JP2023157256A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの燃焼により生じるNOxの外気放出を抑える。【解決手段】触媒装置18の未暖機時に、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合には発電電動機13の回生駆動を、リーン燃焼最大駆動力を超える場合には発電電動機13の力行駆動を行うようにした。上記リーン燃焼最大駆動力は、リーン燃焼を行える最大の出力でエンジン10を運転したときに同エンジン10が発生するハイブリッド車両の駆動力を表わしている。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
特許文献1には、空燃比センサが排気通路に設置されるとともに、水素ガスを燃料とするエンジンを搭載するハイブリッド車両の制御装置が記載されている。水素ガスが燃焼すると水が生成される。エンジンの冷間時には、燃焼により生成された水が気化し難いため、空燃比センサの被水割れが生じ易くなる。上記文献1の制御装置は、エンジンの冷間時にリーン燃焼を行うことで、空燃比センサの被水割れを抑制している。さらに、同制御装置は、エンジンの冷間時に、発電電動機によりエンジンに負荷を加えることで、エンジンの暖機を促進している。
特開2011-047282号公報
エンジンの冷間時には、排気浄化用の触媒装置が未活性であるため、排気中のNOxを十分に浄化できない状態にある。そうした状態にあっても、燃焼によるNOxの生成量が低下するまでエンジンで燃焼する混合気の空燃比をリーン化すれば、外気へのNOx放出量を許容可能な量に留められる。ただし、NOx生成量が低下するまで空燃比をリーン化すると、エンジンの出力性能が低下してしまう。
一方、上記文献のように、発電電動機によりエンジンに負荷を加えると、その負荷の分、車両の駆動力として取出し可能な動力が減ってしまう。そのため、空燃比のリーン化によりNOx放出量を抑えつつ、発電電動機により負荷を加えてエンジンの暖機を促進しようとすると、エンジンの冷間時には、ハイブリッド車両の動力性能が不十分となる虞がある。
上記課題を解決するハイブリッド車両の制御装置は、排気中の窒素酸化物を浄化する触媒装置を備えるエンジンと、エンジンに連結された発電電動機と、を備えるハイブリッド車両を制御する。ここで、リーン燃焼を行える最大の出力でエンジンを運転したときに同エンジンが発生するハイブリッド車両の駆動力をリーン燃焼最大駆動力とする。このとき、同ハイブリッド車両の制御装置は、触媒装置が既定温度未満のときに、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合には発電電動機を回生駆動するとともに、要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力を超える場合には発電電動機を力行駆動している。
要求駆動力分の駆動力をエンジンに発生させる場合、要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合にのみリーン燃焼が可能となる。上記制御装置では、要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力を超える場合に発電電動機の力行駆動を行う。ハイブリッド車両には、エンジンが発生する駆動力と発電電動機が発生する駆動力とを合わせた駆動力が発生する。そのため、発電電動機の力行駆動を行うと、要求駆動力分の駆動力の確保に必要なエンジン出力が減少する。そしてその結果、NOxの生成量が少ないリーン燃焼を行える要求駆動力の範囲が拡大する。また、リーン燃焼を行えない領域でも、発電電動機の力行駆動によりエンジン出力が低下した分、NOxの生成が抑えられる。一方、リーン燃焼最大駆動力以下の要求駆動力の範囲では、発電電動機の回生駆動により、エンジン出力が増加する。その結果、排気の熱エネルギが増加するため、触媒装置の暖機が促進される。以上のように上記ハイブリッド車両の制御装置は、触媒装置の未暖機時のNOx生成を抑えるとともに、触媒装置の暖機を促進するものである。よって、上記ハイブリッド車両の制御装置には、NOxの外気放出を抑える効果がある。
ハイブリッド車両の駆動系の構成を模式的に示す図である。 図1のハイブリッド車両の制御装置の構成を模式的に示す図である。 図1のハイブリッド車両に搭載されたエンジンの空気過剰率とNOx生成量との関係を示すグラフである。 図1のハイブリッド車両に搭載されたエンジンを、空気過剰率を3通りに変えて運転したときのそれぞれにおけるエンジン回転数と最大エンジントルクとの関係を示すグラフである。 同制御装置が実行する触媒未暖機時制御ルーチンのフローチャートである。 同制御装置による触媒未暖機時制御の実行中のドライバ要求パワーに対する、(A)は目標エンジンパワーの推移を、(B)は空気過剰率の推移を、(C)はNOx生成量の推移を、(D)は排気熱エネルギの推移を、それぞれ示すグラフである。
以下、ハイブリッド車両の制御装置の一実施形態を、図1~図6を参照して詳細に説明する。
<ハイブリッド車両の駆動系の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態の制御装置が搭載されたハイブリッド車両の駆動系の構成を説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両は、エンジン10を備えている。エンジン10は、水素ガスを燃料として用いる水素ガスエンジンである。エンジン10は、変速機11を介して車輪12に連結されている。また、エンジン10は、発電電動機13にも連結されている。変速機11は、ギア段の切替えを通じて回転の変速比を変更する。変速機11には、エンジン10と車輪12との間の動力伝達が断接したニュートラルのギア段を形成するためのクラッチ14が設置されている。なお、クラッチ14が切断されてニュートラルのギア段が形成された状態においても、エンジン10と発電電動機13との連結は維持される。
発電電動機13は、インバータ15を介してバッテリ16に電気的に接続されている。発電電動機13は、バッテリ16が放電した電力を受けて動力を発生する。また、発電電動機13は、外部からの動力を受けて発電して、その発電した電力をバッテリ16に充電する。インバータ15は、発電電動機13とバッテリ16との間で授受される電力を調整することで、発電電動機13を駆動する。
エンジン10の排気通路17には、排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する触媒装置18が設置されている。触媒装置18には、電力の供給に応じて発熱して同触媒装置18を加熱するヒータ19が設置されている。ヒータ19は、電力調整回路20を介してバッテリ16に電気的に接続されている。電力調整回路20は、バッテリ16からヒータ19に供給される電力を調整するための回路である。
<制御装置の構成>
続いて、図2を併せ参照して、ハイブリッド車両の制御装置の構成を説明する。図2に示すように、本実施形態の制御装置は、車両制御用の電子制御ユニット21を備えている。電子制御ユニット21は、演算処理装置22と記憶装置23とを備えている。記憶装置23には、車両制御用のプログラムやデータが記憶されている。演算処理装置22は、記憶装置23からプログラムを読み込んで実行することで、車両制御のための各種処理を実施する。
電子制御ユニット21には、エンジン10に設置された各種のセンサの検出信号が入力されている。エンジン10に設置されたセンサの例は、エアフローメータ29、空燃比センサ30、水温センサ31、吸気温センサ32、クランク角センサ33である。エアフローメータ29は、エンジン10の吸気流量を検出するセンサである。空燃比センサ30は、エンジン10で燃焼した混合気の空燃比を検出するためのセンサである。水温センサ31は、エンジン10の冷却水温を検出するセンサである。吸気温センサ32は、エンジン10の吸気温を検出するセンサである。クランク角センサ33は、エンジン10のクランク軸の回転位相を検出するセンサである。なお、電子制御ユニット21は、クランク角センサ33の検出結果からエンジン10のクランク軸の回転速度であるエンジン回転数を求めている。また、電子制御ユニット21には、ハイブリッド車両におけるエンジン10以外の部分に設置されたセンサの検出信号も入力されている。そうしたセンサの例は、アクセルペダルセンサ34、車速センサ35である。アクセルペダルセンサ34は、ドライバのアクセルペダルの操作量を検出するセンサであり、車速センサ35はハイブリッド車両の走行速度を検出するセンサである。さらに、電子制御ユニット21は、バッテリ16の充放電量を監視しており、その監視結果からバッテリ16に蓄えられている電力の量であるバッテリ蓄電量を求めている。
電子制御ユニット21は、それらセンサの検出結果に基づき、ハイブリッド車両の各種制御を行っている。例えば電子制御ユニット21は、インバータ15の制御を通じて発電電動機13の力行/回生トルクの制御を、電力調整回路20の制御を通じてヒータ19の電力制御を、行っている。また、電子制御ユニット21は、変速機11のギア段の切替制御を行っている。さらに、電子制御ユニット21は、エンジン10に設置された各種アクチュエータの制御を通じて同エンジン10の動作を制御している。電子制御ユニット21が制御するエンジン10のアクチュエータには、スロットルバルブ24、水素ガス噴射弁25、点火装置26、水噴射弁27、排気再循環装置28が含まれる。スロットルバルブ24は、エンジン10の燃焼に供される吸気の量を調整するためのバルブである。水素ガス噴射弁25は、吸気中に水素ガスを噴射する弁である。点火装置26は、水素ガスと吸気との混合気を火花放電により点火する装置である。水噴射弁27は、吸気中に水を噴射する弁である。排気再循環装置28は、排気の一部を吸気中に再循環する装置である。
<エンジン10の空燃比と排気/出力特性との関係>
エンジン10では、水素ガスの燃焼反応の過程で窒素酸化物(NOx)が生成される。図1のハイブリッド車両では、エンジン10の排気通路17に設置された触媒装置18が、燃焼により生成されたNOxを還元浄化することで、外気へのNOxの排出を抑えている。ただし、エンジン10の始動後、触媒装置18の暖機が完了するまでの期間は、触媒装置18がNOxの浄化能力を十分に発揮できない状態にある。一方、水素ガスの燃焼により生成されるNOxの量は、燃焼状態によって変化する。
図3に、空気過剰率λとNOx生成量との関係を示す。空気過剰率λは、ストイキ空燃比に対する空燃比の比率を表わしている。すなわち、空気過剰率λが「1」の場合のエンジン10の燃焼は、ストイキ空燃比でのストイキ燃焼となる。また、空気過剰率λが「1」を超える場合のエンジン10の燃焼は、ストイキ空燃比よりもリーン側の空燃比でのリーン燃焼となる。また、同図におけるNOx生成量は、排気中のNOxの重量比率を表わしている。そして、図3に示す許容値は、外気へのNOx排出量の許容可能な上限値を表わしている。許容値は、外気へのNOx排出量が規制を満たす値となるように予め設定されている。
図3に示すように、NOx生成量は、空気過剰率λが「1」を少し超える値であるときに最大となる。そして、そのNOx生成量が最大となる値から空気過剰率λを増加させていくと、NOx生成量は次第に減少する。同図に示すように、空気過剰率λが「λL」以上の範囲では、NOx生成量が許容値以下となっている。よって、触媒装置18が未暖機の状態にあっても、空気過剰率λを「λL」以上としたリーン燃焼を行えば、外気へのNOxの排出量を許容値以下に抑えられる。
図4には、空気過剰率λが「1」の場合、上記「λL」の場合のそれぞれにおけるエンジン回転数と最大エンジントルクとの関係が示されている。エンジン10の気筒に充填可能な吸気の量には限界がある。一方、空気過剰率λが高いほど、気筒に充填した吸気に占める水素ガスの比率は小さくなる。そのため、リーン燃焼時には、ストイキ燃焼時よりもエンジン10の最大出力が小さくなる。
<触媒未暖機時の制御>
続いて、電子制御ユニット21が実行する触媒未暖機時制御について説明する。触媒未暖機時制御は、触媒装置18が未暖機の状態にあるときのNOx排出の抑制、及び触媒装置18の暖機促進のために実行される制御である。
図5に、触媒未暖機時制御ルーチンのフローチャートを示す。電子制御ユニット21は、ハイブリッド車両の稼働中、既定の制御周期毎に本ルーチンの処理を繰り返し実行している。
本ルーチンの処理を開始すると、電子制御ユニット21はまずステップS100において、触媒装置18の暖機が完了しているか否かを判定する。触媒装置18の暖機は、触媒装置18が既定温度以上となったときに完了する。ここでの既定温度は、触媒装置18の触媒が活性化する温度である。なお、エンジン10の冷間始動から暖機が完了するまでの期間における触媒装置18の温度は、エンジン10の冷却水温に相関する。そこで、本実施形態では、エンジン10の冷却水温に基づき、触媒装置18が、上記既定温度以上であるか否かを判定している。そして、触媒装置18の暖機が完了している場合(YES)には、電子制御ユニット21は、そのまま本ルーチンの処理を終了する。一方、触媒装置18の暖機が完了していない場合、すなわち未暖機の場合(NO)には、電子制御ユニット21は、ステップS110に処理を進める。
ステップS110において、電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPU、ヒータ要求電力PH、入力制限WIN、及び出力制限WOUTを取得する。ドライバ要求パワーPUは、アクセルペダルの操作量に基づき演算したハイブリッド車両の要求駆動力を、その要求駆動力の値に等しい動力を発生するために必要な発電電動機13の電力に換算した値を表わしている。ヒータ要求電力PHは、触媒装置18の加熱のためにヒータ19に供給する電力の要求値であり、その値はエンジン10の冷却水温等に基づき演算されている。入力制限WINはバッテリ16に充電可能な電力の上限値を、出力制限WOUTはバッテリ16が放電可能な電力の上限値を、それぞれ表しており、それらの値はバッテリ蓄電量やバッテリ温度等に基づき演算されている。なお、電子制御ユニット21は、それらドライバ要求パワーPU、ヒータ要求電力PH、入力制限WIN、及び出力制限WOUTの値を、本ルーチンとは別のルーチンにおいてそれぞれ演算している。
続いて、電子制御ユニット21は、ステップS120において、リーン燃焼最大パワーPLEANを演算する。リーン燃焼最大パワーPLEANは、空気過剰率λを上述の「λL」とした状態でのエンジン10の最大出力を、その値に等しい動力の発生に必要な発電電動機13の電力に換算した値を表わしている。すなわち、リーン燃焼最大パワーPLEANは、リーン燃焼を行える最大の出力でエンジン10を運転したときに同エンジン10が発生するハイブリッド車両の駆動力を電力換算した値である。電子制御ユニット21は、こうしたリーン燃焼最大パワーPLEANを、エンジン回転数等に基づき演算している。
次に電子制御ユニット21は、ステップS130において、ドライバ要求パワーPUが惰性走行判定値PCST以下であるか否かを判定する。惰性走行判定値PCSTの値には、ハイブリッド車両が駆動力を必要としない状態、すなわち惰性走行中又は停車中であることを示すドライバ要求パワーPUの値の範囲の最大値が設定されている。そして、電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUが惰性走行判定値PCST以下の場合(YES)にはステップS140に、そうでない場合(NO)にはステップS160に、それぞれ処理を進める。
ステップS140に処理を進めた場合(S130:YES)、電子制御ユニット21は、そのステップS140において、クラッチ14を切断して、変速機11をニュートラルのギア段とする。そして、電子制御ユニット21は、続くステップS150において、ヒータ要求電力PH及び入力制限WINを足し合わせた値(PH+WIN)を目標エンジンパワーPEの値として設定する。また、電子制御ユニット21は、同ステップS150において、「PH+WIN」の正負を反転した値を目標MGパワーPMGの値として設定する。さらに電子制御ユニット21は、同ステップS150において、エンジン10の空気過剰率λを「λL」に設定する。そして、電子制御ユニット21は、こうしたステップS150の処理の後、今回の制御周期における本ルーチンの処理を終了する。
一方、ステップS160に処理を進めた場合(S130:NO)には、電子制御ユニット21は、以下の処理を行う。すなわち、ステップS160において電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUが「PLEAN-PH-WIN」以下であるか否かを判定する。そして、電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUが「PLEAN-PH-WIN」以下の場合(YES)にはステップS170に、「PLEAN-PH-WIN」を超える場合(NO)にはステップS180に、それぞれ処理を進める。
ステップS170に処理を進めた場合(S160:YES)には、電子制御ユニット21は、そのステップS170において、ドライバ要求パワーPU、ヒータ要求電力PH、及び入力制限WINの合計を、目標エンジンパワーPEの値として設定する。また、電子制御ユニット21は、同ステップS170において、「PH+WIN」の正負を反転した値を目標MGパワーPMGの値として設定する。さらに電子制御ユニット21は同ステップS170において、エンジン10の空気過剰率λを「λL」に設定する。そして、電子制御ユニット21は、こうしたステップS170の処理の後、今回の制御周期における本ルーチンの処理を終了する。
これに対して、ステップS180に処理を進めた場合(S160:NO)には、電子制御ユニット21は、そのステップS180において、ドライバ要求パワーPUが「PLEAN-PH+WOUT」以下であるか否かを判定する。そして、電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUが「PLEAN-PH+WOUT」以下の場合(YES)にはステップS190に、「PLEAN-PH+WOUT」を超える場合(NO)にはステップS200に、それぞれ処理を進める。
ステップS190に処理を進めた場合(S180:YES)、電子制御ユニット21はそのステップS190において、リーン燃焼最大パワーPLEANの値を目標エンジンパワーPEの値として設定する。また、同ステップS190において電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUからリーン燃焼最大パワーPLEANを引いた値を、目標MGパワーPMGの値として設定する。さらに電子制御ユニット21は、同ステップS190において、エンジン10の空気過剰率λを「λL」に設定する。そして、電子制御ユニット21は、こうしたステップS190の処理の後、今回の制御周期における本ルーチンの処理を終了する。
一方、ステップS200に処理を進めた場合(S180:NO)には、電子制御ユニット21は、そのステップS200において、ドライバ要求パワーPUから出力制限WOUTを引いた値を、目標MGパワーPMGの値として設定する。また、電子制御ユニット21は、同ステップS200において、出力制限WOUTに等しい値を目標MGパワーPMGの値として設定する。さらに電子制御ユニット21は、同ステップS200において、エンジン10の空気過剰率λを「1」に設定する。そして、電子制御ユニット21は、こうしたステップS200の処理の後、今回の制御周期における本ルーチンの処理を終了する。
以上のように、本ルーチンにおいて電子制御ユニット21は、触媒装置18の未暖機の場合に、目標エンジンパワーPE、目標MGパワーPMG、及びエンジン10の空気過剰率λを設定している。そして、本ルーチンの終了後に電子制御ユニット21は、同ルーチンで設定した空気過剰率λの下で、目標エンジンパワーPEの値分の電力により発電電動機13が発生する動力に等しい動力を発生するようにエンジン10を制御する。具体的には、電子制御ユニット21は、同ルーチンで設定した空気過剰率λの下で上記動力を発生するために必要な吸気量が得られる開度にスロットルバルブ24の開度を制御する。そして、電子制御ユニット21は、吸気量に対して設定した空気過剰率λが得られる量の水素ガスを噴射するように水素ガス噴射弁25を制御する。このときのスロットルバルブ24の開度を、エアフローメータ29の検出結果に基づきフィードバック制御してもよい。また、このときの水素ガス噴射弁25の噴射量を、空燃比センサ30の検出結果に基づきフィードバック制御してもよい。
また、触媒装置18の未暖機時の電子制御ユニット21は、発電電動機13に対するバッテリ16の充放電量が、目標MGパワーPMGの値に等しい量となるようにインバータ15を制御する。さらに、このときの電子制御ユニット21は、バッテリ16の放電量が出力制限WOUT以下となり、かつヒータ要求電力PH以下となる最大の電力をヒータ19に供給するように電力調整回路20を制御する。
なお、触媒装置18の暖機が完了している場合(S100:YES)の電子制御ユニット21は、別ルーチンの処理において、下記の態様で、目標エンジンパワーPE、目標MGパワーPMG、及びエンジン10の空気過剰率λを設定している。
触媒装置18の暖機完了時の電子制御ユニット21は、バッテリ蓄電量を既定の制御目標値に維持するようにバッテリ16の充放電量を制御する。具体的には、電子制御ユニット21は、バッテリ16の充電量が入力制限WIN以下となり、かつバッテリ16の放電量が出力制限WOUT以下となる範囲において、バッテリ蓄電量を制御目標値に近づけるようにバッテリ16の目標充放電量を設定する。そして、電子制御ユニット21は、目標充放電量に等しい値を目標MGパワーPMGの値として設定する。また、この場合の電子制御ユニット21は、ドライバ要求パワーPUから目標MGパワーPMGを引いた値を、目標エンジンパワーPEの値として設定する。さらに、この場合の電子制御ユニット21は、目標エンジンパワーPEがリーン燃焼最大パワーPLEAN以下の場合には「λL」を、それ以外の場合には「1」を、エンジン10の空気過剰率λの値としてそれぞれ設定する。
<実施形態の作用効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
図6(A)は、触媒未暖機時制御の実行中のドライバ要求パワーPUに対する目標エンジンパワーPEの推移を示している。また、図6(B)は、触媒未暖機時制御の実行中のドライバ要求パワーPUに対する空気過剰率λの推移を示している。さらに、図6(C)及び図6(D)は、触媒未暖機時制御の実行中のドライバ要求パワーPUに対するエンジン10のNOx生成量及び排気熱エネルギの推移をそれぞれ示している。
また、図6に示す区間A~Eは、それぞれ下記のドライバ要求パワーPUの値の範囲を示している。区間Aは、惰性走行判定値PCST以下となるドライバ要求パワーPUの値の範囲である。区間Bは、惰性走行判定値PCSTを超え、かつ「PLEAN-PH-WIN」以下となるドライバ要求パワーPUの値の範囲である。区間Cは、「PLEAN-PH-WIN」を超え、かつリーン燃焼最大パワーPLEAN以下となるドライバ要求パワーPUの値の範囲である。区間Dは、リーン燃焼最大パワーPLEANを超え、かつ「PLEAN+WOUT」以下となるドライバ要求パワーPUの値の範囲である。区間Dは、「PLEAN+WOUT」を超えるドライバ要求パワーPUの値の範囲である。
なお、図6(A)~(D)には、触媒未暖機時制御を実行しなかった場合のドライバ要求パワーPUに対する目標エンジンパワーPE、空気過剰率λ、NOx生成量、及び排気熱エネルギの推移を、二点鎖線で併せ示している。なお、ここでは、説明の簡単のため、バッテリ16の目標充放電量を「0」としている。この場合には、ドライバ要求パワーPUに等しい値が目標エンジンパワーPEとして設定される。よって、この場合のエンジン10では、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEAN以下となる区間A~Cでは空気過剰率λを「λL」としたリーン燃焼が行われる。また、この場合のエンジン10では、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEANを超える区間D、Eでは、空気過剰率λを「1」としたストイキ燃焼が行われる。ストイキ燃焼では、許容値を超えるNOxが生成される。そして、このときの触媒装置18は暖機が完了しておらず、NOxを十分に浄化できない状態にある。そのため、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEANを超える場合には、許容値を超えるNOxが外気に放出されてしまう。
これに対して、本実施形態では、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEANを超える区間D、Eでは、バッテリ16の充電量が出力制限WOUT以下となる範囲で発電電動機13を力行駆動している。そして、その力行駆動により発電電動機13が発生する動力の分、エンジン出力を下げている。これにより、目標エンジンパワーPEがリーン燃焼最大パワーPLEAN以下となり、エンジン10でリーン燃焼を行えるドライバ要求パワーPUの範囲が区間Dまで拡張される。さらに、本実施形態でも、区間Eでは、目標エンジンパワーPEがリーン燃焼最大パワーPLEANを超えるため、ストイキ燃焼が行われる。ただし、区間Eでは、出力制限WOUTの値に等しい電力を供給して発電電動機13の力行駆動が行われて、その力行駆動により発生する動力の分、エンジン出力が低減される。そして、その結果、エンジン10のNOx生成量が減るため、NOxの外気放出が抑えられる。
また、本実施形態では、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEAN以下となる区間A~Cでは、目標エンジンパワーPEがリーン燃焼最大パワーPLEANを超えない範囲で、発電電動機13を回生駆動している。こうした区間A~Cでは、エンジン10でリーン燃焼が行われるため、外気へのNOxの排出量が許容値以下に抑えられる。また、発電電動機13の回生駆動に要する分、エンジン出力が嵩上げされて排気の熱エネルギが増加するため、触媒装置18の暖機が促進される。さらに、本実施形態では、発電電動機13の回生駆動により発電した電力で、ヒータ19による触媒装置18の電気加熱を行っており、これによっても触媒装置18の暖機が促進される。
なお、ドライバ要求パワーPUが惰性走行判定値PCST以下となる区間Aでは、電子制御ユニット21は、変速機11のクラッチ14を切断してエンジン10及び発電電動機13を車輪12から切り離している。この状態では、エンジン10の動作点をある程度自由に変更可能となる。こうした区間Aにおいて電子制御ユニット21は、燃焼が不安定とならない範囲でエンジン回転数を高めた状態でリーン燃焼を行うようにエンジン10を制御している。すなわち、このときの電子制御ユニット21は、熱効率の悪い動作点でエンジン10を運転している。熱効率が悪化すると、排気の熱エネルギが増加する。よって、これによっても、触媒装置18の暖機が促進されている。
以上のように本実施形態では、触媒装置18が未暖機のときに、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEAN以下の場合には発電電動機13を回生駆動している。また、触媒装置18が未暖機のときに、ドライバ要求パワーPUがリーン燃焼最大パワーPLEANを超える場合には発電電動機13を力行駆動している。上述のように、ドライバ要求パワーPUは、ハイブリッド車両の要求駆動力を電力換算した値である。また、リーン燃焼最大パワーPLEANは、リーン燃焼を行える最大の出力でエンジン10を運転したときに同エンジン10が発生するハイブリッド車両の駆動力を、すなわちリーン燃焼最大駆動力を電力換算した値である。よって、本実施形態では、触媒装置18が未暖機のときに、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合には発電電動機13の回生駆動を行っている。そして、触媒装置18が未暖機のときに、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力を超える場合には発電電動機13の力行駆動を行っている。
以上の本実施形態のハイブリッド車両の制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電子制御ユニット21は、触媒装置18が既定温度未満のときに、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合には発電電動機13の回生駆動を行っている。また、触媒装置18が既定温度未満のときに、ハイブリッド車両の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力を超える場合には発電電動機13の力行駆動を行っている。これにより、エンジン10でリーン燃焼が行われる要求駆動力の範囲が拡張される。また、ストイキ燃焼を行う場合にも、発電電動機13の力行駆動によりエンジン出力が低減されてNOxの生成量が減少する。そのため、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置には、触媒装置18の暖機完了前の外気へのNOx排出を抑える効果がある。
(2)触媒装置18の未暖機時の要求駆動力がリーン燃焼最大駆動力以下の場合に発電電動機13を回生駆動することで、エンジン出力を嵩上げしている。これにより、排気の熱エネルギが増加するため、触媒装置18の暖機を促進できる。
(3)触媒装置18の未暖機時の発電電動機13の回生駆動により発電した電力で触媒装置18の電気加熱を行っており、これによっても触媒装置18の暖機を促進できる。
(4)触媒装置18の未暖機時の惰性走行中や停車中には、エンジン10及び発電電動機13を車輪12から切り離して、エンジン10のリーン燃焼及び発電電動機13の回生駆動を行っている。そして、熱効率の悪い動作点でエンジン10のリーン燃焼を行うことで、排気の熱エネルギを更に増加しており、これによっても触媒装置18の暖機を促進できる。
<他の実施形態>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・触媒装置18の未暖機時に発電電動機13を回生駆動する際に、水噴射弁27による吸気への水噴射、及び排気再循環装置28による吸気への排気の再循環の一方、又は双方を併せ実施するようにしてもよい。水噴射や排気再循環を実施すると、エンジン10の燃焼温度が下がるため、図3に二点鎖線で示すようにNOx生成量が減少する。そしてその結果、NOx生成量が許容値以下となる空気過剰率λの下限値が小さくなる。図3の例では、NOx生成量が許容値以下となる空気過剰率λの下限値は、「λL」から「λL-α」に減少している。図4に破線で示すように、空気過剰率λが「λL-α」の場合には、「λL」の場合よりも最大エンジントルクが大きくなる。その結果、リーン燃焼最大パワーPLEANが増加する。よって、発電電動機13の回生駆動に併せてエンジン10で水噴射や排気再循環を実施すれば、触媒装置18の未暖機時にリーン燃焼を行えるドライバ要求パワーPUの範囲が更に拡大する。
・上記実施形態では、触媒装置18の未暖機時の惰性走行中や停車中には、エンジン10及び発電電動機13を車輪12から切り離して、エンジン10のリーン燃焼及び発電電動機13の回生駆動を行っていた。惰性走行中や停車中にも、エンジン10及び発電電動機13を車輪12に連結した状態のまま、エンジン10のリーン燃焼及び発電電動機13の回生駆動を行うようにしてもよい。その場合には、図5の触媒未暖機時制御ルーチンは、ステップS130~S150の処理を割愛したものとするとよい。
・上記実施形態では、ヒータ19を備える電気加熱式の触媒装置18を採用していたが、電気加熱式以外の触媒装置を採用してもよい。その場合には、図5の触媒未暖機時制御ルーチンにおけるヒータ要求電力PHを「0」としたものを採用するとよい。
・区間Eにおいて、ストイキ空燃比よりもリッチ側の空燃比とした、すなわち空気過剰率λを「1」未満の値としたリッチ燃焼を行うようにしてもよい。
・上記実施形態の制御装置は、水素ガス以外の燃料を用いるエンジンを搭載するハイブリッド車両にも適用できる。
10…エンジン
11…変速機
12…車輪
13…発電電動機
14…クラッチ
15…インバータ
16…バッテリ
17…排気通路
18…触媒装置
19…ヒータ
20…電力調整回路
21…電子制御ユニット
22…演算処理装置
23…記憶装置
24…スロットルバルブ
25…水素ガス噴射弁
26…点火装置
27…水噴射弁
28…排気再循環装置
29…エアフローメータ
30…空燃比センサ
31…水温センサ
32…吸気温センサ
33…クランク角センサ
34…アクセルペダルセンサ
35…車速センサ

Claims (1)

  1. 排気中の窒素酸化物を浄化する触媒装置を備えるエンジンと、前記エンジンに連結された発電電動機と、を備えるハイブリッド車両の制御装置であって、
    リーン燃焼を行える最大の出力で前記エンジンを運転したときに同エンジンが発生する前記ハイブリッド車両の駆動力をリーン燃焼最大駆動力としたとき、
    前記触媒装置が既定温度未満のときに、前記ハイブリッド車両の要求駆動力が前記リーン燃焼最大駆動力以下の場合には前記発電電動機を回生駆動するとともに、前記要求駆動力が前記リーン燃焼最大駆動力を超える場合には前記発電電動機を力行駆動する
    ハイブリッド車両の制御装置。
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