JP2023094870A - 船舶推進システムおよび船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることが可能で、かつ、二酸化炭素の排出量を低減することが可能な船舶推進システムおよび船舶を提供する。【解決手段】この船舶推進システム100(船舶110)は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、主推進機20においてエンジン22により主プロペラ21(主推進部)を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機30において電気モータ32により主プロペラ21よりも最小出力が小さい補助プロペラ31(補助推進部)を駆動させる電動駆動制御を行う制御部50を備える。【選択図】図8

Description

この発明は、船舶推進システムおよび船舶に関し、特に、船舶の推力を、エンジンにより推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整可能な船舶推進システムおよび船舶に関する。
従来、船舶の推力を、エンジンにより推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整可能な船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、船舶本体と、船舶本体に取り付けられた推進装置としての船外機とから構成された船舶が記載されている。上記特許文献1に記載されている船舶では、船外機に、推進機(推進部)と、推進機の推力を発生させるエンジンと、推進機をシフトイン状態(前進状態または後進状態)と中立状態(ニュートラル状態)との間で切り換えるシフトアクチュエータとが設けられている。上記特許文献1に記載されている船舶では、推進機のシフトイン状態と中立状態とを所定時間ずつ交互に繰り返すことにより、船舶の推力がエンジンにより推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力(トロール推力)の状態における速度よりも低速で船舶を航行することが可能に構成されている。
特許第6156926号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている船舶では、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、推進部のシフトイン状態と中立状態とが所定時間ずつ交互に繰り返されるので、船舶の速度の微小な変化が繰り返される。すなわち、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度が安定しない。また、推進部のシフトイン状態と中立状態とが所定時間ずつ交互に繰り返されるので、推進部のシフトイン状態と中立状態とを切り換える際の音や振動が繰り返し生じる。すなわち、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の静音性が低下する。このため、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることが可能な構成が望まれている。なお、船舶の分野では、SDGs(Sustainable Development Goals)の観点から、推進機の駆動に伴う二酸化炭素の排出量を低減することなどの環境負荷を低減することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることが可能で、かつ、二酸化炭素の排出量を低減することが可能な船舶推進システムおよび船舶を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による船舶推進システムは、推力を発生させる主推進部を駆動させるエンジンを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、船体の船尾に取り付けられる主推進機と、推力を発生させる補助推進部を駆動させる電気モータを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、主推進機よりも最小出力が小さいとともに、船尾に取り付けられる補助推進機と、船舶の推力を、エンジンにより主推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整する場合に、主推進機においてエンジンにより主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機において電気モータにより補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部と、を備える。
この発明の第1の局面による船舶推進システムは、上記のように、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、主推進機においてエンジンにより主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機において電気モータにより主推進機よりも最小出力が小さい補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部を備える。これにより、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことによって、主推進部のシフトイン状態と中立状態とを所定時間ずつ交互に繰り返すことなく、船舶の推力をトロール推力未満にすることができる。その結果、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させることができる。また、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、主推進部のシフトイン状態と中立状態とを所定時間ずつ交互に繰り返さないので、主推進部のシフトイン状態と中立状態とを切り換える際の音や振動が生じない。その結果、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の静音性を向上させることができる。また、電気モータは、エンジンとは異なり、二酸化炭素を直接排出することがないので、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合にエンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことによって、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合にエンジン駆動制御が行われる場合と比較して、二酸化炭素の排出量を低減することができる。これらの結果、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
また、上記第1の局面による船舶推進システムでは、上記のように、主推進機は、船体の左右方向の中心線上に配置され、補助推進機は、船体の左右方向の一方に偏って配置されている。このように構成すれば、互いに異なる最大出力を有し、かつ、互いに対称に配置されていない主推進機と補助推進機とを備える構成において、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
上記第1の局面による船舶推進システムにおいて、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに、補助推進部を連続的に駆動させる電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、補助推進部を連続的に駆動させることによって、補助推進部を連続的に駆動させない場合と比較して、船舶の推力を安定して発生させることができる。その結果、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を確実に安定させることができる。
上記第1の局面による船舶推進システムにおいて、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うか、エンジン駆動制御および電動駆動制御を共に行うか、または、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、船舶の推力をトロール推力以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うか、エンジン駆動制御および電動駆動制御を共に行うか、または、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うかのいずれの構成においても、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことができる。
上記第1の局面による船舶推進システムにおいて、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかを船舶の推力の目標値として、船舶の推力をトロール推力未満になるように容易に調整することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている。このように構成すれば、船舶の推力の目標値として、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかを複数段階で調整することによって、船舶の推力をトロール推力未満のうちの所望の値となるように調整することができる。
上記制御部が船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように電動駆動制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、船舶の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかを船舶の推力の目標値として、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整しながら、船舶を自動で航行させることができる。
上記第1の局面による船舶推進システムにおいて、好ましくは、補助推進機は、船体の左右方向の一方に偏って配置されており、制御部は、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、船舶が前後方向に沿って移動するように、補助推進機の舵角を船体の前後方向から船体の左右方向の一方に所定の角度分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、舵角変更制御が行われることによって、補助推進機が船体の左右方向の一方に偏って配置されていることに起因して船舶が回頭してしまうのを抑制するための当て舵を自動的に行うことができる。その結果、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、ユーザの意図通りに船舶を航行させることができる。
この場合、好ましくは、制御部は、所定の角度を、船舶に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている。このように構成すれば、キャリブレーション制御を行うことによって、船体の形状や大きさ、主推進機および補助推進機の船体への取付位置等に応じて、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に船舶が前後方向に沿って移動するように補助推進機の舵角を傾ける所定の角度を調整することができる。
上記第1の局面による船舶推進システムにおいて、好ましくは、主推進機は、エンジンにより主推進部としての主プロペラを駆動させるように構成され、船体の左右方向の中心線上に配置されたエンジン式船外機であり、補助推進機は、電気モータにより補助推進部としての補助プロペラを駆動させるように構成され、船体の左右方向の一方に偏って配置された電動式船外機である。このように構成すれば、主推進機および補助推進機が、それぞれ、エンジン式船外機および電動式船外機である構成において、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面による船舶は、船体と、船体に設けられる船舶推進システムと、を備え、船舶推進システムは、推力を発生させる主推進部を駆動させるエンジンを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、船体の船尾に取り付けられる主推進機と、推力を発生させる補助推進部を駆動させる電気モータを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、主推進機よりも最小出力が小さいとともに、船尾に取り付けられる補助推進機と、船舶の推力を、エンジンにより主推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整する場合に、主推進機においてエンジンにより主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機において電気モータにより補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部と、を含む。
この発明の第2の局面による船舶は、上記のように、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、主推進機においてエンジンにより主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機において電気モータにより主推進機よりも最小出力が小さい補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部を備える。これにより、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
また、上記第2の局面による船舶では、上記のように、主推進機は、船体の左右方向の中心線上に配置され、補助推進機は、船体の左右方向の一方に偏って配置されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、互いに異なる最大出力を有し、かつ、互いに対称に配置されていない主推進機と補助推進機とを備える構成において、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに、補助推進部を連続的に駆動させる電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を確実に安定させることができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うか、エンジン駆動制御および電動駆動制御を共に行うか、または、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、船舶の推力をトロール推力以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うか、エンジン駆動制御および電動駆動制御を共に行うか、または、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うかのいずれの構成においても、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、船舶の推力をトロール推力未満になるように容易に調整することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、船舶の推力をトロール推力未満のうちの所望の値となるように調整することができる。
上記制御部が船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように電動駆動制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、船舶の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかを船舶の推力の目標値として、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整しながら、船舶を自動で航行させることができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、補助推進機は、船体の左右方向の一方に偏って配置されており、制御部は、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、船舶が前後方向に沿って移動するように、補助推進機の舵角を船体の前後方向から船体の左右方向の一方に所定の角度分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、ユーザの意図通りに船舶を航行させることができる。
この場合、好ましくは、制御部は、所定の角度を、船舶に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、船体の形状や大きさ、主推進機および補助推進機の船体への取付位置等に応じて、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に船舶が前後方向に沿って移動するように補助推進機の舵角を傾ける所定の角度を調整することができる。
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、主推進機は、エンジンにより主推進部としての主プロペラを駆動させるように構成され、船体の左右方向の中心線上に配置されたエンジン式船外機であり、補助推進機は、電気モータにより補助推進部としての補助プロペラを駆動させるように構成され、船体の左右方向の一方に偏って配置された電動式船外機である。このように構成すれば、上記第1の局面による船舶推進システムと同様に、主推進機および補助推進機が、それぞれ、エンジン式船外機および電動式船外機である構成において、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
本発明によれば、上記のように、トロール推力の状態における速度よりも低速で船舶を航行する際に、船舶の速度を安定させること、および、船舶の静音性を向上させることが可能で、かつ、二酸化炭素の排出量を低減することが可能な船舶推進システムおよび船舶を提供することができる。
本発明の一実施形態による船舶推進システムを示したブロック図である。 本発明の一実施形態による船舶を示した模式図である。 本発明の一実施形態による船舶の主推進機を示した側面図である。 本発明の一実施形態による船舶の補助推進機を示した側面図である。 本発明の一実施形態による主推進機のエンジンの出力域、および、補助推進機の電気モータの出力域を示した図である。 本発明の一実施形態による船舶のリモートコントローラを示した図である。 本発明の一実施形態による船舶のジョイスティックを示した図である。 本発明の一実施形態による船舶推進システムにおける船舶の推力と船舶の速度と主推進機および補助推進機の駆動との関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態による船舶推進システムにおいてエンジン駆動制御により航行する船体を示した模式図である。 本発明の一実施形態による船舶推進システムにおいて電動駆動制御により航行する船体を示した模式図である。 本発明の比較例による船舶推進システムにおいて電動駆動制御により航行する船体を示した模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図10を参照して、本発明の一実施形態による船舶推進システム100および船舶110の構成について説明する。なお、図中のFWD、BWD、LおよびRは、それぞれ、船舶110の前方、後方、左方(左舷側)および右方(右舷側)を示している。
(船舶の全体構成)
図1に示すように、船舶110は、船体10と、船舶推進システム100と、を備える。船舶推進システム100は、船体10に設けられている。船舶推進システム100は、船舶110を推進するためのシステムである。船舶110は、たとえば、遊覧や魚釣り等に用いられる比較的小型の船舶である。
(船舶推進システムの全体構成)
船舶推進システム100は、主推進機20と、補助推進機30と、操作部40と、制御部50と、表示部60と、を備える。操作部40、制御部50および表示部60は、船体10に設けられている。
(主推進機の構成)
図2に示すように、主推進機20は、船体10の船尾11に1つのみ取り付けられている。すなわち、主推進機20は、船外機である。主推進機20は、船体10の左右方向の中心線91上に配置されている。船体10の左右方向の中心線91は、船体10の重心81を通る線である。
図3に示すように、主推進機20は、主推進機本体20aと、ブラケット20bと、を含む。主推進機本体20aは、ブラケット20bを介して船体10の船尾11に取り付けられている。
主推進機20は、推力を発生させる主プロペラ21を駆動させるエンジン22を含む。すなわち、主推進機20は、エンジン22により主プロペラ21を駆動させるように構成されたエンジン式船外機である。具体的には、主推進機本体20aは、エンジン22と、ドライブシャフト23と、ギア部24と、プロペラシャフト25と、主プロペラ21と、を含む。エンジン22は駆動力を発生させる内燃機関である。エンジン22の駆動力は、ドライブシャフト23、ギア部24およびプロペラシャフト25を介して、主プロペラ21に伝達される。主プロペラ21は、伝達されたエンジン22の駆動力により、水中において回転することにより推力を発生させる。なお、主プロペラ21は、特許請求の範囲の「主推進部」の一例である。
主推進機本体20aは、主推進機20のシフト状態(前進状態、後進状態およびニュートラル状態)を切り換えるシフトアクチュエータ26を含む。シフトアクチュエータ26は、ギア部24の噛み合いを切り換えることにより、主推進機20のシフト状態を、前進状態と後進状態とニュートラル状態との間で切り換えるように構成されている。前進状態は、主プロペラ21からFWD側への推力を発生させるようにエンジン22の駆動力を主プロペラ21に伝達する状態である。後進状態は、主プロペラ21からBWD側への推力を発生させるようにエンジン22の駆動力を主プロペラ21に伝達する状態である。ニュートラル状態は、主プロペラ21の推力を発生させないようにエンジン22の駆動力を主プロペラ21に伝達しない状態である。なお、主推進機20では、主推進機20のシフト状態を切り換える際に、ギア部24から比較的大きな音や振動が生じる。
主推進機20は、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成されている。具体的には、ブラケット20bには、転舵装置27が設けられている。転舵装置27は、上下方向に延びる転舵軸27aを含む。主推進機本体20aは、転舵装置27により、ブラケット20bに対して転舵軸27aを回動中心として左右方向に回動可能に構成されている。主推進機本体20aが、転舵軸27aを回動中心として左右方向に回動した場合、主プロペラ21の向きも左右方向に回動する。これにより、主プロペラ21の推力の向きが変更される。なお、以下の説明では、主プロペラ21の向きを左右方向に回動することによって主プロペラ21の推力の向きを変更することを「主推進機20の転舵」と称する。
図2に示すように、主推進機20は、L側およびR側に、各々、約30度ずつ転舵可能に構成されている。すなわち、主推進機20の転舵可能な角度範囲である転舵角範囲A10は、約60度である。
図1に示すように、主推進機20は、ECU(エンジンコントロールユニット)28と、SCU(ステアリングコントロールユニット)29と、を含む。ECU28は、制御部50による制御に基づいて、エンジン22の駆動およびシフトアクチュエータ26の駆動を制御するように構成されている。SCU29は、制御部50による制御に基づいて、転舵装置27の駆動を制御するように構成されている。ECU28およびSCU29は、CPU(Central Processing Unit)等を含む制御回路である。
(補助推進機の構成)
図2に示すように、補助推進機30は、船体10の船尾11に1つのみ取り付けられている。すなわち、補助推進機30は、船外機である。補助推進機30は、船体10の左右方向の一方に偏って配置されている。なお、船舶推進システム100では、補助推進機30が、船体10のL側に偏って配置されている。
図4に示すように、補助推進機30は、カウル30aと、上部ケース30bと、下部ケース30cと、ダクト30dと、を含む。カウル30aと、上部ケース30bと、下部ケース30cと、ダクト30dとは、この順に、上方から下方に向かって並ぶように設けられている。カウル30aは、船体10の船尾11に取り付けられている。
補助推進機30は、推力を発生させる補助プロペラ31を駆動させる電気モータ32を含む。すなわち、補助推進機30は、電気モータ32により補助推進部としての補助プロペラ31を駆動させるように構成された電動式船外機である。具体的には、補助推進機30は、電気モータ32と、補助プロペラ31と、を含む。電気モータ32は、下部ケース30cに設けられている。補助プロペラ31は、ダクト30dに設けられている。電気モータ32は、船体10に設けられたバッテリ(図示しない)の電力により駆動するように構成されている。電気モータ32は、ダクト30dに一体的に設けられる固定子32aと、補助プロペラ31に一体的に設けられる回転子32bと、を含む。補助プロペラ31は、電気モータ32の駆動力により、水中において回転することにより推力を発生させる。なお、補助プロペラ31は、特許請求の範囲の「補助推進部」の一例である。
補助プロペラ31を正回転させると、補助プロペラ31からFWD側への推力を発生させる状態(前進状態)となる。また、補助プロペラ31を逆回転させると、補助プロペラ31からBWD側への推力を発生させる状態(後進状態)となる。また、補助プロペラ31を停止させると、補助プロペラ31から推力を発生させない状態(ニュートラル状態)となる。すなわち、補助推進機30のシフト状態(前進状態、後進状態およびニュートラル状態)を変更する際に、主推進機20(図3参照)のシフト状態の切り換えの際のようなギア部24(図3参照)の噛み合いの切り換えは行われない。これにより、補助推進機30では、補助推進機30のシフト状態を変更する際に、主推進機20のシフト状態を切り換える際のような比較的大きな音や振動が生じることがない。
補助推進機30は、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成されている。具体的には、補助推進機30には、転舵装置33が設けられている。転舵装置33は、下部ケース30cに固定され上下方向に延びる転舵軸33aを含む。転舵軸33aの上端部は、上部ケース30bに配置されている。転舵軸33aの下端部はダクト30dに固定されている。ダクト30dおよび下部ケース30cは、転舵装置33により、カウル30aおよび上部ケース30bに対して転舵軸33aを回動中心として左右方向に回動可能に構成されている。ダクト30dが、転舵軸33aを回動中心として左右方向に回動した場合、補助プロペラ31の向きも左右方向に回動する。これにより、補助プロペラ31の推力の向きが変更される。なお、以下の説明では、補助プロペラ31の向きを左右方向に回動することによって補助プロペラ31の推力の向きを変更することを「補助推進機30の転舵」と称する。
図2に示すように、補助推進機30は、L側およびR側に、各々、約70度ずつ転舵可能に構成されている。すなわち、補助推進機30の転舵可能な角度範囲である転舵角範囲A20は、約140度である。
図1に示すように、補助推進機30は、MCU(モータコントロールユニット)34と、SCU(ステアリングコントロールユニット)35と、を含む。MCU34およびSCU35は、CPU等を含む制御回路である。MCU34は、制御部50による制御に基づいて、電気モータ32の駆動を制御するように構成されている。SCU35は、制御部50による制御に基づいて、転舵装置33の駆動を制御するように構成されている。
図5に示すように、補助推進機30は、主推進機20よりも最小出力が小さい。具体的には、主推進機20のエンジン22の出力域T10の最大値T11および最小値T12は、それぞれ、補助推進機30の電気モータ32の出力域T20の最大値T21および最小値T22よりも大きい。なお、エンジン22の出力域T10の最小値T12は、電気モータ32の出力域T20の最大値T21よりも小さい。すなわち、主推進機20のエンジン22の出力域T10と、補助推進機30の電気モータ32の出力域T20とは、電気モータ32の出力域T20の最大値T21とエンジン22の出力域T10の最小値T12との間において、オーバラップしている。
(操作部の構成)
図1に示すように、操作部40は、船舶110を操縦(操船)するためユーザの操作を受け付けるように構成されている。操作部40は、リモートコントローラ41と、ステアリングホイール42と、ジョイスティック43と、を含む。
船舶推進システム100では、船舶推進システム100が非ジョイスティックモードである場合に、ジョイスティック43に対する操作を受け付けず、かつ、リモートコントローラ41およびステアリングホイール42に対する操作を受け付けるように構成されている。また、船舶推進システム100がジョイスティックモードである場合に、リモートコントローラ41およびステアリングホイール42に対する操作受け付けず、かつ、ジョイスティック43に対する操作を受け付けるように構成されている。
図6に示すように、リモートコントローラ41は、台座41aと、レバー41bと、を含む。レバー41bは、台座43aに対して前後方向に傾倒可能なように取り付けられている。レバー41bが傾倒されることにより、主推進機20(図1参照)のECU28(図1参照)および補助推進機30(図1参照)のMCU34(図1参照)のうちの少なくともいずれかが制御部50(図1参照)により制御される。
レバー41bを前方に所定の角度だけ傾倒した位置と後方に所定角度だけ傾倒した位置との間の位置は、主推進機20(図1参照)のニュートラル状態に対応するニュートラル位置(N)である。また、レバー41bをニュートラル位置(N)よりも前方に傾倒した位置は、主推進機20の前進状態に対応する前進位置(F)である。また、レバー41bをニュートラル位置(N)よりも後方に傾倒した位置は、主推進機20の後進状態に対応する後進位置(R)である。また、レバー41bの前進位置(F)および後進位置(R)における傾倒角度の大きさは、主推進機20のエンジン22(図1参照)の出力T1(図5参照)の大きさに対応する。
そして、手動航行モードにおいて、レバー41bがニュートラル位置(N)となるように操作されると、主推進機20(図1参照)がニュートラル状態となるように制御部50(図1参照)による制御が行われる。また、手動航行モードにおいて、レバー41bが前進位置(F)となるように操作されると、主推進機20が前進状態(シフトイン状態)となるように制御部50による制御が行われる。また、手動航行モードにおいて、レバー41bが後進位置(R)となるように操作されると、主推進機20が後進状態(シフトイン状態)となるように制御部50による制御が行われる。なお、手動航行モードは、ユーザによる操作部40(図1参照)に対する操作に基づいて、船舶110(図1参照)の航行を制御部50が制御する運転モードである。たとえば、ユーザによるレバー41bに対する傾倒角度を変更する操作に基づいて、船舶110の速度V(図8参照)が変更されるように制御部50が制御される。すなわち、手動航行モードは、船舶110の航行を手動で制御する運転モードである。
また、リモートコントローラ41には、UPボタン41cとDOWNボタン41dとが設けられている。UPボタン41cとDOWNボタン41dは、自動航行モードのために設けられたボタンである。なお、自動航行モードは、ユーザによる操作部40(図1参照)に対する操作に基づいて、船舶110(図1参照)の航行を制御部50(図1参照)が自動で制御する運転モードである。たとえば、自動航行モードにおいて、ユーザによるUPボタン41cおよびDOWNボタン41dに対する操作に基づいて、船舶110の速度V(図8参照)がユーザにより設定された目標値に維持されるように制御部50が制御される。すなわち、自動航行モードは、船舶110の航行を自動で制御する運転モードである。
具体的には、手動航行モードにおいて、DOWNボタン41dが押下されると、船舶110(図1参照)の航行モードを手動航行モードから自動航行モードに遷移させる制御部50(図1参照)による制御が行われる。なお、船舶推進システム100(図1参照)では、レバー41bが前進位置(F)または後進位置(R)にある状態で、DOWNボタン41dが押下された場合に、船舶110の航行モードを手動航行モードから自動航行モードに遷移させる制御部50(図1参照)による制御が行われる。すなわち、レバー41bがニュートラル位置(N)にある状態では、DOWNボタン41dが押下されたとしても、船舶110の航行モードを手動航行モードから自動航行モードに遷移させる制御部50による制御は行われない。
そして、自動航行モードにおいて、UPボタン41cが押下されることにより、船舶110(図1参照)の推力P(図8参照)を上昇させるように、制御部50(図1参照)による制御が行われる。また、自動航行モードにおいて、DOWNボタン41dが押下されることにより、船舶110の推力Pを低下させるように、制御部50による制御が行われる。なお、船舶推進システム100(図1参照)では、自動航行モードにおいて、レバー41bの傾倒角度を変更すると、自動航行モードを解除する(すなわち、自動航行モードから手動航行モードに遷移する)制御部50による制御が行われる。すなわち、自動航行モードでは、レバー41bが前進位置(F)または後進位置(R)にある状態となっている。
図示しないが、ステアリングホイール42(図1参照)は回動可能に構成されている。ステアリングホイール42が回動されることにより、主推進機20(図1参照)のSCU29(図1参照)および補助推進機30(図1参照)のSCU35(図1参照)のうちの少なくともいずれかが制御部50(図1参照)により制御される。
図7に示すように、ジョイスティック43は、台座43aと、レバー43bと、を含む。レバー43bは、台座43aに対して傾倒および回動が可能なように取り付けられている。レバー43bは、ユーザにより操作されていない状態では、中立位置P10に自動的に復帰するように、ばね等の付勢部材により付勢されている。なお、中立位置P10は、レバー43bが直立した状態かつ回動されていない状態である。
レバー43bが傾倒されることにより、船舶110(図1参照)を並進移動させるように、主推進機20(図1参照)のECU28(図1参照)、主推進機20のSCU29(図1参照)、補助推進機30(図1参照)のMCU34(図1参照)および補助推進機30のSCU35(図1参照)のうちの少なくともいずれかが制御部50(図1参照)により制御される。また、レバー43bが傾倒かつ回動されることにより、船舶110を旋回させるように、主推進機20のECU28、主推進機20のSCU29、補助推進機30のMCU34および補助推進機30のSCU35のうちの少なくともいずれかが制御部50により制御される。また、レバー43bが回動されることにより、船舶110を回頭させるように、主推進機20のECU28、主推進機20のSCU29、補助推進機30のMCU34および補助推進機30のSCU35のうちの少なくともいずれかが制御部50により制御される。
ジョイスティック43の台座43aには、ジョイスティックモードスイッチ43cが設けられている。船舶推進システム100では、ジョイスティックモードスイッチ43cが押下されることにより、ジョイスティックモードと、非ジョイスティックモードとを切り換えるように構成されている。
(制御部の構成)
図1に示すように、制御部50は、操作部40に対する操作に基づいて、主推進機20のECU28、主推進機20のSCU29、補助推進機30のMCU34、補助推進機30のSCU29を制御するように構成されている。制御部50は、CPU等を含む制御回路である。
(表示部の構成)
表示部60は、船舶110の情報を表示するように構成されている。船舶110の情報は、たとえば、船舶110の速度V(図8参照)、主推進機20のエンジン22の出力T1(図5参照)、主推進機20のエンジン22の回転数、主推進機20のシフト状態(前進状態、ニュートラル状態、後進状態)、補助推進機30の電気モータ32の出力T2(図5参照)、補助推進機30の電気モータ32の回転数、補助推進機30のシフト状態、船舶110の航行モード(手動航行モード、自動航行モード)等を含む。表示部60は、たとえば、液晶ディスプレイである。
(船舶の推力を調整する場合の制御)
図8に示すように、制御部50(図1参照)は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うように構成されている。また、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うように構成されている。なお、電動駆動制御は、補助推進機30において電気モータ32により補助プロペラ31を連続的に駆動させる制御である。また、エンジン駆動制御は、主推進機20においてエンジン22により主プロペラ21を連続的に駆動させる制御である。また、トロール推力Ptrlは、船舶110の推力Pが、エンジン22により主プロペラ21を連続的に駆動させる場合の最小の推力Pである。
具体的には、図9に示すように、制御部50(図1参照)は、船舶110の推力P(図8参照)をトロール推力Ptrl(図8参照)以上になるように調整する場合に、補助推進機30の補助プロペラ31を停止させることによって補助推進機30の出力T2(図5参照)を発生させない(補助プロペラ31の推力を発生させない)。また、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、主推進機20をシフトイン状態(前進状態まはた後進状態)にするとともに、トロール推力Ptrlの状態の出力以上の主推進機20の出力T1(図5参照)を発生させる(主プロペラ21の推力を発生させる)。すなわち、船舶推進システム100では、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl(図8参照))よりも高速で船舶110を航行する際に、船舶110の推力Pを、補助推進機30からは得ずに主推進機20から得る。なお、図9では、船舶110の推力Pが、トロール推力Ptrlよりも大きな推力Pであり、船舶110の速度Vがトロール速度Vtrlよりも大きなV(図8参照)の状態を示している。
一方、図10に示すように、制御部50(図1参照)は、船舶110の推力P(図8参照)をトロール推力Ptrl(図8参照)未満になるように調整する場合に、主推進機20をニュートラル状態にすることによって主推進機20の出力T1(図5参照)を発生させない(主プロペラ21の推力を発生させない)。また、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、補助推進機30の補助プロペラ31を回転させることによって補助推進機30の出力T2(図5参照)を発生させる(補助プロペラ31の推力を発生させる)。すなわち、船舶推進システム100では、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl(図8参照))よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の推力Pを、主推進機20からは得ずに補助推進機30から得る。なお、図10では、船舶110の推力Pが、トロール推力Ptrlよりも小さな推力Pであり、船舶110の速度Vがトロール速度Vtrlよりも小さなV(図8参照)の状態を示している。
図8に示すように、制御部50(図1参照)は、自動航行モードにおいて、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32(図1参照)の回転数および電気モータ32の出力T2(図5参照)のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。なお、船舶推進システム100では、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合にも、同様の制御が行われる。すなわち、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、船舶110の速度V、エンジン22(図1参照)の回転数およびエンジン22の出力T1(図5参照)のうちのいずれかが目標値となるように、エンジン駆動制御を行うように構成されている。
具体的には、自動航行モードにおいて、船舶110の推力Pがトロール推力Ptrl以上である場合に、表示部60(図1参照)に表示された、船舶110の速度V、エンジン22(図1参照)の回転数およびエンジン22の出力T1(図5参照)のうちのいずれかをユーザが確認しながら、船舶110の速度V、エンジン22の回転数およびエンジン22の出力T1のうちのいずれかが目標値となるように、リモートコントローラ41(図6参照)のUPボタン41c(図6参照)およびDOWNボタン41d(図6参照)がユーザにより押下される。そして、DOWNボタン41dがユーザにより押下されることにより、船舶110の推力Pがトロール推力Ptrl以上である状態からトロール推力Ptrl未満の状態に切り換わった後、船舶110の推力Pがトロール推力Ptrl未満の状態において、表示部60に表示された、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかをユーザが確認しながら、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかが目標値となるように、リモートコントローラ41のUPボタン41cおよびDOWNボタン41dがユーザにより押下される。
制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32(図1参照)の回転数および電気モータ32の出力T2(図5参照)のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている。具体的には、船舶推進システム100では、船舶110の推力Pを、トロール推力Ptrlと最小推力Pminとの間で10段階で設定可能に構成されている。言い換えると、船舶110の速度Vを、トロール速度Vtrlと最小速度Vminとの間で10段階で設定可能に構成されている。
(船舶を前後方向に沿って移動させる制御)
図10に示すように、制御部50(図1参照)は、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に、船舶110が前後方向に沿って移動するように、補助推進機30の舵角Aを船体10の前後方向から船体10の左右方向の一方(L側)に所定の角度α分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている。具体的には、補助推進機30は、船体10の左右方向における一方に偏って配置されているので、図11に示す比較例のように、補助推進機30の推力Pを前後方向に発生させた場合、船舶110を旋回させてしまう。したがって、図10に示すように、補助推進機30の舵角Aを船体10の前後方向から船体10の左右方向の一方(L側)に所定の角度α分傾ける舵角変更制御を行うことによって、補助推進機30の舵角Aを、船舶110が前後方向に沿って移動するように補助推進機30の推力を発生させる状態に変更することができる。
ここで、補助推進機30の舵角Aが、船舶110が前後方向に沿って移動するように補助推進機30の推力を発生させる状態になるような、所定の角度αは、船体10の形状や大きさ、補助推進機30の船体10への取付位置等に応じて異なっている。したがって、制御部50(図1参照)は、所定の角度αを、船体10に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている。具体的には、キャリブレーション制御が行われていない船舶110において、ユーザが、船舶110が前後方向に沿って移動するように、操作部40に対して操作する。そして、船舶110が前後方向に沿って移動する状態で、操作部40の状態を記憶させる操作(たとえば、キャリブレーションボタンの押下)を行う。これ以降、制御部50は、操作部40に対して船舶110を前後方向に沿って移動させる操作が行われた場合に、船舶110に対してキャリブレーションされた所定の角度α分傾けるように舵角変更制御を行う。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、船舶推進システム100(船舶110)は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、主推進機20においてエンジン22により主プロペラ21を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、補助推進機30において電気モータ32により主プロペラ21よりも最小出力が小さい補助プロペラ31を駆動させる電動駆動制御を行う制御部50を備える。これにより、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことによって、主推進機20のシフトイン状態と中立状態とを所定時間ずつ交互に繰り返すことなく、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満にすることができる。その結果、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の速度Vを安定させることができる。また、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、主推進機20のシフトイン状態と中立状態とを所定時間ずつ交互に繰り返さないので、シフトインと中立とを切り換える際の音や振動が生じない。その結果、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の静音性を向上させることができる。また、電気モータ32は、エンジン22とは異なり、二酸化炭素を直接排出することがないので、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合にエンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことによって、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合にエンジン駆動制御が行われる場合と比較して、二酸化炭素の排出量を低減にすることができる。これらの結果、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の速度Vを安定させること、および、船舶110の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主推進機20は、船体10の左右方向の中心線91上に配置されている。また、補助推進機30は、船体10の左右方向の一方に偏って配置されている。これにより、互いに異なる最大出力を有し、かつ、互いに対称に配置されていない主推進機20と補助推進機30とを備える構成において、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の速度Vを安定させること、および、船舶110の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに、補助プロペラ31を連続的に駆動させる電動駆動制御を行うように構成されている。これにより、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、補助プロペラ31を連続的に駆動させることによって、補助プロペラ31を連続的に駆動させない場合と比較して、船舶110の推力Pを安定して発生させることができる。その結果、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の速度Vを確実に安定させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うように構成されている。これにより、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行う構成において、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。これにより、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかを船舶110の推力Pの目標値として、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように容易に調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている。これにより、船舶110の推力Pの目標値として、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかを複数段階で調整することによって、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満のうちの所望の値となるように調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、船舶110の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている。これにより、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかを船舶110の推力Pの目標値として、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整しながら、船舶110を自動で航行させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、補助推進機30は、船体10の左右方向の一方に偏って配置されている。そして、制御部50は、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に、船舶110が前後方向に沿って移動するように、補助推進機30の舵角Aを船体10の前後方向から船体10の左右方向の一方に所定の角度α分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている。これにより、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に、舵角変更制御が行われることによって、補助推進機30が船体10の左右方向の一方に偏って配置されていることに起因して船舶110が回頭してしまうのを抑制するための当て舵を自動的に行うことができる。その結果、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に、ユーザの意図通りに船舶110を航行させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部50は、所定の角度αを、船舶110に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている。これにより、キャリブレーション制御を行うことによって、船体10の形状や大きさ、主推進機20および補助推進機30の船体10への取付位置等に応じて、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に船舶110が前後方向に沿って移動するように補助推進機30の舵角Aを傾ける所定の角度αを調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、主推進機20は、エンジン22により主推進部としての主プロペラ21を駆動させるように構成され、船体10の左右方向の中心線91上に配置されたエンジン式船外機である。また、補助推進機30は、電気モータ32により補助推進部としての補助プロペラ31を駆動させるように構成され、船体10の左右方向の一方に偏って配置された電動式船外機である。これにより、主推進機20および補助推進機30が、それぞれ、エンジン式船外機および電動式船外機である構成において、トロール推力Ptrlの状態における速度V(トロール速度Vtrl)よりも低速で船舶110を航行する際に、船舶110の速度Vを安定させること、および、船舶110の静音性を向上させることができるとともに、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、主推進機20は、エンジン式船外機であり、補助推進機30は、電動式船外機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主推進機および補助推進機は、それぞれ、船外機ではなく、船体に内蔵された船内機であってもよいし、船体に一部が内蔵された船内外機であってもよい。
また、上記実施形態では、制御部50は、所定の角度αを、船舶110に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、所定の角度を、船舶に応じて調整するキャリブレーション制御を行わないように構成されていてもよい。その場合、たとえば、船舶推進システムは、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際の、補助推進機の舵角を、ユーザにより手動で設定するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部50は、電動駆動制御により船舶110を前後方向に沿って移動させる際に、船舶110が前後方向に沿って移動するように、補助推進機30の舵角Aを船体10の前後方向から船体10の左右方向の一方に所定の角度α分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させる際に、船舶が前後方向に沿って移動するように、補助推進機の舵角を船体の前後方向から船体の左右方向の一方に所定の角度分傾ける舵角変更制御を行わないように構成されていてもよい。その場合、たとえば、船舶推進システムは、ユーザによる手動操作によって、電動駆動制御により船舶を前後方向に沿って移動させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、手動航行モードにおいて、DOWNボタン41dが押下されると、航行モードを手動航行モードから自動航行モードに遷移させる制御部50による制御が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手動航行モードにおいて、DOWNボタン以外の部分(たとえば、UPボタン、リモコンレバーにおけるDOWNボタンおよびUPボタン以外の部分、リモコンレバー以外の操作部等)が操作されると、航行モードを手動航行モードから自動航行モードに遷移させる制御部による制御が行われてもよい。
また、上記実施形態では、自動航行モードにおいて、ユーザによるUPボタン41cおよびDOWNボタン41dに対する操作に基づいて、船舶110の速度Vがユーザにより設定された目標値に維持されるように制御部50が制御される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自動航行モードにおいて、ユーザによるUPボタンおよびDOWNボタン以外の部分(たとえば、リモコンレバーにおけるDOWNボタンおよびUPボタン以外の部分、リモコンレバー以外の操作部等)に対する操作に基づいて、船舶の速度がユーザにより設定された目標値に維持されるように制御部が制御されてもよい。
また、上記実施形態では、制御部50は、船舶110の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、船舶を手動で航行させる手動航行モードにおいて、船舶の推力をトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、電動駆動制御を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、船舶110の推力Pを、トロール推力Ptrlと最小推力Pminとの間で10段階で設定可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船舶の推力を、トロール推力と最小推力との間で2段階~9段階のうちのいずれかで設定可能に構成されていてもよいし、トロール推力と最小推力との間で11段階以上で設定可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl未満になるように調整する場合に、船舶110の速度V、電気モータ32の回転数および電気モータ32の出力T2のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、船舶の推力Pをトロール推力未満になるように調整する場合に、船舶の速度、電気モータの回転数および電気モータの出力のうちのいずれかの目標値を1段階のみで調整可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部50は、船舶110の推力Pをトロール推力Ptrl以上になるように調整する場合に、電動駆動制御を行わずにエンジン駆動制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、船舶の推力をトロール推力以上になるように調整する場合に、エンジン駆動制御および電動駆動制御を共に行うように構成されていてもよいし、エンジン駆動制御を行わずに電動駆動制御を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、補助推進機30は、船体10のL側(左舷側)に偏って配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、補助推進機は、船体の右舷側に偏って配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、主推進機20は、船体10の左右方向の中心線91上に配置され、補助推進機30は、船体10の左右方向の一方に偏って配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主推進機は、船体の左右方向の一方に偏って配置されていてもよいし、補助推進機は、船体の左右方向の中心線上に配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、主推進機20は、船体10の船尾11に1つのみ取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主推進機は、船体の船尾に2つ以上取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では、補助推進機30は、船体10の船尾11に1つのみ取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、補助推進機は、船体の船尾に2つ以上取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では、主推進機20は、L側(船舶110の左舷側)およびR側(船舶110の右舷側)に、各々、約30度ずつ転舵可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主推進機は、船舶の左舷側および右舷側に転舵可能な角度が、各々、約30度以外となるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、補助推進機30は、L側(船舶110の左舷側)およびR側(船舶110の右舷側)に、各々、約70度ずつ転舵可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、補助推進機は、船体の左舷側および右舷側に転舵可能な角度が、各々、約70度以外となるように構成されていてもよい。
10 船体
11 船尾
20 主推進機
21 主プロペラ(主推進部)
22 エンジン
30 補助推進機
31 補助プロペラ(補助推進部)
32 電気モータ
40 操作部
50 制御部
91 (船体の左右方向の)中心線
100 船舶推進システム
110 船舶
A (補助推進機の)舵角
P (船舶の)推力
trl トロール推力
T2 (電気モータの)出力
V (船舶の)速度
α 所定の角度

Claims (20)

  1. 推力を発生させる主推進部を駆動させるエンジンを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、船体の船尾に取り付けられる主推進機と、
    推力を発生させる補助推進部を駆動させる電気モータを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、前記主推進機よりも最小出力が小さいとともに、前記船尾に取り付けられる補助推進機と、
    船舶の推力を、前記エンジンにより前記主推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整する場合に、前記主推進機において前記エンジンにより前記主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、前記補助推進機において前記電気モータにより前記補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部と、を備える、船舶推進システム。
  2. 前記主推進機は、前記船体の左右方向の中心線上に配置され、
    前記補助推進機は、前記船体の左右方向の一方に偏って配置されている、請求項1に記載の船舶推進システム。
  3. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記エンジン駆動制御を行わずに、前記補助推進部を連続的に駆動させる前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の船舶推進システム。
  4. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力以上になるように調整する場合に、前記電動駆動制御を行わずに前記エンジン駆動制御を行うか、前記エンジン駆動制御および前記電動駆動制御を共に行うか、または、前記エンジン駆動制御を行わずに前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
  5. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
  6. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている、請求項5に記載の船舶推進システム。
  7. 前記制御部は、前記船舶の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項5または6に記載の船舶推進システム。
  8. 前記補助推進機は、前記船体の左右方向の一方に偏って配置されており、
    前記制御部は、前記電動駆動制御により前記船舶を前後方向に沿って移動させる際に、前記船舶が前後方向に沿って移動するように、前記補助推進機の舵角を前記船体の前後方向から前記船体の左右方向の一方に所定の角度分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
  9. 前記制御部は、前記所定の角度を、前記船舶に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている、請求項8に記載の船舶推進システム。
  10. 前記主推進機は、前記エンジンにより前記主推進部としての主プロペラを駆動させるように構成され、前記船体の左右方向の中心線上に配置されたエンジン式船外機であり、
    前記補助推進機は、前記電気モータにより前記補助推進部としての補助プロペラを駆動させるように構成され、前記船体の左右方向の一方に偏って配置された電動式船外機である、請求項1~9のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
  11. 船体と、
    前記船体に設けられる船舶推進システムと、を備え、
    前記船舶推進システムは、
    推力を発生させる主推進部を駆動させるエンジンを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、前記船体の船尾に取り付けられる主推進機と、
    推力を発生させる補助推進部を駆動させる電気モータを含み、左右方向に回動して推力の向きを変更可能に構成され、前記主推進機よりも最小出力が小さいとともに、前記船尾に取り付けられる補助推進機と、
    船舶の推力を、前記エンジンにより前記主推進部を連続的に駆動させる場合の最小の推力であるトロール推力未満になるように調整する場合に、前記主推進機において前記エンジンにより前記主推進部を駆動させるエンジン駆動制御を行わずに、前記補助推進機において前記電気モータにより前記補助推進部を駆動させる電動駆動制御を行う制御部と、を含む、船舶。
  12. 前記主推進機は、前記船体の左右方向の中心線上に配置され、
    前記補助推進機は、前記船体の左右方向の一方に偏って配置されている、請求項11に記載の船舶。
  13. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記エンジン駆動制御を行わずに、前記補助推進部を連続的に駆動させる前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項11または12に記載の船舶。
  14. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力以上になるように調整する場合に、前記電動駆動制御を行わずに前記エンジン駆動制御を行うか、前記エンジン駆動制御および前記電動駆動制御を共に行うか、または、前記エンジン駆動制御を行わずに前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項11~13のいずれか1項に記載の船舶。
  15. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項11~14のいずれか1項に記載の船舶。
  16. 前記制御部は、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかの目標値を複数段階で調整可能に構成されている、請求項15に記載の船舶。
  17. 前記制御部は、前記船舶の航行を自動で制御する自動航行モードにおいて、前記船舶の推力を前記トロール推力未満になるように調整する場合に、前記船舶の速度、前記電気モータの回転数および前記電気モータの出力のうちのいずれかが目標値となるように、前記電動駆動制御を行うように構成されている、請求項15または16に記載の船舶。
  18. 前記補助推進機は、前記船体の左右方向の一方に偏って配置されており、
    前記制御部は、前記電動駆動制御により前記船舶を前後方向に沿って移動させる際に、前記船舶が前後方向に沿って移動するように、前記補助推進機の舵角を前記船体の前後方向から前記船体の左右方向の一方に所定の角度分傾ける舵角変更制御を行うように構成されている、請求項11~17のいずれか1項に記載の船舶。
  19. 前記制御部は、前記所定の角度を、前記船舶に応じて調整するキャリブレーション制御を行うように構成されている、請求項18に記載の船舶。
  20. 前記主推進機は、前記エンジンにより前記主推進部としての主プロペラを駆動させるように構成され、前記船体の左右方向の中心線上に配置されたエンジン式船外機であり、
    前記補助推進機は、前記電気モータにより前記補助推進部としての補助プロペラを駆動させるように構成され、前記船体の左右方向の一方に偏って配置された電動式船外機である、請求項11~19のいずれか1項に記載の船舶。
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