JP2023092644A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023092644000001
【課題】動作信頼性を向上する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体装置において、第1の絶縁膜は、第1の導電層と第1の電極膜との間に配される。第1の絶縁膜は、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを含む。第1の部分は、第1の電極膜における第1の導電層に対向する面を覆う。第2の部分は、第1の部分の上端から第3の方向に延び、第1の電極膜の上面を覆う。第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直な方向である。第3の部分は、第1の部分の下端から第3の方向に延び、第1の電極膜の下面を覆う。第1の積層体における第1の導電層と半導体膜とが交差する位置に第1のメモリセルが設けられる。第1のメモリセルが設けられる位置において、第3の方向における第2の部分又は第3の部分の端面と半導体膜の側面との距離は、第3の方向における第1の電極膜の端面と半導体膜の側面との距離より大きい。
【選択図】図6

Description

本実施形態は、半導体装置に関する。
複数の導電層が絶縁層を介して積層された積層体内を半導体膜が積層方向に延び、各導電層と半導体膜との近接する部分をメモリセルとして機能させる3次元構造の半導体装置が知られている。この半導体装置では、動作信頼性を向上することが望まれる。
特開2021-034486号公報
一つの実施形態は、動作信頼性を向上できる半導体装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、第1の積層体と複数の半導体膜と第1の電極膜と第1の絶縁膜とを有する半導体装置が提供される。第1の積層体は、複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して第1の方向に積層される。複数の半導体膜は、それぞれが第1の方向に延びる。第1の電極膜は、第1の導電層と半導体膜との間に配される。第1の電極膜は、第1の方向に垂直な第2の方向に延びる。第1の絶縁膜は、第1の導電層と第1の電極膜との間に配される。第1の絶縁膜は、第1の部分と第2の部分と第3の部分とを含む。第1の部分は、第1の電極膜における第1の導電層に対向する面を覆う。第2の部分は、第1の部分の上端から第3の方向に延び、第1の電極膜の上面を覆う。第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直な方向である。第3の部分は、第1の部分の下端から第3の方向に延び、第1の電極膜の下面を覆う。第1の積層体における第1の導電層と半導体膜とが交差する位置に第1のメモリセルが設けられる。第1のメモリセルが設けられる位置において、第3の方向における第2の部分又は第3の部分の端面と半導体膜の側面との距離は、第3の方向における第1の電極膜の端面と半導体膜の側面との距離より大きい。
実施形態にかかる半導体装置の概略構成を示す斜視図。 実施形態にかかる半導体装置の概略構成を示すブロック図。 実施形態におけるメモリセルアレイの構成を示す回路図。 実施形態におけるメモリセルアレイの構成を示す垂直方向の断面図。 実施形態におけるメモリセルの構成を示す平面方向の断面図。 実施形態におけるメモリセルの構成を示す垂直方向の拡大断面図。 実施形態におけるメモリセルの動作を示す垂直方向の断面図。 実施形態の変形例にかかる半導体装置の概略構成を示す斜視図。 実施形態の変形例におけるメモリセルアレイの構成を示す垂直方向の断面図。 実施形態の変形例におけるメモリセルの構成を示す平面方向の断面図。 実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す図。 実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す図。 実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す図。 実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を示す図。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
実施形態にかかる半導体装置は、3次元的なメモリセルアレイを有するが、各メモリセルにおいて電荷が蓄積可能な電極膜に対して、電荷の消去及び蓄積が適切に行われるような構造上の工夫が施される。例えば、半導体装置1は、図1に示すように構成され得る。図1は、半導体装置1の概略構成を示す斜視図である。
以下の説明では、基板SUBの表面に平行な平面内で互いに直交する方向をX方向及びY方向とし、より具体的には、X方向はワード線WLの延びる方向とし、Y方向はビット線BLの延びる方向とする。Z方向は、基板SUBの表面に直交する方向とする。このため、Z方向は、X方向及びY方向と直交する。
図1に示すように、半導体装置1には、選択ゲートSGSと、ワード線WLと、選択ゲートSGDとが含まれる。選択ゲートSGSは、絶縁層7を介して基板SUBの上に積層される。図1の例では、選択ゲートSGSは3層設けられる。ワード線WLは、最上層の選択ゲートSGSの上に絶縁層7を介して積層される。図1の例では、ワード線WLはZ方向に沿って、絶縁層7と交互に複数層設けられる。選択ゲートSGDは、最上層のワード線WLの上に絶縁層7を介して積層される。選択ゲートSGS、ワード線WLおよび選択ゲートSGDは、それぞれX方向及びY方向に延びる板状である。
図1の例では、選択ゲートSGD、ワード線WL、及び選択ゲートSGSは、スリットSTによりY方向に分断され絶縁される。ソース線SLは、層間絶縁膜81を介して基板SUBの+Z側に配されている。スリットSTは、ソース線SLの+Z側に設けられ、X方向及びZ方向に延在する。
選択ゲートSGDは、例えば、分断膜SHEによりY方向に分断される。図1の例では、Y方向に分割された選択ゲートSGD0とSGD1が示されている。分断膜SHEは、ワード線WLの上方(+Z側)に設けられ、X方向及びZ方向に延在する。このため、ワード線WL上には、選択ゲートSGD0と選択ゲートSGD1とがY方向に並んで配置される。図1の例では、選択ゲートSGD0およびSGD1は、それぞれ、3層設けられる。
基板SUBは、例えば、シリコン基板である。選択ゲートSGS、ワード線WL、選択ゲートSGDは、例えば、タングステン(W)を含む金属層である。絶縁層7および層間絶縁層81は、例えば、酸化シリコンを含む絶縁体である。
半導体装置1は、複数の柱状体4をさらに備える。柱状体4は、選択ゲートSGS、ワード線WLおよび選択ゲートSGDを貫いて、それらの積層方向であるZ方向に延びる。半導体装置1は、選択ゲートSGDの上方に設けられた複数のビット線BLをさらに備える。
柱状体4は、それぞれコンタクトプラグ31を介してビット線BLに電気的に接続される。例えば、選択ゲートSGD0を共有する柱状体4のうちの1つと、選択ゲートSGD1を共有する柱状体4のうちの1つは、1つのビット線BLに電気的に接続される。
なお、図1では、図示の簡略化のために、選択ゲートSGDとビット線BLとの間に設けられる層間絶縁膜を省略している。
半導体装置1では、選択ゲートSGD、ワード線WL、及び選択ゲートSGSが、それぞれ、導電層で構成される。ソース線SLの+Z側には、導電層と絶縁層とが交互に積層された積層体SSTが構成される。積層体SSTが柱状体4で貫通されて3次元的なメモリセルの配列(メモリセルアレイ)が構成される。
すなわち、半導体装置1において、ワード線WLと柱状体4とが交差する部分がメモリセルとして機能するように構成され、複数のメモリセルが3次元的に配列されたメモリセルアレイ2が構成される。また、選択ゲートSGSと柱状体4とが交差する部分がソース側の選択ゲートとして機能し、選択ゲートSGD0,SGD1と柱状体4とが交差する部分がドレイン側の選択ゲートとして機能する。半導体装置1では、積層体SSTにおけるワード線WLの積層数を増やすことによって、より微細なパターニング技術を利用しなくても、記憶容量を増加することが可能である。
図2は、半導体装置1の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、半導体装置1は、メモリセルアレイ2、周辺回路100、及びインタフェース200を有している。周辺回路100は、WL駆動回路110、SGS駆動回路120、SGD駆動回路130、SL駆動回路140、及びセンスアンプ回路150を含む。
WL駆動回路110は、ワード線WLへの印加電圧を制御する回路であり、SGS駆動回路120は、選択ゲートSGSに印加する電圧を制御する回路である。SGD駆動回路130は、選択ゲートSGDに印加する電圧を制御する回路であり、SL駆動回路140は、ソース線SLに印加する電圧を制御する回路である。センスアンプ回路150は、ビット線BLに印加する電圧を制御する回路であるとともに、選択されたメモリセルからの信号に応じて読み出したデータを判定する回路である。
周辺回路100は、インタフェース200経由で外部(例えば、半導体装置1が適用されるメモリシステムのメモリコントローラ)から入力された指示に基づいて、半導体装置1の動作を制御する。
次に、メモリセルアレイ2の回路構成について図3を用いて説明する。図3は、メモリセルアレイ2の構成を示す回路図である。
メモリセルアレイ2は、各々が複数のメモリセルトランジスタMTの集合である複数のブロックBLKを有する。以下では、メモリセルトランジスタMTを単にメモリセルMTと呼ぶことにする。
各ブロックBLKは、ワード線WLおよびビット線BLに関連付けられたメモリセルMTの集合である複数のストリングユニットSU0,SU1,SU2,SU3を有する。各ブロックBLKは、例えば、64本のワード線WL0~WL63及びk+1本のビット線BL0~BLkに関連付けられる。kは、任意の2以上の整数である。
各ストリングユニットSU0~SU3は、メモリセルMTが直列接続された複数のメモリストリングMSTを有する。なお、図3では、4つのストリングユニットSU0~SU3が例示されるが、ストリングユニットSU0~SU3の数は2以下でもよいし、4以上でもよい。ストリングユニットSU内のメモリストリングMSTの数は任意である。
複数のストリングユニットSU0,SU1,SU2,SU3は、複数の選択ゲートSGD0,SGD1,SGD2,SGD3に対応しているとともに選択ゲートSGSを共有しており、ブロックBLKにおける複数の駆動単位として機能する。各ストリングユニットSUは、その対応する選択ゲートSGDと選択ゲートSGSとで駆動され得る。また、各ストリングユニットSUは、複数のメモリストリングMSTを含む。
各メモリストリングMSTは、ワード線WLに交差する位置にメモリセルMTを有する。例えば、各メモリストリングMSTは、64個のメモリセルMT(MT0~MT63)および選択トランジスタDGT,SGTを含んでいる。メモリセルMTは、コントロールゲートと電極膜とを有し、電極膜に電荷を蓄積することでデータを不揮発に保持可能である。そして64個のメモリセルMT(MT0~MT63)は、選択トランジスタDGTのソースと選択トランジスタSGTのドレインとの間に直列接続されている。なお、メモリストリングMST内のメモリセルMTの個数は64個に限定されない。
各ストリングユニットSU0~SU3における選択トランジスタDGTのゲートは、それぞれ選択ゲートSGD0~SGD3に接続される。これに対して各ストリングユニットSUにおける選択トランジスタSGTのゲートは、例えば選択ゲートSGSに共通接続される。
各ストリングユニットSU内にある各メモリストリングMSTの選択トランジスタDGTのドレインは、それぞれ異なるビット線BL0~BLkに接続される。また、ビット線BL0~BLkは、複数のブロックBLK間で各ストリングユニットSU内にある1つのメモリストリングMSTを共通に接続する。更に、各選択トランジスタSGTのソースは、ソース線SLに共通に接続されている。
つまりストリングユニットSUは、異なるビット線BL0~BLkに接続され、且つ同一の選択ゲートSGDに接続されたメモリストリングMSTの集合である。また各ブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSU0~SU3の集合である。そしてメモリセルアレイ2は、ビット線BL0~BLkを共通にする複数のブロックBLKの集合である。
なお、ワード線WLを共有するメモリセルMTの群を「メモリセルグループMCG」と呼ぶことにすると、メモリセルグループMCGは、ワード線WLを介して一括して所定の電圧(例えば、書き込み電圧、読み出し電圧)を印加可能なメモリセルMTの集合の最小単位である。
次に、メモリセルアレイ2の断面構成について図4を用いて説明する。図4は、メモリセルアレイ2の構成を示す断面図である。
半導体装置1において、基板SUBの+Z側には、層間絶縁膜81を介して導電層3が配される。導電層3は、不純物を含む半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料または導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。導電層3は、XY方向に板状に延び、ソース線SL(図1参照)として機能する。導電層3の+Z側には、複数の柱状体4が配される。図4では、複数の柱状体4のうちの1つが例示される。複数の柱状体4は、XY方向に配列される。各柱状体4は、積層体SST(図1参照)内をZ方向に延びる。
各柱状体4は、Z方向に沿った中心軸CAを有する柱形状を有し、例えば略円柱形状を有する。各柱状体4は、+Z側端の径に比べて-Z側端の径が狭いテーパ形状を有してもよい。各柱状体4,4cは、+Z側端の径に比べて-Z側端の径が狭く且つ+Z側端及び-Z側端の間の所定のZ位置で径が広がったボーイング形状を有してもよい。図4では、簡略化のため、各柱状体4の形状として、略円柱形状が例示される。
柱状体4は、図4及び図5に示すように、中心軸CA側から順にコア部材CR、半導体膜CH、絶縁膜TNL、複数の電極膜FG、絶縁膜BLK1、絶縁膜BLK2を有する。図5は、メモリセルMTの構成を示すXY方向の拡大断面図であり、図4をA-A線に沿って切った場合のXY断面図を拡大したものである。
コア部材CRは、柱状体4の中心軸CA近傍に配され柱状体4の中心軸CAに沿って延びた略円柱形状を含む。コア部材CRは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物などの半導体酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
半導体膜CHは、コア部材CRを外側から囲むように配され柱状体4の中心軸CAに沿って延びた略円筒状の形状を含む。半導体膜CHは、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、ポリシリコン)を主成分とする材料で形成され得る。
絶縁膜TNLは、半導体膜CHを外側から囲むように配され柱状体4の中心軸CAに沿って延びた略円筒状の形状を含む。絶縁膜TNLは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
複数の電極膜FGは、互いにZ方向に離間しながら、中心軸CAに沿ってZ方向に配列される。各電極膜FGは、導電膜6に対応したZ位置に配される。各電極膜FGは、絶縁膜TNLを外側から囲むように配され中心軸CAを内側に含む略円盤形状を含む。電極膜FGは、導電物(例えば、導電性が付与されたポリシリコン)を主成分とする材料で形成され得る。
絶縁膜BLK1は、電極膜FGを外側から囲むように配され中心軸CAを内側に含む略円盤形状を含む。絶縁膜BLK1は、絶縁膜TNL及び/又は絶縁膜BLK2より誘電率が高い絶縁物(例えば、例えば、Si,Al,HfO,HfSiON,HfAlON等の、シリコン酸化物よりも比誘電率が高い金属酸化物、金属窒化物または金属炭化物)を主成分とする材料で形成され得る。
絶縁膜BLK2は、XY断面視で絶縁膜BLK1、電極膜FG、絶縁膜TNLを外側から囲むように配され、中心軸CAを含む断面視(例えば、YZ断面視)で絶縁膜BLK1及び絶縁膜TNLの外輪郭に沿って概ねZ方向に延び、直径の大きい円筒と直径の小さい円筒とが交互に中心軸CAに沿ってZ方向に積層された形状を有する。絶縁膜BLK2は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物、金属酸化物またはそれらの積層)を主成分とする材料で形成され得る。
柱状体4の半導体膜CHは、-Z側でソース線SLとしての導電層3に接続され、+Z側でコンタクトプラグ31を介してビット線BLとして機能する導電層9に接続される。すなわち、半導体膜CHは、メモリストリングMSTにおけるチャネル領域(アクティブ領域)を含む。
積層体SSTでは、導電層6と絶縁層7とが交互に繰り返し積層される。各導電層6は、XY方向に板状に延びる。各導電層6は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。各導電層6は、+Z側の面、-Z側の面、及び柱状体4に対向する面が絶縁膜BLK3で覆われていてもよい。絶縁膜BLK3は、絶縁物BLK1,BLK2と組成が異なっていてもよい。絶縁膜BLK3は、絶縁物(例えば、酸化アルミニウム)を主成分とする材料で形成され得る。各絶縁層7は、XY方向に板状に延びる。各絶縁層7は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物などの半導体酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
積層体SSTにおいて、Z方向に互いに離間して配される複数の導電層6のうち、最も-Z側の導電層6は、選択ゲートSGSとして機能し、最も+Z側の導電層6は、選択ゲートSGDとして機能し、他の導電層6は、ワード線WL0~WL63として機能する。図5では、ワード線WL2~WL4として機能する導電層6が例示される。
選択ゲートSGSの導電層6(図示せず)が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、選択トランジスタSGTが形成される。ワード線WL0の導電層6(図示せず)が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、メモリセルMT0が形成される。ワード線WL1の導電層6(図示せず)が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、メモリセルMT1が形成される。ワード線WL2の導電層6(図示せず)が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、メモリセルMT2が形成される。ワード線WL3の導電層6が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、メモリセルMT3が形成される。ワード線WL4の導電層6が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、メモリセルMT4が形成される。選択ゲートSGDの導電層6(図示せず)が半導体膜CH及び電荷蓄積膜CTと交差する位置には、選択トランジスタDGTが形成される。なお、柱状体4は、選択ゲートSGDの導電層6と交差する位置において、部分的に電荷蓄積膜CT及び絶縁膜BLK2が省略されていてもよい。
次に、メモリセルMTの詳細構成について図5及び図6を用いて説明する。図6は、メモリセルMTの構成を示す拡大断面図であり、図4のB部分を拡大した断面図である。
図5及び図6に示すように、メモリセルMTにおいて、電荷が蓄積されるべき電極膜FGは、ワード線WLとして機能する導電層6と半導体膜CHとの間に配される。電極膜FGと導電層6との間に絶縁膜BLK1~BLK3が配され、電極膜FGと半導体膜CHとの間に絶縁膜TNLが配される。これにより、電極膜FGは、電位がフローティングに設定され、フローティング電極として機能する。
図6に示すように、中心軸CAを含む断面視(例えば、中心軸CAを含むYZ断面視)において、電極膜FGは、島状(例えば、略矩形状)を有し、絶縁膜BLK1は、中心軸CAの側が開いて電極膜FGを部分的に内側に含む横U字形状を有する。これに応じて、中心軸CAからの放射方向(例えば、中心軸CAを含むYZ断面におけるY方向)で見た場合、半導体膜CHに対して、電極膜FGが絶縁膜BLK1より突出しており、絶縁膜BLK1が電極膜FGより凹んでいる。
例えば、絶縁膜BLK1は、部分11、部分12、部分13を有する。部分11は、電極膜FGにおける導電層6に対向する面21を覆う。部分11のZ方向幅は、電極膜FGのZ方向幅より大きい。部分12は、部分11の+Z側の端部からXY平面方向を中心軸CAに向かって延び、電極膜FGにおける+Z側の面22を覆う。部分12の平面幅は、中心軸CAからの放射方向において、電極膜FGの平面幅より小さい。部分13は、部分11の-Z側の端部からXY平面方向を中心軸CAに向かって延び、電極膜FGにおける-Z側の面23を覆う。部分13の平面幅は、中心軸CAからの放射方向において、電極膜FGの平面幅より小さい。
メモリセルMTが形成される位置において、中心軸CAからの放射方向における部分12の中心軸CA側の端面12aと半導体膜CHの中心軸CAの反対側の側面31との距離をD12aとする。中心軸CAからの放射方向における電極膜FGの中心軸CA側の端面24と半導体膜CHの中心軸CAの反対側の側面31との距離をD24とする。距離D12aは距離D24より大きい。メモリセルMTが形成される位置において、中心軸CAからの放射方向における部分13の中心軸CA側の端面13aと半導体膜CHの中心軸CAの反対側の側面31との距離をD13aとする。距離D13aは距離D24より大きい。すなわち、次の数式1、数式2が成り立つ。
12a>D24・・・数式1
13a>D24・・・数式2
数式1は、中心軸CAからの放射方向において、半導体膜CHに対して、電極膜FGが部分12より突出しており、部分12が電極膜FGより凹んでいることを示す。数式2は、中心軸CAからの放射方向において、半導体膜CHに対して、電極膜FGが部分13より突出しており、部分13が電極膜FGより凹んでいることを示す。
また、中心軸CAを含む断面視において、半導体膜CHの中心軸CAの反対側の側面31は、概ね平坦にZ方向に延びる。例えば、半導体膜CHの中心軸CAの反対側の側面31は、部分12に対応するZ位置近傍に段差部311を有し、部分13に対応するZ位置に段差部312を有する。段差部311が半導体膜CHの内側でなす角をθ311とすると、角θ311は、鈍角を成す。段差部312が半導体膜CHの内側でなす角をθ312とすると、角θ312は、鈍角を成す。すなわち、次の数式3、数式4が成り立つ。
90°<θ311≦180°・・・数式3
90°<θ312≦180°・・・数式4
数式3は、段差部311が概ね平坦にZ方向に延びた緩やかな段差であることを示す。数式4は、段差部312が概ね平坦にZ方向に延びた緩やかな段差であることを示す。
次にメモリセルMTの動作について図7を用いて説明する。図7は、メモリセルMTの動作を示す断面図である。図7(a)は、メモリセルMTへの情報の書き込み動作を示し、図7(b)は、メモリセルMTに対する情報の消去動作を示す。
メモリセルMTへの情報の書き込み動作では、図7(a)に示すように、選択ワード線WLの導電層6へ書き込み電圧が印加され、非選択ワード線WLの導電層6へ転送電圧が印加され、半導体膜CHへ基準電圧が印加される。書き込み電圧は、半導体膜CHの電荷(電子)を電極膜FGへ引き込むための電位(例えば、20V)を有する。転送電圧は、書き込み電圧と基準電圧との間の電位(例えば、10V)を有する。基準電圧は、基準となる電位(例えば、0V)を有する。これにより、選択ワード線WLの導電層6と半導体膜CH及び電極膜FGとが交差する位置の選択メモリセルMTの電極膜FGに電荷が蓄積され、選択メモリセルMTに情報が書き込まれる。
このとき、数式1,2に示されるように、半導体膜CHに対する絶縁膜BLK1までの距離が電極膜FGまでの距離に比べて遠くなっているので、半導体膜CHから絶縁膜BLK1へ向かう方向の電界の生成を抑制できる。また、数式3,4に示されるように、半導体膜CHの側面31が絶縁膜BLK1の部分12,13のZ位置で概ねZ方向に平坦になっているので、部分12,13のZ位置における電界集中の発生を抑制できる。すなわち、半導体膜CHに対して電極膜FGが絶縁膜BLK1における部分12,13より突出しているので、図7(a)に点線の矢印で示すように、半導体膜CHから電極膜FGへ向かう方向の電界を選択的に形成できる。これにより、書き込み動作で半導体膜CHから絶縁膜TNL経由で電極膜FGへ電荷が引き込まれる際に、電荷が絶縁膜BLK1にトラップされることを抑制できる。この結果、トラップ電荷の絶縁膜BLK1から電極膜FGへ漏れ出し等によるメモリセルMTの閾値変動を抑制でき、書き込み不良の発生を抑制できる。
メモリセルMTに対する情報の消去動作では、図7(b)に示すように、各ワード線WLの導電層6へ基準電圧が印加され、半導体膜CHへ消去電圧が印加される。消去電圧は、電極膜FGの電荷(電子)を半導体膜CHへ抜き出すための電位(例えば、20V)を有する。基準電圧は、基準となる電位(例えば、0V)を有する。これにより、電極膜FGに蓄積された電荷が抜き出され、メモリセルMTの情報が消去される。
このとき、数式1,2に示されるように、半導体膜CHに対する絶縁膜BLK1までの距離が電極膜FGまでの距離に比べて遠くなっているので、図7(b)に点線の矢印で示すように、電極膜FGから半導体膜CHへ向かう方向の電界が絶縁膜BLK1を通ることを抑制できる。また、数式3,4に示されるように、半導体膜CHの側面31が絶縁膜BLK1の部分12,13のZ位置で概ねZ方向に平坦になっているので、部分12,13のZ位置における電界集中の発生を抑制できる。すなわち、半導体膜CHに対して電極膜FGが絶縁膜BLK1における部分12,13より突出しているので、絶縁膜BLK1から離間した領域において半導体膜CHから電極膜FGへ向かう方向の電界を選択的に形成できる。これにより、消去動作で電極膜FGから絶縁膜TNL経由で半導体膜CHへ電荷が抜き出される際に、電荷が絶縁膜BLK1にトラップされることを抑制できる。この結果、トラップ電荷の影響で消去ウィンドウが狭くなることを抑制でき、消去不良の発生を抑制できる。
以上のように、実施形態では、半導体装置1の各メモリセルMTにおいて、電極膜FGが絶縁膜BLK1の部分12,13より半導体膜CH側へ突出し、絶縁膜BLK1の部分12,13が電極膜FGより半導体膜CH側から凹むようにメモリセルMTが構成される。例えば、メモリセルMTが数式1,2を満たすように構成される。これにより、書き込み動作時に絶縁膜BLK1に電荷がトラップされることを抑制でき、トラップ電荷の絶縁膜BLK1から電極膜FGへ漏れ出し等によるメモリセルMTの閾値変動を抑制できるので、書き込み不良の発生を抑制できる。また、消去動作時に絶縁膜BLK1に電荷がトラップされることを抑制でき、トラップ電荷の影響で消去ウィンドウが狭くなることを抑制できるので、消去不良の発生を抑制できる。この結果、半導体装置1の動作信頼性を向上できる。
また、実施形態では、半導体装置1の各メモリセルMTにおいて、半導体膜CHの電極膜FG側の側面31が絶縁膜BLK1の部分12,13のZ位置で概ね平坦になるようにメモリセルMTが構成される。例えば、メモリセルMTが数式3,4を満たすように構成される。これにより、半導体膜CHの側面31における部分12,13のZ位置のそれぞれに電荷集中が発生することを抑制できるので、書き込み不良の発生を抑制でき、消去不良の発生を抑制できる。
なお、本実施形態の考え方は、円筒状の半導体膜CHに対してY方向に分割された2つのメモリセルが構成されるツインメモリセル型の半導体装置に適用されてもよい。ツインメモリセル型の半導体装置は、図8に示すように構成され得る。図8は、実施形態の変形例にかかる半導体装置1aの概略構成を示す斜視図である。
図8に示すように、半導体装置1aでは、複数の分断膜SLTが追加される。分断膜SLTは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。複数の分断膜SLTは、X方向に並ぶ複数の円筒状の半導体膜CH及び絶縁膜TNLの間を埋めるように、X方向に複数配列される。各分断膜SLTは、複数の半導体膜CH及び絶縁膜TNLの間でXZ方向に延びる。これにより、複数の分断膜SLTは、積層体SST(図1参照)を-Y側の積層体SSTaと+Y側の積層体SSTbとに分割し、柱状体4(図1参照)を-Y側の柱状体4aと+Y側の柱状体4bとに分割する。積層体SSTaは半導体膜CH及び絶縁膜TNLの-Y側に配され、積層体SSTbは半導体膜CH及び絶縁膜TNLの+Y側に配される。柱状体4aは積層体SSTaの+Y側の端部をZ方向に延びて貫通し、柱状体4bは積層体SSTbの-Y側の端部をZ方向に延びて貫通する。
これに応じて、図9及び図10に示すように、分断膜SLTは、メモリセルMTをメモリセルMTaとメモリセルMTbとに分割する。これにより、半導体装置1aでは、メモリセルMTa,MTbの配置密度を容易に向上できる。図9は、実施形態の変形例におけるメモリセルアレイ2の構成を示す垂直方向(YZ方向)の断面図である。図10は、実施形態の変形例におけるメモリセルMTの構成を示す平面方向(XY方向)の断面図であり、図9をC-C線に沿ってXY方向に切った場合の断面図である。
メモリセルMTaは、積層体SSTaのワード線WLと柱状体4aとが交差する位置に形成される。メモリセルMTbは、積層体SSTbのワード線WLと柱状体4bとが交差する位置に形成される。
例えば、分断膜SLTは、電極膜FG(図5参照)を、Y方向に分断して、メモリセルMTaの電極膜FGとメモリセルMTbの電極膜FGとに分割する。分断膜SLTは、絶縁膜BLK1(図5参照)を、Y方向に分断して、メモリセルMTaの絶縁膜BLK1とメモリセルMTbの絶縁膜BLK1とに分割する。分断膜SLTは、絶縁膜BLK2(図5参照)を、Y方向に分断して、メモリセルMTaの絶縁膜BLK2とメモリセルMTbの絶縁膜BLK2とに分割する。これにより、分断膜SLTは、メモリセルMTをメモリセルMTaとメモリセルMTbとに分割する。メモリセルMTaとメモリセルMTbとは、コントロールゲート(ワード線WL)が別々であるので、互いに独立して駆動され得る。
なお、図9に示すように、各メモリセルMTa,MTbにおいて、電極膜FGが絶縁膜BLK1の部分12,13より半導体膜CH側へ突出し、絶縁膜BLK1の部分12,13が電極膜FGより半導体膜CH側から凹むようにメモリセルMTa,MTbが構成される点は、実施形態と同様である。このような構成によっても、書き込み動作時に絶縁膜BLK1に電荷がトラップされることを抑制でき、トラップ電荷の絶縁膜BLK1から電極膜FGへ漏れ出し等によるメモリセルMTの閾値変動を抑制できるので、書き込み不良の発生を抑制できる。また、消去動作時に絶縁膜BLK1に電荷がトラップされることを抑制でき、トラップ電荷の影響で消去ウィンドウが狭くなることを抑制できるので、消去不良の発生を抑制できる。
また、各メモリセルMTa,MTbにおいて、半導体膜CHの電極膜FG側の側面31が絶縁膜BLK1の部分12,13のZ位置で概ね平坦になるようにメモリセルMTが構成される点は、実施形態と同様である。このような構成によっても、半導体膜CHの側面31における部分12,13のZ位置のそれぞれに電荷集中が発生することを抑制できるので、書き込み不良の発生を抑制でき、消去不良の発生を抑制できる。
また、図8~図10に示す半導体装置1aは、図11~図14に示すように製造され得る。図11~図14は、それぞれ、実施形態の変形例にかかる半導体装置1aの製造方法を示す図である。図11(a)、図11(c)、図11(e)、図12(a)、図12(c)、図12(e)、図13(a)、図13(c)、図14(a)、図14(c)は、半導体装置1aの製造方法を示すXY断面図であり、図9に示すメモリセルMT3a,MT3bに対応するXY断面図が例示される。図11(b)、図11(d)、図11(f)、図12(b)、図12(d)、図12(f)、図13(b)、図13(d)、図14(b)、図14(d)は、半導体装置1aの製造方法を示すYZ断面図であり、図9に示すメモリセルMT2a,MT2b,MT3a,MT3bに対応するYZ断面図が例示される。
図11(a)、図11(b)に示す工程では、基板SUBにトランジスタを形成し、基板SUB上に、コンタクトプラグ、配線膜及びビアプラグ等を形成するとともにそれらの周囲に層間絶縁膜を形成する。これにより、周辺回路100が形成される。その後、基板SUBの+Z側に層間絶縁膜81を堆積する。層間絶縁膜81は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物などの半導体酸化物)を主成分とする材料で形成され得る(図1参照)。層間絶縁膜81の+Z側に導電層3(図4参照)が堆積される。導電層3は、不純物を含む半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料または導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。導電層3の+Z側に、絶縁層7iと犠牲層5iとを交互に複数回堆積して積層体SSTiを形成する。絶縁層7iは、酸化物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。犠牲層5iは、窒化物(例えば、シリコン窒化物)を主成分とする材料で形成され得る。各絶縁層7i及び各犠牲層5iは、概ね同様な膜厚で堆積され得る。
図11(c)、図11(d)に示す工程では、分断膜SLTiの形成位置がX方向に延びるライン状に開口されたレジストパターンを最上の絶縁層7iの上に形成する。レジストパターンをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)法などの異方性エッチングを行い、SSTiをXZ方向に貫通する溝9を形成する。そして、溝9に分断膜SLTiが埋め込まれる。分断膜SLTiは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。分断膜SLTiは、積層体SSTi内をXZ方向に延びてY方向に分断する。分断膜SLTiは、-Y側の積層体SSTiaと+Y側の積層体SSTibとに分断される。積層体SSTia及び積層体SSTibでは、それぞれ、絶縁層7j及び各犠牲層5jが交互に複数回積層されている。
図11(e)、図11(f)に示す工程では、メモリホール10iの形成位置が開口されたレジストパターンを各積層体SSTia,SSTibの最上の絶縁層7jの上及び分断膜SLTiの上に形成する。レジストパターンをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)法などの異方性エッチングを行い、分断膜SLTi、積層体SSTaの+Y側の端部、積層体SSTbの-Y側の端部を貫通し導電層3に到達するメモリホール10iを形成する。メモリホール10iは、XY平面視において積層体SSTaの+Y側の端部から分断膜SLTをY方向に横切り積層体SSTbの-Y側の端部に達するように延びる。メモリホール10iのY方向幅は、分断膜SLTのY方向幅より若干大きい。
図12(a)、図12(b)に示す工程では、メモリホール10jで露出された犠牲層5の側面をエッチングして後退させる犠牲層リセス処理を行う。犠牲層5がシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される場合、犠牲層リセス処理は、SiNリセス処理又はNリセス処理とも呼ばれる。犠牲層リセス処理により、メモリホール10jの内側面に凹部10j1を形成する。凹部10j1は、積層体SSTa,SSTbにおける犠牲層5のZ位置において、メモリホール10jの内側面に対してメモリホール10jの中心から遠ざかる方向に窪むように形成される。例えば、絶縁層7に対する犠牲層5のエッチング選択比が高いエッチャントを用いてメモリホール10jの内側面をウェットエッチングする。あるいは、絶縁層7に対する犠牲層5のエッチング選択比が高い処理ガスを用いた等方性エッチングの条件でメモリホール10jの内側面をドライエッチングする。これにより、メモリホール10jで露出された犠牲層5の側面をエッチングして後退させ、メモリホール10jの内側面に凹部10j1を形成することができる。メモリホール10jの内側面に対する凹部10j1の窪み幅(リセス量)は、エッチング時間で調整され得る。凹部10j1のZ方向の幅は、犠牲層5の膜厚とほぼ均等である。
図12(c)、図12(d)に示す工程では、メモリホール10jの側面及び底面に、絶縁膜BLK2、絶縁膜BLK1、電極膜FGが順に堆積される。このとき、凹部10j1内にも絶縁膜BLK2、絶縁膜BLK1、電極膜FGが順に堆積される。絶縁膜BLK2は、酸化物(例えば、シリコン酸化物、金属酸化物またはそれらの積層)を主成分とする材料で形成され得る。絶縁膜BLK1は、絶縁膜BLK2より誘電率が高い絶縁物(例えば、例えば、Si,Al,HfO,HfSiON,HfAlON等の、シリコン酸化物よりも比誘電率が高い金属酸化物、金属窒化物または金属炭化物)を主成分とする材料で形成され得る。電極膜FGは、導電物(例えば、導電性が付与されたポリシリコン)を主成分とする材料で形成され得る。
図12(e)、図12(f)に示す工程では、電極膜FGウェットエッチング法などの等方性エッチングでエッチバックされ除去される。
図13(a)、図13(b)に示す工程では、メモリホール10nに露出された絶縁膜BLK1をエッチングして後退させる絶縁膜リセス処理を行う。例えば、絶縁膜BLK2及び電極膜FGに対する絶縁膜BLK1のエッチング選択比が高いエッチャントを用いてメモリホール10jの内側面をウェットエッチングする。あるいは、絶縁膜BLK2及び電極膜FGに対する絶縁膜BLK1のエッチング選択比が高い処理ガスを用いた等方性エッチングの条件でメモリホール10jの内側面をドライエッチングする。これにより、メモリホール10nの内側面10n1に凹部10n2,10n3が形成される。凹部10j2は、絶縁膜BLK1における電極膜FGの+Z側のZ位置で内側面10n1に対してメモリホール10nの中心から遠ざかる方向に窪むように形成される。凹部10j3は、絶縁膜BLK1における電極膜FGの-Z側のZ位置で内側面10n1に対してメモリホール10nの中心から遠ざかる方向に窪むように形成される。
図13(c)、図13(d)に示す工程では、メモリホール10nの側面に及び底面に絶縁膜TNLを堆積する。このとき、凹部10n2,10n3にも絶縁膜TNLが堆積される。絶縁膜TNLは、酸化物(例えば、シリコン酸化物、金属酸化物またはそれらの積層)を主成分とする材料で形成され得る。絶縁膜TNLにおけるメモリホール10pの底面の部分が選択的に除去される。
図14(a)、図14(b)に示す工程では、メモリホール10pの側面及び底面に半導体膜CHが堆積される。半導体膜CHは、実質的に不純物を含まない半導体(例えば、ポリシリコン)を主成分とする材料で形成され得る。そして、メモリホール10pにコア部材CRが埋め込まれる。コア部材CRは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物などの半導体酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。これにより、積層体SSTaの+Y側の端部をZ方向に貫通する柱状体4aと積層体SSTbの-Y側の端部をZ方向に貫通する柱状体4bとが形成される。
図14(c)、図14(d)に示す工程では、積層体SSTaの犠牲層5と積層体SSTbの犠牲層5とがそれぞれ除去される。除去によって形成された空隙の露出面に絶縁膜BLK3が堆積される。絶縁膜BLK3は、絶縁物(例えば、酸化アルミニウム)を主成分とする材料で形成され得る。そして、空隙に導電層6が埋め込まれる。導電層6は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。これにより、導電層6と絶縁層7とが交互に繰り返し積層された積層体SSTaが形成され、導電層6と絶縁層7とが交互に繰り返し積層された積層体SSTbが形成される。
このように、図11~図14に示すように製造方法により、図8~図10に示す半導体装置1aを製造することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1a 半導体装置、6 導電層、7 絶縁層、11~13 部分、CH 半導体膜、FG 電極膜、BLK1,BLK2,BLK3,TNL 絶縁膜、SST,SSTa,SSTb 積層体。

Claims (6)

  1. 複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して第1の方向に積層された第1の積層体と、
    それぞれが前記第1の方向に延びた複数の半導体膜と、
    前記第1の導電層と前記半導体膜との間に配され、前記第1の方向に垂直な第2の方向に延びた第1の電極膜と、
    前記第1の導電層と前記第1の電極膜との間に配され、前記第1の電極膜における前記第1の導電層に対向する面を覆う第1の部分と前記第1の部分の上端から前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に延び前記第1の電極膜の上面を覆う第2の部分と前記第1の部分の下端から前記第3の方向に延び前記第1の電極膜の下面を覆う第3の部分とを含む第1の絶縁膜と、
    を備え、
    前記第1の積層体における前記第1の導電層と前記半導体膜とが交差する位置に第1のメモリセルが設けられ、
    前記第1のメモリセルが設けられる位置において、前記第3の方向における前記第2の部分又は前記第3の部分の端面と前記半導体膜の側面との距離は、前記第3の方向における前記第1の電極膜の端面と前記半導体膜の側面との距離より大きい
    半導体装置。
  2. 前記半導体膜の側面は、前記第2の部分に対応する前記第1の方向の位置に第1の段差部を有し、前記第3の部分に対応する前記第1の方向の位置に第2の段差部を有し、
    前記第1の段差部又は前記第2の段差部における段差面と平坦面とは、断面視において鈍角を成す
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記半導体膜と前記第1の電極膜との間に配される第2の絶縁膜をさらに備え、
    前記第1の絶縁膜の誘電率は、前記第2の絶縁膜の誘電率より高い
    請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の導電層と前記第1の絶縁膜との間に配される第3の絶縁膜をさらに備え、
    前記第1の絶縁膜の誘電率は、前記第3の絶縁膜の誘電率より高い
    請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第3の方向において前記半導体膜を間にして前記第1の積層体の反対側に配され、複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層された第2の積層体と、
    前記第3の方向において前記第1の積層体と前記第2の積層体との間に配され、前記第2の方向において前記半導体膜に隣接し、前記第1の方向及び前記第2の方向に延びた絶縁部と、
    前記第2の導電層と前記半導体膜との間に配された第2の電極膜と、
    前記第2の導電層と前記第2の電極膜との間に配され、前記第2の電極膜における前記第2の導電層に対向する面を覆う第4の部分と前記第4の部分の上端から前記第3の方向に延び前記第2の電極膜の上面を覆う第5の部分と前記第4の部分の下端から前記第3の方向に延び前記第2の電極膜の下面を覆う第6の部分とを含む第4の絶縁膜と、
    を備え、
    前記第2の積層体における前記第2の導電層と前記半導体膜とが交差する位置に第2のメモリセルが形成され、
    前記第2のメモリセルが形成される位置において、前記第3の方向における前記第5の部分又は前記第6の部分の端面と前記半導体膜の側面との距離は、前記第3の方向における前記第2の電極膜の端面と前記半導体膜の側面との距離より大きい
    請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体膜の側面は、前記第2の部分に対応する前記第1の方向の位置に第1の段差部を有し、前記第3の部分に対応する前記第1の方向の位置に第2の段差部を有し、
    前記第1の段差部又は前記第2の段差部における段差面と平坦面とは、断面視において鈍角を成し、
    前記半導体膜の側面は、前記第5の部分に対応する前記第1の方向の位置に第3の段差部を有し、前記第6の部分に対応する前記第1の方向の位置に第4の段差部を有し、
    前記第3の段差部又は前記第4の段差部における段差面と平坦面とは、断面視において鈍角を成す
    請求項5に記載の半導体装置。
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