JP2023095250A - モノブロモ化アニリン化合物の製造方法 - Google Patents

モノブロモ化アニリン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品や電子材料、種々の機能性化学品の製造中間体として極めて有用なモノブロモ化アニリンの製造方法の提供。【解決手段】ハロゲン化塩を水及び有機溶媒中で臭素と反応させることにより得られる臭素化剤と、式(1)で示される化合物を反応させることを特徴とする、式(2)で示される化合物の製造方法。TIFF2023095250000011.tif29161TIFF2023095250000012.tif30161(PGは、保護基;Rは、各々独立にH、C1~6のアルキル基等)【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ基が保護されたアニリン化合物の位置選択的臭素化物を製造する方法に関する。
モノブロモ化アニリン化合物は、医薬品や電子材料、種々の機能性化学品の製造中間体として極めて有用な化合物である。
アニリン化合物はアミノ基の活性によって、臭素化するとモノブロモ体以外にもジブロモ体、トリブロモ体が副生し、蒸留やカラムクロマトグラフィーによる精製を必要とするので、従来のアニリン化合物からのモノブロモ化アニリン化合物の合成法は工業的に有用な方法であるとは言えない(例えば、非特許文献1参照)。
モノブロモ化アニリン化合物の合成法として、アミノ基を保護したアニリン化合物に対して臭素化を行うことで反応を制御可能であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アミノ基を保護した場合でも、反応性の高い臭素を用いた場合、十分に反応を制御することが難しい。
またアミノ基を保護したアニリン化合物に関しても、ジブロモ体はモノブロモ体との分離が難しく、蒸留やカラムクロマトグラフィーによる精製を必要とする。そのため、精製を行うことで生産性の低下が生じ、工業的に有用な方法であると言い難い。
臭素(Br)は揮発性があり、定量が難しい。臭素は水への溶解性が極めて低いが、水に臭化物を溶かすことで臭素の水溶液への溶解度が向上することは古くから知られており、臭素を定量して使用する方法として知られている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、臭素を完溶させるには、非常に多量の臭化物及び水が必要である。
一方で、アニリン化合物は水への溶解性が低いため、反応系中に水が多く存在すると多くが固体として析出し、局所的な反応による不純物増加の原因となる。そのため、臭素を多量の水を用いた水溶液に溶解させた臭素化剤を使用することは、工業的に適さないという問題がある。
副生成物抑制の観点から、臭素と比較して穏やかな臭素化を可能とする臭素化剤として、NBSやDBDMH、4級アンモニウムトリブロミド等が一般的に知られている。
これらを用いることで、N-保護されたアニリン化合物のジブロモ体の抑制は可能である(例えば、非特許文献3参照)。一方で、NBSやDBDMHといった臭素化剤は臭素を用いて合成・単離して使われており、工業的作業観点からは臭素の使用と比較すると有用であるとは言えない。また、四級アンモニウムトリブロミドは四級アンモニウム塩の原子経済効率が低いという欠点があり、工業的に十分な方法であるとは言えない。
中国公開特許公報第105218331号
J. Org. Chem.2009, 74, 24, 9570-9572 「臭素およびヨウ素化合物の有機合成」丸善出版株式会社 2017年、3-4頁 Bull. Chem. Soc. Jpn., 61, 2681-2683 (1988)
本発明の目的は、アミノ基が保護されたアニリン化合物から、除去が難しいジブロモ体の副生を抑制して、2-ブロモ体又は4-ブロモ体を選択的に得るモノブロモ化アニリン化合物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、臭素をハロゲン化塩水溶液に溶解させる際に、水と混和する有機溶媒を添加することで、臭素の溶解性を向上させ、工業的に有用な臭素化剤調製法を見出した。その臭素化剤をアミノ基が保護されたアニリン化合物と反応させることにより、ジブロモ体の副生を抑制し、モノブロモ化アニリン化合物が選択的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
すなわち、本発明は、ハロゲン化塩を水及び有機溶媒中で臭素と反応させることにより得られる臭素化剤と、一般式(1):
Figure 2023095250000001

(式中、PGは、保護基を表し、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数3~6のシクロアルキル基を表す)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、
一般式(2):
Figure 2023095250000002

(式中、PG及びRは、前記と同義である)
で示される化合物の製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、医薬品や電子材料、種々の機能性化学品の製造中間体として極めて有用なモノブロモ化アニリン化合物を、精製困難なジブロモ体の副生を抑制し、簡便に製造することが可能である。また臭素の定量的取り扱いに関して、生産性を向上させることが可能である。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。先ず、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる用語について説明する。各用語は、他に断りのない限り、以下の意義を有する。
本発明において「炭素数1~6のアルキル基」は、単独で又は他の用語との組み合わせにおいて、炭素数1~6の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素の1価の基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基などが挙げられる。
本発明において「炭素数1~6のアルコキシ基」は、単独で又は他の用語との組み合わせにおいて、基R′O-(ここで、R′は、前記炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である)を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本発明において「炭素数3~6のシクロアルキル基」は、炭素数3~6の、環状の脂肪族飽和炭化水素の1価の基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロへキシル基などが挙げられる。
本発明において、保護基は、有機合成化学で一般的に用いられる、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基を意味する。特に本発明のPGに関する用語「保護基」は、アミノ基の保護基であって、本発明の製造方法の反応条件下で開裂せず、他の化学的方法により開裂し得る保護基のことを意味する。そのような保護基は例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」(T.W.Greene et.al, John Wiley & Sons,inc.)等の有機合成化学における参考書により、当業者には公知であるが、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基等のアルキルカルバメート系保護基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基等のアリールアルキルカルバメート系保護基;ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル(Ts)基等のアリールスルホンアミド系保護基;又はアセチル(Ac)基、ピバロイル(Piv)基、トリフルオロアセチル(TFA)基、ベンゾイル(Bz)基等のアミド系保護基を例示することができる。
次に、本発明の製造方法について詳しく述べる。
本発明は、ハロゲン化塩を水及び有機溶媒中で臭素と反応させることにより得られる臭素化剤と、一般式:(1)
Figure 2023095250000003

(式中、PGは、保護基を表し、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数3~6のシクロアルキル基を表す)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、
一般式(2):
Figure 2023095250000004

(式中、PG及びRは、前記と同義である)
で示される化合物の製造方法に関するものである。
前記一般式(1)の化合物において、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数3~6のシクロアルキル基であり、好ましくは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基である。特に、一般式(1)の化合物は、Rのうち少なくとも1つが、水素原子であり、残りが、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数3~6のシクロアルキル基であるものが好ましく、Rのうち少なくとも1つが、水素原子であり、残りが、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基であるものがより好ましく、Rのうち少なくとも1つが、水素原子であり、残りが、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基であるものがさらに好ましく、R全てが水素原子であるものがさらにより好ましい。
前記一般式(1)の化合物において、PGは、前述のとおり、公知のアミノ基の保護基であって、本発明の製造方法の反応条件下で開裂せず、他の化学的方法により開裂し得る保護基であればとくに限定されないが、好ましくはカルバーメート系保護基又はアミド系保護基であり、より好ましくはBoc基等の炭素数1~6のアルキルカルバメート系保護基、Cbz基、Fmoc基等の炭素数7~14のアリールアルキルカルバメート系保護基又はAc基、Bz基等の炭素数2~7のアミド系保護基である。
本発明の製造方法により得られる前記一般式(2)の化合物は、下記一般式(2a):
Figure 2023095250000005

で示される4-モノブロモ化化合物であるか、又は下記一般式(2b):
Figure 2023095250000006

で示される2-モノブロモ化化合物である。なお、式(2a)及び(2b)中のPG及びRの定義及び好ましい態様は、前記のとおりである。
本発明の製造方法に用いる、上記一般式(1)で示される化合物は市販されているか、又は当業者に公知の方法により合成することができる。例えば上記一般式(1)において、PGはアセチル(Ac)基、Rは全て水素原子である化合物(すなわち、アセトアニリド)は、市販されており、東京化成工業(株)などの供給業者から入手することが可能である。また、公知の方法(例えば、Organic & Biomolecular Chemistry, 2018, Vol.16, 3881-3884)に準じてアニリン化合物より合成することも可能である。当業者に公知の保護反応により対応するアニリン化合物のアミノ基を保護し、次いで単離・精製したものを本発明の製造方法に提供してもよいが(例えば、後述の実施例1等参照)、保護反応後の反応液を単離・精製することなく、本発明の製造方法に提供してもよい(例えば、後述の実施例6等参照)。
本発明の製造に用いるハロゲン化塩は臭素によって酸化されない、塩化物及び臭化物が挙げられる。対カチオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びアンモニウムイオンが好ましい。ハロゲン化塩として、具体的には塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化アンモニウム及びその溶媒和物(特に、水和物)等が挙げられる。これらの塩は単独で又は2種類以上を任意の割合で混合して使用してもよい。製造コスト及び取り扱いの観点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム・6水和物が好ましい。
本発明の製造に用いるハロゲン化塩の量は特に限定されないが、臭素(Br)1モルに対して、0.5~5モルの範囲が好ましく、反応制御の観点から0.9~2モルの範囲がより好ましい。
本発明の製造に用いる有機溶媒は、水と任意の割合で混合することができる極性溶媒が好ましい。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル(MeCN)、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド(DMSO)等の含硫黄系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒が挙げられる。所望する反応温度、反応基質の組み合わせに応じて、単独で又は2種類以上を任意の割合で混合して使用してもよい。環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さからTHF、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、DMF、NMP、DMAc、DMSO、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブチルアルコール又はアセトンが好ましい。
本発明の製造に用いる臭素の量は、特に限定されないが、不純物抑制の観点から、上記一般式(1)で示される化合物1モルに対して、通常1.2モル以下であり、好ましくは1.1モル以下であり、より好ましくは1.0モル以下であり、また反応効率の点から、通常0.1モル以上であり、好ましくは0.7モル以上であり、より好ましくは0.8モル以上である。
本発明の製造方法は、ハロゲン化塩を水及び有機溶媒中で臭素と反応させ臭素化剤を調製し、次いで得られた臭素化剤をアミノ基が保護されたアニリン化合物と反応させることにより実施される。臭素化剤の調製は、適切な温度、例えば約-15℃~約40℃の範囲、好ましくは室温(25℃±5℃)以下の温度に保持した水及び有機溶媒中のハロゲン化塩に、臭素を徐々に滴下することにより実施される。
臭素化剤の調製に用いる水の量は、使用するハロゲン化塩の種類や溶解度等に応じて適宜選択されるが、ハロゲン化塩に対して、0.5~20倍量(重量基準)が好ましく、0.5~10倍量(重量基準)がより好ましく、1~5倍量(重量基準)が特に好ましい。
臭素化剤の調製に用いる有機溶媒の量は、使用するハロゲン化塩の種類や溶解度等に応じて適宜選択されるが、ハロゲン化塩に対して、0.5~20倍量(重量基準)が好ましく、1~10倍量(重量基準)がより好ましく、1.2~10倍量(重量基準)がさらに好ましく、1.5~8倍量(重量基準)が特に好ましい。
次いで、臭素化剤によるアミノ基が保護されたアニリン化合物の臭素化反応は、約-10℃以上、好ましくは約0℃以上の温度で、例えば-10℃~50℃、好ましくは0℃~30℃の温度範囲で、より好ましくは室温(25℃±5℃)に保持した水及び/又は有機溶媒中のアミノ基が保護されたアニリン化合物と臭素化剤を反応させることにより実施される。
臭素化反応に用いる有機溶媒の量は、使用するアミノ基が保護されたアニリン化合物の種類や溶解度等に応じて適宜選択されるが、アミノ基が保護されたアニリン化合物に対して、0.5~20倍量(重量基準)が好ましく、1~10倍量(重量基準)がより好ましく、2~5倍量(重量基準)が特に好ましい。
臭素化反応に用いる水の量は、使用するアミノ基が保護されたアニリン化合物の種類や溶解度、後述する添加剤の有無等に応じて適宜選択されるが、アミノ基が保護されたアニリン化合物に対して、0~20倍量(重量基準)が好ましく、0.5~10倍量(重量基準)がより好ましい。
本発明の製造方法では、かかる反応を、副生する臭化水素を捕捉することのできる添加剤の存在下で実施してもよい。添加剤を加えることにより、反応速度を向上させることができる。そのような添加剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種類以上を任意の割合で混合して使用してもよい。添加剤の添加量は、臭素1モルに対して、0~5.0モルの範囲が好ましく、反応制御の観点から0.5~1.5モルの範囲がより好ましい。
本発明の反応時間は、使用する出発物質の量や種類、溶媒の種類、反応温度などの条件によって適宜設定することができる。通常5分から48時間が好ましく作業性の観点から5分~24時間であることがより好ましい。
反応終了後、得られた反応溶液は通常の方法で後処理を行うことができる。後処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、水又はアルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)で得られた反応溶液の洗浄を行い、酸成分及び無機塩などを反応系内から除去する処理などが挙げられる。さらに所望により、目的の上記一般式(2)の化合物の性質に従い、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーなどの一般的な方法によりさらに分離、精製してもよい。
本発明はまた、上記製造方法で用いる臭素化剤、すなわちハロゲン化塩を、水及び有機溶媒中で、臭素と反応させることにより得られる、臭素化剤に関する。本発明の臭素化剤を構成するハロゲン化塩及び有機溶媒について、及びその製造方法については、上述のとおりである。
以下に、本発明を具体的な実施例により示すが、本発明は実施例の内容に制限されるものではない。
合成例、実施例、比較例で得られた反応液及び目的物純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
測定条件は以下の通りである。
分析装置:prominence-i LC-2030C-Plus ((株)島津製作所製)
カラム:ODS-80Tm (東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
溶離液:A相:MeCN/リン酸=1000:1
B相:HO/リン酸=1000:1
0-10min(A:50%)→10-20min(A:~100%)
流速:1.0mL/min
波長:215nm
<合成例1>
N-Ac-アニリンの合成
四つ口フラスコに、アニリン10.0g(107.4mmol)、DMF19gを加え、次いで無水酢酸11.1g(108.5mmol)を滴下した。反応混合物を室温下で30分攪拌した後、水を40g加え、次いで5℃以下に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥することで、HPLC純度99%のN-Ac-アニリンを13.7g(収率 95%)得た。
<合成例2>
N-Bz-アニリンの合成
四つ口フラスコに、アニリン10.0g(107.4mmol)、DMF70g、4-ジメチルアミノピリジン0.26g(1.6mmol)を加えて攪拌し、次いで無水安息香酸11.1g(108.5mmol)を加えた。反応混合物を室温下で17時間攪拌した後、水を70g、メタノール10gを加え、次いで5℃以下に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥することで、HPLC純度99%のN-Bz-アニリンを20.1g(収率 95%)得た。
<合成例3>
N-Ac-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、3,5-ジメチルアニリン10.0g(82.5mmol)、DMF19gを加え、次いで無水酢酸8.5g(83.3mmol)を滴下した。反応混合物を室温下で30分攪拌した後、水を40g加え、次いで5℃以下に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥することで、HPLC純度99%のN-Ac-3,5-ジメチルアニリンを12.8g(収率 95%)得た。
<合成例4>
N-Boc-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、3,5-ジメチルアニリン10.0g(82.5mmol)、塩化メチレン60g、トリエチルアミン9.2g(90.8mmol)を加え、次いで0~5℃に冷却して、二炭酸-ジ-tert-ブチル19.8g(90.7mmol)を加えた。反応混合物を室温下で18時間攪拌した後、5℃以下に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥することで、HPLC純度99%のN-Boc-3,5-ジメチルアニリンを23.3g(収率 94%)得た。
<合成例5>
N-Ac-2,3-ジメチルアニリンの合成
合成例3の3,5-ジメチルアニリンを2,3-ジメチルアニリン10.0g(82.5mmol)に変更し、それ以外は同様の操作を行った。HPLC純度99%のN-Ac-2,3-ジメチルアニリンを5.0g(収率 93%)得た。
<合成例6>
N-Ac-3,5-ジメトキシアニリンの合成
四つ口フラスコに、3,5-ジメトキシアニリン4.0g(26.1mmol)、DMF8gを加え、次いで無水酢酸2.7g(26.4mmol)を滴下した。反応混合物を室温下で30分攪拌した後、水を20g加え、次いで5℃以下に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥することで、HPLC純度99%のN-Ac-3,5-ジメトキシアニリンを4.7g(収率 92%)得た。
<合成例7>
N-Ac-2,5-ジメチルアニリンの合成
合成例3の3,5-ジメチルアニリンを2,5-ジメチルアニリン10.0g(82.5mmol)に変更し、それ以外は同様の操作を行った。HPLC純度99%のN-Ac-2,3-ジメチルアニリンを12.5g(収率 93%)得た。
<実施例1>
N-Ac-4-Br-アニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.6g(15.6mmol)、DMF3.4g、水1.7gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.3g(14.8mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例1で得られたN-Ac-アニリン2.0g(14.8mmol)、DMF6g、酢酸ナトリウム1.2g(14.8mmol)、水1.6gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-アニリン92.0%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例2>
N-Bz-4-Br-アニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.1g(10.7mmol)、DMF3.1g、水1.5gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素1.6g(10.0mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意四つ口フラスコに合成例2で得られたN-Bz-アニリン2.0g(10.1mmol)、DMF8gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、2時間攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Bz-4-Br-アニリン36.3%(ジブロモ体0.09%)であった。
<実施例3>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.3g(12.6mmol)、DMF3.7g、水1.8gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得らえた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン96.9%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例4>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.3g(12.6mmol)、DMF3.7g、水1.8gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5g、酢酸ナトリウム1.0g(12.3mmol)、水1.5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.3%(ジブロモ体0.10%)であった。
<実施例5>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.3g(12.6mmol)、DMF3.7g、水1.8gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。この溶液を上記で得られた臭素化剤に加えて30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン99.2%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例6>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム21.0g(204mmol)、DMF60g、水30gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素31.6g(198mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに3,5-ジメチルアニリン24.0g(198mmol)、DMF70gを加え室温下で10分攪拌した。さらに無水酢酸20.4g(200mmol)を加えて30分攪拌した。上記で得られた臭素化剤を室温下で5分かけて加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.7%(ジブロモ体未検出)であった。水55gを加え、その後、25%NaOH水溶液64g(400mmol)を加えてクエンチした。5℃以下に冷却してろ取し、乾燥させることで、HPLC純度97.8%(ジブロモ体未検出)のN-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンを46.0g(収率95%)得た。
<実施例7>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム41.6g(404mmol)、DMF120g、水60gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素63.3g(396mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに3,5-ジメチルアニリン48.0g(396mmol)、DMF211gを加え室温下で10分攪拌した。さらに無水酢酸40.8g(400mmol)を加えて30分攪拌し、次いで25%NaOH水溶液63.4g(396mmol)を加えて30分攪拌した。そこに内温25~35℃に保ちながら上記で得られた臭素化剤を4時間かけて加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン97.1%(ジブロモ体未検出)であった。水113gを加え、その後、25%NaOH水溶液65g(404mmol)を加えてクエンチした。5℃以下に冷却してろ取し、乾燥させることで、HPLC純度98.4%(ジブロモ体未検出)のN-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリンを92.1g(収率96%)得た。
<実施例8>
N-Boc-4-Br-3,5-ジメチルアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.0g(9.3mmol)、DMF2.8g、水1.4gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素1.4g(9.0mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例4で得られたN-Boc-3,5-ジメチルアニリン2.0g(9.0mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Boc-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.9%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例9>
N-Ac-4-Br-2,3-ジメチルアニリンの合成
実施例3のN-Ac-3,5-ジメチルアニリンを、合成例5で得られたN-Ac-2,3-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)に変更し、それ以外は同様の操作を行った。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-2,3-ジメチルアニリン87.7%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例10>
N-Ac-4-Br-3,5-ジメトキシアニリンの合成
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.1g(10.7mmol)、DMF3.2g、水1.6gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素1.6g(10.2mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例6で得られたN-Ac-3,5-ジメトキシアニリン2.0g(10.2mmol)、DMF15g、酢酸ナトリウム0.8g(10.2mmol)、水1.1gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。水を10g加えて、25%NaOH水溶液3.2g(20.4mmol)を加えてクエンチした。5℃以下に冷却してろ過し、得られた固体を乾燥することで、HPLC純度98.01%(ジブロモ体0.1%)のN-Ac-3,5-ジメトキシアニリンを2.2g(収率79%)得た。
<実施例11>
N-Ac-4-Br-2,5-ジメチルアニリンの合成
実施例3のN-Ac-3,5-ジメチルアニリンを、合成例7で得られたN-Ac-2,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)に変更し、それ以外は同様の操作を行った。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-2,5-ジメチルアニリン93.4%(ジブロモ体0.1%)であった。
<実施例12>
四つ口フラスコに、塩化ナトリウム0.7g(12.6mmol)、DMF4.9g、水2.5gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン96.8%(ジブロモ体0.5%)であった。
<実施例13>
四つ口フラスコに、塩化カリウム0.9g(12.6mmol)、DMF7.5g、水3.8gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン97.8%(ジブロモ体0.3%)であった。
<実施例14>
四つ口フラスコに、臭化カリウム1.5g(12.6mmol)、DMF6.0g、水3.0gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン91.0%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例15>
四つ口フラスコに、塩化マグネシウム1.2g(12.6mmol)、DMF4.8g、水2.4gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン97.7%(ジブロモ体1.4%)であった。
<実施例16>
四つ口フラスコに、臭化マグネシウム・6水和物3.7g(12.6mmol)、DMF6.6g、水1.9gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン99.0%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例17>
四つ口フラスコに、塩化アンモニウム0.7g(12.6mmol)、DMF4.8g、水2.4gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン88.7%(ジブロモ体0.4%)であった。
<実施例18>
四つ口フラスコに、臭化アンモニウム1.2g(12.6mmol)、DMF3.7g、水1.9gを加え、-5~5℃に冷却した。そこに臭素2.0g(12.6mmol)を-5~10℃でゆっくり滴下し、得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、30分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.0%(ジブロモ体未検出)であった。
<比較例1>
四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリ2.0g(12.3mmol)、DMF7.4g、水1.8g、臭化アンモニウム1.2g(12.6mmol)を加え、臭素1.9g(12.0mmol)を室温下で滴下し、40℃で30分間攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン75.5%(ジブロモ体10.7%)であった。
<実施例19>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをMeCN3.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン97.5%(ジブロモ体0.1%)であった。
<実施例20>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをTHF3.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン92.6%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例21>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMSO3.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン90.0%(ジブロモ体0.1%)であった。
<実施例22>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをNMP3.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.3%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例23>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMAc3.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.0%(ジブロモ体未検出)であった。
<比較例2>
臭素化剤調製においてハロゲン化塩を使用しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン78.2%(ジブロモ体9.0%)であった。
<比較例3>
臭素化剤調製において有機溶媒を使用しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン76.0%(ジブロモ体17.8%)であった。
<実施例24>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMF0.7gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン91.1%(ジブロモ体5.0%)であった。
<実施例25>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMF1.5gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン94.8%(ジブロモ体1.1%)であった。
<実施例26>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMF2.2gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン89.1%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例27>
実施例3の臭素化剤調製におけるDMF3.7gをDMF3.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン93.7%(ジブロモ体未検出)であった。
<比較例4>
四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン10.0g(61.5mmol)、DMF60gを加え室温下で10分攪拌した。そこに臭素9.6g(60.3mmol)を加えて、1時間攪拌した。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン76.0%(ジブロモ体9.1%)であった。
<実施例28>
四つ口フラスコに、臭化ナトリウム1.3g(12.6mmol)、1,4-ジオキサン5.0g、水2.5gを加えた。臭素2.0g(12.6mmol)を室温下でゆっくり滴下した。得られた溶液を臭素化剤とした。
別途用意した四つ口フラスコに合成例3で得られたN-Ac-3,5-ジメチルアニリン2.0g(12.3mmol)、DMF5gを加え室温下で10分攪拌した。そこに上記で得られた臭素化剤を加えて、5分攪拌した。得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン99.2%(ジブロモ体0.17%)であった。
<実施例29>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gをメタノール5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン95.7%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例30>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gをエタノール5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.6%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例31>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gを1-プロパノール5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン94.6%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例32>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gを2-プロパノール5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン88.7%(ジブロモ体0.1%未満)であった。
<実施例33>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gをt-ブチルアルコール5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン98.2%(ジブロモ体未検出)であった。
<実施例34>
実施例28の臭素化剤調製における1,4-ジオキサン5.0gをアセトン5.0gに変更し、それ以外は同様の操作を行った。
得られた反応液のHPLC純度は、N-Ac-4-Br-3,5-ジメチルアニリン70.3%(ジブロモ体未検出)であった。

Claims (6)

  1. ハロゲン化塩を水及び有機溶媒中で臭素と反応させることにより得られる臭素化剤と、一般式(1):
    Figure 2023095250000007

    (式中、PGは、保護基を表し、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数3~6のシクロアルキル基を表す)
    で示される化合物を反応させることを特徴とする、
    一般式(2):
    Figure 2023095250000008

    (式中、PG及びRは、前記と同義である)
    で示される化合物の製造方法。
  2. 前記ハロゲン化塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びアンモニウムの塩化物及び臭化物からなる群より選ばれる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒が、水と任意の割合で混合する有機溶媒であることと特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、含硫黄系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記一般式(2)で示される化合物が、下記一般式(2a):
    Figure 2023095250000009

    又は下記一般式(2b):
    Figure 2023095250000010

    (式中、PG及びRは、請求項1と同義である)
    で示されるモノブロモ化アニリン化合物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  6. ハロゲン化塩を、水及び有機溶媒中で、臭素と反応させることにより得られる、臭素化剤。
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