JP2023093033A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自発光型のディスプレイにおける表示制御を行う表示装置に関する。
近年、薄型化や表示品位の向上等の観点から、有機発光ダイオード(OLED)などにより画素群が構成された自発光型のディスプレイを有する表示装置が有力視されている。この種の表示装置は、表示画面の大型化も進められており、これに伴い、表示品位の確保と低消費電力との両立が求められている。
例えば特許文献1に記載の表示装置は、自発光素子によりなる赤色の画素、緑色の画素および青色の画素について、人間の視覚特性を考慮して表示色に応じてその駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)回路における初期電位差を切り替える構成となっている。これにより、人間が色度の違いに敏感な青色の画素を高輝度で、人間が色度の違いに鈍感な緑色の画素を低輝度で駆動させ、表示品位を確保しつつ、電力消費が抑制される。
この種の表示装置の分野では、ディスプレイに表示された画像における文字等の情報の見易さの確保と、さらなる電力消費の抑制とが求められている。本発明者らによる鋭意検討の結果、ディスプレイに表示された情報の見易さは、人間の視覚特性に起因して表示色ごとに異なることが判明した。ここでいうディスプレイに表示された情報の見易さとは、文字等の当該情報のサイズと人間が当該情報を認識するのに要した時間との関係により定まるものであり、そのサイズが小さい、またはその時間が短いほど、人間の視角特性上では見易いことを意味する。以下、説明の簡便化のため、ディスプレイに表示された情報の見易さを単に「視認性」と称する。上記の検討の結果、表示色が白、緑、赤、青の順に視認性が低下することが判明した。つまり、青の表示色は、色度の違いについては人間の視角特性で鋭敏に感じ取られるものの、視認性を確保するために表示する情報のサイズを大きくする必要がある。
特許文献1に記載の表示装置は、ディスプレイの表示品位の確保のため、色度の違いに敏感な青色の画素ほど輝度を高くする必要がある。しかし、この表示装置は、ディスプレイに表示する画像において青基調の領域が多いほど高輝度の領域が増えるため、青基調の画像を表示する場合には、消費電力が高くなり、電力消費を抑制することが難しく、視認性を確保できないおそれがある。
本発明は、上記の点に鑑み、自発光型のディスプレイにおける表示画像の視認性確保および低消費電力を両立可能な表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の表示装置は、緑、赤、青の発光色の自発光素子によりなる画素群を有する自発光型のディスプレイ(2)と、ディスプレイに表示される画像のうち少なくとも一部の領域について、青および赤の画素群の少なくとも一方の輝度を下げる画像変換処理を行う変換処理部(33)と、画像変換処理が必要なモードであるか否かを判定するモード判定部(31)と、を備え、変換処理部は、画像の変換処理が必要なモードであるとモード判定部が判定した場合に画像変換処理を実行する。
この表示装置は、緑、赤、青の発光色の画素群を有する自発光型のディスプレイと、当該ディスプレイに表示される画像の変換処理を行う変換処理部とを有する。この変換処理部は、表示画像の少なくとも一部について青および赤の画素群の少なくとも一方の輝度を下げる画像変換処理を行う。人間の視角特性上、視認性が低い赤および青の表示色を用いた場合、視認性確保のために表示サイズを他の表示色に比べて大きくする必要があるが、この画像変換処理により視認性が高い他の表示色が基調の画像に変換されるため、視認性を確保できる。また、変換処理部による上記の画像変換処理が実行された場合、変換処理後の画像をディスプレイに表示させたときの消費電力は、変換処理前の画像を表示させたときよりも低くなる。よって、この表示装置は、視認性の確保および低消費電力を両立可能な構成となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置が適用された表示システム1について説明する。本実施形態の表示装置は、例えば、車載用途のように、ディスプレイの画面を常に注視できない状況で使用される用途に適用されると好適であるが、勿論、他の用途にも適用されうる。本明細書では、自動車等の車両に搭載される車載用表示システムに適用される場合を代表例として説明するが、この代表例に限定されるものではない。
第1実施形態の表示装置が適用された表示システム1について説明する。本実施形態の表示装置は、例えば、車載用途のように、ディスプレイの画面を常に注視できない状況で使用される用途に適用されると好適であるが、勿論、他の用途にも適用されうる。本明細書では、自動車等の車両に搭載される車載用表示システムに適用される場合を代表例として説明するが、この代表例に限定されるものではない。
〔基本構成〕
表示システム1は、例えば図1に示すように、自発光型のディスプレイ2と、制御部3と、車載機器4と、車内LAN(Local Area Networkの略)5とを有してなる。表示システム1は、例えば、自動車等の車両などの移動体に搭載されると共に、車載機器4等からの各種信号に基づいて制御部3が必要に応じて画像変換処理を行い、ディスプレイ2に当該画像変換処理後の画像に対応する映像信号を出力する構成となっている。
表示システム1は、例えば図1に示すように、自発光型のディスプレイ2と、制御部3と、車載機器4と、車内LAN(Local Area Networkの略)5とを有してなる。表示システム1は、例えば、自動車等の車両などの移動体に搭載されると共に、車載機器4等からの各種信号に基づいて制御部3が必要に応じて画像変換処理を行い、ディスプレイ2に当該画像変換処理後の画像に対応する映像信号を出力する構成となっている。
ディスプレイ2は、例えば、OLED等の自発光素子により構成された複数の画素群と、当該画素群を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)回路とを有する自発光型の表示体である。ディスプレイ2は、例えば、緑、赤および青の発光色の異なる3つの副画素で構成された主画素が繰り返し平面方向に配列された画素群を有してなり、制御部3からの映像出力信号に対応する画像表示を行う。ディスプレイ2は、図示しない外部電源に接続されると共に、発光色の異なる自発光素子ごと、すなわち副画素ごとに駆動電圧を可変して印加することで、輝度の調整が可能な構成となっている。
なお、本明細書では、ディスプレイ2がOLEDディスプレイである場合を代表例として説明するが、OLEDディスプレイ等の自発光型のディスプレイについては公知であるため、ディスプレイ自体の詳細な説明については省略する。また、自発光素子としては、OLEDを代表例として説明するが、これに限定されるものではなく、無機ELやマイクロLEDなどの他の自発光素子であっても構わない。
制御部3は、ディスプレイ2による画像表示を制御する表示制御装置に相当するものであり、車載機器4から伝えられる各種信号に基づいてディスプレイ2での画像表示を制御する。制御部3は、例えば、ディスプレイ2とは直接的に接続配線を介して接続され、車載機器4とは車載用通信バス(以下、車内LAN(Local Area Network))5を通じて接続されている。なお、制御部3は、車載機器4の一部と直接接続され、各種信号が入力される構成であってもよい。
制御部3は、例えば、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えるマイクロコンピュータによって構成されている。制御部3は、例えば、図示しない記録媒体に記録されている各種プログラムを読み出して実行することで、車載機器4から伝えられる各種信号や情報に基づいてディスプレイ2に表示させる画像の映像信号の出力を行う。制御部3は、必要に応じて、ディスプレイ2での視認性を確保しつつ、低消費電力とするための画像変換処理を行い、画像変換処理後の画像に対応する映像信号を出力する構成となっている。制御部3は、モード判定部31と、映像入力部32と、変換処理部33と、映像出力部34とを有してなる。
モード判定部31は、例えば、後述する変換処理部33による画像変換処理を実行するモードであるか否かを判定し、その判定結果に応じた信号を変換処理部33に出力する。モード判定部31は、本実施形態では、例えば、車載機器4のモード入力部41からの入力信号の有無に基づいて、画像変換処理を実行する「省エネルギーモード」であるか否かを判定し、その判定結果を電気信号で出力する構成となっている。なお、以下、説明の便宜上、変換処理部33が画像変換処理を実行しないモードを「通常モード」と称する。
映像入力部32は、例えば、車載機器4から直接もしくは車内LAN5を通じて映像信号に基づいて画像データを生成し、変換処理部33または映像出力部34に出力する。例えば、映像入力部32で生成された画像データは、モード判定部31が省エネルギーモードであると判定した場合、変換処理部33における画像変換処理に用いられ、通常モードであると判定された場合には映像出力部34に出力される。
変換処理部33は、必要に応じて、例えば、映像入力部32から出力される画像データを赤および青の少なくとも一方の輝度が下げた画像変換処理を実行する。変換処理部33は、例えば、本実施形態では、モード判定部31が省エネルギーモードであると判定した場合に、ディスプレイ2に表示される画像における文字、数字、図形や記号等の所定の情報の視認性を確保しつつも、低消費電力の画像への変換を行う。変換処理部33は、例えば、本実施形態では、映像入力部32からの画像を緑の副画素の輝度を維持しつつ、赤および青の副画素の少なくとも一方の輝度を下げた画像に変換し、変換処理後の画像データを映像出力部34に入力する。変換処理部33による画像変換処理についての詳細は後述する。
映像出力部34は、例えば、映像入力部32が生成した画像データまたは変換処理部33による変換処理後の画像データに対応する映像信号をディスプレイ2に出力する。例えば、映像出力部34は、モード判定部31が省エネルギーモードであると判定した場合には変換処理部33による変換処理後の画像データ、そうでない場合には映像入力部32からの画像データ、のそれぞれに対応する映像信号をディスプレイ2に出力する。
車載機器4は、映像信号や表示システム1が搭載される車両情報などを制御部3に入力する各種電子機器やセンサ等で構成されている。ここでは、車載機器4として、モード入力部41、車両ECU(Electronic Control Unit)42、ナビゲーション装置43、マルチメディア44を有してなる例を説明するが、あくまで一例に過ぎず、ここで示した機器以外のものを有した構成であってもよい。本実施形態では、車載機器4は、少なくともモード入力部41を有している。
モード入力部41は、例えば、ユーザが手動でオン/オフが切り替え可能なスイッチであり、オン状態の場合に信号を出力する。モード入力部41は、例えば、押圧によりオン状態またはオフ状態となり、その一方もしくは両方の状態に対応した信号を出力する押しボタン式のスイッチ装置とされる。モード入力部41は、例えば、車載用途の場合にはインストルメントパネル等のユーザの手が届く箇所に配置され、オン状態のときに信号を出力する構成とされる。この場合、モード判定部31は、モード入力部41からのオン信号が入力されたときには「省エネルギーモード」と判定し、オン信号の入力がないときには「通常モード」と判定する。つまり、モード入力部41は、変換処理部33による画像変換処理が必要なモードであるか否かをユーザが手動で入力するためのスイッチ装置である。
車両ECU42は、例えば、表示システム1が搭載された自車両に関する各種の車両情報を取得し、その情報を電気信号として制御部3に入力する。例えば、車両ECU42は、自車両に搭載された各種車載センサ等から自車両の傾斜角度などの車両状態を示す情報を取得し、当該情報に応じた電気信号を制御部3に入力する。
ナビゲーション装置43は、例えば、地図データベースに記憶してある地図情報に基づいて、自車両の現在位置や地図の映像などを示す映像信号を制御部3に入力する。また、ナビゲーション装置43は、例えば、ユーザの操作に基づいて、例えば目的地設定を行うための映像や、車両周辺もしくは目的地周辺の施設や店舗情報に関する映像などを示す映像信号を制御部3に入力する。さらに、ナビゲーション装置43は、例えば、公知のGPS(Global Positioning System)により車両の緯度、経度、現在時刻、車両が向いている方位に関する情報を取得し、これらの情報を制御部3に入力する。なお、ナビゲーション装置43は、例えば、上記した各種情報を直接または車内LAN5を介して制御部3に入力するが、車両ECU42に入力し、車両ECU42経由でこれらの情報を制御部3に入力する構成であってもよい。この場合、上記の情報を車両ECU42が各種信号を制御部3に直接または車内LAN5を介して入力することとなる。
マルチメディア44は、文字や画像、動画、音声など、様々な種類・形式のメディアを組み合わせされて複合的に扱うことができるものである。メディアは、情報の記録、伝達、保管などを行う装置、媒体であり、車両においてはテレビ放送局、動画サイトなどの表示画像とする映像の提供媒体、もしくは、動画などを記録したUSB(Universal Serial Bus)メモリー等の記録媒体等が該当する。マルチメディア44は、それらメディアからの映像信号を無線通信もしくはUSBケーブルなどの通信バスを通じて制御部3に入力する。
以上が、表示システム1の基本的な構成である。
〔表示色と視認性との関係〕
次に、ディスプレイ2における表示色と表示色で示された文字等の情報の視認性との関係について図2を参照して説明する。
次に、ディスプレイ2における表示色と表示色で示された文字等の情報の視認性との関係について図2を参照して説明する。
図2は、国際照明委員会(CIE)が1976年に採択したUCS色度図であって、縦軸をv´、横軸をu´で示した(v´、u´)色度図に、本発明者らによる視認性の評価結果を重ねたものである。UCSは、uniform chromaticity scaleの略である。図2では、白(W)、緑(G)、赤(R)、青(B)のそれぞれの領域を分かり易くするため、各色調のおおよその境界を二点鎖線で示し、各領域にW、G、R、Bの符号を付している。
本発明者らの鋭意検討によれば、自発光型のディスプレイ2に表示される画像の視認性と表示色との間には、図2に示す関係があることが判明した。具体的には、白、緑、赤、青のそれぞれ色調で所定の情報を所定のサイズでディスプレイ2に表示させ、多数の人間が当該情報を認識するに要した時間(以下「認識時間」という)について評価を行った。例えば、色調および文字サイズ(視角)を変えて所定の情報(例えば文字など)を含む画像を表示し、多数の人間について認識時間を記録した。そして、認識時間が所定以下(例えば2秒など)であった人数の全体に対する割合が例えば8割を超えた場合を、視認性が確保できるものとして評価した。
上記および図2における文字サイズ(視角)とは、ディスプレイに表示した文字のサイズを視角で示したものである。また、文字サイズ(視角2.0分)とは、ディスプレイに表示された文字が、ディスプレイから所定距離に位置する観察者の眼を節点とし、当該節点と当該文字の両端とを繋ぐ2つの仮想直線のなす角度が2.0分となるサイズであることを意味する。文字サイズ(視角2.5分)、文字サイズ(視角4.0分)とは、ディスプレイに表示した文字が、上記した角度において2.5分、4.0分となるサイズであることを意味する。また、上記の文字サイズと視認性との評価における認識時間の設定については、一例であり、これに限定されるものではない。なお、文字サイズは、上記の例に限られず、例えばlogMARなどの他の視標で規定されてもよい。MARとは最小視角であり、minimum angle of resolutionの略である。例えば、文字サイズ視角2.0分、2.5分、4.0分とは、logMARで表すと、それぞれ、0.3、0.4、0.6となる。
上記した評価の結果、図2において破線で示すように、同じ認識時間にて各色調が要する文字サイズ(視角)を比較したところ、白、緑が視角2.0分、赤および赤に近い青が視角2.5分、青が視角4.0分であった。これは、表示した情報を人間の眼で認識させるためには、白、緑で表示された場合には小さいサイズでも足りるのに対し、赤、青で表示された場合ではより大きいサイズである必要があることを示している。つまり、視認性は、白、緑の表示色では高く、赤、青の表示色の順に低くなる。
また、白をRGBで表示する場合には、RGBの副画素を例えばR:G:B=1:1:2の輝度比で発光させる必要があり、消費電力の観点ではB(青)の寄与が最も大きい。そこで、本発明者らは、上記の表示色と視認性との関係性から、視認性を確保しつつ、低消費電力とするためには、視認性の高い緑を基調とし、視認性の低い赤および青の少なくとも一方の輝度を下げた画像に変換する手法を考案するに至った。
〔画像変換処理〕
次に、変換処理部33で実行される画像変換処理の例について、図3、図4を参照して説明する。
次に、変換処理部33で実行される画像変換処理の例について、図3、図4を参照して説明する。
図3、図4では、ディスプレイ2に表示される画像の一例を示すと共に、色調の変化を分かり易くするため、断面を示すものではないが、画像の一部または全部にハッチングを施している。
ディスプレイ2は、例えば図3に示すように、スピードメータ、タコメータ、車速、現在時刻、気温、走行中の道路の制限速度や現在時刻に合わせた背景などを含む画像を表示する。図3に示す画像は、例えば、夜間の時刻に合わせた背景となっており、全体的に黒もしくはこれに近い色を表示する暗い色調の一例である。変換処理部33は、例えば、変換処理前の画像におけるRGBの輝度をそれぞれ1とした場合、R、Gの画素群については1で維持しつつ、Bの画素群については輝度がゼロまたはこれに近いレベルまで下がるように階調を変更する画像変換処理を実行する。この場合、変換処理後の画像は、例えば図3に示すように全体的に色調が変化すると共に、人の視角特性において視認性が高い緑が基調となるため、画像の視認性が確保されている。また、変換処理後の画像は、変換処理前に比べて、少なくともBの画素群の輝度が低くなる階調であり、その分だけディスプレイ2の消費電力を低減することができる。そのため、変換処理部33は、画像変換処理により、視認性確保と低消費電力とを両立させる役割を果たす。
また、ディスプレイ2は、例えば図4に示すように、座席、カーエアコンの風向き、風量や設定温度、他のコンテンツに対応する各種アイコンや他のコンテンツに関連付けられた背景等を表示する。図4に示す画像は、例えば、昼間の時刻に合わせた背景となっており、全体的に白もしくはこれに近い色を表示する明るい色調の一例である。この場合、変換処理部33は、例えば、変換処理前の画像におけるRGBの輝度をそれぞれ1とした場合、R、Gの画素群については1で維持しつつ、Bの画素群については輝度が0.5程度まで下がるように階調を変更する画像変換処理を実行する。これは、白の色調をRGBで表現する場合におけるBの輝度割合が大きく、Bの画素群の輝度をゼロまたはこれに近いレベルにまで下げるとユーザに与える違和感が大きいことから、その違和感を低減するためである。この場合、例えば、変換処理後の画像は、R:G:Bの輝度比率が1:1:1から1:1:0.5となり、視認性が高いGを維持しつつ、視認性の低いBの画素群の輝度を下げることとなるため、視認性確保と低消費電力との両立が可能となっている。
上記のように、変換処理部33は、省エネルギーモードである場合には、ディスプレイ2に表示させる画像についてその色調に合わせた画像変換処理を実行する。なお、上記では、Rの画素群の輝度を変換処理前の状態で維持した例について説明したが、これに限定されるものではなく、変換処理部33は、Bの画素群に加えて、Rの画素群の輝度も下げる階調に変更した画像に変換する処理を実行してもよい。また、変換処理部33は、変換処理前の画像を表示させた場合におけるRの画素群の消費電力が最も大きい場合には、G、Bの画素群の輝度を変換処理前に維持しつつ、Rの画素群の輝度を下げる階調変更をした画像に変換する処理を実行してもよい。さらに、変換処理部33による画像変換処理でのR、Bの画素群の輝度の下げ幅やRとBとのいずれを優先して輝度を下げるかの優先順位については、上記の例に限定されるものではく、ユーザによる手動設定やコンテンツの種類等に応じて適宜変更されてもよい。
〔処理動作例〕
本実施形態の表示システム1は、例えば、ディスプレイ2の電源がオン状態になる、あるいは表示システム1が搭載された自車両のイグニッションがオン状態になる等の所定の開始条件を満たした場合に、図5に示す制御フローを実行する構成とされる。
本実施形態の表示システム1は、例えば、ディスプレイ2の電源がオン状態になる、あるいは表示システム1が搭載された自車両のイグニッションがオン状態になる等の所定の開始条件を満たした場合に、図5に示す制御フローを実行する構成とされる。
ステップS110では、例えば、モード判定部31は、モード入力部41からの信号の有無に基づいて省エネルギーモードであるか否かの判定を行い、判定結果に応じた信号を変換処理部33に入力する。制御部3は、ステップS110にて否定判定の場合すなわち通常モードの場合にはステップS120に、ステップS110にて肯定判定の場合すなわち省エネルギーモードである場合にはステップS130に、それぞれ処理を進める。
ステップS120では、変換処理部33が画像変換処理を実行せず、映像出力部34は、映像入力部32からの画像データに対応する映像信号をディスプレイ2に出力し、変換処理がされていない画像をディスプレイ2に表示させる。
ステップS130では、変換処理部33は、例えば、映像入力部32からの画像データについて赤および青の少なくとも一方の輝度を下げる画像変換処理を実行し、変換処理後の画像データを映像出力部34に入力する。
続くステップS140では、映像出力部34は、変換処理部33による変換処理後の画像に対応する映像信号をディスプレイ2に出力し、ディスプレイ2に変換処理後の画像を表示させる。
制御部3は、例えば、ステップS110からステップS120またはステップS140までの処理をディスプレイ2の電源がオフ状態となるまで繰り返す。
本実施形態の表示システム1は、モード判定部31が省エネルギーモードであると判定した場合、変換処理部33がディスプレイ2の赤および青の少なくとも一方の画素群の輝度を下げる画像変換処理を実行し、変換処理後の画像をディスプレイ2に表示させる。これにより、変換処理後の画像が視認性の高い緑の表示色が基調の画像となり、視認性を確保しつつ、視認性の低い赤および青の少なくとも一方の輝度を下げることで低消費電力を可能とする効果が得られる。
(第1実施形態の変形例)
モード判定部31は、車載機器4のモード入力部41からの入力信号の有無により、省エネルギーモードか否かを判定し、判定結果に応じた信号を変換処理部33に入力する例に限られず、車載機器4からの各種信号等に応じて判定を実行してもよい。
モード判定部31は、車載機器4のモード入力部41からの入力信号の有無により、省エネルギーモードか否かを判定し、判定結果に応じた信号を変換処理部33に入力する例に限られず、車載機器4からの各種信号等に応じて判定を実行してもよい。
モード判定部31は、例えば図6に示すように、車載機器4等から車載バッテリーの残量、車載機器4の使用履歴や使用状況等の各種情報に基づいて、消費電力を下げる必要がある状況か否かを判定し、判定結果に応じた信号を出力する構成であってもよい。この場合、例えば、入力される各情報に対応するモード判定の条件が制御部3の図示しない記録媒体に記録されており、モード判定部31は、当該判定条件に基づいて省エネルギーモードであるか否かの判定を実行する。
なお、モード判定部31に入力される情報については、上記した例に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。また、モード判定の条件は、例えば、「バッテリー残量が50%以下であるか否か」、「使用履歴または使用状況に基づいて推定される所定時間内における車載機器4の消費電力が閾値以上であるか否か」などが挙げられるが、入力情報に応じて適宜変更されうる。また、車載バッテリーの残量を判定条件とする場合、当該車載バッテリーは、例えばディスプレイ2の電源として用いられる外部電源である。
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる表示システム1となる。また、ユーザの手動操作によらず、自動的に省エネルギーモードに移行し、状況に応じた画像変換処理を実行するため、利便性がより向上する効果も得られる。なお、変形例の表示システム1は、モード入力部41を有した構成であってもよいし、モード入力部41を有しない構成であってもよく、前者の場合にはモード入力部41を併用した構成とされる。
(第2実施形態)
第2実施形態の表示システム1について、図7~図10を参照して説明する。
第2実施形態の表示システム1について、図7~図10を参照して説明する。
図8では、画像変換処理による色調の変化を示すため、断面を示すものではないが、ディスプレイ2の表示部2aの一部にハッチングを施している。
本実施形態の表示システム1は、例えば図7に示すように、制御部3が日射推定部35を有し、車載機器4として車載センサ45が搭載されている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
制御部3は、本実施形態では、例えば図8に示すように、ディスプレイ2のうち画像等を表示する領域である表示部2aに日射が当たっている場合において、日射領域R1を推定する日射推定部35を有している。日射領域R1とは、表示部2aのうち日射が当たっている領域を意味する。以下、説明の便宜上、表示部2aのうち日射が当たっていない領域を「非日射領域R2」と称する。
日射推定部35は、例えば、照度センサ等の日射の光量に応じた信号を出力する車載センサ45からの照度信号に基づいて日射領域を推定し、推定した日射領域に応じた信号をモード判定部31に入力する。照度信号を出力する車載センサ45は、例えば、ディスプレイ2の近傍領域に複数配置され、ディスプレイ2の表示部2aを複数に分割してなる分割領域に関連付けされている。そして、日射推定部35は、例えば、複数の車載センサ45からの照度信号に基づいて、所定以上の強度の照度信号を出力する車載センサ45が関連付けられた分割領域を日射領域として推定する。
なお、日射推定部35における日射領域の推定については、上記した方法に限定されるものではない。例えば、日射推定部35は、ナビゲーション装置43等から太陽の位置や緯度、経度等の太陽情報と、自車両の向きや傾き等の車両情報とを取得し、これらに基づいて太陽の日射方向およびディスプレイ2への日射方向を推定する構成であってもよい。そして、日射推定部35は、表示システム1が搭載される自車両の3Dデータとディスプレイ2への日射方向とに基づいて予め作成した推定日射領域のデータベースと、推定したディスプレイ2の日射方向とに基づいて、日射領域を推定する構成であってもよい。このように、日射推定部35におけるディスプレイ2の日射領域の推定については、照度信号以外のものを用いた他の方法であってもよいし、他の公知の方法であってもよい。
車載センサ45は、表示システム1が搭載される自車両に搭載される各種センサであり、例えば、照度センサ、ジャイロセンサ、温度センサや加速度センサ等とされ、自身に印加された物理量に応じた電気信号を出力する。車載センサ45からの電気信号は、制御部3に直接入力されてもよいし、車両ECU42等を介して車内LAN5から制御部3に入力されてもよい。
例えば、制御部3は、本実施形態では、図9に示すように、車載センサ45からの照度信号が日射推定部35に入力され、日射推定部35で推定された日射領域R1に対応する信号がモード判定部31に入力される。
モード判定部31は、本実施形態では、例えば、日射推定部35からの入力信号に基づいて日射領域R1が存在するか否かを判定し、その判定結果に応じた信号を変換処理部33に入力する。言い換えると、モード判定部31は、本実施形態では、日射領域R1が存在すると推定される場合には画像変換処理が必要な第1のモードであると判定し、そうでない場合には画像変換処理が不要な第2のモードであると判定する構成である。
変換処理部33は、本実施形態では、日射領域R1が存在するとモード判定部31が判定した場合、すなわち第1のモードである場合に、日射領域R1について画像変換処理を実行する。例えば、変換処理部33は、図8に示すように、日射推定部35によりディスプレイ2の表示部2aに日射領域R1および非日射領域R2が存在すると推定された場合、画像のうち日射領域R1に位置する一部の領域について画像変換処理を行う。以下、説明の簡便化のため、ディスプレイ2に表示される画像のうち日射領域R1に位置する領域を「第1領域」と称し、非日射領域R2に位置する領域を「第2領域」と称する。
例えば、変換処理部33は、画像変換処理前の画像におけるRGBの輝度をそれぞれ1とした場合、第1領域についてR、Bの輝度が0となり、Gの輝度が1.5となるように階調を変更した画像に変換する。その結果、視認性が高いGの階調を大きくして目視の輝度および視認性を維持しつつ、視認性が低いR、Bの階調を0とすることで低消費電力とすることができる。また、変換処理部33は、第2領域については画像変換処理を実行せず、非日射領域R2におけるRGBの輝度を維持する。
本実施形態の表示システム1は、例えば図10に示す制御フローを実行する。例えば、制御部3は、イグニッションがオン状態になる等の所定の開始条件を満たした場合に、図10に示す制御フローを実行する。
ステップS210では、例えば車載センサ45のうちディスプレイ2の近傍に配置された複数の照度センサが照度信号を出力する。
ステップS220では、日射推定部35は、ステップS210で出力された照度信号に基づいてディスプレイ2における日射領域R1を推定し、推定結果に応じた信号をモード判定部31に入力する。
ステップS230では、モード判定部31は、例えば、日射推定部35からの入力信号に基づいて日射領域R1が存在するか否かを判定する。制御部3は、ステップS230にて否定判定の場合には処理をステップS120に、ステップS230にて肯定判定の場合には処理をステップS130に、それぞれ処理を進める。
ステップS120は、本実施形態では、ステップS230にて否定判定、すなわち日射領域R1が存在しないと推定される場合に実行される。ステップS120では、例えば、変換処理部33が画像変換処理を実行しない第2のモードであるため、映像出力部34は、映像入力部32の画像データに対応する映像信号をディスプレイ2に出力する。
ステップS130は、本実施形態では、ステップS230にて肯定判定、すなわち日射領域R1が存在すると推定される場合に実行される。ステップS130では、変換処理部33は、例えば、画像のうち第1領域についてR、Bの階調を下げ、Gの階調を上げる画像変換処理を実行する。
続くステップS140では、映像出力部34が変換処理部33による変換処理後の画像に対応する映像信号をディスプレイ2に出力し、ディスプレイ2に変換処理後の画像を表示させる。
制御部3は、例えば、ステップS210からステップS120またはステップS140までの処理をディスプレイ2の電源がオフ状態となるまで繰り返す。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる表示システム1となる。また、日射が当たることで画面の一部または全部が見づらくなるような状況においても、画像の視認性確保および低消費電力を両立できる効果も得られる。
(第3実施形態)
第3実施形態の表示システム1について、図11~図15を参照して説明する。
第3実施形態の表示システム1について、図11~図15を参照して説明する。
図12、図15では、画像変換処理による色調の変化を示すため、断面を示すものではないが、ディスプレイ2の表示部2aの一部にハッチングを施している。
本実施形態の表示システム1は、例えば図11に示すように、制御部3が視野推定部36を有し、車載機器4としてユーザ撮像部46が搭載されている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
視野推定部36は、例えば図12に示すように、ディスプレイ2の表示部2aのうちユーザの中心視野に位置する領域である視認領域R3と、当該ユーザの周辺視野に位置する周辺領域R4とを推定し、その推定結果に応じた信号をモード判定部31に入力する。視野推定部36は、例えば、ユーザ撮像部46から出力されるユーザの視線情報と、自車両におけるディスプレイ2の座標情報とに基づいて、視認領域R3と周辺領域R4とを推定する。例えば、視野推定部36は、ユーザの視線方向のなす直線とディスプレイ2の表示部2aとの交点の座標を算出し、当該交点を中心とした所定の範囲内の視野角(例えば10度以内)に位置する領域を視認領域R3として推定する。また、視野推定部36は、例えば、上記の算出した交点を中心とする所定の範囲内の視野角(例えば30度以内)に位置する領域であって、視認領域R3よりも外側に位置する領域を周辺領域R4として推定する。なお、視認領域R3および周辺領域R4の推定における視野角の設定については、上記の例に限定されるものではなく、撮像対象のユーザと表示部2aとの距離等に応じて適宜変更されてもよい。
ユーザ撮像部46は、ディスプレイ2を使用する所定のユーザ(例えば車載用途の場合には運転者など)を撮像する撮像装置である。ユーザ撮像部46は、例えば、ユーザの眼を含む所定の領域を撮像すると共に、撮像したデータに基づいて当該ユーザの視線方向を推定する視線推定部461を備える。ユーザ撮像部46は、例えば、車載用途の場合には、株式会社デンソー製のドライバーステータスモニター(登録商標)が用いられうるが、他の撮像装置であってもよい。
視線推定部461は、例えば、公知の画像認証技術によりユーザ撮像部46が撮像した撮像データにおけるユーザの瞳孔の変化等を解析し、当該ユーザの視線方向を推定する。視線推定部461は、例えば、推定した視線方向に応じた信号を制御部3に出力する。なお、視線推定部461が推定した視線方向の情報は、制御部3に直接入力されてもよいし、車両ECU42等を介して制御部3に入力されてもよい。
例えば、制御部3は、本実施形態では、図13に示すように、視線推定部461からの視線情報が視野推定部36に入力され、視野推定部36で推定された視認領域R3および周辺領域R4に対応する信号がモード判定部31に入力される。
モード判定部31は、本実施形態では、例えば、視野推定部36からの入力信号に基づいて表示部2aに視認領域R3とは異なる領域が存在するか否かを判定し、その判定結果に応じた信号を変換処理部33に入力する。言い換えると、モード判定部31は、本実施形態では、視認領域R3以外の領域が生じていると推定される場合には画像変換処理を実行する第1のモードであると判定し、そうでない場合には画像変換処理を実行しない第2のモードであると判定する構成である。
変換処理部33は、本実施形態では、視認領域R3以外の領域が存在するとモード判定部31が判定した場合、すなわち第1のモードである場合に、視認領域R3以外の領域について画像変換処理を実行する。例えば、変換処理部33は、図12に示すように、視野推定部36によりディスプレイ2の表示部2aに視認領域R3および周辺領域R4が存在すると推定された場合、画像のうち周辺領域R4に位置する一部の領域について画像変換処理を行う。以下、説明の簡便化のため、ディスプレイ2に表示される画像のうち視認領域R3に位置する領域を「第3領域」と称し、周辺領域R4に位置する領域を「第4領域」と称する。
例えば、変換処理部33は、画像変換処理前の画像におけるRGBの輝度をそれぞれ1とした場合、第4領域についてR、Bの輝度が1未満となり、Gの輝度が1で維持されるように階調を変更した画像に変換する。その結果、視認性が高いGの階調を大きくして目視の輝度および視認性を維持しつつ、視認性が低いR、Bの階調を下げることで低消費電力とすることができる。また、変換処理部33は、第3領域については画像変換処理を実行せず、視認領域R3におけるRGBの輝度を維持する。これにより、表示部2aのうちユーザの中心視野および有効視野における画像の表示品位を維持しつつ、周辺視野において視認性確保および低消費電力を両立する色調に切り替えることで、ユーザに違和感を覚えさせない画像変換処理が実行される。
なお、視野推定部36は、例えば図14に示すように、表示部2aのうち周辺領域R4よりもさらに外側の領域、すなわち人間の視角特性上、画像をほぼ認識できない領域を視野外領域R5として、視野外領域R5を推定する構成であってもよい。視野外領域R5の推定は、例えば、周辺領域R4と同様の方法であって、算出での視野角を変更した方法(例えば30度以上等)や、表示部2aのうち視認領域R3および周辺領域R4とは異なる残部を視野外領域R5とするといった方法により行われうる。
また、この場合、変換処理部33は、例えば図14に示すように、画像のうち視野外領域R5に位置する第5領域について、RGBすべての輝度値を下げる(0にすることをも含む)階調に変換する画像変換処理を実行する。これにより、視野外領域R5が存在する場合には、より低消費電力となる効果が得られる。
本実施形態の表示システム1は、例えば図15に示す制御フローを実行する。例えば、制御部3は、ディスプレイ2およびユーザ撮像部46がオン状態になる等の所定の開始条件を満たした場合に、図15に示す制御フローを実行する。
ステップS310では、例えば、ユーザ撮像部46は、ディスプレイ2の正面に位置するユーザの顔を撮像する。
続くステップS320では、視線推定部461は、例えば、ステップS310での撮像データに基づき、公知の画像認証技術によりユーザの視線方向を推定し、推定結果に応じた信号を視野推定部36に入力する。
次のステップS330では、視野推定部36は、例えば、ステップS320で推定された視線方向およびディスプレイ2の自車両における座標情報に基づいて、表示部2aにおける視認領域R3および周辺領域R4を推定する。このとき、視野推定部36は、上記したように、視野外領域R5の推定を実行してもよい。視野推定部36は、例えば、推定した視野情報をモード判定部31に入力する。
ステップS340では、モード判定部31は、例えば、視野推定部36からの入力信号に基づいて表示部2aに視認領域R3以外の領域が存在するか否かを判定する。制御部3は、ステップS340にて否定判定の場合には処理をステップS120に、ステップS340にて肯定判定の場合には処理をステップS130に、それぞれ処理を進める。
ステップS120は、本実施形態では、ステップS340にて否定判定、すなわち視認領域R3以外の領域が存在しないと推定される場合に実行される。ステップS120では、例えば、変換処理部33が画像変換処理を実行しない第2のモードであるため、映像出力部34は、映像入力部32の画像データに対応する映像信号をディスプレイ2に出力する。
ステップS130は、本実施形態では、ステップS340にて肯定判定、すなわち視認領域R3以外の領域が存在すると推定される場合に実行される。図15における視野外の領域とは、周辺領域R4またはこれに視野外領域R5を加えた領域を指す。ステップS130では、変換処理部33は、例えば、画像のうち第4領域についてR、Bの階調を下げ、Gの階調を維持する画像変換処理を実行する。また、ステップS130では、例えば、変換処理部33は、視野推定部36により視野外領域R5が推定された場合には、画像のうち第5領域についてRGBすべての階調を下げる画像変換処理を実行する。そして、変換処理部33は、例えば、変換処理後の画像データを映像出力部34に入力する。
続くステップS140では、映像出力部34が変換処理部33による変換処理後の画像に対応する映像信号をディスプレイ2に出力し、ディスプレイ2に変換処理後の画像を表示させる。
制御部3は、例えば、ステップS310からステップS120またはステップS140までの処理をディスプレイ2の電源がオフ状態となるまで繰り返す。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる表示システム1となる。また、ユーザの視線方向に応じて、画像のうち中心視野および有効視野における表示品位を維持しつつ、周辺視野およびその外側領域における画像変換処理により視認性確保および低消費電力を両立できる効果も得られる。
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
(1)上記第1実施形態の変形例では、表示システム1は、車載機器4として車載センサ45を有する構成とされ、車載センサ45からのセンサ信号に基づいて省エネルギーモードであるか否かの判定処理がなされてもよい。例えば、車載センサ45が温度センサを備え、モード判定の条件は、車体等の温度に応じて複数設定され、温度センサにより検出された温度に応じて選択されてもよい。この場合、例えば、モード判定の条件として「バッテリー残量の閾値以下である」が設定されているとき、閾値は、車載センサ45が検出した温度に応じて変更されうる。
(2)表示システム1は、例えば、上記第2、第3実施形態の画像変換処理のいずれも実行可能な構成であってもよい。この場合、表示システム1は、例えば図16に示すように、車載機器4が車載センサ45およびユーザ撮像部46を有し、制御部3が日射推定部35および視野推定部36を有した構成とされる。この表示システム1は、例えば図10および図15に示す制御フローが並列して実行されてもよいし、システム設定などによりいずれか一方の制御フローを選択し、選択された制御フローが実行される構成であってもよい。
(3)上記第2、第3実施形態および他の実施形態において、表示システム1は、車載機器4がモード入力部41を有し、変換処理部33がユーザによる手動設定およびシステムによる自動設定の両方の画像変換処理を実行可能な構成であってもよい。この場合、例えば、変換処理部33は、モード入力部41からの入力信号がある場合には上記第1実施形態の画像変換処理を実行し、モード入力部41からの入力信号がない場合には上記第2または第3実施形態の画像変換処理を実行する。このように、表示システム1は、ユーザの手動設定による省エネルギーモード、またはシステムの自動設定による画像変換実行モードのそれぞれに対応した画像変換処理を実行する構成であってもよい。
(4)本開示に記載の制御部3及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部3及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部3及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
2 ディスプレイ
31 モード判定部
32 変換処理部
34 日射推定部
35 視野推定部
46 ユーザ撮像部
461 視線推定部
31 モード判定部
32 変換処理部
34 日射推定部
35 視野推定部
46 ユーザ撮像部
461 視線推定部
Claims (6)
- 表示装置であって、
緑、赤、青の発光色の自発光素子によりなる画素群を有する自発光型のディスプレイ(2)と、
前記ディスプレイに表示される画像のうち少なくとも一部の領域について、青および赤の前記画素群の少なくとも一方の輝度を下げる画像変換処理を行う変換処理部(33)と、
前記画像変換処理が必要なモードであるか否かを判定するモード判定部(31)と、を備え、
前記変換処理部は、前記画像の変換処理が必要なモードであると判定された場合に前記画像変換処理を実行する、表示装置。 - 前記ディスプレイのうち日射が当たる領域である日射領域を推定する日射推定部(35)
をさらに備え、
前記モード判定部は、前記日射推定部が前記ディスプレイに前記日射領域が生じていると推定した場合に前記モードであると判定し、
前記変換処理部は、前記画像のうち前記日射領域に位置する領域について前記画像変換処理を実行する、請求項1に記載の表示装置。 - 前記ディスプレイを見るユーザの眼を含む所定の領域を撮像するユーザ撮像部(46)と、
前記ユーザ撮像部による前記ユーザの眼の撮像データに基づいて、前記ユーザの視線方向を推定する視線推定部(461)と、
前記視線推定部が推定した前記視線方向に基づいて、前記ディスプレイのうち前記視線方向との交点を中心とする所定の視野角内の領域である前記ユーザの視認領域を推定する視野推定部(36)と、をさらに備え、
前記モード判定部は、前記視野推定部が前記ディスプレイに前記視認領域以外の領域が生じていると推定した場合に前記モードであると判定し、
前記変換処理部は、前記画像のうち前記視認領域に位置する領域とは異なる領域について前記画像変換処理を実行する、請求項1または2に記載の表示装置。 - 手動操作により前記モードに対応する信号のオン/オフが切り替え可能なモード入力部(41)をさらに備え、
前記モード判定部は、前記モード入力部からの前記信号の有無に基づいて前記判定を実行する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の表示装置。 - 前記ディスプレイは、外部電源に接続されており、
前記モード判定部は、前記外部電源に接続された他の電子機器(4)からの出力信号に基づいて前記判定を行う、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の表示装置。 - 前記変換処理部は、前記画像変換処理において青の前記画素群の輝度を下げる、または輝度をゼロにする、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021208421A JP2023093033A (ja) | 2021-12-22 | 2021-12-22 | 表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021208421A JP2023093033A (ja) | 2021-12-22 | 2021-12-22 | 表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023093033A true JP2023093033A (ja) | 2023-07-04 |
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ID=87000883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021208421A Pending JP2023093033A (ja) | 2021-12-22 | 2021-12-22 | 表示装置 |
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JP (1) | JP2023093033A (ja) |
-
2021
- 2021-12-22 JP JP2021208421A patent/JP2023093033A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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