JP2023091573A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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重正 廣岡
Shigemasa Hirooka
雅典 林
Masanori Hayashi
芳雄 山下
Yoshio Yamashita
真吾 是永
Shingo Korenaga
勝広 伊藤
Katsuhiro Ito
光 塩澤
Hikaru Shiozawa
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【課題】電気加熱式触媒の絶縁性の低下を抑える。【解決手段】内燃機関は、排気通路に設けられたケース24に収容されて通電により加熱される電気加熱式の第1触媒26と、第1触媒26よりも排気下流側に設けられた第2触媒27とを備える。制御装置100は、内燃機関の始動に先立って第1触媒26への通電を行うことにより第1触媒26を暖機するプレヒート処理と、プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に内燃機関の始動を開始する始動遅延処理とを実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の排気を浄化する触媒は、暖機が完了した活性化温度において十分な能力を発揮する。そのため、触媒の温度が活性化温度未満の状態では、排気を十分に浄化できないおそれがある。
そこで、内燃機関の排気通路に設けられたケースに収容されて通電により加熱される電気加熱式の触媒が知られている(例えば特許文献1など)。電気加熱式触媒は、内燃機関を始動する前に通電を行うプレヒート処理を実行することにより、機関始動に先立って触媒を暖機させることができる。
特開2012-72665号公報
ところで、機関始動が開始されると、水分を含んだ排気がケースに流入する。そのため、排気中の水分がケースの内壁で結露するおそれがある。そうした結露が生じると、電気加熱式触媒の絶縁性が低下するおそれがある。
上記課題を解決する内燃機関の制御装置は、排気通路に設けられたケースに収容されており通電により加熱される電気加熱式の第1触媒と、前記第1触媒よりも排気下流側に設けられた第2触媒とを備える内燃機関に適用さ。この制御装置は、前記内燃機関の始動に先立って前記第1触媒への通電を行うことにより当該第1触媒を暖機するプレヒート処理と、前記プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に前記内燃機関の始動を開始する始動遅延処理とを実行する。
プレヒート処理を終了した後も、プレヒート処理によって温められた第1触媒の予熱によりケースの温度上昇は続く。従って、プレヒート処理の終了後、ある程度の期間が経過した後に機関始動を開始する場合には、プレヒート処理の終了後、ただちに機関始動を開始する場合と比べて、ケースの温度は高くなっている。そのため、ケースの内壁に結露が生じにくい状態で内燃機関の始動を開始することができる。そこで、同構成では、プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に内燃機関の始動を開始するようにしている。従って、プレヒート処理の終了後、ただちに機関始動を開始する場合と比べて、電気加熱式触媒の絶縁性の低下を抑えることができる。
また、機関始動前において既にケースの内壁に結露が生じていたとしても、上述したようなケースの温度上昇により結露した凝縮水の蒸発が進むため、機関始動を開始する時点での電気加熱式触媒の絶縁抵抗も改善する。従って、これによっても、電気加熱式触媒の絶縁性の低下を抑えることができる。
前記制御装置において、前記既定期間は、前記ケースの壁温が既定の判定温度以上になるまでの期間でもよい。
また、前記制御装置において、前記既定期間は、前記プレヒート処理を終了してからの経過時間が既定の判定時間以上になるまでの期間であり、前記プレヒート処理を終了した時点での前記第1触媒の温度を取得する処理と、前記第1触媒の温度が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理とを実行してもよい。
プレヒート処理の終了後において、ケースの温度が結露の起きにくい温度になるまでに要する時間は、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒の温度が低いときほど長くなる。また、プレヒート処理の終了後において、ケースの内壁に付着した凝縮水の蒸発が十分に進むまでに要する時間は、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒の温度が低いときほど長くなる。
そこで、同構成では、前記既定期間は、前記プレヒート処理を終了してからの経過時間が既定の判定時間以上になるまでの期間であり、前記プレヒート処理を終了した時点での前記第1触媒の温度を取得する処理と、前記第1触媒の温度が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理と、を実行するようにしている。従って、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒の温度に応じて上記判定時間が適切に設定されるようになり、これにより上記始動遅延処理による機関始動の開始を適切に行うことができる。
また、前記制御装置において、前記既定期間は、前記プレヒート処理を終了してからの経過時間が既定の判定時間以上になるまでの期間であり、前記プレヒート処理の実行開始前の前記第1触媒の絶縁抵抗値を取得する処理と、前記絶縁抵抗値が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理とを実行してもよい。
プレヒート処理の実行開始前の第1触媒の絶縁抵抗値が低いほど、ケースの内壁にはより多くの凝縮水が付着している可能性が高い。従って、プレヒート処理の終了後において、ケースの内壁に付着した凝縮水の蒸発が十分に進むまでに要する時間は、上記の絶縁抵抗値が低いときほど長くなる。
そこで、同構成では、前記プレヒート処理の実行開始前の前記第1触媒の絶縁抵抗値を取得する処理と、前記絶縁抵抗値が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理と、を実行するようにしている。従って、プレヒート処理の実行開始前の第1触媒の絶縁抵抗値に応じて上記判定時間が適切に設定されるようになり、これにより上記始動遅延処理による機関始動の開始を適切に行うことができる。
また、前記制御装置において、前記内燃機関の始動開始に合わせて前記第1触媒への通電を行うポストヒート処理を実行してもよい。
同構成によれば、プレヒート処理が終了して機関始動が開始された後でも、ポストヒート処理によって第1触媒への通電が行われる。こうしたポストヒート処理の実行により、暖機が完了した第1触媒の温度低下が抑えられるため、機関始動直後におけるエミッションの悪化が抑制される。
ここで、上述した始動遅延処理により、機関始動後における電気加熱式触媒の絶縁性の低下は抑えられるため、そうしたポストヒート処理による通電を行っても、漏電などの発生は抑えることができる。
内燃機関の制御装置を備える車両の構成を示す模式図である。 同車両に搭載された電気加熱式触媒のシステム構成を示す模式図である。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 最大酸素吸蔵量と触媒の活性化温度との関係を示すグラフである。 第1触媒温度及び最大酸素吸蔵量と目標電力量との関係を示すグラフである。 最大酸素吸蔵量と判定値との関係を示すグラフである。 車両のシステムが起動されたときの各種の状態の推移を示すタイムチャートである。図7(a)は機関出力、図7(b)は電気加熱式触媒の通電状態、図7(c)は第1触媒温度及び第2触媒温度、図7(d)はケースの壁温、それぞれの推移を示している。 同実施形態の変更例において制御装置が実行する処理の手順についてその一部を示すフローチャートである。 第1触媒温度と判定時間との関係を示すグラフである。 絶縁抵抗値と判定時間との関係を示すグラフである。
以下、内燃機関の制御装置の一実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
<車両の構成>
図1を参照して内燃機関の制御装置100が搭載された車両10の構成を説明する。
車両10は、内燃機関11及び第2モータジェネレータ32を動力源として備えている。すなわち車両10は、ハイブリッド車両である。なお、車両10は、外部電源60に接続してバッテリ50を充電することができるプラグインハイブリッド車両である。そのため、バッテリ50には、外部充電用の充電器51が接続されている。なお、バッテリ50は、例えば400Vの高圧バッテリである。また、第2モータジェネレータ32は、例えば三相交流型のモータジェネレータである。
内燃機関11は、吸気通路12と排気通路21とを備えている。なお、図1に示す例では、内燃機関11は、4つの気筒を備えている。吸気通路12には、吸気通路12を流れる吸気の流量を調整するスロットルバルブ13が設けられている。内燃機関11には、吸気中に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁14が各気筒に対して1つずつ設けられている。なお、複数の燃料噴射弁14は、各気筒に対して複数個ずつ設けられていてもよいし、各気筒に対して設けられている個数がそれぞれ異なっていてもよい。また、内燃機関11には、燃料と吸気との混合気を火花放電により点火する点火プラグ15が各気筒に対して1つずつ設けられている。なお、点火プラグ15は、各気筒に対して複数個ずつ設けられていてもよいし、各気筒に設けられている個数がそれぞれ異なっていてもよい。
内燃機関11の排気通路21には、触媒コンバータ29が設置されている。触媒コンバータ29には通電に応じて発熱する電気加熱式触媒210が搭載されている。電気加熱式触媒210は、電源装置220を介してバッテリ50に接続されている。電気加熱式触媒210を含む電気加熱式触媒システム200の詳しい構成については、図2を参照して後述する。
また、排気通路21における触媒コンバータ29よりも下流側には、フィルタ36が設けられている。フィルタ36は、排気に含まれる粒子状物質を捕集する。粒子状物質は燃焼によって生じるカーボンを主成分とする微細な粒子状の物質である。
第2モータジェネレータ32は、パワーコントロールユニット35を介してバッテリ50に接続されている。また、第2モータジェネレータ32は、減速機構34を介して駆動輪40に連結されている。
内燃機関11は、動力分割機構30及び減速機構34を介して駆動輪40に連結されている。なお、動力分割機構30には、第1モータジェネレータ31も連結されている。第1モータジェネレータ31は、例えば三相交流型のモータジェネレータである。動力分割機構30は、遊星歯車機構であり、内燃機関11の駆動力を第1モータジェネレータ31と駆動輪40とに分割することができる。
第1モータジェネレータ31は、内燃機関11の駆動力や駆動輪40からの駆動力を受けて発電を行う。また、第1モータジェネレータ31は、内燃機関11を始動する際に、内燃機関11の回転軸を駆動するスタータとしての役割も担う。その際には、第1モータジェネレータ31は、バッテリ50からの電力の供給に応じて駆動力を発生するモータとして機能する。
第1モータジェネレータ31及び第2モータジェネレータ32は、パワーコントロールユニット35を介してバッテリ50に接続されている。第1モータジェネレータ31によって発電された交流電力は、パワーコントロールユニット35により直流に変換されてバッテリ50に充電される。すなわち、パワーコントロールユニット35はインバータとして機能する。
また、バッテリ50の直流電力は、パワーコントロールユニット35により交流に変換されて、第2モータジェネレータ32に供給される。なお、車両10を減速させる際には、駆動輪40からの駆動力を利用して第2モータジェネレータ32で発電を行う。そして、発電した電力はバッテリ50に充電される。すなわち、この車両10では回生充電を行う。この際には、第2モータジェネレータ32は、ジェネレータとして機能する。このときには、第2モータジェネレータ32によって発電された交流電力は、パワーコントロールユニット35により直流に変換されてバッテリ50に充電される。
なお、第1モータジェネレータ31をスタータとして機能させるときは、パワーコントロールユニット35は、バッテリ50の直流電力を交流に変換して第1モータジェネレータ31に供給する。
<制御装置>
制御装置100は、内燃機関11、第1モータジェネレータ31及び第2モータジェネレータ32を制御する。すなわち、制御装置100は、プラグインハイブリッド車両である車両10のパワートレーンを制御する制御装置である。そのため、制御装置100は、電気加熱式触媒システム200を含む内燃機関11を制御する。また、制御装置100は、電気加熱式触媒システム200を制御する。
制御装置100には、車両10の各部に設けられたセンサの検出信号が入力される。制御装置100に入力される検出信号には、車速SP、アクセルペダル開度ACCP、バッテリ50の残容量に応じた充電状態SOCが含まれる。制御装置100には、内燃機関11の冷却水の温度である水温Twを検出する水温センサ101が接続されている。制御装置100には、車両10の運転者が車両10のシステムの起動及び停止を行うためのパワースイッチ102も接続されている。そのため、制御装置100は、パワースイッチ102からの入力信号に基づいて、車両10のシステムの起動状態を把握する。制御装置100には、触媒コンバータ29に流入する排気の空燃比である上流側空燃比AFuを検出する上流側空燃比センサ103が接続されている。なお、上流側空燃比センサ103は、触媒コンバータ29よりも上流側の排気通路21に配置されている。制御装置100には、触媒コンバータ29を通過した排気の空燃比である下流側空燃比AFdを検出する下流側空燃比センサ104が接続されている。なお、下流側空燃比センサ104は、排気通路21において触媒コンバータ29よりも下流側であり且つフィルタ36よりも上流側の部位に配置されている。制御装置100には、内燃機関11に吸入される空気の温度である吸気温Tin及び質量である吸入空気量GAを検出するエアフロメータ105や、内燃機関11のクランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ106が接続されている。なお、制御装置100は、クランク角センサ106の出力信号Scrに基づいて機関回転速度NEを算出する。また、制御装置100は、機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づいて機関負荷率KLを算出する。機関負荷率KLは、内燃機関11の燃焼室に充填される空気量を定めるパラメータであり、基準流入空気量に対する1気筒の1燃焼サイクル当たりの流入空気量の比である。なお、基準流入空気量は、機関回転速度NEに応じて可変設定される。
上記のように構成された車両10は、バッテリ50に蓄えられている電力を利用して第2モータジェネレータ32を駆動することにより、第2モータジェネレータ32のみを利用して駆動輪40を駆動するEV走行を行うことができる。また、内燃機関11と第2モータジェネレータ32を利用して駆動輪40を駆動するハイブリッド走行を行うこともできる。
<電気加熱式触媒システムの構成>
次に図2を参照して電気加熱式触媒システム200の構成を説明する。
図2に示すように、触媒コンバータ29には、電気加熱式触媒210を構成する排気浄化用の第1触媒26に加えて、排気浄化用の第2触媒27が搭載されている。第1触媒26及び第2触媒27は、いずれも排気の流れる方向に延びる複数の通路が区画されたハニカム構造の触媒担体に三元触媒を担持させたものである。第2触媒27は、第1触媒26よりも排気下流側に設けられている。
第1触媒26及び第2触媒27は、ケース24に収容されている。ケース24は、金属、例えばステンレス鋼によって形成された筒である。ケース24は、排気通路21の一部を構成する。ケース24内において、第1触媒26及び第2触媒27と、ケース24との間には、マット28が介在している。マット28は、絶縁体であり、例えば、アルミナを主成分とする無機繊維によって形成されている。
マット28は、圧縮された状態で第1触媒26及び第2触媒27とケース24との間に介在している。そのため、第1触媒26及び第2触媒27は、圧縮されたマット28の復元力によってケース24内に保持されている。
ケース24の上流側の部分には、上流側ほど径が小さくなっている上流側接続管23が外側から被せられて固定されている。また、ケース24の下流側の部分には、下流側ほど径が小さくなっている下流側接続管25が外側から被せられて固定されている。
図2に示すように、上流側接続管23は、ケース24よりも直径の小さな上流側排気管22とケース24とを接続する。同様に、下流側接続管25は、ケース24よりも直径の小さな下流側の排気管とケース24とを接続する。このように、第1触媒26及び第2触媒27を収容したケース24と上流側接続管23と下流側接続管25とは、排気通路21の一部を構成する触媒コンバータ29を構成している。
なお、ケース24の上流側の端部は、上流側排気管22に近づくにつれて径が小さくなっており、最も上流側排気管22に近い部分の直径は、上流側排気管22の直径とほぼ等しくなっている。
第2触媒27は、第1触媒26よりも排気下流側に位置している。第1触媒26の触媒担体は、通電されると電気抵抗となって発熱する素材によって形成されている。例えば、こうした素材としては、炭化ケイ素を用いることができる。なお、触媒担体は、温度が高いときには温度が低いときよりも電気抵抗が小さくなる特性を持っている。
第1触媒26には、第1電極211及び第2電極212が取り付けられている。第1電極211は正電極であり、第2電極212は負電極である。第1電極211と第2電極212の間に電圧をかけることによって第1触媒26に電流が流れる。第1触媒26に電流が流れると、触媒担体の電気抵抗によって触媒担体が発熱する。
触媒担体の全体に対して均一に電流を流すために、第1電極211及び第2電極212は、触媒担体の外周面に沿って周方向及び軸方向に延びている。また、ケース24には、2つの開口部24Kが形成されており、各開口部24Kには、アルミナなどの絶縁材料で構成された絶縁碍子213がそれぞれ嵌め込まれている。第1電極211及び第2電極212は、それぞれ開口部24Kに嵌め込まれた絶縁碍子213を貫通している。
開口部24Kは、金属製の電極室80で塞がれている。この電極室80には、第1電極211や第2電極212に電力を供給する電力線の末端に設けられた端子85が挿入されている。端子85は、第1電極211や第2電極212に接続されている。
また、ケース24の内周面には、絶縁材料を塗布して絶縁コートが施されている。絶縁コートとしては、例えば、ガラスコートを用いることができる。これにより、第1触媒26は、ケース24に対して電気的に絶縁されている。
上記のように、第1触媒26には、第1電極211及び第2電極212が取り付けられている。これにより、第1触媒26は、電力を供給することによって発熱する電気加熱式触媒210になっている。以下では、電気加熱式触媒210をEHC210と称する。通電によって触媒担体が発熱することで第1触媒26が加熱され、活性化が促進される。
また、内燃機関11が稼働して排気が流れるようになると、EHC210を通過して温められた排気によって、熱が第2触媒27にも移動する。これにより、第2触媒27の暖機も促進される。
第1電極211及び第2電極212は、電源装置220の電源回路221を介してバッテリ50に接続されている。電源装置220は、絶縁トランジスタ及びパワースイッチング素子を含む電源回路221と、電源回路221を制御する電源用マイコン222を備えている。電源回路221には、電流センサ224と、電圧センサ225とが設けられている。電流センサ224及び電圧センサ225は電源用マイコン222に接続されている。電源用マイコン222は、電流センサ224が出力する信号に基づいてEHC210に供給されている電流を検出する。また、電源用マイコン222は、電圧センサ225が出力する信号に基づいてEHC210に印加している電圧を検出する。なお、電源装置220には、補機バッテリ55が接続されている。
また、電源装置220には、電源回路221に接続されていてEHC210の絶縁抵抗を検出して漏電を検知するための漏電検知回路223が設けられている。例えば、漏電検知回路223は、基準抵抗を備えている。補機バッテリ55から漏電検知回路223を含む電源回路221に電力を供給する。電源用マイコン222は、このときに電流センサ224及び電圧センサ225によって検出される電流値及び電圧値に基づいてEHC210の絶縁抵抗値Rtを算出する。
電源装置220は、制御装置100と相互に通信可能に接続されており、電源用マイコン222によって算出された絶縁抵抗値Rtは制御装置100に出力される。また、制御装置100は、電源装置220に指令を出力し、電源装置220を介してEHC210への通電を制御する。
<EHCの通電について>
プラグインハイブリッド車両である車両10では、バッテリ50の充電状態SOCに十分な余裕がある場合には、第2モータジェネレータ32のみを走行用の動力源として用いるEV走行モードで走行する。このときの制御装置100は、内燃機関11を停止した状態に維持している。そして、制御装置100は、第2モータジェネレータ32が要求駆動力分の駆動力が得られるトルクを発生するようにパワーコントロールユニット35を制御する。
また、制御装置100は、EV走行モードでの走行中に、バッテリ50の充電状態SOCが一定の値を下回ると、車両10の走行モードをEV走行モードからハイブリッド走行モードに切り替える。ハイブリッド走行モードは、内燃機関11及び第2モータジェネレータ32の双方を走行用の動力源として用いる走行モードである。
ハイブリッド走行モードへの切り替え直後から十分な排気浄化能力を発揮できるようにするためには、ハイブリッド走行モードに移行して内燃機関11を始動する前にEHC210に通電して、第1触媒26を暖機しておくことが望ましい。
そのため、制御装置100は、内燃機関11の始動に先立ってEHC210への通電を行うことにより第1触媒26を暖機するプレヒート処理を実行する。また、制御装置100は、内燃機関11の始動が開始された以降においてもEHC210への通電を行うポストヒート処理を実行する。なお、触媒の暖機とは、当該触媒の温度を活性化温度にまで高めることをいう。
このようにプレヒート処理が完了して機関始動が開始された後でも、ポストヒート処理によって第1触媒26への通電が行われる。こうしたポストヒート処理の実行により、暖機が完了した第1触媒26の温度低下が抑えられるため、機関始動直後におけるエミッションの悪化が抑制される。
また、第2触媒27の温度が活性化温度に達していれば、この第2触媒27によって排気が浄化されるため、第1触媒26への通電を停止しても排気を浄化することができる。そこで、本実施形態では、ポストヒート処理による第1触媒26への通電は、第2触媒27が活性化温度に達するまで行われる。従って、第1触媒26への通電を停止してもエミッションの悪化は抑制される。
ところで、機関始動が開始されると、水分を含んだ排気がケース24に流入する。そのため、排気中の水分がケース24の内壁や電極室80の内壁で結露するおそれがある。そうした結露が生じると、EHC210の絶縁性が低下するおそれがある。また、プレヒート処理により第1触媒26の温度が上昇すると、マット28に吸水されていた水分が蒸発する。この蒸発した水分がケース24の内壁や電極室80の内壁で再び結露することにより、EHC210の絶縁性が低下するおそれもある。
そこで、こうしたEHC210の絶縁性の低下を抑えるために、制御装置100は、図3に示す処理を実行する。
<EHCの通電にかかる処理>
図3を参照して、プレヒート処理及びポストヒート処理を含むEHCの通電についてその処理手順を説明する。この図3に示す処理は、パワースイッチ102がONになっており、車両10のシステムが稼働しているときに制御装置100によって繰り返し実行される。なお、以下では、先頭に「S」を付与した数字によってステップ番号を表現する。
図3に示すように、この本処理を開始すると、制御装置100は、まずS100の処理において、EHC通電要求がONであるか否かを判定する。EHC通電要求とはEHC210への通電要求のことである。具体的には、制御装置100は、次の2つの条件のいずれもが成立しているときに、EHC通電要求がONであると判定する。
・内燃機関11の始動要求がある。なお、内燃機関11の始動要求は、例えば充電状態SOCがハイブリッド走行モードへの切替閾値を下回っている場合や、車両運転者が要求する車両走行トルクがEV走行では得られない場合などが挙げられる。
・第1触媒26の温度である第1触媒温度Tcat1が活性化温度よりも低い既定温度以下である。
制御装置100は第1触媒温度Tcat1を推定している。例えば、制御装置100は、内燃機関11の運転を停止したときに、そのときの第1触媒温度Tcat1を停止時第1温度Toff1として記憶し、ソークタイマを起動する。そして、制御装置100は、内燃機関11が停止している間はソークタイマによる計時を継続する。制御装置100は、内燃機関11の始動時には外気温から停止時第1温度Toff1を引いた差に収束率を乗じた積を算出する。そして、その積を停止時第1温度Toff1に加算した和を算出する。こうして算出した和を機関始動時の第1触媒温度Tcat1とする。なお、収束率はソーク時間に基づいて算出される。収束率は0から1までの値である。収束率はソーク時間が長くなるほど1に近づく。例えば、収束率が1のときには触媒温度Tは外気温と等しい温度になる。これは、収束率が1のときには、第1触媒温度Tcat1が外気温まで収束していることを示している。なお、制御装置100は、エアフロメータ105で検出される吸気温Tinを外気温とみなして第1触媒温度Tcat1の算出に用いる。
また、機関運転中は、制御装置100は、第1触媒温度Tcat1の温度変化量である第1温度変化量dT1を算出する。そして、第1温度変化量dT1を直前に算出した第1触媒温度Tcat1に加算して最新の第1触媒温度Tcat1を算出する。なお、第1温度変化量dT1は排気熱やEHC210の発熱量の影響を受けて変化する。そこで、制御装置100は、排気の熱エネルギ量に影響を与えるパラメータや、EHC210の発熱量に影響を与えるパラメータなどを用いて第1温度変化量dT1を算出する。なお、排気の熱エネルギ量に影響を与えるパラメータとしては、機関回転速度NE、機関負荷率KL、水温Tw、吸入空気量GA、車速SP、吸気温Tinなどが挙げられる。また、EHC210の発熱量に影響を与えるパラメータとしては、EHC210に投入された電力量などが挙げられる。
また、制御装置100は、第2触媒27の温度である第2触媒温度Tcat2を推定している。例えば、制御装置100は、内燃機関11の運転を停止したときに、そのときの第2触媒温度Tcat2を停止時第2温度Toff2として記憶し、ソークタイマを起動する。そして、制御装置100は、内燃機関11が停止している間はソークタイマによる計時を継続する。制御装置100は、内燃機関11の始動時には外気温から停止時第2温度Toff2を引いた差に収束率を乗じた積を算出する。そして、その積を停止時第2温度Toff2に加算した和を算出する。こうして算出した和を機関始動時の第2触媒温度Tcat2とする。なお、収束率はソーク時間に基づいて算出される。収束率は0から1までの値である。収束率はソーク時間が長くなるほど1に近づく。例えば、収束率が1のときには触媒温度Tは外気温と等しい温度になる。これは、収束率が1のときには、第2触媒温度Tcat2が外気温まで収束していることを示している。
また、機関運転中は、制御装置100は、第2触媒温度Tcat2の温度変化量である第2温度変化量dT2を算出する。そして、第2温度変化量dT2を直前に算出した第2触媒温度Tcat2に加算して最新の第2触媒温度Tcat2を算出する。なお、第2温度変化量dT2は排気熱の影響を受けて変化する。そこで、制御装置100は、排気の熱エネルギ量に影響を与えるパラメータを用いて第2温度変化量dT2を算出する。なお、第2触媒27に流入する排気の熱エネルギ量に影響を与えるパラメータとしては、第1触媒温度Tcat1、吸入空気量GA、吸気温Tinなどが挙げられる。
S100の処理において、EHC通電要求がONではないと判定した場合(S100:NO)には、制御装置100は、そのまま本処理を一旦終了させる。すなわち、この場合には、制御装置100は、プレヒート処理及びポストヒート処理を実行しない。
一方、S100の処理において、EHC通電要求がONであると判定した場合(S100:YES)には、制御装置100は、処理をS110へと進める。S110の処理において、制御装置100は、内燃機関11の始動を禁止する。
次に制御装置100は、S112の処理において、この時点の絶縁抵抗値Rtを取得する。そして、制御装置100は、S114の処理において、絶縁抵抗値Rtが閾値A1より大きいか否かを判定する。閾値A1はEHC210の電気抵抗である絶縁抵抗が漏電を抑制する上で十分な大きさであることを判定するための閾値である。
S114の処理において、絶縁抵抗値Rtが閾値A1以下であると判定する場合(S114:NO)、制御装置100は、処理をS116へと進める。そして、制御装置100は、S116の処理において、内燃機関11の始動禁止を解除して内燃機関11の始動を開始する。そして、本処理を一旦終了する。
一方、S114の処理において、絶縁抵抗値Rtが閾値A1より大きいと判定した場合(S140:YES)には、制御装置100は、処理をS120へと進める。
S120の処理において、制御装置100は、目標電力量Q0を算出する。具体的には、制御装置100は、S100の処理を実行したときに推定した第1触媒温度Tcat1と、前回の内燃機関11の運転中に算出した最大酸素吸蔵量Cmaxに応じて目標電力量Q0を算出する。
最大酸素吸蔵量Cmaxは、触媒コンバータ29が備える2つの触媒、つまり第1触媒26及び第2触媒27を1つの触媒とみなしたときに、その触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値である。制御装置100は、例えば機関運転中の上流側空燃比AFuや下流側空燃比AFdの各値に基づいて最大酸素吸蔵量Cmaxを推定している。ここで、第1触媒26や第2触媒27の劣化が進行してそれらの劣化度が高くなると、最大酸素吸蔵量Cmaxは少なくなる。従って、最大酸素吸蔵量Cmaxは、第1触媒26や第2触媒27の劣化度に関する情報である劣化情報となっている。
図4に示すように、第1触媒26や第2触媒27の劣化度が高くなることにより、最大酸素吸蔵量Cmaxが少なくなると、第1触媒26や第2触媒27の活性化温度は高くなる傾向がある。
プレヒート処理では、投入電力の積算値である電力量Qが目標電力量Q0に達するまでEHC210への通電を継続することによって第1触媒26を活性化温度以上まで加熱して暖機を行う。すなわち、目標電力量Q0は通電を開始する前の温度から暖機が完了するまで第1触媒26を加熱するために必要な電力量である。
従って、図5に示すように、S120の処理において制御装置100は、第1触媒温度Tcat1が低いほど、目標電力量Q0として大きな値を算出する。なお、電力量Qは、EHC210に実際に供給された電力の積算値である。また、図5に示すように、S120の処理において制御装置100は、最大酸素吸蔵量Cmaxが少なく活性化温度が高いときほど、目標電力量Q0として大きな値を算出する。
次に、制御装置100は、S130の処理において、EHC210への投入電力を第1電力W1に設定する。なお、本実施形態では、プレヒート処理及びポストヒート処理においてEHC210に投入される電力はともに第1電力W1となっている。しかしながら、プレヒート処理及びポストヒート処理においてEHC210に投入される電力を異ならせてもよい。
次に、制御装置100は、処理をS140へと進める。そして、制御装置100は、S140の処理においてEHC210への通電を開始する。なお、プレヒート処理では、制御装置100は、投入電力が設定された値になるように電源回路221を制御してバッテリ50の電圧を変換してEHC210に電力を供給する。プレヒート処理によって第1触媒26の温度が上昇すると、絶縁抵抗値Rtは次第に低下する。そのため、制御装置100は、絶縁抵抗値Rtの低下にあわせて電圧を低くして投入電力を第1電力W1に維持する。また、制御装置100は、電圧が予め設定された上限電圧の値を超えないように、上限電圧以下の範囲で電圧を制御する。すなわち、上限電圧は、プレヒート処理において電圧を制御する際の電圧の上限値である。なお、通電を開始すると、制御装置100は、電流センサ224によって検出している電流値及び電圧センサ225で検出している電圧値を読み込み、投入電力の積算を開始する。そして、制御装置100は、EHC210に通電している間、投入電力を積算してEHC210に投入した電力量Qを算出し続ける。
次のS150の処理において、制御装置100は、電力量Qが目標電力量Q0以上であるか否かを判定する。そして、S150の処理において電力量Qが目標電力量Q0未満であると判定する場合(S150:NO)、制御装置100は、S150の処理を繰り返す。
一方、S150の処理において、電力量Qが目標電力量Q0以上であると判定する場合(S150:YES)、制御装置100は、処理をS152へと進める。そして、制御装置100は、S152の処理において、EHC210への通電を停止することにより、EHC210への通電を一旦休止する。なお、この通電休止に際して、EHC210への通電を停止するのではなく、投入電力を第1電力W1よりも小さくすることにより、EHC210の保温を行うようにしてもよい。
次に、制御装置100は、S154の処理において、現在の壁温Twallを取得する。その取得した壁温Twallが既定の判定温度T0ref以上であるか否かを判定する。壁温Twallは、第1触媒26周りのケース24の温度であり、制御装置100は、第1触媒温度Tcat1を参照して壁温Twallを算出する。また、判定温度T0refは、壁温Twallが、ケース24の内壁における結露を抑制する上で十分に高い温度であることを判定するための値である。例えば、ケース24の内壁における想定可能な露点温度の最高温度を判定温度T0refに設定してもよい。
そして、S154の処理において壁温Twallが判定温度T0ref未満であると判定する場合(S154:NO)、制御装置100は、S154の処理を繰り返す。
一方、S154の処理において、壁温Twallが判定温度T0ref以上であると判定する場合(S154:YES)、制御装置100は、処理をS156へと進める。
制御装置100は、S156の処理において、EHC210の投入電力を第1電力W1に設定することにより、EHC210への通電を再開する。
次に、制御装置100は、処理をS160へと進める。制御装置100は、S160の処理において、内燃機関11の始動禁止を解除して内燃機関11の始動を開始する。なお、S152、S154、及びS160の各処理は、プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に内燃機関11の始動を開始する始動遅延処理を構成している。
次に、制御装置100は、S170の処理において、機関出力制限と点火時期遅角とを実施する。機関出力制限は、内燃機関11の機関出力Peが予め設定された既定出力Pecにて一定となるように、機関出力Peを制御するものである。なお、既定出力Pecとしては、内燃機関11から排出される排気の量がケース24における結露の発生を抑える上で適切な量となる機関出力Peよりもやや少ない値が設定されている。こうした機関出力制限を行うことにより、排気中の水分に由来するケース24での結露の発生が抑えられる。
また、点火時期遅角は、EHC210への通電を行うことなく機関始動を行う場合と比べて点火時期を遅角させるものである。この点火時期遅角を行うことにより、内燃機関11から排出される排気の温度が高くなる。そのため、排気による第1触媒26の温度低下を抑制したり、第2触媒27の暖機促進を図ることができる。
次に、制御装置100は、S180の処理において、判定値Trefを算出する。判定値Trefは、第2触媒27の活性化温度である。上述したように、第2触媒27の活性化温度は、第2触媒27の劣化度に応じて変化する。そして、第2触媒27の劣化度は上記最大酸素吸蔵量Cmaxと相関している。そこで、制御装置100は、S180の処理において、第2触媒27の劣化情報である上記の最大酸素吸蔵量Cmaxを取得する。そして、取得した最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて判定値Trefを算出する。
図6に示すように、制御装置100は、最大酸素吸蔵量Cmaxが少ないときほど判定値Trefの値は高い温度となるように、当該判定値Trefの値を算出する。
次に、制御装置100は、S190の処理において、第2触媒温度Tcat2を取得する。そして、制御装置100は、第2触媒温度Tcat2が判定値Tref以上であるか否かを判定する。そして、S190の処理において、第2触媒温度Tcat2が判定値Tref未満であると判定する場合(S190:NO)、制御装置100は、S190の処理を繰り返す。
一方、S190の処理において、第2触媒温度Tcat2が判定値Tref以上であると判定する場合(S190:YES)、制御装置100は、処理をS200へと進める。
制御装置100は、S200の処理において、上述した機関出力制限と点火時期遅角とを終了する。
次に、制御装置100は、S210の処理において、EHC210への通電を終了させる。そして、本処理を一旦終了する。
<作用>
本実施形態の作用を説明する。
図7は、上記車両のシステムが起動されたときの各種の状態の推移を示すタイムチャートである。図7(a)は内燃機関11の出力、図7(b)はEHC210の通電状態、図7(c)は第1触媒温度Tcat1及び第2触媒温度Tcat2、図7(d)は壁温Twall、それぞれの推移を示している。
図7に示すように、時刻t1において、EHC通電要求がONであると判定されると、EHC210への通電が開始されることにより、第1触媒温度Tcat1は上昇する。また、第1触媒温度Tcat1の温度上昇に伴い、第1触媒26周りのケース24の壁温Twallも上昇する。
そして、時刻t2において、EHC210に供給された電力量Qが目標電力量Q0以上となり、第1触媒26の暖機が完了すると、EHC210への通電が休止される。時刻t1から時刻t2までのEHC210への通電は、内燃機関11の始動に先立って第1触媒26への通電を行うことにより当該第1触媒26を暖機するプレヒート処理である。
こうしたプレヒート処理を終了した後も、プレヒート処理によって温められた第1触媒26の予熱によりケース24の温度上昇は続くため、壁温Twallは上昇していく。
そして、時刻t3において壁温Twallが判定温度T0ref以上になると、機関始動が開始される。機関始動が開始されると、上記の機関出力制限が行われることにより機関出力Peは既定出力Pecに維持されるとともに点火時期遅角が実施される。時刻t2から時刻t3までの期間は、プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に内燃機関11の始動を開始する始動遅延期間である。
また、時刻t3においては、EHC210への通電が再開される。
そして、時刻t4において、第2触媒温度Tcat2が判定値Tref以上となり、第2触媒27の暖機が完了すると、上記の機関出力制限及び点火時期遅角は終了されるとともに、EHC210への通電は停止される。時刻t3から時刻t4までのEHC210への通電は、内燃機関11の始動開始後において第1触媒26への通電を行うポストヒート処理である。
<効果について>
本実施形態の効果を説明する。
(1)上述したようにプレヒート処理を終了した後も、プレヒート処理によって温められた第1触媒26の予熱によりケース24の温度上昇は続く。従って、プレヒート処理の終了後、ある程度の期間が経過した後に機関始動を開始する場合には、プレヒート処理の終了後、ただちに機関始動を開始する場合と比べて、ケース24の温度は高くなっている。そのため、ケース24の内壁に結露が生じにくい状態で内燃機関11の始動を開始することができる。
そこで、本実施形態では、プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に内燃機関11の始動を開始する始動遅延処理を行うようにしている。
より詳細には、図7に示した時刻t2においてプレヒート処理を終了する。そして、ケース24の壁温Twallが上記判定温度T0ref以上になるまでの期間である始動遅延期間(図7に示す時刻t2から時刻t3の期間)が経過した後、内燃機関11の始動を開始するようにしている。
従って、プレヒート処理の終了後、ただちに機関始動を開始する場合と比べて、ケース24の内壁に結露が生じにくい状態で内燃機関11の始動が開始される。そのため、EHC210の絶縁性の低下を抑えることができる。
また、機関始動前において既にケース24の内壁に結露が生じていたとしても、上述したようなケース24の温度上昇により結露した凝縮水の蒸発が進む。そのため、機関始動を開始する時点でのEHC210の絶縁抵抗が改善する。従って、これによっても、EHC210の絶縁性の低下を抑えることができる。
(2)プレヒート処理が終了して機関始動が開始された後でも、ポストヒート処理によって第1触媒26への通電が行われる。こうしたポストヒート処理の実行により、暖機が完了した第1触媒26の温度低下が抑えられるため、機関始動直後におけるエミッションの悪化が抑制される。
ここで、上述した始動遅延処理により、機関始動後におけるEHC210の絶縁性の低下は抑えられるため、そうしたポストヒート処理による通電を行っても、漏電などの発生は抑えることができる。
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・S120の処理において、制御装置100は、第1触媒温度Tcat1と最大酸素吸蔵量Cmaxとに応じて目標電力量Q0を算出した。この他、第1触媒温度Tcat1及び最大酸素吸蔵量Cmaxのいずれか一方に応じて目標電力量Q0を算出してもよい。また、他のパラメータに応じて目標電力量Q0を算出してもよい。
・機関出力制限は、機関出力Peが予め設定された既定出力Pecにて一定となるように機関出力Peを制御するものであった。この他、機関出力制限は、機関出力Peが予め設定された上限出力Pemの値を超えないように、上限出力Pem以下の範囲で機関出力Peを制御するものでもよい。なお、この上限出力Pemの値としては、上述した既定出力Pecなどが挙げられる。
・S170の処理において、機関出力制限と点火時期遅角とを実施した。この他、機関出力制限及び点火時期遅角のうちのいずれか一方を実施してもよい。また、S170の処理及びS200の処理を省略することにより、そうした機関出力制限と点火時期遅角とをともに実施しないようにしてもよい。
・判定値Trefを、最大酸素吸蔵量Cmaxに応じて変更するようにしたが、予め定めた一定値としてもよい。この一定値としては、たとえば第2触媒27の劣化度が許容限度に達したと想定した場合の活性化温度とすることができる。
・触媒の劣化情報として最大酸素吸蔵量Cmaxを利用したが、他の値を利用してもよい。例えば、内燃機関11の総運転時間が長くなるほど、触媒の劣化度は高くなる傾向がある。そのため、そうした総運転時間を触媒の劣化情報として利用してもよい。
・図3に示したS154の処理では、壁温Twallと判定温度T0refとを比較したが、他の値を比較してもよい。
図8にそうした変更例の処理手順を示す。なお、図8には、図3に示した処理との相異点を示す。
この図8に示すように、制御装置100は、上述したS152の処理を終えると、次に、S300の処理として、判定時間Tirefを算出する。判定時間Tirefは、時間A及び時間Bのうちの長い方の時間である。時間Aは、プレヒート処理の終了後において、ケース24の温度が結露の起きにくい温度になるまでに要する時間であり、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒26の温度が低いときほど長くなる。また、時間Bは、プレヒート処理の終了後においてケース24の内壁に付着した凝縮水の蒸発が十分に進むまでに要する時間であり、この時間も、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒26の温度が低いときほど長くなる。そこで、制御装置100は、S300の処理において、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒温度Tcat1を取得する。そして、取得した第1触媒温度Tcat1に基づいて判定時間Tirefを算出する。
図9に示すように、制御装置100は、第1触媒温度Tcat1の温度が低いときほど判定時間Tirefが長い時間となるように、当該判定時間Tirefの値を算出する。
次に、制御装置100は、S310の処理において、経過時間Tiを取得する。そして、その取得した経過時間が判定時間Tiref以上であるか否かを判定する。経過時間Tiは、図3に示したS152の処理によりEHC210の通電を休止してから現在までの経過時間である。つまり、経過時間Tiは、プレヒート処理を終了してから現在までの経過時間である。そして、S310の処理において、経過時間Tiが判定時間Tiref未満であると判定する場合(S310:NO)、制御装置100は、S310の処理を繰り返す。
一方、S310の処理において、経過時間Tiが判定時間Tiref以上であると判定する場合(S310:YES)、制御装置100は、処理を上述したS156へと進めることにより、機関始動及びポストヒート処理を開始する。
この変更例では、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒温度Tcat1に応じて判定時間Tirefが適切に設定されるようになる。そのため、この変更例でも上記始動遅延処理による機関始動の開始を適切に行うことができるようになる。
・図8に示したS300の処理では、プレヒート処理を終了した時点での第1触媒温度Tcat1に基づいて判定時間Tirefを算出したが、他の値に基づいて判定時間Tirefを算出してもよい。例えば、プレヒート処理の実行開始前の第1触媒26の絶縁抵抗値Rtが低いほど、ケース24の内壁にはより多くの凝縮水が付着している可能性が高い。従って、プレヒート処理の終了後において、ケース24の内壁に付着した凝縮水の蒸発が十分に進むまでに要する時間は、上記の絶縁抵抗値Rtが低いときほど長くなる。
そこで、制御装置100は、図8に示したS300の処理において、プレヒート処理の実行開始前の第1触媒26の絶縁抵抗値Rtを取得する処理と、取得した絶縁抵抗値Rtに基づいて判定時間Tirefを設定する処理とを実行する。
図10に示すように、制御装置100は、S300の処理において、取得した絶縁抵抗値Rtが低いときほど判定時間Tirefが長い時間となるように、当該判定時間Tirefを算出する。なお、絶縁抵抗値Rtが既定値Rt1以上である場合には、ケース24の内壁に付着している凝縮水の量が少ないと考えられため、凝縮水の蒸発が十分に進むまでに要する時間は比較的短い。従って、絶縁抵抗値Rtが既定値Rt1以上である場合には、制御装置100は、判定時間Tirefとして設定される値のうちで最も短い値Tiref1を判定時間Tirefに代入することにより判定時間Tirefを固定値とする。なお、そうした判定時間Tirefの固定化を行わずに、絶縁抵抗値Rtの大きさに応じて判定時間Tirefを変化させてもよい。
この変更例では、プレヒート処理の実行開始前の絶縁抵抗値Rtに応じて判定時間Tirefが適切に設定されるようになる。そのため、この変更例でも上記始動遅延処理による機関始動の開始を適切に行うことができるようになる。
・触媒担体に担持される触媒は、三元触媒に限らず、例えば、酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒、又は選択還元型NOx触媒であってもよい。
・電気加熱式触媒システム200及び制御装置100が搭載される車両10は、プラグインハイブリッド車両だけでなく、プラグイン機能を有しないハイブリッド車両や、内燃機関11のみを動力源とする車両であってもよい。
・制御装置100は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路として構成し得る。また、制御装置100は、これらの組み合わせを含む回路(circuitry)としても構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
10…車両
11…内燃機関
21…排気通路
24…ケース
24K…開口部
26…第1触媒
27…第2触媒
28…マット
29…触媒コンバータ
36…フィルタ
50…バッテリ
55…補機バッテリ
80…電極室
100…制御装置
101…水温センサ
102…パワースイッチ
103…上流側空燃比センサ
104…下流側空燃比センサ
105…エアフロメータ
106…クランク角センサ
200…電気加熱式触媒システム
210…電気加熱式触媒(EHC)
220…電源装置
221…電源回路
222…電源用マイコン
224…電流センサ
225…電圧センサ

Claims (5)

  1. 排気通路に設けられたケースに収容されており通電により加熱される電気加熱式の第1触媒と、前記第1触媒よりも排気下流側に設けられた第2触媒とを備える内燃機関に適用される制御装置であって、
    前記内燃機関の始動に先立って前記第1触媒への通電を行うことにより当該第1触媒を暖機するプレヒート処理と、
    前記プレヒート処理を終了してから既定期間が経過した後に前記内燃機関の始動を開始する始動遅延処理と、を実行する
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記既定期間は、前記ケースの壁温が既定の判定温度以上になるまでの期間である
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記既定期間は、前記プレヒート処理を終了してからの経過時間が既定の判定時間以上になるまでの期間であり、
    前記プレヒート処理を終了した時点での前記第1触媒の温度を取得する処理と、
    前記第1触媒の温度が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理と、を実行する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記既定期間は、前記プレヒート処理を終了してからの経過時間が既定の判定時間以上になるまでの期間であり、
    前記プレヒート処理の実行開始前の前記第1触媒の絶縁抵抗値を取得する処理と、
    前記絶縁抵抗値が低いときほど前記判定時間を長い時間に設定する処理と、を実行する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関の始動開始に合わせて前記第1触媒への通電を行うポストヒート処理を実行する
    請求項1~4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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