JP2023091452A - 構造体形成用複合フィルム及び自立袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強材を別に用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持する自立袋が作製可能となる、構造体形成用複合フィルム、及び当該構造体形成用複合フィルムを用いて作製された自立袋を提供する。【解決手段】自立袋を構成する材料として、特定の機能材層を含む複合フィルムを適用する。具体的には、自立袋を構成する材料を、基材層と、機能材層と、シーラント層とが、この順で積層された構造体形成用複合フィルムとし、機能材層を、芯材に、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布されたものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、構造体形成用複合フィルム及び自立袋に関する。
従来、内容物を充填した包装袋は、剛性が不足していることから、内容物が減少すると、側面が折れ曲がる等の変形により、自立性に問題が生じる場合があった。
これに対して、特許文献1においては、筒状
体本体の上部において、包装体の上側横シール部を接着保持することで、自立袋の自立性を向上させる方法が提案されている。
特許文献2においては、包装袋の側縁を補強材によって補強することで、安定的な自立を目指した自立袋が提案されている。
特許文献3においては、袋胴部を形成する外縁シール部内に、取っ手機能を有する独立気室を設けた自立袋(エアホールドパウチ)が提案されている。特許文献3に記載の自立袋によれば、商品陳列時の自立性や、内容物の注出の際のハンドリング性等が向上するとされている。
国際公開第2013/054411号 特開2007-055649号公報 特開2006-036213号公報
特許文献1~3に記載された袋は、袋本体とは別に、補強材となる部材や、補強のための構造要素が必要となったり、内容物の充填の際に、専用の製袋充填機が必要となったりしていた。
また、補強材等により自立性は改善されるものの、自立性を付与するために剛性も高くなる。その結果、内容物を充填する際に袋が膨らみづらくなり、必要量の内容物が充填困難な状態となっていた。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、袋本体とは別に、補強材や補強のための構造要素を用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持できる自立袋が作製可能となる、構造体形成用複合フィルム、及び当該構造体形成用複合フィルムを用いて作製された自立袋を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、自立袋の構成材料として、特定の機能材層を含む複合フィルムを適用すれば、袋本体とは別に補強材等を用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時には自立性を維持できる自立袋を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
《態様1》
機能材層と、シーラント層と、を含み、
前記機能材層は、芯材に、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布されたものである、
構造体形成用複合フィルム。
《態様2》
前記芯材は、繊維構造体である、態様1に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様3》
前記繊維構造体は、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種である、態様2に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様4》
前記非晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステル水分散体である、態様1~3のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様5》
前記非晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステル含有溶液である、態様1~3のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様6》
前記非晶性ポリエステルは、ガラス転移温度又は軟化点が30~80℃である、態様1~5のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様7》
30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00である、態様1~6のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様8》
更に基材層を含む、態様1~7のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様9》
前記基材層と、前記機能材層と、前記シーラント層とは、この順で積層されている、態様8に記載の構造体形成用複合フィルム。
《態様10》
少なくとも一部が、態様1~9のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
《態様11》
少なくとも胴部が、態様1~9のいずれか一態様に記載の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
《態様12》
ホット充填方式に用いられる、態様10又は11に記載の自立袋。
本発明の構造体形成用複合フィルムによれば、袋本体とは別に補強材等を用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持することのできる、自立袋を作製することができる。
したがって、内容物を充填する際には袋が膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、一方で、内容物を使用していく際には、剛性を有するため、その自立性を維持することができる。
本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態を示す概略断面図である。 実施例及び比較例で作製した自立袋の展開図である。 実施例及び比較例で作製した自立袋を示す図である。
《構造体形成用複合フィルム》
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、シーラント層と、を必須の構成として含む。そして、機能材層は、芯材に、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布された層である。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、上記の構成を有することにより、自立袋としたときに、袋本体とは別に補強材等を用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には、剛性を有するため自立性を維持することができる。
<構造体形成用複合フィルムの構成>
以下に、図面を参照しながら、本発明の構造体形成用複合フィルムの構成について説明する。図1に、本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る概略断面図を示す。
図1に示される本発明の構造体形成用複合フィルムの一実施形態に係る構造体形成用複合フィルム100は、基材層10と、基材層10の内側に積層配置された機能材層20と、機能材層20の内側に積層配置されたシーラント層30とを備える。機能材層20は、不織布21と、不織布21に含浸又は塗布された非晶性ポリエステル22とからなり、非晶性ポリエステル22が含浸又は塗布された面が、シーラント層30に接触するよう積層されている。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層とシーラント層とを必須の構成として含んでいれば、これ以外に任意の層を備えていてもよい。任意の層としては、例えば、基材層や、接着層等が挙げられる。
図1に示される構造体形成用複合フィルム100は、本発明において必須の構成層となる機能材層20と、シーラント層30とを有し、任意の層として、基材層10を備える。
なお、本発明の構造体形成用複合フィルムが、任意の層として基材層を備える場合には、基材層、機能材層、及びシーラント層は、この順で積層されている態様となっていることが好ましい。
なお、本発明の構造体形成用複合フィルムの厚さや形状等は、形成する構造体における適用部位や、形成する構造体の用途等に応じて適宜決定することができる。
<構造体形成用複合フィルムの作用>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、シーラント層と、を含む構成を有する。そして、本発明においては、機能材層を特定の材料で構成することにより、例えば自立袋としたときに、袋本体とは別に補強材等を用意する必要がなく、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には、剛性を有するため自立性を維持できる、自立袋を実現することができる。
更に、本発明の構造体形成用複合フィルムは、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、特定の範囲にある場合には、上記の作用をより確実に実現することができる。
具体的には、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00の範囲にある場合には、ホット充填方式による内容物の充填時である60~90℃付近では、袋が柔らかいため膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、使用時である30℃以下の環境にて、使用に伴い内容物が減少していく際には、剛性を有するため自立性を維持することができる。
30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃は、1.05~4.00の範囲であることが好ましく、1.18~3.50の範囲であることが更に好ましい。
<機能材層>
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成する機能材層は、構造体形成用複合フィルムにおいて、必須の構成層である。機能材層は、芯材に、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布された層である。
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層を有することで、自立性やハンドリング性、使用感、破裂強度等の様々な要求特性に対応することができる。
また本発明においては、機能材層の構成を調整することにより、構造体形成用複合フィルム全体の物性を制御することができ、例えば上記した、特定温度における損失正接tanδの比を特定の範囲とすることが可能となる。その結果、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には自立性を維持することのできる、自立袋を実現することができる。
(機能材層の構成)
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成する機能材層は、芯材に非晶性ポリエステルが含浸又は塗布された構成である。
機能材層においては、芯材の厚み方向の全体に非晶性ポリエステルが充填された状態であっても、あるいは、非晶性ポリエステルの一部が芯材の内部に配置され、一部が芯材の表面に配置された状態であっても、いずれでもよい。
図1に示される構造体形成用複合フィルム100は、非晶性ポリエステル22の一部が不織布21の内部に配置され、一部が不織布21の表面に配置された状態の機能材層20となっている。
(機能材層の配置)
図1に示される一実施形態に係る本発明の構造体形成用複合フィルム100においては、機能材層20は、基材層10とシーラント層30との間に配置されている。機能材層20は、不織布21と、不織布21に含浸又は塗布された非晶性ポリエステル22とからなり、非晶性ポリエステル22が含浸又は塗布された面が、シーラント層30に面するように配置されている。
図1に示される一実施形態に係る本発明の構造体形成用複合フィルム100における機能材層20は、非晶性ポリエステル22が含浸又は塗布された面が、シーラント層30に面している態様であるが、本発明においては、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布された面が、シーラント層の側に位置する態様であっても、基材層の側に位置する態様であっても、いずれでもよい。
{芯材}
機能材層を構成する芯材は、非晶性ポリエステルを含浸又は塗布できるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、繊維構造体であってよい。繊維構造体は多数の空隙を有する。空隙は、層の厚み方向に貫通していても、不連続に存在していても、いずれでもよい。そして、存在する多数の空隙に、後述する非晶性ポリエステルを含浸又は塗布することができる。
繊維構造体としては、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
芯材が不織布である場合には、ニードルパンチ不織布、ウォータージェットパンチ不織布、スパンボンド不織布等のいずれも使用することができる。また、織布の場合には、平織、平織バスケット織、綾織、朱子織、簾織、あるいは3軸織、4軸織、あるいは3次元織などいずれの態様であってもよい。
芯材を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸等のポリエステル、又はナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、あるいは、パルプ等の天然材料であってもよい。
本発明に用いられる芯材の目付や厚みについては、特に限定されるものではなく、含浸又は塗布する非晶性ポリエステルの種類や量によって、適宜選択することができる。
(非晶性ポリエステル)
芯材に含浸又は塗布される非晶性ポリエステルは、本発明の効果を発揮できるものであれば、特に限定されるものではない。
ここで、本発明における「非晶性」とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて-100℃から300℃まで20℃/minの速度で昇温した際に明確な融解ピークを持たないことを意味する。
機能材層の構成成分となりうる非晶性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、例えば、30~80℃であってよい。このガラス転移温度(Tg)は、75℃以下、70℃以下、65℃以下、60℃以下、55℃以下、又は50℃以下であってもよく、35℃以上、又は40℃以上であってもよい。
ガラス転移温度(Tg)が上記の範囲の非晶性ポリエステルであれば、構造体形成用複合フィルムの、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を、1.04~5.00の範囲とすることができる。
なお、本明細書におけるガラス転移温度(Tg)とは、JISK7121(1987年)に準拠して、加熱速度10℃/minの昇温条件で熱流束示差走査熱量測定(熱流束DSC)により求めた中間点ガラス転移温度(℃)をいい、試験片の状態調節についてはJISK7121の『一定の熱処理を行なった後、ガラス転移温度を測定する場合』を採用するものとする。
また、機能材層の構成成分となりうる非晶性ポリエステルの軟化点は、30~80℃の範囲であることが好ましい。非晶性ポリエステルの軟化点は、35℃以上、又は40℃以上、45℃以上、50℃以上であってもよく、75℃以下、70℃以下、65℃以下、60℃以下、55℃以下、又は50℃以下であってもよい。
軟化点が上記の範囲の非晶性ポリエステルであれば、構造体形成用複合フィルムの、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を、1.04~5.00の範囲とすることができる。
なお、本発明において軟化点は、JIS K7206:2016(ISO 306:2013)(「プラスチック-熱可塑性プラスチック-ビカット軟化温度(VST)の求め方」)で規定されるビカット軟化温度のうち、A50法(試験荷重10N及び昇温速度50℃/時)で測定されるビカット軟化温度を意味している。
非晶性ポリエステルの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、50000以下、45000以下、40000以下、350000以下、30000以下、25000以下、20000以下、又は150000以下であってよい。一方で、4000以上、5000以上、6000以上、7000以上、8000以上、9000以上、又は10000以上であってよい。
ここで、本明細書における数平均分子量は、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン標準にて、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を意味するものである。
本発明の構造体形成用複合フィルムの機能材層の構成成分となりうる非晶性ポリエステルとしては、50mol%のジカルボン酸成分と、50mol%のジオール成分とを含有している非晶性ポリエステルであって、30mol%以上のテレフタル酸と、25mol%以上のエチレングリコールと、5~45mol%の他のジカルボン酸成分及び/又は他のジオール成分を含有している非晶性ポリエステルであってもよい。
他のジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5-ナフタル酸、2,6-ナフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,2’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
他のジオール成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、1,9-ノナンジオール、2-メチルオクタンジオール、1,10-ドデカンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
なお、非晶性ポリエステルは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の非晶性ポリエステルを組み合わせて用いる場合には、例えば、異なる物性を有する非晶性ポリエステルの混合物として用いることもできる。
非晶性ポリエステルの形態は、非晶性ポリエステルが芯材に含浸又は塗布される形態であれば、特に限定されるものではない。例えば、非晶性ポリエステルが水に分散している非晶性ポリエステル水分散体であっても、非晶性ポリエステルが有機溶剤に溶解している非晶性ポリエステル含有溶液であってもよい。
中では、非晶性ポリエステルが水に分散している非晶性ポリエステル水分散体が用いられる場合には、得られる構造体形成用複合フィルムの残留溶剤を減らすことができるため、本発明の構造体形成用複合フィルムを、例えば食品用包装材料として用いた場合に、内容物の食品の風味を損なうことがない点等からも好ましいものにすることができる。
また、非晶性ポリエステルが有機溶剤に溶解している非晶性ポリエステル含有溶液が用いられる場合であっても、残留溶媒のクラス3(低毒性の溶媒)(医薬品の残留溶媒ガイドライン(ICH 2011年2月4日通知))に属する酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル等の酢酸エステル、ギ酸エステル等を有機溶剤として用いることによって、本発明の構造体形成用複合フィルムの残留溶剤を抑制することができる。
非晶性ポリエステル水分散体の市販品としては、例えば、ポリエステル樹脂エマルション「エリーテル(登録商標)」シリーズ(ユニチカ株式会社)が挙げられる。
(含浸又は塗布方法)
芯材に非晶性ポリエステルを含浸又は塗布する方法としては、特に限定されるものではない。公知の方法を採用することができ、例えば、グラビア塗工、浸漬、吸引、エアーナイフコート、ダイコート、コンマコート、ファウンテンコート、グラビアオフセット、ホットメルトコート等が挙げられる。
(含浸又は塗布量)
含浸又は塗布する非晶性ポリエステルの量は、特に限定されるものではなく、芯材の目付や厚み、非晶性ポリエステルの種類によって、適宜選択することができる。
<シーラント層>
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するシーラント層は、例えば自立袋等の構造体を形成する際に、ヒートシールされる層となる。このため、シーラント層は、構造体形成用複合フィルムの最内層となる。
シーラント層を構成する材料としては、熱接着が可能であり、成形された構造体に十分なシール強度を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。公知の材料を適用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
例えば、内容物が充填される自立袋等の構造体を形成する場合には、本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するシーラント層は、内容物を充填するための空間を形成する層となる。このため、耐内容物性を付与したい場合には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることが好ましい。
本発明の構造体形成用複合フィルムを構成するシーラント層は、上記の材料から予め成形されたフィルムを用いて形成してもよいし、機能材層、及び必要に応じてその他の層が積層された積層体の表面に、シーラント層を形成するための材料を溶融して押出し、冷却固化させて形成してもよい。
また、シーラント層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
<基材層>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、シーラント層と、を必須の構成層とするが、その他に更に、基材層を含む構成であってもよい。基材層を備える場合には、基材層と、機能材層と、シーラント層とは、この順で積層されている態様となっていることが好ましい。
基材層と、機能材層と、シーラント層とが、この順で積層されている態様であれば、基材層は、例えば自立袋等の構造体を形成したときに、袋体の外層となる。このため、最内層となるシーラント層をヒートシールして構造体を形成する時の保護層となりうる。また、内容物の表示等のための印刷を施すための印刷層ともなりうる。
基材層を構成する材料としては、樹脂等、特に保護層となり、印刷が可能となる樹脂等であれば、特に限定されるものではない。一般的に用いられている樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
基材層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
なお、基材層は、予め成形されたフィルムから作製されることが好ましい。基材層となるフィルムは、上記の樹脂等から形成されたフィルムであればよく、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。中では、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
また、基材層となるフィルムには、アルミニウム等の金属や、酸化珪素、酸化アルミニウム等の酸化物が蒸着されていてもよい。
<その他の層>
本発明の構造体形成用複合フィルムは、機能材層と、シーラント層とを、必須の構成層として含んでいれば、これら以外の層が含まれていてもよい。本発明の構造体形成用複合フィルムが基材層を含む場合には、基材層と、機能材層と、シーラント層とが、この順で積層されている態様が好ましく、その他の層は、例えば、基材層、機能材層、シーラント層の間や、これらの層を含む積層体の外側等に配置することができる。
その他の層としては、特に限定されるものではなく、例えば、作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層や、構造体の強度を補強するための補強層、あるいは、層と層との間を接着するための接着層等が挙げられる。
作製する構造体にバリア性を付与するためのバリア層としては、例えば、酸素や水蒸気等のガスを遮断する機能を発現する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリアクリロニトリル(PAN)からなる層等が挙げられる。
作製する構造体の強度を補強するための補強層の材料としては、例えば、紙、合成紙、不織布等が挙げられる。これらには、隣接する層との接着性を付与するための接着剤が塗布されていてもよい。また、上記の基材層を構成する材料による層を、基材層とは別に、補強層として備えさせることも可能である。
層と層との間を接着するための接着層としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマーからなる層等が挙げられる。
また、その他の層は、基材層と機能材層、又は機能材層とシーラント層等を、ドライラミネート又はホットメルトラミネートする際に使用する、接着剤からなる層であってもよい。
その他の層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
《構造体形成用複合フィルムの製造方法》
本発明の構造体形成用複合フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、積層された複合フィルムを形成することのできる方法であればよい。公知の方法を採用することができ、例えば、ドライラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法、及びサンドイッチラミネーション方法等が挙げられる。
《構造体》
本発明の構造体形成用複合フィルムを用いて形成される構造体は、特に限定されるものではない。本発明の構造体形成用複合フィルムは、最内層がシーラント層となっているため、本発明の構造体形成用複合フィルム同士又は他の材料とヒートシールすることにより、様々な形状の構造体を形成することができる。
例えば、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋、ゲーベルトップ型の有底容器、テトラクラシック(登録商標)、ブリックパック(登録商標)、チューブ容器、蓋材等が挙げられる。また、シーラント層にチャックを設けて、チャック付き包装袋とすることもできる。
本発明においては、中でも、少なくとも一部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋であることが好ましい。中でも特に、少なくとも胴部が、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋であることが好ましい。
本発明の構造体形成用複合フィルムによる自立袋は、袋本体とは別に補強材を用意せずとも、ホット充填方式による内容物の充填時には柔らかく、使用時に内容物が減少していく際には、自立性を維持することができる。したがって、内容物を充填する際には袋が膨らみ易いことから、必要量の内容物の充填を容易に実施することができ、一方で、内容物を使用していく際には剛性を有するため、その自立性を維持することができる。
したがって、本発明の構造体形成用複合フィルムで構成される自立袋は、とりわけ、ホット充填方式に用いられる自立袋であることが好ましい。
《適用できる内容物》
本発明の構造体形成用複合フィルムから成形される構造体に充填が可能な内容物は、ジェルやゲル、更にはペースト等を含む液体物であれば、特に限定されるものではない。液状物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、塗料等が挙げられる。
医薬品及び医薬部外品としては、例えば、注射薬、点滴薬、輸液薬、灌流薬、煎剤等が挙げられる。化粧品としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、整髪料(例えば、ヘアウォーター、ヘアリキッド、グリース等)等が挙げられる。洗剤としては、例えば、中性洗剤、アルカリ性洗剤、及び酸性洗剤が挙げられる。食品としては、例えば、飲料、食用油、スープ、クリーム、液体調味料(例えば、醤油、酢、麺つゆ、割下、みりん、ウスターソース、ドレッシング、ケチャップ、タバスコ、甘味料等)等が挙げられる。塗料としては、例えば、ペンキ、ニス、オイルステイン等が挙げられる。
なお、ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物であってもよく、例えば、歯磨き粉、ワサビ、ゼリー、ジャム、味噌等が挙げられる。
本発明の構造体形成用複合フィルムから成形される構造体は、80℃付近では、袋が柔らかいため膨らみやすく、必要量の内容物の充填を容易に実施することができる。したがって、内容物として、60~90℃付近の温度でホット充填されるものであれば、本発明の効果を十分に享受することができるため好ましい。
以下、実施例及び比較例等により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<材料>
実施例及び比較例においては、層を構成する材料として、以下を準備した。
(1)基材層
・PET-1:PETフィルム(エンブレット(登録商標)PET、ユニチカ株式会社、厚み:12μm)
・PET-2:リサイクルPETフィルム(エンブレット(登録商標)CEPB、ユニチカ株式会社、厚み:12μm)
・Ny-1:バイオマス由来ナイロンフィルム(バイオプラーナ(登録商標)DN030、東洋紡株式会社、厚み:15μm)
・Ny-2:ナイロンフィルム(RX、興人フィルム&ケミカルズ株式会社、厚み:15μm)
(2)機能材層
芯材
・不織布-1:ポリ乳酸不織布(テラマック(登録商標)L0303、ユニチカ株式会社、目付:30g/m
・不織布-2:ポリエチレンテレフタレート不織布(ディラ(登録商標)D0403、ユニチカ株式会社、目付:40g/m
・紙75g:両更クラフト紙(坪量:75g/m
塗工剤
・非晶性ポリエステル樹脂エマルジョン:エリーテル(登録商標)KA-1449(ガラス転移温度(Tg):41℃、数平均分子量(Mn):8,500、ユニチカ株式会社)
・非晶性ポリエステル樹脂エマルジョン:エリーテル(登録商標)KT-9204(数平均分子量(Mn):17,000、ユニチカ株式会社)
・非晶性ポリエステル樹脂:バイロン(登録商標)600(ガラス転移温度(Tg):47℃、数平均分子量(Mn):16,000、東洋紡株式会社)
・PCL:ポリカプロラクトン(プラクセル(登録商標)H1P、ダイセル社、融点(mp):60℃)
(3)シーラント層
・LL♯50:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:50μm)
・LL♯70:LLDPEフィルム(SE625L、タマポリ株式会社、厚み:70μm)
・LL♯95:LLDPEフィルム(SE620A、タマポリ株式会社、厚み:95μm)
(4)中間層
・Ny-1:バイオマス由来ナイロンフィルム(バイオプラーナ(登録商標)DN030、東洋紡株式会社、厚み:15μm)
・Ny-2:ナイロンフィルム(RX、興人フィルム&ケミカルズ株式会社、厚み:15μm)
・VM-PET:アルミ蒸着PETフィルム(VM-PET BR-1012、東レフィルム加工株式会社、厚み:12μm)
(5)接着層
・LDPE[樹脂]:低密度ポリエチレン(サンテック(登録商標)L1850K、旭化成株式会社)
・EMAA[樹脂]:エチレン-メタクリル酸共重合体(ニュクレル(登録商標)AN4228C、三井・ダウ・ポリケミカル株式会社)
・二液型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社)(主剤:硬化剤=10:1(重量比))
主剤:RU-50
硬化剤:H-4
・二液硬化型ドライラミネート接着剤(三井化学株式会社)
主剤:タケラックA525
硬化剤:タケネートA52
《実施例1》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。中間層となるNy-1フィルムと芯材となる不織布-1との間に、接着層となる低密度ポリエチレン(LDPE)を押し出してサンドラミネートし、芯材//中間層からなる積層体を作製した。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚みは、20μmとなるようにした。
以下、接着層は、「//」で示している。
非晶性ポリエステル樹脂エマルジョンであるエリーテル(登録商標)KA-1449とエリーテル(登録商標)KT-9204とを、KA-1449:KT-9204=4:1(重量比)で混合し、塗工液を作製した。作製した塗工液を、上記で作製した芯材//中間層からなる積層体の芯材(不織布-1)に固形分量で2g/mとなるようグラビア塗工することで、機能材層//中間層からなる積層体を作製した。
表1において、機能材層は、( )内に記載している。
基材層となるPET-2フィルムと、上記で作製した機能材層//中間層からなる積層体の機能材層側の面との間に、接着層となる低密度ポリエチレン(LDPE)を押し出してサンドラミネートし、基材層//機能材層//中間層からなる積層体を作製した。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚みは、20μmとなるようにした。
続いて、上記で作製した基材層//機能材層//中間層からなる積層体の中間層側の面とシーラント層となるLL#50フィルムとの間に、接着層となる低密度ポリエチレン(LDPE)を押し出してサンドラミネートし、基材層//機能材層//中間層//シーラント層からなる構造体形成用複合フィルムを作製した。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚みは、20μmとなるようにした。
<損失正接tanδの測定>
動的粘弾性装置(DMA Q800、TA Instruments株式会社)を用いて、30℃及び80℃における損失正接tanδを計測し、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。
具体的には、25~100℃において損失正接tanδの測定を実施し、30℃での値を30℃における損失正接tanδ30℃とし、80℃での値を80℃における損失正接tanδ80℃とし、これらの比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。30℃における損失正接tanδ30℃、80℃における損失正接tanδ80℃、及びこれらの比であるtanδ80℃/tanδ30℃を、表1に示す。
<自立袋の作製>
作製した構造体形成用複合フィルムから、自立袋を作製した。図2は、自立袋を作製するために切り抜いた材料であり、図2(a)は胴部であり、図2(b)は底部となる。図3は、作製した自立袋を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図、図3(c)は底面図である。
作製にあたっては、まず、構造体形成用複合フィルム100を切り抜いて、図2(a)に示す寸法の胴部と、図2(b)に示す底部とを作製した。続いて、底部を破線部で折り返して、端部を胴部とヒートシールするとともに、胴部の周囲をヒートシールすることで、図3に示す自立袋を作製した。
作製した自立袋の寸法は、高さ135mm×幅90mm×折込25mmであった。ヒートシールの幅は、図2(a)に、ヒートシール部1として示す。なお、自立袋の上端部の中央には、内容物を充填又は排出するための、幅15mmの開口部2を設けた。
<膨らみ厚さの計測>
幅15mmの開口部から、80℃のお湯を充填し、充填した後の自立袋の胴部の厚みを、ノギスを用いて計測した。続いて、30℃まで冷却した後に内容物を排出し、排出後の自立袋の胴部の厚みを計測した。計測結果、及び保形率を表1に示す。
<自立性の評価>
30℃まで冷却した後に内容物を排出した後の、自立袋の自立性について、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
○:内容物排出後、自立袋を置いた際に、容易に自立する
△:内容物排出後、自立袋を置いた際に、少し気を付ければ自立する
×:内容物排出後、自立袋を置いた際に、すぐ倒れてしまう
《実施例2》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。実施例2で作製した構造体形成用複合フィルムは、中間層を有さない構造である。
基材層となるPET-2フィルムと芯材となる不織布-1との間に、接着層となる低密度ポリエチレン(LDPE)を押し出してサンドラミネートし、基材層//芯材からなる積層体を作製した。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚みは、20μmとなるようにした。
実施例1と同様の組成の非晶性ポリエステル樹脂エマルジョンの塗工液を、基材層//芯材からなる積層体の芯材(不織布-1)に固形分量で2g/mとなるようグラビア塗工することで、基材層//機能材層からなる積層体を作製した。
シーラント層となるLL#50フィルムと、基材層//機能材層からなる積層体の機能材層の非晶性ポリエステル樹脂が塗工された面とを、接着剤にてドライラミネートすることで、基材層//機能材層//シーラント層からなる構造体形成用複合フィルムを作製した。
ドライラミネートは、二液型ウレタン接着剤(ロックペイント社)を用いて行った。具体的には、接着主剤としてRU-50を10重量部、硬化剤としてH-4を1重量部で混合したものを用いた。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《実施例3》
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。具体的には、基材層としてPET-2フィルムに替えてNy-1フィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして構造体形成用複合フィルムを作製した。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《実施例4》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。実施例4で作製した構造体形成用複合フィルムは、中間層を有する構造である。
基材層となるPET-1フィルムと芯材となる不織布-2との間に、接着層となる低密度ポリエチレン(LDPE)を押し出してサンドラミネートし、基材層//芯材からなる積層体を作製した。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚みは、20μmとなるようにした。
非晶性ポリエステル樹脂エマルジョンであるエリーテル(登録商標)KA-1449を塗工液として用い、基材層//芯材からなる積層体の芯材側の面に固形分量で13.8g/mとなるようグラビア塗工することで、基材層//機能材層からなる積層体を作製した。
基材層//機能材層からなる積層体の機能材層側の面と、中間層となるNy-2フィルムとを接着剤にてドライラミネートすることで、基材層//機能材層//中間層からなる積層体を作製した。
続いて、基材層//機能材層//中間層からなる積層体の中間層側の面と、シーラント層となるLL#70フィルムとを接着剤にてドライラミネートすることで、構造体形成用複合フィルムを作製した。
なお、実施例4におけるドライラミネートは、実施例2と同様の二液型ウレタン接着剤(ロックペイント社)を用いて行った。具体的には、接着主剤としてRU-50を10重量部、硬化剤としてH-4を1重量部で混合したものを用いた。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《実施例5》
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。具体的には、非晶性ポリエステル樹脂エマルジョンとして、エリーテル(登録商標)KA-1449に替えてエリーテル(登録商標)KT-9204を用い、不織布-2に固形分量で12.9g/mとなるようグラビア塗工した以外は、実施例4と同様にして構造体形成用複合フィルムを作製した。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《実施例6》
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。具体的には、非晶性ポリエステル樹脂として、エリーテル(登録商標)KA-1449に替えてバイロン(登録商標)600を用い、バイロン(登録商標)600を酢酸エチルに溶解させて塗工液を作製した。作製した塗工液を、不織布-2に固形分量で12.6g/mとなるようグラビア塗工した以外は、実施例4と同様にして構造体形成用複合フィルムを作製した。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《参考例1》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。参考例1で作製した構造体形成用複合フィルムは、中間層を有する構造である。
基材層となるPET-1フィルムと芯材となる不織布-1との間に、接着層となるエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を押し出してサンドラミネートし、基材層//芯材からなる積層体を作製した。エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)層の厚みは、20μmとなるようにした。
ポリカプロラクトン(PCL)を、トルエンに溶解した塗工液を作製し、基材層//芯材からなる積層体の芯材(不織布-1)に、塗工量が5g/mとなるようにグラビア塗工することで、基材層//機能材層からなる積層体を作製した。
基材層//機能材層からなる積層体の機能材層側の面と中間層となるNy-1フィルムとの間に、接着層となるエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を押し出してサンドラミネートし、基材層//機能材層//中間層からなる積層体を作製した。エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)層の厚みは、20μmとなるようにした。
続いて、基材層//機能材層//中間層からなる積層体の中間層側の面とシーラント層となるLL#50フィルムとの間に、接着層となるエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を押し出してサンドラミネートし、構造体形成用複合フィルムを作製した。エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)層の厚みは、20μmとなるようにした。
<損失正接tanδの測定>
作製した構造体形成用複合フィルムについて、実施例1と同様にして、30℃及び80℃における損失正接tanδを計測し、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。結果を表1に示す。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《比較例1》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。比較例1で作製した構造体形成用複合フィルムは、機能材層に塗工剤が適用されない構造である。
基材層となるPET-1フィルムに、芯材となる紙75gを、ドライラミネートにより貼り合わせることで、基材層//芯材からなる積層体を作製した。ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
続いて、基材層//芯材からなる積層体の芯材側の面にシーラント層となるLL#50をドライラミネートにより貼り合わせることで、構造体形成用複合フィルムを作製した。なお、ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
<損失正接tanδの測定>
作製した構造体形成用複合フィルムについて、実施例1と同様にして、30℃及び80℃における損失正接tanδを計測し、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。結果を表1に示す。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
《比較例2》
<構造体形成用複合フィルムの作製>
表1に記載した積層順となるように、構造体形成用複合フィルムを作製した。比較例2で作製した構造体形成用複合フィルムは、機能材層を有さない構造である。
基材層となるNy-2フィルムに、中間層となるVM-PETフィルムを、ドライラミネートにより貼り合わせた。ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
続いて、シーラント層となるLL#95をドライラミネートにより貼り合わせることで、構造体形成用複合フィルムを作製した。なお、ドライラミネート用接着剤としては、二液硬化型ドライラミネート接着剤(タケラックA525/タケネートA52、三井化学株式会社)を用いた。
<損失正接tanδの測定>
作製した構造体形成用複合フィルムについて、実施例1と同様にして、30℃及び80℃における損失正接tanδを計測し、30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃を算出した。結果を表1に示す。
<自立袋の作製・評価>
作製した構造体形成用複合フィルムを用いて、実施例1と同様にして自立袋を作製し、作製した自立袋について、実施例1と同様にして測定・評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2023091452000002
100 構造体形成用複合フィルム
10 基材層
20 機能材層
21 不織布
22 非晶性ポリエステル
30 シーラント層
1 ヒートシール部
2 開口部

Claims (12)

  1. 機能材層と、シーラント層と、を含み、
    前記機能材層は、芯材に、非晶性ポリエステルが含浸又は塗布されたものである、
    構造体形成用複合フィルム。
  2. 前記芯材は、繊維構造体である、請求項1に記載の構造体形成用複合フィルム。
  3. 前記繊維構造体は、紙、不織布、及び織布からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の構造体形成用複合フィルム。
  4. 前記非晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステル水分散体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルム。
  5. 前記非晶性ポリエステルは、非晶性ポリエステル含有溶液である、請求項1~3のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルム。
  6. 前記非晶性ポリエステルは、ガラス転移温度又は軟化点が30~80℃である、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルム。
  7. 30℃における損失正接tanδ30℃に対する80℃における損失正接tanδ80℃の比であるtanδ80℃/tanδ30℃が、1.04~5.00である、請求項1~6のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルム。
  8. 更に基材層を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルム。
  9. 前記基材層と、前記機能材層と、前記シーラント層とは、この順で積層されている、請求項8に記載の構造体形成用複合フィルム。
  10. 少なくとも一部が、請求項1~9のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
  11. 少なくとも胴部が、請求項1~9のいずれか一項に記載の構造体形成用複合フィルムで構成されている、自立袋。
  12. ホット充填方式に用いられる、請求項10又は11に記載の自立袋。
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