JP2023090532A - 気密パッケージ用窓材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、封着材料層の波長808nmの光の透過率によっては、レーザー光による封着時に、熱による素子の特性が劣化したり、基体にクラックが生じたり、封着材料層を加熱した後の封着層にクラックが生じたりすることに鑑みてなされたものであって、レーザー光による封着時に、熱による素子の特性劣化を抑制し、かつ封着後に十分な気密性が得られる気密パッケージ用窓材を提供することを目的とする。【解決手段】無機材料からなる基体と、封着材料層とを有する気密パッケージ用窓材であって、前記封着材料層は、前記基体の一方の面上に、前記基体の外周に沿って配置され、波長808nmの光の透過率が0.5%以上10.0%未満であることを特徴とする気密パッケージ用窓材。【選択図】図6

Description

本発明は、気密パッケージ用窓材に関する。
従来から発光ダイオード等の素子を回路基材の凹部内に配置後、該凹部の開口部を、透明樹脂基材等を備えた窓材により封止し、気密パッケージとして用いる場合があった。
この場合、窓材は樹脂製の接着剤等により回路基材と接合されていたが、光学素子の種類等によっては気密封止性の向上が求められていた。このため、接着剤に代えて、金属材料やガラス材料により接合することが検討されてきた。
たとえば特許文献1では、0~10モル%のKO、0~20モル%のFe、0~20モル%のZnO、20~40モル%のP、30~60モル%のV、0~20モル%のTiO、0~5モル%のAl、0~5モル%のBおよび0~5モル%のWOからなるガラスを含むフリットをレーザーによって溶融することで密封シールを形成した、有機発光ダイオードディスプレイが開示されている。
特許文献2では、封着材料として、低融点ガラスからなるガラスフリットが用いられ、レーザー光を用いて封着材料を溶融させることで、封着材料層と容器を接合することが開示されている。また、特許文献2では、封着材料層にテーパー形状を備えさせることで、容器と封着材料層との接合強度を高め、信頼性の高い気密パッケージを得ようとしている。
特許第4540669号公報 特許第6747101号公報
上記の通り特許文献1、2では、封着材料にレーザー光を照射し、局所的に加熱することで封着材料を溶融している。この場合、レーザー光を照射するときに、封着材料を含む封着材料層にレーザー光を吸収させる必要がある。レーザー光の吸収率が低いと、封着材料層を通り抜けた多量のレーザー光が回路基板に達するため、回路基板が過度に加熱されてしまい、素子の特性が劣化したり、回路基板にクラックが生じ、十分な気密性が得られないおそれがある。一方、レーザー光の吸収率が高いと、封着材料層が過度にレーザー光を吸収するため、封着材料層が過度に加熱され、封着材料層を加熱した後の封着層にクラックが生じ、十分な気密性が得られないおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、レーザー光による封着時に、熱による素子の特性劣化を抑制し、かつ封着後に十分な気密性が得られる気密パッケージ用窓材を提供することを目的とする。
本発明の気密パッケージ用窓材は、無機材料からなる基体と、封着材料層とを有し、前記封着材料層は、前記基体の一方の面上に、前記基体の外周に沿って配置され、波長808nmの光の透過率が0.5%以上10.0%未満であることを特徴とする。
本発明の気密パッケージ用窓材によれば、レーザー光による封着時に、熱による素子の特性劣化を抑制し、かつ封着層及び回路基板にクラックが生じることを抑制できる。
図1は、平板状の基体を用いた気密パッケージ用窓材の平面図である。 図2は、図1に示す平板状の基体を用いた気密パッケージ用窓材のA-A断面図である。 図3は、凹状の基体を用いた気密パッケージ用窓材の平面図である。 図4は、図3に示す凹状の基体を用いた気密パッケージ用窓材のB-B断面図である。 図5は、平板状の基体を用いた場合の気密パッケージの平面図である。 図6は、図5に示す平板状の基体を用いた場合の気密パッケージのC-C断面図である。 図7は、凹状の基体を用いた場合の気密パッケージの平面図である。 図8は、図7に示す凹状の基体を用いた場合の気密パッケージのD-D断面図である。 図9Aは、気密パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図9Bは、気密パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図9Cは、気密パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図9Dは、気密パッケージの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加え得る。
本実施形態の気密パッケージ用窓材は、無機材料からなる基体12と、基体12の一方の面上に、基体12の外周に沿って配置された封着材料層14とを備える。封着材料層14の幅は、例えば0.1mm以上2.0mm以下、封着材料層14の厚さは例えば3.0μm以上100μm以下である。
第1の実施形態に係る気密パッケージ用窓材10について、図1及び図2を用いながら、具体的に説明する。図1は、第1の実施形態に係る、平板状の基体12を用いた気密パッケージ用窓材10の平面図である。図2は、図1に示す平板状の基体12を用いた気密パッケージ用窓材10のA-A断面図である。
第1の実施形態に係る気密パッケージ用窓材10は、無機材料からなる基体12と、封着材料層14とを有する。そして、封着材料層14は、基体12の一方の面12a上に配置される。
ここで、基体12の一方の面12aとは、気密パッケージ100を製造する際に、素子18を備えた回路基板16と接合する側の面である。すなわち、基体12の一方の面12aとは、素子18と対向する側の面である。基体12の一方の面12aと反対側に位置する他方の面12bは、気密パッケージ100とした場合に、外部に露出する側の面となる。
第2の実施形態に係る気密パッケージ用窓材10について、図3及び図4を用いながら、具体的に説明する。図3は、第2の実施形態である凹状の基体12を用いた気密パッケージ用窓材10の平面図である。図4は、図3に示す凹状の基体12を用いた気密パッケージ用窓材10のB-B断面図である。
第2の実施形態に係る気密パッケージ用窓材10は、無機材料からなる基体12と、封着材料層14とを有する。第2の実施形態において、基体12は、平板部24と平板部24の外周部に設けられた周壁部26を有する。すなわち基体12は、上面が閉塞しており、下面が開口している筒状部材であり、図8に示すように、第2の実施形態に係る気密パッケージ用窓材10を用いて気密パッケージ100を作製した場合、回路基板16に実装された素子18を囲む凹部28を有することとなる。図3及び図4において、気密パッケージ用窓材10の外形形状は、四角筒状で示されているが特に限定されない。例えば円筒状であってもよく、多角筒状であってもよい。
第2の実施形態に係る基体12は、平板部24と平板部24の外周部に設けられた周壁部26とを別々に作製し、接合することによって作製されてもよい。また、基体12は、単一部材を例えばエッチングや座グリ加工することで平板部24及び周壁部26を形成して作製されてもよい。
第2の実施形態において、封着材料層14は基体12の一方の面12a上に配置できる。第2の実施形態のように、基体12が平板部24と平板部24の外周部に設けられた周壁部26を有する場合、一方の面12aとは周壁部26の下面をいう。第2の実施形態において、気密パッケージ用窓材10は、周壁部26の下面に配置された封着材料層14を介して、回路基板16と接合されることとなる。
各部材について以下に説明する。
(基体)
基体12は無機材料からなり、形状は特に限定されず、例えば平面視で円形であってもよく、多角形であってもよい。
基体12は、気密パッケージ100としたときに回路基板16が備える素子18が光学素子である場合、特に透過することが求められる波長領域の光(以下、「所望の波長領域の光」ともいう)の透過率が十分に高くなるように、材料や、厚さ等を選択することが好ましい。例えば所望の波長領域の光について、透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が赤外領域の光の場合、基体12は、例えば波長が0.7μm以上1.0mm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が可視領域の光(青~緑~赤)の場合、基体12は、例えば波長が380nm以上800nm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が紫外領域の光の場合、基体12は、例えば波長が200nm以上380nm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Aの光の場合、基体12は、例えば波長が315nm以上380nm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Bの光の場合、基体12は、例えば波長が280nm以上315nm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
所望の波長領域の光が紫外領域のUV-Cの光の場合、基体12は、例えば波長が200nm以上280nm以下の範囲の光の透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
基体12の透過率は、JIS K 7361-1(1997)に準じて測定できる。
基体12の材料は、任意に選択でき、特に限定されるものではないが、気密性や、耐久性を高める観点から、例えば石英や、ガラス等を用いることが好ましい。石英には、石英ガラスや、SiOを90質量%以上含有したものが含まれる。
ガラスとしては、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、および高屈折率ガラス(nd≧1.5)が挙げられる。
なお、基体12の材料は1種類に限定されず、2種類以上の材料を組み合わせることもできる。例えば、基体12の材料として、石英、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラスおよび高屈折率ガラス(nd≧1.5)から選択された2種類以上の材料を用い得る。無アルカリガラスの熱膨張係数はたとえば35~40(×10-7/℃)程度である。ソーダライムガラスの熱膨張係数はたとえば80~90(×10-7/℃)程度である。なお、本明細書における「熱膨張係数」とは、50~350℃の平均熱膨張係数を示す。
基体12の材料としてガラスを用いる場合、ガラスは化学強化されていてもよい。
第1の実施形態において、基体12の厚さD1は0.03mm以上とすることが好ましく、0.05mm以上とすることがより好ましく、0.10mm以上とすることがさらに好ましく、0.30mm以上とすることが特に好ましい。前記下限値以上であれば、気密パッケージ100としたときの強度が向上する。
また、第1の実施形態において、気密パッケージ100の内部に搭載される素子18が光学素子である場合には、基体12の厚さD1は5.0mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。前記上限値以下であることにより、所望の波長領域の光の透過率を高め得る。
第2の実施形態において、平板部24の厚さD2は0.03mm以上とすることが好ましく、0.05mm以上とすることがより好ましく、0.10mm以上とすることがさらに好ましく、0.30mm以上とすることが特に好ましい。前記下限値以上であれば、気密パッケージ100としたときの強度が向上する。
また、第2の実施形態において、気密パッケージ100の内部に搭載される素子18が光学素子である場合には、平板部24の厚さD2は5.0mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。前記上限値以下であることにより、所望の波長領域の光の透過率を高め得る。
第2の実施形態において、周壁部26の高さHは特に限定されないが、例えば0.1mm以上2.0mm以下である。
第1の実施形態において、基体12の厚さD1は均一でなくてもよい。このような基体12を用いて、素子18として光学素子を用いて気密パッケージ100を作製する場合、光学素子から発せられる光の光路上にある部分の厚みが上記範囲にあることが好ましい。
第2の実施形態において、平板部24の厚さD2は均一でなくてもよい。このような基体12を用いて、素子18として光学素子を用いて気密パッケージ100を作製する場合、光学素子から発せられる光の光路上にある部分の厚みが上記範囲にあることが好ましい。
基体12の形状は特に限定されるものではない。例えば他方の面12bに凸部や凹部を有していてもよい。第1の実施形態においては、基体12の一方の面12aが凸部を有していてもよい。第2の実施形態においては、底面30が凸部を有していてもよい。
なお、第1の実施形態において、一方の面12aが凸部や凹部を有する場合であっても、一方の面12aのうち封着材料層14を配置する部分は平坦であることが好ましい。これにより、封着材料層14の形状のバラつきを抑制できる。以上より、一方の面12aのうち封着材料層14を配置する部分のRaは、1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。
基体12を作製する場合、無機材料を切断する工程を有することがある。その場合、レーザー光を用いて切断することが好ましい。レーザー光を用いて切断した場合、基体12が非常に小さくなった場合であっても加工できる。ただし、切断方法は限定されず、例えば、ダイシングソーやワイヤーソーを用いてもよい。これらの切断方法は切断対象である無機材料の厚さが1.0mm以上の場合に有効である。
基体12の表面には、反射防止膜を配置してもよい。反射防止膜を配置することで、気密パッケージ100に実装される素子18が光学素子である場合に、光学素子、もしくは外部からの光が基体12の表面で反射されることを抑制できる。反射防止膜としては特に限定されないが、例えば多層膜を用い得る。
多層膜は、アルミナ(酸化アルミニウム、Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化チタン(TiO)等から選択される1種類以上の材料の層である第1の層と、シリカ(酸化ケイ素、SiO)の層である第2の層とを交互に積層した膜とし得る。
多層膜は、上記第1の層と、上記第2の層とを1組としたとき、1組以上有することが好ましく、2組以上有することがより好ましい。前記下限値以上とすることで、基体12の表面で反射される光を抑制できる。多層膜は、上記第1の層と、上記第2の層との組を4組以下有することが好ましい。これにより、生産性の向上が見込まれる。
基体12が反射防止膜を有する場合、反射防止膜は気密パッケージ100としたときに外部に露出される側に配置されてもよく、外部に露出されない側に配置されてもよい。外部に露出される側、及び外部に露出されない側に配置する場合、両反射防止膜の構成は異なっていてもよいが、生産性等の観点から、同じ構成の反射防止膜とすることが好ましい。
基体12の材料としてガラスが用いられる場合、反射防止膜としての多層膜の最表面にはシリカを材料とした第2の層が位置することが好ましい。反射防止膜の表面が基体12の材料と類似の組成になり、耐久性の向上が期待できる。
(封着材料層)
本明細書において、封着材料層14とは、基体12に後述するガラスペーストを塗布した後に仮焼成した状態をいう。すなわち、封着材料層14は気密パッケージ100を作製する過程においてレーザー光を照射することにより加熱される前の状態である。本明細書において、気密パッケージ100を作製する過程において、封着材料層14にレーザー光を照射して加熱した後の状態を、封着層22という。
封着材料層14は粉末状のガラスを含む。本明細書において粉末状のガラスのことを、ガラスフリットともいう。封着材料層14の厚さは3.0μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることがより好ましい。回路基板16にセラミックス材料が用いられる場合、回路基板16は鋳物であるため、気密パッケージ用窓材10と接合する面を完全に平坦にすることは困難であることが多い。そこで、封着材料層14の厚さを前記下限値以上とすることで、回路基板16と気密パッケージ用窓材10との接合強度の向上が期待できる。
なお、本明細書において封着材料層14の厚さとは、本実施形態の気密パッケージ用窓材10の任意の位置での封着材料層14の厚さを意味している。従って、封着材料層14の最薄部においても、封着材料層14は前記下限値以上であることが好ましい。
封着材料層14の厚さの上限は特に限定されないが、例えば100μm以下である。
また、封着材料層14の厚さの平均値は3.0μm以上が好ましく、5.0μm以上がより好ましい。前記下限値以上とすることで、回路基板16の接合面に凹凸がある場合であっても、気密パッケージ100としたときに十分な気密性が得られる。
また、封着材料層14の厚さの平均値の上限は、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。封着材料層14の厚さの平均値が大きすぎると、封着後の残留応力が大きくなり、封着層22若しくは封着層22周辺でクラックが発生してしまうおそれがある。なお、本明細書において平均値とは、単純平均(算術平均や、相加平均と呼ばれる場合もある)の値を意味する。
封着材料層14の厚さの平均値は、封着材料層14について複数個所で測定することが好ましい。測定点の数は特に限定されないが、4点以上8点以下である。封着材料層14の厚さは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、型式VK-8510)で測定できる。
封着材料層14は、波長が808nmである光の透過率が10.0%未満であり、9.0%以下であることが好ましく、8.0%以下であることがより好ましい。前記範囲であれば、レーザー照射時に封着材料層14を透過したレーザー光が回路基板16に過度に入ることを抑制できる。これにより、回路基板16が過度に加熱されることを抑制され、素子18の熱劣化や、封着層22としたときのクラックを抑制できる。
封着材料層14は、波長が808nmである光の透過率が0.5%以上であり、1.0%以上であることが好ましく、2.0%以上であることがより好ましい。前記範囲であれば、封着材料層14が過度にレーザー光を吸収することがないため、封着材料層14の一部または全部が過度に加熱されることがない。そのため、封着層22としたときにクラックの発生を抑制できる。
封着材料層14の光の透過率は、一般的な透過率測定器によって測定できる。例えば透過率測定器(製品名:Lambda950、パーキンエルマー社)を用い得る。なお、封着材料層14の光の透過率とは、封着材料層14の厚み方向の光の透過率をさす。
封着材料層14に含まれるガラスは低融点ガラスであることが好ましい。低融点ガラスの場合、低温で軟化させ得るため、素子18の熱劣化を抑制できる。低融点ガラスとしては、例えば、Bi系ガラスや、SnO-P系ガラスおよびV-TeO系ガラスなどが挙げられる。また、低融点ガラスとして、Bi系ガラスや、SnO-P系ガラス及びV-TeO系ガラスの群から選ばれる2以上のガラスを混合して用いてもよい。
低融点ガラスの軟化点は500℃以下であることが好ましく、より好ましくは480℃以下、さらに好ましくは450℃以下である。低融点ガラスの軟化点の下限値は特に限定されないが、通常300℃以上であることが好ましい。
封着材料層14は、レーザー吸収物質と低膨張充填材とを含んでいてもよい。レーザー吸収物質は、封着材料層14の光の透過率を調整する成分である。レーザー吸収物質を含有させずに、ガラス成分で光の透過率を調整し得る。
Bi系ガラスは、Biが70~90質量%、ZnOが1~20質量%、及びBが2~12質量%であることが好ましい。Biはガラスの網目を形成する成分である。Biの含有量が70質量%以上であると低融点ガラスの軟化点が高くなるのを防ぎ、低温での封着が容易となる。Biの含有量が90質量%以下であるとガラス化しにくくなるのを防ぎ、熱膨張係数が高くなりすぎるのを抑制できる。
ZnOは熱膨張係数を下げる成分である。ZnOの含有量が1質量%以上であるとガラス化が困難になるのを抑制できる。ZnOの含有量が20質量%以下であると低融点ガラス成形時の安定性が向上し、失透が発生しにくくなる。
はガラスの骨格を形成してガラス化が可能となる範囲を広げる成分である。Bの含有量が2質量%以上であるとガラス化が困難となるのを抑制でき、12質量%以下であると軟化点が高くなりすぎるのを抑制し、低温での封着が容易となる。
上記した3成分で形成されるガラスはガラス転移点が低く、低温用の封着材料に適したものであるが、Al、CeO、SiO、AgO、MoO、Nb、Ta、Ga、Sb、LiO、NaO、KO、CsO、CaO、SrO、BaO、WO、P、SnO(xは1又は2である)等の任意成分を含有していてもよい。ただし、任意成分の含有量が多すぎるとガラスが不安定となって失透が発生したり、またガラス転移点や軟化点が上昇したりするおそれがあるため、任意成分の合計含有量は30質量%以下とすることが好ましい。この場合のガラス組成は基本成分と任意成分との合計量が通常100質量%となるように調整される。
SnO-P系ガラスは、SnOが20~68モル%、SnOが0.5~5モル%、及びPが20~40モル%(通常合計量を100モル%とする)であることが好ましい。
SnOはガラスを低融点化させるための成分である。SnOの含有量が20モル%以上であるとガラスの粘性を低減させて封着温度が高くなりすぎるのを抑制できる。また、68モル%以下とすることにより、ガラス化し易い。
SnOはガラスを安定化するための成分である。SnOの含有量が0.5モル%以上であると封着作業時に軟化溶融したガラス中にSnOが分離して析出するのを抑制し、流動性を担保して封着時の作業性を向上し得る。SnOの含有量が5モル%以下であると低融点ガラスの溶融中からのSnOの析出を抑制できる。
はガラス骨格を形成するための成分である。Pの含有量が20モル%以上であるとガラス化し易くなる。また、含有量が40モル%以下であると耐候性の悪化を抑制できる。
ここで、ガラスフリット中のSnO及びSnOの割合(モル%)は以下のようにして求め得る。まず、ガラスフリットを酸分解した後、ICP発光分光分析によりガラスフリット中に含有されているSn原子の総量を測定する。次に、Sn2+(SnO)は酸分解したものをヨウ素滴定法により求められるので、そこで求められたSn2+の量をSn原子の総量から減じてSn4+(SnO)を求める。
上記した3成分で形成されるガラスはガラス転移点が低く、低温用の封着材料に適したものであるが、SiO等のガラスの骨格を形成する成分やZnO、B、Al、WO、MoO、Nb、TiO、ZrO、LiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO等のガラスを安定化させる成分等を任意成分として含有していてもよい。ただし、任意成分の含有量が多すぎるとガラスが不安定となって失透が発生したり、またガラス転移点や軟化点が上昇したりするおそれがあるため、任意成分の合計含有量は30モル%以下とすることが好ましい。
-TeO系ガラスは、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、酸化物基準のモル%表示で、Vを10~50%、TeOを14~55%、ZnOを5~45%含有することが好ましい。
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスのネットワークを形成するとともに、低軟化成分として必須である。また、レーザー吸収成分としても有効である。一方、Vの含有量が多いと、耐水性が低下し、またガラス製造時にガラス安定性が低下してガラスが失透しやすくなるおそれがある。また、Vの含有量が少なすぎると、ガラス転移点が上昇し低温封着性が悪化するおそれがある。
TeOは、ガラス酸化物であり、ガラスネットワークを形成するとともに、低軟化成分として必須である。一方、TeOの含有量が多いと、熱膨張係数が大きくなる。また少なすぎると、ガラス転移点が上昇し低温封着性が悪化するおそれがあり、また封着焼成時に結晶化しやすくなる。
ZnOは、熱膨張係数を低下させる成分として必須である。一方、ZnOの含有量が多いと、ガラス製造時にガラス安定性が低下してガラスが失透しやすくなるおそれがある。また少なすぎると、熱膨張係数が大きくなる。
本実施形態のガラス組成物は、他の成分としてBi、BaO、Al、P、B、CaO、TiO、ZrO、CeO、La、CoO、CuO、MnO、MnO、Fe、MoO、Sb、WO、GeOなどを含有してもよい。
上記ガラスの製造方法は、特に限定されない。例えば、以下に示す方法で製造できる。まず、原料混合物を準備する。原料は、通常の酸化物系のガラスの製造に用いる原料であれば特に限定されず、酸化物や炭酸塩等を用い得る。得られるガラス組成物の組成が上記の範囲となるように原料の種類および割合を適宜調整して原料混合物とする。
次に、原料混合物を公知の方法で加熱して溶融物を得る。加熱溶融する温度(溶融温度)は、950~1150℃が好ましく、1000~1100℃がより好ましい。加熱溶融する時間は、30~90分が好ましい。
その後、溶融物を冷却し固化することにより、本発明のガラス組成物が得られる。冷却方法は特に限定されない。ロールアウトマシンやプレスマシンを使用してもよく、また、冷却液体への滴下等により急冷する方法をとることもできる。得られるガラス組成物は完全に非晶質である、すなわち結晶化度が0%であることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶化した部分を含んでいてもよい。
<ガラスフリット>
ガラスフリットの粒度は、たとえば0.1μm以上100μm以下である。本実施形態のガラスフリットの粒度が大きいと、ペースト化して塗布や乾燥した際に、沈降分離しやすく、更に、得られる封着層の厚みが増加するという問題もある。したがって、ガラスフリットの粒度は0.1~5.0μmの範囲にするのが好ましく、より好ましくは0.1~2.0μmである。
なお、本明細書においては、「粒度」は、累積粒度分布における体積基準の50%粒径(D50)を意味し、具体的には、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%を占めるときの粒径を意味する。
ガラスフリットの粒度は、粉砕の条件により調整できる。粉砕の方法としては、例えば、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、媒体撹拌ミル(ビーズミル)、ジョークラッシャー、ロールクラッシャーなどが挙げられる。
特に5.0μm以下といった細かい粒度にする場合は、湿式粉砕を用いるのがよい。湿式粉砕は水もしくはアルコールのような溶媒中でアルミナやジルコニアからなるメディアもしくはビーズミルを用いて粉砕するものである。ガラスフリットの粒度を調整するために、ガラス組成物の粉砕に加えて、必要に応じて篩等を用いて、分級を行ってもよい。
なお、ガラスフリットは、組成の異なる複数のガラスフリットを混合して作製してもよい。この場合、2種の組成の異なるガラスフリットからなってもよく、3種以上の組成の異なるガラスフリットからなってもよい。また、組成の異なる複数のガラスフリットを混合してガラスフリット混合物としてからペースト化してもよいし、組成の異なるガラスフリットを含む複数種のペーストを混合してもよい。
<ガラスペースト>
ガラスフリットは、有機ビヒクルと混合して、ペースト化して用いられる。本明細書において、ガラスフリットを含むペーストをガラスペーストという。ガラスペーストは低膨張充填材や、レーザー吸収物質を含んでいてもよい。本明細書において、ガラスフリットと、低膨張充填材と、レーザー吸収物質とを混合したものを「混合材料」という。ガラスペーストは、基体12に塗布され、乾燥、仮焼成されることで封着材料層14となる。以下、低膨張充填材、レーザー吸収物質、有機ビヒクルについて説明する。
低膨張充填材はガラス組成物より低い熱膨張係数を有し、概ね-15~45×10-7/℃程度の熱膨張係数を有する。低膨張充填材は、封着材料層14の熱膨張係数を低下させる目的で添加される。
低膨張充填材としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、珪酸ジルコニウム、コージェライト、リン酸ジルコニウム系化合物、ソーダライムガラス、および硼珪酸ガラスから選ばれる少なくとも1種が好ましい。リン酸ジルコニウム系化合物としては、例えば、(ZrO)、NaZr(PO、KZr(PO、Ca0.5Zr(PO、NbZr(PO、Zr(WO)(PO、これらの複合化合物等が挙げられる。
低膨張充填材の含有量は、混合材料の熱膨張係数が被封着材であるガラス基板の熱膨張係数に近づくように設定される。低膨張充填材の含有量は、混合材料の体積、即ち、ガラスフリットと、低膨張充填材と、レーザー吸収物質の体積の合計に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上がさらに好ましい。一方、低膨張充填材の含有量が多すぎると、封着材料の溶融時の流動性が不良となるため、低膨張充填材の含有量は、混合材料の体積に対して50体積%以下が好ましく、45体積%以下がより好ましく、40体積%以下がさらに好ましい。
レーザー吸収物質としては、特に限定されないが、例えば、Fe、Cr、Mn、Co、NiおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属または該金属を含む酸化物等の化合物(無機顔料)等が挙げられる。また、レーザー吸収物質はこれら以外の顔料でもよい。
レーザー吸収物質の含有量が少なすぎると、レーザー照射により封着材料を十分に溶融させることが困難になるおそれがある。したがって、レーザー吸収物質の含有量は、混合材料の体積に対して0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましく、3体積%以上がさらに好ましい。一方、レーザー吸収物質の含有量が多すぎると、封着材料の溶融時の流動性が不良となり、これにより接着強度が低減する。したがって、レーザー吸収物質の含有量は、混合材料の体積に対して20体積%以下が好ましく、18体積%以下がより好ましく、15体積%以下がさらに好ましい。
有機ビヒクルとしては、例えば、溶剤にバインダ成分である樹脂を溶解したものが用いられる。
有機ビヒクルとして、具体的には例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロース等の樹脂を、ターピネオール、テキサノール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものが挙げられる。
また、有機ビヒクルとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロオキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂を、メチルエチルケトン、ターピネオール、テキサノール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものが挙げられる。
また、有機ビヒクルとして、例えば、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリアルキレンカーボネートを、アセチルクエン酸トリエチル、プロピレングリコールジアセテート、コハク酸ジエチル、エチルカルビトールアセテート、トリアセチン、テキサノール、アジピン酸ジメチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルとトリエチレングリコールジメチルエーテルの混合物等の溶剤に溶解したものが挙げられる。
有機ビヒクルにおける樹脂と溶剤の割合は、特に制限されないが、有機ビヒクルの粘度がガラスペーストの粘度を調整できる粘度となるように選択される。有機ビヒクルにおける樹脂と溶剤の割合は、具体的には、樹脂:溶剤で示す質量比が、3:97~30:70程度が好ましい。
ガラスペーストにおける混合材料と有機ビヒクルの割合は、求められるガラスペーストの粘度に応じて適宜調整される。具体的には、混合材料:有機ビヒクルで示す質量比が、65:35~90:10程度が好ましい。ガラスペーストには、混合材料と有機ビヒクル以外に必要に応じて、かつ、本発明の目的に反しない限度において公知の添加剤を配合し得る。
ガラスペーストの調製は、攪拌翼を備えた回転式の混合機、ロールミル、ボールミル等を用いた公知の方法により行われる。
<気密パッケージ>
次に、本発明の気密パッケージについて説明する。
気密パッケージに搭載される素子18としては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、深紫外線LED(Light Emitting Diode)、LED、LD(Laser Diode)、CCD(Charge Coupled Device)、OELD、PDP、LCD等のFPD、OEL素子等の発光素子を使用した照明装置(OEL照明等)、あるいは色素増感型太陽電池のような太陽電池等が挙げられる。
回路基板16には、絶縁性基材としてセラミックス材料が用いられる。回路基板16の材料は特に限定されないが、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム、Al)や、窒化アルミニウム(AlN)、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等から選択される。また、絶縁性基材として石英やガラス材料を用いてもよい。石英には、石英ガラスや、SiOを90質量%以上含有したものが含まれる。ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラスおよび高屈折率ガラス(nd≧1.5)が挙げられる。
図6は、第1の実施形態の気密パッケージ用窓材10を用いて作製された、気密パッケージ100を示す。第1の実施形態の気密パッケージ用窓材10を用いて作製される場合、回路基板16は凹部32を有する。この場合、回路基板16の底面34に素子18が設けられる。封着材料層14が配置された基体12の一方の主面12aと、素子18が配置された底面34とは互いに対向するように配置されている。
図8は、第2の実施形態の気密パッケージ用窓材10を用いて作製された、気密パッケージ100を示す。第2の実施形態の気密パッケージ用窓材10を用いて作製される場合、回路基板16は例えば平板状である。この場合、回路基板16の一方の主面16aに素子18が設けられる。封着材料層14が配置された基体12の一方の主面12aと、素子18が配置された回路基板16の一方の主面16aとは互いに対向するように配置されている。
<気密パッケージの製造方法>
次に、上述した本発明の気密パッケージの製造方法の実施形態について説明する。図9A~図9Dは、第1の実施形態の気密パッケージ用窓材10を用いた気密パッケージ100の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
封着には上述したガラスペーストを用いる。ガラスペーストは、基体12の外周に沿って塗布された後、乾燥されて塗布層となる。塗布方法として、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、ディスペンス法等が挙げられる。乾燥は、溶剤を除去するために実施され、通常は120℃以上の温度で10分以上行われる。塗布層に溶剤が残留すると、その後の仮焼成でバインダ成分が十分に除去されないおそれがある。
塗布層は仮焼成が行われて封着材料層14とされる。仮焼成は、塗布層を封着材料に含まれるガラス組成物のガラス転移点以下の温度に加熱してバインダ成分を除去した後、封着材料に含まれるガラス組成物の軟化点以上の温度に加熱することにより行われる。
回路基板16には、気密パッケージ100の仕様に応じて、素子18が配置される。
次いで、封着材料層14が設けられた基体12と、素子18が設けられた回路基板16とを、封着材料層14が介在するように積層する(図9A、図9B)。
その後、気密パッケージ用窓材10を通して封着材料層14にレーザー光20を照射して焼成を実施する(図9C)。レーザー光20は、封着材料層14に沿って走査しながら照射される。封着材料層14の全周にわたってレーザー光20が照射されることで、基体12と回路基板16との間に封着層22が形成される。なお、レーザー光20は、回路基板16を通して封着材料層14に照射されてもよい。
レーザー光20の種類は、半導体レーザーが使用される。レーザー光20の照射条件は、封着材料層14の厚さ、線幅、厚さ方向の断面積等に応じて選択される。レーザー光20の出力は、2W~150Wが好ましい。レーザー光20の出力が2W以上であると、封着材料層14を十分に溶融し得る。レーザー光20の出力が150W以下であると、基体12や回路基板16にクラック等が発生しにくくなる。レーザー光20の出力は、5W~120Wがより好ましい。
このようにして、基体12と回路基板16とが封着層22によって接合され、素子18が気密封止された気密パッケージ100が製造される(図9D)。
以上、本発明の気密パッケージの実施形態の一例を挙げて説明したが、本発明の気密パッケージはこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
以下、本発明について実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。例1~6が実施例である。例7、例8は比較例である。
<ガラスフリットの製造>
(例1)
ガラス組成として、質量%で、Biを83.0%、Bを5.0%、ZnOを11.0%、Alを1.0%含有するように、原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1200℃で1時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスを水冷ローラーにより薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級してガラスフリットを得た。
更に、ガラスフリットを61.0体積%、低膨張充填材を26.0体積%、レーザー吸収物質を13.0体積%の割合で混合して、混合材料を作製した。ここで、ガラスフリットの平均粒径D50を1.0μm、低膨張充填材の平均粒径D50を0.9μm、レーザー吸収物質の平均粒径D50を0.8μmとした。なお、低膨張充填材はコージェライト粉末であり、レーザー吸収物質はFe-Al-MnO-CuO組成を有する。
次に、サイズが50mm×50mmの無アルカリガラスからなる基体(株式会社AGC製、製品名:AN100、厚さ0.5mm)の外周に沿って、上記混合材料を用いて額縁状の封着材料層を形成した。詳述すると、まず粘度が約100Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、上記混合材料、有機ビヒクル及び溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一に分散するまで混錬してペースト化し、ガラスペーストを得た。有機ビヒクルにはジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテルにエチルセルロース樹脂を溶解させたものを使用した。次に、基体の外周端縁から0.1mm離れた位置に、外周端縁に沿って、スクリーン印刷機により上記のガラスペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、500℃で60分間焼成(室温からの昇温速度10℃/分、室温までの降温速度10℃/分)することで、封着材料層を備える気密パッケージ用窓材を作製した。封着材料層の厚みは10μmになるようにスクリーン印刷の条件で調整をした。
(例2)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例3)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例4)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例5)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例6)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例7)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
(例8)
ガラスフリット、低膨張充填材、及びレーザー吸収物質を、表1の割合で混合材料を作製したこと以外は、例1と同様に行った。
例1~例8の封着材料層における、波長808nmの光の透過率を表1に示す。透過率は、透過率測定器(製品名:Lambda950、パーキンエルマー社)を用いて測定した。
Figure 2023090532000002
次に、気密パッケージ用窓材と、窒化アルミニウムからなる回路基板とを、封着材料層を介するように積層配置した。その後、押圧治具を用いて基体を押圧しながら、基体側から封着材料層に向けて、波長808nmの半導体レーザーを照射速度15mm/秒で照射して、封着材料層を軟化変形させることにより、基体と回路基板とを気密一体化して、気密パッケージを得た。
次に、得られた気密パッケージについて、クラックを評価した。詳述すると、封着層、封着層近傍の基体、及び封着層近傍の回路基板を顕微鏡観察し、封着層及び回路基板においてクラック、破損等が全く認められなかったものを「○」、封着層及び回路基板のいずれかでクラック、破損等が認められたものを「×」として評価した。
表1から分かるように、例1~例6は、封着材料層の波長808nmの光の透過率が所定範囲内であるため、クラック評価が良好であった。一方、例7、例8は、封着材料層の波長808nmの光の透過率が所定範囲外であるため、クラック評価が不良であった。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)無機材料からなる基体と、封着材料層とを有する気密パッケージ用窓材であって、前記封着材料層は、前記基体の一方の面上に、前記基体の外周に沿って配置され、波長808nmの光の透過率が0.5%以上10.0%未満であることを特徴とする気密パッケージ用窓材。
(2)前記封着材料層は低融点ガラスを含み、前記低融点ガラスはBi系ガラス、SnO-P系ガラス及びV-TeO系ガラスの群から選ばれる1または2以上のガラスを含む(1)に記載の気密パッケージ用窓材。
(3)前記低融点ガラスの軟化点は500℃以下である(2)に記載の気密パッケージ用窓材。
(4)前記基体は、平板状である(1)から(3)のいずれか1に記載の気密パッケージ用窓材。
(5)前記基体は、上面が閉塞しており、下面が開口している筒状部材である(1)から(3)のいずれか1に記載の気密パッケージ用窓材。
10:気密パッケージ用窓材、12:基体、14:封着材料層、16:回路基板、18:素子、20:レーザー光、22:封着層、24:平板部、26:周壁部、28:凹部、30:底面、32:凹部、34:底面、100:気密パッケージ。

Claims (5)

  1. 無機材料からなる基体と、封着材料層とを有する気密パッケージ用窓材であって、
    前記封着材料層は、前記基体の一方の面上に、前記基体の外周に沿って配置され、
    波長808nmの光の透過率が0.5%以上10.0%未満であることを特徴とする気密パッケージ用窓材。
  2. 前記封着材料層は低融点ガラスを含み、前記低融点ガラスはBi系ガラス、SnO-P系ガラス及びV-TeO系ガラスの群から選ばれる1または2以上のガラスを含む請求項1に記載の気密パッケージ用窓材。
  3. 前記低融点ガラスの軟化点は500℃以下である請求項2に記載の気密パッケージ用窓材。
  4. 前記基体は、平板状である請求項1~3のいずれか1項に記載の気密パッケージ用窓材。
  5. 前記基体は、上面が閉塞しており、下面が開口している筒状部材である請求項1~3のいずれか1項に記載の気密パッケージ用窓材。
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