JP2023094687A - 液体組成物、電極、電気化学素子、多層セパレータ、収容容器、電極の製造方法、及び電極の製造装置 - Google Patents

液体組成物、電極、電気化学素子、多層セパレータ、収容容器、電極の製造方法、及び電極の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】輸率が向上し、高い充放電レートを有する電気化学素子の製造に用いられる液体組成物等の提供。【解決手段】絶縁材料、分散媒、並びに-SO2-及び-SO3Y(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする液体組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、液体組成物、電極、電気化学素子、多層セパレータ、収容容器、電極の製造方法、及び電極の製造装置に関する。
近年、電気化学素子、例えばリチウムイオン二次電池は高いエネルギー密度を示すことから、電気機器をはじめ自動車等の車両向けへの展開も期待されている。
リチウムイオン二次電池をはじめとする電気化学素子においては、高速充放電時や寒冷地での充放電において負極から正極方向に成長するリチウムデンドライドの析出による内部短絡の危険性を有しており、発火事故の原因となる場合がある(例えば、非特許文献1参照)。リチウムデンドライド析出の抑制に対して、リチウムイオン輸率の増加が有効であると報告されている(例えば、非特許文献2参照)。また、イオン性樹脂と酸化アルミニウム粒子の複合体からなるスラリーをセパレータ上に塗布し、絶縁層を形成することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
上記絶縁層はセパレータ上又は電極合材層上に形成することが検討されているが、絶縁層自身が電解質の移動抵抗となることから、たとえリチウムイオン輸率向上効果を有していたとしても、絶縁層の薄層化が求められている。そして絶縁層の厚みの減少に伴うイオン性樹脂量の低下は、絶縁層中における有効な官能基量の低下につながり、リチウムイオン輸率の低下と直結する。このため、イオン性樹脂及び絶縁材料を含有し、より効率的に輸率を抑制可能な絶縁層の提供が求められている。
一方、一般的な塗布方法、例えばダイコータなどでは、ダイが電極合材層又は集電体に接触してダメージを与えてしまう懸念があり、新たな塗工プロセスの検討が行われている。このため、絶縁層の形成には印刷ダメージの少ない非接触型の塗布方法、例えば、インクジェットヘッドを用いた一体型電極の製造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一般に、非接触型の塗布方法を用いる場合、用いる液体組成物には比較的低粘度のものが求められており、液体組成物に絶縁粒子が含まれる場合、絶縁粒子の微粒化が必要である。従来の塗布に用いられる液体組成物は粘度が高く、液体組成物の粘度を下げるために希釈した場合にも絶縁粒子が分散していることが必要である。しかし、単に液体組成物を希釈するだけでは均一な絶縁層が得られないだけでなく、絶縁粒子の凝集や沈降が大きくなってしまう。また、現在使用されている樹脂では分散性が不十分であることから低粘度化は困難であり、インクジェット吐出用の液体組成物には不適である。
したがって、本発明は、輸率が向上し、高い充放電レートを有する電気化学素子の製造に用いられる液体組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の液体組成物は、絶縁材料、分散媒、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有する。
本発明によると、輸率が向上し、高い充放電レートを有する電気化学素子の製造に用いられる液体組成物を提供することができる。
図1は、本発明の電極の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の多層セパレータの一例を示す概略図である。 図3Aは、負極電極と正極電極とをセパレータを介して貼り合わせる状態の一例を示す概略図である。 図3Bは、負極電極と正極電極とセパレータとを有する電気化学素子の一例を示す概略図である。 図4Aは、絶縁層を形成した負極電極と正極電極とをセパレータを介し貼り合わせる状態の一例を示す概略図である。 図4Bは、絶縁層を形成した負極電極と正極電極とセパレータとを有する電気化学素子の一例を示す概略図である。
(液体組成物)
本発明の液体組成物は、絶縁材料、分散媒、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本明細書において、液体組成物は、特に制限されないが、集電体上若しくは集電体に設けられた電極合材層上に絶縁層を形成する絶縁層形成用液体組成物、又はセパレータ上に絶縁層を形成する絶縁層形成用液体組成物として好適に用いられる。
<絶縁材料>
本明細書において、絶縁材料とは体積固有抵抗が10Ω・cm以上である材料を意味する。
絶縁材料としては、体積固有抵抗が10Ω・cm以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、イットリア等の無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、コージライト、サイアロン、ムライト、ステアライト、炭化ケイ素;スチレン系、アクリル酸系、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリアミド系の樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、無機酸化物が好ましい。
無機酸化物の中でも、耐熱性の点から、アルミナ、シリカが好ましく、アルミナが特に好ましい。
アルミナとしては、例えば、α-アルミナ、γ-アルミナ、β-アルミナ、フュームドアルミナなどが挙げられる。これらの中でも、α-アルミナがより好ましい。α-アルミナは、「ジャンク」化学種、即ち、電気化学素子内で容量フェードを引き起こし得る化学種に対するスカベンジャとして機能することができる。また、α-アルミナは、電解質に対する濡れ性、親和性が良好であり、電気化学素子のサイクル性能が向上することが期待できる。
絶縁材料の形状としては、例えば、矩形状、球状、楕円形状、円柱状、卵形状、ドッグボーン形状、無定形などが挙げられる。これらの中でも、電解質輸送性の点から、ドッグボーン形状であることが好ましい。
絶縁材料の含有量は、液体組成物の全量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましい。
絶縁材料の含有量が15質量%を超えると、液体組成物が高粘度化又はゲル化してしまう恐れがある。また、絶縁材料の含有量が0.5質量%未満であると、液体組成物中の絶縁材料の量が少なすぎるため、電極合材層表面を絶縁材料で十分に被覆するのが困難となる。
<樹脂>
樹脂は、-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する。
Yにおけるアルカリ金属としては、例えば、Li、Na、Kなどが挙げられる。
Yにおけるアミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 2023094687000001
ただし、前記一般式(1)中、XからXは、水素原子、又はカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基若しくはこれらの塩を表し、*は連結部位を表す。
からXにおけるカルボン酸基、リン酸基、又はスルホン酸基の塩としては、アルカリ金属、又はアミン化合物などが挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、Li、Na、Kなどが挙げられる。アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
前記一般式(1)中のXからXの少なくとも1つがスルホン酸基であることが、輸率向上の点から好ましい。
このように樹脂がスルホン酸基を有することにより、樹脂が絶縁材料に吸着し、分散媒中における樹脂量を抑制する効果が得られる。このことは、集電体に設けられた電極合材層上に液体組成物が付与された場合、電極合材層への樹脂浸透量を抑制できる。また、絶縁材料に樹脂が吸着することにより絶縁材料の表面が改質され、分散媒との親和性が高まり、絶縁材料の分散性を向上させることができる。
樹脂の数平均分子量(Mn)は1,000以上100,000以下が好ましく、液体組成物の分散安定性の点から1,000以上10,000以下がより好ましく、インクジェット吐出性の点から1,000以上5,000以下が更に好ましい。
樹脂の数平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製)、NafionTM分散溶液(シグマアルドリッチ社製)、アクイビオンD75-25BS分散溶液(シグマアルドリッチ社製)、スルホン化ポリエーテルスルホン(小西化学株式会社製)、ポリスルホン(シグマアルドリッチ社製)、ポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)(シグマアルドリッチ社製)などが挙げられる。
-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂の含有量は、液体組成物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、3質量%以上が特に好ましい。また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく
なお、液体組成物中に-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有していることは、例えば、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴(NMR)スペクトル等により分析することができる。
本発明の液体組成物は、絶縁層の耐擦過性、及びセパレータ又は電極合材層との密着性の向上を目的として、上記-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂とは異なる他の樹脂を更に含んでいてもよい。
他の樹脂は、液体組成物の吐出性の観点から、樹脂エマルション又は樹脂粒子であることが好ましい。
他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリエステル、スチレンブタジエン樹脂(SBR)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。
なお、本発明の液体組成物は、樹脂の前駆体としての、モノマーと重合開始剤を更に含んでいてもよい。この場合、液体組成物を加熱したり、光を照射したりすることにより、樹脂が生成する。
<分散媒>
分散媒としては、水又は非水系分散媒が用いられ、非水系分散媒が好ましい。
非水系分散媒としては、例えば、スチレン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ジアセトンアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤などが挙げられる。
-分散剤-
分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸系分散剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系分散剤、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系分散剤、ポリエーテル系分散剤、ポリアルキレンポリアミン系分散剤等の高分子分散剤;アルキルスルホン酸系分散剤、四級アンモニウム塩系分散剤、高級アルコールアルキレンオキシド系分散剤、多価アルコールエステル系分散剤、アルキルポリアミン系分散剤等の界面活性剤;ポリリン酸塩系分散剤等の無機型分散剤などが挙げられる。
<液体組成物の製造方法>
本発明の液体組成物は、絶縁材料、分散媒、-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂、分散剤、及び必要に応じてその他の成分を、分散装置を用いて混合することで製造できる。
分散装置としては、例えば、攪拌機、ボールミル、ビーズミル、リング式ミル、高圧式分散機、回転式高速せん断装置、超音波分散機などが挙げられる。
液体組成物の25℃での粘度は50mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以下が更に好ましい。粘度が50mPa・s以下であると、液体吐出装置で吐出しても吐出不良を起こしにくいという利点がある。
液体組成物の粘度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、JIS Z 8803に準じて測定することができる。前記測定に用いる装置としては、例えば、TV25型粘度計(コーンプレート型粘度計、東機産業株式会社製)などが挙げられる。
液体組成物のメジアン径D50は、100nm以上1,000nm以下が好ましく、200nm以上500nm以下がより好ましく、300nm以上400nm以下が更に好ましい。
液体組成物のメジアン径D50の測定は、例えば、動的光散乱装置(DLS)、具体的には濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)などが挙げられる。
<液体組成物の使用方法>
液体組成物は、被塗布媒体に塗布して使用する。
液体組成物の塗布方法としては、例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、バーコーティング法、スロットダイコーティング法、ドクターブレードコーティング法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、活版印刷法、スクリーン印刷法、液体吐出方法、液体現像方式による電子写真印刷法などが挙げられる。これらの中でも、液滴を吐出する位置を精密に制御することができる点から、液体吐出方法が好ましい。
液体吐出方法を用いる場合は、液体吐出ヘッドから、被塗布媒体上に、液体組成物を吐出する。
液体組成物を吐出する方式としては、例えば、液体組成物に力学的エネルギーを付与する方式、液体組成物に熱エネルギーを付与する方式などが挙げられる。これらの中でも、非水系分散媒を使用する場合、液体組成物に力学的エネルギーを付与する方式が好ましい。
なお、液体吐出方法を用いる場合は、公知の液体吐出装置を用いることができる。
-被塗布媒体-
被塗布媒体は、液体組成物を吸収することが可能な媒体(多孔質体)である。
このような被塗布媒体としては、例えば、普通紙、基紙に多孔質粒子を塗工し、インク受容層が形成されている媒体などが挙げられる。
また、被塗布媒体として、電極基体(集電体)上に、電極合材層が形成されている電極を用いると、セパレータ一体型電極などを製造することができる。
また、被塗布媒体として、セパレータを用いると、多層セパレータを製造することができる。
上記以外の被塗布媒体としては、例えば、反射型表示素子に用いられる下地層、プリンテッドエレクトロニクスに用いられる電極層などが挙げられる。
(収容容器)
本発明の収容容器は、本発明の液体組成物が容器中に収容されたものである。
容器としては、例えば、ガラス瓶、プラスチック容器、プラスチックボトル、一斗缶、ドラム缶などが挙げられる。
収容容器は、上述の本発明の液体組成物の充填量が収容容器の内容積に対して90体積%以下である。即ち、収容容器内には、液体組成物が収容された状態で、内容積の10体積%を超える空間が存在し得る。収容容器の内容積に対して充填量が90容積%以下の液体組成物が充填されていることで、自重沈降しやすい絶縁粒子が充填されていても、再分散のための撹拌が容易である。
(電極)
本発明の電極は、集電体と、前記集電体に設けられた電極合材層と、前記電極合材層に設けられた絶縁層と、を有する。
ここで、図1は、本発明の電極の一例を示す概略図である。図1の電極10は、集電体1上に電極合材層2と、電極合材層2上に絶縁層3とを有している。
<集電体>
集電体1は導電性の高い物質であり、正極にはアルミニウム、負極には銅が用いられるが、本実施形態に係る集電体は前記物質に限定されるものではない。
<電極合材層>
電極合材層2は、正極活物質又は負極活物質等の活物質を含有し、導電助剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-正極活物質-
正極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される1種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが挙げられる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO四面体(X=P、S、As、Mo、W、Si等)を有するポリアニオン化合物も用いることができる。これらの中でも、サイクル特性の点から、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数及び出力特性の点から、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン化合物は、電子伝導性の点から、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
-負極活物質-
負極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などが挙げられる。
炭素材料以外の負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタンなどが挙げられる。
また、電気化学素子のエネルギー密度の点から、負極活物質としては、例えば、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
-導電助剤-
導電助剤としては、例えば、ファーネス法、アセチレン法、ガス化法等により製造されている導電性カーボンブラックや、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粉末等の炭素材料を用いることができる。炭素材料以外の導電助剤としては、例えば、アルミニウム等の金属粒子、金属繊維を用いることができる。なお、導電助剤は、予め活物質と複合化されていてもよい。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤などが挙げられる。
<絶縁層>
絶縁層3は、絶縁材料、及び-SO-又は-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)を有する樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
絶縁層における絶縁材料、-SO-又は-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)を有する樹脂、及びその他の成分としては、本発明の液体組成物における絶縁材料、-SO-又は-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)を有する樹脂、及びその他の成分と同様なものを用いることができる。
絶縁層の乾燥後の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1mg/cm以上3mg/cm以下が好ましく、0.3mg/cm以上1.5mg/m以下がより好ましい。絶縁粒子径よりも凹凸が大きな活物質層上に本発明に使用できる液体組成物を塗布するとき、目付量が0.1mg/cm以下であると絶縁性や膜厚均一性が低下する場合がある。一方、目付量が3mg/cm以上であると、絶縁層の流体抵抗が低下する場合がある。
(電極の製造方法及び電極の製造装置)
本発明の電極の製造方法は、本発明の液体組成物を、集電体上に付与する付与工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
集電体上に本発明の液体組成物を付与することにより、例えば電気化学素子を形成した際に、集電体上の任意の箇所の絶縁性を向上させることができ、短絡を防止することができる。また、電気化学素子を形成したときに対向する部材の形状に合わせた任意の凹凸形状を形成できる点でも好ましい。
前記付与工程において、前記液体組成物をインクジェット方式で吐出することが好ましい。
本発明の電極の製造装置は、本発明の液体組成物を収容した収容部と、液体組成物を集電体上に付与する付与手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記付与手段は前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する手段であることが好ましい。
本発明の電極の製造方法は、本発明の液体組成物を、集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
集電体上に本発明の液体組成物を付与することにより、例えば電気化学素子を形成した際に、電極合材層上の任意の箇所の絶縁性を向上させることができ、短絡を防止することができる。また、電気化学素子を形成したときに対向する部材の形状に合わせた任意の凹凸形状を形成できる点でも好ましい。
前記付与工程において、前記液体組成物をインクジェット方式で吐出することが好ましい。
本発明の電極の製造装置は、本発明の液体組成物を収容した収容部と、液体組成物を集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記付与手段は前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する手段であることが好ましい。
(電気化学素子の製造方法及び電気化学素子)
本発明の電気化学素子の製造方法は、本発明の電極の製造方法を用いて、電極を製造する工程を含む。
図4Bに、本発明の電気化学素子の製造方法により製造される電気化学素子の一例を示す。
電気化学素子100は、電気化学素子セル40に、電解質水溶液又は非水電解質で構成される電解質層81が形成されており、封止容器82により封止されている。電気化学素子100において、引き出し線41及び42は、封止容器82の外部に引き出されている。
電気化学素子セル40は、正極15と負極25が、セパレータ30を介して、積層されている。ここで、負極25は、正極15の両側に積層されている。また、正極集電体11には、引き出し線41が接続されており、負極集電体21には、引き出し線42が接続されている。
負極25は、負極集電体21の両面に、負極合材層22が形成されており、絶縁層26で被覆されている。
負極25は、負極集電体21の両面に、負極合材層22が形成されている。
負極合材層22は、正極合材層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
負極合材層形成用液体組成物は、活物質、及び分散媒を含有し、必要に応じて、導電助剤、分散剤などを更に含有してもよい。
負極合材層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
絶縁層26は、本発明の液体組成物(絶縁層形成用液体組成物)を塗布することにより、形成することができる。
本発明の液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
正極15は、正極集電体11の両面に、正極合材層12が形成されている。
正極合材層12は、正極合材層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
正極合材層形成用液体組成物は、活物質、及び分散媒を含有し、必要に応じて、導電助剤、分散剤などを更に含有してもよい。
正極合材層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
<集電体>
本明細書において、集電体とは導電性の高い物質であり、一般的に正極にはアルミニウム、負極には銅が用いられるが、本明細書において集電体は前記物質に限定されるものではない。
なお、電気化学素子セル40の負極15と正極25の積層数は、特に制限は無い。
また、電気化学素子セル40の負極15の個数と正極25の個数は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
電気化学素子100は、必要に応じて、その他の部材を有してもよい。
電気化学素子100の形状としては、特に制限はなく、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
電気化学素子100としては、例えば、水系蓄電素子、非水系蓄電素子などが挙げられる。
<セパレータ>
セパレータ30は、負極15と正極25の短絡を防ぐために、必要に応じて、負極15と正極25の間に設けられている。
セパレータ30としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。
セパレータ30の大きさは、電気化学素子に使用することが可能であれば、特に制限はない。
セパレータ30は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
なお、非水電解質として、固体電解質を使用する場合は、セパレータ30を省略することができる。
<電解質水溶液>
電解質水溶液を構成する電解質塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩化亜鉛などが挙げられる。
<非水電解質>
非水電解質としては、固体電解質又は非水電解液を使用することができる。
ここで、非水電解液とは、電解質塩が非水溶媒に溶解している電解液である。
-非水溶媒-
非水溶媒としては、特に制限はなく、例えば、非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
また、非プロトン性有機溶媒は、粘度が低いことが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)などが挙げられる。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、50質量%以上が好ましい。非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量が50質量%以上であると、鎖状カーボネート以外の非水溶媒は誘電率が高い環状物質(例えば、環状カーボネート、環状エステル)であっても、環状物質の含有量が少なくなる。このため、2M以上の高濃度の非水電解液を作製しても、非水電解液の粘度が低くなり、非水電解液の電極へのしみ込みやイオン拡散が良好となる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などが挙げられる。
なお、カーボネート系有機溶媒以外の非水溶媒としては、例えば、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ-ブチロラクトン(γBL)、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(例えば、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル)、ギ酸アルキルエステル(例えば、ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル)などが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2-ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
-電解質塩-
電解質塩としては、イオン伝導度が高く、非水溶媒に溶解することが可能であれば、特に制限はない。
電解質塩は、ハロゲン原子を含むことが好ましい。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、リチウムイオンなどが挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、例えば、BF 、PF 、AsF 、CFSO 、(CFSO、(CSOなどが挙げられる。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CSO)などが挙げられる。これらの中でも、イオン伝導度の点から、LiPFが好ましく、安定性の点から、LiBFが好ましい。
なお、電解質塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非水系蓄電素子がスイング型である場合、1mol/L以上2mol/L以下が好ましく、非水系蓄電素子がリザーブ型である場合、2mol/L以上4mol/L以下が好ましい。
(多層セパレータ)
本発明の多層セパレータは、セパレータと、前記セパレータの少なくとも一方の面に設けられた絶縁層と、を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記絶縁層が、絶縁材料、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有する。
ここで、図2は、本発明の多層セパレータの一例を示す概略図である。図2の多層セパレータ50は、セパレータ51上に絶縁層3を有している。
本発明の多層セパレータ50は、セパレータ51に加え、絶縁層3を有するため、セパレータのみの構成よりも高い絶縁性を有することができる。
なお、多層セパレータを製造するための、本発明の液体組成物の塗布方法としては、例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、バーコーティング法、スロットダイコーティング法、ドクターブレードコーティング法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、活版印刷法、スクリーン印刷法、液体吐出方法、液体現像方式による電子写真印刷法などが挙げられる。これらの中でも、液滴を吐出する位置を精密に制御することができる点から、液体吐出方法が好ましい。
また、液体吐出方法であれば、セパレータ上の任意の箇所に絶縁層を形成することができ、短絡を防止することができる。また、電気化学素子を形成したときに対向する部材の形状に合わせた任意の凹凸形状を形成できる点でも好ましい。
セパレータ51は、負極合材層と正極合材層の直接接触を防ぐために、必要に応じて、負極合材層と正極合材層の間に設けられている樹脂多孔質膜である。
樹脂多孔質膜としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜等が挙げられる。なお、セパレータは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
<電気化学素子及び多層セパレータの用途>
電気化学素子及び多層セパレータの用途としては、特に制限はなく、例えば、車両;スマートフォン、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等の電気機器などが挙げられる。これらの中でも、車両、電気機器が特に好ましい。
車両としては、例えば、普通自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、トラック、ダンプカー、大型自動二輪車、普通自動二輪車などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、実施例によって限定されるものではない。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例1)
<絶縁層形成用液体組成物1の製造>
40質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、固形分が4質量部となるように22質量部のポリスチレンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分18質量%)、38質量部のN,N-ジメチルスルホキシド、及び100質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)、及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと液体組成物を分離することにより、絶縁層形成用液体組成物1を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例2)
<絶縁層形成用液体組成物2の調製>
ポリスチレンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分18質量%)に水酸化リチウム水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製、濃度:4mol/mol)を滴下しpHを8.0とした後、エバポレータで固形分濃度を18質量%とすることで、リチウム化したポリスルホン酸水溶液を調製した。
次に、絶縁層形成用液体組成物の製造例1において、ポリスチレンスルホン酸水溶液を、リチウム化したポリスルホン酸水溶液に代えた以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例1と同様にして、絶縁層形成用液体組成物2を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例3)
<絶縁層形成用液体組成物3の調製>
40質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、固形分が4質量部となるように27質量部のポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分15質量%)、33質量部のN,N-ジメチルスルホキシド、及び100質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと液体組成物を分離することにより、絶縁層形成用液体組成物3を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例4)
<絶縁層形成用液体組成物4の調製>
40質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、固形分が4質量部となるように20質量部のNafionTM分散溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分20質量%)、40質量部のn-プロピルアルコール、100質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと液体組成物を分離することにより、絶縁層形成用液体組成物4を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例5)
<絶縁層形成用液体組成物5の調製>
NafionTM分散溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分20質量%)に水酸化リチウム水溶液(富士フィルム和光純薬株式会社製、濃度:4mol/mol)を滴下しpHを8.0とした後、エバポレータで固形分濃度を20質量%とすることで、リチウム化したポリスルホン酸水溶液を調製した。
次に、絶縁層形成用液体組成物の製造例1において、ポリスチレンスルホン酸水溶液を、リチウム化したNafionTM分散溶液に代えた以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例1と同様にして、絶縁層形成用液体組成物5を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例6)
<絶縁層形成用液体組成物6の調製>
40質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、固形分が10質量部となるように25質量部のアクイビオンD75-25BS分散溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分20質量%)、40質量部のn-プロピルアルコール、100質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと液体組成物を分離することにより、絶縁層形成用液体組成物6を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例7)
<絶縁層形成用液体組成物7の調製>
40質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、4質量部のスルホン化ポリエーテルスルホン(小西化学株式会社製)、56質量部のN,N-ジメチルスルホキシド、100質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと液体組成物を分離することにより、絶縁層形成用液体組成物7を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例8)
<絶縁層形成用液体組成物8の調製>
45質量部の絶縁材料としてのα-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:4.5m/g)、5質量部の高分子分散剤(マリアリム150A、日油株式会社製)、50質量部の直径0.2mmのジルコニアビーズを混合した後、ビーズミル(NP-100、株式会社シンキー製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、ジルコニアビーズと組成物を分離することで分散原液を得た。
次に、分散原液に、40質量部のポリ(オキシ-1,4-フェニレンスルホニル-1,4-フェニレン)(シグマアルドリッチ社製)を60質量部のN,N-ジメチルスルホキシドに溶解したバインダー溶液を、分散原液の絶縁材料に対して10質量%となるよう添加した。次いで、絶縁材料の固形分濃度が40質量%となるようにN,N-ジメチルスルホキシドで濃度調整を行うことにより、絶縁層形成用液体組成物8を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例9)
<絶縁層形成用液体組成物9の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例8において、ポリ(オキシ-1,4-フェニレンスルホニル-1,4-フェニレン)を、ポリスルホン(シグマアルドリッチ社製)に代えた以外は、液体組成物の製造例8と同様にして、絶縁層形成用液体組成物9を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例10)
<絶縁層形成用液体組成物10の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例8において、ポリ(オキシ-1,4-フェニレンスルホニル-1,4-フェニレン)を、ポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)(シグマアルドリッチ社製)に代えた以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例8と同様にして、液体組成物10を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例11)
<絶縁層形成用液体組成物11の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例7において、絶縁材料を球状α-アルミナ粒子(純度99.99%、BET比表面積:2.2m/g)とした以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例7と同様にして、絶縁層形成用液体組成物11を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例12)
<絶縁層形成用液体組成物12の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例7において、絶縁材料を200nmの酸化チタン(ルチル型、イオリテック社製)とした以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例7と同様にして、絶縁層形成用液体組成物12を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例13)
<絶縁層形成用液体組成物13の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例7において、絶縁材料をメラミン・ホルムアミド縮合物(エポスターS6、株式会社日本触媒製)とした以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例7と同様にして、絶縁層形成用液体組成物13を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の製造例14)
<絶縁層形成用液体組成物14の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例7において、絶縁材料をα-アルミナ粒子(純度99.79%、BET比表面積:7.8m/g)とした以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例7と同様にして、絶縁層形成用液体組成物14を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の比較製造例1)
<絶縁層形成用液体組成物15の調製>
絶縁層形成用液体組成物の製造例8において、分散媒をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)とした以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例8と同様にして、分散原液を得た。
次に、分散原液の絶縁材料に対して10質量%となるようにポリビリニデンフルオリド(シグマアルドリッチ社製)及びNMPを添加し、48時間メカニカルスタラーで撹拌を行い、絶縁材料の固形分濃度が40質量%である絶縁層形成用液体組成物15を得た。
(絶縁層形成用液体組成物の比較製造例2)
<絶縁層形成用液体組成物16の調製>
ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)溶液(固形分濃度50質量%、シグマアルドリッチ社製)に水酸化リチウム水溶液(富士フィルム和光純薬株式会社製、濃度:4mol/mol)を滴下し、pHを8.0とした後、イオン交換水で希釈することで固形分濃度を18質量%のポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)Li溶液を得た。
次に、絶縁層形成用液体組成物の製造例1において、ポリスチレンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製、固形分18質量%)を、ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)Li溶液に代えた以外は、絶縁層形成用液体組成物の製造例1と同様にして、絶縁層形成用液体組成物16を得た。
次に、得られた各絶縁層形成用液体組成物について、以下のようにしてメジアン径D50及び25℃での粘度を測定した。結果を表1に示した。
<液体組成物のメジアン径D50
メジアン径D50値が安定するまで液体組成物を希釈した後、濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)を用い、液体組成物のメジアン径D50を測定した。
<液体組成物の25℃での粘度>
1.1mLの液体組成物を、TV25型粘度計(R24コーン型ロータ、東機産業株式会社製)を用いて、100rpmの回転速度で液体組成物の25℃での粘度を測定した。
Figure 2023094687000002
表1の結果から、製造例1~14は、いずれも25℃での粘度が20mPa・s以下でありインクジェット吐出に適していた。
比較製造例1は樹脂としてPVDFを用いておりインクジェット(IJ)吐出に不適な非常に高い粘度になった。
(実施例1~14及び比較例1~2)
<リチウムイオン輸率の測定>
ガラス濾紙(GB-100R、アドバンテック東洋株式会社製)に、表2に示す製造例及び比較製造例の絶縁層形成用液体組成物の固形分濃度が8mg/cmとなるようにバーコータで塗布した後、120℃で1時間加熱乾燥することにより、リチウムイオン輸率測定用のガラスセパレータを作製した。
次に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の1:1:1混合溶媒に溶解させた非水電解液(1.5M)を輸率測定用のガラスセパレータに十分浸漬させた後、正極及び負極ともリチウム箔を用い、宝泉株式会社製のHSセルに組み込み、実施例1~14及び比較例1~2の評価セルを作製した。なお、比較例2は絶縁層形成用液体組成物を塗布していないガラス濾紙をセパレータとして用いた。
次に、イオン直流分極法と複素インピーダンス法とを組み合わせた輸率測定法によってリチウムイオン輸率を測定した。このリチウムイオン輸率の測定法は、「Polymer,28,2324(1987)」で報告されている。
具体的には、リチウム箔を正極と負極とし、その電極間に一定の印加電圧(10mV)を加え、初期電流値(I)及び定常電流値(Is)を測定し、更に電圧印加前の界面抵抗測定値Rと電圧印加後の界面抵抗測定値Rsとを複素インピーダンス法により求めた。得られた値を下記数式に導入してリチウムイオン輸率を求めた。なお、数式中のΔVは印加電圧である。得られたリチウムイオン輸率及び使用した液体組成物を表2に示した。
Figure 2023094687000003
Figure 2023094687000004
表2の結果から、実施例1~14の-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有する絶縁層を形成したセパレータは、いずれも比較例1及び2のセパレータに比べて、高いリチウムイオン輸率が得られた。特に実施例7~11の一般式(1)で表される構造を有する樹脂を含有する絶縁層を形成したセパレータは、より高いリチウムイオン輸率が得られた。
<負極合材層の作製>
負極活物質としてグラファイト(富士フイルム和光純薬株式会社製)97質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースの2質量%水溶液(CMCダイセル、ダイセル株式会社製)1質量部、バインダー樹脂としてスチレンブタジエンゴム(BM-400B、日本ゼオン株式会社製)2質量部、及び水100質量部を混合し、負極合材層形成用液体組成物を得た。
次に、負極集電体としての銅箔上に、負極合材層形成用液体組成物をダイコート法で塗布した後、150℃で12時間真空乾燥させた。次に、プレス機(テスター産業株式会社製)を用いて圧縮し、単位体積当たりの固形分が1.6g/cmの負極合材層を銅箔上に形成した。
<正極合材層の作製>
リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(NCA、シグマアルドリッチ社製)93質量部、導電剤としてアセチレンブラック(デンカ株式会社製)3質量部、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(富士フィルム和光純薬株式会社製)4質量部、及びN-メチルピロリドン100質量部を混合して、正極合材層形成用液体組成物を得た。
次に、ダイコート法により、搬送速度0.5m/minで正極合材層形成用液体組成物をアルミニウム箔上に塗布した後、乾燥させて、目付け15.0mg/cmの正極合材層を形成した。
(比較例3)
<通常の電気化学素子の作製>
作製した正極合材層及び負極合材層を、厚さ15μmのセルロース製のセパレータを介し貼り合わせ、負極合材層、正極合材層、及びセパレータを含め、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の1:1:1混合溶媒に溶解させた非水電解液(1.5M、)を含む電解液が含侵された状態で、複数積層されている、比較例3の電気化学素子を作製した(図3A及び図3B参照)。
<絶縁層形成用液体組成物の塗布方法>
液体吐出装置(EV2500、株式会社リコー製)及び液体吐出ヘッド5421Fヘッド(株式会社リコー製)を用いて、次式、絶縁材料の含有量(質量%)/絶縁材料の固形分濃度で得られる絶縁材料の付着量が0.5mg/cmとなるように、液体吐出ヘッドに印加する駆動波形、駆動電圧、及び液滴数を調整した。
次に、電極合材層上、又はセルロース製の厚さ15μmのセパレータ上に、絶縁層形成用液体組成物を吐出した後、ホットプレートを用いて、120℃で乾燥させ、絶縁層を有する電極、又は絶縁層を有するセパレータを作製した。
(実施例15~28及び比較例4)
<負極に絶縁層を形成した電気化学素子の作製>
負極集電体(銅箔)の両面に負極合材層形成用液体組成物を塗工し、乾燥することで負極合材層を形成し、負極合材層の上に、表3に示す絶縁層形成用液体組成物を上記絶縁層形成用液体組成物の塗布方法により両面塗工し、乾燥することで、絶縁層を形成した負極を作製した。
正極集電体(アルミ箔)の両面に正極合材層形成用液体組成物を塗工し、乾燥することで正極合材層を形成し、正極を作製した。
作製した負極と正極を、セパレータを介し貼り合わせ、負極合材層、正極合材層、絶縁層、及びセパレータを含め電解質を含んだ電解液が含侵された状態で、複数積層されている実施例15~28及び比較例4の電気化学素子を作製した(図4A及び図4B参照)。
(実施例29~30)
<セパレータに絶縁層を形成した電気化学素子の作製>
厚さ15μmのセルロース製のセパレータに表3に示す絶縁層形成用液体組成物を上記絶縁層形成用液体組成物の塗布方法により両面塗工し、乾燥することで、絶縁層を形成したセパレータを作製した。
比較例3と同じ正極合材層及び負極合材層を、絶縁層を形成したセパレータを介し貼り合わせ、負極合材層と正極合材層とセパレータを含め、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)の1:1:1混合溶媒に溶解させた非水電解液(1.5M、)を含む電解液が含侵された状態で、複数積層されている、実施例29~30の電気化学素子を作製した(図4A及び図4B参照)。
<充放電レート特性>
作製した各電気化学素子について、温度25℃の条件下、0.2Cの定電流で4.2Vまで充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルと、温度25℃の条件下、0.2Cの定電流で4.2Vまで充電し、1.0Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルとをそれぞれ行った。
0.2Cにおける放電容量に対する1.0Cにおける放電容量の割合を百分率で算出したもの(=(1.0Cにおける放電容量)/(0.2Cにおける放電容量)×100%)を充放電レート特性(%)とし、下記の基準に基づき充放電レート特性を評価した。結果を表3に示した。なお、充放電レート特性の値が大きいほど、内部抵抗が小さく、高速充放電が可能であることを示し、C以上が実用可能レベルである。
[評価基準]
A:充放電レート特性が80%以上である。
B:充放電レート特性が75%以上80%未満である。
C:充放電レート特性が70%以上75%未満である。
D:充放電レート特性が70%未満である。
Figure 2023094687000005
表3の結果から、実施例15~30の電気化学素子は、-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有する絶縁層を形成した負極又はセパレータを有しているので、比較例3及び4に比べて、高い充放電レートを有していることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 絶縁材料、分散媒、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする液体組成物である。
<2> 前記樹脂が下記一般式(1)で表される構造を含む、前記<1>に記載の液体組成物である。
Figure 2023094687000006
ただし、前記一般式(1)中、XからXは、水素原子、又はカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基若しくはこれらの塩を表し、*は連結部位を表す。
<3> 前記一般式(1)中のXからXの少なくとも1つがスルホン酸基である、前記<2>に記載の液体組成物である。
<4> 前記樹脂の数平均分子量(Mn)が1,000以上10,000以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の液体組成物である。
<5> 前記絶縁材料が無機酸化物である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体組成物である。
<6> 前記無機酸化物がα-アルミナである、前記<5>に記載の液体組成物である。
<7> 25℃での粘度が20mPa・s以下である、前記<1>から<6>のいずれかに記載の液体組成物である。
<8> インクジェット吐出用である、前記<1>から<7>のいずれかに記載の液体組成物である。
<9> 集電体上若しくは集電体に設けられた電極合材層上に形成される絶縁層形成用、又はセパレータ上に形成される絶縁層形成用である、前記<1>から<8>のいずれかに記載の液体組成物である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物が容器中に収容された収容容器である。
<11> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を収容した収容部と、
前記液体組成物を集電体上に付与する付与手段と、
を有する電極の製造装置である。
<12> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を収容した収容部と、
前記液体組成物を集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与手段と、
を有する電極の製造装置である。
<13> 前記付与手段が前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する手段である、前記<11>から<12>のいずれかに記載の電極の製造装置である。
<14> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を、集電体上に付与する付与工程を含むことを特徴とする電極の製造方法である。
<15> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物を、集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与工程を含むことを特徴とする電極の製造方法である。
<16> 前記付与工程において、前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する、前記<14>から<15>のいずれかに記載の電極の製造方法である。
<17> 集電体と、
前記集電体に設けられた電極合材層と、
前記電極合材層に設けられた絶縁層と、を有し、
前記絶縁層が、絶縁材料、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする電極である。
<18> セパレータと、
前記セパレータの少なくとも一方の面に設けられた絶縁層と、を有し、
前記絶縁層が、絶縁材料、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする多層セパレータである。
<19> 前記<17>に記載の電極及び前記<18>に記載の多層セパレータのいずれかを有する電気化学素子である。
<20> 前記<17>に記載の電極及び前記<18>に記載の多層セパレータのいずれかを有する電気機器である。
<21> 前記<17>に記載の電極及び前記<18>に記載の多層セパレータのいずれかを有する車両である。
前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物、前記<10>に記載の収容容器、前記<11>から<13>のいずれかに記載の電極の製造装置、前記<14>から<16>のいずれかに記載の電極の製造方法、前記<17>に記載の電極、前記<18>に記載の多層セパレータ、前記<19>に記載の電気化学素子、前記<20>に記載の電気機器、及び前記<21>に記載の車両によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 集電体
2 電極合材層
3 絶縁層
10 電極
11 正極集電体
12 正極合材層
15 正極
21 負極集電体
22 負極合材層
25 負極
26 絶縁層
30 セパレータ
40 電気化学素子セル
41 正極引き出し線
42 負極引き出し線
81 電解質を含む電解液
82 封止容器
100 電気化学素子
特開2021-082511号公報
Journal of Power Sources 341 (2017) 373-386 Journal of Power Sources 245 (2014) 208-216 J Mater Sci (2018) 53:11038-11049

Claims (21)

  1. 絶縁材料、分散媒、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする液体組成物。
  2. 前記樹脂が下記一般式(1)で表される構造を含む、請求項1に記載の液体組成物。
    Figure 2023094687000007
    ただし、前記一般式(1)中、XからXは、水素原子、又はカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基若しくはこれらの塩を表し、*は連結部位を表す。
  3. 前記一般式(1)中のXからXの少なくとも1つがスルホン酸基である、請求項2に記載の液体組成物。
  4. 前記樹脂の数平均分子量(Mn)が1,000以上10,000以下である、請求項1から3のいずれかに記載の液体組成物。
  5. 前記絶縁材料が無機酸化物である、請求項1から4のいずれかに記載の液体組成物。
  6. 前記無機酸化物がα-アルミナである、請求項5に記載の液体組成物。
  7. 25℃での粘度が20mPa・s以下である、請求項1から6のいずれかに記載の液体組成物。
  8. インクジェット吐出用である、請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物。
  9. 集電体上若しくは集電体に設けられた電極合材層上に形成される絶縁層形成用、又はセパレータ上に形成される絶縁層形成用である、請求項1から8のいずれかに記載の液体組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物が容器中に収容された収容容器。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物を収容した収容部と、
    前記液体組成物を集電体上に付与する付与手段と、
    を有する電極の製造装置。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物を収容した収容部と、
    前記液体組成物を集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与手段と、
    を有する電極の製造装置。
  13. 前記付与手段が前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する手段である、請求項11から12のいずれかに記載の電極の製造装置。
  14. 請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物を、集電体上に付与する付与工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  15. 請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物を、集電体に設けられた電極合材層上に付与する付与工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  16. 前記付与工程において、前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する、請求項14から15のいずれかに記載の電極の製造方法。
  17. 集電体と、
    前記集電体に設けられた電極合材層と、
    前記電極合材層に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記絶縁層が、絶縁材料、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする電極。
  18. セパレータと、
    前記セパレータの少なくとも一方の面に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記絶縁層が、絶縁材料、並びに-SO-及び-SOY(ただし、Yは水素原子、アルカリ金属、又はアミン化合物である)の少なくともいずれかを有する樹脂を含有することを特徴とする多層セパレータ。
  19. 請求項17に記載の電極及び請求項18に記載の多層セパレータのいずれかを有する電気化学素子。
  20. 請求項17に記載の電極及び請求項18に記載の多層セパレータのいずれかを有する電気機器。
  21. 請求項17に記載の電極及び請求項18に記載の多層セパレータのいずれかを有する車両。

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