JP2023093908A - ワーク加工用シート、ワーク加工方法、および、ワーク加工用シートの使用 - Google Patents

ワーク加工用シート、ワーク加工方法、および、ワーク加工用シートの使用 Download PDF

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Abstract

【課題】エキスパンド性および低摩擦性に優れるワーク加工用シートを提供する。【解決手段】基材11と、基材11における片面側に積層された粘着剤層12とを備えるワーク加工用シート1であって、基材11における粘着剤層12とは反対側の面におけるX線光電子分光分析(XPS)で測定したフッ素原子比率が、0.01atm%以上、2.5atm%以下であるワーク加工用シート1。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等のワークの加工に使用されるワーク加工用シート、ワーク加工方法、および、ワーク加工用シートの使用に関するものである。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハや各種パッケージ類は、大径の状態で製造され、チップに切断(ダイシング)され、剥離(ピックアップ)された後に、次の工程であるマウント工程に移される。この際、半導体ウエハ等のワークは、基材および粘着剤層を備える粘着シート(以下、「ワーク加工用シート」という場合がある。)上に積層された状態で、バックグラインド、ダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ、マウンティング等の加工が行われる。
上記ピックアップの工程では、チップのピックアップを容易にするために、ワーク加工用シートにおけるチップが積層された面とは反対の面から、チップを個々に突き上げることを行う場合がある。特に、ピックアップの際のチップ同士の衝突を抑制するとともに、ピックアップを容易にするために、通常、ワーク加工用シートを延伸(エキスパンド)させて、チップ同士を離間させることが行われる。そのため、ワーク加工用シートには、良好なエキスパンドを可能にする、優れた柔軟性を有することが求められる。
特許文献1には、優れたエキスパンド性を有するワーク加工用シートを提供することを目的として、基材層と表面層とを含むダイシング用基体フィルムであって、当該表面層が、所定のポリスチレン系樹脂と、所定のビニル芳香族炭化水素-共役ジエン炭化水素共重合体又はその水素添加物とを含有する基体フィルムが開示されている。
特許第6146616号
ところで、ワーク加工用シートは、一般的に、長尺状に製造され、巻芯に巻き取られてロール体とされる。このようなロール体への巻き取りの際や、当該ロール体からワーク加工用シートを繰り出す際には、複数のガイドロールを用いてワーク加工用シートが搬送される。このとき、ワーク加工用シートがガイドロールに張り付いて良好な搬送が行えなくなったり、そのような張り付きに起因して、ワーク加工用シートにおけるシワや弛みが発生することがある。
また、ワーク加工用シートを使用する際には、ワーク加工用シートがテープマウンター等に張り付いてしまい、所望の操作を行えなくなるという問題が生じることもある。
そのため、ワーク加工用シートには、このようなガイドロールやテープマウンター等への張り付きを抑制できるような低摩擦性も求められる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、エキスパンド性および低摩擦性に優れるワーク加工用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材における片面側に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用シートであって、前記基材における前記粘着剤層とは反対側の面におけるX線光電子分光分析(XPS)で測定したフッ素原子比率が、0.01atm%以上、2.5atm%以下であることを特徴とするワーク加工用シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係るワーク加工用シートは、上述したフッ素原子比率を示す基材を備えることにより、優れたエキスパンド性を達成しながらも、ガイドロールやテープマウンター等への張り付きを抑制できる優れた低摩擦性を示す。
上記発明(発明1)において、前記フッ素原子比率は、0.35atm%以上であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記基材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)の少なくとも一種を含有することが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1~3)において、前記基材は、熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の少なくとも一種の樹脂を主成分とすることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1~4)において、前記ワーク加工用シートにおける前記基材側の面と、アルミニウム板との間における、JIS K7125:1999に準じて、荷重1.96N、引張速度100mm/minにて測定される静止摩擦力は、4.0N以上、0.001N以下であることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1~5)において、前記基材は、23℃にて行った引張試験による破断伸度が400%以上、1000%以下であることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1~6)において、前記基材は、23℃にて行った引張試験による破断強度が90N/15mm以上、20N/15mm以下であることが好ましい(発明7)。
第2に本発明は、前記ワーク加工用シート(発明1~7)における前記粘着剤層側の面に複数のワークを積層する積層工程と、前記複数のワークが積層された前記ワーク加工用シートを延伸させて、前記複数のワーク同士を離間させるエキスパンド工程とを備えることを特徴とするワーク加工方法を提供する(発明8)。
第3に本発明は、前記ワーク加工用シート(発明1~7)のワーク加工方法のための使用であって、前記ワーク加工方法は、前記ワーク加工用シートにおける前記粘着剤層側の面に複数のワークを積層する積層工程と、前記複数のワークが積層された前記ワーク加工用シートを延伸させて、前記複数のワーク同士を離間させるエキスパンド工程とを備えることを特徴とする使用を提供する(発明9)。
本発明に係るワーク加工用シートは、エキスパンド性および低摩擦性に優れる。
本発明の一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図である。 低摩擦性を評価するための試験について概略的に説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図が示される。図1に示されるワーク加工用シート1は、基材11と、基材11における片面側に積層された粘着剤層12とを備える。
そして、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、基材11における粘着剤層12とは反対側の面におけるX線光電子分光分析(XPS)で測定したフッ素原子比率が、0.01atm%以上、2.5atm%以下となっている。
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、上記フッ素原子比率が0.01atm%以上であることにより、優れた低摩擦性を有するものとなる。すなわち、ワーク加工用シート1の基材11側の面と、ガイドロールやテープマウンター等と間に生じる摩擦力が効果的に低減し、ガイドロールやテープマウンター等に対して張り付きにくくなる。その結果、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、良好な搬送や使用が可能となるともに、張り付きに起因したワーク加工用シート1におけるシワや弛みの発生を良好に抑制することができる。より優れた低摩擦性を達成し易くなる観点から、上記フッ素原子比率は、0.35atm%以上であることが好ましく、特に1.0atm%以上であることが好ましい。
さらに、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、上記フッ素原子比率が2.5atm%以下であることにより、優れたエキスパンド性も示すものとなる。一般的に、所望の性能を付与する目的で基材11に所定の添加物を添加した場合、基材11の柔軟性が損なわれ、エキスパンド性が低下することがある。本実施形態に係るワーク加工用シート1は、後述する通り、基材に所定の成分を添加することでフッ素原子比率を0.01atm%以上とすることができるが、当該フッ素原子比率を2.5atm%以下に抑えることにより、上述した優れた低摩擦性と、優れたエキスパンド性とを両立することが可能となる。優れた低摩擦性と、優れたエキスパンド性とをより高い次元で両立し易くなる観点から、上記フッ素原子比率は、2.3atm%以下であることが好ましく、特に1.8atm%以下であることが好ましい。
なお、上述したフッ素原子比率の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
1.ワーク加工用シートの構成
(1)基材
本実施形態における基材11は、上述したフッ素原子比率を示す限り、その構成や組成は特に限定されない。好適な基材11の組成の例としては、主成分としての樹脂に対して、フッ素を含有する化合物を所定量添加したものが挙げられる。
(1-1)主成分としての樹脂
上述した主成分としての樹脂の例は、特に限定されないものの、熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の少なくとも一種の樹脂を使用することが好適である。これらの樹脂から構成される基材は、一般的に、ガイドロール等との間における摩擦力が高くなり易い。そのため、これらの樹脂から構成される基材は、本実施形態に係るワーク加工用シート1による低摩擦性を達成する効果の恩恵を良好に享受することができる。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。さらに、「共重合体」には、単一のモノマーから成る「重合体」の概念も含まれるものとする。
上記熱可塑性ポリウレタンの例としては、特に限定されず、例えばイソシアネートとポリオールとの反応により得られる樹脂を使用することができる。上記ジイソシアネートの例としては、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、上記ポリオールの例としては、ラクトン系ポリエステルポリオール、アジペート系ポリエステルポリオールなどのポリエステルポリオール;ポリプロピレン(エチレン)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
本実施形態に係る熱可塑性ポリウレタンとしては、エーテル結合を含むポリオールを使用してなるエーテル型熱可塑性ポリウレタンを使用することが好ましい。当該エーテル型熱可塑性ポリウレタンを使用することで、低摩擦性とエキスパンド性とを良好に両立し易いものとなる。
上記エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の例としては、エチレン-アクリル酸共重合体およびエチレン-メタクリル酸共重合体等が挙げられ、なかでもエチレン-メタクリル酸共重合体が好ましい。
基材11を構成する主成分としての樹脂としては、上述したもの以外も使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体;エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、その他のエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン-ノルボルネン共重合体、ノルボルネン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂;(メタ)アクリル酸エステル共重合体;ポリイミド;ポリスチレン;ポリカーボネート;フッ素樹脂等を使用してもよい。
以上の樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、基材に関して「主成分」とは、基材を構成する全成分のうち、50質量%超を占める成分を指し、特に60質量%以上を占める成分を指し、さらには70質量%以上を占める成分を指すものとする。
(1-2)フッ素を含有する化合物
上述したフッ素を含有する化合物の例は、特に限定されないものの、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)の少なくとも一種を使用することが好ましい。これらを使用することにより、優れた低摩擦性と優れたエキスパンド性とを両立し易くなる。
上記ポリテトラフルオロエチレンとして、例えばパウダー状のものを使用することができる。この場合、主成分となる樹脂に対してパウダー状のポリテトラフルオロエチレンを添加してなる混合物を用いて、基材11を作製することができる。なお、これによって得られた基材11中においては、ポリテトラフルオロエチレンがパウダー状の状態を維持していてもよい。
上記ポリテトラフルオロエチレンとしては、その数平均分子量が、1万以上であることが好ましく、特に10万以上であることが好ましく、さらには100万以上であることが好ましい。また、当該数平均分子量は、1000万以下であることが好ましく、特に700万以下であることが好ましく、さらには500万以下であることが好ましい。数平均分子量が上記範囲であるポリテトラフルオロエチレンを使用することにより、優れた低摩擦性と優れたエキスパンド性とを両立し易くなる。
基材11中におけるポリテトラフルオロエチレンの含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、特に0.03質量%以上であることが好ましく、さらには0.1質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、80質量%以下であることが好ましく、特に60質量%以下であることが好ましく、さらには50質量%以下であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンがこれらの範囲で基材11中に含有されていることにより、前述したフッ素原子比率を達成し易いものとなる。
(1-3)その他の組成・成分
基材11は、主成分としての樹脂自体がフッ素原子を含有するものから構成されていてもよい。すなわち、前述した主成分としての樹脂に対してフッ素原子を含有する官能基等が導入されてなる樹脂によって、基材11が構成されていてもよい。この場合、基材11は、フッ素を含有する化合物を含有していなくてもよい。
また、基材11は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。そのような成分の例としては、難燃剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤が挙げられる。これらの添加剤の含有量としては、特に限定されないものの、基材が所望の機能を発揮する範囲とすることが好ましい。
(1-4)基材の表面処理
基材11における粘着剤層12が積層される面には、当該粘着剤層12との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、粗面化処理(マット加工)等の表面処理が施されてもよい。粗面化処理としては、例えば、エンボス加工法、サンドブラスト加工法等が挙げられる。
(1-5)基材の製法
本実施形態における基材11の製造方法は特に限定されず、例えば、インフレーション法、Tダイ法、丸ダイ法等の溶融押出法;カレンダー法;乾式法、湿式法等の溶液法などを使用することができる。これらの中でも、効率良く基材を製造する観点から、溶融押出法を採用することが好ましく、特にインフレーション法を採用することが好ましい。
基材11の材料として、上述したフッ素を含有する化合物を使用する場合、主成分の樹脂と当該化合物とを溶融混錬した後、公知の押出機を用いて、押し出して製膜すればよい。
(1-6)基材の物性等
本実施形態における基材11は、23℃にて行った引張試験による破断伸度が400%以上であることが好ましく、特に450%以上であることが好ましく、さらには520%以上であることが好ましい。本実施形態に係る基材11は、フッ素原子比率が前述した範囲であることで、このような比較的高い破断伸度を達成し易いものとなる。そして、破断伸度が500%以上であることで、優れたエキスパンド性を発揮し易いものとなる。なお、上記破断伸度の上限値については特に限定されず、例えば1000%以下であってよく、特に950%以下であってよく、さらには900%以下であってよい。なお、上記破断伸度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
また、本実施形態における基材11は、23℃にて行った引張試験による破断強度が90N/15mm以下であることが好ましく、特に85N/15mm以下であることが好ましい。本実施形態に係る基材11は、フッ素原子比率が前述した範囲であることで、破断時の強度(応力)をこれらの範囲に抑えることができる。そして、破断強度が90N/15mm以下であることで、優れたエキスパンド性を発揮し易いものとなる。なお、上記破断強度の下限値については特に限定されず、例えば20N/15mm以上であってよく、特に40N/15mm以上であってよく、さらには60N/15mm以上であってよい。なお、上記破断強度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における基材11の厚さは、50μm以上であることが好ましく、特に60μm以上であることが好ましく、さらには80μm以上であることが好ましい。基材11の厚さが50μm以上であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1の取り扱い性が優れたものとなる。また、基材11の厚さは、200μm以下であることが好ましく、特に180μm以下であることが好ましく、さらには150μm以下であることが好ましい。基材11の厚さが200μm以下であることで、優れたエキスパンド性を達成し易いものとなる。
(2)粘着剤層
本実施形態における粘着剤層12を構成する粘着剤としては、被着体に対する十分な粘着力(特に、ワークの加工を行うために十分となるような対ワーク粘着力)を発揮することができる限り、特に限定されない。粘着剤層12を構成する粘着剤の例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、所望の粘着力を発揮し易いという観点から、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
本実施形態における粘着剤層12を構成する粘着剤は、活性エネルギー線硬化性を有しない粘着剤であってよく、また、活性エネルギー線硬化性を有する粘着剤(以下、「活性エネルギー線硬化性粘着剤」という場合がある。)であってもよい。粘着剤層12が活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されている場合、活性エネルギー線の照射により粘着剤層12を硬化させて、ワーク加工用シート1の被着体に対する粘着力を容易に低下させることができる。特に、活性エネルギー線の照射によって、加工後のワークを当該ワーク加工用シート1から容易に分離することが可能となる。
上述した活性エネルギー線硬化性を有しない粘着剤および活性エネルギー線硬化性粘着剤としては、公知のものを使用することができる。
本実施形態における粘着剤層12の厚さは、1μm以上であることが好ましく、特に3μm以上であることが好ましく、さらには5μm以上であることが好ましい。また、粘着剤層12の厚さは、70μm以下であることが好ましく、特に30μm以下であることが好ましく、さらには15μm以下であることが好ましい。粘着剤層12の厚さが上述した範囲であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1が所望の粘着性を発揮し易いものとなる。
(3)剥離シート
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における基材11とは反対側の面(以下、「粘着面」という場合がある。)をワークに貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。
上記剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。当該プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。上記剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができ、これらの中でも、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。
上記剥離シートの厚さについては特に制限はなく、例えば、16μm以上、250μm以下であってよい。
(4)その他
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における基材11とは反対側の面に接着剤層が積層されていてもよい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、ダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。当該シートでは、接着剤層における粘着剤層12とは反対側の面にワークを貼付し、当該ワークとともに接着剤層をダイシングすることで、個片化された接着剤層が積層されたチップを得ることができる。当該チップは、この個片化された接着剤層によって、当該チップが搭載される対象に対して容易に固定することが可能となる。上述した接着剤層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と低分子量の熱硬化性接着成分とを含有するものや、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分を含有するもの等を用いることが好ましい。
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における粘着面に保護膜形成層が積層されていてもよい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、保護膜形成兼ダイシング用シートとして使用することができる。このようなシートでは、保護膜形成層における粘着剤層12とは反対側の面にワークを貼付し、当該ワークとともに保護膜形成層をダイシングすることで、個片化された保護膜形成層が積層されたチップを得ることができる。当該ワークとしては、片面に回路が形成されたものが使用されることが好ましく、この場合、通常、当該回路が形成された面とは反対側の面に保護膜形成層が積層される。個片化された保護膜形成層は、所定のタイミングで硬化させることで、十分な耐久性を有する保護膜をチップに形成することができる。保護膜形成層は、未硬化の硬化性接着剤からなることが好ましい。
2.ワーク加工用シートの物性等
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、基材11側の面と、アルミニウム板との間における、JIS K7125:1999に準じて、荷重1.96N、引張速度100mm/minにて測定される静止摩擦力が、4.0N以下であることが好ましく、特に3.5N以下であることが好ましく、さらには3.0N以下であることが好ましい。本実施形態に係る基材11は、フッ素原子比率が前述した範囲であることで、このように比較的低い静止摩擦力を達成し易いものとなる。そして、静止摩擦力が4.0N以下であることで、優れた低摩擦性を発揮し易いものとなる。なお、上記静止摩擦力の下限値については特に限定されず、例えば0.001N以上であってよく、特に0.005N以上であってよく、さらには0.01N以上であってよい。なお、上記静止摩擦力の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
3.ワーク加工用シートの製造方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1の製造方法は特に限定されない。例えば、剥離シート上に粘着剤層12を形成した後、当該粘着剤層12における剥離シートとは反対側の面に基材11の片面を積層することで、ワーク加工用シート1を得ることが好ましい。
上述した粘着剤層12の形成は、公知の方法により行うことができる。例えば、粘着剤層12を形成するための粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗布液を調製する。そして、剥離シートの剥離性を有する面(以下、「剥離面」という場合がある。)に上記塗布液を塗布する。続いて、得られた塗膜を乾燥させることで、粘着剤層12を形成することができる。
上述した塗布液の塗布は公知の方法により行うことができ、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により行うことができる。なお、塗布液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、粘着剤層12を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。また、剥離シートは工程材料として剥離してもよいし、被着体に貼付するまでの間、粘着剤層12を保護していてもよい。
粘着剤層12を形成するための粘着性組成物が前述した架橋剤を含有する場合には、上記の乾燥の条件(温度、時間など)を変えることにより、または加熱処理を別途設けることにより、塗膜内のポリマー成分と架橋剤との架橋反応を進行させ、粘着剤層12内に所望の存在密度で架橋構造を形成することが好ましい。さらに、上述した架橋反応を十分に進行させるために、粘着剤層12と基材11とを貼り合わせた後、例えば23℃、相対湿度50%の環境に数日間静置するといった養生を行ってもよい。
4.ワーク加工用シートの使用方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、半導体ウエハ等のワークの加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係るワーク加工用シート1の粘着面をワークに貼付した後、ワーク加工用シート1上にてワークの加工を行うことができる。当該加工に応じて、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、転写シート、バックグラインドシート、ダイシングシート、エキスパンドシート、ピックアップシート等として使用されることとなる。ここで、ワークの例としては、半導体ウエハ、半導体パッケージ等の半導体部材、ガラス板等のガラス部材が挙げられる。
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、前述した通り、その基材側の面が優れた低摩擦性を有するものとなり、それにより、ガイドロールやテープマウンター等への張り付きやそれに起因した問題の発生を良好に抑制することができる。この観点からは、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、ガイドロールによって搬送されるシートとしての使用や、テープマウンターを用いて取り扱われるシートとしての使用に好適である。より具体的には、転写シート、バックグラインドシート、ダイシングシート、エキスパンドシートまたはピックアップシートとして使用が好適である。
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、前述した通り、優れたエキスパンド性も示す。この観点からは、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、エキスパンドが行われるシートとしての使用が好適であり、具体的には、ダイシングシート、エキスパンドシートまたはピックアップシートとして使用が好適である。
より具体的には、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、その粘着剤層12側の面に複数のワークを積層する積層工程と、当該複数のワークが積層されたワーク加工用シートを延伸させて、当該複数のワーク同士を離間させるエキスパンド工程とを備えるワーク加工方法または半導体装置の製造方法に使用されることが好適である。これらの方法は、さらに、上記エキスパンド工程の後に、複数のワーク同士が離間した状態で、ワークを個々にピックアップするピックアップ工程を含んでもよい。
また、上述した方法において、上記複数のワークは、前述した半導体部材やガラス部材等が個片化されてなるチップであることが好ましい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シート1に対して、予め個片化して得ておいた複数のチップを積層してもよい。あるいは、本実施形態に係るワーク加工用シート1上において、半導体部材やガラス部材等を個片化して複数のチップを得てもよい。後者の場合、上述した方法においては、上記積層工程の代わりに、粘着剤層12における基材11と反対の面上にてワークを個片化するダイシング工程を行ってもよい。
上述した積層工程、ダイシング工程、エキスパンド工程およびピックアップ工程は、それぞれ従来の手法を用いて行うことができる。
なお、本実施形態に係るワーク加工用シート1が前述した接着剤層を備える場合には、当該ワーク加工用シート1は、ダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。さらに、本実施形態に係るワーク加工用シート1が前述した保護膜形成層を備える場合には、当該ワーク加工用シート1は、保護膜形成兼ダイシング用シートとして使用することができる。
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1における粘着剤層12が、前述した活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成される場合には、使用の際に、次のような活性エネルギー線の照射することも好ましい。すなわち、ワーク加工用シート1上にてワークの加工が完了し、加工後のワークをワーク加工用シート1から分離する場合に、当該分離の前に粘着剤層12に対して活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、粘着剤層12が硬化して、加工後のワークに対する粘着シートの粘着力が良好に低下し、加工後のワークの分離が容易となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本実施形態に係るワーク加工用シート1における基材11と粘着剤層12との間、または基材11における粘着剤層12とは反対側の面には、他の層が積層されていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)基材の作製
口径100mmの押出し機を取り付けた単層インフレーション製膜装置に、エーテル系熱可塑性ポリウレタン(ショアA硬度(JIS K 6253に基づいて測定):95,密度:1.12g/cm)にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)パウダー(MC山三ポリマーズ社製,製品名「エースフロン」)を添加して成る混合物を供給した。
そして、当該混合物を溶融混練した後、温度205℃の単層ダイスに導いて押出し、主成分として熱可塑性ポリウレタンを含む厚さ100μmの基材を製膜した。
なお、当該基材の片面(粘着剤層を積層する面とは反対側の面)のフッ素原子比率を、後述する試験例1に記載の通り測定したところ、0.37atm%であった。また、当該基材の両面の算術平均粗さRaを、接触式粗さ計(ミツトヨ社製,製品名「SV-3000」)を用いて測定(3回測定し、平均値を算出)したところ、一方の面(粘着剤層を積層する面とは反対側の面)が0.32μmであり、他方の面(粘着剤層を積層する面)が0.25μmであった。
(2)粘着性組成物の調製
アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)80質量部と、メタクリル酸メチル(MMA)10質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)10質量部とを溶液重合法により重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。当該重合体の重量平均分子量(Mw)を後述する方法によって測定したところ、58万であった。
得られた、(メタ)アクリル酸エステル重合100質量部(固形分換算,以下同じ)と、架橋剤としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東洋インキ社製,製品名「BHS-8518」)5質量部とを溶媒中で混合し、粘着性組成物の塗布液を得た。
(3)粘着剤層の形成
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」)の剥離面に対して、上記工程(2)で得られた粘着性組成物の塗布液を塗布し、加熱により乾燥させることで、剥離シート上に、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。これにより、剥離シートと粘着剤層とからなる積層体を得た。
(4)ワーク加工用シートの作製
上記工程(1)で得られた基材における片面(フッ素原子比率を測定した面とは反対側の面)と、上記工程(3)で得られた積層体における粘着剤層側の面とを貼り合わせることで、ワーク加工用シートを得た。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・測定装置:東ソー社製,HLC-8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK gel superH-H
TSK gel superHM-H
TSK gel superH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔実施例2~4および比較例2〕
基材のフッ素原子比率が表1に記載される値となるように、PTFEパウダーの添加量を変更した以外、実施例1と同様にしてワーク加工用シートを得た。
〔比較例1〕
口径100mmの押出し機を取り付けた単層インフレーション製膜装置に、エーテル系熱可塑性ポリウレタン(ショアA硬度(JIS K 6253に基づいて測定):95,密度:1.12g/cm)を供給した。そして、当該樹脂を溶融混練した後、温度205℃の単層ダイスに導いて押出し、主成分として熱可塑性ポリウレタンを含む厚さ100μmの基材を製膜した。これによって得られた基材を使用した以外は、実施例1と同様にしてワーク加工用シートを得た。
なお、得られた基材の片面(粘着剤層を積層する面とは反対側の面)のフッ素原子比率を、後述する試験例1に記載の通り測定したところ、0.00atm%であった。
〔試験例1〕(フッ素原子比率の測定)
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートを5mm×5mmのサイズに裁断し、測定用のサンプルを得た。そして、当該サンプルにおける基材側の面に対して、X線光電子分光分析(XPS)装置(アルバック社製,製品名「PHI Quantera SXM」)を用いて元素分析を行った。具体的には、C1s、N1s、O1sおよびF1sを測定し、検出されたF1sの比率をフッ素原子比率(atm%)として算出した。測定はそれぞれのサンプルについて2回行い、その平均値を算出した。その結果を表1に示す。
〔試験例2〕(静止摩擦力の測定)
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートにおける基材側の面について、JIS K7125:1999に準じて、荷重1.96N、引張速度100mm/minにてアルミニウム板に対する静止摩擦力(N)を測定した。測定はそれぞれのサンプルについて3回行い、その平均値を算出した。その結果を表1に示す。
〔試験例3〕(破断伸度および破断強度の測定)
実施例および比較例で使用した基材を幅15mm×長さ150mmのサイズに裁断し、測定用のサンプルを得た。当該サンプルについて、延伸可能部が100mmになるように万能引張試験機(島津製作所社製,製品名「AG-IS」)に設置した。そして、23℃、引張速度200mm/minでサンプルを引張り、サンプルの破断が生じた時の伸度および応力(強度)を、それぞれ破断伸度(%)および破断強度(N/15mm)とした。測定は各サンプルにつき、基材作製時の押出方向(MD方向)およびそれに対して垂直な方向(CD方向)のそれぞれについて3回行い、それら6回の測定の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
〔試験例4〕(低摩擦性の評価)
長さ20mおよび幅30cmの長尺状に製造した、実施例および比較例で製造したワーク加工用シートを、4本のガイドロールを用いて搬送し、その際の搬送不良等を確認することで、ワーク加工用シートの低摩擦性を評価した。
具体的には、図2に示されるように、ワーク加工用シートのロール体2からワーク加工用シート1を繰り出し、ガイドロール3a、ガイドロール3b、ガイドロール3cおよびガイドロール3dをこの順に経由させて、巻き芯30に巻き取った。ここで、ロール体2は、ワーク加工用シート1の基材側の面を外側として巻き取ったものを使用した。そのため、搬送の際には、ワーク加工用シート1の基材側の面と、ガイドロール3bおよびガイドロール3dとが接触することとなった。また、繰り出しの速度は、2m/minとした。
なお、4本のガイドロールとしては、それぞれ、直径20cm、幅60cmのサイズを有する金属製のものを使用した。隣り合うガイドロール間の間隔は、40cmとした。また、巻き芯4としては、直径3インチのABS製のものを使用した。
そして、以下の基準に基づいて、低摩擦性を評価した。結果を表1に示す。
〇:基材側の面がガイドロールに張り付く事なく、巻き芯4に20m全て良好に巻き取ることができた。
△:巻き芯4への巻き取りの際にワーク加工用シート1にシワや弛みが生じたものの、巻き芯4に20m全て良好に巻き取ることができた。
×:基材側の面がガイドロールに張り付く、巻き芯4への巻き取りの際にワーク加工用シート1にシワや弛みが生じる、および、ガイドロールにワーク加工用シート1が巻き付く、という3つの問題の少なくとも1つが生じ、巻き芯4への良好な巻き取りが出来なかった。
〔試験例5〕(エキスパンド性の評価)
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートからから剥離シートを剥離して露出した粘着剤層の露出面を、6インチリングフレームに貼付し、リングフレームの外径に合わせてワーク加工用シートを裁断した後、エキスパンド試験機(ジェイシーエム社製,製品名「ME-300B」)に設置した。そして、引き落とし量50mm、引き落とし速度5mm/sでリングフレームを引き落とすことで、ワーク加工用シートをエキスパンドした。その際のワーク加工用シートの状況に基づいて、以下の基準でエキスパンド性を評価した。結果を表1に示す。
◎:ワーク加工用シートが破断することも、降伏による白化が生じることもなく、エキスパンドすることができた。
〇:ワーク加工用シートが破断することなく、エキスパンドすることができた。
×:ワーク加工用シートが破断したり、降伏による白化が生じたりして、エキスパンドすることができなかった。
Figure 2023093908000002
表1から明らかなように、実施例で製造したワーク加工用シートは、優れた低摩擦性を示し、良好な搬送が可能でありながらも、優れたエキスパンド性を示した。
本発明のワーク加工用シートは、半導体ウエハ等のワークの加工に好適に使用することができる。
1…ワーク加工用シート
11…基材
12…粘着剤層
2:ロール体
3a,3b,3c,3d:ガイドロール
4:巻き芯

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材における片面側に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用シートであって、
    前記基材における前記粘着剤層とは反対側の面におけるX線光電子分光分析(XPS)で測定したフッ素原子比率が、0.01atm%以上、2.5atm%以下である
    ことを特徴とするワーク加工用シート。
  2. 前記フッ素原子比率は、0.35atm%以上であることを特徴とする請求項1に記載のワーク加工用シート。
  3. 前記基材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のワーク加工用シート。
  4. 前記基材は、熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の少なくとも一種の樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  5. 前記ワーク加工用シートにおける前記基材側の面と、アルミニウム板との間における、JIS K7125:1999に準じて、荷重1.96N、引張速度100mm/minにて測定される静止摩擦力は、4.0N以上、0.001N以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  6. 前記基材は、23℃にて行った引張試験による破断伸度が400%以上、1000%以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  7. 前記基材は、23℃にて行った引張試験による破断強度が90N/15mm以上、20N/15mm以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のワーク加工用シートにおける前記粘着剤層側の面に複数のワークを積層する積層工程と、
    前記複数のワークが積層された前記ワーク加工用シートを延伸させて、前記複数のワーク同士を離間させるエキスパンド工程と
    を備えることを特徴とするワーク加工方法。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載のワーク加工用シートのワーク加工方法のための使用であって、 前記ワーク加工方法は、
    前記ワーク加工用シートにおける前記粘着剤層側の面に複数のワークを積層する積層工程と、
    前記複数のワークが積層された前記ワーク加工用シートを延伸させて、前記複数のワーク同士を離間させるエキスパンド工程と
    を備えることを特徴とする使用。
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