JP2023090401A - リチウム吸着用造粒体の製造方法 - Google Patents

リチウム吸着用造粒体の製造方法 Download PDF

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聡 浅野
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伸也 松本
Shinya Matsumoto
陽平 工藤
Yohei Kudo
伸一 平郡
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Abstract

Figure 2023090401000001
【課題】吸着能力が高く、かつ造粒体がより堅牢で、形状の維持が容易であるリチウム吸着用造粒体の製造方法を提供する。
【解決手段】リチウム吸着用造粒体の製造方法は、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、この有機系バインダの硬化を促進するための硬化剤と、を混錬し混錬物を得る混錬工程と、混錬物を成型加工し、造粒体を得る造粒工程と、造粒体を90℃以上120℃以下で焼付けし、リチウム吸着用造粒体を得る焼付け工程と、を含む。この態様より、吸着能力が高く、かつ造粒体が堅牢で、その形状の維持が容易であるリチウム吸着用造粒体を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム吸着用造粒体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、リチウム吸着剤の前駆体を含む、リチウム吸着用造粒体の製造方法に関する。
非特許文献1では、かん水からのリチウム回収システムが開示されている。この文献では、リチウム吸着剤を用いてかん水からリチウムを吸着するとともに、吸着されたリチウムを脱着させ、高純度LiCOを生成するまでが開示されている。本文献には、リチウムの吸着をカラム法で行うとの記載がある。
また、特許文献1では、カラムで用いる成形体の製造方法が開示されている。この特許文献1では、リチウム吸着剤の前駆体と、アルミナもしくはシリカなどの無機系バインダと、から成形体を製造する方法、またはリチウム吸着剤の前駆体と、キチンもしくはポリ塩化ビニルの有機系バインダと、から成形体を製造する方法が開示されている。
国際公開第2011/058841号公報
湯 衛平、"かん水からのリチウム回収システム開発"、[online]、平成22年6月11日、公益財団法人かがわ産業支援財団、[平成30年11月22日]、インターネット(www.kagawa-isf.jp/rist/seika-happyou/21tang.pdf)
しかるに、特許文献1に記載の方法により製造された、無機系バインダを用いた成形体の場合、焼結が進むことによって比表面積が低下し、これによって吸着能力が低下するという問題がある。
また、特許文献1に記載の方法により製造された、有機系バインダを用いた成形体の場合、酸性液による溶離工程において有機系バインダが溶出するという問題がある。よって成形体の繰り返しの使用により、成形体が崩壊し、吸着剤が減少したり、生じた粉体によってカラムが閉塞したりするという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、吸着能力が高く、かつ造粒体がより堅牢で、形状の維持が容易であるリチウム吸着用造粒体の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明のリチウム吸着用造粒体の製造方法は、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、該有機系バインダの硬化を促進するための硬化剤と、を混錬し混錬物を得る混錬工程と、前記混錬物を成型加工し、造粒体を得る造粒工程と、前記造粒体を90℃以上120℃以下で焼付けし、リチウム吸着用造粒体を得る焼付け工程と、を含むことを特徴とする。
第2発明のリチウム吸着用造粒体の製造方法は、第1発明において、前記造粒体を10℃以上60℃以下で乾燥させる乾燥工程が、前記造粒工程の後であり、前記焼付け工程の前に設けられていることを特徴とする。
第3発明のリチウム吸着用造粒体の製造方法は、第1発明または第2発明において、前記有機系バインダが、共重合ポリエステルであることを特徴とする。
第4発明のリチウム吸着用造粒体の製造方法は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記硬化剤が、ポリイソシアネートであることを特徴とする。
第5発明のリチウム吸着用造粒体の製造方法は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前記有機系バインダは、前記リチウム吸着剤の前駆体の粉末の5重量%以上20重量%以下であることを特徴とする。
第1発明によれば、有機系バインダと、硬化剤とを含んで混錬する混錬工程と、焼付け工程において第1造粒体を焼付けして第2造粒体を得る焼付け工程と、を含むことにより、吸着能力が高く、かつ造粒体が堅牢で、その形状の維持が容易であるリチウム吸着用造粒体を得ることができる。
第2発明によれば、所定の温度で造粒体を乾燥させる乾燥工程が焼付け工程の前に設けられていることにより、造粒体内の水分が少ない状態で焼付け工程に付することができ、より造粒体が堅牢になる。
第3発明によれば、有機系バインダが共重合ポリエステルであることにより、酸性液に対する溶出を、より抑制することでき、造粒体がさらに堅牢になる。
第4発明によれば、硬化剤が、ポリイソシアネートであることにより、有機系バインダの接合力をさらに上げることができ、造粒体がさらに堅牢になる。
第5発明によれば、混錬される有機系バインダが、リチウム吸着剤の前駆体の粉末の5重量%以上20重量%以下であることにより、リチウム吸着剤の吸着能力を高い位置で維持することができる。
本発明の第1実施形態に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法のフロー図である。 本発明の第1実施形態に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法のフロー図である。 バインダによるリチウム吸着量の違いを表したグラフである。 造粒体の減少の推移を表したグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのリチウム吸着用造粒体の製造方法を例示するものであって、本発明はリチウム吸着用造粒体の製造方法を以下のものに特定しない。
本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、該有機系バインダの硬化を促進するための硬化剤と、を混錬し混錬物を得る混錬工程と、前記混錬物を成型加工し、造粒体を得る造粒工程と、前記造粒体を90℃以上120℃以下で焼付けし、リチウム吸着用造粒体を得る焼付け工程と、を含む。
リチウム吸着用造粒体の製造方法が、有機系バインダと、硬化剤とを含んで混錬する混錬工程と、焼付け工程において造粒体を焼付けしてリチウム吸着用造粒体を得る焼付け工程と、を含むことにより、吸着能力が高く、かつ造粒体の形状の維持が容易であるリチウム吸着用造粒体を得ることができる。
また、本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、前記造粒体を10℃以上40℃以下で乾燥させる乾燥工程が、前記造粒工程の後であり、前記焼付け工程の前に設けられていることが好ましい。これにより、造粒体内の水分が少ない状態で焼付け工程に付することができ、より造粒体が堅牢になる。
また、本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、前記有機系バインダが、共重合ポリエステルであることが好ましい。これにより、酸性液に対する溶出を、より抑制することでき、造粒体がさらに堅牢になる。
また、本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、前記硬化剤が、ポリイソシアネートであることが好ましい。これにより、有機系バインダの接合力をさらに上げることができ、造粒体がさらに堅牢になる。
また、本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、前記有機系バインダは、前記リチウム吸着剤の前駆体の粉末の5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。これにより、リチウム吸着剤の吸着能力を高い位置で維持することができる。
<第1実施形態>
(リチウム吸着剤の前駆体)
混錬工程では、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、この有機系バインダの硬化を促進するための硬化剤と、が混錬され、混錬物が得られる。この混錬工程で用いられるリチウム吸着剤の前駆体について説明する。なお、図1には、本発明の第1実施形態に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法のフロー図が示されている。リチウム吸着剤の前駆体の粉末は、混錬工程で用いられる。
リチウム吸着剤は、リチウムを含有する溶液からリチウムを選択的に吸着するものであれば特に限定されない。リチウム吸着剤としては、例えばマンガン酸リチウムから得られるH1.6Mn1.6、H1.33Mn1.67などが該当する。リチウム吸着剤は、リチウム吸着剤の前駆体であるLi1.6Mn1.6、Li1.33Mn1.67から数1、2のようにLiと水素を置換することにより得られる。
[数1]
Li1.6Mn1.6+1.6HCl→H1.6Mn1.6+1.6LiCl
[数2]
Li1.33Mn1.67+1.33HCl→H1.33Mn1.67+1.33LiCl
なお、リチウム吸着剤の前駆体がLi1.6Mn1.6、Li1.33Mn1.67などである場合、2価のマンガンを4価のマンガンにするために、リチウム吸着剤の前駆体の粉末を500℃前後で焼成することが好ましい。4価のマンガンは水に溶けにくいため、リチウム吸着用造粒体が付される溶離工程でのマンガンの溶出を抑制することができるからである。
(有機系バインダ)
有機系バインダは、混錬工程で用いられる。有機系バインダは、例えばポリエステルの一つである共重合ポリエステル、キチン、PVCなどが該当するが、共重合ポリエステルが好ましい。有機系バインダが共重合ポリエステルであることにより、酸性液に対する溶出を、より抑制することでき、造粒体がさらに堅牢になる。
(硬化剤)
硬化剤は、混錬工程で用いられる。硬化剤は、有機系バインダの硬化を促進するために用いられる。「硬化の促進」とは、例えば仕上がりをより硬くする、硬くするのを速めるなど、有機系バインダがバインダとしての効果をより大きくすることである。硬化剤は、様々なものがあるが、ポリイソシアネートが好ましい。さらにヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートが好ましい。硬化剤がポリイソシアネートであることにより、有機系バインダの接合力をさらに上げることができ、造粒体がさらに堅牢になる。
(混錬工程)
リチウム吸着剤から、リチウムを含むリチウム含有溶液を得る製造方法を、商業ベースで実現する場合、リチウム吸着剤を粒状にして所定の容器に収容し、その容器内に塩酸などの酸溶液を通液させる方法が最も適切である。この場合、リチウム吸着剤の前駆体を粒状にする必要がある。本発明は、リチウム吸着剤の前駆体からリチウム吸着用造粒体を得る製造方法に関する。
本実施形態に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法は、混錬工程を有する。この混錬工程では、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、硬化剤と、が混錬され、混錬物が得られる。混錬工程においては、リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、硬化剤と、が混錬されるが、その際に水などの液体が加えられることが好ましい。
混錬工程で用いられる有機系バインダの量は、リチウム吸着剤の前駆体の粉末の5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。5重量%より小さい場合、有機系バインダが少なすぎて接着しない。また20重量%よりも大きい場合、最終形態の造粒体に含まれるリチウム吸着剤の前駆体の割合が小さくなり、所定の吸着能力を得ることができない。有機系バインダの量が上記範囲であることにより、リチウム吸着剤の吸着能力を高い位置で維持することができる。また、硬化剤の量は、有機系バインダに対して好ましい量が決定されることが好ましい。
(造粒工程)
図1に示すように、造粒工程では、混錬工程で得られた混錬物が成型加工され、造粒体が得られる。造粒体の大きさは特に限定されないが、最終的に得られるリチウム吸着用造粒体の粒度が0.5mm以上1.5mm以下となるように、造粒体の粒度についても0.5mm以上1.5mm以下となることが好ましい。本実施形態に係る造粒体の粒度が特定範囲であることは、具体的には、JIS Z8801規格による各粒度に対応する目開きの篩を用いて確認できる。なお造粒体の全てが、この粒度である必要はなく、あらかじめ定められた割合であれば問題ない。例えば、その定められた割合は90%以上であることが好ましい。0.5mm以上の粒度である場合、本発明の造粒体を容器に充填して通水した場合に、造粒体が容器内で詰まりにくく、容器内で圧損が上昇することを防止できる。また、粒度が1.5mmより大きい場合はリチウムの吸着速度が遅くなり、吸着効率が悪くなるところ、粒度を1.5mm以下とすることで、吸着性能を高いものとすることができる。
造粒工程では、最初に押し出し加工を行い、押し出されたものを、例えば撹拌混合造粒、転動造粒、押し出し造粒、破砕造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒(スプレードライ)、圧縮造粒等により造粒体とする。押し出されたままの物であると、その形状に角があるため、造粒により角を取り除くことで、カラムに充填して使用する際に、損傷による破片の発生を抑えることができる。造粒体は、球形状とすることが好ましい。球形状とすることで、エッジが存在しないため、造粒体同士の接触による粉砕が抑制される。
リチウム吸着用造粒体の粒度が、0.5mm以上1.5mm以下であることにより、リチウム吸着用造粒体と、リチウム含有溶液に含まれるリチウムとの接触面積を、さらに増加させることができるとともに、カラムの閉塞を防止することができる。
(乾燥工程)
図1に示すように、本実施形態では、造粒工程で得られた造粒体を、10℃以上60℃以下であらかじめ定められた時間だけ乾燥させる。このように乾燥させることで、造粒体内の水分が少ない状態で焼付け工程に付することができ、より造粒体が堅牢になる。
乾燥工程の温度は、室温であることが好ましい。例えば20℃以上30℃以下であることがより好ましい。また、あらかじめ定められた時間は、例えば20時間以上30時間以下であることが好ましい。
(焼付け工程)
図1に示すように、焼結工程では、造粒工程で得られ、乾燥工程を経た造粒体が、焼付けされ、リチウム吸着用造粒体が得られる。造粒体は、例えば電気炉であらかじめ定められた温度を、あらかじめ定められた時間保持されることで焼付けされ、リチウム吸着用造粒体となる。この温度および時間は、用いられた有機系バインダ、および硬化剤により、最適な値が決定される。
温度は、90℃以上120℃以下が好ましく、100℃以上110℃以下がさらに好ましい。保持時間は、0.5時間以上2時間以下が好ましい。
(焼付け工程後、脱離工程前の処理)
上記リチウム吸着用造粒体の製造方法により製造されたリチウム吸着用造粒体は、その後のリチウム吸着剤の前駆体をリチウム吸着剤とする脱離工程前に、易溶性の2価のマンガンを酸洗浄で洗い流したり、6価および7価のマンガンをアルカリ洗浄で洗い流したりすることが好ましい。例えば酸洗浄は、1mol/Lの塩酸を、リチウム吸着剤の前駆体の15倍程度用いられて行われるのが好ましい。またアルカリ洗浄は、1mol/Lの水酸化リチウム溶液に1時間の間浸漬させるように行われるのが好ましい。この場合、水酸化リチウム溶液は、リチウム吸着剤の前駆体の6倍とすることが好ましい。また、アルカリ洗浄を終えた後は、純水洗浄を行い、乾燥させることが好ましい。
<第2実施形態>
図2には、本発明の第2実施形態に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法のフロー図を示す。第1実施形態との相違点は、造粒工程と焼付け工程の間に設けられていた乾燥工程が省略された点である。その他の点は、第1実施形態と同じであるので、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、造粒工程で得られた造粒体を、乾燥工程を経ずに焼付け工程に付する。この場合、造粒体の中の水分を少なくするように、混錬工程での材料が調整されたり、焼付け工程での温度、または時間が調整されたりする。
<実施例>
以下、本発明に係るリチウム吸着用造粒体の製造方法の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(混練工程)
リチウム吸着剤の前駆体であるマンガン酸リチウムLi1.6Mn1.6の粉末900gを混錬機に投入し、混錬機を回転させておいた。次に有機系バインダである水分散ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロナ-ルMD1500:共重合ポリエステル含有率30%)451gと、硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(旭化成製:デュラネートWM44-L70G:ブロックポリイソシアネート含有率60~70%)29gをそれぞれ秤量し混錬機に投入した。この場合、有機系バインダは、451gの30%で135.3gであり、マンガン酸リチウム粉末900gの15.03重量%である。上記混合粉末を混錬機で15~20分ほど回転させ、有機系バインダが全体に行き届き、少量の塊が出来る程度まで混合し混錬物を得た。
(造粒工程)
混練工程により得られた混錬物を成型機に投入して、直径約1mm、長さ1mmの円筒状の成形体を得た。そしてこの成形体を、回転中の転動造粒機に投入し3~10秒程度転動造粒(整粒)し、直径約1mmの造粒体を得た。
(乾燥工程)
造粒工程で得られた造粒体を、バットに敷き詰め常温下で1日程度自然乾燥させた。
(焼付け工程)
乾燥工程を経た造粒体を、電気炉にて90℃の温度で、0.5時間の加熱処理を行い、有機系バインダ等の硬化処理をし、リチウム吸着用造粒体を得た。
(脱離工程)
焼付け工程を経たリチウム吸着用造粒体をカラムに詰めて0.5mol/Lの塩酸で脱離した。脱離後、カラムに純水を通して洗浄し、残存する塩酸を除去した。
(吸着工程)
脱離工程を経た後、リチウム吸着用造粒体が詰められたカラムに、所定のリチウム濃度を有する塩湖かん水を通して、その塩湖かん水に含まれているLiをリチウム吸着用造粒体に含まれているリチウム吸着剤にLiを吸着させた。塩湖かん水を通した後、純水をカラムに通液して、残存する塩湖かん水を除去した。
(溶離工程)
吸着工程の後、リチウム吸着用造粒体が詰められたカラムに0.5mol/Lの塩酸を通液して、リチウム吸着剤に吸着されていたリチウムを溶離させた。図3には、溶離工程で溶離されたリチウム量のグラフを示す。図3の横軸は時間、縦軸はリチウム吸着剤の重量に対して得られたリチウムのモル量を示す。実施例1の結果は、四角で示している。
(繰り返し)
溶離工程を行った後、リチウム吸着用造粒体が詰められたカラムをそのまま使用して、吸着工程、および溶離工程を繰り返し行い、リチウム吸着用造粒体のうち、その形態を維持できなくなった割合を図4に示した。図4の横軸はサイクル数であり、縦軸はリチウム吸着用造粒体のうちその形態が維持できなくなったものの割合、すなわち造粒体減少率を示している。共重合ポリエステルを用いた実施例1の結果は四角で表している。
<比較例1>
(混練工程)
リチウム吸着剤の前駆体であるマンガン酸リチウムLi1.6Mn1.6の粉末800gと無機バインダであるアルミナ200gをそれぞれ秤量し、ビニル袋に入れて事前混合した。この混合粉末1000gを混練機に投入し、水を添加しながら混錬機を回転させた。数分間混錬機を回転させ、水分が全体に行き届くようにして混錬物を得た。
(造粒工程)
混錬工程により得られた混錬物を押出し成型機に投入して、孔から直径約1mm~3mmの円筒状の成形体を得た。そして成形されたペレットを長さ3mm~6mmにカットした。
(乾燥工程)
造粒工程で得られた成形体をバットに敷き詰め80℃以上の乾燥機にて1日程度乾燥させた。
(焼結工程)
乾燥工程を経た成形体を電気炉にて500℃、1.5hで焼結させて、焼結造粒体を得た。
(脱離工程)
焼結造粒体をカラムに詰めて1mol/Lの塩酸で脱離した。脱離後、カラムに純水を通して洗浄し、残存する塩酸を除去した。
(吸着工程)
脱離工程を経た後、焼結造粒体が詰められたカラムに、所定のリチウム濃度を有する塩湖かん水を通して、その塩湖かん水に含まれているLiをリチウム吸着用造粒体に含まれているリチウム吸着剤にLiを吸着させた。塩湖かん水を通した後、純水をカラムに通液して、残存する塩湖かん水を除去した。
(溶離工程)
吸着工程の後、焼結造粒体が詰められたカラムに1mol/Lの塩酸を通液して、リチウム吸着剤に吸着されていたリチウムを溶離させた。この溶離工程で溶離されたリチウム量を、図3に示す。比較例1の結果は、丸で示している。加えて、参考までにリチウム吸着剤の粉末の状態でリチウムを吸着した場合を三角で示す。
図3から、有機系バインダである共重合ポリエステルを使用したリチウム吸着用造粒体の吸着能力はリチウム吸着材の前駆体1gに対して約2mmol前後の吸着量があり、粉末の状態よりも悪化するものの、無機系バインダであるアルミナを使用した焼結造粒体は、その吸着量が約1.3mmol/gであり、有機系バインダを用いたリチウム吸着用造粒体は、無機系バインダよりも吸着力が高いことがわかる。
(繰り返し)
溶離工程を行った後、焼結造粒体が詰められたカラムをそのまま使用して、吸着工程、および溶離工程を繰り返し行い、焼結造粒体のうち、その形態を維持できなくなった割合を図4に示した。アルミナを用いた比較例1の結果は丸で表している。
図4に示すように、無機系のアルミナバインダにより成形された焼結造粒体は、50サイクルを超えた辺りから徐々に崩壊が進み60サイクルを超えて崩壊が急激に進行するに至った。一方共重合ポリエステルを用いたリチウム吸着用造粒体は、300サイクルに至っても減少率が10%で収まっており、崩壊の進行はほとんど見られないことが明らかになった。

Claims (5)

  1. リチウム吸着剤の前駆体の粉末と、有機系バインダと、該有機系バインダの硬化を促進するための硬化剤と、を混錬し混錬物を得る混錬工程と、
    前記混錬物を成型加工し、造粒体を得る造粒工程と、
    前記造粒体を90℃以上120℃以下で焼付けし、リチウム吸着用造粒体を得る焼付け工程と、を含む、
    ことを特徴とするリチウム吸着用造粒体の製造方法。
  2. 前記造粒体を10℃以上60℃以下で乾燥させる乾燥工程が、
    前記造粒工程の後であり、前記焼付け工程の前に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム吸着用造粒体の製造方法。
  3. 前記有機系バインダが、
    共重合ポリエステルである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム吸着用造粒体の製造方法。
  4. 前記硬化剤が、ポリイソシアネートである、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のリチウム吸着用造粒体の製造方法。
  5. 前記有機系バインダは、前記リチウム吸着剤の前駆体の粉末の5重量%以上20重量%以下である、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリチウム吸着用造粒体の製造方法。
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