JP2023091336A - タイヤ加硫金型及びそれを用いたタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することを可能にしたタイヤ加硫金型及びそれを用いたタイヤの製造方法を提供する。【解決手段】 タイヤ外表面を成形する成形面31と、該成形面31に開口するベントホール32とを備えたタイヤ加硫金型10において、ベントホール32の奥側であってベントホール32内に形成されるスピューSが届かない位置に、ベントホール32内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁33が配設されている。このタイヤ加硫金型10の内側に未加硫状態のタイヤTを投入し、タイヤTを内側から加圧しつつ加硫を行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、ベントホールを備えたタイヤ加硫金型及びそれを用いたタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することを可能にしたタイヤ加硫金型及びそれを用いたタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造工程においては、タイヤ加硫金型の内側に未加硫状態のタイヤを投入し、そのタイヤをブラダーにより内側から加圧しながら加熱することにより、タイヤの加硫を行っている。その際、タイヤ加硫金型の成形面と未加硫タイヤとの間にエアが残っていると、その残留エアに起因してタイヤ表面故障が発生する。このようなタイヤ表面故障を防止するために、タイヤ加硫金型には成形面に開口するエア抜き用の多数のベントホールが設けられている。
しかしながら、加硫時にベントホール内に形成されたスピュー(髭状のゴム片)の少なくとも一部が離型時にベントホール内に残存し、ベントホールに目詰まりを生じると、次の加硫においてベントホールによるエア抜きを行うことができず、その部分にタイヤ表面故障が生じることになる。また、スピューによるベントホールの目詰まりが発生した場合、ベントホールを掃除するためにタイヤの生産を一時的に停止する必要があり、このことはタイヤの生産性を大幅に低下させる要因となる。
そこで、ベントホールの目詰まりを防止するために、金型の外部に連通しない非貫通のベントホールを配置することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。しかしながら、非貫通のベントホールは本質的にエアを排出する機能を有していないので、残留エアに起因するタイヤ表面故障を防止する効果を十分に確保することができないという欠点がある。
また、ベントホールの内部に通気孔を有するベントピースとその通気孔を弾性的に閉止する弾性部材を設置し、ベントピースと弾性部材とに隙間から空気を排出する一方で、弾性部材によりゴムを堰き止めるようにした構造が提案されている(例えば、特許文献3参照)。同様に、ベントホールの入り口付近に弁部材を設置し、この弁部材によりゴムの流出を阻止するようにした構造が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、いずれの場合も、スピューを短くするという目的のために弾性部材や弁部材をベントホールの入り口付近に設置する必要があり、そのような部位では加硫時にベントホール内に流入するゴムの圧力が高いため、弾性部材や弁部材の隙間にゴムが流入し易く、それによって弁機能が低下することがある。そのため、弾性部材や弁部材の清掃や交換を頻繁に行う必要があるという欠点がある。
更に、ベントホールの流路に電磁弁等の弁を設置し、その弁を外部からの信号で開閉することにより、残留エアの排出性能を確保しつつスピューの形成を抑制するようにした構造が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、この場合、複雑な機構が必要となり、設備費用やメンテナンス費用が増大するという欠点がある。
特開平9-94830号公報 特許第6495239号公報 特許第5227266号公報 特許第6880817号公報 特開2014-87958号公報
本発明の目的は、スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することを可能にしたタイヤ加硫金型及びそれを用いたタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫金型は、タイヤ外表面を成形する成形面と、該成形面に開口するベントホールとを備えたタイヤ加硫金型において、前記ベントホールの奥側であって前記ベントホール内に形成されるスピューが届かない位置に、前記ベントホール内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁が配設されていることを特徴とするものである。
また、本発明のタイヤの製造方法は、上述のタイヤ加硫金型の内側に未加硫状態のタイヤを投入し、前記タイヤを前記成形面に向かって加圧しながら該タイヤの加硫を行うことを特徴とするものである。
本発明者は、ベントホールを備えたタイヤ加硫金型について鋭意研究した結果、このようなタイヤ加硫金型を用いて加硫を繰り返し行う場合、ベントホール内に形成されるスピューの先端部付近に汚れが徐々に堆積し、その堆積物に起因してスピューの先端部が破断するという現象を認識した。また、スピューの物性について調査したところ、ベントホール内ではスピューの根元側から先端部側に向かって徐々に圧力が低下し、スピューの先端部は大気圧に近い状態で加熱されるため発泡が顕著に生じることを知見した。そして、スピューの先端部では、ゴムの密度が低下し、破断強度も低下し、このことが汚れの堆積やスピューの破断を生じ易くすることを知見した。本発明者は、このような状況に鑑みて、スピューの先端部におけるゴムの発泡を抑制することでベントホールの目詰まりを効果的に抑制可能であることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、タイヤ外表面を成形する成形面と、該成形面に開口するベントホールとを備えたタイヤ加硫金型において、ベントホールの奥側であってベントホール内に形成されるスピューが届かない位置に、ベントホール内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁が配設されているので、その弁を加硫時に空気の流れにより閉じることにより、ベントホール内に流入するゴムと弁との間に形成される空間の圧力を確保し、スピューの先端部におけるゴムの発泡を抑制することができる。そのため、ベントホール内に形成されるスピューの先端部付近に汚れが堆積することを防止し、そのような堆積物に起因するスピューの先端部の破断を防止することができる。これにより、スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することができる。その結果、残留エアに起因するタイヤ表面故障を防止すると共に、ベントホールの清掃頻度を低減してタイヤの生産性を改善するという優れた効果を得ることができる。
本発明によれば、ベントホールは金型の外部に連通するものであるため、残留エアの排気性能を十分に確保することができる。更に、弁はベントホールの奥側であってスピューが届かない位置に配設されているので、弁の隙間にゴムが流入することはなく、その交換や清掃の頻度を低くすることができる。また、弁はベントホール内の空気の流れにより開閉可能な構造を有するものであるので、複雑な機構を必要とせず、設備費用やメンテナンス費用の増大を生じることもない。
本発明において、弁は成形面からベントホール内に形成されるスピューの平均長さの150%~200%の位置に配置されていることが好ましい。或いは、弁は成形面からベントホールの軸方向に沿って18mm~30mmの位置に配置されていることが好ましい。このようにベントホールの成形面から適度に離れた位置に弁が配設されていることにより、ベントホール内に流入するゴムと弁との接触を確実に回避しつつ、ベントホール内に流入するゴムと弁との間に形成される空間の圧力を確保し、スピューの先端部におけるゴムの発泡を抑制し、スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することができる。
本発明において、ベントホールの少なくとも一部を包含すると共に金型の本体から分離可能であるベントピースを備えることが好ましい。金型の本体から分離可能であるベントピースを採用することにより、ベントホールに対して弁を容易に配設することができる。
本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示す子午線断面図である。 本発明に係るタイヤ加硫金型のベントホール部分を示す断面図である。 本発明に係るタイヤ加硫金型における弁の動作状態を示し、(a)~(b)は各段階での弁の動作状態を示す断面図である。 本発明に係るタイヤの製造方法においてベントホール内に形成されるスピューの長さとスピューの成長速度との関係を示すグラフである。 本発明に係るタイヤの製造方法においてベントホール内に流入するゴムと弁との間に形成される空間の圧縮長さと発生圧力との関係を示すグラフである。 従来のベントホール内に形成されるスピューを示す断面図である。 従来のベントホールにおける目詰まりの発生メカニズムを示し、(a)~(c)は各段階でのベントホールの状態を示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示し、図2は本発明に係るタイヤ加硫金型のベントホール部分を示し、図3は本発明に係るタイヤ加硫金型における弁の動作状態を示すものである。
図1に示すように、このタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤTの外表面を成形するタイヤ加硫金型(以下、「金型」と称す)10と、空気入りタイヤTの内側に挿入される筒状のブラダー20とを備えている。また、このタイヤ加硫装置は、該ブラダー20の内側にスチーム等の加熱加圧媒体を供給するための加熱加圧媒体供給手段(不図示)や、金型10を加熱するための加熱手段(不図示)を備えている。
金型10は、空気入りタイヤTのサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート11及び上側サイドプレート12と、空気入りタイヤTのビード部を成形するための下側ビードリング13及び上側ビードリング14と、空気入りタイヤTのトレッド部を成形するための複数のセクター15とから構成され、その金型10の内側で空気入りタイヤTを加硫成形するようになっている。なお、金型10の構造は特に限定されるものではなく、図示のようなセクショナルタイプのモールドのほか、二つ割りタイプのモールドを使用することも可能である。
ブラダー20は、その下端部が下側ビードリング13と下側クランプリング21との間に把持され、その上端部が上側クランプリング22と補助リング23との間に把持されている。図1に示すような加硫状態において、ブラダー20は空気入りタイヤTの径方向外側に向かって拡張した状態にあるが、加硫後に空気入りタイヤTを金型10内から取り出す際には上側クランプリング22が上方に移動し、それに伴ってブラダー20が空気入りタイヤTの内側から抜き取られるようになっている。
上述したタイヤ加硫装置において、図1及び図2に示すように、金型10は、タイヤ外表面を成形する成形面31と、該成形面31に開口するベントホール32とを備えている。ベントホール32は、一端が成形面31に開口する一方で、他端が金型10の外部に連通している。図1においては、ベントホール32が金型10を構成するセクター15に形成される構造を描写しているが、ベントホール32は下側サイドプレート11、上側サイドプレート12、下側ビードリング13又は上側ビードリング14に形成することも可能であり、金型10の全体において多数のベントホール32を配設することが可能である。金型10は、本体10Aと、ベントホール32の少なくとも一部を包含すると共に金型10の本体10Aから分離可能であるベントピース10Bを備えている。ベントピース10Bは金型10の本体10Aに対して着脱自在に構成されている。
金型10において、図2に示すように、ベントホール32の奥側であってベントホール32内に形成されるスピューSが届かない位置に、ベントホール32内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁33が配設されている。より具体的には、ベントホール32内に嵌め込まれていて成形面31側に弁座を備える外筒体33Aと、該外筒体33Aの内側に挿入された弁体33Bと、該弁体33Bを外筒体33Aの弁座から離れる方向に付勢するバネ部材33C(例えば、コイルバネ)とから構成されている。外筒体33Aの弁座はベントホール32の軸方向に対して45°~80°の角度、より好ましくは、60°~80°の角度で傾斜し、更に好ましくは、成形面31の方向に凸となるように湾曲しており、弁体33Bと外筒体33Aの弁座との隙間は0.05mm~0.2mmの範囲、より好ましくは、0.05mm~0.1mmの範囲に設定されている。また、バネ部材33Cのバネ定数は0.3N/mm~1.3N/mmの範囲、より好ましくは、0.3N/mm~0.6N/mmの範囲に設定されている。
上述したタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤTを加硫する場合、金型10の内側に未加硫状態の空気入りタイヤTを投入し、その空気入りタイヤTの内側にブラダー20を挿入し、ブラダー20内に加熱加圧媒体を導入する一方で金型10を外側から加熱することにより、空気入りタイヤTを成形面31に向かって加圧しながら該空気入りタイヤTの加硫を行う。
このような加硫工程において、金型10の成形面31と未加硫状態の空気入りタイヤTとの間に残留するエアはベントホール32を介して金型10の外部に排出される。そして、図3(a)~(b)に示すように、空気入りタイヤTを構成する未加硫ゴムGがベントホール32内に侵入し、ベントホール32内にスピューSが形成される。加硫済の空気入りタイヤTが金型10から取り外される際に、スピューSはベントホール32から引き抜かれる。そして、スピューSは必要に応じて切除される。
ここで、図6及び図7(a)~(c)を用いて、従来のベントホールにおける目詰まりの発生メカニズムについて詳しく説明する。本発明者の知見によれば、図6に示すように、従来のベントホール32内では、スピューSの根元側から先端部側に向かって徐々に圧力が低下し、スピューSの先端部は大気圧に近い状態で加熱されるため発泡が顕著に生じる。このような発泡はゴムに含まれる発泡剤のみならず水分等にも起因する。その結果、スピューSの先端部では、ゴムの密度が低下し、破断強度も低下し、このことが汚れの堆積やスピューSの破断を生じ易くする要因となる。
このような状況において加硫工程を繰り返し行うと、図7(a)に示すように、金型10のベントホール32内に形成されるスピューSの先端部付近に汚れが堆積し、堆積物Xが徐々に成長する。次いで、図7(b)に示すように、加硫時にベントホール32内に未加硫ゴムGが進入し、それが堆積物Xを越える位置まで到達する。そして、図7(c)に示すように、加硫後にスピューSが引き抜かれた際に、堆積物Xと一体化したスピューSの先端部が千切れてベントホール32を閉塞する。
これに対して、上述した金型10では、ベントホール32の奥側であってベントホール32内に形成されるスピューSが届かない位置に、ベントホール32内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁33が配設されているので、図3(a)に示すように、加硫時に弁33を空気の流れにより閉じるようにし、図3(b)に示すように、ベントホール32内に流入する未加硫ゴムGと弁33との間に形成される空間の圧力Pを確保し、スピューSの先端部におけるゴムGの発泡を抑制することができる。ここで、弁33を閉じるために必要となる空気の流れは、ゴムGの流入によりベントホール32内に生じるものであっても良く、或いは、金型10の外部に設置された吸引装置等により意図的に生じさせたものであっても良い。このようにしてスピューSの先端部におけるゴムGの発泡を抑制することにより、ベントホール32内に形成されるスピューSの先端部付近に汚れが堆積することを防止し、その堆積物Xに起因するスピューSの先端部の破断を防止することができる。これにより、スピューSによるベントホール32の目詰まりを効果的に抑制することができる。その結果、残留エアに起因するタイヤ表面故障を防止すると共に、ベントホール32の清掃頻度を低減して空気入りタイヤTの生産性を改善することができる。
また、上述した金型10によれば、ベントホール32は金型10の外部に連通するものであるため、残留エアの排気性能を十分に確保することができる。更に、弁33はベントホール32の奥側であってスピューSが届かない位置に配設されているので、弁33の隙間にゴムGが流入することはなく、その交換や清掃の頻度を低くすることができる。また、弁33はベントホール32内の空気の流れにより開閉可能な構造を有するものであるので、複雑な機構を必要とせず、設備費用やメンテナンス費用の増大を生じることもない。
上述した金型10は、ベントホール32の少なくとも一部を包含すると共に金型10の本体10Aから分離可能であるベントピース10Bを備えているので、ベントホール32に対して弁33を容易に配設することができる。即ち、弁33はベントホール32の奥側の部位に配置されるので、ベントピース10Bの単体状態でベントホール32内に弁33を挿入し、弁33を備えたベントピース10Bを本体10Aに対して装着することができる。或いは、ベントピース10Bを外した状態で、金型10の本体10Aにおいてベントホール32内に弁33を挿入し、弁33を備えた本体10Aに対してベントピース10Bを装着するようにしても良い。
金型10において、弁33は、成形面31からベントホール32内に形成されるスピューSの平均長さLの150%~200%の位置に配置されていると良い。つまり、弁33が閉じた状態における成形面31から弁33の閉止面までの距離YはスピューSの平均長さLの150%~200%の位置に配置されていると良い。スピューSの平均長さLは予備的な加硫試験を通じて求めても良く、或いは、ゴム特性(粘度と加硫速度)から見積もっても良い。例えば、弁33は、成形面31からベントホール32の軸方向に沿って18mm~30mmの位置に配置されていると良い。つまり、弁33が閉じた状態における成形面31から弁33の閉止面までの距離Yは成形面31からベントホール32の軸方向に沿って18mm~30mmの位置に配置されていると良い。
このようにベントホール32の成形面31から適度に離れた位置に弁33が配置されていることにより、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との接触を確実に回避しつつ、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧力Pを確保し、スピューSの先端部におけるゴムGの発泡を抑制し、スピューSによるベントホール32の目詰まりを効果的に抑制することができる。ここで、弁33が成形面31に近過ぎると、弁33にゴムGが流入し易くなり、逆に弁33が成形面から遠過ぎると、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧力Pを確保することが困難になる。スピューSの先端部におけるゴムGの発泡を抑制するために、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧力Pは例えば0.1MPa以上であることが必要である。
図4は本発明に係るタイヤの製造方法においてベントホール内に形成されるスピューの長さとスピューの成長速度との関係を示すものである。図4において、実線は弁なしの場合を示し、破線は弁ありの場合を示す。図4に示すように、例えば、弁なしの場合(実線)、ベントホール32内に形成されるスピューSの成長速度はスピューSの長さが約2mmであるときに最大となり、スピューSの長さは約15mmとなる。一方、弁ありの場合(破線)、スピューSの成長速度が大きくなった際に弁33が閉じ、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧力Pが高くなることにより、スピューSの長さは約13mmと短くなる。このことから判るように、ベントホール32内に流入するゴムGによって生じる空気の流れは弁33の開閉に利用可能である。なお、金型10の外部から空気の流れを形成することで弁33の開閉を行う場合、ベントホール32内へのゴムGの流入によって生じる空気の流れでは弁33が閉止しない構造とし、外部からの吸引によりベントホール32内に弁33を閉止するための空気の流れを作れば良い。
図5は本発明に係るタイヤの製造方法においてベントホール内に流入するゴムと弁との間に形成される空間の圧縮長さと発生圧力との関係を示すものである。これは、直径1mmのベントホールにおいて、成形面からベントホールの軸方向に沿って25mmの位置(平均ベント長さの150%の位置)に弁33を配置した場合の関係である。図5に示すように、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧縮長さ、即ち、弁33が閉じてから弁33とゴムGとの間で圧縮される部分のストロークが大きくなると、それに伴って圧力Pが増大する。図5から判るように、ベントホール32内に流入するゴムGと弁33との間に形成される空間の圧縮長さを12mm以上確保することにより、0.1MPa以上の圧力Pを確保することができる。
空気入りタイヤの加硫を行うにあたって、ベントホールの構造だけを異ならせたタイヤ加硫金型を用いた。
従来例では、成形面に開口する多数のベントホールを備えたタイヤ加硫金型を使用した。比較例では、成形面に開口する多数のベントホールを備え、各ベントホールの入り口付近であってスピューが届く位置に弁が配設されたタイヤ加硫金型を使用した。実施例では、成形面に開口する多数のベントホールを備え、各ベントホールの奥側であってスピューが届かない位置に、ベントホール内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁が配設されたタイヤ加硫金型を使用した。比較例及び実施例において、弁はそれぞれ成形面からベントホールの軸方向に沿って2mm及び25mmの位置に配置した。
上述したタイヤ加硫金型を用いて空気入りタイヤの加硫を繰り返し行い、ベントホール又は弁の目詰まりに起因して清掃作業が必要となるまでの加硫回数を調べ、その結果を表1に示した。加硫回数は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどベントホール及び弁の目詰まりが少ないことを意味する。
Figure 2023091336000002
表1から判るように、実施例のタイヤ加硫金型を用いた場合、従来例との対比において、スピューによるベントホールの目詰まりを効果的に抑制することができたため、清掃作業が必要となるまでの加硫回数が増えていた。一方、比較例のタイヤ加硫金型を用いた場合、弁の隙間にゴムが流入し、弁の目詰まりが生じたため、その清掃作業が必要となった。
10 タイヤ加硫金型
10A 本体
10B ベントピース
20 ブラダー
31 成形面
32 ベントホール
33 弁
33A 外筒体
33B 弁体
33C バネ部材
T 空気入りタイヤ
S スピュー

Claims (5)

  1. タイヤ外表面を成形する成形面と、該成形面に開口するベントホールとを備えたタイヤ加硫金型において、前記ベントホールの奥側であって前記ベントホール内に形成されるスピューが届かない位置に、前記ベントホール内の空気の流れにより開閉可能な構造を有する弁が配設されていることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  2. 前記弁は、前記成形面から前記ベントホール内に形成されるスピューの平均長さの150%~200%の位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
  3. 前記弁は、前記成形面から前記ベントホールの軸方向に沿って18mm~30mmの位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
  4. 前記ベントホールの少なくとも一部を包含すると共に前記金型の本体から分離可能であるベントピースを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ加硫金型。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ加硫金型の内側に未加硫状態のタイヤを投入し、前記タイヤを前記成形面に向かって加圧しながら該タイヤの加硫を行うことを特徴とするタイヤの製造方法。
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