JP2023094476A - インジェクタ制御装置 - Google Patents

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隆太郎 佐藤
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Abstract

【課題】エンジンの低温始動時において、燃料の噴射時期の演算精度を向上させることができるインジェクタ制御装置を提供すること。【解決手段】インジェクタ制御装置2は、インジェクタ31から噴射される燃料の噴射時期の演算を実行する演算部21と、演算部21により実行された演算の結果を記憶する記憶部22と、を備える。演算部21は、インジェクタ31が搭載されたエンジン3の常温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの1パルス周期前のパルスデータに基づいて噴射時期の演算を実行し、エンジンの低温始動時にはパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの1サイクル前のパルスデータに基づいて噴射時期の演算を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を噴射するインジェクタの駆動を制御するインジェクタ制御装置に関する。
特許文献1には、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置が開示されている。特許文献1に記載されたディーゼルエンジンのECUには、ディーゼルエンジンのクランク角及び回転数を検出する為のエンジン回転センサが電気的に接続されている。
ここで、特許文献1に記載されたエンジン回転センサから出力されるパルス信号、すなわちクランクシャフトの回転に関するパルス波形(クランク波形)は、エンジンの常温始動時と、エンジンの低温始動時と、において異なる。エンジンの常温始動時には、エンジン回転数が略一定であるため、クランク波形のパルス周期は、略一定である。一方で、エンジンの低温始動時には、エンジン回転数が一定ではないため、クランク波形のパルス周期は、一定ではない。例えば、エンジンの低温始動時には、ピストンが下死点から上死点に向かって運動するときのクランク波形のパルス周期は、混合気が燃焼した後にピストンが上死点から下死点に向かって運動するときのクランク波形のパルス周期よりも長い。このように、エンジンの低温始動時には、クランク波形のパルス周期が一定ではないことがある。
しかし、クランク波形のパルス周期が一定でない場合には、インジェクタから噴射される燃料の噴射時期の設定が困難な場合がある。すなわち、燃料の噴射時期が、クランク波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの立ち上がりから所定時間後に設定される場合、クランク波形のパルス周期が一定でないため、演算部が、対象パルスの立ち上がりからの所定時間を正確に演算できない場合がある。
特開2012-57581号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの低温始動時において、燃料の噴射時期の演算精度を向上させることができるインジェクタ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題は、燃料を噴射するインジェクタの駆動を制御するインジェクタ制御装置であって、前記インジェクタから噴射される前記燃料の噴射時期の演算を実行する演算部と、前記演算部により実行された前記演算の結果を記憶する記憶部と、を備え、前記演算部は、前記インジェクタが搭載されたエンジンの常温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち前記噴射時期の対象となる対象パルスの1パルス周期前のパルスデータに基づいて前記噴射時期の演算を実行し、前記エンジンの低温始動時には前記パルス波形のうち前記対象パルスの1サイクル前のパルスデータに基づいて前記噴射時期の演算を実行することを特徴する本発明に係るインジェクタ制御装置により解決される。
本発明に係るインジェクタ制御装置によれば、インジェクタから噴射される燃料の噴射時期の演算を実行する演算部は、インジェクタが搭載されたエンジンの常温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの1パルス周期前のパルスデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。一方で、演算部は、エンジンの低温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの1サイクル前のパルスデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。このように、演算部は、エンジンの低温始動時に、1サイクル前の対象パルス自体のパルスデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行するため、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期が一定ではない場合であっても燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本発明に係るインジェクタ制御装置は、燃料の噴射時期の演算精度を向上させることができる。
本発明に係るインジェクタ制御装置において、好ましくは、前記演算部は、前記エンジンの回転数が所定回転数未満であり、かつ、前記エンジンの冷却水の温度が所定温度未満である場合に、前記低温始動時の演算を実行することを特徴とする。
本発明に係るインジェクタ制御装置によれば、エンジンの回転数が所定回転数未満であり、かつ、エンジンの冷却水の温度が所定温度未満である場合に、演算部は、エンジンの低温始動時の演算として、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスの1サイクル前のパルスデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。そのため、演算部は、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期が一定ではない「エンジンの低温始動時」を正確に判定し、燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本発明に係るインジェクタ制御装置は、燃料の噴射時期の演算精度をより一層向上させることができる。
本発明に係るインジェクタ制御装置において、好ましくは、前記演算部は、前記クランクシャフトが前記対象パルスの位置に到達した際に前記パルス波形のパルス周期を前記パルスデータとして用いて前記対象パルスの立ち上がりから前記噴射時期までの時間を演算することを特徴とする。
本発明に係るインジェクタ制御装置によれば、演算部は、クランクシャフトが対象パルスの位置に到達した際に、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期をパルスデータとして用いて対象パルスの立ち上がりから燃料の噴射時期までの時間を演算する。このように、演算部は、対象パルスの立ち上がりから燃料の噴射時期までのクランクシャフトの角度をパルス波形のパルス周期を用いて時間に換算し、対象パルスの立ち上がりから燃料の噴射時期までの時間を演算する。そのため、燃料の噴射時期がクランクシャフトの回転に関するパルス波形の立ち上がりおよび立ち下がりの位置ではない場合であっても、演算部は、燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本発明に係るインジェクタ制御装置は、燃料の噴射時期の演算精度をより一層向上させることができる。
本発明によれば、エンジンの低温始動時において、燃料の噴射時期の演算精度を向上させることができるインジェクタ制御装置を提供することができる。
本発明に係るインジェクタ制御装置の概要を説明するブロック図である。 本実施形態に係るインジェクタ制御装置の制御を説明するタイミングチャートである。 エンジンの常温始動時におけるクランク波形の一例を例示するグラフである。 エンジンの低温始動時におけるクランク波形の一例を例示するグラフである。 本実施形態に係るインジェクタ制御装置の制御の具体例を例示するフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明に係るインジェクタ制御装置の概要を説明するブロック図である。
本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、例えば産業用機械のエンジン3に搭載され、燃料を噴射するインジェクタ31の駆動を制御する。図1に表したように、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)の一部として機能する。なお、図1に表した例では、3つのインジェクタ31がエンジン3に設けられている。但し、インジェクタ31の設置数は、3つに限定されるわけではなく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。すなわち、エンジン3の気筒数は、3つに限定されるわけではなく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
図1に表したインジェクタ制御装置2は、演算部21と、記憶部22と、インジェクタ駆動部23と、を備える。図1に表したように、エンジン回転数に関する検出信号およびクランク角度に関する検出信号が、エンジン3からインジェクタ制御装置2に入力される。また、アクセル開度に関する検出信号が、スロットルセンサ4からインジェクタ制御装置2に入力される。
エンジン回転数に関する検出信号は、すなわちエンジン3のクランクシャフトの回転に関する検出信号であり、パルス波形(クランク波形)として表される。クランクシャフトの回転に関するパルス波形(クランク波形)の詳細については、後述する。
演算部21は、インジェクタ31から噴射される燃料の噴射時期および噴射量の演算を実行する。例えば、演算部21は、エンジン3から送信されたエンジン回転数に関する検出信号と、スロットルセンサ4から送信されたアクセル開度に関する検出信号と、に基づいて、予め設定されたガバナマップ(図示せず)を用いて燃料の噴射量の演算を実行する。また、演算部21は、例えばガバナマップを用いて設定した燃料の噴射量に基づいて、予め設定された噴射期間マップ(図示せず)を用いてインジェクタ31の通電期間(すなわち通電時間)の演算を実行する。このように、燃料の噴射量は、例えばインジェクタ31の通電期間により制御される。本実施形態の演算部21としては、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)などが挙げられる。本実施形態の演算部21は、単に演算するだけでなく演算の結果を記憶部22に格納する(すなわち書き込む)機能も有している。
記憶部22は、演算部21により実行された演算の結果を記憶する。具体的には、記憶部22は、演算部21により実行された演算の結果として、インジェクタ31から噴射される燃料の噴射時期および噴射量(すなわちインジェクタ31の通電時間)を記憶する。記憶部22としては、例えばレジスタなどが挙げられる。
インジェクタ駆動部23は、演算部21により記憶部22に格納された(すなわち書き込まれた)燃料の噴射時期および噴射量に基づいて、インジェクタ31の駆動を制御する。例えば、インジェクタ駆動部23は、演算部21により記憶部22に格納された燃料の噴射時期および噴射量に関する制御信号をインジェクタ31に送信する。あるいは、例えば、インジェクタ駆動部23は、演算部21により記憶部22に格納された燃料の噴射時期および噴射量に基づいて、昇圧回路(図示せず)により生成される昇圧電圧(例えばコンデンサのチャージ電圧)やバッテリ(図示せず)から供給される電圧をインジェクタ31に供給する。これにより、インジェクタ31のニードル弁が開き、燃料噴射が開始する。そして、インジェクタ31の通電を開始した時点から演算部21により設定されたインジェクタ31の通電期間が経過すると、インジェクタ駆動部23は、インジェクタ31に対する電圧の供給を停止する。これにより、インジェクタ31のニードル弁が閉じ、燃料噴射が終了する。
次に、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2の制御を、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るインジェクタ制御装置の制御を説明するタイミングチャートである。
図3は、エンジンの常温始動時におけるクランク波形の一例を例示するグラフである。
図4は、エンジンの低温始動時におけるクランク波形の一例を例示するグラフである。
まず、エンジン3のクランクシャフトの回転に関するパルス波形(クランク波形)を説明する。
エンジン回転数、すなわちエンジンのクランクシャフトの回転数は、エンジン回転センサ(図示せず)によって検出される。エンジン回転センサは、パルサとピックアップとを有する。
パルサは、円板形状を有し、中心部においてクランクシャフトに連結され、クランクシャフトの回転に伴って回転する。パルサの外周縁には、例えば56個の歯が形成されている。パルサの外周縁に形成された歯は、パルサの外周縁の全周を60分割した位置にそれぞれ設けられている。そのため、4個分の歯が欠けた欠歯部が存在している(図3および図4に表した欠歯部に対応するパルスP4参照)。
ピックアップは、パルサの外周縁に形成された歯に対向する位置に配置されている。ピックアップとしては、例えば磁気センサなどが挙げられる。ピックアップは、パルサの回転によってピックアップに接近するそれぞれの歯をパルス信号としてインジェクタ制御装置2に出力する。ピックアップからインジェクタ制御装置2に出力されたパルス信号は、例えば図2~4に表したパルス波形(クランク波形)として表される。
パルス信号を受信した演算部21は、パルス信号の間隔に基づいてエンジン回転数(すなわちエンジンのクランクシャフトの回転数)を算出する。また、演算部21は、パルス信号が検出されない欠歯部と、欠歯部よりも後に検出されたパルス信号の数と、に基づいてクランク角度を算出する。また、演算部21は、パルサの欠歯部よりも後に検出されたパルス信号の数と、パルス信号の間隔(すなわちパルス周期)と、を記憶部22に格納する。
続いて、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2の制御の具体例を説明する。
本実施形態の説明では、図2に表したように、演算部21が、インジェクタ31から噴射される燃料の噴射時期(噴射開始)を圧縮行程の上死点前8°(degree)に設定する場合を例に挙げる。また、本実施形態の説明では、前述したように、パルサの外周縁に形成された歯が、パルサの外周縁の全周を60分割した位置にそれぞれ設けられ、4個分の歯が欠けた欠歯部が存在している場合を例に挙げる。この例の場合には、図2に表したように、パルス信号の間隔は、クランク角度6°に相当する。
図2に表したように、圧縮行程の上死点前8°の噴射時期は、パルス波形の立ち上がりおよび立ち下がりの位置ではなく、パルス波形の途中に位置する。具体的には、圧縮行程の上死点前8°の噴射時期は、パルスがオフである時期の途中に位置する。演算部21は、パルス波形の立ち上がりおよび立ち下がりの位置を検出できる一方で、パルス波形の途中の位置を検出できない。
そこで、演算部21は、クランクシャフトが燃料の噴射時期の対象となる対象パルスP2の位置に到達した際に(タイミングT1)、対象パルスP2の立ち上がりから燃料の噴射時期までのクランク角度4°に相当する時間を演算し記憶部22に格納する。
具体的に説明すると、演算部21は、パルサの欠歯部を基準として、欠歯部よりも後に検出されたパルス信号の数に基づいて対象パルスP2を検出する。例えば、エンジン回転数が一定の1000rpmである場合には、クランク角度6°に相当する時間(図2に表したパルス周期)は、一定の1ミリ秒である。そこで、演算部21は、対象パルスP2を検出した際に(タイミングT1)、対象パルスP2の1パルス周期前のパルスP1のデータ(すなわちパルス周期:1ミリ秒)に基づいて、対象パルスP2の立ち上がりから燃料の噴射時期までのクランク角度4°に相当する時間として、4/6*1≒0.67ミリ秒を算出し記憶部22に格納する。そして、インジェクタ駆動部23は、記憶部22に記憶された時間に基づいて、対象パルスP2の立ち上がりから0.67ミリ秒後に制御信号をインジェクタ31に送信する。これにより、インジェクタ31は、圧縮行程の上死点前8°のタイミングで燃料を噴射する。
このような制御は、エンジン回転数が略一定である場合に適用される。例えば図3に例示したパルス波形のように、エンジン3の常温始動時には、エンジン回転数が略一定であるため、クランク波形のパルス周期は、略一定である。つまり、対象パルスP2のパルス周期は、対象パルスP2の1パルス周期前のパルスP1のパルス周期と略同じである。そのため、例えば図3に例示したパルス波形が得られるエンジン3の常温始動時には、演算部21は、対象パルスP2を検出した際に(タイミングT1)、対象パルスP2の1パルス周期前のパルスP1のデータ(すなわちパルス周期)に基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。これにより、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、エンジン3の常温始動時において、燃料の噴射時期の演算精度を確保することができる。
一方で、例えば図4に例示したパルス波形のように、エンジン3の低温始動時には、エンジン回転数が一定ではないため、パルス波形のパルス周期は、一定ではない。つまり、対象パルスP2のパルス周期は、対象パルスP2の1パルス周期前のパルスP1のパルス周期とは異なる。そうすると、図2に関して前述した制御では、演算部21による燃料の噴射時期の演算精度が低下する場合がある。すなわち、燃料の噴射時期が、対象パルスP2の立ち上がりから所定時間後に設定される場合、パルス波形のパルス周期が一定でないため、演算部21が、対象パルスP2の立ち上がりからの所定時間を正確に演算できない場合がある。
そこで、例えば図4に例示したパルス波形が得られるエンジン3の低温始動時において、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2の演算部21は、対象パルスP2を検出した際に(タイミングT1)、対象パルスP2の1サイクル前のパルスP3のデータ(すなわちパルス周期)に基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。ここで、本願明細書において「サイクル」とは、エンジンにおける吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程および排気行程などの一連の行程の繰り返し(周期)をいうものとする。例えば、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程および排気行程の4つの行程で1つのサイクルが完了する4ストローク1サイクルエンジンの場合、本願明細書における「サイクル」とは、「4ストローク1サイクルエンジン」のうちの「サイクル」に相当する。
1気筒エンジンの場合には、パルスP3は、同じ気筒において対象パルスP2の1サイクル前の対象パルス自体である。多気筒エンジンの場合には、パルスP3は、対象気筒とは異なる気筒であって対象気筒の前回に燃料の噴射(多段噴射の場合には一連の噴射)が実行された気筒(すなわち前回気筒)において対象パルスP2の1サイクル前のパルスである。あるいは、多気筒エンジンの場合には、パルスP3は、同じ気筒(すなわち対象の気筒)において対象パルスP2の1サイクル前の対象パルス自体であってもよい。そのため、エンジン3の低温始動時においても、パルスP3のパルス周期は、対象パルスP2のパルス周期と略同じである。これにより、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、エンジン3の低温始動時において、燃料の噴射時期の演算精度を確保することができる。
次に、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2の制御の具体例を、図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係るインジェクタ制御装置の制御の具体例を例示するフローチャートである。
まず、ステップS1において、エンジン3がキー・オンされる。そうすると、ステップS2において、演算部21は、エンジン始動モードの判定を行う。すなわち、ステップS2において、演算部21は、エンジン3の回転数が所定回転数未満であり、かつ、エンジン3の冷却水の温度が所定温度未満であるか否かを判断する。図5に表したフローチャートでは、演算部21は、エンジン3の回転数が500rpm(Revolutions Per Minute)未満であり、かつ、エンジン3の冷却水の温度が0℃未満であるか否かを判断する。
エンジン3の回転数が500rpm(Revolutions Per Minute)未満であり、かつ、エンジン3の冷却水の温度が0℃未満である場合には(ステップS2:YES)、ステップS3において、演算部21は、低温始動モードとしてエンジン3の低温始動時の演算を実行する。すなわち、ステップS3において、演算部21は、対象パルスP2(図2および図4参照)の1サイクル前のパルスP3(図4参照)のデータ(すなわちパルス周期)に基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。対象パルスP2の1サイクル前に相当するクランク角度は、例えば、3気筒エンジンの場合には240°であり、4気筒エンジンの場合には180°である。
一方で、エンジン3の回転数が500rpm未満ではなく、あるいは、エンジン3の冷却水の温度が0℃未満ではない場合には(ステップS2:NO)、ステップS4において演算部21は、常温始動モードとしてエンジン3の常温始動時の演算を実行する。すなわち、ステップS4において、演算部21は、対象パルスP2(図2および図3参照)の1パルス周期前のパルスP1(図2および図3参照)のデータ(すなわちパルス周期)に基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。
ステップS3およびステップS4に続くステップS5において、演算部21は、燃料の噴射時期(噴射指示)を設定する。つまり、ステップS5において、演算部21は、燃料の噴射時期を記憶部22に格納する。続いて、ステップS6において、インジェクタ駆動部23は、記憶部22に記憶された燃料の噴射時期に基づいて、インジェクタ31に対して噴射波形に関する制御信号を出力する。
続いて、ステップS7において、演算部21は、エンジン3がキー・オフされたか否かを判断する。エンジン3がキー・オフされた場合には(ステップS7:YES)、演算部21は、図5に表したフローチャートの処理を終了する。一方で、エンジン3がキー・オフされていない場合には(ステップS7:NO)、演算部21は、ステップS2に関して前述した処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2によれば、インジェクタ31から噴射される燃料の噴射時期の演算を実行する演算部21は、インジェクタ31が搭載されたエンジン3の常温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスP2の1パルス周期前のパルスP1のデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。一方で、演算部21は、エンジン3の低温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスP2の1サイクル前のパルスP3のデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。このように、演算部21は、エンジン3の低温始動時に、1サイクル前の対象パルス自体のパルスデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行するため、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期が一定ではない場合であっても燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、燃料の噴射時期の演算精度を向上させることができる。
また、エンジン3の回転数が所定回転数未満であり、かつ、エンジン3の冷却水の温度が所定温度未満である場合に、演算部21は、エンジン3の低温始動時の演算として、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち燃料の噴射時期の対象となる対象パルスP2の1サイクル前のパルスP3のデータに基づいて燃料の噴射時期の演算を実行する。そのため、演算部21は、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期が一定ではない「エンジンの低温始動時」を正確に判定し、燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、燃料の噴射時期の演算精度をより一層向上させることができる。
さらに、演算部21は、クランクシャフトが対象パルスP2の位置に到達した際に(タイミングT1)、クランクシャフトの回転に関するパルス波形のパルス周期をパルスデータとして用いて対象パルスP2の立ち上がりから燃料の噴射時期までの時間を演算する。このように、演算部21は、対象パルスP2の立ち上がりから燃料の噴射時期までのクランクシャフトの角度をパルス波形のパルス周期を用いて時間に換算し、対象パルスP2の立ち上がりから燃料の噴射時期までの時間を演算する。そのため、燃料の噴射時期がクランクシャフトの回転に関するパルス波形の立ち上がりおよび立ち下がりの位置ではない場合であっても、演算部21は、燃料の噴射時期を正確に演算することができる。これにより、本実施形態に係るインジェクタ制御装置2は、燃料の噴射時期の演算精度をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
2:インジェクタ制御装置、 3:エンジン、 4:スロットルセンサ、 21:演算部、 22:記憶部、 23:インジェクタ駆動部、 31:インジェクタ、 P1:パルス、 P2:対象パルス、 P3:パルス、 P4:パルス

Claims (3)

  1. 燃料を噴射するインジェクタの駆動を制御するインジェクタ制御装置であって、
    前記インジェクタから噴射される前記燃料の噴射時期の演算を実行する演算部と、
    前記演算部により実行された前記演算の結果を記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記演算部は、前記インジェクタが搭載されたエンジンの常温始動時にはクランクシャフトの回転に関するパルス波形のうち前記噴射時期の対象となる対象パルスの1パルス周期前のパルスデータに基づいて前記噴射時期の演算を実行し、前記エンジンの低温始動時には前記パルス波形のうち前記対象パルスの1サイクル前のパルスデータに基づいて前記噴射時期の演算を実行することを特徴するインジェクタ制御装置。
  2. 前記演算部は、前記エンジンの回転数が所定回転数未満であり、かつ、前記エンジンの冷却水の温度が所定温度未満である場合に、前記低温始動時の演算を実行することを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ制御装置。
  3. 前記演算部は、前記クランクシャフトが前記対象パルスの位置に到達した際に前記パルス波形のパルス周期を前記パルスデータとして用いて前記対象パルスの立ち上がりから前記噴射時期までの時間を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のインジェクタ制御装置。

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