JP2023095990A - 粒子および細胞を選択かつ単離するシステムおよび方法ならびにその使用 - Google Patents

粒子および細胞を選択かつ単離するシステムおよび方法ならびにその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】光硬化性バイオマトリックスゲル中の試料から単一の細胞/粒子を選択かつ単離するための方法およびデバイスを提供すること。【解決手段】個別の細胞または粒子は顕微鏡によって観察され、試料の詳細な画像を提供するために試料の下に配向された液晶ディスプレイ(LCD)からの光の伝達を正確に制御することによって操作され、かつ単離される。一部の実施形態では、選択された細胞または粒子は次に、LEDピクセルアレイから伝達される青色/紫色の光でバイオマトリックスゲルを硬化させることによって固定化される。他の実施形態では、選択された目的の細胞または粒子は、可動性のままであることができる。いずれの実施形態でも、目的の個別の細胞または粒子は、試料の残りの部分から分離かつ単離される。【選択図】なし

Description

連邦政府によって助成された研究または開発に関する声明
本発明は、National Institutes of Healthによって授与された助成金R43AI147734-01による政府助成によってなされたものである。政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本開示はとりわけ、光硬化性バイオマトリックスゲル中の試料から単一の細胞/粒子を選択かつ単離するための方法およびデバイスを提供する。個別の細胞または粒子は顕微鏡によって観察され、試料の詳細な画像を提供するために試料の下に配向された液晶ディスプレイ(LCD)からの光の伝達を正確に制御することによって操作され、単離される。一部の実施形態では、選択された細胞または粒子は次に、LEDピクセルアレイから伝達される青色/紫色の光でバイオマトリックスゲルを硬化させることによって固定化される。他の実施形態では、選択された目的の細胞または粒子は、可動性のままであることができる。いずれの実施形態でも、目的の個別の細胞または粒子は、試料の残りの部分から分離かつ単離される。
発明の背景
粒子および細胞を顕微鏡下で直接単離することは、生医学分野ではいまだに課題である。顕微鏡を使用すれば、特定の形態学的表現型を有する細胞または他の細胞型と相互作用する細胞を識別することは比較的容易である。しかし、ミクロン以下の精度を有する機械的装置および方法(たとえばマイクロピペッティング、光学ピンセット、またはレーザー顕微解剖)を採用せずに試料から目的の細胞または粒子を選択することはもっと困難である。画像に基づいて試料から単一の細胞および粒子を単離することを容易にするため、本発明者らはLCDピクセルアレイおよび顕微鏡を使用するシステムおよび方法を開発した。それにより、高価なもしくは嵩張る装置または面倒な単一分子取り扱いスキルが必要でなくなる。また、捕捉プロセスが1回の単一な全体の曝露ステップによって行われるので、単一細胞操作技術と比較してスループットが大幅に向上する。
生存単一細胞の単離技術は、生命科学研究の多数の前線、たとえば抗体の開発、初代細胞の分離、細胞系の構築、免疫細胞療法、および循環する腫瘍細胞(CTC)の分離において潜在的価値を有している。粒子または細胞を単離するために使用される競争力のある現在の主要な技術には、フローサイトメトリー、ミクロ流体デバイス、ミクロピペット、および光学ピンセットがある。本発明の利点は、限定された試料サイズ、塊状の試料、および付着性の細胞等の困難な状況における生存細胞の単離を可能にする安価で堅固な選択機構を提供することである。たとえば、フローサイトメトリーの設備は高価で実験室の大きなスペースを必要とすることがあり、単一細胞を単離する目的では、それほど扱いやすくない。さらに、本発明は標識のための特定の細胞マーカーも、細胞-細胞の分離も必要としない。本明細書で明白になるように、本発明は、生体試料等の試料から粒子または細胞を単離するための現在の技術の欠点の多くに対処する。
発明の要旨
顕微鏡およびLCDの技術を使用して粒子または細胞を追跡し、選択かつ単離する方法が本明細書で提供される。
本開示はとりわけ、試料から単一の細胞または粒子を選択かつ単離するための顕微鏡によって導かれる方法およびデバイスを提供する。一部の実施形態では、試料の下に位置するLCDピクセルからの光の伝達を正確に制御することによって、個別の細胞または粒子が操作される。一部の実施形態では、選択されなかった細胞は、光硬化性バイオマトリックスゲルの中で、細胞/粒子の下にあるLCDピクセルから伝達される青色/紫色の光によって固定化される。一部の実施形態では、選択された細胞は、光硬化性バイオマトリックスゲルの中で、細胞/粒子の下にあるLCDピクセルから伝達される青色/紫色の光によって固定化される。
実質的には、単離を実施するために本発明の主要な2つの実施形態が意図される。一実施形態では、目的の粒子または細胞は可動性のままとされる一方、選択されなかった粒子または細胞はバイオマトリックスの中にトラップされもしくは固定化され、それにより目的の粒子または細胞は次に、固定化された粒子または細胞から分離される。別の実施形態では逆の手順が実施され、それにより目的の粒子または細胞はバイオマトリックス中にトラップされもしくは固定化され、それにより選択されなかった粒子または細胞は可動性のままとされ、それにより可動性の粒子または細胞はトラップされた粒子または細胞から除去され、これらは次に収集される。
目的の粒子または細胞が可動性のままにされている実施形態には、以下のステップが含まれる。(a)粒子/細胞の画像を手動で採取し、パターンを抽出する。(b)整列させ、連結させた隣接する領域の画像を連続的に取得することによって、合成された画像を得る。(c)選択した細胞の座標を、画像の整列を介して直下のLCDピクセルにマッピングする。(d)目的の細胞の下のLCDピクセルを暗くして、光が試料を通過しないようにし、外部LED光源から放射される青色/紫色の光によるバイオインクの硬化によって、選択されなかった細胞をトラップする。LCDは内部光源を有しておらず、本発明においては2つの外部光源、即ちイメージングのための白色光LED、およびミクロゲル化のためのUV/紫色LEDまたはレーザーを使用する。選択された細胞は可動性のままであり、下流における利用のための溶出を容易にする。目的でない粒子または細胞が可動性のままとされる他の実施形態では、逆の選択戦略が採用され、それにより選択された細胞のみが照射されてマトリックス中にトラップされる。
一部の実施形態では、本発明は、光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から目的の粒子等の粒子を分離するためのシステムであって、
(a)試料を含むための1つまたは複数の受容器を有する光透過性試料プレート、
(b)試料を照射および/または硬化するための1つまたは複数の光源、
(c)試料への光の伝達を選択的に制御するための取り外し可能な液晶ディスプレイ(LCD)等のLCD、
(d)試料プレートとLCDとを互いに整列させるための手段、
(e)顕微鏡によって試料を観察するための手段、
(f)(e)の顕微鏡手段から得られた画像を捕捉するための手段、および
(g)システムを制御するためのマイクロプロセッサーおよびソフトウェア
を含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記光透過性試料プレート(a)が、96ウェルプレートであるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LCDが、ピクセルの長方形のアレイを含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LCDアレイのそれぞれのピクセルが、2つまたはそれより多いサブピクセルを含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LCDアレイのそれぞれのピクセルが、緑色発光サブピクセル、赤色発光サブピクセル、および青色発光サブピクセルを含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明はそれぞれのピクセルが、約60μm×約60μmの寸法を有し、それぞれのサブピクセルが、約20μm×約60μmの寸法を有するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記ピクセルの長方形のアレイが、約500~約10,000×約500~約10,000の長方形のアレイを含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記ピクセルの長方形のアレイが、約1500×約2400の長方形のアレイを含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記1つまたは複数の光源が、発光ダイオード(LED)光源、レーザー、白熱灯、蛍光灯、紫外光、ハロゲン光、およびキセノン光から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、白色光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、約390nm~約700nmの波長を有する白色光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、約390nm~約490nmの波長を有する青色/紫色の光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、約520nm~約560nmの波長を有する緑色の光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、約635nm~約700nmの波長を有する赤色の光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LED光源が、約290nm~約390nmの波長を有する紫外光を発するシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LCDが、前記試料プレートと試料を照射および/または硬化するための前記1つまたは複数の光源との間に配向されているシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記LCDが、前記試料プレートの下に位置し、試料を照射および/または硬化するための前記1つまたは複数の光源がLCDの下に位置しているシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は顕微鏡によって試料を観察するための前記手段が、前記試料プレートの上に位置しているシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は(h)分離した粒子を試料から取り出すための手段をさらに含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は分離した粒子を試料から取り出すための前記手段(h)が、ピペッティング、洗浄、すすぎ、吸引から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は試料が、生体試料であるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は粒子が、細胞、生体粒子、ビーズ、細胞外材料、および液滴から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記細胞が、循環する腫瘍細胞(CTC)、血液細胞、細菌、初代細胞、トランスフォームされた細胞、病原性細胞、および希少な免疫細胞から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記光硬化性ポリマー性媒体が、約290~約400nmの波長を有する光源に曝露された際に粘度の増加を示す光反応性ポリマーから選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は前記光硬化性ポリマー性媒体が、ゼラチン誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルギネートおよびその誘導体、コラーゲンおよびその誘導体、Pluronic(登録商標)およびその誘導体、ならびにそれらの混合物等の光開始剤からなる群から選択される材料から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は、光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から目的の粒子等の粒子を分離するためのシステムであって、
(a)試料を含むための1つまたは複数の受容器を有する光透過性試料プレート、
(b)光学アレイパターンを生成するための光源の組合せ、
(c)試料プレートとLCDとを相互に整列させるための手段、
(d)顕微鏡によって試料を観察するための手段、
(e)(d)の顕微鏡手段から得られた画像を捕捉するための手段、および
(f)システムを制御するためのマイクロプロセッサーおよびソフトウェア
を含むシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は光学アレイパターンを生成するための光源の前記組合せが、光投射器または有機発光ダイオード(OLED)から選択されるシステムに関する。
一部の実施形態では、本発明は、光硬化性ポリマー性ビヒクル中で調製された試料から目的の粒子等の粒子を分離するための方法であって、分離をもたらす本発明のシステムを利用するステップを含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から本発明のシステムを利用して目的の粒子等の粒子を分離するための方法であって、
(a)調製された試料を光透過性試料プレートの受容器の中に分注するステップ、
(b)試料と光源との間にLCDなしで試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(c)試料と光源との間にLCDを配向して試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(d)マイクロプロセッサーおよびソフトウェアを使用して(b)および(c)から得られた画像を解析および整列して複合画像を取得し、試料中の粒子の位置を決定して粒子を識別するステップ、ならびに
(e)(d)の結果を使用して、所望の位置において硬化性ポリマー性媒体にポリマーを硬化させる波長の光を選択的に伝達するか、または伝達しないようにマイクロプロセッサーおよびソフトウェアに指示し、ポリマー性媒体の硬化領域および非硬化領域のアレイを提供して目的の粒子を選択的に固定化するか、または固定化しないステップ
を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から本発明のシステムを利用して目的の粒子等の粒子を分離するための方法であって、
(a)調製された試料を光透過性試料プレートの受容器の中に分注するステップ、
(b)試料と光源との間にLCDなしで試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(c)試料と光源との間にLCDを配向して試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(d)マイクロプロセッサーおよびソフトウェアを使用して(b)および(c)から得られた画像を解析および整列して複合画像を取得し、試料中の粒子の位置を決定して粒子を識別するステップ、
(e)(d)の結果を使用して、所望の位置において硬化性ポリマー性媒体にポリマーを硬化させる波長の光を選択的に伝達するか、または伝達しないようにマイクロプロセッサーおよびソフトウェアに指示し、ポリマー性媒体の硬化領域および非硬化領域のアレイを提供して目的の粒子を選択的に固定化するか、または固定化しないステップ、ならびに
(f)分離した粒子を取り出すための手段を使用して粒子を収集するステップ
を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は調製された試料から目的の粒子等の粒子を分離するための方法であって、
(a)感光性媒体中に試料をローディングするステップ、
(b)1つまたは複数の非ゲル化光を使用して1つまたは複数の画像を取得するステップ、
(c)試料と1つまたは複数の非ゲル化光との間に表示手段の位置を決定するステップ、(d)表示手段の上にパターンを表示するステップ、
(e)1つまたは複数の非ゲル化光を使用して複合画像を取得するステップ、
(f)試料中の1つまたは複数の粒子の位置を計算するステップ、
(g)表示手段の上にゲル化パターンを表示するステップ、
(h)ゲル化光を使用して少なくとも1つのミクロヒドロゲルを形成させるステップ、および
(i)洗浄または溶出によって試料を処理するステップ
を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は表示手段が、LCDである方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は調製された試料から目的の粒子等の粒子を分離するための方法であって、
(a)感光性媒体中に試料をローディングするステップ、
(b)試料と1つまたは複数の非ゲル化光との間に表示手段を位置決めするステップ、
(c)表示手段の上にパターンを表示するステップ、
(d)1つまたは複数の非ゲル化光を使用して複合画像を取得するステップ、
(e)試料中の1つまたは複数の粒子の位置を計算するステップ、
(f)表示手段の上にゲル化パターンを表示するステップ、
(g)ゲル化光を使用して少なくとも1つのミクロヒドロゲルを形成させるステップ、および
(h)洗浄または溶出によって試料を処理するステップ
を含む方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は表示手段がLCDである方法に関する。
一部の実施形態では、デジタルマイクロミラーデバイスによって生成される光パターンをLCDの代わりに使用することができる。
一部の実施形態では、レーザー等の他の光源をLEDの代わりに使用することができる。
一部の実施形態では、他の波長の光を青色/紫色の光の代わりに使用することができる。
一部の実施形態では、画像整列ステップを省略することができる。
一部の実施形態では、選択した粒子または細胞が感光性である場合には、バイオマトリックスの固化ステップの使用を省略することができる。
一部の実施形態では、任意の光子応答性ヒドロゲルを青色光硬化性バイオインクの代わりに使用することができる。
本発明のこれらのおよびその他の態様は本明細書の開示から明らかになる。
上記の一般的記述および以下の詳細な説明は例示的であり説明のためのみであって、特許を請求する開示を制限するものではないことが理解されよう。
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付した図面は本開示の例示的な態様を図示し、記述とともに本開示の原理の説明に役立つ。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から粒子を分離するためのシステムであって、
(a)前記試料を含むための1つまたは複数の受容器を有する光透過性試料プレート、
(b)前記試料を照射および/または硬化するための1つまたは複数の光源、
(c)前記試料への光の伝達を選択的に制御するための液晶ディスプレイ(LCD)、
(d)前記試料プレートと前記LCDとを互いに整列させるための手段、
(e)顕微鏡によって前記試料を観察するための手段、
(f)前記(e)の顕微鏡手段から得られた画像を捕捉するための手段、および
(g)前記システムを制御するためのマイクロプロセッサーおよびソフトウェア
を含むシステム。
(項目2)
前記光透過性試料プレート(a)が、96ウェルプレートである、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記LCDが、ピクセルの長方形のアレイを含む、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記LCDアレイのそれぞれのピクセルが、2つまたはそれより多いサブピクセルを含む、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記LCDアレイのそれぞれのピクセルが、緑色発光サブピクセル、赤色発光サブピクセル、および青色発光サブピクセルを含む、項目3に記載のシステム。
(項目6)
それぞれのピクセルが、約60μm×約60μmの寸法を有し、それぞれのサブピクセルが、約20μm×約60μmの寸法を有する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記ピクセルの長方形のアレイが、約500~約10,000×約500~約10,000の長方形のアレイを含む、項目3に記載のシステム。
(項目8)
前記ピクセルの長方形のアレイが、約1500×約2400の長方形のアレイを含む、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記1つまたは複数の光源が、発光ダイオード(LED)光源、レーザー、白熱灯、蛍光灯、紫外光、ハロゲン光、およびキセノン光から選択される、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記LED光源が、白色光を発する、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記LED光源が、約390nm~約700nmの波長を有する白色光を発する、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記LED光源が、約390nm~約490nmの波長を有する青色/紫色の光を発する、項目9に記載のシステム。
(項目13)
前記LED光源が、約520nm~約560nmの波長を有する緑色の光を発する、項目9に記載のシステム。
(項目14)
前記LED光源が、約635nm~約700nmの波長を有する赤色の光を発する、項目9に記載のシステム。
(項目15)
前記LED光源が、約290nm~約390nmの波長を有する紫外光を発する、項目9に記載のシステム。
(項目16)
前記LCDが、前記試料プレートと前記試料を照射および/または硬化するための前記1つまたは複数の光源との間に配向されている、項目1に記載のシステム。
(項目17)
前記LCDが。前記試料プレートの下に位置し、前記試料を照射および/または硬化するための前記1つまたは複数の光源が、前記LCDの下に位置している、項目15に記載のシステム。
(項目18)
顕微鏡によって前記試料を観察するための前記手段が、前記試料プレートの上に位置している、項目1に記載のシステム。
(項目19)
(h)分離した粒子を前記試料から取り出すための手段をさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目20)
分離した粒子を前記試料から取り出すための前記手段(h)が、ピペッティング、洗浄、すすぎ、吸引から選択される、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記試料が、生体試料である、項目1に記載のシステム。
(項目22)
前記粒子が、細胞、生体粒子、ビーズ、細胞外材料、および液滴から選択される、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記細胞が、循環する腫瘍細胞(CTC)、血液細胞、細菌、初代細胞、トランスフォームされた細胞、病原性細胞、および希少な免疫細胞から選択される、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記光硬化性ポリマー性媒体が、約290~約400nmの波長を有する光源に曝露された際に粘度の増加を示す光反応性ポリマーから選択される、項目1に記載のシステム。(項目25)
前記光硬化性ポリマー性媒体が、ゼラチン誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルギネートおよびその誘導体、コラーゲンおよびその誘導体、Pluronic(登録商標)およびその誘導体、ならびにそれらの混合物等の光開始剤からなる群から選択される材料から選択される、項目24に記載のシステム。
(項目26)
光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から粒子を分離するためのシステムであって、
(a)前記試料を含むための1つまたは複数の受容器を有する光透過性試料プレート、
(b)光学アレイパターンを生成するための光源の組合せ、
(c)前記試料プレートと前記LCDとを相互に整列させるための手段、
(d)顕微鏡によって前記試料を観察するための手段、
(e)前記(d)の顕微鏡手段から得られた画像を捕捉するための手段、および
(f)前記システムを制御するためのマイクロプロセッサーおよびソフトウェア
を含むシステム。
(項目27)
前記光学アレイパターンを生成するための光源の組合せが、光投射器または有機発光ダイオード(OLED)から選択される、項目26に記載のシステム。
(項目28)
光硬化性ポリマー性ビヒクル中で調製された試料から粒子を分離するための方法であって、項目1または19に記載のシステムを利用して分離をもたらすステップを含む方法。(項目29)
光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から項目1のシステムを利用して粒子を分離するための方法であって、
(a)前記調製された試料を前記光透過性試料プレートの受容器の中に分注するステップ、
(b)前記試料と前記光源との間にLCDなしで前記試料の顕微鏡画像を得るステップ、(c)前記試料と前記光源との間にLCDを配向して前記試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(d)前記マイクロプロセッサーおよびソフトウェアを使用して(b)および(c)から得られた画像を解析および整列して複合画像を取得し、前記試料中の粒子の位置付け、かつ識別するステップ、ならびに
(e)(d)の結果を使用して、所望の位置において硬化性ポリマー性媒体にポリマーを硬化させる波長の光を選択的に伝達するか、または伝達しないように前記マイクロプロセッサーおよびソフトウェアに指示し、ポリマー性媒体の硬化領域および非硬化領域のアレイを提供して目的の粒子を選択的に固定化するか、または固定化しないステップ
を含む方法。
(項目30)
光硬化性ポリマー性媒体中で調製された試料から項目19のシステムを利用して粒子を分離するための方法であって、
(a)前記調製された試料を前記光透過性試料プレートの受容器の中に分注するステップ、
(b)前記試料と前記光源との間にLCDなしで前記試料の顕微鏡画像を得るステップ、(c)前記試料と前記光源との間にLCDを配向して前記試料の顕微鏡画像を得るステップ、
(d)前記マイクロプロセッサーおよびソフトウェアを使用して(b)および(c)から得られた画像を解析および整列して複合画像を取得し、前記試料中の粒子の位置付け、かつ識別するステップ、
(e)(d)の結果を使用して、所望の位置において硬化性ポリマー性媒体にポリマーを硬化させる波長の光を選択的に伝達するか、または伝達しないように前記マイクロプロセッサーおよびソフトウェアに指示し、ポリマー性媒体の硬化領域および非硬化領域のアレイを提供して目的の粒子を選択的に固定化するか、または固定化しないステップ、ならびに
(f)前記分離した粒子を取り出すための前記手段を使用して前記粒子を収集するステップ
を含む方法。
(項目31)
調製された試料から粒子を分離するための方法であって、
(a)感光性媒体中に試料をローディングするステップ、
(b)1つまたは複数の非ゲル化光を使用して1つまたは複数の画像を取得するステップ、
(c)前記試料と前記1つまたは複数の非ゲル化光との間に表示手段を位置決めするステップ、
(d)前記表示手段の上にパターンを表示するステップ、
(e)前記1つまたは複数の非ゲル化光を使用して複合画像を取得するステップ、
(f)前記試料中の1つまたは複数の粒子の位置を計算するステップ、
(g)前記表示手段の上にゲル化パターンを表示するステップ、
(h)ゲル化光を使用して少なくとも1つのミクロヒドロゲルを形成させるステップ、および
(i)洗浄または溶出によって前記試料を処理するステップ
を含む方法。
(項目32)
前記表示手段がLCDである、項目31に記載の方法。
(項目33)
調製された試料から粒子を分離するための方法であって、
(a)感光性媒体中に試料をローディングするステップ、
(b)前記試料と1つまたは複数の非ゲル化光との間に表示手段を位置決めするステップ、
(c)前記表示手段の上にパターンを表示するステップ、
(d)前記1つまたは複数の非ゲル化光を使用して複合画像を取得するステップ、
(e)前記試料中の1つまたは複数の粒子の位置を計算するステップ、
(f)前記表示手段の上にゲル化パターンを表示するステップ、
(g)ゲル化光を使用して少なくとも1つのミクロヒドロゲルを形成させるステップ、および
(h)洗浄または溶出によって前記試料を処理するステップ
を含む方法。
(項目34)
前記表示手段がLCDである、項目33に記載の方法。
図1は、本発明の概略的ワークフローの例である。(A)操作および装置のパイプライン。(B)試料のみの顕微鏡画像の取得。(C)試料およびLCDの顕微鏡画像の取得。(D)選択した標的を選択的に減光しまたは照射する。(E)光誘起ミクロゲル生成。および(F)標的の洗浄または溶出。ステップはコンピュータースクリプトによって実施される。特に(B)細胞のプールは青色光硬化性バイオインク(ゼラチン-MAまたはpeg-MAと生体親和性光開始剤LAP、またはその他の感光性薬剤-光の組合せ)と混合され、白色光LEDで照射されたLCD上にローディングされる。目的の細胞は手で、または機械学習プログラム(黒色矢印で示す)で採取され、顕微鏡画像は中間ステップ(赤色LCDアレイ照射)を介してLCDピクセルと整列され、選択した細胞の下にあるピクセルが黒色と設定される(C)。青色光源および青色ピクセルマスクをオンにすることにより、ウェル全体の青色への短時間の曝露が実施される(D)。負の選択の場合(D、E、Fの上のパネル)には、選択されなかった細胞または領域が固化し(暗色の領域C)、移動相の標的細胞が溶出する。大きさの参照として人髪のストランド(幅100ミクロン)を示す。正の選択の場合(D、E、Fの下のパネル)には、目的の細胞が照明され、生体親和性バイオインクでトラップされる。望まない細胞は洗浄除去され、選択された細胞が残っておそらくin situで培養される。
図2A-1~図2A-4は、例示的な試料ステージの斜視図である。 図2A-1は試料ステージの側面図である。 図2A-2は試料ステージの前面図である。 図2A-3は試料ステージの上面図である。 図2A-4は試料ステージの斜視図である。
図2Bは、LCD、試料ステージ、96ウェル光学底マイクロタイタープレート、およびベンチ直立顕微鏡を含む本開示の実施形態による例示的な装置の例である。
図3は、整列のための画像取得ステップの例である。 図3は、整列のための画像取得ステップの例である。 図3は、整列のための画像取得ステップの例である。
図3A~図3Cは、試料のみの図を取得して目的の細胞を選択し、LCDがまだ挿入されていない画像を示す。図3B。図3Bに示すように、LCDを挿入して全パターンを表示する。図3Cに示すように、LCDおよび試料の図を捕捉する。
図3Cは、画像インデキシングの準備ができた例示的なLCDおよびLCDパターンの捕捉を示す。
図4A~図4Fはインデキシングピクセルの例である。そのような例ではパターンは6×6であり、全てのボーダーピクセルは0に設定している。中央の4×4のピクセルは行および列を識別するために使用する。隣接するパターンは1ピクセル分の分離を有している。それを行う場合、内側の1パターンを検索するために8×8のパターンを使用する。赤いチャネルは行を、青いチャネルは列を表わすために使用する。
図4Aは全てのチャネルを含むLCDパターン画像を示す。
図4Bは、緑色のチャネルのみを使用する図4Aの1つのパターンを検索するための境界の8×8パターンを示す。
図4Cは、交差相関マップを使用する図4Bの、また図4Aにおける境界パターンの検索結果を示す。
図4Dは、赤色チャネルから切り取った1つのパターンを示す。二進法表示は0000
0000 1001 0011であり、これは147である。
図4Eは青色チャネルを示す。二進法表示は0000 0000 1000 0111であり、これは135で、このパターンブロックがLCD全体の行147、列135に位置していることを示している。
図4Fは陰性対照としての緑色チャネルを示し、ここではシグナルがないはずである。
図5A~図5Bは正確なLCDピクセル制御を示す。顕微鏡画像(左のパネル)上で目的の粒子を直接選択した後、ライブ画像は単一ビーズの下のLCDピクセル(赤色矢印で標識)がオン/オフされていることを示した。 図5A~図5Bは正確なLCDピクセル制御を示す。顕微鏡画像(左のパネル)上で目的の粒子を直接選択した後、ライブ画像は単一ビーズの下のLCDピクセル(赤色矢印で標識)がオン/オフされていることを示した。
図5Aは、ピクセルがオンになっている陽性対照を示す。
図5Bは、ピクセルがオフになっている陰性対照を示す。
図6Aは、ファージを産生するために使用でき、本発明の抗体選択用途に使用できるファージディスプレイベクターの例を示す。
図6Bは、典型的なKunkel変異誘発ライブラリー生成プロセスとしての本発明の抗体選択用途におけるファージライブラリーの設計および構築ならびにライブラリーの使用の分子生物学プロセスの例を示す。
図6Cは、単一ビーズ/細胞系ファージディスプレイパイプラインにおいて本発明を使用する例を示す。
図7A~図7Bは、細胞相互作用表現型による腫瘍殺滅クローンの選択を示す。
図7Aは、細胞療法の研究における公開された免疫細胞-腫瘍細胞の相互作用を示す。
図7Bは、顕微鏡法下での選択による概念的な腫瘍相互作用クローン富化プロセスを示す。厚い縁がついた実体としての腫瘍細胞、白色の無関係なT細胞、および灰色の腫瘍結合性T細胞。
図8は、本開示の態様によるLCDを含まない試料の画像から出発する例示的な方法のフローチャートを示す。
図9は、本開示の態様によるLCD-試料の複合画像のみを使用する例示的な方法のフローチャートを示す。
図10は、粒子捕捉結果の例示的な画像を示す。
発明の詳細な説明
定義
本発明をより容易に理解するため、ある種の用語を以下に定義する。以下の用語およびその他の用語についてのさらなる定義を、明細書全体にわたって説明する。
親和性試薬:本明細書で使用される場合、用語「親和性試薬」は、標的分子に特異的に結合して、標的分子の活性をたとえば識別し、追跡し、捕捉し、またはそれに影響する任意の分子である。本明細書に記載した方法によって識別されまたは回収される親和性試薬は、「遺伝子的にコードされた」たとえば抗体、ペプチド、または核酸であり、したがってシーケンシングすることができる。用語「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は本明細書で相互交換可能に使用され、ともに連結された2つまたはそれより多いアミノ酸を意味する。
バイオインクは、細胞外基質環境を模倣し、生細胞の付着、増殖、および分化を支持するバイオインク材料を意味する。これらは通常、ゼラチン、アルギネート、フィブリン、キトサン、PEG、およびヒアルロン酸等の生体親和性ポリマーから誘導される。
バイオマトリックス:バイオインクの架橋したまたは固化した形態。
ヒドロゲルは、架橋したポリマー鎖のネットワークから構築された高分子ポリマーゲルを意味する。ヒドロゲルは逐次重合または連鎖重合によって、ネットワークの形成を促進する機能性架橋剤とともに親水性モノマーから合成される。
システムおよび方法
本発明の種々の態様を以下の節で詳細に記述する。節の使用は本発明を限定することを意味しない。それぞれの節は本発明のいずれの態様にも適用することができる。本出願において「または」の使用は、他に述べない限り、「および/または」を意味する。
本開示はとりわけ、標的タンパク質の機能性エピトープに対する抗体を生成させるための方法および組成物を提供する。標的タンパク質の機能性エピトープを標的とする抗体の生成により、抗体が標的タンパク質の機能をモジュレートすることが可能になる。たとえば、機能性エピトープを標的とする能力により、抗体が標的タンパク質の機能をアゴナイズしまたはアンタゴナイズすることが可能になる。一部の実施形態では、本明細書で提供する方法では、標的タンパク質の機能をモジュレートすることができる抗体の開発のためのリガンドコンジュゲート抗体ライブラリーが使用される。
既に利用可能な蛍光活性化細胞選別(FACS)または微小流体チップに基づく細胞単離ツール(1、2)では、薄い流体のストリームが生成され、単一細胞が検査され、またある種の数値的特徴に基づいて細胞のサブ集団が単離される。しかし、細胞の表現型および細胞間相互作用に関する情報は失われる。その他の画像系単一細胞採取手法、たとえばマイクロピペッティング(3)、光学ピンセット(4)、またはレーザー捕捉顕微解剖(5、6)は、高精度の機械装置およびそれぞれの細胞の個別の捕捉動作が必要であり、それによりスループットが低下し、市販化が妨げられる。急速に成長する消費者向け電子産業によって液晶ディスプレイ(LCD)は単一細胞の分解能のオーダーにまで達し、即ち2Kの5.5インチのディスプレイの単一カラーピクセルの直径はほぼ30~50μm、即ちおよそ哺乳動物細胞の横断幅である。LCD上の波長選択的ピクセルアレイをプログラムして、一時的な空間パターンを形成させることができる。さらに、機械学習手法の進歩により、画像に基づく粒子認識および分割アリゴリズム(7)が適用されてきた。
細胞外基質環境を模倣し、生細胞の付着、増殖、および分化を支持する材料である生体親和性三次元(3D)印刷インクは通常、可視光によって硬化しまたは固化することができるゼラチン、アルギネート、フィブリン、キトサン、PEG、およびヒアルロン酸等の生体親和性ポリマーから誘導され(8)、これらもまた利用可能である。これらの材料により、市販のセルソーター、即ちFACSおよび微小流体系ソーターに匹敵する90%を超える細胞生存率が得られる。捕捉プロセスは単一の全曝露ステップによって実施することができるので、この技術のスループットは大幅に増大する。
リンパ球、神経細胞、筋肉細胞、幹細胞等の初代細胞の単離(9)は、研究、診断、および治療の用途に重要である。現在のワークフローには組織の消化、デブリの除去、およびフローサイトメトリーが含まれる。デブリ除去のステップは生細胞の主要な損失(たとえば約70%~90%)を惹起し得るが、塞栓のリスクがあるので流体系システムには必要である。本発明の技術は流体系ではないので、組織デブリおよび塊状の細胞の存在を忍容することができる。本発明のシステムおよび方法は消化した試料および単一の生細胞を生成させる試料に直接適用することができるので、必要な試料の量は本発明によって大幅に低減される。
本発明では、細胞工学のために特定の遺伝子または制御DNAエレメントが細胞ゲノムに挿入される。この挿入は細胞表現型の変化、即ちレポーター遺伝子の発現および表面タンパク質の呈示を誘起し得る。対照的に、ゲノム操作等の現在の工学技術は大部分ランダムまたはあまり制御されておらず、不均一な細胞のプールが生じる。したがって、最適化された表現型の読み出しを有する単一の生細胞を単離することは、全体の工学プロセスの重要なステップである。現在の方法では、単離プロセスは大部分、フローサイトメトリーを使用して実施されている。しかし、これらの従来法は、比較的大量(数十万個の細胞)の出発材料ならびに連続希釈、培養、および実施するのに数か月を要することもあるバリデーション等の面倒な下流の操作を必要とする。対照的に本発明では、僅か数百~数千個の細胞のように限定された出発試料から僅か数時間程度の短い時間で、望まれる的確なクローンを顕微鏡の直下で単離することが実現可能で費用効率が高い。
ハイブリドーマの選択のため、異なる抗体を呈示する細胞クローンの混合物が通常、単一クローンの単離のための出発材料として役立つ。従来の細胞工学であるフローサイトメトリーまたは微小流体デバイスが、最も強い抗原親和性を有するクローンを選択するために使用されてきた。この現在の慣行は、比較的大量(数十万個の細胞)の出発材料ならびに連続希釈、培養、および実施するのに数か月を要することもあるバリデーション等の面倒な下流の操作を必要とする。対照的に本発明では、僅か数百~数千個の細胞のように限定された出発試料から僅か数時間程度の短い時間で、望まれる的確なクローンを顕微鏡の直下で単離することが実現可能で費用効率が高い。
基材、即ちプレート、ビーズにコートされた、または細胞上に発現された抗原を標的として特異的に結合するバインダーを単離するために、ファージディスプレイのプロセス(10、11)が使用されている。それにも関わらず、これらの現在の方法は通常、プレートをコートするために数mgの精製されたタンパク質(これは高価で入手が面倒である)またはFACSのプロセスを実施するために数千万個の細胞を必要とする。研究者らは長年、抗原の量に制限されない理想的なプラットフォームを探索してきた。本発明は、抗体の発見および診断における試料の富化等の目的のための、種々の生体分子とコンジュゲートしたビーズの選択を可能にするものである。
がん患者の細胞療法処置において、腫瘍殺滅クローン(12)を最初に患者の腫瘍試料から分離しなければならない。このプロセスには粗い選別および高スループットの単一細胞培養が含まれる。次に腫瘍細胞とT細胞の共培養において腫瘍細胞の殺滅を顕微鏡観察することによって、機能性クローンの有効性が識別される。本発明において、腫瘍細胞に結合し、元のプールから直ちに形態学的変化を誘起するT細胞クローンを直接識別し選択する能力を有することにより、プロセスは大幅に促進される。
循環する腫瘍細胞(CTC)を分離するため、表面マーカーまたは細胞の大きさ等の様々なパラメーターを使用することができる(13)。以前の技術では腫瘍細胞を腫瘍特異的表面マーカーで染色して、細胞混合物を流体系のストリームに添加することによって、循環する腫瘍細胞を単離し、そこでそれぞれの細胞を検査している。次いで特定の蛍光マーカーを有する細胞が単離されプールされる。この方法は大きさに基づいている。全血または前処理された血液試料が液体の単一ビームに添加され、そこでそれぞれの細胞の大きさが検出され、CTCの大きさの細胞が収集される。ちょうど1mlの血液は数個のCTCと比較して10個を超える赤血球を含んでいるので、干渉する血液細胞がデバイスの塞栓の課題を引き起こし、試料の前処理が必要になる。本発明は迅速な画像取得および流体を含まない捕捉機構を使用しており、標準化されたCTCの検出、単離、および特徴解析のために理想的である。
図8は本開示の態様によるLCDを含まない試料の画像から出発する例示的な方法800のフローチャートを示す。例示的な方法は初期ステップ802で開始する。ステップ802で、試料は本明細書で教示するように感光性媒体中にローディングしてよい。次のステップ804で、1つまたは複数の非ゲル化光を使用して1つまたは複数の画像を取得してよい。次のステップ806で示すように、試料と1つまたは複数の非ゲル化光との間にLCDを配置してよい。LCDは試料の下または上に直接配置しなくてもよく、試料から距離を置いてもよいことが認識される。一部の実施形態では、LCDおよび/または光源の組合せは、光学アレイパターンを生成させることができる任意のデバイス、たとえば光投射器、OLED等で置き換えてもよい。
次のステップ808で、本明細書で教示するように、LCDまたは本明細書で教示する他の任意の好適なデバイスの上にパターンを表示してよい。パターンが表示されれば、次のステップ810で、1つまたは複数の非ゲル化光を使用して複合画像を取得してよい。ステップ812で、本明細書で教示するように1つまたは複数の粒子の位置を計算してよい。次のステップ814で、LCDまたは本明細書で教示する他の任意の好適なデバイスの上にゲル化パターンを表示しまたは投射してよい。ゲル化パターンが表示されれば、ステップ816で、ゲル化光を使用してミクロヒドロゲルを形成してよい。これらのミクロヒドロゲルが形成されれば、後処理ステップ818で全体の試料を洗浄しまたは溶出してよい。例示的な実施形態では、洗浄は試料を処理して固定化ミクロゲルの中に標的とさせるために使用してよい。固定化とは、移動しない相を意味する。別の例示的な実施形態では、移動相の中に標的とさせるために、溶出を用いてもよい。
図9は本開示の態様による例示的な方法900のフローチャートを示す。方法900はLCD-試料複合画像のみを使用する。方法900は、1つまたは複数の非ゲル化光を使用して1つまたは複数の画像を取得するステップを必要としない。方法900は既に述べた方法800の他のステップに関して同様であり、簡略化の目的のため繰り返さない。
図10は本開示の態様による粒子捕捉結果の例示的な画像を示す。示すように、本明細書で教示する例示的なプロセスにより、6つの異なる反復、即ち1001、1002、1003、1004、1005、および1006に関する捕捉前、捕捉後、および洗浄後の画像を図示する。
特定の応用のための説明的な実施形態に関して本開示の原理を本明細書に記載したが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。当技術における通常のスキルおよび本明細書で提供した教示への接近手段を有する者であれば、さらなる改変、応用、実施形態、および等価の置換が全て本明細書に記載した実施形態の範囲に含まれることを認識することになる。したがって、本明細書に記載した発明は上の記載によって限定されると考えるべきではない。
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態をさらに説明し実証する。実施例は説明のためにのみ与えられ、本発明の限定であると考えるべきではない。それは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの変形が可能であるからである。
(実施例1)
ビーズの下のLCDピクセルの選択的暗色化
ハードウェアの設定:顕微鏡、図2A-1~図2A-4に示すLCD-試料ステージ、コンピューター。システムの光学系は直立顕微鏡からなる。画像の要求ならびにマスキングは5.5インチのTFT LCD(2560×1440分解能)によって達成する。プロトタイプのため、図2Bに示すように、LCDの挿入および取り出しを可能にする機械的設定を、ABS印刷試料ステージによって実施する。画像処理ならびにLCDおよびLEDの制御は、パーソナルラップトップで実施する。96ウェルのマイクロタイタープレートを利用することにより、高スループット応用のために電動化されるべきポテンシャルが可能になる。
ソフトウェアの設定:画像捕捉、試料-LCDの整列、パターン認識、粒子の採取。画像取得、処理および粒子操作の制御ソフトウェアは、パイソンプログラミング言語によってプロトタイプ化する。主要な課題は、それぞれの目的の粒子の下にあるLCDタイルに正確にアドレス指定することである。これを達成するため、それぞれの目的の区域についていくつかの画像を得る。図3Aに示すようにLCDを取り付けていない画像を従来の顕微鏡画像として、また図3Bに示すようにLCDを取り付けた画像を取る。パターンをLCD上に(下で論じるように)表示し、図3Bに示すようにLCDパターンを有する試料を取得する。最後に顕微鏡の焦点をLCDに合わせ、図3Cに示すようにLCDのパターンを画像化する。画像取得の設定のため、LCDパネルの設置および焦点ぼけの変化によって、画像にずれが生じることがある。
細胞の所望のピクセルをオンまたはオフにするために使用されるLCDパネル上の細胞の位置を把握するために、LCD画像上のそれぞれの点の指標を計算する必要がある。パターンを使用してLCDパネルに対応するLCDの画像位置を識別する。これについては以下の文脈で述べる。それぞれのピクセルの位置はデカルト系上の点として記述される。座標系の原点および単位ベクトルは逆格子空間内のピークを見出すことによって計算する。それぞれのピクセルの位置を計算する。LCD上の曝露の区域の位置をパターンによって識別する。曝露区域はLCDパネルと比較して極めて小さいので、位置を識別するために1つのパターンを使用することは自明ではない。この制限を克服するため、LCD上のそれぞれの8×8のピクセル2について6×6のパターンを生成させる。LCDパネルの背景は所望の色に設定する。それぞれのパターンについて、正方形の周辺をオフにし、4×4ピクセルの中央部を使用してLCD上のこのパターンの行と列を識別する。現在の設定において、LCDは2560×1440ピクセルを有している。366×206のパターンが存在し、これらは17ピクセルで指標化することができる。図3Cに示すように、周辺における白色ピクセルを有するパターン枠を、図4Aに示すように元の画像からパターンを見出すための鋳型として使用する。パターン枠とLCDパターン画像との間で相互相関マップを計算する。最良の整列を使用して、図4Bに示すように、元のLCDパターンからパターンを切り取り、図4D、図4E、および図4Fに示すように、中央部の4×4ピクセルを2進数としてマッピングすることによって、パターンの行および列の指標を識別する。
LCD上に表示されるパターンによって、LCDタイルの絶対アドレスを指標化した。これは元の明視野画像において採取する任意の粒子を計算するための参照として役立つことになる。細胞選別のための動的マスクを生成させるため、図5Bに示すように負のトラッピングのために下にあるLCDタイルを減光するか、または図5Aに示すように正のトラッピングのためにLCDタイルを選択的に明るくすることによって、目的の粒子を選択する。画像の整列およびピクセルのトラッピングを試験するため、直径30~200ミクロンの市販のビーズを使用し、本発明者らのプロトタイプシステムによって過誤なしに画像を整列させ、粒子を検出し、下にあるLCDタイルの伝達を制御できることを実証した。
(実施例2)
赤血球の除去
フローサイトメトリーまたは微小流体分離法の特別の型である蛍光活性化細胞選別(FACS)とは対照的に、本発明の技術は細胞の選択および分離のプロセスを気密のマイクロタイターウェルの内部に物理的に閉じ込めるものである。生体有害物質への曝露が限定されているので、顕微鏡下の選択は液体生検のための理想的なプロセスになる。循環腫瘍細胞(CTC)の解析は、がんを診断して表現型に分類し、処置を予知するための液体生検の強力なツールである。CTCの量は比較的少ないので、周囲の赤血球(RBC)からCTCを分離することは困難である。フィコール、細胞溶解等のバルク富化ステップの後でも、顕著な数の赤血球が残存して、単一細胞のローディング効率が低い、希少な細胞の増殖が物理的にブロックされる等、下流での効果的なCTCの解析を妨害することが多い。
RBCは明視野顕微鏡画像において区別できる色および形態を呈示し、これはパターン認識アルゴリズムによって容易に採取できる。本システムの個別のステップ、即ち自動細胞採取、全ウェルパノラマ合成、および光子重合を最適化するための概念実証実験としてこの応用を使用する。
実験デザインおよび結果。(A)試料の調製および画像の取得。CTCを模倣するため、RBC夾雑レベルを変化させた試料。培養したHela細胞(Hela ATCC(登録商標)CCL-2(商標))に1:0、1:10、1:100、および1:1000のレベルでRBC細胞(マウス赤血球、HeLa ATCC(登録商標)tib-112(商標))を添加する。光学底マイクロタイタープレートの単一のウェルに3000個の細胞をローディングする。それぞれのウェルについて部分的に重複する10個の明視野顕微鏡画像を収集し、最後の画像を整列に使用する。最後の画像のそれぞれの画像ピクセルをLCDの絶対座標に整列させ、これをLCDのピクセルマッピングに使用する。(B)全ウェル画像合成および自動的細胞採取。全ウェルを包含する複合画像を合成し、全ウェルパノラマの上の画像ピクセルの位置を計算して、最後の画像を参照として使用してLCD座標にマッピングする。機械学習アルゴリズム(パイソンサイイメージモジュール)のための訓練用データセットとして、100個の80×80の単一細胞画像の正方形をRBCのみの画像から採取する。パノラマ上の全ての粒子を採取してRBCまたは「非RBC」に分類する。RBCの質量中心の座標を記録し、その下にある最近接したLCDピクセルを選択的な照明または暗色化のために計算する。試料とLCDとの整列の正確度を検証するため、RBCのみが照明されるバリデート用LCD対照画像を生成させる。(C)露光時間の最適化およびバイオインクの選択。硬化半径および硬化深さは、UVの線量および光子開始剤の濃度の関数である。異なるバイオインク組成はまた、溶解性および粘度等の異なる物性を有する。LCDについては、異なる光子エネルギー(波長)も光重合の速度に影響する。5種類の10W UV LED(波長それぞれ365nm、390nm、395nm、400nm、および410nmにおける光子強度ピーク、5°、0.1cmフラックスビーム)照射下に、ゼラチン-MA系(IgcureおよびIAP)ならびにPEG-MA(IgcureおよびIAP)の市販のバイオインク組成物を試験した。ゲル化の最適条件は、半径20~30ミクロンの非拡散硬化ディスクが得られる条件である。(D)細胞の回収およびHeLa細胞の生存率。RBCを除去した後、粘着性の縁を有するマイクロタイタープレートを試料プレートに取り付け、移動相に保持された細胞を低速遠心分離(300rpm)によって収集プレートに収集する。収集した細胞を再懸濁し、細胞の生存率をトリパンブルー染色で検証して、選別ステップを省略した対照細胞と比較する。
(実施例3)
単一細胞/ビーズ上のファージディスプレイ
ファージディスプレイは親和性薬剤の開発のための強力な方法である。他のin vitroディスプレイ法(リボソームディスプレイ、mRNAディスプレイ)と比較して、ファージディスプレイは種々のフォーマット、即ちビーズ、プレート、または全細胞においても、抗原に対して強固である。それにも関わらず、バルクパニング法は大量の抗原(数mgのタンパク質または数百万個の細胞)を必要とし、これはその費用を顕著に増大させる。本発明者らの選択技術は数個のビーズまたは細胞を必要とするのみである。したがって、必要な抗原は小規模のin vitro翻訳キットまたは哺乳動物細胞系の一時的発現を用いて自製することができる。本提案の開始に先立って、本発明者らはナイーブなラクダ重鎖ライブラリーを構築し、本発明者らの顕微鏡下選択パイプラインを使用して、腫瘍免疫療法に関与するいくつかの標的(EGFR、TIGIT、PD1、およびBCMA)についてこれをスクリーニングする。膜貫通ドメインを含む4つの遺伝子を一時的発現ベクターpTT5にクローニングして、HEK293FS細胞に形質導入する。細胞のプールを液体窒素下の保存のために分注する。
実験の設計および予想される結果。(A)ライブラリーの設計。ラクダ生殖細胞系列のVH配列を利用可能なナノボディ配列に整列させ、図6Aに示すようにナノボディライブラリーのフレームワークとしてクローニングする。利用可能なラクダ免疫レパートリー配列のNGS解析に基づいて、部位特異的なアミノ酸の多様性を計算する。CDRH1およびCDRH2における13個の位置(H27、H29、H31A、H31B、H31C、H52、H52A、H52B、H53、H54、およびH56)、CDRH3における8個の位置(H95、H96、H97、H98、H99、H100、H100A、およびH100B)を可能なランダム化部位として選択する。(B)ライブラリーの構築。ライブラリーを構築するため、図6Bに示すように、変異誘発の標的である相補性決定領域(CDR)にフレームシフトを組み込み、図6Bに示すように、Kunkel系部位特異的変異誘発を採用して、これらのフレームシフト部位を、Kabatデータベースにおける選択したCDR位置での天然に分布する残基の組をコードするトリ-オリゴヌクレオチドで置き換える。ナノボディのライブラリーをgpIIIコートタンパク質への遺伝子融合としてバクテリオファージM13の表面上に呈示し(1)、1010までの多様性を有するナイーブなライブラリーを構築する。(C)図6Cに示すビーズ上のファージディスプレイスクリーン。単一粒子パニングスクリーニングの標的として4つのがん免疫標的(EGFR、TIGIT、PD1、およびBCMA)を使用する。10μgの精製されたC末端ビオチン化タンパク質を販売業者から購入し、ストレプトアビジンビーズ(50ミクロンのCreative Diagnostics、カタログNo.WHM-S179および10ミクロンのWHM-S110)にコートする。
それぞれの選択のため、50ミクロンのビーズ上の標的タンパク質を、他の3種のタンパク質でコートした100倍超の10ミクロンのビーズに添加する。2000個のビーズのプールをナイーブなファージライブラリーとインキュベートし、洗浄後に本発明の選別用顕微鏡にローディングする。10個の大きな粒子を採取し、トリプシン溶出によってファージを回収する。全体で3回の選択を実施する。(D)細胞上のファージディスプレイスクリーン。ビーズパニングと並行して、標的タンパク質を一時的に発現する単一細胞を使用して本発明の選択システムを評価する。標的細胞を100倍のHela細胞に添加し、200個の細胞のプールをファージライブラリーとともにインキュベートし、選別のためにローディングする。HEK293細胞はHela細胞より小さいので、顕微鏡下に同定された10個の小さな細胞を選択し、ファージ溶出のためにそれらを選別する。(E)抗体の特徴解析。スクリーンから単離された440個またはそれより多い個別のクローンをファージELISAによって解析する。バックグラウンドの2倍を超えるELISAシグナルを有するクローンをE.coli中で発現させ、金属親和性クロマトグラフィーで精製する。(F)抗体のバリデーション。可溶性ナノボディを、一時的に発現した細胞および親のHEK293FS細胞の細胞上の全細胞ELISAによってさらにバリデートする。
(実施例4)
腫瘍殺滅性リンパ球の選択
図7Aに示すように、細胞間相互作用は細胞系腫瘍殺滅の第1のステップである。しかし、一般的な慣行は非免疫細胞の大部分の除去から開始されるので、細胞間相互作用の情報は現行のプロセスでは利用されていない。概念実証として、図7Bに示すように、本発明者らの細胞選択法を市販のCARTアッセイ制御に適用し、次いで適合したプロセスを利用してがんマーカーバインダーから腫瘍殺滅クローンを得る。
標的の選択。市販のCART-腫瘍細胞システム(EGFR scFv-CD28-CD3ζ CAR-T細胞(ProMab、Cat.No.PM-CAR1021-10M)、およびEGFR腫瘍系(ATCC(登録商標)EGFR Genetic Alteration Cell Panel(TCP-1027(商標)))を選択し、スライド上での選択によって富化のレベルを評価する。
実験のデザインおよび結果。(A)市販のCARTシステムを使用するCAR-T細胞富化。異なるEGFR発現状態の2つの腫瘍細胞系を標的細胞として使用する。1)高いEGFRコピー数の増幅を含むHCC827細胞、および2)EGFRコピー数ゼロの増幅を含むNCI-H460細胞。HCC827およびNCI-H460細胞系を、推奨されたプロトコールに従って培養する。Accutase(登録商標)(Corning、Cat.No.25-058-CI)を使用して全ての細胞を収集する。KILR Retroparticles for Adherent Cells(DiscoverX、Cat.No.97-003)を使用して細胞を形質導入する。CAR-T細胞はProMab Biotechnologiesから購入する。本研究では、EGFRを標的とするように一本鎖可変断片(scFv)で操作され、CD3ζ抗原認識ドメインおよびCD28共刺激ドメインを含むEGFR scFv-CD28-CD3ζ CAR-T細胞を利用した。模擬ScFv対照CAR-T細胞(ProMab、Cat.No.PM-CAR1000-1M)を空のベクターで形質導入する。両方のScFv CART細胞を模擬ScFv CART細胞と1:10の比で混合する。T細胞の混合物を腫瘍細胞と1:1の比でさらに混合する。3000個の細胞を96ウェルプレート中で4日間培養し、腫瘍細胞に付着した10個、20個、40個、50個のT細胞を選択して、多数のウェルから溶出させる。細胞RNAを抽出して逆翻訳し、scFc領域を標的とするプライマーを使用するNGSシーケンシングに供する。類似したScFvの前および後のmRNAの比を模擬ScFvベクターと比較することによって、標的scFv-CARTの富化を定量する。(B)CAR-Tクローンの発見スクリーニング。in vitroディスプレイ法からの外部的に富化したEGFR scFvコレクションをクローニングによってCAR-TレンチウイルスベクターにリフォーマットしてCART細胞のプールを生成し、HCC827およびNCI-H460細胞系と共培養して、本発明者らの顕微鏡下選択パイプラインを使用して選別する。100個の生きたCARTクローンを増殖させ、腫瘍細胞の細胞毒性についてバリデートする。
(実施例5)
細胞活性による特異的形態を有する細胞の選択
異なる機能活性または発生活性について形態学的変化がある細胞を、本発明を使用して解析し、分離することができる。本方法を使用し、オルガネラの転位、クロマチンの形態、ファゴサイトーシス、シナプスの形成、およびタンパク質の共局在化に基づいて、細胞を選択かつ単離することができる。
(実施例6)
DNAでコートされたビーズの選択
DNAでコートされたビーズはハイブリダイゼーションの実験で広く使用されてきた。本方法を使用して特定のDNA配列を有する実体を単離することができる。
(実施例7)
ハイブリドーマクローンの選択
色素にコンジュゲートした標的抗原でコートされれば、特定のハイブリドーマクローンの選択に本方法を使用することができる。
(実施例8)
微小液滴の選択
油中水エマルジョン等の微小液滴は、高スループットの多重解析におけるカプセル化細胞およびその他の材料のための広く用いられる微小環境である。液滴が液体であっても、ヒドロゲルのシェルを形成させて液滴全体を捕捉させることができる。したがって、本方法はエマルジョン環境中の目的の液滴を選択するために使用することができ、細胞、ビーズ、およびタンパク質を顕微鏡的液滴の中にトラップし、次いで本発明のシステムおよび方法を使用して産生された硬化ヒドロゲルのシェルによって液滴を捕捉することができる。
参考文献
Figure 2023095990000001
Figure 2023095990000002
参照による組み込み
補正証明書、特許出願書類、科学論文、政府の報告、ウェブサイト、およびその他の本明細書で引用した参考文献を含む特許書類のそれぞれにおける全ての開示は、あらゆる目的のため全体が参照により本明細書に組み込まれる。用語に齟齬が生じた場合には、本明細書が優先する。
均等物および範囲
当業者であれば、日常の実験を超えずに、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または解明することができる。本発明の範囲は上の記載に限定されることを意図していない。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実現することができる。上記の実施形態は全ての点において本明細書に記載した発明について限定的であるより説明的であると考えるべきである。含まれる用語が引用した方法のステップまたは組成物の成分に関して使用される本発明の方法およびシステムの種々の実施形態において、方法および組成物は引用したステップまたは成分から本質的になるか、またはこれらからなることも意図されている。さらに、ステップの順序またはある動作を実施する順序は、本発明が操作可能である限り、重要でないことを理解されたい。さらに、2つまたはそれより多いステップまたは動作は、同時に行うことができる。
本明細書において、文脈によって他が明らかに指示されない限り、単数形は複数形をも含む。他に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって共通に理解される同じ意味を有する。齟齬が生じた場合には、本明細書が優先する。
さらに、ある場合には、組成物は混合前の成分からなっていると記述できることを認識されたい。それは、混合によってある種の成分がさらに反応し、またはさらなる物質に変換されることがあるからである。
本明細書で使用する全てのパーセンテージおよび比は、他に指示されない限り、重量による。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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