JP2023096757A - 電極、第1の絶縁層形成用液体組成物、液体組成物セット、電極の製造方法、電極の製造装置、及び電気化学素子 - Google Patents

電極、第1の絶縁層形成用液体組成物、液体組成物セット、電極の製造方法、電極の製造装置、及び電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高い安全性を有する電気化学素子の製造に用いられる電極等の提供。【解決手段】集電体と、前記集電体上に設けられた電極合材層と、前記電極合材層上に設けられた機能層と、を備え、前記機能層が、少なくとも2つの絶縁層を有し、前記絶縁層のうち、前記電極合材層に最も近い第1の絶縁層が、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子を含有する電極である。【選択図】なし

Description

本発明は、電極、第1の絶縁層形成用液体組成物、液体組成物セット、電極の製造方法、電極の製造装置、及び電気化学素子に関する。
近年、リチウムイオン二次電池をはじめとする電気化学素子は高いエネルギー密度を示すことから、電気機器をはじめ自動車等の車両向けへの展開も期待されている。その中でも、電気化学素子、特に二次電池の安全性のさらなる向上が要望されている。一般的に電気化学素子は、(正極)集電体、電極合材層(正極活物質層)、紙、不織布、多孔質フィルム等のセパレータ、電極合材層(負極活物質層)、及び(負極)集電体を基本構成としている。
セパレータは正極と負極を隔離する目的で使用されており、セパレータの厚みは10μm~50μmである。近年、セパレータの厚みは電気化学素子の体積密度を向上させる目的で薄膜化が進んでいるが、ハンドリングが困難であることから、セパレータ以外での安全性の確保が求められている。その一例として、正極層又は負極層とセパレータとの間にセラミック等の絶縁粒子を含有する絶縁層を配することが数多く試みられている。これらの中でも、電極合材層上へ絶縁層を形成した構造の一体型電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構造の一体型電極は、絶縁粒子及び分散媒を含有する液体組成物を、電極合材層上に付与することにより作製されているが、電極合材層上への付与はインクジェットヘッドを用いた一体型電極の作製が電池性能上効果的であるとされている(例えば、特許文献2参照)。
一方、電極合材層は、平均粒径が数μmの活物質粒子より形成される多孔質構造であり、活物質と活物質の間の空孔は比較的大きくなってしまう。一般的に使用される絶縁粒子の粒子径は数百nm程度である。このため、絶縁粒子を含有する液体組成物を電極合材層上に付与すると、液体組成物中の溶剤が電極合材層に浸透し、溶剤の浸透に伴って、電極合材層へ絶縁粒子が侵入する。その結果、絶縁層の厚みが薄くなるため、安全性の低下が懸念されている。このため、多量の絶縁粒子を電極合材層上に塗布することが考えられるが、電池の重量密度を必要以上に増加させてしまう。
近年、高電流下における電極利用率の低下や特定部位の劣化を抑制するためには、電極合材層の空孔径を大きくし空孔率を増加させることが有効であると報告されている(例えば、非特許文献1参照)。この場合、上述した絶縁粒子を含有する液体組成物を電極合材層上に付与して絶縁層を形成すると、絶縁粒子の浸透がより進み、絶縁層の厚みムラが大きくなり安全性の確保が困難となる。また、空孔率の大きな電極合材層に対して、絶縁粒子を含有する液体組成物を付与すると、絶縁層の厚みムラが生じやすくなる。このため、電極合材層の空孔径より大きな数μmの絶縁粒子を含有する液体組成物を用いて電極合材層上に絶縁層を形成することが考えられるが、大径の絶縁粒子は液体組成物中での沈降が顕著であり、液体組成物中における濃度ムラが発生し、インクジェット吐出において不吐出等が生じて均一な絶縁層の形成が困難となるという問題がある。
本発明は、高い安全性を有する電気化学素子の製造に用いられる電極を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の電極は、集電体と、前記集電体上に設けられた電極合材層と、前記電極合材層上に設けられた機能層と、を備え、前記機能層が、少なくとも2つの絶縁層を有し、前記絶縁層のうち、前記電極合材層に最も近い第1の絶縁層が、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子を含有する。
本発明によると、高い安全性を有する電気化学素子の製造に用いられる電極を提供することができる。
図1は、本発明の電極の一例を示す概略図である。 図2Aは、負極と正極とをセパレータを介して貼り合わせる状態の一例を示す概略図である。 図2Bは、負極と正極とセパレータとを有する電気化学素子の一例を示す概略図である。 図3Aは、第1の絶縁層と第2の絶縁層を形成した負極と正極とをセパレータを介し貼り合わせる状態の一例を示す概略図である。 図3Bは、第1の絶縁層と第2の絶縁層を形成した負極と正極とセパレータとを有する電気化学素子の一例を示す概略図である。
(電極)
本発明の電極は、集電体と、前記集電体上に設けられた電極合材層と、前記電極合材層上に設けられた機能層と、を備え、前記機能層が、少なくとも2つの絶縁層を有し、前記絶縁層のうち、前記電極合材層に最も近い第1の絶縁層が、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子を含有する。
ここで、図1は、本発明の電極の一例を示す概略図である。図1の電極10は、集電体1上に電極合材層2と、電極合材層2上に第1の絶縁層3と、第1の絶縁層3上に第2の絶縁層4とを有している。
<集電体>
集電体1は導電性の高い物質であり、正極にはアルミニウム、負極には銅が用いられるが、本実施形態に係る集電体は前記物質に限定されるものではない。
<電極合材層>
電極合材層2は、正極活物質又は負極活物質等の活物質を含有し、導電助剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-正極活物質-
正極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される1種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが挙げられる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO四面体(X=P、S、As、Mo、W、Si等)を有するポリアニオン化合物も用いることができる。これらの中でも、サイクル特性の点から、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数及び出力特性の点から、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン化合物は、電子伝導性の点から、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
-負極活物質-
負極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などが挙げられる。
炭素材料以外の負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタンなどが挙げられる。
また、電気化学素子のエネルギー密度の点から、負極活物質としては、例えば、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
-導電助剤-
導電助剤としては、例えば、ファーネス法、アセチレン法、ガス化法等により製造されている導電性カーボンブラックや、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粉末等の炭素材料を用いることができる。炭素材料以外の導電助剤としては、例えば、アルミニウム等の金属粒子、金属繊維を用いることができる。なお、導電助剤は、予め活物質と複合化されていてもよい。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤などが挙げられる。
<機能層>
機能層は、少なくとも2つの絶縁層を有する。少なくとも2つの絶縁層のうち、電極合材層に最も近い第1の絶縁層3と、電極合材層に2番目に近い第2の絶縁層4とを有する。即ち、第1の絶縁層上に第2の絶縁層を積層している。第1の絶縁層上に第2の絶縁層が積層していることは、例えば、電極の断面SEM観察により確認することができる。
本明細書において、第1の絶縁層における絶縁とは体積固有抵抗が10Ω・cm以上であることを意味する。
<<第1の絶縁層>>
電極における電極合材層に最も近い(1番目に近い)第1の絶縁層3は、第1の絶縁粒子及び樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-第1の絶縁粒子-
第1の絶縁粒子は、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下であり、浸透抑制の点から、20nm以下が好ましい。第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径が40nmを超えると、第1の絶縁層形成用液体組成物中で第1の絶縁粒子が凝集しても分散が不安定化し、第1の絶縁層形成用液体組成物内における第1の絶縁粒子の密度ムラが発生し、保存安定性及び成膜の際にムラが発生することがある。
BET比表面積から推定される一次粒子径は、窒素を用いたガス吸着法により得られたBET比表面積(Sm)と、第1の絶縁粒子の真密度(ρ)とから、下記数式(1)に基づき、求めることができる。
BET比表面積から推定される一次粒子径=6/(Sm×ρ) ・・・数式(1)
第1の絶縁粒子のBET比表面積(Sm)は、例えば、BELSORPminiII(日本ベル株式会社製)を用いて測定することができる。ただし、ISO 9277:2010に準拠した方法であれば、特に限定されない。第1の絶縁粒子の真密度(ρ)は第1の絶縁粒子固有の密度であり、既知のものであればNIMS物質・材料データベース(MatNavi)や化学物質データベース(国立環境研究所)のデータベースから求めることができる。なお、未知のものであればピクノメータ等で測定できる。
また、第1の絶縁層における第1の絶縁粒子の一次粒子径は、断面SEM画像の観察により分析することができる。
本明細書において、第1の絶縁粒子とは体積固有抵抗が10Ω・cm以上である粒子を意味する。
第1の絶縁粒子としては、体積固有抵抗が10Ω・cm以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、イットリア等の無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、コージライト、サイアロン、ムライト、ステアライト、炭化ケイ素;スチレン系、アクリル酸系、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリアミド系の樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、無機酸化物が好ましい。
無機酸化物の中でも、耐熱性の点から、アルミナ、シリカが好ましく、アルミナが特に好ましい。
アルミナとしては、例えば、α-アルミナ、γ-アルミナ、β-アルミナ、フュームドアルミナなどが挙げられる。これらの中でも、α-アルミナがより好ましい。α-アルミナは、「ジャンク」化学種、即ち、電気化学素子内で容量フェードを引き起こし得る化学種に対するスカベンジャとして機能することができる。また、α-アルミナは、電解質に対する濡れ性、親和性が良好であり、電気化学素子のサイクル性能が向上することが期待できる。
第1の絶縁粒子の形状としては、例えば、矩形状、球状、楕円形状、円柱状、卵形状、ドッグボーン形状、無定形などが挙げられる。これらの中でも、電解質輸送性の点から、ドッグボーン形状が好ましい。
-樹脂-
樹脂は、第1の絶縁層形成用液体組成物中における第1の絶縁粒子の分散剤、又は第1の絶縁層における第1の絶縁粒子の結着の役割を果たす。また、樹脂を含むことにより、電極の耐擦過性及び第1の絶縁層と電極合材層との密着性を向上させることができる。
樹脂は官能基として酸基又はその塩を有することが好ましい。また、第1の絶縁層内におけるリチウムイオンの伝導を考慮した場合、シングルイオン伝導性が高いことが好ましい。酸基又はその塩としては、スルホン酸基又はスルホン酸塩が好ましい。
また、第1の絶縁層が含有する第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は40nm以下と非常に小さい。このような第1の絶縁粒子を含有する液体組成物は、単位体積当たりの第1の絶縁粒子は従来のものより多くなる。分散の観点から、第1の絶縁粒子の一つ一つに適切な量の樹脂が結合していることが好ましい。このため、BET比表面積から推定される一次粒子径の小さな第1の絶縁粒子においては樹脂量が多くなりやすい。樹脂量が多いと、第1の絶縁層形成用液体組成物の粘度の増加につながり、粘度が大きすぎる場合、インクジェット吐出が困難となってしまう。そこで、樹脂量を減らすために、第1の絶縁粒子と樹脂との親和性を向上させることが重要である。
樹脂と第1の絶縁粒子表面との親和性を向上させ、樹脂が効率的に第1の絶縁粒子表面に吸着する点から、樹脂が有する官能基は第1の絶縁粒子との親和性の高い、例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸塩(塩はアルカリ金属、アンモニウム塩、アミン化合物)、カルボン酸エステル基、カルボン酸無水物、リン酸基、リン酸エステル基等の酸基を有することが好ましく、電気化学素子の性能を向上できる点から、スルホン酸基又はスルホン酸塩(塩はアルカリ金属、アンモニウム塩、アミン化合物)を有することがより好ましい。
アルカリ金属としては、例えば、Li、Na、Kなどが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
スルホン酸基又はその塩を有する樹脂としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸水溶液(シグマアルドリッチ社製)、NafionTM分散溶液(シグマアルドリッチ社製)、アクイビオンD75-25BS分散溶液(シグマアルドリッチ社製)、スルホン化ポリエーテルスルホン(小西化学株式会社製)、ポリスルホン(シグマアルドリッチ社製)、ポリ(1,4-フェニレンエーテル-エーテル-スルホン)(シグマアルドリッチ社製)などが挙げられる。
酸基又はその塩を有する樹脂の数平均分子量(Mn)は1,000以上100,000以下が好ましく、液体組成物の分散安定性の点から1,000以上10,000以下がより好ましく、インクジェット吐出性の点から1,000以上5,000以下が更に好ましい。
酸基又はその塩を有する樹脂の数平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
第1の絶縁粒子に対する樹脂の質量比は、0.01~10が好ましく、第1の絶縁粒子の分散性の点から、1~10が好ましく、電極の捕液性の点から、2~5がより好ましい。
第1の絶縁層は、上記酸基又はその塩を有する樹脂以外にも他の樹脂を用いることができる。このような樹脂は、第1の絶縁層形成用液体組成物の吐出性の観点から、樹脂エマルション又は樹脂粒子であることが好ましい。
前記他の樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ビニル安息香酸、トリメリック酸を繰り返し単位構造として含有する樹脂などが挙げられる。具体的には、スチレン、ポリエチレングリコール、ポリエステル、スチレンブタジエン樹脂(SBR)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。
なお、第1の絶縁層は、樹脂の前駆体としての、モノマーと重合開始剤を更に含んでいてもよい。この場合、第1の絶縁層形成用液体組成物を加熱したり、光を照射したりすることにより、樹脂が生成する。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤などが挙げられる。
第1の絶縁層の乾燥後の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01mg/cm以上0.10mg/cm以下が好ましく、0.05mg/cm以上0.08mg/cm以下がより好ましい。
<<第2の絶縁層>>
電極における電極合材層に2番目に近い第2の絶縁層4は、メジアン径が200nm以上である第2の絶縁粒子及び樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
第2の絶縁粒子のメジアン径は200nm以上が好ましく、300nm以上がより好ましい。また、第2の絶縁粒子のメジアン径は600nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。
第2の絶縁粒子のメジアン径は、液体組成物中に分散した粒子径分布において粒子径を2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる粒子径のことを意味する。粒子径分布の測定法としては、例えば、動的光散乱法・光子相関法、レーザー回折、遠心沈降法、誘導回折法などが挙げられる。メジアン径を測定する具体的な装置としては濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)が挙げられる。ただし、ISO 22412:2017に準拠した方法であれば、特に限定されない。
また、電極の第2の絶縁層における第2の絶縁粒子のメジアン径は、断面SEM画像の観察、又は薬さじ等でかきとったサンプルを溶剤中に固形分0.1質量%となるように投入した後、超音波ホモジナイザー等で再分散を行い、上記方法により粒径を測定することで測定することができる。
第1の絶縁粒子と第2の絶縁粒子とは、BET比表面積から推定される一次粒子径が異なる。即ち、第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さいことが好ましい。
第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は40nm超であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。また、BET比表面積から推定される一次粒子径は1000nm以下が好ましく、800nm以下がより好ましい。
第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、上記第1の絶縁粒子と同様にして測定することができる。
本明細書において、第2の絶縁粒子とは体積固有抵抗が10Ω・cm以上である粒子を意味する。
第2の絶縁層における第2の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分としては、前記第1の絶縁層における第1の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分と同様である。即ち、第2の絶縁層は、第2の絶縁粒子のメジアン径が200nm以上である点以外は、第2の絶縁層と共通する。
第2の絶縁層の乾燥後の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1mg/cm以上3mg/cm以下が好ましく、0.3mg/cm以上1.5mg/m以下がより好ましい。絶縁粒子径よりも凹凸が大きな活物質層上に第2の絶縁層形成用液体組成物を塗布するとき、付着量が0.1mg/cm以下であると絶縁性や膜厚均一性が低下する場合がある。一方、付着量が3mg/cm以上であると、第2の絶縁層の流体抵抗が低下する場合がある。
(電極の製造方法)
本発明の電極の製造方法は、電極合材層上に本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成工程と、前記第1の絶縁層上に本発明の第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
第1の絶縁層形成用液体組成物及び第2の絶縁層形成用液体組成物の付与は、例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、バーコーティング法、スロットダイコーティング法、ドクターブレードコーティング法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、活版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法、液体現像方式による電子写真印刷法などが挙げられる。これらの中でも、液滴を吐出する位置を精密に制御することができる点で、インクジェット方式が好ましい。
第1の絶縁層形成用液体組成物を電極合材層上に付与した後、第2の絶縁層形成用液体組成物を付与する際に、膜の均一性の向上の観点から、第1の絶縁層を形成後、加熱乾燥前に第2の絶縁層形成用液体組成物の付与を行ったほうが好ましい。
なお、電極合材層、第1の絶縁層及び第2の絶縁層は、集電体の片面に形成してもよいし、集電体の両面に形成してもよい。
電極合材層は、電極合材層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
電極合材層形成用液体組成物は、活物質及び分散媒を含有し、必要に応じて、導電助剤、分散剤などを含有する。
電極合材層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
(第1の絶縁層形成用液体組成物)
本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物は、分散媒、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子、及び樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
第1の絶縁層形成用液体組成物における第1の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分としては、上記第1の絶縁層における第1の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分と同様である。
第1の絶縁層形成用液体組成物における第1の絶縁粒子の含有量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。また、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。
前記含有量が10質量%を超えると、高粘度化やゲル化してしまう可能性がある。また0.5質量%未満であると、液体組成物中の第1の絶縁粒子の量が少なすぎるため、電極合材層表面を絶縁粒子で十分に被覆するのが困難となるため、第2の絶縁粒子の浸透が大きくなってしまう。
-分散媒-
分散媒としては、水又は非水系分散媒が用いられ、非水系分散媒が好ましい。
非水系分散媒としては、例えば、スチレン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、ジアセトンアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径は、第1の絶縁粒子が第1の絶縁層形成用液体組成物中で凝集することで得られる二次粒子のメジアン径を意味し、300nm以上1,000nm以下であり、400nm以上800nm以下が好ましい。一方、メジアン径が300nm未満であると、電極合材層への染み込みだけでなく粘度増加によるインクジェット吐出不良及び保存安定性が悪化することがある。またメジアン径が1,000nmを超えると、分散に十分なブラウン運動が確保できなくなり、保存安定性が低下することがある。
第1の絶縁層形成用液体組成物におけるメジアン径は、第1の絶縁層形成用液体組成物に含有する液体で希釈後に測定したものである。なお、粒径測定は、一度異なる絶縁粒子濃度で希釈し得られたメジアン径をプロット、変動が±10%以下となる濃度で測定したメジアン径を本実施形態に係るメジアン径とした。具体的には、メジアン径D50値が安定するまで液体組成物を希釈した後、濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)を用い、第1の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径D50を測定することができる。
本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物は、第1の絶縁粒子、分散媒、樹脂、分散剤、及び必要に応じてその他の成分を、分散装置を用いて混合することで製造できる。
分散装置としては、例えば、攪拌機、ボールミル、ビーズミル、リング式ミル、高圧式分散機、回転式高速せん断装置、超音波分散機などが挙げられる。
第1の絶縁層形成用液体組成物の25℃での粘度は50mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以下が更に好ましい。粘度が50mPa・s以下であると、液体吐出装置で吐出しても吐出不良を起こしにくいという利点がある。
第1の絶縁層形成用液体組成物の粘度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、JIS Z 8803に準じて測定することができる。前記測定に用いる装置としては、例えば、TV25型粘度計(コーンプレート型粘度計、東機産業株式会社製)などが挙げられる。
(第2の絶縁層形成用液体組成物)
本発明の第2の絶縁層形成用液体組成物は、分散媒、第1の絶縁粒子とは異なる第2の絶縁粒子、及び樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
第2の絶縁粒子のメジアン径は200nm以上であることが好ましい。
第2の絶縁層形成用液体組成物における第2の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分としては、上記第2の絶縁層における第2の絶縁粒子、樹脂、及びその他の成分と同様である。
また、第2の絶縁層形成用液体組成物における分散媒としては、第1の絶縁層形成用液体組成物における分散媒と同様である。
第2の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径は、第2の絶縁粒子が第2の絶縁層形成用液体組成物中で凝集することで得られる二次粒子のメジアン径を意味し、200nm以上であり、300nm以上が好ましい。また、第2の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径は600nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。メジアン径が200nm以上であると電極合材層への浸透を抑制することができる。
第2の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径は、第2の絶縁層形成用液体組成物に含有する液体で希釈後に測定したものである。なお、メジアン径の測定は、一度異なる絶縁粒子濃度で希釈し得られたメジアン径をプロットし、変動が±10%以下となる濃度で測定した径をメジアン径とした。具体的には、メジアン径D50値が安定するまで液体組成物を希釈した後、濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)を用いて、第2の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径D50を測定することができる。
本発明の第2の絶縁層形成用液体組成物は、第2の絶縁粒子、分散媒、樹脂、分散剤、及び必要に応じてその他の成分を、分散装置を用いて混合することで製造できる。
分散装置としては、例えば、攪拌機、ボールミル、ビーズミル、リング式ミル、高圧式分散機、回転式高速せん断装置、超音波分散機などが挙げられる。
第2の絶縁層形成用液体組成物の25℃での粘度は50mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以下が更に好ましい。粘度が50mPa・s以下であると、液体吐出装置で吐出しても吐出不良を起こしにくいという利点がある。
なお、第2の絶縁層形成用液体組成物の粘度の測定方法は、上記第1の絶縁層形成用液体組成物と同様である。
(液体組成物セット)
本発明の液体組成物セットは、本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物と、分散媒、第1の絶縁粒子とは異なる第2の絶縁粒子、及び樹脂を含む第2の絶縁層形成用液体組成物と、を有する。
第2の絶縁粒子のメジアン径が200nm以上であることが好ましい。
第1の絶縁粒子と第2の絶縁粒子とは、BET比表面積から推定される一次粒子径が異なる。即ち、第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さいことが好ましい。
(収容容器)
本発明の収容容器は、本発明の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物、及び本発明の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物、がそれぞれ容器中に収容されたものである。
容器としては、例えば、ガラス瓶、プラスチック容器、プラスチックボトル、一斗缶、ドラム缶などが挙げられる。
収容容器は、上述の本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物及び第2の絶縁層形成用液体組成物のそれぞれの充填量が収容容器の内容積に対して90体積%以下である。即ち、収容容器内には、各液体組成物が収容された状態で、内容積の10体積%を超える空間が存在し得る。収容容器の内容積に対して充填量が90容積%以下の各液体組成物が充填されていることで、自重沈降しやすい絶縁粒子が充填されていても、再分散のための撹拌が容易である。
(電極の製造方法及び電極の製造装置)
本発明の電極の製造方法は、電極合材層上に本発明の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成工程と、
前記第1の絶縁層上に本発明の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
集電体に設けられた電極合材層上に本発明の第1及び第2の絶縁層形成用液体組成物を付与することにより、例えば電気化学素子を形成した際に、電極合材層上の任意の箇所の絶縁性を向上させることができ、短絡を防止することができる。また、電気化学素子を形成したときに対向する部材の形状に合わせた任意の凹凸形状を形成できる点でも好ましい。
第1の絶縁層形成用液体組成物及び第2の絶縁層形成用液体組成物をインクジェット方式で吐出することが好ましい。
本発明の電極の製造装置は、電極合材層上に本発明の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成手段と、
前記第1の絶縁層上に本発明の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記付与手段は前記液体組成物をインクジェット方式で吐出する手段であることが好ましい。
(電気化学素子の製造方法)
本発明の電気化学素子の製造方法は、本発明の電極の製造方法を用いて、電極を製造する工程を含む。
図3Bに、本発明の電気化学素子の製造方法により製造される電気化学素子の一例を示す。
電気化学素子100は、電気化学素子セル40に、電解質水溶液又は非水電解質で構成される電解質層81が形成されており、封止容器82により封止されている。電気化学素子100において、引き出し線41及び42は、封止容器82の外部に引き出されている。
電気化学素子セル40は、正極15と負極25が、セパレータ30を介して、積層されている。ここで、負極25は、正極15の両側に積層されている。また、正極集電体11には、引き出し線41が接続されており、負極集電体21には、引き出し線42が接続されている。
負極25は、負極集電体21の両面に、負極合材層22が形成されており、負極合材層22上に第1の絶縁層24が形成され、負極合材層22及び第1の絶縁層24が第2の絶縁層26で被覆されている。
負極合材層22は、正極合材層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
負極合材層形成用液体組成物は、活物質、及び分散媒を含有し、必要に応じて、導電助剤、分散剤などを更に含有してもよい。
負極合材層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
第1の絶縁層24は、本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
本発明の第1の絶縁層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
第2の絶縁層26は、本発明の第2の絶縁層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
本発明の第2の絶縁層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
正極15は、正極集電体11の両面に、正極合材層12が形成されている。
正極合材層12は、正極合材層形成用液体組成物を塗布することにより、形成することができる。
正極合材層形成用液体組成物は、活物質、及び分散媒を含有し、必要に応じて、導電助剤、分散剤などを更に含有してもよい。
正極合材層形成用液体組成物の塗布方法としては、例えば、コンマコータ法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、液体吐出方法などが挙げられる。
<集電体>
本明細書において、集電体とは導電性の高い物質であり、一般的に正極にはアルミニウム、負極には銅が用いられるが、本明細書において集電体は前記物質に限定されるものではない。
なお、電気化学素子セル40の負極15と正極25の積層数は、特に制限は無い。
また、電気化学素子セル40の負極15の個数と正極25の個数は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
電気化学素子100は、必要に応じて、その他の部材を有してもよい。
電気化学素子100の形状としては、特に制限はなく、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプなどが挙げられる。
電気化学素子100としては、例えば、水系蓄電素子、非水系蓄電素子などが挙げられる。
<セパレータ>
セパレータ30は、負極15と正極25の短絡を防ぐために、必要に応じて、負極15と正極25の間に設けられている。
セパレータ30としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。
セパレータ30の大きさは、電気化学素子に使用することが可能であれば、特に制限はない。
セパレータ30は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
なお、非水電解質として、固体電解質を使用する場合は、セパレータ30を省略することができる。
<電解質水溶液>
電解質水溶液を構成する電解質塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩化亜鉛などが挙げられる。
<非水電解質>
非水電解質としては、固体電解質又は非水電解液を使用することができる。
ここで、非水電解液とは、電解質塩が非水溶媒に溶解している電解液である。
-非水溶媒-
非水溶媒としては、特に制限はなく、例えば、非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
また、非プロトン性有機溶媒は、粘度が低いことが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)などが挙げられる。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、50質量%以上が好ましい。非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量が50質量%以上であると、鎖状カーボネート以外の非水溶媒は誘電率が高い環状物質(例えば、環状カーボネート、環状エステル)であっても、環状物質の含有量が少なくなる。このため、2M以上の高濃度の非水電解液を作製しても、非水電解液の粘度が低くなり、非水電解液の電極へのしみ込みやイオン拡散が良好となる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などが挙げられる。
なお、カーボネート系有機溶媒以外の非水溶媒としては、例えば、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ-ブチロラクトン(γBL)、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(例えば、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル)、ギ酸アルキルエステル(例えば、ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル)などが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2-ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
-電解質塩-
電解質塩としては、イオン伝導度が高く、非水溶媒に溶解することが可能であれば、特に制限はない。
電解質塩は、ハロゲン原子を含むことが好ましい。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、リチウムイオンなどが挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、例えば、BF 、PF 、AsF 、CFSO 、(CFSO、(CSOなどが挙げられる。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CSO)などが挙げられる。これらの中でも、イオン伝導度の点から、LiPFが好ましく、安定性の点から、LiBFが好ましい。
なお、電解質塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非水系蓄電素子がスイング型である場合、1mol/L以上2mol/L以下が好ましく、非水系蓄電素子がリザーブ型である場合、2mol/L以上4mol/L以下が好ましい。
<電気化学素子の用途>
電気化学素子の用途としては、特に制限はなく、例えば、車両;スマートフォン、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等の電気機器などが挙げられる。これらの中でも、車両、電気機器が特に好ましい。
車両としては、例えば、普通自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、トラック、ダンプカー、大型自動二輪車、普通自動二輪車などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(樹脂の合成例1)
<樹脂1の合成>
1molの2-[2-(2-Methoxyethoxy)ethoxy]ethyl Acrylate(東京化成工業株式会社製)と、1.1molの無水マレイン酸(東京化成工業株式会社製)とを、1,000mLのジオキサンに溶解させた後、0.01molの2,2’-Azobis(2-methylpropionitrile)を添加した。その後、窒素雰囲気下、75℃で8時間撹拌した後、減圧乾燥させ、数平均分子量5,000の樹脂1を得た。
(樹脂の合成例2)
<樹脂2の合成>
105質量部の樹脂1を100質量部のジオキサンに溶解させた後、1.3質量部のアンモニアが水に溶解している溶液を添加した。次に、100℃で2時間加熱撹拌した後、減圧乾燥させ、樹脂2を得た。
(第1の絶縁層形成用液体組成物の製造例1~20及び比較製造例1)
<第1の絶縁層形成用液体組成物の製造>
表1に示す第1の絶縁粒子、分散媒、及び樹脂を表1に示す混合質量比で混合した後、ビーズミル(NP-100、シンキー株式会社製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、製造例1~20及び比較製造例1の第1の絶縁層形成用液体組成物を得た。
次に、第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径を以下のようにして測定した。また、得られた第1の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径を以下のようにして測定し、保存安定性を評価した。結果を表1に示した。
<絶縁粒子の一次粒子径>
BELSORPminiII(日本ベル株式会社製)を用いて絶縁粒子のBET比表面積(Sm)を測定した後、得られたBET比表面積(Sm)及び絶縁粒子の真密度(ρ)から、下記数式(1)に基づき、「BET比表面積から推定される一次粒子径」を求めた。
BET比表面積から推定される一次粒子径=6/(Sm×ρ) ・・・数式(1)
<液体組成物のメジアン径D50
メジアン径D50値が安定するまで液体組成物を希釈した後、濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)を用い、液体組成物のメジアン径D50を測定した。
<保存安定性試験>
液体組成物をPradisc25GD2(GEヘルスケア社製)でろ過した後、密封下、25℃で1週間静置保存した。静置後のサンプル10mLをPradisc25GD2(GEヘルスケア社製)でろ過し、沈澱の有無の確認を行い、下記の基準で保存安定性を評価した。
[評価基準]
◎:保存安定性試験で沈殿が見られず、全量ろ過ができた
〇:保存安定性試験で沈殿が見られず、5mL以上ろ過ができた
△:保存安定性試験で沈殿が見られず、ろ過できなかった
×:保存安定性試験で沈殿が見られた
Figure 2023096757000001
表1の結果から、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下であり、樹脂の酸基がスルホン酸基であり、かつ溶剤が非水系溶剤である第1の絶縁層形成用液体組成物において高い保存安定性を有することが確認できた。
(第2の絶縁層形成用液体組成物の製造例21~27)
<第2の絶縁層形成用液体組成物の製造>
表2に示す第2の絶縁粒子、分散媒、及び樹脂を表2に示す混合質量比で混合した後、ビーズミル(NP-100、シンキー株式会社製)及び直径0.2mmのジルコニアビーズを用いて、回転速度1,500rpmで1分間を9セット運転し、製造例21~27の第2の絶縁層形成用液体組成物22~28を得た。
第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径、及び得られた第2の絶縁層形成用液体組成物のメジアン径D50を上記第1の絶縁層形成用液体組成物と同様にして測定した。結果を表2に示した。
Figure 2023096757000002
表1及び表2における略称の意味は、以下の通りである。
-絶縁粒子-
・ALU-130:酸化アルミニウム粒子、日本エアロジル株式会社製、一次粒子径d=12nm、BET比表面積=130m/g、真密度=3.8g/cm
・ALU-C:酸化アルミニウム粒子、日本エアロジル株式会社製、一次粒子径d=15nm、BET比表面積=105m/g、真密度=3.8g/cm
・ALU-65:酸化アルミニウム粒子、日本エアロジル株式会社製、一次粒子径d=23nm、BET比表面積=68m/g、真密度=3.8g/cm
・SpectrAl(R)100:酸化アルミニウム粒子、キャボット社製、一次粒子径d=13nm、BET比表面積=120m/g、真密度=3.8g/cm
・AKP-3000:酸化アルミニウム粒子、住友化学株式会社製
・AA-05:酸化アルミニウム粒子、住友化学株式会社製
・AA-07:酸化アルミニウム粒子、住友化学株式会社製
・NO-0003-HP:酸化アルミニウム粒子、イオリテック社製
・NO-0008-HP:酸化アルミニウム粒子、イオリテック社製
・アルミナ超微粒子:酸化アルミニウム粒子、CIKナノテック株式会社製、一次粒子径d=34nm、BET比表面積=46m/g、真密度=3.8g/cm
・NO-0040-HP:二酸化ケイ素粒子、イオリテック社製、一次粒子径d=15nm、BET比表面積=220m/g、真密度=2.2g/cm
・酸化チタン(IV)、アナターゼ:酸化チタン粒子、シグマアルドリッチ社製、一次粒子径d=25nm、BET比表面積=57m/g、真密度=4.2g/cm
・酸化アルミニウムナノ粒子:酸化アルミニウム粒子、EMジャパン株式会社製、一次粒子径d=50nm、BET比表面積=32m/g、真密度=3.8g/cm
-分散媒-
・IPA:イソプロピルアルコール
・EL:乳酸エチル
・DMSO:N,N-ジメチルスルホキシド
・NMP:N-メチルピロリドン
・DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
-樹脂-
・SC0708A:高分子ポリカルボン酸(日油株式会社製)
・HKM150A:高分子ポリカルボン酸(日油株式会社製)
・HKM50A:高分子ポリカルボン酸(日油株式会社製)
・SPES:スルホン化ポリエーテルスルホン(小西化学工業株式会社製)
・Nafion:NafionTM(富士フイルム和光純薬株式会社製)
・NafionLi:NafionTM(富士フイルム和光純薬株式会社製)を4N水酸化リチウム水溶液でpHを8.0に中和したもの
・PSS:ポリ(4-スチレンスルホン酸)(シグマアルドリッチ社製)
・PACLi:ポリアクリル酸(Mn=2,000)(シグマアルドリッチ社製)を4N水酸化リチウム水溶液でpHを8.5に中和したもの
・PACMLi:ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)(シグマアルドリッチ社製)を4N水酸化リチウム水溶液でpHを8.0に中和したもの
(実施例1~33及び比較例1~5)
<電極合材層の作製>
93質量部の黒鉛粉末KS6(ティムカル社製)、5質量部のデンカブラック(アセチレンブラック、電気化学工業株式会社製)に、水を加えて混練した後、カルボキシメチルセルロースの2質量%水溶液(ダイセル株式会社製)1質量部を加えて混練した。更に、スチレンブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製)1質量部を加え、電極合材層用スラリーを作製した。
集電体としてのアルミニウム箔上に、電極合材層用スラリーを塗布した後、150℃で12時間真空乾燥させた。次に、プレス機(テスター産業株式会社製)を用いて、圧縮し、単位体積当たりの固形分が1.6g/cmの電極合材層1、又は単位体積当たりの固形分が1.4g/cmの電極合材層2をアルミニウム箔上に形成した。
<第1の絶縁層及び第2の絶縁層の作製>
表3に示すように、単位面積当たりの固形分量が0.02mg/cm、0.05mg/cm、又は0.07mg/cmとなるようにバーコーターを用いて電極合材層1又は電極合材層2上に第1の絶縁層形成用液体組成物を塗布した。
次に、25℃で1分間静置した後、液体吐出装置(EV2500、株式会社リコー製)及び液体吐出ヘッド(5421Fヘッド、株式会社リコー製)を用いて、第1の絶縁層上に、第2の絶縁層形成用液体組成物を吐出した後、ホットプレートを用いて、120℃で乾燥させ、第1の絶縁層上に第2の絶縁層を形成した。このとき、第2の絶縁粒子の付着量(mg/cm)が、第2の絶縁粒子の含有量(質量%)/40となるように、液体吐出ヘッドに印加する駆動波形、駆動電圧、及び液滴数を調整した。
<電極合材層に対する浸透性(明度L)の評価>
ポータブルイメージング分光色差計(RM200、X-Rite社製)を用いて、第2の絶縁層の表面の明度(L)を10箇所で測定した後、平均し、平均値を求めた。
次に、次式、L(1mg)=Lの平均値/絶縁粒子の付着量により、絶縁粒子の付着量が1mg/cmである場合の明度の平均値L(1mg)及び標準偏差を算出し、絶縁層形成用液体組成物の電極合材層に対する浸透性を評価した。結果を表3に示した。
一般的に黒色度の強い(Lの小さな)電極合材層上に、白色度の強い(Lの大きな)絶縁粒子を塗布した場合、絶縁粒子の電極合材層中への浸透が進むことによりLは低減していくことから、Lにより絶縁粒子の浸透性を評価できる。
Figure 2023096757000003
表3の結果から、実施例1~33は、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下の絶縁粒子を含有する第1の絶縁層形成用液体組成物を、電極合材層上に塗布した後、第1の絶縁層上に第2の絶縁層形成用液体組成物を塗布した結果、比較例1~5と比べて、均一性の高い(標準偏差の小さな)、浸透が少ない(Lの大きな)第2の絶縁層が得られることがわかった。この傾向は、体積密度の小さな電極合材層で特に顕著であった。
(比較例6)
<通常の電気化学素子の作製>
表4に示すように、上記作製した電極合材層2を負極とした。
正極用基材(アルミ箔)の両面に正極合材層形成用液体組成物を塗工し、乾燥して正極合材層を形成し、正極を作製した。具体的な正極合材層の製造は以下の方法で行った。
<正極合材層の作製>
リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(NCA、シグマアルドリッチ社製)93質量部、導電剤としてアセチレンブラック(デンカブラック、デンカ社製)3質量部、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(シグマアルドリッチ社製)4質量部、及びN-メチルピロリドン100質量部を混合して、正極合材層用液体組成物を得た。
次に、ダイコート法により、搬送速度0.5m/minで正極合材層用液体組成物をアルミニウム箔上に塗布した後、乾燥させて、目付け15.0mg/cmの正極合材層を形成した。
作製した負極と正極を、セパレータを介し貼り合わせ、負極合材層、正極合材層、及びセパレータを含め、電解質を含んだ電解液が含侵された状態で、複数積層されている比較例6の電気化学素子を作製した(図2A及び図2B参照)。
(実施例34~60)
<第1の絶縁層及び第2の絶縁層を形成した負極を有する電気化学素子の作製>
表4に示す電極合材層1又は2の上に、表4に示す、第1の絶縁層形成用液体組成物及び第2の絶縁層形成用液体組成物を両面塗工し、乾燥することにより、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を有する負極を作製した。
比較例6と同様にして、正極集電体(アルミ箔)の両面に正極合材層形成用液体組成物を塗工し、乾燥することで正極合材層を形成し、正極を作製した。
作製した負極と正極を、セパレータを介し貼り合わせ、負極合材層、正極合材層、第1の絶縁層、第2の絶縁層、及びセパレータを含め、電解質を含んだ電解液が含侵された状態で、複数積層されている実施例34~60電気化学素子を作製した(図3A及び図3B参照)。
<安全性試験>
実施例34~60及び比較例6の電気化学素子について、初充電を行った後、通電し、抵抗温度を計測しながら、径4.5mmの釘を一定速度で電気化学素子の封止容器ごと貫抜き、以下の基準に基づき、安全性を評価した。結果を表4に示した。
[評価基準]
〇:『白煙微発生レベル』即ち実用化で懸念が無いレベル
×:『白煙大量発生レベル、発火レベル』即ち実用化するうえで懸念が生じるレベル
Figure 2023096757000004
表4の結果から、実施例34~60は、いずれも『白煙微発生レベル:〇』であり、比較例6に比べて安全性が高いことがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 集電体と、
前記集電体上に設けられた電極合材層と、
前記電極合材層上に設けられた機能層と、を備え、
前記機能層が、少なくとも2つの絶縁層を有し、
前記絶縁層のうち、前記電極合材層に最も近い第1の絶縁層が、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子を含有することを特徴とする電極である。
<2> 前記電極合材層に2番目に近い第2の絶縁層が、メジアン径が200nm以上である第2の絶縁粒子を含有する、前記<1>に記載の電極である。
<3> 前記第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、前記第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さい、前記<2>に記載の電極である。
<4> 前記第1及び第2の絶縁粒子が無機酸化物である、前記<3>に記載の電極である。
<5> 前記無機酸化物がアルミナである、前記<4>に記載の電極である。
<6> 前記アルミナがα-アルミナである、前記<5>に記載の電極である。
<7> 前記第1の絶縁層が酸基又はその塩を有する樹脂を含有する、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電極である。
<8> 前記酸基又はその塩がスルホン酸基又はその塩である、前記<7>に記載の電極である。
<9> 分散媒、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子、及び樹脂を含有し、
メジアン径が300nm以上1,000nm以下であることを特徴とする第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<10> 前記第1の絶縁粒子が無機酸化物である、前記<9>に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<11> 前記無機酸化物がアルミナである、前記<10>に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<12> 前記アルミナがα-アルミナである、前記<11>に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<13> 前記樹脂が酸基又はその塩を有する樹脂を含む、前記<9>から<12>のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<14> 前記酸基又はその塩がスルホン酸基又はその塩である、前記<13>に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<15> 前記分散媒が、非水系溶剤である、前記<9>から<14>のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物である。
<16> 前記<9>から<15>のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物と、
分散媒、第1の絶縁粒子とは異なる第2の絶縁粒子、及び樹脂を含む第2の絶縁層形成用液体組成物と、
を有することを特徴とする液体組成物セットである。
<17> 前記第2の絶縁粒子のメジアン径が200nm以上である、前記<16>に記載の液体組成物セットである。
<18> 第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、前記第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さい、前記<16>から<17>のいずれかに記載の液体組成物セットである。
<19> 前記<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物、及び前記<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物、がそれぞれ容器中に収容された収容容器である。
<20> 電極合材層上に前記<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成工程と、
前記第1の絶縁層上に前記<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成工程と、
を含むことを特徴とする電極の製造方法である。
<21> 前記第1の絶縁層形成用液体組成物及び前記第2の絶縁層形成用液体組成物をインクジェット方式で吐出する、前記<20>に記載の電極の製造方法である。
<22> 電極合材層上に<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成手段と、
前記第1の絶縁層上に<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成手段と、
を有することを特徴とする電極の製造装置である。
<23> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の電極を有することを特徴とする電気化学素子である。
前記<1>から<8>のいずれかに記載の電極、前記<9>から<15>のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物、前記<16>から<18>のいずれかに記載の液体組成物セット、前記<19>に記載の収容容器、前記<20>から<21>のいずれかに記載の電極の製造方法、前記<22>に記載の電極の製造装置、及び前記<23>に記載の電気化学素子によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1 集電体
2 電極合材層
3 第1の絶縁層
4 第2の絶縁層
10 電極
11 正極集電体
12 正極合材層
15 正極
21 負極集電体
22 負極合材層
24 第1の絶縁層
25 負極
26 第2の絶縁層
30 セパレータ
40 電気化学素子セル
41 正極引き出し線
42 負極引き出し線
81 電解質を含む電解液
82 封止容器
100 電気化学素子
特開平7-220759号公報 特開2021-082511号公報
Scientific Reports volume 6,26382 (2016)

Claims (23)

  1. 集電体と、
    前記集電体上に設けられた電極合材層と、
    前記電極合材層上に設けられた機能層と、を備え、
    前記機能層が、少なくとも2つの絶縁層を有し、
    前記絶縁層のうち、前記電極合材層に最も近い第1の絶縁層が、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子を含有することを特徴とする電極。
  2. 前記電極合材層に2番目に近い第2の絶縁層が、メジアン径が200nm以上である第2の絶縁粒子を含有する、請求項1に記載の電極。
  3. 前記第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、前記第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さい、請求項2に記載の電極。
  4. 前記第1及び第2の絶縁粒子が無機酸化物である、請求項3に記載の電極。
  5. 前記無機酸化物がアルミナである、請求項4に記載の電極。
  6. 前記アルミナがα-アルミナである、請求項5に記載の電極。
  7. 前記第1の絶縁層が酸基又はその塩を有する樹脂を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の電極。
  8. 前記酸基又はその塩がスルホン酸基又はその塩である、請求項7に記載の電極。
  9. 分散媒、BET比表面積から推定される一次粒子径が40nm以下である第1の絶縁粒子、及び樹脂を含有し、
    メジアン径が300nm以上1,000nm以下であることを特徴とする第1の絶縁層形成用液体組成物。
  10. 前記第1の絶縁粒子が無機酸化物である、請求項9に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  11. 前記無機酸化物がアルミナである、請求項10に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  12. 前記アルミナがα-アルミナである、請求項11に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  13. 前記樹脂が酸基又はその塩を有する樹脂を含む、請求項9から12のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  14. 前記酸基又はその塩がスルホン酸基又はその塩である、請求項13に記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  15. 前記分散媒が、非水系溶剤である、請求項9から14のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物。
  16. 請求項9から15のいずれかに記載の第1の絶縁層形成用液体組成物と、
    分散媒、第1の絶縁粒子とは異なる第2の絶縁粒子、及び樹脂を含む第2の絶縁層形成用液体組成物と、
    を有することを特徴とする液体組成物セット。
  17. 前記第2の絶縁粒子のメジアン径が200nm以上である、請求項16に記載の液体組成物セット。
  18. 第1の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径は、前記第2の絶縁粒子のBET比表面積から推定される一次粒子径よりも小さい、請求項16から17のいずれかに記載の液体組成物セット。
  19. 請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物、及び請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物、がそれぞれ容器中に収容された収容容器。
  20. 電極合材層上に請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成工程と、
    前記第1の絶縁層上に請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成工程と、
    を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  21. 前記第1の絶縁層形成用液体組成物及び前記第2の絶縁層形成用液体組成物をインクジェット方式で吐出する、請求項20に記載の電極の製造方法。
  22. 電極合材層上に請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第1の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第1の絶縁層を形成する第1の絶縁層形成手段と、
    前記第1の絶縁層上に請求項16から18のいずれかに記載の液体組成物セットにおける第2の絶縁層形成用液体組成物を付与し、第2の絶縁層を形成する第2の絶縁層形成手段と、
    を有することを特徴とする電極の製造装置。
  23. 請求項1から8のいずれかに記載の電極を有することを特徴とする電気化学素子。

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