JP2023092840A - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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翼 植松
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Abstract

【課題】ホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造する際に、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができる、イソシアネートの製造方法を提供する。【解決手段】カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る、イソシアネートの製造方法であって、次の工程を含む、製造方法。カルバメート化合物を含む反応物を反応器に供給する供給工程;特定の条件下にて、カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る熱分解工程;及び、前記イソシアネートを反応器より回収する回収工程。【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアネートの製造方法に関する。
イソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として広く用いられている。イソシアネートの主な工業的製造法は、アミン化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン法)であり、全世界の生産量のほぼ全量がホスゲン法により生産されている。しかしながら、ホスゲン法は多くの問題がある。
第1に、原料としてホスゲンを大量に使用することである。ホスゲンは極めて毒性が高く、従業者への暴露を防ぐためにその取扱いには特別の注意を要し、廃棄物を除害するための特別の装置も必要である。第2に、ホスゲン法においては、腐食性の高い塩化水素が大量に副生するため、該塩化水素を除害するためのプロセスが必要となる上、製造されたイソシアネートには多くの場合加水分解性塩素が含有されることになる。そのため、ホスゲン法で製造されたイソシアネートを使用する場合に、ポリウレタン製品の耐候性、耐熱性に悪影響を及ぼす場合がある。
このような背景から、ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法が望まれている。ホスゲンを使用しないイソシアネート化合物の製造方法の一つとして、カルバミン酸エステルの熱分解による方法が提案されている。カルバメート化合物の熱分解によってイソシアネートとヒドロキシ化合物が得られることは古くから知られている(例えば、非特許文献1参照)。その基本反応は下記式(A)によって例示される。
Figure 2023092840000001
(式(A)中、Rは、a価の有機基であり、R’は、1価の有機基であり、aは、1以上の整数である。)
一方、カルバメート化合物の熱分解反応において、カルバメート化合物の好ましくない熱変性反応や、該熱分解によって生成するイソシアネートの縮合反応など、種々の不可逆な副反応を併発しやすい。副反応としては、例えば下記式(B)で表される尿素結合を形成する反応や、下記式(C)で表されるカルボジイミド類を生成する反応や、下記式(D)で表されるイソシアヌレート類を生成する反応が挙げられる(非特許文献1、2参照)。
Figure 2023092840000002

(式(B)~(D)中、R~Rは、それぞれ独立に、1価の有機基である。)
これらの副反応は、目的とするイソシアネートの収率や選択率の低下を招くばかりでなく、特にポリイソシアネートの製造においては、ポリマー状固形物が析出し、反応器を閉塞させるなど長期操業が困難となる場合がある。
ホスゲンを含まない方法によってイソシアネートを製造する方法としては、これまで様々な方法が提案されている。
特許文献1には、カルバメート化合物の熱分解によりポリイソシアネートを高沸点溶媒存在下、触媒フリーで連続的に製造する手法が開示されている。
特許文献2及び3には、比較的分子量の大きいアミノ基含有化合物からカルバメート化合物の熱分解を経て、無触媒でイソシアネートを製造する手法が開示されている。
特開昭52-71443号公報 特開昭61-183257号公報 特開2001-48855号公報
Dritter Jahrgang, "186. A. W. Hofmann: Ueber die aromatischen Cyanate.", Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft, Vol. 3, pp. 653-658, 1870. Dyer E et al., "Thermal Degradation of Alkyl N-Phenylcarbamates.", Journal of American Chemical Society, Vol. 81, pp. 2138-2143, 1959.
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、イソシアネートを蒸発させて回収するため、高沸点イソシアネートを製造する場合過酷な温度、圧力条件が必要となる。また、特許文献2及び3に記載の方法では、カルバメート化合物の熱分解反応の基質濃度が低く、経済的効率及び工業的方法の信頼性については疑いの余地がある。
上述したように、カルバメート化合物の熱分解によるイソシアネート製造法については様々な検討がなされているが、高沸副生物の生成や該高沸点副生物の反応器への付着により長時間に亘って連続的に製造することが難しいといった課題があり、工業的にはほとんど実施されていないのが実状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造する際に、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができる、イソシアネートの製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る、イソシアネートの製造方法であって、
以下の工程を含む、製造方法。
カルバメート化合物を含む反応物を反応器に供給する供給工程;
以下の1)~3)の条件下にて、カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る熱分解工程;
1)前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器中の、前記反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度が1.5mmol/g以上6.0mmol/g以下である;
2)還流比が0.001以上30以下の条件下で、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比が0.15以下となるように、前記カルバメート化合物から副生する第1のヒドロキシ化合物を気相に抜き出す;
3)前記反応器中の、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値が3.0以下である;及び、
前記イソシアネートを反応器より回収する回収工程。
(2) 前記第1のヒドロキシ化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である、(1)に記載の製造方法。
Figure 2023092840000003
(一般式(I)中、環A11は、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素環である。R11は水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数6以上20以下のアリールオキシ基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、炭素数7以上20以下のアラルキルオキシ基、又はヒドロキシ基である。R11は、環A11と結合して環構造を形成してもよい。また、n11は1以上10以下の整数である。)
(3) 前記環A11が、ベンゼン環である、(2)に記載の製造方法。
(4) 前記カルバメート化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である、(1)~(3)のいずれか一つに記載の製造方法。
Figure 2023092840000004
(一般式(II)中、R21は、1価以上10価以下の有機基であり、R22は1価の有機基である。n21は1以上10以下の整数である。)
(5) 前記熱分解工程を溶媒存在下で行う、(1)~(4)のいずれか一つに記載の製造方法。
(6) 前記溶媒を反応開始前に反応器に供給する、又は、反応中に供給する、(5)に記載の製造方法。
(7) 前記溶媒が、炭酸誘導体、エーテル、炭化水素、及びケトンからなる群より選ばれる1種以上である、(5)又は(6)に記載の製造方法。
(8) 前記炭酸誘導体が、下記一般式(III)で表される化合物である、(7)に記載の製造方法。
Figure 2023092840000005
(一般式(III)中、R31及びR32は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は炭素数6以上20以下のアリールオキシ基である。)
(9) 前記炭酸誘導体が、下記一般式(III-1)で表される化合物である、(7)又は(8)に記載の製造方法。
Figure 2023092840000006
(一般式(III-1)中、R311及びR312は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基である。)
(10) 前記カルバメート化合物を前記溶媒との混合物として、前記反応器に供給する、(5)~(9)のいずれか一つに記載の製造方法。
(11) 前記カルバメート化合物を第2のヒドロキシ化合物との混合物として、前記反応器に供給し、
前記第2のヒドロキシ化合物は、前記第1のヒドロキシ化合物と同じ化合物を用いる、(1)~(10)のいずれか一つに記載の製造方法。
(12) 前記カルバメート化合物を前記反応器に供給する時間は、60分以内である、(1)~(11)のいずれか一つに記載の製造方法。
(13) 前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器に残存する液量が、前記反応器に供給した液量に対して10質量%以上90質量%以下である、(1)~(12)のいずれか一つに記載の製造方法。
上記態様の製造方法によれば、ホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造する際に、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができる、イソシアネートの製造方法を提供することができる。
実施例におけるカルバメート化合物の製造装置を示す概略構成図である。 実施例におけるイソシアネートの製造装置を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要
旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪イソシアネートの製造方法≫
本実施形態のイソシアネートの製造方法(以下、単に「本実施形態の製造方法」と称する場合がある)は、カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る、イソシアネートの製造方法である。
本実施形態の製造方法は、以下の工程を含む、製造方法。
カルバメート化合物を含む反応物を反応器に供給する供給工程;
以下の1)~3)の条件下にて、カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る熱分解工程;
1)前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器中の、前記反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度が1.5mmol/g以上6.0mmol/g以下である;
2)還流比が0.001以上30以下の条件下で、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比が0.15以下となるように、前記カルバメート化合物から副生する第1のヒドロキシ化合物を気相に抜き出す;
3)前記反応器中の、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値が3.0以下である;及び、
前記イソシアネートを反応器より回収する回収工程。
本実施形態の製造方法は、熱分解反応における反応液中の基質濃度が所定の範囲内となるように制御し、且つ、還流比が所定の範囲となる条件下で副生した第1のヒドロキシ化合物を気相に抜き出すことで、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができる。
まず、本実施形態の製造方法の各工程について以下に詳細を説明する。
[供給工程]
供給工程では、原料であるカルバメート化合物を反応器に供給する。
カルバメート化合物は、反応器内で局所的にカルバメート化合物が高濃度となることを防ぐ観点から、熱分解反応が行われる反応器に、第2のヒドロキシ化合物との混合物として供給されることが好ましい。
使用する第2のヒドロキシ化合物は、イソシアネートの製造時に副生する第1のヒドロキシ化合物と同じ化合物を用いることが好ましく、後述する一般式(I)で表わされる化合物(以下、「第1のヒドロキシ化合物(I)」と称する場合がある)と同じ構造であることがより好ましい。
カルバメート化合物の熱分解反応は、イソシアネート変性抑制の観点から、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒は、原料のカルバメート化合物が局所的に高濃度になることを防ぐという観点から、カルバメート化合物との混合物として、熱分解反応が行われる反応器に供給されることが好ましい。
溶媒としては、炭酸誘導体、エーテル、炭化水素、及びケトンからなる群より選ばれる1種以上の化合物を用いるが好ましい。溶媒は、反応開始前に反応器に供給してもよく(供給工程において供給してもよく)、反応中に供給されてもよく(後述する熱分解工程において供給する、すなわち、供給工程と熱分解工程を並行して行ってもよく)、或いは、その両方のタイミングで供給してもよい。いずれのタイミングにおいても、反応器内で局所的にカルバメート化合物が高濃度となることを防ぐ観点から、溶媒は、カルバメート化合物との混合物として反応器に供給することが好ましい。
副反応を抑制する点から溶媒の使用量は多い方が好ましいが、反応器の大きさ等を考慮すると、溶媒の使用量は、カルバメート化合物に対する化学量論モル比で、0.001倍以上100倍以下が好ましく、2倍以上80倍以下がより好ましく、0.1倍以上50倍以下がさらに好ましい。後述する方法によってカルバメート化合物を製造した際に、カルバメート化合物を含む生成物に炭酸誘導体が含有される場合は、該炭酸誘導体をそのまま使用してもよく、新たに炭酸誘導体をカルバメート化合物に加えてもよい。
カルバメート化合物が反応器に供給される時間は、通常は60分以内であることが好ましく、45分以内がより好ましく、30分以内がさらに好ましい。カルバメート化合物の供給時間が上記上限値以下であることで、反応で生成したイソシアネート中にカルバメートが供給されることにより、イソシアネートの変性反応が進行することをより効果的に防ぐことができる。
[熱分解工程]
熱分解工程では、熱分解反応によって、カルバメート化合物から、目的のイソシアネートと、副生する第1のヒドロキシ化合物を生成させる。
カルバメートの熱分解反応は、以下の条件下で行う。
1)前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器中の、前記反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度が1.5mmol/g以上6.0mmol/g以下である;
2)還流比が0.001以上30以下の条件下で、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比が0.15以下となるように、前記カルバメート化合物から副生する第1のヒドロキシ化合物を気相に抜き出す;
3)前記反応器中の、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値が3.0以下である。
反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度が1.5mmol/g以上6.0mmol/g以下であり、1.5mmol/g以上5.0mmol/g以下が好ましく、1.8mmol/g以上4.0mmol/g以下がより好ましい。上記官能基の合計濃度が上記下限値以上であることで、イソシアネートの生産効率を向上することができ、一方、上記上限値以下であることで、尿素結合を形成する反応や、カルボジイミド類を生成する反応、イソシアヌレート類を生成する反応等の副反応を抑制することができる。反応液中の上記官能基の合計濃度は、カルバメート化合物、溶媒、ヒドロキシ化合物の仕込み量と、反応時の蒸発量により制御する。
上述したように、熱分解反応は、カルバメート化合物から、目的のイソシアネートと第1のヒドロキシ化合物を生成する反応であるが、熱分解反応は平衡反応である。したがって、熱分解反応において、効率よくイソシアネートを得るため、熱分解反応における副生成物である第1のヒドロキシ化合物を、蒸留により熱分解反応の系より気体成分として取り出す。
蒸留における還流比は、通常、0.001以上30以下であり、0.01以上10以下好ましく、0.1以上5以下がより好ましい。還流比が上記下限値以上であることで、副生するヒドロキシ化合物を選択的に気相に抜き出すことができ、一方、上記上限値以下であることで、ヒドロキシ化合物の抜き出し速度を適正にすることができる。
反応中の液の蒸発速度は、反応中一定である必要は無く、還流比によって左右される。カルバメート化合物を含む反応物質を反応器に全量供給してから60分後における、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比が0.15以下であり、0.10以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。一方、上記モル比の下限は、通常0.001以上とすることができる。上記モル比が上記上限値以下となるように制御することで、目的生成物であるイソシアネートが、尿素結合を形成する反応や、カルボジイミド類を生成する反応、イソシアヌレート類を生成する反応等の副反応により変性することを防ぐことができる。上記モル比を制御するためには、還流比が高い場合は副生するヒドロキシ化合物が選択的に気相に抜き出されるため、少ない蒸発速度で済む。一方、還流比が低い場合は、ヒドロキシ化合物と共に溶媒やイソシアネートが気相に抜き出されるため、高い蒸発速度が必要となる。
イソシアネートの変性は、カルバメート基、アロファネート基、ヒドロキシ化合物により促進されるため、イソシアネートの変性抑制の観点から、反応器中の、カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値が、3.0以下であり、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。一方、上記値の下限は通常、0.01以上とすることができる。
反応温度は、通常、100℃以上400℃以下の範囲であり、反応速度を高めるためには高温が好ましいが、一方で、高温ではカルバメート化合物及び生成物であるイソシアネートのうち少なくともいずれか一方によって、上述したような副反応が引き起こされる場合があるので、130℃以上300℃以下の範囲が好ましく、150℃以上280℃以下の範囲がより好ましい。反応温度を一定にするために、上記反応器に公知の冷却装置、加熱装置を設置してもよい。
また、反応圧力は、用いる化合物の種類や反応温度によって異なるが、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよく、通常、20Pa以上1×10Pa以下の範囲で行われる。反応時間(連続法の場合は滞留時間)に、特に制限はなく、通常0.001時間以上100時間以下であり、0.01時間以上50時間以下が好ましく、0.1時間以上10時間以下がより好ましい。
熱分解反応には触媒を使用することができ、触媒の使用量はカルバメートの質量に対して0.01質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましい。触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナスオクトエート等の有機金属触媒;1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等のアミン類等が好適に用いられ、中でも、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクチル酸鉛、スタナオクトエート等の有機金属触媒が特に好適である。これらの化合物は単独又は2種類以上の混合物として使用してもよい。
熱分解反応が行われる反応器及びラインの材質は、カルバメート化合物や生成物であるヒドロキシ化合物及びイソシアネートに悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、安価であることから、SUS304やSUS316、SUS316L等が好ましく使用できる。
反応器の形式に特にも制限はなく、公知の槽状、塔状の反応器が使用できる。熱分解反応において生成するヒドロキシ化合物を含む低沸点混合物は、気体成分として反応器から抜き出し、未反応のカルバメート化合物や気体成分として抜き出されなかった化合物を含む混合液の一部又は全部を反応器下部から液状で抜き出すためのラインを具備しているものが好ましく使用される。このような反応器として、例えば、攪拌槽、多段攪拌槽、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器、細流相反応器、気泡塔のいずれかを含む反応器を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。
生成するヒドロキシ化合物とイソシアネートを分離する観点から、蒸留塔を具備した攪拌槽、多段攪拌槽を用いる方法が好ましく、また生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気-液接触面積の大きな構造が好ましい。
反応器には、カルバメート化合物を供給するためのラインと、熱分解反応によって生成するヒドロキシ化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインと、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバメート化合物とヒドロキシ化合物を含む混合液を抜き出すためのラインを備えていることが好ましく、ヒドロキシ化合物を含む気体成分を抜き出すためのラインは、反応器中の気体成分を抜き出せる位置にあり、気体成分として取り出されなかった化合物と未反応のカルバメート化合物とヒドロキシ化合物を含む混合液を抜き出すためのラインがあることが特に好ましい。
また、不活性ガス及び液体状の不活性溶媒からなる群より選ばれる1種以上を反応器下方から供給するラインを別途取り付けてもよい。それぞれのラインは詰まり等を考慮して、保温、冷却、加熱する設備を付加しても差し支えない。
反応終了後の反応器中の液量は、通常は反応液に供給した液量に対して10質量%以上90質量%以下の範囲であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下の範囲がより好ましく、30質量%以上70質量%以下の範囲がさらに好ましい。反応後の液量が上記下限値以上であることで、イソシアネートが反応中に必要以上に濃縮されず、カルバメート化合物及び生成物であるイソシアネートのうち少なくともいずれか一方による副反応がより効果的に抑制できる。一方で、反応後の液量が上記上限値以下であることで、ヒドロキシ化合物の気相への抜き出しが十分でき、イソシアネートの収率がより良好なものとなる。
[回収工程]
回収工程では、カルバメート化合物の熱分解反応により得られたイソシアネートを反応器下部より回収する。
回収されたイソシアネートは、更に、必要に応じて、濃縮や蒸留等の操作によって適宜精製して用いることができる。
次いで、本実施形態の製造方法で使用する原料化合物、並びに、製造方法により得られる生成物及び副生成物について以下に詳細を説明する。
<カルバメート化合物>
本実施形態の製造方法において使用するカルバメートとしては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(II)で表わされる化合物(以下、「カルバメート化合物(II)」と称する場合がある)等が挙げられる。
Figure 2023092840000007
(一般式(II)中、R21は、1価以上10価以下の有機基であり、R22は1価の有機基である。n21は1以上10以下の整数である。)
[R21
一般式(II)中、R21は、1価以上10価以下の有機基である。中でも、R21としては、1以上4以下のエステル基又は窒素原子を有してもよい、炭素数1以上20以下の1価以上4価以下の脂肪族炭化水素基、又は、1以上4以下のエステル基又は窒素原子を有してもよい、炭素数6以上20以下の1価以上3価以下の芳香族基であることが好ましい。
21における脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルキレン基若しくはアルカントリイル基、シクロアルキル基、シクロアルキレン基若しくはシクロアルカントリイル基、又は、前記アルキル基、前記アルキレン基若しくは前記アルカントリイル基と、前記シクロアルキル基、前記シクロアルキレン基若しくは前記シクロアルカントリイル基とから構成される基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基若しくはアルカントリイル基、シクロアルキレン基若しくはシクロアルカントリイル基、又は、前記アルキレン基若しくは前記アルカントリイル基と、前記シクロアルキル基、前記シクロアルキレン基若しくは前記シクロアルカントリイル基とから構成される基がより好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ペンチレン基、n-ヘキシレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、例えば、シクロブチレン基、シクロヘキレン基等が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状アルカントリイル基としては、例えば、ヘキサントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基等が挙げられる。
シクロアルカントリイル基としては、例えば、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基等が挙げられる。
21における芳香族炭化水素基としては、置換又は無置換の炭素数6以上13以下の芳香環を有する基が好ましい。置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。芳香環としては、芳香族炭化水素環であってもよく、複素芳香族環であってもよく、具体的には、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環等が挙げられる。
21における脂肪族炭化水素基又は芳香族基が1以上4以下のエステル基を有する場合に、R21としては、アミノ酸のカルボキシ基とヒドロキシ化合物とを反応させて得られるエステル基を有するアミン化合物の末端の第1級アミノ基を除いた基であることが好ましい。
ここでいうエステル基を有するアミン化合物として具体的には、例えば、アクリル酸-2-アミノエチルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-アミノエチルエステル、アクリル酸-2-アミノプロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-アミノプロピルエステル、アクリル酸-3-アミノプロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-3-アミノプロピルエステル、アクリル酸-4-アミノブチルエステル、2-メチル-アクリル酸-4-アミノブチルエステル、アクリル酸-5-アミノペンチルエステル、2-メチル-アクリル酸-5-アミノペンチルエステル、アクリル酸-6-アミノヘキシルエステル、2-メチル-アクリル酸-6-アミノヘキシルエステル、アクリル酸-8-アミノクチルエステル、2-メチル-アクリル酸-8-アミノクチルエステル、アクリル酸-10-アミノデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-10-アミノデシルエステル、アクリル酸-11-アミノンデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-11-アミノンデシルエステル、アクリル酸-12-アミノドデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-12-アミノドデシルエステル、リジンメチルエステルジアミン、リジンエチルエステルジアミン、2-アミノエチル-2,5-ジアミノペンタノエート、2-アミノエチル-2,6-ジアミノヘキサノエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノブタンジオエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノペンタンジオエート、トリス(2-アミノエチル)ヘキサン-1,3,6-トリカルボキシレート等が挙げられる。
エステル基を有するアミン化合物の製造に用いられるアミノ酸としては、例えば、リジン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンが挙げられる。中でも、アミノ酸としては、リジン、アルギニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、又はオルニチンが好ましく、リジン、アルギニン、グリシン、アスパラギン酸、又はグルタミン酸がより好ましい。
エステル基を有するアミン化合物の製造に用いられるヒドロキシ化合物としては、アルコール類及び芳香族ヒドロキシ化合物類が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドテシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エタノールアミン、プロパノールアミン(1-アミノ-2-プロパノール)、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、1-アミノ-2-ブタノール等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール(石炭酸)、2-メトキシフェノール、クレゾール、キシレノール、カルバクロール、モチール、ナフトール等のモノフェノール類、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロガロール、フロログルシン等の多価フェノール類が挙げられる。
中でも、ヒドロキシ化合物としては、芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく、フェノール(石炭酸)、又は2-メトキシフェノールがより好ましい。
21における脂肪族炭化水素基又は芳香族基が1以上4以下の窒素原子を有する場合に、R21としては、脂肪族炭化水素基又は芳香族基の末端以外に2級若しくは3級アミンを1以上4以下有するアミン化合物から末端のアミノ基を除いた有機基であることが好ましい。ここでいう脂肪族炭化水素基又は芳香族基の末端以外に2級若しくは3級アミンを1以上4以下有するアミン化合物として具体的には、例えば、2-(ジメチルアミノ)エチレンアミン、2-(ジエチルアミノ)エチレンアミン、2-(ジイソプロピルアミノ)エチレンアミン、2-(シクロヘキシルアミノ)エチレンアミン、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルトリアミン、ビス-(3-アミノプロピル)メチレンアミン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルアミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、トリスアミノエチルアミン、トリスアミノプロピルアミン等が挙げられる。中でも、アミン化合物としては、3級アミンを1以上2以下末端以外に有し、且つ、脂肪族炭化水素基又は芳香族基を有するアミン化合物であることが好ましく、3級アミンを1つ末端以外に有し、且つ、脂肪族炭化水素基又は芳香族基を有するアミン化合物であることがより好ましい。
[R22
一般式(II)中、R22は1価の有機基である。中でも、R22としては、酸素原子を含んでもよい、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基が好ましい。
22における脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
22における酸素原子を含んでもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基(各異性体)、メトキシプロピル基(各異性体)、メトキシブチル基(各異性体)、メトキシペンチル基(各異性体)、メトキシヘキシル基(各異性体)、メトキシヘプチル基(各異性体)、メトキシオクチル基(各異性体)、メトキシノニル基(各異性体)、メトキシデシル基(各異性体)、メトキシウンデシル基(各異性体)、メトキシドデシル基(各異性体)、メトキシトリデシル基(各異性体)、メトキシテトラデシル基(各異性体)、メトキシペンタデシル基(各異性体)、メトキシヘキサデシル基(各異性体)、メトキシヘプタデシル基(各異性体)、メトキシオクタデシル基(各異性体)、メトキシノナデシル(各異性体)、エトキシメチル基、エトキシエチル基(各異性体)、エトキシプロピル基(各異性体)、エトキシブチル基(各異性体)、エトキシペンチル基(各異性体)、エトキシヘキシル基(各異性体)、エトキシヘプチル基(各異性体)、エトキシオクチル基(各異性体)、エトキシノニル基(各異性体)、エトキシデシル基(各異性体)、エトキシウンデシル基(各異性体)、エトキシドデシル基(各異性体)、エトキシトリデシル基(各異性体)、エトキシテトラデシル基(各異性体)、エトキシペンタデシル基(各異性体)、エトキシヘキサデシル基(各異性体)、エトキシヘプタデシル基(各異性体)、エトキシオクタデシル基(各異性体)、プロピルオキシメチル基(各異性体)、プロピルオキシエチル基(各異性体)、プロピルオキシプロピル基(各異性体)、プロピルオキシブチル基(各異性体)、プロピルオキシペンチル基(各異性体)、プロピルオキシヘキシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプチル基(各異性体)、プロピルオキシオクチル基(各異性体)、プロピルオキシノニル基(各異性体)、プロピルオキシデシル基(各異性体)、プロピルオキシウンデシル基(各異性体)、プロピルオキシドデシル基(各異性体)、プロピルオキシトリデシル基(各異性体)、プロピルオキシテトラデシル基(各異性体)、プロピルオキシペンタデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘキサデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプタデシル基(各異性体)、ブチルオキシメチル基(各異性体)、ブチルオキシエチル基(各異性体)、ブチルオキシプロピル基(各異性体)、ブチルオキシブチル基(各異性体)、ブチルオキシペンチル基(各異性体)、ブチルオキシヘキシル基(各異性体)、ブチルオキシヘプチル基(各異性体)、ブチルオキシオクチル基(各異性体)、ブチルオキシノニル基(各異性体)、ブチルオキシデシル基(各異性体)、ブチルオキシウンデシル基(各異性体)、ブチルオキシドデシル基(各異性体)、ブチルオキシトリデシル基(各異性体)、ブチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ブチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ブチルオキシヘキサデシル基(各異性体)、ペンチルオキシメチル基(各異性体)、ペンチルオキシエチル基(各異性体)、ペンチルオキシプロピル基(各異性体)、ペンチルオキシブチル基(各異性体)、ペンチルオキシペンチル基(各異性体)、ペンチルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンチルオキシヘプチル基(各異性体)、ペンチルオキシオクチル基(各異性体)、ペンチルオキシノニル基(各異性体)、ペンチルオキシデシル基(各異性体)、ペンチルオキシウンデシル基(各異性体)、ペンチルオキシドデシル基(各異性体)、ペンチルオキシトリデシル基(各異性体)、ペンチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ペンチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキシルオキシブチル基(各異性体)、ヘキシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘキシルオキシオクチル基(各異性体)、ヘキシルオキシノニル基(各異性体)、ヘキシルオキシデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシドデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシトリデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシテトラデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシメチル基(各異性体)、ヘプチルオキシエチル基(各異性体)、ヘプチルオキシプロピル基(各異性体)、ヘプチルオキシブチル基(各異性体)、ヘプチルオキシペンチル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘプチルオキシオクチル基(各異性体)、ヘプチルオキシノニル基(各異性体)、ヘプチルオキシデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシドデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシトリデシル基(各異性体)オクチルオキシメチル基(各異性体)、オクチルオキシエチル基(各異性体)、オクチルオキシプロピル基(各異性体)、オクチルオキシブチル基(各異性体)、オクチルオキシペンチル基(各異性体)、オクチルオキシヘキシル基(各異性体)、オクチルオキシヘプチル基(各異性体)、オクチルオキシオクチル基(各異性体)、オクチルオキシノニル基(各異性体)、オクチルオキシデシル基(各異性体)、オクチルオキシウンデシル基(各異性体)、オクチルオキシドデシル基(各異性体)、ノニルオキシメチル基(各異性体)、ノニルオキシエチル基(各異性体)、ノニルオキシプロピル基(各異性体)、ノニルオキシブチル基(各異性体)、ノニルオキシペンチル基(各異性体)、ノニルオキシヘキシル基(各異性体)、ノニルオキシヘプチル基(各異性体)、ノニルオキシオクチル基(各異性体)、ノニルオキシノニル基(各異性体)、ノニルオキシデシル基(各異性体)、ノニルオキシウンデシル基(各異性体)、デシルオキシメチル基(各異性体)、デシルオキシエチル基(各異性体)、デシルオキシプロピル基(各異性体)、デシルオキシブチル基(各異性体)、デシルオキシペンチル基(各異性体)、デシルオキシヘキシル基(各異性体)、デシルオキシヘプチル基(各異性体)、デシルオキシオクチル基(各異性体)、デシルオキシノニル基(各異性体)、デシルオキシデシル基(各異性体)、ウンデシルオキシメチル基(各異性体)、ウンデシルオキシエチル基(各異性体)、ウンデシルオキシプロピル基(各異性体)、ウンデシルオキシブチル基(各異性体)、ウンデシルオキシペンチル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ウンデシルオキシオクチル基(各異性体)、ウンデシルオキシノニル基(各異性体)、ドデシルオキシメチル基(各異性体)、ドデシルオキシエチル基(各異性体)、ドデシルオキシプロピル基(各異性体)、ドデシルオキシブチル基(各異性体)、ドデシルオキシペンチル基(各異性体)、ドデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ドデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ドデシルデシルオキシオクチル基(各異性体)、トリデシルオキシメチル基(各異性体)、トリデシルオキシエチル基(各異性体)、トリデシルオキシプロピル基(各異性体)、トリデシルオキシブチル基(各異性体)、トリデシルオキシペンチル基(各異性体)、トリデシルオキシヘキシル基(各異性体)、トリデシルオキシヘプチル基(各異性体)、テトラデシルオキシメチル基(各異性体)、テトラデシルオキシエチル基(各異性体)、テトラデシルオキシプロピル基(各異性体)、テトラデシルオキシブチル基(各異性体)、テトラデシルオキシペンチル基(各異性体)、テトラデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンタデシルオキシメチル基、ペンタデシルオキシエチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシプロピル基(各異性体)、ペンタデシルオキシブチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシブチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシプロピル基(各異性体)、オクタデシルオキシメチル基(各異性体)、オクタデシルオキシエチル基(各異性体)等のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
22における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントリル基等のアリール基;メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ウンデシルフェニル基(各異性体)、ドデシルフェニル基(各異性体)、トリデシルフェニル基(各異性体)、テトラデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、メチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メチルヘプチルフェニル基(各異性体)、メチルオクチルフェニル基(各異性体)、メチルノニルフェニル基(各異性体)、メチルデシルフェニル基(各異性体)、メチルウンデシルフェニル基(各異性体)、メチルドデシルフェニル基(各異性体)、メチルトリデシルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、エチルペンチルフェニル基(各異性体)、エチルヘキシルフェニル基(各異性体)、エチルヘプチルフェニル基(各異性体)、エチルオクチルフェニル基(各異性体)、エチルノニルフェニル基(各異性体)、エチルデシルフェニル基(各異性体)、エチルウンデシルフェニル基(各異性体)、エチルドデシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、プロピルブチルフェニル基(各異性体)、プロピルペンチルフェニル基(各異性体)、プロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、プロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、プロピルオクチルフェニル基(各異性体)、プロピルノニルフェニル基(各異性体)、プロピルデシルフェニル基(各異性体)、プロピルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ブチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ブチルオクチルフェニル基(各異性体)、ブチルノニルフェニル基(各異性体)、ブチルデシルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ペンチルオクチルフェニル基(各異性体)、ペンチルノニルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルオクチルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、ジメチルエチルフェニル基(各異性体)、ジメチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジメチルブチルフェニル基(各異性体)、ジメチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジメチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジメチルノニルフェニル基(各異性体)、ジメチルデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルドデシルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ジエチルメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジエチルブチルフェニル基(各異性体)、ジエチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジエチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジエチルノニルフェニル基(各異性体)、ジエチルデシルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、ジプロピルメチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルペンチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルオクチルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)、ジブチルメチルフェニル基(各異性体)、ジブチルエチルフェニル基(各異性体)、ジブチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジブチルヘキシルフェニル基(各異性体)等のアルキル基を置換基として有するアリール基等が挙げられる。
22における酸素原子を含んでもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、メトキシフェニル基(各異性体)、エトキシフェニル基(各異性体)等のアルコキシアリール基等が挙げられる。
中でも、R22としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントリル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ウンデシルフェニル基(各異性体)、ドデシルフェニル基(各異性体)、トリデシルフェニル基(各異性体)、テトラデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、メチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メチルヘプチルフェニル基(各異性体)、メチルオクチルフェニル基(各異性体)、メチルノニルフェニル基(各異性体)、メチルデシルフェニル基(各異性体)、メチルウンデシルフェニル基(各異性体)、メチルドデシルフェニル基(各異性体)、メチルトリデシルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、エチルペンチルフェニル基(各異性体)、エチルヘキシルフェニル基(各異性体)、エチルヘプチルフェニル基(各異性体)、エチルオクチルフェニル基(各異性体)、エチルノニルフェニル基(各異性体)、エチルデシルフェニル基(各異性体)、エチルウンデシルフェニル基(各異性体)、エチルドデシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、プロピルブチルフェニル基(各異性体)、プロピルペンチルフェニル基(各異性体)、プロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、プロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、プロピルオクチルフェニル基(各異性体)、プロピルノニルフェニル基(各異性体)、プロピルデシルフェニル基(各異性体)、プロピルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ブチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ブチルオクチルフェニル基(各異性体)、ブチルノニルフェニル基(各異性体)、ブチルデシルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ペンチルオクチルフェニル基(各異性体)、ペンチルノニルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルオクチルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、ジメチルエチルフェニル基(各異性体)、ジメチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジメチルブチルフェニル基(各異性体)、ジメチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジメチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジメチルノニルフェニル基(各異性体)、ジメチルデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルドデシルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ジエチルメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジエチルブチルフェニル基(各異性体)、ジエチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジエチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジエチルノニルフェニル基(各異性体)、ジエチルデシルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、ジプロピルメチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルペンチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルオクチルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)、ジブチルメチルフェニル基(各異性体)、ジブチルエチルフェニル基(各異性体)、ジブチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メトキシフェニル基(各異性体)、又はエトキシフェニル基(各異性体)が好ましい。また、フェニル基、メトキシフェニル基(各異性体)、又はエトキシフェニル基(各異性体)がより好ましい。
[n21]
一般式(II)中、n21はカルバメート基の数を表し、1以上10以下の整数である。nは2以上4以下が好ましく、nは2以上3以下がより好ましい。
<カルバメート化合物(II)の製造方法>
カルバメート化合物(II)の製造方法は特に限定されないが、上述したカルバメート化合物を製造する方法は、公知の方法を使用することができる。例えば、アミン化合物と一酸化炭素、酸素、及び、脂肪族アルコール又は芳香族ヒドロキシ化合物を反応させてカルバメート化合物を製造してもよく、炭酸エステルとアミン化合物とを反応させてカルバメート化合物を製造してもよく、或いは、アミン化合物を、尿素、及び、脂肪族アルコール又は芳香族ヒドロキシ化合物と反応させてカルバメート化合物を製造してもよい。
カルバメート化合物(II)を合成する当該反応において適宜条件に合致する反応器が選択される。具体的には、攪拌槽、加圧式攪拌槽、減圧式攪拌槽、塔型反応器、蒸留塔、充填塔、薄膜蒸留器等の、従来公知の反応器を適宜組み合わせて使用できる。気相成分を効率よく回収するために、好ましくは、公知の蒸留装置を使用する。例えば、蒸留塔、多段蒸留塔、多管式反応器、連続多段蒸留塔、充填塔、薄膜蒸発器、内部に支持体を備えた反応器、強制循環反応器、落膜蒸発器、落滴蒸発器のいずれかを含む反応器を用いる方式、及びこれらを組み合わせた方式等、公知の種々の方法が用いられる。低沸点成分を素早く反応系から除去する観点から、好ましくは、管状反応器、より好ましくは、管状薄膜蒸発器、管状流下膜蒸発器等の反応器を用いる方法であり、生成する低沸点成分を気相にすみやかに移動させられる気-液接触面積の大きな構造が好ましい。
該反応器に具備される凝縮器の種類は特に制限がなく、公知の凝縮器が使用できる。例えば、多管円筒型凝縮器、二重管式凝縮器、単管式凝縮器、空冷式凝縮器等の従来公知の凝縮器を適宜組み合わせて使用することができる。凝縮器は、該反応器の内部に具備されていても、該反応器の外部に具備されていて、該反応器と配管で接続されていてもよく、反応器や凝縮器の形式、凝縮液の取り扱い方法等を勘案して、様々な形態を採用される。反応器および凝縮器の材質にも特に制限はなく、上記カルバメート化合物や生成物である芳香族ヒドロキシ化合物、イソシアネート等に悪影響を及ぼさなければ、公知の材質が使用できる。例えば、ガラス製、ステンレス製、炭素鋼製、ハステロイ製や、基材にグラスライニングを施したものや、テフロン(登録商標)コーティングをおこなったものも使用できる。中でも、安価でもあることから、SUS304やSUS316、SUS316L等が好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計等の計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーター等の公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。必要に応じて工程を付加しても構わない。
例えば、炭酸エステルとアミン化合物との反応によってカルバメート化合物を製造する場合は、以下の方法を例示することができる。
[炭酸エステル(IV)]
炭酸エステルとしては、下記一般式(IV)で表される化合物(以下、「炭酸エステル(IV)」と称する場合がある)を好ましく使用することができる。
Figure 2023092840000008
(一般式(IV)中、R41及びR42はそれぞれ独立に、第1のヒドロキシ化合物からヒドロキシ基を除いた基である。)
41及びR42としては、上記一般式(I)で表される化合物からヒドロキシ基を除いた基、すなわち、芳香族ヒドロキシ化合物からヒドロキシ基を除いた基が好ましい。R41及びR42として具体的には、例えば、フェニル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ナフチル基(各異性体)等が挙げられる。これらの中でも、R41及びR42としては、それぞれ独立に、炭素数6以上8以下の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
好ましい炭酸エステル(IV)としては、例えば、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(メチルエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(メトキシフェニル)(各種異性体)等の炭酸ジアリールが挙げられる。
[アミン化合物(V)]
アミン化合物としては、下記一般式(V)で表される化合物(以下、「アミン化合物(V)」と称する場合がある)が好ましく使用される。
Figure 2023092840000009
(一般式(V)中、R51及びn51はそれぞれ、上記R21及びn21と同じである。)
(R51
51が脂肪族炭化水素基である場合、アミン化合物(V)として具体的には、例えば、脂肪族ジアミン類、脂肪族トリアミン類、置換された環式脂肪族ポリアミン類等が挙げられる。
脂肪族ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ジアミノプロパン(各異性体)、ジアミノブタン(各異性体)、ジアミノペンタン(各異性体)、ジアミノヘキサン(各異性体)、ジアミノデカン(各異性体)等が挙げられる。
脂肪族トリアミン類としては、例えば、トリアミノヘキサン(各異性体)、トリアミノノナン(各異性体)、トリアミノデカン(各異性体)等が挙げられる。
置換された環式脂肪族ポリアミン類としては、例えば、ジアミノシクロブタン(各異性体)、ジアミノシクロヘキサン(各異性体)、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(シス体及びトランス体のうち少なくともいずれかの異性体)、メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(各異性体)等が挙げられる。
51が芳香族基である場合、アミン化合物(V)として具体的には、例えば、芳香族ジアミン類、芳香族トリアミン類等が挙げられる。
芳香族ジアミン類としては、例えば、ジアミノベンゼン(各異性体)、ジアミノトルエン(各異性体)、メチレンジアニリン(各異性体)、ジアミノメシチレン(各異性体)、ジアミノビフェニル(各異性体)、ジアミノジベンジル(各異性体)、ビス(アミノフェニル)プロパン(各異性体)、ビス(アミノフェニル)エーテル(各異性体)、ビス(アミノフェノキシエタン)(各異性体)、ジアミノキシレン(各異性体)、ジアミノアニソール(各異性体)、ジアミノフェネトール(各異性体)、ジアミノナフタレン(各異性体)、ジアミノメチルベンゼン(各異性体)、ジアミノメチルピリジン(各異性体)、ジアミノメチルナフタレン(各異性体)、ジアミノジフェニルメタン(各異性体)、テトラメチルキシリレンジアミン(各異性体)等が挙げられる。
芳香族トリアミン類としては、例えば、トリアミノベンゼン(各異性体)、トリアミノメチルベンゼン(各異性体)、トリス(アミノプロパン-イル)ベンゼン(各異性体)、トリス(アミノプロパン-イル)-メチルベンゼン(各異性体)、トリス(アミノメチル)-メチルベンゼン(各異性体)、((アミノフェニレン)ビス(メチレン))ビス(アミンベンゼン)(各異性体)等が挙げられる。
51における脂肪族炭化水素基又は芳香族基が1以上4以下のエステル基を有する場合に、アミン化合物(V)として具体的には、例えば、アミノ酸のカルボキシル基とヒドロキシ化合物を反応させて得られるエステル基を有するアミン化合物が好ましい。このようなエステル基を有するアミン化合物として具体的には、例えば、アクリル酸-2-アミノエチルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-アミノエチルエステル、アクリル酸-2-アミノプロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-アミノプロピルエステル、アクリル酸-3-アミノプロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-3-アミノプロピルエステル、アクリル酸-4-アミノブチルエステル、2-メチル-アクリル酸-4-アミノブチルエステル、アクリル酸-5-アミノペンチルエステル、2-メチル-アクリル酸-5-アミノペンチルエステル、アクリル酸-6-アミノヘキシルエステル、2-メチル-アクリル酸-6-アミノヘキシルエステル、アクリル酸-8-アミノクチルエステル、2-メチル-アクリル酸-8-アミノクチルエステル、アクリル酸-10-アミノデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-10-アミノデシルエステル、アクリル酸-11-アミノンデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-11-アミノンデシルエステル、アクリル酸-12-アミノドデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-12-アミノドデシルエステル、リジンメチルエステルジアミン、リジンエチルエステルジアミン、2-アミノエチル-2,5-ジアミノペンタノエート、2-アミノエチル-2,6-ジアミノヘキサノエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノブタンジオエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノペンタンジオエート、トリス(2-アミノエチル)ヘキサン-1,3,6-トリカルボキシレート等が挙げられる。
なお、ここでいうアミノ酸及びヒドロキシ化合物としては、上記「R21」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
51における脂肪族炭化水素基又は芳香族基が1以上4以下の窒素原子を有する場合に、アミン化合物(V)として具体的には、例えば、脂肪族炭化水素基又は芳香族基の末端以外に2級若しくは3級アミンを1以上4以下有するアミン化合物であることが好ましい。ここでいう脂肪族炭化水素基又は芳香族基の末端以外に2級若しくは3級アミンを1以上4以下有するアミン化合物として具体的には、例えば、2-(ジメチルアミノ)エチレンアミン、2-(ジエチルアミノ)エチレンアミン、2-(ジイソプロピルアミノ)エチレンアミン、2-(シクロヘキシルアミノ)エチレンアミン、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルトリアミン、ビス-(3-アミノプロピル)メチレンアミン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルアミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、トリスアミノエチルアミン、トリスアミノプロピルアミン等が挙げられる。
(n51)
一般式(V)中、n51は、アミノ基の数を表し、1以上10以下の整数である。中でも、n51としては、1以上4以下の整数であることが好ましく、2以上4以下の整数であることがより好ましく、2以上3以下の整数であることがさらに好ましい。
これらの中でも、アミン化合物(V)としては、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノトルエン、ジアミノメチルトリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)シクロヘキサン、アミノメチルオクタンジアミン、リジンメチルエステルジアミン、リジンエチルエステルジアミン、2-アミノエチル-2,5-ジアミノペンタノエート、2-アミノエチル-2,6-ジアミノヘキサノエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノブタンジオエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノペンタンジオエート、トリス(2-アミノエチル)ヘキサン-1,3,6-トリカルボキシレート、又はトリスアミノエチルアミンであることが好ましい。
[好ましいカルバメート化合物(II)]
上記製造方法で得られる好ましいカルバメート化合物(II)としては、例えば、
炭酸エステル(IV)として、炭酸ジフェニル、炭酸ジ(メチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(ジエチルフェニル)(各異性体)、炭酸ジ(メチルエチルフェニル)(各異性体)、及び炭酸ジ(メトキシフェニル)(各種異性体)からなる群より選ばれる1種の炭酸ジアリールと;
アミン(V)として、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノトルエン、ジアミノメチルトリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)シクロヘキサン、アミノメチルオクタンジアミン、リジンメチルエステルジアミン、リジンエチルエステルジアミン、2-アミノエチル-2,5-ジアミノペンタノエート、2-アミノエチル-2,6-ジアミノヘキサノエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノブタンジオエート、ビス(2-アミノエチル)-2-アミノペンタンジオエート、トリス(2-アミノエチル)ヘキサン-1,3,6-トリカルボキシレート、及びトリスアミノエチルアミンからなる群より選ばれる1種のアミンと;
を反応して得られるカルバメート化合物等が挙げられる。
<溶媒>
熱分解反応で用いられる溶媒としては、イソシアネートと反応しないという観点から、炭酸誘導体、エーテル、炭化水素、ケトン、又はこれらの混合物が好ましい。
[炭酸誘導体]
本明細書において、炭酸誘導体とは、カルボニル基を有する化合物を指す。
炭酸誘導体としては、下記一般式(III)で表される化合物(以下、「炭酸誘導体(III)」と称する場合がある)が好ましい。
Figure 2023092840000010
(一般式(III)中、R31及びR32は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は炭素数6以上20以下のアリールオキシ基である。)
(R31及びR32
31及びR32は互いに同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
31及びR32における炭素数1以上20以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基(各異性体)、ブトキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)等が挙げられる。
31及びR32における炭素数6以上20以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基、アリールオキシ基、及びアラルキルオキシ基が有する置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
中でも、R31及びR32としては、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数6以上20以下のアリールオキシ基であることが好ましい。
好ましい炭酸誘導体(III)としては、例えば、炭酸エステル等が挙げられる。
炭酸エステルとは、炭酸CO(OH)の2原子の水素のうち、その1原子又は2原子を、アルキル基又はアリール基で置換した化合物を指す。炭酸エステルは、下記一般式(III-1)で表される化合物(以下、「炭酸エステル(III-1)」と称する場合がある)である。
Figure 2023092840000011
(一般式(III-1)中、R311及びR312は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基である。)
(R311及びR312
311及びR312は互いに同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
311及びR312における炭素数1以上20以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ウンデシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、トリデシル基(各異性体)、テトラデシル基(各異性体)、ペンタデシル基(各異性体)、ヘキサデシル基(各異性体)、ヘプタデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)、ノナデシル(各異性体)、エイコシル基(各異性体)のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
311及びR312における炭素数6以上20以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントリル基等が挙げられる。
アルキル基が有する置換基としては、アルコキシ基等が挙げられる。
アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
置換基としてアルコキシ基を有するアルキル基、すなわち、アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基(各異性体)、メトキシプロピル基(各異性体)、メトキシブチル基(各異性体)、メトキシペンチル基(各異性体)、メトキシヘキシル基(各異性体)、メトキシヘプチル基(各異性体)、メトキシオクチル基(各異性体)、メトキシノニル基(各異性体)、メトキシデシル基(各異性体)、メトキシウンデシル基(各異性体)、メトキシドデシル基(各異性体)、メトキシトリデシル基(各異性体)、メトキシテトラデシル基(各異性体)、メトキシペンタデシル基(各異性体)、メトキシヘキサデシル基(各異性体)、メトキシヘプタデシル基(各異性体)、メトキシオクタデシル基(各異性体)、メトキシノナデシル(各異性体)、エトキシメチル基、エトキシエチル基(各異性体)、エトキシプロピル基(各異性体)、エトキシブチル基(各異性体)、エトキシペンチル基(各異性体)、エトキシヘキシル基(各異性体)、エトキシヘプチル基(各異性体)、エトキシオクチル基(各異性体)、エトキシノニル基(各異性体)、エトキシデシル基(各異性体)、エトキシウンデシル基(各異性体)、エトキシドデシル基(各異性体)、エトキシトリデシル基(各異性体)、エトキシテトラデシル基(各異性体)、エトキシペンタデシル基(各異性体)、エトキシヘキサデシル基(各異性体)、エトキシヘプタデシル基(各異性体)、エトキシオクタデシル基(各異性体)、プロピルオキシメチル基(各異性体)、プロピルオキシエチル基(各異性体)、プロピルオキシプロピル基(各異性体)、プロピルオキシブチル基(各異性体)、プロピルオキシペンチル基(各異性体)、プロピルオキシヘキシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプチル基(各異性体)、プロピルオキシオクチル基(各異性体)、プロピルオキシノニル基(各異性体)、プロピルオキシデシル基(各異性体)、プロピルオキシウンデシル基(各異性体)、プロピルオキシドデシル基(各異性体)、プロピルオキシトリデシル基(各異性体)、プロピルオキシテトラデシル基(各異性体)、プロピルオキシペンタデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘキサデシル基(各異性体)、プロピルオキシヘプタデシル基(各異性体)、ブチルオキシメチル基(各異性体)、ブチルオキシエチル基(各異性体)、ブチルオキシプロピル基(各異性体)、ブチルオキシブチル基(各異性体)、ブチルオキシペンチル基(各異性体)、ブチルオキシヘキシル基(各異性体)、ブチルオキシヘプチル基(各異性体)、ブチルオキシオクチル基(各異性体)、ブチルオキシノニル基(各異性体)、ブチルオキシデシル基(各異性体)、ブチルオキシウンデシル基(各異性体)、ブチルオキシドデシル基(各異性体)、ブチルオキシトリデシル基(各異性体)、ブチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ブチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ブチルオキシヘキサデシル基(各異性体)、ペンチルオキシメチル基(各異性体)、ペンチルオキシエチル基(各異性体)、ペンチルオキシプロピル基(各異性体)、ペンチルオキシブチル基(各異性体)、ペンチルオキシペンチル基(各異性体)、ペンチルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンチルオキシヘプチル基(各異性体)、ペンチルオキシオクチル基(各異性体)、ペンチルオキシノニル基(各異性体)、ペンチルオキシデシル基(各異性体)、ペンチルオキシウンデシル基(各異性体)、ペンチルオキシドデシル基(各異性体)、ペンチルオキシトリデシル基(各異性体)、ペンチルオキシテトラデシル基(各異性体)、ペンチルオキシペンタデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキシルオキシブチル基(各異性体)、ヘキシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘキシルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘキシルオキシオクチル基(各異性体)、ヘキシルオキシノニル基(各異性体)、ヘキシルオキシデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシドデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシトリデシル基(各異性体)、ヘキシルオキシテトラデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシメチル基(各異性体)、ヘプチルオキシエチル基(各異性体)、ヘプチルオキシプロピル基(各異性体)、ヘプチルオキシブチル基(各異性体)、ヘプチルオキシペンチル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘキシル基(各異性体)、ヘプチルオキシヘプチル基(各異性体)、ヘプチルオキシオクチル基(各異性体)、ヘプチルオキシノニル基(各異性体)、ヘプチルオキシデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシウンデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシドデシル基(各異性体)、ヘプチルオキシトリデシル基(各異性体)オクチルオキシメチル基(各異性体)、オクチルオキシエチル基(各異性体)、オクチルオキシプロピル基(各異性体)、オクチルオキシブチル基(各異性体)、オクチルオキシペンチル基(各異性体)、オクチルオキシヘキシル基(各異性体)、オクチルオキシヘプチル基(各異性体)、オクチルオキシオクチル基(各異性体)、オクチルオキシノニル基(各異性体)、オクチルオキシデシル基(各異性体)、オクチルオキシウンデシル基(各異性体)、オクチルオキシドデシル基(各異性体)、ノニルオキシメチル基(各異性体)、ノニルオキシエチル基(各異性体)、ノニルオキシプロピル基(各異性体)、ノニルオキシブチル基(各異性体)、ノニルオキシペンチル基(各異性体)、ノニルオキシヘキシル基(各異性体)、ノニルオキシヘプチル基(各異性体)、ノニルオキシオクチル基(各異性体)、ノニルオキシノニル基(各異性体)、ノニルオキシデシル基(各異性体)、ノニルオキシウンデシル基(各異性体)、デシルオキシメチル基(各異性体)、デシルオキシエチル基(各異性体)、デシルオキシプロピル基(各異性体)、デシルオキシブチル基(各異性体)、デシルオキシペンチル基(各異性体)、デシルオキシヘキシル基(各異性体)、デシルオキシヘプチル基(各異性体)、デシルオキシオクチル基(各異性体)、デシルオキシノニル基(各異性体)、デシルオキシデシル基(各異性体)、ウンデシルオキシメチル基(各異性体)、ウンデシルオキシエチル基(各異性体)、ウンデシルオキシプロピル基(各異性体)、ウンデシルオキシブチル基(各異性体)、ウンデシルオキシペンチル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ウンデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ウンデシルオキシオクチル基(各異性体)、ウンデシルオキシノニル基(各異性体)、ドデシルオキシメチル基(各異性体)、ドデシルオキシエチル基(各異性体)、ドデシルオキシプロピル基(各異性体)、ドデシルオキシブチル基(各異性体)、ドデシルオキシペンチル基(各異性体)、ドデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ドデシルオキシヘプチル基(各異性体)、ドデシルデシルオキシオクチル基(各異性体)、トリデシルオキシメチル基(各異性体)、トリデシルオキシエチル基(各異性体)、トリデシルオキシプロピル基(各異性体)、トリデシルオキシブチル基(各異性体)、トリデシルオキシペンチル基(各異性体)、トリデシルオキシヘキシル基(各異性体)、トリデシルオキシヘプチル基(各異性体)、テトラデシルオキシメチル基(各異性体)、テトラデシルオキシエチル基(各異性体)、テトラデシルオキシプロピル基(各異性体)、テトラデシルオキシブチル基(各異性体)、テトラデシルオキシペンチル基(各異性体)、テトラデシルオキシヘキシル基(各異性体)、ペンタデシルオキシメチル基、ペンタデシルオキシエチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシプロピル基(各異性体)、ペンタデシルオキシブチル基(各異性体)、ペンタデシルオキシペンチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシプロピル基(各異性体)、ヘキサデシルオキシブチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシメチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシエチル基(各異性体)、ヘプタデシルオキシプロピル基(各異性体)、オクタデシルオキシメチル基(各異性体)、オクタデシルオキシエチル基(各異性体)等が挙げられる。
置換基としてアルキル基を有するアリール基としては、例えば、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ウンデシルフェニル基(各異性体)、ドデシルフェニル基(各異性体)、トリデシルフェニル基(各異性体)、テトラデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、メチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メチルヘプチルフェニル基(各異性体)、メチルオクチルフェニル基(各異性体)、メチルノニルフェニル基(各異性体)、メチルデシルフェニル基(各異性体)、メチルウンデシルフェニル基(各異性体)、メチルドデシルフェニル基(各異性体)、メチルトリデシルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、エチルペンチルフェニル基(各異性体)、エチルヘキシルフェニル基(各異性体)、エチルヘプチルフェニル基(各異性体)、エチルオクチルフェニル基(各異性体)、エチルノニルフェニル基(各異性体)、エチルデシルフェニル基(各異性体)、エチルウンデシルフェニル基(各異性体)、エチルドデシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、プロピルブチルフェニル基(各異性体)、プロピルペンチルフェニル基(各異性体)、プロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、プロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、プロピルオクチルフェニル基(各異性体)、プロピルノニルフェニル基(各異性体)、プロピルデシルフェニル基(各異性体)、プロピルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ブチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ブチルオクチルフェニル基(各異性体)、ブチルノニルフェニル基(各異性体)、ブチルデシルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ペンチルオクチルフェニル基(各異性体)、ペンチルノニルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルオクチルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、ジメチルエチルフェニル基(各異性体)、ジメチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジメチルブチルフェニル基(各異性体)、ジメチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジメチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジメチルノニルフェニル基(各異性体)、ジメチルデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルドデシルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ジエチルメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジエチルブチルフェニル基(各異性体)、ジエチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジエチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジエチルノニルフェニル基(各異性体)、ジエチルデシルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、ジプロピルメチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルペンチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルオクチルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)、ジブチルメチルフェニル基(各異性体)、ジブチルエチルフェニル基(各異性体)、ジブチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジブチルヘキシルフェニル基(各異性体)等が挙げられる。
置換基としてアルコキシ基を有するアリール基、すなわち、アルコキシアリール基としては、例えば、メトキシフェニル基(各異性体)、エトキシフェニル基(各異性体)等が挙げられる。
中でも、R311及びR312としては、置換又は無置換の、アリール基が好ましい。
また、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フェナントリル基、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ウンデシルフェニル基(各異性体)、ドデシルフェニル基(各異性体)、トリデシルフェニル基(各異性体)、テトラデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、メチルエチルフェニル基(各異性体)、メチルプロピルフェニル基(各異性体)、メチルブチルフェニル基(各異性体)、メチルペンチルフェニル基(各異性体)、メチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メチルヘプチルフェニル基(各異性体)、メチルオクチルフェニル基(各異性体)、メチルノニルフェニル基(各異性体)、メチルデシルフェニル基(各異性体)、メチルウンデシルフェニル基(各異性体)、メチルドデシルフェニル基(各異性体)、メチルトリデシルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、エチルプロピルフェニル基(各異性体)、エチルブチルフェニル基(各異性体)、エチルペンチルフェニル基(各異性体)、エチルヘキシルフェニル基(各異性体)、エチルヘプチルフェニル基(各異性体)、エチルオクチルフェニル基(各異性体)、エチルノニルフェニル基(各異性体)、エチルデシルフェニル基(各異性体)、エチルウンデシルフェニル基(各異性体)、エチルドデシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、プロピルブチルフェニル基(各異性体)、プロピルペンチルフェニル基(各異性体)、プロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、プロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、プロピルオクチルフェニル基(各異性体)、プロピルノニルフェニル基(各異性体)、プロピルデシルフェニル基(各異性体)、プロピルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ブチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ブチルオクチルフェニル基(各異性体)、ブチルノニルフェニル基(各異性体)、ブチルデシルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ペンチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ペンチルオクチルフェニル基(各異性体)、ペンチルノニルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘキシルヘプチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルオクチルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、ジメチルエチルフェニル基(各異性体)、ジメチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジメチルブチルフェニル基(各異性体)、ジメチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジメチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジメチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジメチルノニルフェニル基(各異性体)、ジメチルデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルウンデシルフェニル基(各異性体)、ジメチルドデシルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、ジエチルメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジエチルブチルフェニル基(各異性体)、ジエチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジエチルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジエチルオクチルフェニル基(各異性体)、ジエチルノニルフェニル基(各異性体)、ジエチルデシルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、ジプロピルメチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルブチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルペンチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘキシルフェニル基(各異性体)、ジプロピルヘプチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルオクチルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)、ジブチルメチルフェニル基(各異性体)、ジブチルエチルフェニル基(各異性体)、ジブチルプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルペンチルフェニル基(各異性体)、ジブチルヘキシルフェニル基(各異性体)、メトキシフェニル基(各異性体)、又はエトキシフェニル基(各異性体)がより好ましい。
また、フェニル基、メトキシフェニル基(各異性体)、又はエトキシフェニル基(各異性体)がさらに好ましい。
好ましい炭酸エステル(III-1)としては、例えば、炭酸ジフェニル、炭酸ビス(2-メトキシフェニル)、炭酸ビス(2-エトキシフェニル)等が挙げられる。
[エーテル]
エーテルとは、下記一般式(VI)で表される化合物(以下、「エーテル(VI)」と称する場合がある)である。
Figure 2023092840000012
(一般式(VI)中、R61及びR63はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上20以下のアラルキル基である。R62は、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキレン基、炭素数7以上20以下のアリーレン基、又は炭素数7以上20以下のアラルキレン基である。n61は0以上20以下の整数である。)
(R61及びR63
61及びR63における炭素数1以上20以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)等が挙げられる。
61及びR63における炭素数6以上20以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
61及びR63における炭素数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等が挙げられる。
アルキル基が有する置換基としては、アリール基、ハロゲン基、ニトリル基等が挙げられる。アリール基としては、上述したものが挙げられる。ハロゲン基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
アリール基及びアラルキル基が有する置換基としては、アルキル基、ハロゲン基、ニトリル基等が挙げられる。アルキル基及びハロゲン基としては、上述したものが挙げられる。
(R62
62における炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
62における炭素数7以上20以下のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
62における炭素数7以上20以下のアラルキレン基としては、例えば、フェニレンメチレン基、メチレンフェニレンメチレン基等が挙げられる。
アルキレン基が有する置換基としては、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトリル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基(各異性体)、ブトキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)等が挙げられる。アリール基及びハロゲン基としては、上述したものが挙げられる。
アリーレン基及びアラルキレン基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトリル基等が挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン基としては、上述したものが挙げられる。
好ましいエーテル(VI)としては、例えば、下記式(VI-1)~(VI-24)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023092840000013
Figure 2023092840000014
Figure 2023092840000015
Figure 2023092840000016
Figure 2023092840000017
(式(VI-24)中、nは1以上10以下の整数である。)
[炭化水素]
本明細書において、炭化水素とは、脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、アルケンやアルキン等の不飽和結合を有している脂肪族炭化水素類又は脂環族炭化水素類、置換又は無置換の芳香族炭化水素類が挙げられる。
好ましい炭化水素としては、例えば、ペンタン、シクロペンタンヘキサン、ヘキサン、1-ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、n-ヘキサデカン、n-オクタデカン、2,2,4-トリメチルペンタン、ドデカン、1-ドデセン、ペンタデカン、ジメチルペンタン、2,2-ジメチルヘキサン、パラフィン、エイコサン、スクアラン等の脂肪族炭化水素類及び脂環族炭化水素類、並びに、アルケンやアルキンなどの不飽和結合を有している脂肪族炭化水素類又は脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、ナフタレン、低級アルキル置換ナフタレン、ドデシルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、ジブロムベンゼン、クロルナフタレン、ブロムナフタレン、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のニトロ基又はハロゲンによって置換された芳香族化合物類;ジフェニル、置換ジフェニル、ジフェニルメタン、ターフェニル、アントラセン、フェナントレン、ベンジルトルエン、ベンジルトルエンの異性体、ジベンジルトルエン、ジベンジルトルエン、フルオレン、トリフェニルメタン等の多環炭化水素化合物類等が挙げられる。
<ケトン>
ケトンとしては、下記一般式(VII)で表される化合物(以下、「ケトン(VII)」と称する場合がある)である。
Figure 2023092840000018
(一般式(VII)中、R71及びR72はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上20以下のアラルキル基である。)
71及びR72におけるアルキル基、アリール基、及びアラルキル基としては、上記「エーテル(VI)」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
好ましいケトン(VII)としては、例えば下記式(VII-1)~(VII-10)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2023092840000019
<第1のヒドロキシ化合物>
第1のヒドロキシ化合物はカルバメート化合物を分解することで副生する化合物である。
第1のヒドロキシ化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023092840000020
(一般式(I)中、環A11は、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素環である。R11は水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数6以上20以下のアリールオキシ基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、炭素数7以上20以下のアラルキルオキシ基、又はヒドロキシ基である。R11は、環A11と結合して環構造を形成してもよい。また、n11は1以上10以下の整数である。)
[R11
11における炭素数1以上20以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(各異性体)、ブチル基(各異性体)、ペンチル基(各異性体)、ヘキシル基(各異性体)、ヘプチル基(各異性体)、オクチル基(各異性体)、ノニル基(各異性体)、デシル基(各異性体)、ドデシル基(各異性体)、オクタデシル基(各異性体)等が挙げられる。
11における炭素数1以上20以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(各異性体)、ブチルオキシ基(各異性体)、ペンチルオキシ基(各異性体)、ヘキシルオキシ基(各異性体)、ヘプチルオキシ基(各異性体)、オクチルオキシ基(各異性体)、ノニルオキシ基(各異性体)、デシルオキシ基(各異性体)、ドデシルオキシ基(各異性体)、オクタデシルオキシ基(各異性体)等が挙げられる。
11における炭素数6以上20以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
11における置換基としてアルキル基を有するアリール基としては、例えば、メチルフェニル基(各異性体)、エチルフェニル基(各異性体)、プロピルフェニル基(各異性体)、ブチルフェニル基(各異性体)、ペンチルフェニル基(各異性体)、ヘキシルフェニル基(各異性体)、ヘプチルフェニル基(各異性体)、オクチルフェニル基(各異性体)、ノニルフェニル基(各異性体)、デシルフェニル基(各異性体)、ビフェニル基(各異性体)、ジメチルフェニル基(各異性体)、ジエチルフェニル基(各異性体)、ジプロピルフェニル基(各異性体)、ジブチルフェニル基(各異性体)、ジペンチルフェニル基(各異性体)、ジヘキシルフェニル基(各異性体)、ジヘプチルフェニル基(各異性体)、ターフェニル基(各異性体)、トリメチルフェニル基(各異性体)、トリエチルフェニル基(各異性体)、トリプロピルフェニル基(各異性体)、トリブチルフェニル基(各異性体)等が挙げられる。
11における炭素数6以上20以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、メチルフェノキシ基(各異性体)、エチルフェノキシ基(各異性体)、プロピルフェノキシ基(各異性体)、ブチルフェノキシ基(各異性体)、ペンチルフェノキシ基(各異性体)、ヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ヘプチルフェノキシ基(各異性体)、オクチルフェノキシ基(各異性体)、ノニルフェノキシ基(各異性体)、デシルフェノキシ基(各異性体)、フェニルフェノキシ基(各異性体)、ジメチルフェノキシ基(各異性体)、ジエチルフェノキシ基(各異性体)、ジプロピルフェノキシ基(各異性体)、ジブチルフェノキシ基(各異性体)、ジペンチルフェノキシ基(各異性体)、ジヘキシルフェノキシ基(各異性体)、ジヘプチルフェノキシ基(各異性体)、ジフェニルフェノキシ基(各異性体)、トリメチルフェノキシ基(各異性体)、トリエチルフェノキシ基(各異性体)、トリプロピルフェノキシ基(各異性体)、トリブチルフェノキシ基(各異性体)等が挙げられる。
11における炭素数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基(各異性体)、フェニルプロピル基(各異性体)、フェニルブチル基(各異性体)、フェニルペンチル基(各異性体)、フェニルヘキシル基(各異性体)、フェニルヘプチル基(各異性体)、フェニルオクチル基(各異性体)、フェニルノニル基(各異性体)等が挙げられる。
11における炭素数7以上20以下のアラルキルオキシ基としては、例えば、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基(各異性体)、フェニルプロピルオキシ基(各異性体)、フェニルブチルオキシ基(各異性体)、フェニルペンチルオキシ基(各異性体)、フェニルヘキシルオキシ基(各異性体)、フェニルヘプチルオキシ基(各異性体)、フェニルオクチルオキシ基(各異性体)、フェニルノニルオキシ基(各異性体)等が挙げられる。
[A11
環A11は、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素環である。環A11は、単環であってもよく、多環であってもよく、縮合環であってもよい。
環A11として具体的は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ビフェニレン環、アセナフチレン環、アセアントリレン環、アセフェナントリレン環等が挙げられる。中でも、環A11としては、ベンゼン環、ナフタレン環、又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、これらの環は、上記R11以外の置換基を有していてもよい。R11以外の置換基としては、R11において例示されたものと同じものが挙げられる。R11とR11以外の置換基は、異なる官能基からなる。
[n11]
n11は、置換基R11の数を示し、1以上10以下の整数である。
一般式(I)において、環A11がベンゼン環である化合物としては、例えば、下記一般式(I-1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2023092840000021
(一般式(I-1)中、R111~R115それぞれ独立に、上記R11と同じである。)
中でも、R111~R115の少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、また、R111~R115の全てが水素原子であることがより好ましい。
好ましい第1のヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール、2-エチルフェノール、2-プロピルフェノール(各異性体)、2-ブチルフェノール(各異性体)、2-ペンチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-フェニルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,4-ジエチルフェノール、2、6-ジエチルフェノール、2,4-ジプロピルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピルフェノール(各異性体)、2,4-ジブチルフェノール(各異性体)、2,4-ジペンチルフェノール(各異性体)、2,4-ジヘキシルフェノール(各異性体)、2,4-ジヘプチルフェノール(各異性体)、2-メチル-6-エチルフェノール、2-メチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-クミルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-エチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-クミルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-エチルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-ブチル-4-クミルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-エチルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-ペンチル-4-クミルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-エチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-ヘプチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-ヘキシル-4-クミルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-メチルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-エチルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-オクチルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2-ヘプチル-4-クミルフェノール(各異性体)、2,4,6-トリメチルフェノール、2,6-ジメチル-4-エチルフェノール、2,6-ジメチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2,6-ジメチル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2,6-ジメチル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2,6-ジメチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6-ジメチル-4-フェニルフェノール、2,6-ジメチル-4-クミルフェノール、2,4,6-トリエチルフェノール、2,6-ジエチル-4-メチルフェノール、2,6-ジエチル-4-プロピルフェノール(各異性体)、2,6-ジエチル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2,6-ジエチル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2,6-ジエチル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6-ジエチル-4-フェニルフェノール、2,6-ジエチル-4-クミルフェノール、2,4,6-トリプロピルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-エチルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-メチルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-ブチルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-ペンチルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-ヘキシルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-フェニルフェノール(各異性体)、2,6-ジプロピル-4-クミルフェノール(各異性体)、2,4-ジメチル-6-エチルフェノール、2-メチル-4,6-ジエチルフェノール、2-メチル-4-プロピル-6-エチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ブチル-6-エチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ペンチル-6-エチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ヘキシル-6-エチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-フェニル-6-エチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-クミル-6-エチルフェノール(各異性体)、2,4-ジメチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4,6-ジプロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-エチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ブチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ペンチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ヘキシル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-フェニル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-クミル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2,4-ジメチル-6-ブチルフェノール、2-メチル-4,6-ジブチルフェノール、2-メチル-4-プロピル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-エチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ペンチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ヘキシル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-フェニル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-クミル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2,4-ジメチル-6-ペンチルフェノール、2-メチル-4,6-ジペンチルフェノール、2-メチル-4-プロピル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ブチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-エチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ヘキシル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-フェニル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-クミル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2,4-ジメチル-6-ヘキシルフェノール、2-メチル-4,6-ジヘキシルフェノール、2-メチル-4-プロピル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ブチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-ペンチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-エチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-フェニル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-メチル-4-クミル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-メチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2,4-ジエチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4,6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ブチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ペンチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘキシル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘプチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-オクチル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-フェニル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-クミル-6-プロピルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-メチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2,4-ジエチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4,6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-プロピル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ペンチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘキシル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘプチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-オクチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-フェニル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-クミル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-メチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2,4-ジエチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4,6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ブチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-プロピル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘキシル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘプチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-オクチル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-フェニル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-クミル-6-ペンチルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-メチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2,4-ジエチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4,6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-プロピル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ペンチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ブチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-ヘプチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-オクチル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-フェニル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-エチル-4-クミル-6-ヘキシルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-メチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2,4-ジプロピル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4,6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-エチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ペンチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ヘキシル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-ヘプチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-オクチル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-フェニル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2-プロピル-4-クミル-6-ブチルフェノール(各異性体)、2,4-ジクミルフェノール、メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)等が挙げられる。これらの中でも、フェノール、メトキシフェノール(各異性体)、又はエトキシフェノール(各異性体)が好ましい。
第1のヒドロキシ化合物としては、上述したカルバメート化合物から生成するイソシアネートの標準沸点よりも低い標準沸点を有するヒドロキシ化合物であることが好ましい。ここでいう「標準沸点」とは、1気圧下での沸点を指す。
<第2のヒドロキシ化合物>
第2のヒドロキシ化合物としては、上記第1のヒドロキシ化合物において例示されたものと同じものである。
<イソシアネート>
本実施形態の製造方法で製造されるイソシアネートは、下記一般式(VIII)で表される化合物(以下、「イソシアネート(VIII)」と称する場合がある)である。
Figure 2023092840000022
(一般式(VIII)中、R81及びn81は、それぞれ上記R21及び上記n21と同じである。)
81が脂肪族炭化水素基である場合、イソシアネート(VIII)として具体的には、例えば、脂肪族ジイソシアネート類、脂肪族トリイソシアネート類、置換された環式脂肪族ポリイソシアネート類等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネート類としては、例えば、ジイソシアナトエタン、ジイソシアナトプロパン(各異性体)、ジイソシアナトブタン(各異性体)、ジイソシアナトペンタン(各異性体)、ジイソシアナトヘキサン(各異性体)、ジイソシアナトデカン(各異性体)、イソホロンジイソシアネート(各異性体)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(各異性体)等が挙げられる。
脂肪族トリイソシアネート類としては、例えば、トリイソシアナトヘキサン(各異性体)、トリイソシアナトノナン(各異性体)、トリイソシアナトデカン(各異性体)等が挙げられる。
置換された環式脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、ジイソシアナトシクロブタン(各異性体)、ジイソシアナトシクロヘキサン(各異性体)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(シス体及びトランス体のうち少なくともいずれかの異性体)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(各異性体)等が挙げられる。
81が芳香族基の場合、イソシアネート(VIII)として具体的には、例えば、芳香族ジイソシアネート類、芳香族トリイソシアネート類等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート類としては、例えば、ジイソシアナトベンゼン(各異性体)、ジイソシアナトトルエン(各異性体)、ビス(イソシアナトフェニル)メタン(各異性体)、ジイソシアナトメシチレン(各異性体)、ジイソシアナトビフェニル(各異性体)、ジイソシアナトジベンジル(各異性体)、ビス(イソシアナトフェニル)プロパン(各異性体)、ビス(イソシアナトフェニル)エーテル(各異性体)、ビス(イソシアナトフェノキシエタン)(各異性体)、ジイソシアナトキシレン(各異性体)、ジイソシアナトアニソール(各異性体)、ジイソシアナトフェネトール(各異性体)、ジイソシアナトナフタレン(各異性体)、ジイソシアナトメチルベンゼン(各異性体)、ジイソシアナトメチルピリジン(各異性体)、ジイソシアナトメチルナフタレン(各異性体)、ジイソシアナトジフェニルメタン(各異性体)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(各異性体)等が挙げられる。
芳香族トリイソシアネート類としては、例えば、トリイソシアナトベンゼン(各異性体)、トリイソシアナト-メチルベンゼン(各異性体)、トリス(イソシアナトプロパン-イル)ベンゼン(各異性体)、トリス(イソシアナトプロパン-イル)-メチルベンゼン(各異性体)、トリス(イソシアナトメチル)-メチルベンゼン(各異性体)、((イソシアナト-フェニレン)ビス(メチレン))ビス(イソシアネートベンゼン)(各異性体)等が挙げられる。
81が芳香族である場合、芳香族基の電子吸引効果により直接結合するイソシアネート基の反応性が高くなる。さらに、同一芳香族化合物に直接結合するイソシアネート基の数が増えるほど相互の電子吸引作用で反応性がより高まる。反応性の観点からは、R81に対してイソシアネート基が2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましい。一方、イソシアネートの反応性が高くなると水分やイソシアネート同士及びその他の不純物との反応が生起され、化合物の常温及び加熱時の安定性が低くなる。イソシアネート化合物の安定性の観点から、R81に直接結合するイソシアネート基の数は4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさら好ましい。
81における脂肪族炭化水素基又は芳香族基が1以上4以下のエステル基又は窒素原子を有する場合に、イソシアネート(VIII)として具体的には、例えば、アクリル酸-2-イソシアナト-エチルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-イソシアナト-エチルエステル、アクリル酸-2-イソシアナト-プロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-2-イソシアナト-プロピルエステル、アクリル酸-3-イソシアナト-プロピルエステル、2-メチル-アクリル酸-3-イソシアナト-プロピルエステル、アクリル酸-4-イソシアナト-ブチルエステル、2-メチル-アクリル酸-4-イソシアナト-ブチルエステル、アクリル酸-5-イソシアナト-ペンチルエステル、2-メチル-アクリル酸-5-イソシアナト-ペンチルエステル、アクリル酸-6-イソシアナト-ヘキシルエステル、2-メチル-アクリル酸-6-イソシアナト-ヘキシルエステル、アクリル酸-8-イソシアナト-オクチルエステル、2-メチル-アクリル酸-8-イソシアナト-オクチルエステル、アクリル酸-10-イソシアナト-デシルエステル、2-メチル-アクリル酸-10-イソシアナト-デシルエステル、アクリル酸-11-イソシアナト-ウンデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-11-イソシアナト-ウンデシルエステル、アクリル酸-12-イソシアナト-ドデシルエステル、2-メチル-アクリル酸-12-イソシアナト-ドデシルエステル、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンエチルエステルジイソシアネート、2-イソシアナトエチル-2,5-ジイソシアナトペンタノエート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート、ビス(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトブタンジオエート、ビス(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトペンタンジオエート、トリス(2-イソシアナトエチル)ヘキサン-1,3,6-トリカルボキシレート、トリスイソシアナトエチルアミン、トリスイソシアナトプロピルアミン等が挙げられる。
本実施形態の製造方法で得られるイソシアネートは、ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤等の製造原料として好適に使用することができる。本実施形態の製造方法によって、猛毒のホスゲンを使用することなくイソシアネートを収率よく製造できる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に
限定されるものではない。以下、「%」は「質量%」を意味し、「ppm」は「質量ppm」を意味する。
<分析方法>
(1)H-NMR分析方法
装置として、日本電子(株)社製JNM-A400 FT-NMRシステムを用いて、H-NMR分析を実施した。
(1-1)H-NMR分析サンプルの調製
サンプル溶液を0.3g秤量し、重クロロホルムを0.7gと内部標準物質としてジメチルジフェニルシラン0.05gを加えて均一に混合した溶液をNMR分析サンプルとした。
(1-2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。測定値から、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比(以下、「(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値」ともいう)、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値(以下、「イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値」ともいう)を算出した。
(2)ガスクロマトグラフィー分析方法
以下の条件で分析を行い、生成したイソシアネートの収率を算出した。
(測定条件)
装置:島津製作所社製、GC-2010
カラム:DB-1
直径0.25mm、長さ30m、膜厚1.0μm
カラム温度:60℃~300℃
注入口温度:300℃
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:40mL/min
検出器:FID(水素炎イオン化型検出器)
(2-1)ガスクロマトグラフィー分析サンプルの調製
サンプル溶液を1.0g秤量し、アセトニトリルを10gと内部標準物質としてアニソールを0.1g加えて均一に混合した溶液をガスクロマトグラフィー分析サンプルとした。
(3)液体クロマトグラフィー分析方法
以下の条件で分析を行った。
(測定条件)
装置:島津製作所社製、LC-10AT
カラム:Inertsil ODS
粒子径5μm、内径2.1mm、長さ250mm
カラム温度:40℃
展開溶媒:水/アセトニトリル=90/10
展開溶媒流量:1mL/min
検出器:フォトダイオードアレイ検出器
(3-1)液体クロマトグラフィー分析サンプルの調製
サンプル溶液を1.0g秤量し、酢酸10gを加えて均一に混合した溶液を液体クロマトグラフィー分析サンプルとした。
(3-2)定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。測定値から、反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度(以下、「イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和」ともいう)を算出した。
[実施例1]
工程(1-1):カルバメート化合物の製造
図1に示す装置を使用して反応をおこなった。
ライン14を閉止した状態で、4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミン3.33kg(19.2mol)を貯槽101よりライン11を経てバッフル付きSUS製反応容器104に供給し、フェノール5.50kg(58.5mol)を貯槽102よりライン12を経て上記SUS製反応器に供給し、攪拌することで均一化した。次にライン16を閉止した状態で、フェノール5.50kg(58.5mol)を貯槽102よりライン15を経てSUS製反応器105に供給し、炭酸ジフェニル20.52kg(95.9mol)を貯槽103よりライン13を経て上記反応器105に供給した。上記反応器105の液温を65℃に調整し、攪拌することで均一化した後、反応器104よりライン14を経て4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンとフェノールの混合液を内温が70℃を超えないように供給した。2時間攪拌を継続した後、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を約1kPaにすることで、液中のフェノール15.53kgをライン17および凝縮器A11を通じて貯槽107に抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(1)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。ライン16を開き、上記反応液(1)を、ライン16を経て貯槽106に移送した。反応液(1)の重量は19.31kgであった。
工程(1-2):カルバメート化合物の熱分解工程
ライン24を閉止した状態で、貯槽202より炭酸ジフェニル10.91kgをライン22を経てバッフル付きSUS製反応容器201に供給した。多段蒸留塔203の温度を170℃まで昇温し、反応器201のジャケット温度を258℃に加熱して、圧力を32kPaまで減圧した。工程(1-1)で貯槽106に回収した反応液(1)19.31kgを120℃に加熱し、ライン21を経て約10分でSUS製反応容器201に供給して、カルバメート化合物の熱分解を行った。圧力を18から32kPaの範囲に調整し、熱分解によって生成するフェノールを蒸留塔203で炭酸ジフェニルや生成物の1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナトメチルオクタン(TTI)と分離し、ライン23、およびA21を経て貯槽205に回収した。この時の還流比は0.5であった。反応液(1)を全て移送後、更に内温250℃でフェノールの抜き出しを継続した。反応液(1)を全て移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.7であった。反応液(1)を全て移送してから2.5時間後に反応を終了し、反応液をライン24より抜き出し、貯槽206に移送した。貯槽206に移送した反応液の重量は16.06kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.6mmol/gであった。
[実施例2]
工程(2-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、炭酸ジフェニルを19.4kg使用し、反応液(1)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度228℃、内温220℃、還流比1.2、圧力を8から14kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後4時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.1であった。反応後の反応液の重量は18.63kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率85質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.1mmol/gであった。
[実施例3]
工程(3-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、炭酸ジフェニルを19.4kg使用し、反応液(1)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.2、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は17.46kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率70質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.3mmol/gであった。
[実施例4]
工程(4-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、炭酸ジフェニルを19.4kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度248℃、内温240℃、還流比0.4、圧力を14から26kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は20.96kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.8mmol/gであった。
[実施例5]
工程(5-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、炭酸ジフェニルを19.4kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度258℃、内温250℃、還流比4.0、圧力を21から32kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後2.5時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.06、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.3であった。反応後の反応液の重量は22.12kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率73質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.6mmol/gであった。
[実施例6]
工程(6-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、ベンゾフェノンを19.4kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.8、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.12、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は22.12kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率72質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.5mmol/gであった。
[実施例7]
工程(7-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、ジフェニルエーテルを19.4kg使用し、反応液(1)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.2、圧力を50から60kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.3であった。反応後の反応液の重量は19.02kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率73質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.0mmol/gであった。
[実施例8]
工程(8-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、ベンジルトルエンを19.4kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.0、圧力を31から42kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.11、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.5であった。反応後の反応液の重量は18.24kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率72質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.2mmol/gであった。
[実施例9]
工程(9-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、ジベンジルトルエンを19.4kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.9、圧力を5から14kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は33.37kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は1.7mmol/gであった。
[実施例10]
工程(10-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.4kg、フルオレンを19.4kg使用し、反応液(1)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.7、圧力を13から20kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.11、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.8であった。反応後の反応液の重量は16.30kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率74質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.5mmol/gであった。
[実施例11]
工程(11-1):カルバメート化合物の製造
炭酸ジフェニルの代わりに炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を26.30kgを使用し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール2.65kgを4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミン3.33kgと混合し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール2.65kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法で4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を0.8kPaにすることで、液中の2-メトキシフェノール11.27kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(2)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(2)の重量は23.66kgであった。
工程(11-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、炭酸ジフェニルを15.8kg使用し、反応液(2)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.2、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.7であった。反応後の反応液の重量は18.96kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.0mmol/gであった。
[実施例12]
工程(12-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、ベンゾフェノンを15.8kg使用し、反応液(2)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.4、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.12、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.4であった。反応後の反応液の重量は16.17kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.6mmol/gであった。
[実施例13]
工程(13-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、ジフェニルエーテルを15.8kg使用し、反応液(2)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.3、圧力を50から60kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.3であった。反応後の反応液の重量は19.72kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率73質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.9mmol/gであった。
[実施例14]
工程(14-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、ベンジルトルエンを15.8kg使用し、反応液(2)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.9、圧力を31から42kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.14、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.6であった。反応後の反応液の重量は16.17kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率72質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.6mmol/gであった。
[実施例15]
工程(15-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、ジベンジルトルエンを15.8kg使用し、反応液(2)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.4、圧力を5から14kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.06、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は33.12kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率89質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は1.7mmol/gであった。
[実施例16]
工程(16-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、フルオレンを15.8kg使用し、反応液(2)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.1、圧力を13から20kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.07、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.5であった。反応後の反応液の重量は17.74kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率79質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.2mmol/gであった。
[実施例17]
工程(17-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例11の反応液(2)を23.7kg、炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を15.8kg使用し、反応液(2)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.5、圧力を7から15kPaの範囲で反応を行い、反応液(2)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.3であった。反応後の反応液の重量は31.54kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率79質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は1.8mmol/gであった。
[比較例1]
工程(1’-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.40kg、炭酸ジフェニルを5.45kg使用し、反応液(1)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.5、圧力を5から15kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後1.5時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.15、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が2.8であった。反応後の反応液の重量は5.71kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率16質量%で生成していた。
この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は10mmol/gであった。
[比較例2]
工程(2’-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.40kg、炭酸ジフェニルを10.90kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0、圧力を11から15kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後4時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.14、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が2.5であった。反応後の反応液の重量は9.39kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率20質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は6.1mmol/gであった。
[比較例3]
工程(3’-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.40kg、炭酸ジフェニルを10.90kg使用し、反応液(1)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度248℃、内温240℃、還流比0、圧力を30から32kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後4時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.30、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が3.7であった。反応後の反応液の重量は20.00kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率27質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.9mmol/gであった。
[比較例4]
工程(4’-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例1の反応液(1)を19.40kg、炭酸ジフェニルを10.90kg使用し、反応液(1)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0、圧力を14から18kPaの範囲で反応を行い、反応液(1)を全て移送後4時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(1)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.22、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が3.1であった。反応後の反応液の重量は15.15kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TTIが収率31質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.8mmol/gであった。
[実施例18]
工程(18-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにヘキサメチレンジアミンを3.33kg、炭酸ジフェニルを20.40kg、を使用し、フェノール5.50kgをヘキサメチレンジアミンと混合し、フェノール5.50kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でヘキサメチレンジアミンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール15.42kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(3)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(3)の重量は19.31kgであった。
工程(18-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(3)を19.31kg、炭酸ジフェニルを19.31kg使用し、反応液(3)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.2、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(3)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(3)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は33.22kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.6mmol/gであった。
[実施例19]
工程(19-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりに4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)を3.33kg、炭酸ジフェニルを11.27kg、を使用し、フェノール2.29kgを4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)と混合し、フェノール2.29kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法で4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール6.94kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(4)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(4)の重量は12.24kgであった。
工程(19-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(4)を12.24kg、炭酸ジフェニルを12.24kg使用し、反応液(4)を約10分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.5、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(4)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(4)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.12、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は9.79kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナート(HMDI)が収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は4.9mmol/gであった。
[実施例20]
工程(20-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりに1,3-ジ(アミノメチル)シクロヘキサンを3.33kg、炭酸ジフェニルを16.44kg、を使用し、フェノール4.11kgを1,3-ジ(アミノメチル)シクロヘキサンと混合し、フェノール4.11kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法で1,3-ジ(アミノメチル)シクロヘキサンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール11.71kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(5)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(5)の重量は16.24kgであった。
工程(20-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(5)を16.24kg、炭酸ジフェニルを16.24kg使用し、反応液(5)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.0、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(5)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(5)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.5であった。反応後の反応液の重量は13.97kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)が収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は5.0mmol/gであった。
[実施例21]
工程(21-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりに1,5-ジアミノペンタンを3.33kg、炭酸ジフェニルを23.20kg、を使用し、フェノール6.48kgを1,5-ジアミノペンタンと混合し、フェノール6.48kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法で1,5-ジアミノペンタンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール18.01kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(6)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(6)の重量は21.48kgであった。
工程(21-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(6)を21.48kg、炭酸ジフェニルを21.48kg使用し、反応液(6)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.5、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(6)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(6)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は37.38kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)が収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.6mmol/gであった。
[実施例22]
工程(22-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにイソホロンジアミンを3.33kg、炭酸ジフェニルを13.92kg、を使用し、フェノール3.22kgをイソホロンジアミンと混合し、フェノール3.22kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でイソホロンジアミンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール9.4kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(7)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率99質量%で生成していた。上記反応液(7)の重量は14.29kgであった。
工程(22-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(7)を14.29kg、炭酸ジフェニルを14.29kg使用し、反応液(7)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.9、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(7)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(7)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.11、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は23.44kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.5mmol/gであった。
[実施例23]
工程(23-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにキシリレンジアミンを3.33kg、炭酸ジフェニルを17.42kg、を使用し、フェノール4.45kgをキシリレンジアミンと混合し、フェノール4.45kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でキシリレンジアミンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール12.64kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(8)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率98質量%で生成していた。上記反応液(8)の重量は16.99kgであった。
工程(23-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(8)を16.99kg、炭酸ジフェニルを16.99kg使用し、反応液(8)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.5、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(8)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(8)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.0であった。反応後の反応液の重量は28.89kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、キシリレンジイソシアネート(XDI)が収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.3mmol/gであった。
[実施例24]
工程(24-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりに4,4'-ジアミノジフェニルメタンを3.33kg、炭酸ジフェニルを11.96kg、を使用し、フェノール2.53kgをキシリレンジアミンと混合し、フェノール2.53kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法で4,4'-ジアミノジフェニルメタンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール7.58kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(9)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率95質量%で生成していた。上記反応液(9)の重量は12.77kgであった。
工程(24-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(9)を12.77kg、炭酸ジフェニルを12.77kg使用し、反応液(9)を約10分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.8、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(9)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(9)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は11.75kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、4,4'-ジイソシアン酸メチレンジフェニル(MDI)が収率70質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は4.3mmol/gであった。
[実施例25]
工程(25-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにトリレン-2,4-ジアミンを3.33kg、炭酸ジフェニルを19.41kg、を使用し、フェノール5.15kgをキシリレンジアミンと混合し、フェノール5.15kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でトリレン-2,4-ジアミンから対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール14.49kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(10)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率96質量%で生成していた。上記反応液(10)の重量は18.54kgであった。
工程(25-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(10)を18.54kg、炭酸ジフェニルを18.54kg使用し、反応液(10)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.7、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(10)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(10)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.11、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は11.75kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、トルイレンジイソシアネート(TDI)が収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.5mmol/gであった。
[実施例26]
工程(26-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにリジンβ-アミノエチルエステル3塩酸塩を3.33kg、炭酸ジフェニルを11.91kg、を使用し、フェノール2.52kgをリジンβ-アミノエチルエステル3塩酸塩と混合し、フェノール2.52kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でリジンβ-アミノエチルエステル3塩酸塩から対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール等を8.82kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(11)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率96質量%で生成していた。上記反応液(11)の重量は11.45kgであった。
工程(26-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(11)を11.45kg、炭酸ジフェニルを10.00kg使用し、反応液(11)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.2、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.02、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.3であった。反応後の反応液の重量は9.01kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート(LTI)が収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.7mmol/gであった。
[実施例27]
工程(27-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例26の反応液(11)を11.45kg、ベンゾフェノンを10.00kg使用し、反応液(11)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.5、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.5であった。反応後の反応液の重量は10.51kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.2mmol/gであった。
[実施例28]
工程(28-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例26の反応液(11)を11.45kg、ジフェニルエーテルを10.00kg使用し、反応液(11)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.1、圧力を50から60kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.0であった。反応後の反応液の重量は10.73kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率71質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.1mmol/gであった。
[実施例29]
工程(29-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例26の反応液(11)を11.45kg、ベンジルトルエンを10.00kg使用し、反応液(11)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.6、圧力を31から42kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.03、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は9.22kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率84質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.6mmol/gであった。
[実施例30]
工程(30-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例26の反応液(11)を11.45kg、ジベンジルトルエンを10.00kg使用し、反応液(11)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.9、圧力を2から4kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.06、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.5であった。反応後の反応液の重量は18.02kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は1.9mmol/gであった。
[実施例31]
工程(31-2):カルバメート化合物の熱分解工程
実施例26の反応液(11)を11.45kg、フルオレンを10.00kg使用し、反応液(11)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.9、圧力を13から20kPaの範囲で反応を行い、反応液(11)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(11)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.12、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.7であった。反応後の反応液の重量は8.79kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率70質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.8mmol/gであった。
[実施例32]
工程(32-1):カルバメート化合物の製造
炭酸ジフェニルの代わりに炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を15.26kgを使用し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール0.84kgをリジンβ-アミノエチルエステル3塩酸塩3.33kgと混合し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール0.84kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でリジンβ-アミノエチルエステル3塩酸塩から対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を0.8kPaにすることで、液中の2-メトキシフェノール等を6.35kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(12)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率96質量%で生成していた。上記反応液(12)の重量は13.92kgであった。
工程(32-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、炭酸ジフェニルを8.0kg使用し、反応液(12)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.6、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.08、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.4であった。反応後の反応液の重量は9.64kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率70質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.5mmol/gであった。
[実施例33]
工程(33-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、ベンゾフェノンを8.00kg使用し、反応液(12)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.4、圧力を11から16kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.10、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.4であった。反応後の反応液の重量は9.86kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率72質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.4mmol/gであった。
[実施例34]
工程(34-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、ジフェニルエーテルを8.0kg使用し、反応液(12)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.1、圧力を50から60kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.9であった。反応後の反応液の重量は10.08kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.3mmol/gであった。
[実施例35]
工程(35-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、ベンジルトルエンを8.0kg使用し、反応液(12)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.5、圧力を31から42kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.08、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は10.30kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率70質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.2mmol/gであった。
[実施例36]
工程(36-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、ジベンジルトルエンを8.0kg使用し、反応液(12)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.8、圧力を3から7kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.5であった。反応後の反応液の重量は18.63kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は1.8mmol/gであった。
[実施例37]
工程(37-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、フルオレンを8.0kg使用し、反応液(12)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.1、圧力を13から20kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は10.52kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.2mmol/gであった。
[実施例38]
工程(38-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(12)を13.92kg、炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を8.0kg使用し、反応液(12)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.4、圧力を4から9kPaの範囲で反応を行い、反応液(12)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(12)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は9.64kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LTIが収率74質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.5mmol/gであった。
[実施例39]
工程(39-1):カルバメート化合物の製造
4-アミノメチル―1,8-オクタンジアミンの代わりにリジンメチルエステル二塩酸塩を3.33kg、炭酸ジフェニルを17.31kg、を使用し、フェノール1.91kgをリジンメチルエステル二塩酸塩と混合し、フェノール1.91kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でリジンメチルエステル二塩酸塩から対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を1.0kPaにすることで、液中のフェノール等を5.93kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(13)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率97質量%で生成していた。上記反応液(13)の重量は11.38kgであった。
工程(39-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、炭酸ジフェニルを11.38kg使用し、反応液(13)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比0.9、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.14、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.0であった。反応後の反応液の重量は19.35kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、リジンメチルエステルジイソシアネート(LDI)が収率74質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.6mmol/gであった。
[実施例40]
工程(40-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、ベンゾフェノンを11.38kg使用し、反応液(13)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.5、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.07、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.5であった。反応後の反応液の重量は20.04kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.5mmol/gであった。
[実施例41]
工程(41-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、ジフェニルエーテルを11.38kg使用し、反応液(13)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.1、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.12、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は11.38kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は4.4mmol/gであった。
[実施例42]
工程(42-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、ベンジルトルエンを11.38kg使用し、反応液(13)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.9、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.8であった。反応後の反応液の重量は9.33kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率76質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は5.4mmol/gであった。
[実施例43]
工程(43-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、ジベンジルトルエンを11.38kg使用し、反応液(13)を約11分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.9、圧力を21から31kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は18.67kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.7mmol/gであった。
[実施例44]
工程(44-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(13)を11.38kg、フルオレンを11.38kg使用し、反応液(13)を約10分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.3、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(13)を全て移送後3時間フェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(13)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.13、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+フェノール)の値が1.3であった。反応後の反応液の重量は19.12kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率75質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.6mmol/gであった。
[実施例45]
工程(45-1):カルバメート化合物の製造
炭酸ジフェニルの代わりに炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を13.03kgを使用し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール0.47kgをリジンメチルエステル二塩酸塩3.33kgと混合し、フェノールの代わりに2-メトキシフェノール0.47kgを反応器に供給した以外は実施例1の工程(1-1)と同じ方法でリジンメチルエステル二塩酸塩から対応するカルバメートを合成し、反応液を120℃まで昇温し、内部の圧力を0.8kPaにすることで、液中の2-メトキシフェノール等を3.82kgを抜き出した。
反応後の溶液(以下、「反応液(14)」とも記す。)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、対応するカルバメート化合物が収率97質量%で生成していた。上記反応液(14)の重量は13.49kgであった。
工程(45-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、炭酸ジフェニルを13.49kg使用し、反応液(14)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比2.6、圧力を20から33kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.11、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.7であった。反応後の反応液の重量は22.67kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.2mmol/gであった。
[実施例46]
工程(46-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、ベンゾフェノンを13.49kg使用し、反応液(14)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.2、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.2であった。反応後の反応液の重量は22.94kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率79質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.2mmol/gであった。
[実施例47]
工程(47-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、ジフェニルエーテルを13.49kg使用し、反応液(14)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.6、圧力を25から35kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.06、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.8であった。反応後の反応液の重量は12.15kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率79質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は4.1mmol/gであった。
[実施例48]
工程(48-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、ベンジルトルエンを13.49kg使用し、反応液(14)を約14分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.9、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.1であった。反応後の反応液の重量は12.96kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は3.8mmol/gであった。
[実施例49]
工程(49-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、ジベンジルトルエンを13.49kg使用し、反応液(14)を約12分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比4.5、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.07、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が1.2であった。反応後の反応液の重量は22.48kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率77質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.1mmol/gであった。
[実施例50]
工程(50-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、フルオレンを13.49kg使用し、反応液(14)を約13分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比3.6、圧力を20から30kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.05、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.3であった。反応後の反応液の重量は22.48kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率76質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.2mmol/gであった。
[実施例51]
工程(51-2):カルバメート化合物の熱分解工程
反応液(14)を13.49kg、炭酸ビス(2-メトキシフェニル)を13.49kg使用し、反応液(14)を約15分かけて反応器に供給して反応を開始し、ジャケット温度238℃、内温230℃、還流比1.2、圧力を20から29kPaの範囲で反応を行い、反応液(14)を全て移送後3時間2-メトキシフェノールの抜き出しを継続したこと以外は、実施例1と同様の操作で熱分解反応を行った。反応液(14)を移送してから1時間後に反応液のサンプリングを行い、H-NMR分析を行ったところ、(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)の値は0.09、イソシアネート基×(カルバメート基+アロファネート基+2-メトキシフェノール)の値が0.9であった。反応後の反応液の重量は23.21kgであった。この反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、LDIが収率78質量%で生成していた。この時の反応液のイソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基の濃度の和は2.1mmol/gであった。
以上のことから、実施例に示す製造方法を採用することで、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができることが明らかとなった。
本実施形態の製造方法によれば、ホスゲンを使用せずにイソシアネートを製造する際に、イソシアネートを収率良く、安定して連続的に製造することができる、イソシアネートの製造方法を提供することができる。
11,12,13,15,21,22:フィードライン
14,16,17,23,24:移送ライン
A11,A21:コンデンサー
101,102,103,202:フィードタンク
106,107,204,205:タンク
104,105,201:攪拌槽
203:多段蒸留塔

Claims (13)

  1. カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る、イソシアネートの製造方法であって、
    以下の工程を含む、製造方法。
    カルバメート化合物を含む反応物を反応器に供給する供給工程;
    以下の1)~3)の条件下にて、カルバメート化合物を熱分解して、イソシアネートを得る熱分解工程;
    1)前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器中の、前記反応物1gに対する、イソシアネート基、カルバメート基、及びアロファネート基の合計濃度が1.5mmol/g以上6.0mmol/g以下である;
    2)還流比が0.001以上30以下の条件下で、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、(カルバメート基+アロファネート基+第1のヒドロキシ化合物)/(イソシアネート基+カルバメート基+アロファネート基)のモル比が0.15以下となるように、前記カルバメート化合物から副生する第1のヒドロキシ化合物を気相に抜き出す;
    3)前記反応器中の、前記カルバメート化合物全量を反応器に供給してから60分後における、イソシアネート基のモル量×(カルバメート基、アロファネート基及び第1のヒドロキシ化合物の合計モル量)の値が3.0以下である;及び、
    前記イソシアネートを反応器より回収する回収工程。
  2. 前記第1のヒドロキシ化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2023092840000023
    (一般式(I)中、環A11は、炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素環である。R11は水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数6以上20以下のアリールオキシ基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、炭素数7以上20以下のアラルキルオキシ基、又はヒドロキシ基である。R11は、環A11と結合して環構造を形成してもよい。また、n11は1以上10以下の整数である。)
  3. 前記環A11が、ベンゼン環である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記カルバメート化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2023092840000024
    (一般式(II)中、R21は、1価以上10価以下の有機基であり、R22は1価の有機基である。n21は1以上10以下の整数である。)
  5. 前記熱分解工程を溶媒存在下で行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記溶媒を反応開始前に反応器に供給する、又は、反応中に供給する、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記溶媒が、炭酸誘導体、エーテル、炭化水素、及びケトンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記炭酸誘導体が、下記一般式(III)で表される化合物である、請求項7に記載の製造方法。
    Figure 2023092840000025
    (一般式(III)中、R31及びR32は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は炭素数6以上20以下のアリールオキシ基である。)
  9. 前記炭酸誘導体が、下記一般式(III-1)で表される化合物である、請求項7又は8に記載の製造方法。
    Figure 2023092840000026
    (一般式(III-1)中、R311及びR312は、それぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基である。)
  10. 前記カルバメート化合物を前記溶媒との混合物として、前記反応器に供給する、請求項5~9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記カルバメート化合物を第2のヒドロキシ化合物との混合物として、前記反応器に供給し、
    前記第2のヒドロキシ化合物は、前記第1のヒドロキシ化合物と同じ化合物を用いる、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記カルバメート化合物を前記反応器に供給する時間は、60分以内である、請求項1~11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記熱分解工程の反応終了時における、前記反応器に残存する液量が、前記反応器に供給した液量に対して10質量%以上90質量%以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載の製造方法。
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