましい。ブタの種類は特に限定されないが、例えば、ランドレース種(例えば、デンマーク・ランドレース種、アメリカン・ランドレース種、ブリティッシュ・ランドレース種、オランダ・ランドレース種、スウェディッシュ・ランドレース種)、大ヨークシャー種、バークシャー種、デュロック種、ハンプシャー種、中ヨークシャー種、ミニブタが挙げられ、中でもランドレース種が好ましい。
一般的に、「幹細胞」とは、自己複製能及び分化・増殖能を有する未熟な細胞を意味する。幹細胞には、分化能力に応じて、多能性幹細胞(pluripotent stem cell)、複能性幹細胞(multipotent stem cell)、単能性幹細胞(unipotent stem cell)等の亜集団が含まれる。
多能性幹細胞とは、それ自体では個体になることが出来ないが、生体を構成する全ての組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。複能性幹細胞とは、全ての種類ではないが、複数種の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。単能性幹細胞とは、特定の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
本発明の幹細胞としては、複能性幹細胞が好ましい。複能性幹細胞としては、例えば、間葉系幹細胞、造血系幹細胞、神経系幹細胞、骨髄幹細胞、生殖幹細胞等の体性幹細胞等が挙げられ、好ましくは間葉系幹細胞である。
本発明の幹細胞は、幼若ブタから単離された幹細胞であれば、その初代培養細胞、該初代培養細胞を継代培養した細胞であって、各種分化マーカーを発現する各種細胞を生じることができる幹細胞も本発明の幹細胞に含まれる。また、本発明の幹細胞が間葉系幹細胞である場合は、細胞マーカーである、CD44及びCD90がともに60%以上陽性であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上陽性である。また、細胞マーカーであるCD29が60%以上陽性であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上陽性である。
本発明の幹細胞は、対数増殖期における倍加時間が36時間以下であることが好ましく、より好ましくは32時間以下、さらに好ましくは28時間以下、特に好ましくは24時間以下、最も好ましくは20時間以下である。また、対数増殖期における倍加時間は14時間以上であることが好ましく、16時間以上であることがより好ましい。
本発明の幹細胞の対数増殖期における培養は、例えば、後述のビタミンCを含有する培地(例えば、MSC培地)に本発明の幹細胞を播種し、37℃にて5%CO存在下で、培養用インキュベーターで培養することにより行うことができる。対数増殖期における倍加時間が短いほど、短時間且つ安価に大量の幹細胞を調製することが可能となる。
本発明の幹細胞は、平均直径が17μm以下であることが好ましく、より好ましくは16.5μm以下であり、さらに好ましくは16μm以下であり、特に好ましくは15.5μm以下であり、最も好ましくは15μm以下である。平均直径は10μm以上であることが好ましく、12μm以上であることがより好ましい。平均直径が小さいほど、幹細胞の投与による肺塞栓の形成を防止することができる。平均直径は、例えば、Nucleo Counter NC-200(商標)を用いて計測することができる。ここで、平均とは相加平均を意味する。
本発明の間葉系幹細胞から脂肪細胞への分化は、例えば、インスリン、MCGS(血清成分、Mesenchymal Cell Growth Supplement)、デキサメタゾン、インドメタシン、イソブチルメチルキサンチン等の存在下で本発明の間葉系幹細胞を培養することで、脂肪細胞へ分化誘導することができる。
脂肪細胞への分化および維持には市販のキットまたは培地等を用いてもよく、例えば、Lonza Walkersville社製hMSC differentiation BulletKit(商標)-adipogeni(PT-3004)、Lonza Walkersville社製hMSC adipogenic induction medium(PT-3102B)、Lonza Walkersville社製hMSC adipogenic maintenance medium(PT-3102B)等が挙げられる。間葉系幹細胞から脂肪細胞への分化は市販のキットを用いて確認することができ、例えば、Lonza社製Adipo Red(商標) assay reagentが挙げられる。
本発明の間葉系幹細胞から骨細胞の分化は、例えば、デキサメタゾン、アスコルビン酸塩、MCGS、β-グリセロリン酸等の存在下で本発明の間葉系幹細胞を培養することで、骨細胞へ分化誘導することができる。また、市販のキットを用いてもよく、例えば、Lonza Walkersville社製hMSC differentiation BulletKit(商標)-osteogenic、PT-3004等が挙げられる。間葉系幹細胞から骨細胞への分化は、市販のアルカリフォスファターゼ染色キット(例えば、コスモ・バイオ社製等)、市販の石灰化染色キット(例えば、コスモ・バイオ社製等)等により確認することができる。
本発明の間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化は、例えば、TGF-β3、デキサメタゾン、インスリン-トランスフェリン-亜セレン酸(ITS)、ピルビン酸ナトリウム、プロリン、アスコルビン酸塩、の存在下で本発明の間葉系幹細胞を培養することで、軟骨細胞へ分化誘導することができる。また、市販のキットを用いてもよく、例えば、Lonza Walkersville社製hMSC differentiation BulletKit(商標)-condrogenic、PT-3003等が挙げられる。間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化は、アルシアンブルー染色等により確認することができる。
幹細胞の移植は、幹細胞の浮遊液を宿主体に注入することにより容易に行うことができる。注入は、再生治療しようとする臓器若しくはその近傍、または静脈内等に対して行うことができる。また注入する幹細胞の数は特に限定されず、症状、宿主の体重または投与方法等に応じて適宜選択できるが、通常10~1010個程度とする。
本明細書において、「フィーダー細胞」とは、増殖や分化を起こさせようとする目的の細胞の培養条件を整えるために用いる、補助役を果たす他の細胞種を示す。
フィーダー細胞として用いる場合には、通常増殖しないようにあらかじめガンマ線照射や抗生物質によって処理しておくことが好ましい。幹細胞のフィーダー細胞としては、主にマウス胎仔由来の線維芽細胞が用いられるが、実験の目的や細胞によって3T3やSNLなどの線維芽細胞など様々な細胞種がフィーダー細胞として用いられている。本発明の幹細胞は、好ましくは、ヒトへ細胞移植することができる幼若ブタから単離することにより、ヒト移植用幹細胞のフィーダー細胞として用いることができる。
本発明の幹細胞の調製方法は、幼若ブタから細胞を単離する工程を含むことを特徴とする。本発明の幹細胞の調製方法の一実施態様としては、例えば、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)幼若ブタから細胞を採取する工程
(2)工程(1)において採取した細胞を培養し、幼若ブタ由来幹細胞を調製する工程
以下、各工程について説明する。
(1)幼若ブタから細胞を採取する工程
工程(1)では幼若ブタの骨髄、脂肪、皮膚、膵臓等から細胞を採取する。
具体的には例えば、幼若ブタの骨髄から細胞を採取する場合、幼若ブタの大腿骨、腸骨稜及び胸骨などから骨髄細胞を採取することができる。例えば、幼若ブタから大腿骨を回収し、両端を切断して針を挿入し、ヘパリンを添加した生理的緩衝液(例えば燐酸緩衝液、以後PBSとも言う)で洗い流し、反対側の場所から流出液を骨髄液として回収する。流出液の量が減少したら、骨を逆にして針を反対側に挿入し、PBSで再び洗い流して、細胞含有溶液である骨髄液を調製する。
さらに、上記において調製した細胞含有溶液を通常遠心分離することにより幼若ブタ由来単核球細胞画分を単離してもよい。上記において調製した細胞含有溶液をPBS等で希釈し、ヒトリンパ球分離用の媒体(例えば、GEヘルスケアライフサイエンス社製Ficoll-Paque PLUS等)を入れたチューブ内の該媒体層の上に希釈した細胞含有溶液を入れる。
前記チューブを遠心分離して分層させ、幼若ブタ由来単核球細胞を含む層を回収する。回収した溶液をさらに遠心分離し、上清を除去した後、PBS等で希釈して再度遠心分離し、単核球細胞画分を単離する。このようにして単離した単核球細胞画分の細胞は、培養前に凍結保存してもよい。単離した幼若ブタ由来単核球細胞画分の細胞を凍結することにより凍結融解の影響を受けにくい細胞を選択的に調製できる。培養前に凍結保存する場合、温度は-80℃以下であることが好ましく、より好ましくは-150℃以下である。
また、例えば、幼若ブタの膵臓から細胞を採取する場合、幼若ブタから膵島を回収し、更に、場合によってはその膵島を浮遊培養することにより、幹細胞を調製する目的で接着培養に使用する細胞塊を調製する。
また、例えば、幼若ブタの脂肪から細胞を採取する場合、幼若ブタから脂肪を採取してはさみで細かく刻んだ後、酵素処理を行う。セルストレーナーでフィルターをかけ、低速で遠心をする。チューブ底に沈降した細胞を培養に用いる。また、例えば、幼若ブタの皮膚(毛を含む)から細胞を採取する場合、幼若ブタから皮膚を採取し、酵素処理を行う。酵素処理後皮膚より毛を抜きBulge部分を採取して培養に用いる。培養を行う際は3T3フィーダー細胞を用いる。
(2)工程(1)において採取した細胞を培養し、幼若ブタ由来幹細胞を調製する工程
上記工程(1)で採取した細胞、細胞画分、または細胞塊には、幹細胞以外の目的外の細胞が多く含まれる。通常、これらの目的外細胞の生存に必須である、ビタミンCを含まない基礎培地(例えば、後述のMSC基礎培地)を用いることで、これらの細胞を除去する培養方法が用いられている。
本発明の工程(2)においては、上記工程(1)で採取した細胞、細胞分画、または細胞塊を、好ましくは35~39℃、より好ましくは36~38℃、最も好ましくは37℃にて、好ましくは4~6%の、より好ましくは4.5~5.5%の、最も好ましくは5%の、CO存在下で培養用インキュベーターにて培養することにより、幹細胞以外の目的外の細胞を除去するとともに、本発明の幹細胞を増殖させる。
本発明の幹細胞は、増殖速度が顕著に速いことから、上記の目的外の細胞を除去する培養のために、ビタミンCを含まない基礎培地を用いず、ビタミンCを含む培地(例えば、後述のMSC培地)のみを用いても、本発明の幹細胞を調製することができる。なお、上記の目的外の細胞を除去するために、ビタミンCを含まない基礎培地を用いて培養した後、ビタミンCを含む培地に交換して本発明の幹細胞を増殖させることにより、本発明の幹細胞を調製することもできる。
本発明の幹細胞は、具体的には例えば、次の方法で培養する。ゼラチンでコートした培養用容器(例えば、0.1%ゼラチンでコートしたプレート)またはゼラチンコート無しの培養用容器(例えば、プレート)を用いてビタミンCを含まない基礎培地(例えば、後述のMSC基礎培地)、またはビタミンCを含む培地(例えば、後述のMSC培地)を用いて、好ましくは5.0×10個~5.0×10個の細胞/9.6cmを播種し、例えば37℃にて5%CO、90%湿度の条件下でインキュベートして初代培養細胞を得る。初代培養細胞を得るための培養期間は、播種後、好ましくは3~12日、より好ましくは3~11日、最も好ましくは3~10日である。初代培養細胞は継代してもよい。継代して得られた幹細胞を継代培養細胞ともいう。初代培養細胞または継代培養細胞の継代は、幹細胞を播種後、好ましくは2~6日後、より好ましくは2~5日後、さらに好ましくは2~4日後、最も好ましくは3日後に、幹細胞が、30%~100%コンフルエントに、好ましくは50%~95%コンフルエントに、より好ましくは60%~90%コンフルエントに、最も好ましくは70%~85%コンフルエントに達した以降に行う。幹細胞の播種は、ゼラチンでコートした培養用容器(例えば、0.1%ゼラチンでコートしたプレート)またはゼラチンコート無しの培養用容器(例えば、プレート)を用いてビタミンCを含む培地(例えば、後述のMSC培地)を用いて、好ましくは5.0×10個~5.0×10個の細胞/9.6cmを播種する。幹細胞の培養は、例えば37℃にて5%CO、90%湿度の条件下で培養する。幹細胞の培養の間、必要に応じて培地交換して本発明の幹細胞を増殖させる。
MSC基礎培地およびMSC培地としては、従来公知のものを用いることができ、市販のものを用いてもよい。MSC基礎培地としては、例えば、500mLのGibco社製MEMα(Nucleosides、no Ascorbic acid)に55mLのGibco社製Fetal bovine serum (FBS)及び5.5mLのSigma-Aldorich社製Penicillin-Streptomycinを添加した培地が挙げられる。また、MSC培地としては、例えば、500mLのGibco社製MEMα(nucleosides)に55mLのGibco社製Fetal bovine serum(FBS)、5.5mLのSigma-Aldorich社製Penicillin-Streptomycin及び22.2μL のSigma-Aldorich社製FGF-Basic,recombinant,expressed in E.coli,suitable for cell culture(final concentration:1ng/mL)を添加した培地が挙げられる。
継代は少なくとも1回以上実施することが好ましい。継代回数は本発明の幹細胞が得られる限り特に限定されないが、好ましくは1~3回であり、より好ましくは1~20回である。
本発明の幹細胞は凍結保存が可能である。凍結保存のタイミングは特に限定されないが、好ましくは継代1~20回の後であり、より好ましくは継代2~10回の後である。凍結保存および解凍の方法は従来公知の方法を用いることができる。
幹細胞の凍結保存方法としては、具体的には例えば、凍結保存液に分散させ、必要になるまで冷凍庫にて-80℃以下または液体窒素中で凍結保存することができる。凍結保存液としては、例えば、OPF-301[3%トレハロース及び5%デキストランを含有する乳酸リンゲル液(国際公開第2014/208053号)]とジメチルスルフォキサイド(DMSO)を9:1の比率で混合した溶液、動物細胞の凍結保存に使用可能な血清含有若しくは無血清保存液、または市販の細胞凍結保存用試薬[好ましくは、タカラバイオ社製CELLBANKER(登録商標)等のセルバンカー]が挙げられる。
試験例1
〔幼若ブタ由来骨髄細胞の回収〕
幼若ブタの大腿骨から骨髄を採取した。幼若ブタ(生後23日の医療用ランドレース種ブタ)から大腿骨を回収し、両端を切断して12G針を挿入し、50mLのヘパリン処理したPBS(3mLのヘパリン(1000U/mL)、47mLのPBS)で洗い流し、反対側の場所から50mLの骨髄の流出液(以下、骨髄液とも略す)を回収した。流出液の量が減少したら、骨を逆にして針を反対側に挿入し、PBSで再び洗い流して骨髄液を収集した。カウント用の15mLコニカルチューブで1950μLのPBS(40倍希釈)に50μLのサンプルを取り、セルカウンターで細胞数を測定した。
〔幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)画分の単離〕
上記手順で得られた骨髄液を静かに再懸濁した。骨髄液全体を50mLチューブ4本に各10mLずつに分け、各々PBSで30mLに希釈し、細胞がチューブに付着していないことを確認してよく混合した。10mLのFicoll-Paque PLUS(GEヘルスケアライフサイエンス社製)を4本の新しい50mLチューブに加え、Ficoll-Paque PLUS層の上にPBSと混合した30mLの骨髄液を入れた。
前記チューブを20℃にて30分間400×gで遠心分離し、ゆっくりとブレーキなしで加速させ(フルスピードの1/3)、3つの異なる層を形成させた。単核球細胞画分は浮遊白色リングに配置されているため、白色リング全体を25mLのPBSを含む50mLチューブ(×4)に回収した。室温にて400×gで7分間遠心分離し、上清を除去した。PBSを40mLまで加え、室温にて400×gで7分間再び遠心分離した。上記と同様に細胞数を測定したところ、骨髄細胞全体のうち25~30%の細胞が単核球細胞画分として、それぞれ(20~30)×10個単離された。
〔幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)画分の細胞の凍結保存〕
単離された単核球細胞画分の細胞を、10細胞/mLのDMSOを混合したFBS(90%FBSと10%DMSO)を含むクライオバイアルに入れ、細胞懸濁液の全容量を1mlとした[細胞数/10×10=DMSOを混合したFBSの容量(mL)とした]。クライオバイアルを-20℃にて1時間保存し、続いて-80℃にて24時間保存後、最終的に長期保存用の液体窒素タンクに移した。
〔幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)画分の細胞の培養および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の調製〕
37℃の水浴でクライオバイアルに冷凍保存していた幼若ブタ由来単核球細胞(npMNCs)画分の細胞を含む細胞懸濁液を素早く解凍し、マイクロピペットを用いて、解凍した細胞懸濁液を30mLの温度平衡(37℃)に調整したMSC基礎培地[500mLのGibco社製MEMα(Nucleosides、no Ascorbic acid)に55mLのGibco社製Fetal bovine serum (FBS)及び5.5mLのSigma-Aldorich社製Penicillin-Streptomycinを添加した培地、以下同様]に静かに加えた。室温にて5分間、500×gで遠心分離し、ペレットを4mLの温度で平衡化したMSC基礎培地に再懸濁し、上下に穏やかにピペッティングした。総細胞数および生細胞数を計測した結果、総細胞数4.18×10個、生細胞数6.6×10個、生存率:15.8%であった。
0.1%ゼラチンで6ウェルプレートをコートし、インキュベーター(37℃、5%CO)中に10~15分間静置後、使用前にゼラチンを除去した。調製した各0.1%ゼラチン被覆6-ウェルプレートに細胞懸濁液を加え、穏やかに揺動させて増殖表面(ゼラチンコート)上に細胞懸濁液を分散させ、2mLのMSC基礎培地中に2.09×10個の細胞/1ウェルを播種した。COインキュベーター中で、37℃にて5%CO、90%湿度の条件下で培養し、3日後にMSC培地[500mLのGibco社製MEMα(nucleosides)に55mLのGibco社製Fetal bovine serum(FBS)、5.5mLのSigma-Aldorich社製Penicillin-Streptomycin及び22.2μLのSigma-Aldorich社製FGF-Basic,recombinant,expressed in E.coli,suitable for cell culture(final concentration:1ng/mL)を添加した培地、以下同様]に交換して細胞を増殖させ、以後、3日間に1回、MSC培地の交換を行った。10日後に幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)がコンフルエントとなった。なお、ゼラチンコート無しのプレートを用いた場合についても、同様に10日後に幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)がコンフルエントとなった。
〔継代〕
幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)がほぼ100%コンフルエンスに達した後、2ウェルから細胞を回収し、0.1%ゼラチンコート有りまたは無しでT75フラスコにそれらを再播種した。
2mLのPBS(カルシウム及びマグネシウム不含)で細胞を洗浄し、1ウェル当たり0.25%トリプシン320μLを加えてインキュベーターに数分間静置し、細胞が剥がれたら、1680μLのMSC培地で中和した。1mLピペットを用いて細胞懸濁液を50mLチューブに採取し、16mL(8mL×2ウェル)のMSC培地を添加した後、室温にて5分間、500×gで遠心分離した。ピペットを用いて、得られたペレットを温度平衡化したMSC培地(2mL)に穏やかに再懸濁した。総細胞数および生細胞数を計測した結果、総細胞数2.05×10個、生細胞数2.02×10個、生存率:98.5%であった。
MSC培地を0.1%ゼラチンコート有りおよび無しのT75フラスコに加え、4.5×10生細胞/フラスコT75フラスコとなるように再播種し、COインキュベーター中で、37℃にて5%CO、90%湿度の条件下で培養した。これらの細胞を第1継代とした。第1継代を播種した3日後に、0.1%ゼラチンコートの有無にかかわらず、100%コンフルエントに達した。
〔幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の調製〕
幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)がほぼ100%コンフルエンスに達した後、0.1%ゼラチンコートを含むまたは含まないT75フラスコの2つのフラスコから細胞を回収した。8mLのPBS(-)で細胞を洗浄し、1ウェルあたり0.25%のトリプシン2.4mLを加え、インキュベーターに数分間静置し、細胞が剥がれたら12.6mLのMSC培地で中和した。細胞懸濁液を50mLのチューブに集めて、室温にて5分間、500×gで遠心分離した。
得られたペレットに温度平衡化したMSC培地(10mL)を添加し、ピペットで上下に静かに再懸濁し、総細胞数および生細胞数を計測した結果を下記に示す。
0.1%ゼラチンコートされたフラスコ(×2)からの細胞:総細胞数1.62×10個、生細胞数1.60×10個、生存率:98.8%
ゼラチンコートなしのフラスコ(×2)からの細胞:総細胞数1.48×10個、生細胞数1.46×10個、生存率:98.6%
〔幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の凍結保存〕
上記した培養とは別に、早期継代の幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)を凍結して細胞ストックを作製した。所望の濃度のCELLBANKER(登録商標)1またはOPF-301[3%トレハロース及び5%デキストランを含有する乳酸リンゲル液(国際公開第2014/208053号)]とDMSOを9:1の比率で混合した溶液中でトリプシン処理したnpBM-MSCペレットを再懸濁し、1.5×10細胞/1mL/バイアルとした。バイアルをバイセルに入れて-80℃にて24時間保存した後、細胞を-80℃から液体窒素に移して長期保存した。
〔CFUアッセイ〕
幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)(P2)を、21cm培養ディッシュ(ゼラチンコート無しまたは0.1%ゼラチンコート)に630細胞を30細胞/cmの密度で播種し、MSC培地中で培養した。MSC培地は3日毎に交換した。6日間の培養後、接着細胞を4mLのPBSで2回洗浄し、4mLの氷冷メタノールで4℃にて15分間固定した。コロニーを可視化するために、リン酸緩衝液で1:19に希釈した4mLのギムザで30分間細胞を染色後、室温(RT)で洗浄し、HOで2回洗浄した。
次いで、50個を超える細胞のコロニー数を計測し、細胞のコロニー形成効率を計算した。細胞のコロニー形成効率は、1ディッシュ当たりのコロニー数を、1ディッシュ当たり播種した細胞数(630個)で割ることによって計算した。結果を表1に示す。なお、表1の値は平均値±SD(n=3)を示す。
Figure 2023096192000002

表1に示すように、CFUアッセイの結果、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、ゼラチンコートの有無にかかわらず、コロニー形成し得ることがわかった。
〔細胞の平均直径〕
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC、継代回数P4)および得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)について、細胞の平均直径を計測した結果を表2に示す。細胞の平均直径はNucleo Counter NC-200(商標)を用いて計測し、平均値(n=3)を算出した。
Figure 2023096192000003

表2に示すように、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞と比較して、平均直径が小さいことがわかった。
〔増殖速度の評価〕
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)について、細胞をT25フラスコ中で5000細胞/cm(1.25×10細胞/フラスコ)の密度で播種し、MSC培地を用いて培養した。MSC培地は3日毎に交換した。培養開始から1、2、4および8日後に生存可能な細胞および死んだ細胞の総数を数えた。結果を表3および表4、並びに図1Aおよび図1Bに示す。なお、表3および表4の値は平均値±SD(n=4)である。
Figure 2023096192000004
Figure 2023096192000005
表3および表4、並びに図1Aおよび図1Bに示すように、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞と比較して、細胞の増殖速度が顕著に速いことがわかった。
〔脂肪細胞への分化〕
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)について、hMSC differentiation BulletKit(商標)-adipogeni、PT-3004(Lonza Walkersville社製)を用いて、プロトコールに従って脂肪細胞への分化を誘導した。誘導開始後17日目にSigma-Aldorich社製Oil Redを用いて染色した結果をそれぞれ図2Aおよび図2Bに示す。
図2Aおよび図2Bに示すように、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞と同様に、脂肪細胞に分化し得ることがわかった。
〔骨細胞への分化〕
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBM-MSC)および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)について、hMSC differentiation BulletKit(商標)-osteogenic、PT-3002(Lonza Walkersville社製)を用いて、プロトコールに従って骨細胞への分化を誘導した。誘導開始後14日目に、コスモ・バイオ社製アルカリフォスファターゼ染色キットを用いて染色した結果をそれぞれ図3Aおよび図3Bに、コスモ・バイオ社製石灰化染色キットを用いて染色した結果をそれぞれ図4Aおよび図4Bに示す。
図3Aおよび図3B、並びに図4Aおよび図4Bに示すように、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞と同様に、骨細胞に分化し得ることがわかった。
〔軟骨細胞への分化〕
幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)について、hMSC differentiation BulletKit(商標)-chondrogenic、PT-3003(Lonza Walkersville社製)を用いて、プロトコールに従って骨細胞への分化を誘導した。誘導開始後19日目に、HE染色した結果およびアルシアンブルー染色した結果をそれぞれ図5Aおよび図5Bに示す。
図5Aおよび図5Bに示すように、得られた幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)は、軟骨細胞に分化し得ることがわかった。
試験例2
〔幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)画分の細胞の培養および幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)調製〕
MSC基礎培地またはMSC培地は、使用前にインキュベーター(37℃、5%CO)中に10~15分間静置した。試験例1と同様に、37℃の水浴でクライオバイアルに冷凍保存していた幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)画分の細胞を含む細胞懸濁液を素早く解凍した。マイクロピペットを用いて、解凍した細胞懸濁液を30mLの温度平衡(37℃)MSC基礎培地に静かに加え、50mLのチューブ2本に15mLずつ分注した。
室温にて5分間、500×gで遠心分離し、ペレットを2mLの温度平衡MSC基礎培地またはMSC培地に再懸濁し、上下に穏やかにピペッティングした。総細胞数および生細胞数を計測した結果を下記に示す。
2mLのMSC基礎培地:総細胞数2.60×10個、生細胞数4.8×10個、生存率18.5%
2mLのMSC培地:総細胞数2.55×10個、生細胞数4.5×10個、生存率17.6%
播種細胞数が下記となるように計算された量の細胞懸濁液を各ウェルにつき下記培地を入れた6ウェルプレート(ゼラチンコート無し)に加え、穏やかに揺り動かして増殖表面上に細胞懸濁液を分散させた。
2mLのMSC基礎培地:2.60×10個/1ウェルの細胞を播種
2mLのMSC培地:2.55×10個/1ウェルの細胞を播種
COインキュベーターに入れ、37℃にて、5%CO、90%湿度の条件下でインキュベートした。播種して3日後及び6日後にMSC培地にて培地交換して細胞を増殖させて、播種後8日目に継代した。
〔継代〕
幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)がほぼ50~60%コンフルエントに達した後、1ウェルから細胞を回収し、ゼラチンコートなしでT75フラスコにそれらを再播種した。
2mLのPBS(-)で細胞を洗浄し、1ウェル当たり0.25%トリプシンを320μL加えてインキュベーターに数分間静置し、細胞が剥がれたら1680μLのMSC培地で中和した。細胞懸濁液を50mLチューブに集めて8mLのMSC培地を加え、室温にて5分間、500×gで遠心分離した。
得られたペレットに温度平衡化したMSC培地(2mL)を添加して、ピペットで上下に穏やかに再懸濁し、総細胞数および生細胞数の計測した結果を下記に示す。
P0播種時にMSC基本培地の群:総細胞数5.0×10個、生細胞数5.0×10個、生存率:100%
P0播種時にMSC培地の群:総細胞数3.3×10個、生細胞数3.3×10個、生存率:100%
15mLのMSC培地をT75フラスコ(ゼラチンコート無し)に加え、下記細胞数となるように、幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)を再播種した、インキュベーターにて培養した。これらの細胞を第1継代とした。
P0播種時にMSC基礎培地の群:生細胞数5.0×10個/フラスコ
P0播種時にMSC培地の群:生細胞数3.3×10個/フラスコ
〔幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の調製〕
前記手順により再播種した細胞がほぼ80~90%のコンフルエンスに達した後、T75フラスコ(ゼラチンコート無し)の1フラスコから細胞を集めた。8mLのPBS(-)で細胞を洗浄し、0.25mL/1ウェルのトリプシン2.4mLを加え、インキュベーターに数分間静置し、細胞が剥がれたら12.6mLのMSC培地で中和した。細胞懸濁液を50mLのチューブに集めて、室温にて5分間、500×gで遠心分離した。
得られたペレットに温度平衡化したMSC培地(5mL)を添加し、ピペットで上下に静かに再懸濁して総細胞数および生細胞数を計測した結果を下記に示す。
1つのフラスコからの細胞(P0の播種後の3日間のMSC基礎培地):総細胞数5.12×10個、生細胞数5.09×10個、生存率:99.5%
1つのフラスコからの細胞(P0の播種時からMSC培地):総細胞数4.76×10個、生細胞数4.73×10個、生存率:99.4%
〔幼若ブタ骨髄由来間葉系幹細胞(npBM-MSC)の凍結保存〕
上記した培養とは別に、試験例1と同様にして、早期継代の細胞を凍結して細胞ストックを作製した。
試験例3
試験例1および試験例2で調製した幼若ブタ由来単核球細胞(npMNC)の細胞表面抗原を解析した。解析に用いた各サンプルの調製方法について、表5に示す。表5において、「Switch」とは、初期培養時はMSC基礎培地(ビタミンCフリー)を用い、増殖培養時には増殖培地であるMSC培地(ビタミンC含有)に変更して培養したことを示す。
Figure 2023096192000006
〔細胞表面抗原の解析〕
各細胞サンプルを液体窒素タンクより取出して蓋を緩めて圧を抜き、再びふたを閉め、37℃に予め加温しておいた恒温槽で1~2分間軽く撹拌しながら融解した。Stain Buffer(BD社製)5mLを入れた15mL遠沈管に融解させた各細胞を移し、4℃にて500×g、5分間遠心し、上清を取り除いた。5mLのStain Bufferを入れ、4℃にて500×g、5分間遠心し、2回洗浄した。
2mLのStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、生細胞数をカウントした。再遠心(500×g、5分間、4℃)を行い、細胞数1×10個/mLとなるようStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、20μL(細胞数2×10個)ずつ1.5mLチューブに分注し、非染色コントロール、CD44、CD90、Isotype Controlの計4本ずつ調製した。
4μLのAnti-CD44,Mouse(MEM-263),PE(GeneTex社製)、1μLのPE Mouse Anti-Human CD90(BD社製)(ブタとの交差性あり)、4μLのPE Mouse IgG1,κ Isotype Control(BD社製)をそれぞれのチューブに添加し、遮光氷上で45分間インキュベートした。非染色コントロールも氷上で保管した。
各チューブにStain Buffer(BD社製)を1mLずつ入れて、4℃にて500×gで5分間遠心し、2回洗浄した。細胞ペレットをタッピングしてほぐし、500μLのStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、解析直前にフィルターを通してフローサイト用のテストチューブに移した。解析までの間は遮光氷上で保管し、フローサイトメトリーを用いて解析した。CD44の結果を図6に、CD90の結果を図7に示す。
図6および図7に示すように、いずれのサンプルにおいても間葉系幹細胞のマーカーであるCD44およびCD90が陽性であった。また、初期培養時にゼラチンによるコーティングを行わなくても、目的とする間葉系幹細胞が樹立することができたと考えられる。なお、いずれの場合もIsotype Controlの測定では非特異な反応は見られなかった。
試験例4
〔幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞の調製〕
幼若ブタから膵島を回収し、浮遊培養することにより細胞塊を調製した後、試験例1と同様にして、冷凍保存した。37℃の水浴でクライオバイアルに冷凍保存していた幼若ブタ膵島を素早く解凍した。
マイクロピペットを用いて、解凍した膵島懸濁液を30mLの温度平衡(37℃)に調整したMSC基礎培地に静かに加えた。4℃にて1分間、210×gで遠心分離した。なお、膵島を凍結しない場合は、室温にて、自然落下で膵島が沈殿後、上清を除去した。ペレットを4mLの温度で平衡化したMSC基礎培地に再懸濁し、上下に穏やかにピペッティングした。
6-ウェルプレートに膵島懸濁液を加え、穏やかに揺動させて増殖表面(ゼラチンコートなし)上に細胞懸濁液を分散させ、2mLのMSC基礎培地中に1650IEQ~2125IEQの範囲の膵島/1ウェルを播種した。
COインキュベーター中で、37℃にて5%CO、90%湿度の条件下で培養し、3日後にMSC培地に交換して細胞を増殖させ、以後、3日間に1回、MSC培地の交換を行った。表6にサンプルの調製条件を示す。初期凍結の有無にかかわらず、播種してから6日後に100%コンフルエントに達した。
Figure 2023096192000007
〔継代〕
幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞(npISLET-MSC)が約80%~ほぼ95%コンフルエンスに達した後、2ウェルから細胞を回収し、ゼラチンコートなしでT75フラスコにそれらを再播種した。
2mLのPBS(カルシウム及びマグネシウム不含)で細胞を洗浄し、1ウェル当たり0.25%トリプシン320μLを加えてインキュベーター内に数分間静置し、細胞が剥がれたら1680μLのMSC培地で中和した。1mLピペットを用いて細胞懸濁液を50mLチューブに採取し、16mL(8mL×2ウェル)のMSC培地を添加した後、室温にて5分間、500×gで遠心分離した。ピペットを用いて、得られたペレットを温度平衡化したMSC培地(2mL)に穏やかに再懸濁した。
〔細胞の平均直径〕
20mLの前記MSC培地をゼラチンコート無しのT75フラスコに加えて再播種し、COインキュベーター中で、37℃にて5%CO、90%湿度の条件下で培養した。これらの細胞を第1継代とした。第1継代を播種した3日後に、初期凍結の有無にかかわらず、100%コンフルエントに達した。このことから、幼若ブタの膵島から調製した間葉系幹細胞の増殖速度は、幼若ブタの骨髄から調製した間葉系幹細胞の増殖速度と同程度であることがわかった。得られた幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞の平均直径を表7に示す。
Figure 2023096192000008
表7に示すように、膵島の調製における凍結条件に関わらず、幼若ブタ膵島由来間葉系幹細胞を調製可能であり、凍結有りの場合、凍結無しの場合に関係なく平均直径は同程度であることがわかった。
〔細胞表面抗原の解析〕
各細胞サンプルを液体窒素タンクより取出して蓋を緩めて圧を抜き、再びふたを閉め、37℃に予め加温しておいた恒温槽で1~2分間軽く撹拌しながら融解した。Stain Buffer(BD社製)5mLを入れた15mL遠沈管に融解させた各細胞を移し、4℃にて500×g、5分間遠心し、上清を取り除いた。5mLのStain Bufferを入れ、4℃にて500×g、5分間遠心し、2回洗浄した。
2mLのStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、生細胞数をカウントした。再遠心(500×g、5分間、4℃)を行い、細胞数1×10個/mLとなるようStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、20μL(細胞数2×10個)ずつ1.5mLチューブに分注し、非染色コントロール、CD29、CD44、CD90の計4本ずつ調製した。
1μLのMouse Alexa Fluor 647 Mouse Anti-Pig CD29(BD社製)、4μLのAnti-CD44,Mouse(MEM-263),PE(GeneTex社製)、1μLのPE Mouse Anti-Human CD90(BD社製)(ブタとの交差性あり)をそれぞれのチューブに添加し、遮光氷上で45分間インキュベートした。非染色コントロールも氷上で保管した。
各チューブにStain Buffer(BD社製)を1mLずつ入れて、4℃にて500×gで5分間遠心し、2回洗浄した。細胞ペレットをタッピングしてほぐし、500μLのStain Buffer(BD社製)で再懸濁し、解析直前にフィルターを通してフローサイト用のテストチューブに移した。解析までの間は遮光氷上で保管し、フローサイトメトリーを用いて解析した。
CD29の結果を図8A~図8Dに、CD44の結果を図9A~図9Dに、CD90の結果を図10A~図10Dに示す。図8A、図9A、図10Aは、サンプル11(膵島調製直後の凍結無し);図8B、図9B、図10Bはサンプル12(膵島調製直後の凍結有り);図8C、図9C、図10Cはサンプル13(膵島調製後培養3日目の凍結無し);図8D、図9D、図10Dはサンプル14(膵島調製後培養3日目の凍結有り)の結果を示す。
図8A~図10Dに示すように、いずれのサンプルにおいても間葉系幹細胞のマーカーであるCD29、CD44およびCD90について高い陽性率が観察された。また、初期培養時における凍結の有無によらずに、目的とする間葉系幹細胞が樹立することができたと考えられる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2017年9月8日付けで出願された米国仮出願(US62/555,913)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

Claims (9)

  1. 生後0日以上25日未満の幼若ブタより単離された、間葉系幹細胞であって、
    平均直径が17μm以下であり、
    対数増殖期における倍加時間が36時間以下であり、
    前記間葉系幹細胞が、生後0日以上25日未満の幼若ブタの骨髄または膵島から単離された細胞を凍結し、凍結した細胞を解凍して播種した後、これを培養して製造されたものである、間葉系幹細胞。
  2. 幼若ブタがヒトへ細胞移植することができる幼若ブタである請求項1に記載の間葉系幹細胞。
  3. 移植用幹細胞である請求項1又は2に記載の間葉系幹細胞。
  4. ヒト移植用幹細胞である請求項3に記載の間葉系幹細胞。
  5. フィーダー細胞用幹細胞である請求項1又は2に記載の間葉系幹細胞。
  6. ヒト移植用幹細胞を増殖するためのフィーダー細胞用幹細胞である請求項5に記載の間葉系幹細胞。
  7. 生後0日以上25日未満の幼若ブタの骨髄または膵島から細胞を単離する工程、単離された細胞を凍結する工程、凍結した細胞を解凍して播種する工程、および間葉系幹細胞を播種後3~12日後に継代する工程を含む、間葉系幹細胞の調製方法。
  8. 幼若ブタから単離する細胞が単核球細胞画分の細胞である請求項7に記載の間葉系幹細胞の調製方法。
  9. 単離した単核球細胞画分の細胞を凍結する工程を含む、請求項7又は8に記載の間葉系幹細胞の調製方法。
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