JP2023091831A - アセトアミノフェン含有固形製剤 - Google Patents

アセトアミノフェン含有固形製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】基本的にはアセトアミノフェンのみを有効成分として含有する経口固形製剤であって、簡便な操作でアセトアミノフェンの苦味を低減でき、しかも比較的小型である新たな経口固形製剤を提供することを主な課題とする。【解決手段】本発明として、例えば、アセトアミノフェンを含む造粒物、ならびにカルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩を含む乾式混合物からなることを特徴とする経口固形製剤を挙げることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、有機活性成分を含有する医薬品製剤の技術分野に属する。本発明は、アセトアミノフェンを有効成分として含有する医薬固形製剤であって、アセトアミノフェンの苦味を抑えた当該固形製剤に関するものである。
アセトアミノフェンは、古くから知られている優れた解熱鎮痛薬の一つである。一般には経口固形製剤、特に錠剤の形態で提供されている。錠剤として提供されている市販品としては、例えば、タイレノール(登録商標)が知られている。
アセトアミノフェンは、苦味を有するため、患者のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)を向上させる剤型として近年注目されている口腔内崩壊錠やチュアブル錠といった口腔内で崩壊させて服用する製剤の場合には、服用コンプライアンスの観点から検討する余地がある。
薬物の苦味を抑制する方法、即ち苦味マスキング方法としては、例えば、甘味剤や矯味剤を添加して、その甘みと相殺する方法、胃溶性高分子、水不溶性高分子、またはワックスを懸濁または溶解した液を薬物に噴霧し乾燥することにより高分子担体中に薬物を分散させるマトリックス方法、あるいは薬物粒子を高分子被覆剤で被覆するコーティング方法を挙げることができる。
特許文献1では、アスパルテームと酸味を呈する物質とを配合することにより、アセトアミノフェンの苦味を低減する発明が開示されている。特許文献2では、ケイ酸マグネシウムアルミニウムを配合することにより、薬物の苦味等を低減する発明が開示されている。特許文献3では、アセトアミノフェン等の薬物粒子を、一定の水不溶性高分子で被覆することにより、当該薬物の苦味を低減する発明が開示されている。特許文献4では、薬物と有機酸カルシウム、多孔性無機物等を同時に噴霧乾燥することにより、薬物の苦味を低減する発明が開示されている。特許文献5では、アセトアミノフェン含有被覆粒子と共に、糖アルコールおよびデンプンを含有する造粒粒子を配合することにより、アセトアミノフェンの苦味を低減する発明が開示されている。特許文献6では、アセトアミノフェンに、グルタミン酸等のアミノ酸およびスクラロースを配合することにより、アセトアミノフェンの苦味を低減する発明が開示されている。特許文献7では、薬物を低置換度ヒドロキシプロピルセルロースで湿式造粒することにより、当該薬物の苦味を低減する発明が開示されている。特許文献8では、エチルセルロースおよび合成ヒドロタルサイトでアセトアミノフェンを遮蔽することにより、アセトアミノフェン等の苦味を低減する発明が開示されている。特許文献9では、薬物に乳酸カルシウムを配合することにより、当該薬物の苦味を低減する発明が開示されている。
特開2001-294524号公報 特開2008-260717号公報 特開2011-093882号公報 特開2012-056909号公報 特開2013-136537号公報 特開2014-133728号公報 特許第4210615号公報 特許第4716063号公報 特許第5097488号公報
上記の通り、アセトアミノフェンのような苦味を有する薬物の苦味を低減する技術は、種々提案されている。しかしながら、いずれも一長一短があると共に、簡便な操作でアセトアミノフェンの苦味を低減しながら、錠剤の小型化を図るには十分な技術とは言い難い。
本発明は、基本的にはアセトアミノフェンのみを有効成分として含有する経口固形製剤であって、簡便な操作でアセトアミノフェンの苦味を低減でき、しかも比較的小型である新たな経口固形製剤を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アセトアミノフェンを含む造粒物と、比較的少量のカルシウム塩またはナトリウム塩とを含む乾式混合物から固形製剤を成形することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明としては、例えば、下記を挙げることができる。
[1]アセトアミノフェンを含む造粒物、ならびにカルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩を含む乾式混合物からなることを特徴とする、経口固形製剤。
[2]アセトアミノフェンを含む造粒物中に結合剤、増量剤、甘味剤、および/または流動化剤を含む、上記[1]に記載の経口固形製剤。
[3]乾式混合物中に、さらに賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤および/または矯味剤を含む、上記[1]または[2]に記載の経口固形製剤。
[4]カルシウム塩が有機酸カルシウムであり、ナトリウム塩が有機酸ナトリウムである、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
[5]有機酸カルシウムが、グルコン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウムであり、有機酸ナトリウムが、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、または安息香酸ナトリウムである、上記[4]に記載の経口固形製剤。
[6]甘味剤が、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、またはアセスルファムカリウムである、上記[2]~[5]のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
[7]アセトアミノフェンを含む造粒物の平均粒子径が、1~200μmの範囲内である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
[8]剤形が、錠剤または口腔内崩壊錠である、上記[1]~[7]のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
[9]重量が、30~700mgの範囲内である、上記[8]に記載の経口固形製剤。
[10]次の1~3の工程を含むことを特徴とする、経口固形製剤の製造方法:
1.アセトアミノフェンを造粒してアセトアミノフェンを含む造粒物を調製する工程、
2.前記アセトアミノフェンを含む造粒物、カルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩、ならびに添加物を乾式で混合し乾式混合物を調製する工程、
3.乾式混合物を経口固形製剤に成形する工程。
[11]アセトアミノフェンを含む造粒物中に結合剤、増量剤、甘味剤、および/または流動化剤を含む、上記[10]に記載の経口固形製剤の製造方法。
[12]添加物が、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤および/または矯味剤である、上記[10]または[11]に記載の経口固形製剤の製造方法。
[13]カルシウム塩が有機酸カルシウムであり、ナトリウム塩が有機酸ナトリウムである、上記[10]~[12]のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
[14]有機酸カルシウムが、グルコン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウムであり、有機酸ナトリウムが、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、または安息香酸ナトリウムである、上記[13]に記載の経口固形製剤の製造方法。
[15]甘味剤が、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、またはアセスルファムカリウムである、上記[11]~[14]のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
[16]アセトアミノフェンを含む造粒物の平均粒子径が、1~200μmの範囲内である、上記[10]~[15]のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
[17]前記成形が打錠成形であって、経口固形製剤が錠剤または口腔内崩壊錠である、上記[10]~[16]のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
[18]錠剤または口腔内崩壊錠の重量が、30~700mgの範囲内である、上記[17]に記載の経口固形製剤の製造方法。
本発明によれば、簡便な操作でアセトアミノフェンの苦味が低減された、比較的小型の錠剤とすることができる。
以下、本発明について詳述する。
1 本発明に係る経口固形製剤
本発明に係る経口固形製剤(以下、「本発明製剤」という。)は、アセトアミノフェンを含む造粒物、ならびにカルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩を含む乾式混合物からなることを特徴とする。
本発明製剤中におけるアセトアミノフェンの含有量は、特に制限されないが、一単位製剤あたり70~85質量%の範囲内が適当であり、75~82質量%の範囲内が好ましく、80質量%が特に好ましい。
1.1 アセトアミノフェンを含む造粒物
当該アセトアミノフェンを含む造粒物は、結合剤を適量含むことができる。かかる結合剤としては、製剤技術上、結合剤として用いうるものであれば特に制限されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC)、微結晶セルロース、デキストリン、ゼラチン、アルファ化デンプン、アラビアゴム、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、を挙げることができる。この中、水溶性の高いものが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールやその部分けん化物が好ましい。
上記結合剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該結合剤の使用量としては、用いる結合剤などによって異なるが、アセトアミノフェン100質量部に対して、0.5~5質量部の範囲内が適当であり、0.7~3質量部の範囲内が好ましく、1~2質量部の範囲内がより好ましい。
当該アセトアミノフェンを含む造粒物は、上記結合剤以外に、必要に応じて増量剤、甘味剤、および/または流動化剤を適量含むことができる。
当該造粒物の調製に用いうる増量剤としては、例えば、乳糖(乳糖水和物)、デンプン(例、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン)、結晶セルロース、マンニトール(D体、α型、β型、δ型)、デキストリン、ソルビトール、エリスリトール、リン酸水素カルシウム、白糖、タルク(天然合水ケイ酸マグネシウム)、カオリン、沈降炭酸カルシウム、を挙げることができる。この中、乳糖(乳糖水和物)、結晶セルロース、D-マンニトールが好ましい。
上記増量剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該増量剤の使用量としては、用いる増量剤などによって異なるが、アセトアミノフェン100質量部に対して、0~5質量部の範囲内が適当であり、0.1~3質量部の範囲内であっても、0.5~2質量部の範囲内であってもよい。
当該造粒物の調製に用いうる甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリンナトリウム(水和物を含む。)、グリチルリチン酸二カリウム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムカリウムを挙げることができる。この中、サッカリンナトリウム、スクラロースが好ましい。
上記甘味剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該甘味剤の使用量としては、用いる甘味剤などによって異なるが、アセトアミノフェン100質量部に対して、0~5質量部の範囲内が適当であり、0.1~3質量部の範囲内であっても、0.5~2質量部の範囲内であってもよい。
当該造粒物の調製に用いうる流動化剤は、製剤技術上、流動化剤として用いうるものであれば特に制限されない。具体的には、当該流動化剤として、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、タルク、合成ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、第三リン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムを挙げることができる。この中、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素が好ましい。
当該流動化剤の中、その比表面積が10~500m/gの範囲内のものが好ましい。より好ましくは、比表面積が100~450m/gの範囲内のものであり、特に好ましくは、比表面積が200~400m/gの範囲内のものである。比表面積は、流動化剤の購入先が明示している場合がある他、例えば、窒素ガスによるいわゆるガス吸着法により測定することもできる。
上記流動化剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該流動化剤の使用量としては、用いる流動化剤やアセトアミノフェンの量などによって異なるが、アセトアミノフェン100質量部に対して、0.1~3質量部の範囲内が適当であり、0.3~2質量部の範囲内が好ましく、0.5~1質量部の範囲内がより好ましい。
本発明製剤を構成するアセトアミノフェンを含む造粒物は、上記流動化剤により上記使用量の範囲内で被覆されていてもよい。本発明製剤が錠剤の場合、一般的に打錠して製造されるが、当該造粒物を流動化剤で被覆することにより、当該打錠に際して発生しうる打錠障害を抑えることができる。そのため、錠剤の大型化につながりうる手法、例えば、当該造粒物の粒子を粗くしたり、高分子で被覆したり、あるいは添加剤の量を増量等したりする必要がなくなるので、本発明製剤(錠剤)の小型化に資することができる。
アセトアミノフェンを含む造粒物の大きさ(粒子径)は、特に制限されないが、平均粒子径として1~200μmの範囲内が適当であり、5~130μmの範囲内が好ましく、10~120μmの範囲内がより好ましい。100μm以下が特に好ましい。200μmより大きい場合、硬度が保てなくなるおそれがある。
ここで「平均粒子径」とは、体積平均粒子径であって、レーザー回折散乱法により測定したときに、小さい方からの累積分布が50%となる粒子径(D50、メディアン径)をいう。
1.2 カルシウム塩およびナトリウム塩
本発明製剤は、アセトアミノフェンを含む造粒物と乾式混合される添加剤の一つとして、カルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩を含む。
当該カルシウム塩およびナトリウム塩は、製剤技術上、添加剤として用いうるものであれば特に制限されない。無機酸のカルシウム塩またはナトリウム塩であっても、有機酸のカルシウム塩またはナトリウム塩であってもよい。
本発明において用いうるカルシウム塩としては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ギ酸カルシウム、フマル酸カルシウム、酪酸カルシウム、イソ酪酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、プロピオン酸カルシウムを挙げることができる。この中、有機酸カルシウムが好ましく、中でもグルコン酸カルシウムがより好ましい。
本発明において用いうるナトリウム塩としては、具体的には、例えば、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウムを挙げることができる。この中、有機酸ナトリウムが好ましく、中でも酒石酸ナトリウムがより好ましい。
上記カルシウム塩およびナトリウム塩は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該カルシウム塩およびナトリウム塩の使用量は、用いるカルシウム塩やナトリウム塩などによって異なるが、アセトアミノフェンに対して0.1質量%~8質量%の範囲内が適当であり、0.5質量%以上5質量%未満が好ましく、0.7質量%以上3質量%未満がより好ましい。
1.3 添加剤
本発明製剤は、アセトアミノフェンを含む造粒物と乾式混合される添加剤として、上記カルシウム塩およびナトリウム塩以外に、それぞれ医薬上許容される、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、着色剤、酸味剤、甘味剤を含むことができる。
当該賦形剤としては、例えば、乳糖(乳糖水和物)、デンプン(例、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン)、結晶セルロース、マンニトール(D体、α型、β型、δ型)、デキストリン、ソルビトール、エリスリトール、リン酸水素カルシウム、白糖、タルク(天然合水ケイ酸マグネシウム)、カオリン、沈降炭酸カルシウムを挙げることができる。この中、乳糖(乳糖水和物)、結晶セルロース、D-マンニトールが好ましい。
上記賦形剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該賦形剤の含有量としては、用いる賦形剤や他の添加剤、アセトアミノフェンの量などによって異なるが、一単位製剤あたり1~40質量%の範囲内が適当であり、5~30質量%の範囲内が好ましく、7~20質量%の範囲内がより好ましい。
当該崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムを挙げることができる。この中、クロスポビドンが好ましい。
上記崩壊剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該崩壊剤の含有量としては、用いる崩壊剤や他の添加剤、アセトアミノフェンの量などによって異なるが、一単位製剤あたり1~25質量%の範囲内が適当であり、2~15質量%の範囲内が好ましく、3~10質量%の範囲内がより好ましい。
当該滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、パラフィンを挙げることができる。この中、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
上記滑沢剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該滑沢剤の含有量としては、用いる滑沢剤や他の添加剤、アセトアミノフェンの量などによって異なるが、一単位製剤あたり0.1~10質量%の範囲内が適当であり、0.5~5質量%の範囲内が好ましく、0.7~2質量%の範囲内がより好ましい。
当該矯味剤としては、例えば、l-メントール、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油を挙げることができる。この中、l-メントールが好ましい。
上記矯味剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該矯味剤の含有量としては、用いる矯味剤や他の添加剤、アセトアミノフェンの量などによって異なるが、一単位製剤あたり0.01~1質量%の範囲内が適当であり、0.02~0.5質量%の範囲内が好ましく、0.03~0.2質量%の範囲内がより好ましい。
当該着色剤としては、例えば、厚生省令で定めた医薬品等に使用することができるタール色素、三二酸化鉄、酸化鉄赤、酸化鉄黄、二酸化チタン、無機色素、赤色3号、赤色20号、黄色6号、青色2号、緑色5号、橙色5号、赤色8号、カラメルを挙げることができる。
当該酸味剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸を挙げることができる。
上記酸味剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該酸味剤は適当量含有することができる。
当該甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリンナトリウム(水和物を含む。)、グリチルリチン酸二カリウム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムカリウムを挙げることができる。この中、サッカリンナトリウム、スクラロースが好ましい。
上記甘味剤は、1種または任意の2種以上を併用することができる。当該甘味剤の使用量としては、用いる甘味剤や他の添加剤、アセトアミノフェンの量などによって異なるが、一単位製剤あたり0.1~5質量部の範囲内が適当であり、0.2~3質量部の範囲内が好ましく、0.5~2質量部の範囲内がより好ましい。
1.4 その他
本発明製剤の単位形態としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤を挙げることができる。この中、錠剤が好ましい。かかる錠剤としては、例えば、普通錠、多層錠、口腔内崩壊錠、分散錠、舌下錠、トローチ、チュアブル錠を挙げることができる。本発明製剤が口腔内崩壊錠の場合、健常人の口腔内で約1分以内、好ましくは30秒以内に崩壊することができる。
本発明製剤が錠剤の場合のその平面形状は、丸形、楕円型、多角形、菱形など特に制限されず、また厚みや錠径、隅角(R、平)なども特に制限はないが、その重量は、通常、30~700mgの範囲内である。好ましくは180~650mgの範囲内である。その硬度については、流通や保存に耐えうるものであれば特に制限されないが、例えば、30~200Nの範囲内が適当であり、35~150Nとすることが好ましい。
2 本発明製剤の製造方法
本発明製剤は、採用する剤型に応じて、常法により製造することができる。
例えば、本発明製剤は、次の1~3の工程を含む方法により製造することができる。以下、当該製造方法を本発明製法という。本発明製法において、成分を含む各用語、各成分の使用量、各成分の含有量などは前記と同義である。
1.アセトアミノフェンを造粒してアセトアミノフェンを含む造粒物を調製する工程、
2.前記アセトアミノフェンを含む造粒物、カルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩、ならびに添加物を乾式で混合し乾式混合物を調製する工程、
3.乾式混合物を経口固形製剤に成形する工程。
工程1におけるアセトアミノフェンを含む造粒物の調製は、常法により行うことができる。造粒方法としては、湿式造粒法および乾式造粒法を挙げることができ、そのいずれであってもよい。湿式造粒法の場合、水または適当な医薬上許容される結合剤(上記で定義)、および必要に応じて適当な増量剤、甘味剤、および/または流動化剤(それぞれを上記で定義)を溶解した溶液をアセトアミノフェン粉末に滴下、またはスプレー噴霧し湿潤させ、その水分を乾燥除去することにより、当該アセトアミノフェンを含む造粒物を調製することができる。
湿式造粒法としては、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、転動流動層造粒法、転動層造粒法、遠心転動造粒法、噴霧乾燥造粒法、混練造粒法を挙げることができる。
また、この工程1において、アセトアミノフェンを含む造粒物は流動化剤で被覆することができる。具体的には、例えば、流動層造粒法を用いる場合、流動層造粒機内で、水に流動化剤および必要に応じて前述の甘味剤などを溶解または懸濁した被覆剤を当該造粒物に噴霧し湿潤させ、その水分を乾燥除去することにより、当該造粒物を流動化剤で被覆することができる。本発明製剤が錠剤の場合、後の工程3において一般的には打錠して錠剤に成形されるが、当該造粒物を流動化剤で被覆することにより、当該打錠に際して発生しうる打錠障害を抑えることができる。そのため、錠剤の大型化につながりうる手法、例えば、当該造粒物の粒子を粗くしたり、高分子で被覆したり、あるいは添加剤の量を増量等したりする必要がなくなるので、より小型な態様の本発明製剤(錠剤)を製造することができる。
工程1において調製されたアセトアミノフェンを含む造粒物は、工程2において、所定量のカルシウム塩および/またはナトリウム塩、ならびに適当な添加剤と共に乾式で常法により混合され、乾式混合物が調製される。その後、かかる乾式混合物は、所望の経口固形製剤の剤型に応じて、常法により成形され、本発明製剤が製造される。
本発明製剤が錠剤の場合、かかる錠剤は、本発明製法に基づき、工程1で調製されたアセトアミノフェンを含む造粒物に、所定量のカルシウム塩および/またはナトリウム塩、ならびに賦形剤、崩壊剤等の添加物を乾式で常法により混合して乾式混合物を調製して後、当該乾式混合物を適当な打錠機で打錠(圧縮成形)することにより製造することができる。
本発明製法においては、必要に応じて、さらに整粒工程、混合工程、乾燥工程、被覆工程などを含むことができる。これらの工程は、常法により行うことができる。
以下に実施例や比較例、試験例などを掲げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
表1に示す処方内容に従い、アセトアミノフェンに、ポリビニルアルコール、D―マンニトール、サッカリンナトリウム水和物および軽質無水ケイ酸を加えて流動層造粒法にて造粒した。当該造粒物の平均粒子径は87μmであった。当該アセトアミノフェン造粒物とその他の成分の粉末を表1の処方内容に従い混合した後、その混合物をロータリー打錠機(HT-EX6SS-U、畑鐵工所社製)にて打錠成形し、目的とする錠剤を製造した。当該錠剤は、錠径9mm、高さ3.6mm、硬度約92N、口腔内での崩壊時間は30秒以内であった。
Figure 2023091831000001
[比較例1]
表1に示す処方内容に従い、実施例1と同様にして、グルコン酸カルシウムを含まないこと以外、実施例1のものと同様の錠剤を製造した。当該錠剤は、錠径9mm、高さ3.6mm、硬度約82N、口腔内での崩壊時間は30秒以内であった。
[試験例1]苦味抑制効果の評価
試験者3名による官能評価を実施した。錠剤を口の中で崩壊させ(30秒前後)、吐き出し、崩壊前半に感じる苦味(先味)と、後半に感じる苦味(後味)をVisual Analog Scale法(VAS法)により評価し、スコア化した(0点~100点満点)。なお、スコア数値が小さいほど苦みが強く、大きいほど苦味が弱いことを意味する。その結果を表2に示す。
Figure 2023091831000002
表2に示す通り、グルコン酸カルシウムを配合した実施例1では、配合しなかった比較例1と比べてスコアが15点~20点ほど高く、グルコン酸カルシウムがアセトアミノフェンの苦味を抑制する効果を有することが明らかである。
[実施例2~7、比較例2]
表3に示す処方内容に従い、アセトアミノフェンに、ポリビニルアルコールおよびD-マンニトールを加えて流動層造粒法にて造粒した。当該造粒物の平均粒子径は66μm(比較例2、実施例2~4)ないし95μm(実施例5~7)であった。当該アセトアミノフェン造粒物と表3の処方内容に従うその他の成分の粉末、および表4に示す外割合量のグルコン酸カルシウム水和物または酒石酸ナトリウム二水和物の粉末を混合した後、その混合物をロータリー打錠機(HT-EX6SS-U、畑鐵工所社製)にて打錠成形し、目的とする錠剤を製造した。当該錠剤は、錠径9mm、高さ3.6~3.7mm、硬度約81~98N、口腔内での崩壊時間は30秒以内であった。
Figure 2023091831000003
Figure 2023091831000004
[試験例2]苦味抑制効果の評価
実施例1と同様の評価方法で、試験者5名による評価を実施した。その結果を表5に示す。
Figure 2023091831000005
表5に示す通り、グルコン酸カルシウムまたは酒石酸ナトリウムを0.5%~5.0%(外割り)配合した実施例2~7では、配合しなかった比較例2と比べて、先味・後味ともにスコアが10点以上高く、グルコン酸カルシウム(カルシウム塩)および酒石酸ナトリウム(ナトリウム塩)はいずれも、配合量が少量であってもアセトアミノフェンの苦味を抑制する効果を有することが明らかである。
[実施例8]
実施例1とほぼ同様の処方内容にて、アセトアミノフェンを含む造粒物が軽質無水ケイ酸で被覆されている態様の錠剤(本発明製剤)を製造した。
まず、湿式造粒機(FD-MP-01、パウレック社製)内で、アセトアミノフェンにポリビニルアルコール(部分けん化物)の水溶液を噴霧し乾燥しながら造粒し、アセトアミノフェン造粒物(平均粒子径:約100μm)を得た。かかる造粒物にサッカリンナトリウム水和物および軽質無水ケイ酸の水性懸濁液を噴霧して被覆し、アセトアミノフェンを含む被覆造粒物を調製し、かかる被覆造粒物と、結晶セルロース、D-マンニトール、クロスポビドン、スクラロース、ステアリン酸マグネシウム、l-メントール、および香料とを混合し、かかる混合物をロータリー打錠機(HT-EX6SS-U、畑鐵工所社製)にて打錠成形し、目的とする錠剤を製造した(実施例8)。当該錠剤は、錠径9mm、高さ3.7mm、硬度約85N、口腔内での崩壊時間は約30秒以内であり、苦み抑制効果は実施例1と同等であった。
[試験例3]打錠障害の評価
実施例8について、圧縮特性評価装置(GTP-2、Gamlen Instruments社製)を用いて錠剤の臼からの排出圧および摺切り圧を測定した。排出圧および摺切り圧は、それぞれ1.36MPaおよび1.99MPaであり、アセトアミノフェンに軽質無水ケイ酸を被覆していないものより打錠障害が改善された。当該被覆により、添加剤の量を増やす等といった錠剤の大型化につながる手法を採ることなく打錠障害を抑えることができるため、より小型の態様の本発明製剤(錠剤)の製造に好適である。
本発明製剤は、カルシウム塩および/またはナトリウム塩によりアセトアミノフェンの苦味が抑制されており、また、これらの塩の配合量は少量であっても十分に効果を奏するから、本発明製剤は比較的小型のものとすることができる。したがって、医薬品産業において有用である。

Claims (18)

  1. アセトアミノフェンを含む造粒物、ならびにカルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩を含む乾式混合物からなることを特徴とする、経口固形製剤。
  2. アセトアミノフェンを含む造粒物中に結合剤、増量剤、甘味剤、および/または流動化剤を含む、請求項1に記載の経口固形製剤。
  3. 乾式混合物中に、さらに賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤および/または矯味剤を含む、請求項1または2に記載の経口固形製剤。
  4. カルシウム塩が有機酸カルシウムであり、ナトリウム塩が有機酸ナトリウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
  5. 有機酸カルシウムが、グルコン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウムであり、有機酸ナトリウムが、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、または安息香酸ナトリウムである、請求項4に記載の経口固形製剤。
  6. 甘味剤が、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、またはアセスルファムカリウムである、請求項2~5のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
  7. アセトアミノフェンを含む造粒物の平均粒子径が、1~200μmの範囲内である、請求項1~6のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
  8. 剤形が、錠剤または口腔内崩壊錠である、請求項1~7のいずれか一項に記載の経口固形製剤。
  9. 重量が、30~700mgの範囲内である、請求項8に記載の経口固形製剤。
  10. 次の1~3の工程を含むことを特徴とする、経口固形製剤の製造方法:
    1.アセトアミノフェンを造粒してアセトアミノフェンを含む造粒物を調製する工程、
    2.前記アセトアミノフェンを含む造粒物、カルシウム塩(但し、乳酸カルシウムを除く。)および/またはナトリウム塩、ならびに添加物を乾式で混合し乾式混合物を調製する工程、
    3.乾式混合物を経口固形製剤に成形する工程。
  11. アセトアミノフェンを含む造粒物中に結合剤、増量剤、甘味剤、および/または流動化剤を含む、請求項10に記載の経口固形製剤の製造方法。
  12. 添加物が、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤および/または矯味剤である、請求項10または11に記載の経口固形製剤の製造方法。
  13. カルシウム塩が有機酸カルシウムであり、ナトリウム塩が有機酸ナトリウムである、請求項10~12のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
  14. 有機酸カルシウムが、グルコン酸カルシウム、またはクエン酸カルシウムであり、有機酸ナトリウムが、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、または安息香酸ナトリウムである、請求項13に記載の経口固形製剤の製造方法。
  15. 甘味剤が、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、またはアセスルファムカリウムである、請求項11~14のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
  16. アセトアミノフェンを含む造粒物の平均粒子径が、1~200μmの範囲内である、請求項10~15のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
  17. 前記成形が打錠成形であって、経口固形製剤が錠剤または口腔内崩壊錠である、請求項10~16のいずれか一項に記載の経口固形製剤の製造方法。
  18. 錠剤または口腔内崩壊錠の重量が、30~700mgの範囲内である、請求項17に記載の経口固形製剤の製造方法。
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