JP2023089995A - 混合水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩水を供給する流出口を詰まりにくくできる技術を提供する。【解決手段】混合水生成装置(電解水生成部19)は、混合槽(電解槽20)と、水供給部30と、塩水供給部32とを備える。混合槽は、水と塩水の混合水を貯める。水供給部30は、混合槽に水を供給する。塩水供給部32は、塩水が流れ出る流出口27を有し、混合槽に塩水を供給する。そして、流出口27は、混合槽の満水時に混合水に浸かる位置に配置されている。【選択図】図4
Description
本開示は、水と塩水を混合するための混合水生成装置に関する。
空間除菌脱臭装置は、対象とする領域を殺菌するために、薬剤などの微細水粒子、例えば次亜塩素酸水を散布する。例えば、空間除菌脱臭装置の液体微細化室は、貯水部に貯留された次亜塩素酸水溶液から水滴を放出する。水滴は、送風部による通風によって、空気風路を通って吹出口から対象領域に放出される(例えば、特許文献1参照)。
水と高濃度の塩水を混合して低濃度の塩水を生成し、その塩水を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する構成が考えられる。高濃度の塩水は、チューブを通って供給される。しかしながら、1回の次亜塩素酸水の生成のために塩水を供給する時間は一般的に数秒程度であるため、塩水を供給していない間、空気中に位置するチューブの先端の流出口付近で高濃度の塩水から水分が蒸発し、塩分の濃縮が起こりやすくなる。そのため、固化した塩により流出口が詰まる可能性がある。
本開示は、こうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、塩水を供給する流出口を詰まりにくくできる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の混合水生成装置は、水と塩水の混合水を貯める混合槽と、混合槽に水を供給する水供給部と、塩水が流れ出る流出口を有し、混合槽に塩水を供給する塩水供給部と、を備える。流出口は、混合槽の満水時に混合水に浸かる位置に配置されている。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、塩水を供給する流出口を詰まりにくくできる。
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、混合水生成装置に関する。混合水生成装置は、室内に対して、湿度を調節するとともに、空気浄化を行う成分(以下、「空気浄化成分」という)を含む水を噴霧する空間浄化システムに搭載される。空気浄化成分には、例えば、殺菌性あるいは消臭性を備えた次亜塩素酸が用いられる。これにより、室内の殺菌あるいは消臭を行う。
混合水生成装置では、水と高濃度の塩水のそれぞれを個別に電解槽に供給し、これらを電解槽で混合して混合水である低濃度の塩水を生成し、生成された塩水を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する。しかし、既述のように、高濃度の塩水を電解槽に供給するためのチューブの流出口が詰まる可能性がある。
そこで、実施例では、電解槽の満水時に高濃度の塩水の流出口が混合水に浸かるように構成する。これにより、流出口の内部の高濃度の塩水から水分が蒸発しにくくなる。よって、固化した塩による流出口の詰まりを抑制できる。
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
図1は、実施例の空間浄化システム100の構成を示す。空間浄化システム100は、屋内空間62(「室内」ともいう)の空気を循環させる際に、屋内空間62からの空気(RA:Return Air)に対して微細化された水とともに空気浄化成分を含ませる装置である。空間浄化システム100は、内部を流通した空気(SA:Supply Air)を屋内空間62に供給することで、屋内空間62の殺菌と消臭を行う。ここでは、空気浄化成分として次亜塩素酸が用いられ、空気浄化成分を含む水は次亜塩素酸水である。
図1に示すように、空間浄化システム100は、空間浄化装置10、操作装置70、ダクト64a、ダクト64c、低反応性ダクト67a、及び低反応性ダクト67cを備える。本実施例では、低反応性ダクト67a及び低反応性ダクト67cを総称してダクト67と呼ぶ。
図2は、図1の空間浄化装置10の構成を示す。図2に示すように、空間浄化装置10は、筐体1、浄化風路5、微細化部14、電解水生成部19、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ11、浄化搬送ファン12、温湿度センサ40、及び制御部41を含む。
筐体1は、図2に示すように、空間浄化装置10の外郭を形成する。筐体1は、吸込口2a、吸込口2c、吹出口3a、及び吹出口3cを有する。本実施例では、吸込口2a及び吸込口2cを総称して吸込口2と呼び、吹出口3a及び吹出口3cを総称して吹出口3と呼ぶ。
図2に示すように、吸込口2a及び吸込口2cは、筐体1の一方の側面に配置される。吹出口3a及び吹出口3cは、筐体1の他方の側面(筐体1の一方の側面と対向する側面)に配置される。
吸込口2a及び吸込口2cは、屋内空間62から取得された筐体1外の空気8a及び空気8cをそれぞれ空間浄化装置10に取り入れる取入口である。屋内空間62から取得された空気8a及び空気8cは、屋内空間62の温度調節されていない非温調空気または屋内空間62に別途設置された空調機等により温度調節された温調空気とも呼べる。
図1に示すように、吸込口2aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65aとの間でダクト64aを介して連通されている。吸込口2cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65cとの間でダクト64cを介して連通されている。これにより、吸込口2aは、屋内吸込口65aから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8aを吸い込むことができる。吸込口2cは、屋内吸込口65cから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8cを吸い込むことができる。
なお、屋内吸込口65cを設けなくてもよく、この場合、ダクト64aの一端を屋内吸込口65aに接続し、ダクト64aの他端側を分岐させて吸込口2aと吸込口2cとに接続してもよい。
吹出口3aは、空間浄化装置10内を流通した空気9a(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9aは、微細化された次亜塩素酸水を含む。吹出口3cは、空間浄化装置10内を流通した空気9c(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9cもまた、微細化された次亜塩素酸水を含む。
図1に示すように、吹出口3aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68aとの間で低反応性ダクト67aを介して連通されている。吹出口3cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68cとの間で低反応性ダクト67cを介して連通されている。これにより、吹出口3aは、屋内吹出口68aから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9aを吹き出すことができる。吹出口3cは、屋内吹出口68cから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9cを吹き出すことができる。
なお、吹出口3aと吹出口3cとは互いに区別されるものではなく、例えば、吹出口3cを設けなくてもよい。この場合、低反応性ダクト67aの一端を吹出口3aに接続し、低反応性ダクト67aの他端側を分岐させて屋内吹出口68aと屋内吹出口68cとに接続してもよい。
低反応性ダクト67a及び低反応性ダクト67cは、いずれも浄化風路5の下流に接続された、次亜塩素酸水との反応に乏しい低反応性素材を内壁に用いたダクトである。低反応性素材は、例えば、ポリオレフィン系素材である。ポリオレフィン系素材は、例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの少なくとも一方を含む。
図2に示すように、浄化風路5は、筐体1内に設けられ、吸込口2(吸込口2a及び吸込口2c)と、吹出口3(吹出口3a及び吹出口3c)とを連通する。
浄化風路5は、空気8a及び空気8cの両方が流通する風路である。浄化風路5は、空気8aと空気8cとが混合して流通する風路であるとも言える。浄化風路5には、その風路内にHEPAフィルタ11、電解水生成部19、浄化搬送ファン12、及び微細化部14が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。より詳細には、浄化搬送ファン12の上流には、浄化搬送ファン12の吸込口(図示せず)に隣接する位置に電解水生成部19が配置されている。浄化搬送ファン12の下流には、浄化搬送ファン12の排出口(図示せず)に隣接する位置に微細化部14が配置されている。また、浄化風路5におけるHEPAフィルタ11と浄化搬送ファン12との間に温湿度センサ40が設けられている。温湿度センサ40は、HEPAフィルタ11を流通した空気の温度及び湿度を計測し、計測値を制御部41に出力する。
HEPAフィルタ11は、エアフィルタであり、空間浄化装置10に流入された空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。HEPAフィルタ11は、吸込口2a及び吸込口2cに隣接して配置される。
浄化搬送ファン12は、HEPAフィルタ11を通過した空気を浄化風路5に沿って微細化部14に搬送するための装置である。浄化搬送ファン12は、浄化風路5の空気の流れを生成する。浄化搬送ファン12は、吸込口2から吸い込んだ空気を微細化部14及び吹出口3を順次介してダクト67へ送風する。より詳細には、浄化搬送ファン12は、両吸込型の遠心ファンで構成される。遠心ファンは、公知の構成を採用することができる。浄化搬送ファン12は、微細化部14に向かって左右に設けられた吸込口(図示せず)のそれぞれから空気を吸い込み、排出口(図示せず)から微細化部14に空気を搬送する。なお、浄化搬送ファン12の左側に設けられた吸込口(図示せず)の上流側には、電解水生成部19が配置されている。
浄化搬送ファン12では、制御部41からの出力信号に応じて風量、つまり回転数が制御される。浄化搬送ファン12が運転動作することにより、微細化部14に対して風が送られる。
微細化部14は、浄化風路5内部に取り入れた空気を加湿するためのユニットであり、加湿の際に、浄化搬送ファン12から導入された空気に対して微細化された水とともに次亜塩素酸を含ませる。微細化部14は、電解水生成部19が生成した次亜塩素酸水を水で希釈し、希釈した次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化して空気中に放出する。微細化された次亜塩素酸水は、液体成分が蒸発した状態で吹出口3から筐体1外へ放出される。
微細化部14は、図示しない遠心破砕ユニット及び混合槽を有する。微細化部14は、図示しない加湿モータを用いて遠心破砕ユニットを回転させ、混合槽に貯水されている次亜塩素酸水(電解水生成部19が生成した次亜塩素酸水と、図示しない水供給部から供給した水とを混合槽内で混合して希釈した次亜塩素酸水)を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、通過する空気に水分を含ませる遠心破砕式の構成をとる。
微細化部14は、制御部41からの出力信号に応じて加湿モータの回転数を変化させ、加湿能力(加湿量)を調整する。加湿量は、空気に対して空気浄化成分を付加する付加量ともいえる。制御部41は、温湿度センサ72で検出された湿度計測値に基づいて、遠心破砕ユニットの回転数を制御する。
電解水生成部19は、浄化風路5における浄化搬送ファン12の上流に配置されている。電解水生成部19は、電解槽20及び塩水タンク23を有する。電解水生成部19は、塩水タンク23に貯留する塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電解槽20において所定の濃度に希釈して電気分解を行い、予め定められた濃度の次亜塩素酸水を生成する。電解水生成部19は、次亜塩素酸水生成部または混合水生成装置とも呼べる。
図3~図6を参照して、電解水生成部19について詳細に説明する。図3は、図2の電解水生成部19の構成を概略的に示す上面図である。図4は、図3の電解水生成部19のA-A線に沿った縦断面図である。
図5は、図2の電解槽20の内部の構成を示す斜視図である。図6は、図5とは異なる角度から見た、図2の電解槽20の内部の構成を示す斜視図である。図5及び図6では、図3のB-B線に沿って電解槽20を切断した状態を示す。
説明の便宜上、図示のように、電解水生成部19の長手方向に沿った水平な方向をX方向、X方向に直交する水平な方向をY方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標系を定める。
電解水生成部19は、電解槽20、電極21、水供給部30、塩水供給部32、止水部34、及び電解水搬送部28を含む。塩水供給部22は、塩水タンク23、塩水搬送ポンプ24、逆止弁25、及び流路26を有する。
図面を明瞭にするため、図3では、塩水タンク23と塩水搬送ポンプ24の図示を省略し、図4~図6では、電極21の図示を省略し、図5及び図6では、水供給部30と塩水供給部32の図示を省略している。
図3~図6に示す電解槽20は、電気分解の対象である水と塩水の混合水を貯める。電解槽20は、混合槽とも呼べる。混合水は、予め定められた濃度に希釈された塩水である。電解槽20は、電解領域36及び水供給路38を有する。
電解領域36は、電気分解を行うための板状の電極21(図3参照)が配置される領域である。電解槽20における電解領域36の底面50は、X方向に沿って上流側から下流側に向かって下り傾斜している。
図3~図6に示すように、電解領域36の上流側に水供給路38から水が供給される。水供給路38から水が供給される位置より下流側において、電解領域36の底面50にリブ51が設けられる。リブ51は、電極21のY方向の両側に1つずつ配置されている。リブ51は、平面視で略長方形の板であり、板面はY方向に沿っており、底面50からZ方向に立ち上がる。
図4及び図5に示すように、電解槽20の下流側の内側面52と底面50との間に曲面53が設けられる。曲面53は、凹曲面状に形成されている。
図3~図6に示すように、水供給路38は、電解領域36の上流側にY方向に隣接して配置され、電解領域36に向かって水が流れる。水供給路38は、第1傾斜面54及び第2傾斜面55を含む。図6では、第1傾斜面54及び第2傾斜面55に斜線を付けて描いている。第1傾斜面54は、X方向に沿って下り傾斜する。第2傾斜面55は、第1傾斜面54の下流側に配置され、Y方向に沿って下り傾斜し、電解領域36の底面50に接続される。
図3及び図4に示す水供給部30は、制御部41からの出力信号に応じて、空間浄化装置10の外部の水道管から供給される水を水供給路38に供給する。水供給部30は、第1傾斜面54の上方に配置され、水供給部30の流出口30aから第1傾斜面54上に水を流出させる。
図3及び図4に示す塩水供給部32は、制御部41からの出力信号に応じて、水供給部30が水を供給しているとき、水供給部30から水が供給される位置より下流側において水供給路38に塩水を供給する。1回の塩水の供給量は、実験あるいはシミュレーションにより適宜定めることができ、例えば、1回の水の供給量の1/1000前後であってよい。
図4に示す塩水タンク23は、高濃度の塩水(塩化ナトリウム水溶液)を貯めている。この塩水は、例えば、飽和食塩水である。塩水タンク23は、塩水搬送ポンプ24を介して管状の流路26に接続されている。逆止弁25は、流路26の流出口27より上流側において流路26に配置されている。制御部41からの出力信号に応じて塩水搬送ポンプ24が搬送動作を開始すると、塩水タンク23の塩水は、塩水搬送ポンプ24、逆止弁25、及び流路26を通り、流路26の流出口27から第2傾斜面55上に流れ出る。なお、逆止弁25と流出口27との間に位置する流路26の部分は、塩水供給部32の「ノズル」とも言う。
図4に示す流出口27は、第2傾斜面55の上方であって、電解槽20の満水時に混合水に浸かる位置に配置されている。流出口27は、電解槽20の満水時の水位L1より下方に位置する。流出口27は、通電により混合水の電気分解を行っている期間中も混合水あるいは電気分解で生成した次亜塩素酸水に浸かった状態を維持している。これにより、流出口27の内部の塩水からの水分の蒸発を抑制でき、固化した塩による流出口27の詰まりを抑制できる。
図4に示す逆止弁25は、混合水に浸からない位置に配置されている。逆止弁25は、電解槽20の満水時の水位L1より上方に配置されている。逆止弁25は、電解槽20の筐体の外に配置されてもよい。これにより、逆止弁25と流路26との接続部の隙間を介して混合水が流路26内に逆流することを防止できる。
塩水搬送ポンプ24が搬送動作を停止すると、逆止弁25が動作し、流出口27から塩水搬送ポンプ24側に混合水や塩水が逆流することを防止できる。
図3~図6に示す止水部34は、水位センサであり、電解槽20内の水位が満水時の水位L1に達したことを検出し、検出結果を制御部41に供給する。制御部41は、水位L1に達したことが検出された場合、水供給部30に水の供給を停止させる。
図3~図6に示すように、第1傾斜面54に供給された水は矢印A1の方向に流れて第2傾斜面55に達し、第2傾斜面55を矢印A2の方向に流れて電解領域36に達する。
水供給部30が水を供給しているとき、水供給部30から水が供給される位置より下流側において水供給路38に塩水を供給するので、水供給路38から電解領域36に水が流れる勢いで、水と塩水を効果的に攪拌できる。水を供給している間に塩水を供給することで、電解領域36において下流側の塩分濃度が上流側の塩分濃度より高くなることを抑制できる。よって、電解領域36内の混合水の濃度の均一性を高めることができる。
一方、水供給路38に対して塩水を先に供給してから水を供給する比較例を想定すると、水の流れにより電解領域36の下流側に塩水の大部分が流れてしまい、その後に供給された水によっては攪拌され難いため、電解領域36の下流側の濃度が高く、上流側の濃度が低くなりやすい。
ここで、第2傾斜面55から電解領域36に達した水と塩水が傾斜した底面50に沿って下流側に流れる際、リブ51により流れが一旦遮られることで、水と塩水の混合水を攪拌できる。特に、水より重い塩水は底面50に沿って流れやすいため、リブ51により塩水の流れが遮られやすく、塩水が様々な方向に流れるため、効率的に攪拌できる。リブ51により乱された水と塩水の流れる向きの一例を図3に矢印A3で示す。このことによっても混合水の濃度の均一性を高めることができる。
また、電解槽20の下流側の内側面52と底面50との間に設けられた曲面53により、電解槽20の下流側に到達した塩水が曲面53に沿って上方に移動し、上流側に戻されるため、混合水を下流側においても攪拌できる。このことによっても混合水の濃度の均一性を高めることができる。
このようにして、電解槽20で水と塩水が混合される。塩水と水との混合水は、飽和食塩水より低濃度の塩水とも呼べる。
図3に示すように、電極21は、電解槽20内に配置され、制御部41からの出力信号に応じて、例えば電解槽20の満水が検出された場合、通電により混合水の電気分解を行い、予め定められた濃度の次亜塩素酸水である電解水を生成する。
つまり、電解槽20は、電解質として塩化物水溶液(例えば、塩水)を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する。ここで、電解質は、次亜塩素酸水を生成可能な電解質であり、少量でも塩化物イオンを含んで入れば特に制限はなく、例えば、溶質として塩化ナトリウム、塩化カルシウム、又は塩化マグネシウム等を溶解した水溶液が挙げられる。また、塩酸でも問題ない。本実施例では、電解質として、水に対して塩化ナトリウムを加えた塩化物水溶液(塩水)を使用している。
電解水搬送部28は、制御部41からの出力信号に応じて、電解槽20から微細化部14の混合槽に電気分解後の混合水である電解水、即ち次亜塩素酸水を供給する。電解水搬送部28は、次亜塩素酸水供給部または搬送部とも呼べる。電解水搬送部28は、電解槽20の概ね全量の次亜塩素酸水を送水管29に送り出す。送水管29は、電解水搬送部28と微細化部14との間に接続され、次亜塩素酸水を微細化部14に向けて送水する。
水供給部30が水の供給を開始してから停止するまでの給水時間は、塩水供給部32が塩水の供給を開始してから停止するまでの塩水供給時間より長い。水供給部30が水の供給を開始したタイミングから所定の第1時間後に、塩水供給部32は塩水の供給を開始する。第1時間は、混合水の濃度の均一性が高まるように実験あるいはシミュレーションにより適宜定めることができ、例えば、数秒であってよい。塩水供給部32が塩水の供給を停止した後に、水供給部30は水の供給を停止する。
塩水供給部32が塩水の供給を開始してから塩水供給時間の半分が経過したタイミングが、水供給部30が水の供給を開始してから給水時間の半分が経過したタイミングより早くなるように、第1時間が定められている。一例として、給水時間は20秒前後であり、塩水供給時間は6秒であり、第1時間は5秒であってもよい。給水時間及び塩水供給時間も、電解槽20の容量及び水道圧などに応じて、実験あるいはシミュレーションにより適宜定めることができる。
水の供給中に塩水の供給が遅すぎると水と塩水の混ざりが悪くなりやすいが、以上のように第1時間を設定することで、水道圧などの変化により給水時間の長さがばらついても塩水の供給が遅くなりすぎない。そのため、電解領域36内の混合水の濃度の均一性を高めることができる。
水供給部30は、電解槽20が満水になった場合に水の供給を停止し、電解水搬送部28により電解水が微細化部14に搬送されて電解槽20が渇水した場合に、所定の第2時間が経過すると水の供給を開始する。第2時間は、実験あるいはシミュレーションにより適宜定めることができ、例えば、数十秒であってよい。このように、大部分の時間で流路26の流出口27が混合水または次亜塩素酸水に浸かっている。そのため、流出口27の内部の塩水からの水分の蒸発をより確実に抑制できる。
ここで、図示しないが、微細化部14には、別の水供給部も接続されている。別の水供給部は、制御部41からの出力信号に応じて、微細化部14の混合槽に水を供給する。
このようにして、微細化部14の混合槽で次亜塩素酸水と水とが混合される。次亜塩素酸水と水との混合水も次亜塩素酸水と呼べる。微細化部14は、混合槽に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を遠心破砕することによって、次亜塩素酸水を屋内空間62に対して噴霧する。
屋内空間62の壁面には、図1に示すように、操作装置70が設置される。操作装置70は、ユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、ユーザから湿度設定値、及び運転モードの設定を受けつける。運転モードは、脱臭モード、殺菌モード、通常モードなどの空気中の次亜塩素酸量を指定するモードを含む。操作装置70には、温湿度センサ72が含まれており、温湿度センサ72は、屋内空間62の空気の温度及び湿度を計測する。温湿度センサ72における温度及び湿度の計測には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
操作装置70は、制御部41に対して有線あるいは無線で接続されており、湿度設定値、湿度計測値、及び運転モード情報を制御部41に送信する。これらの情報は、すべてまとめて送信されてもよく、任意の2つ以上をまとめて送信されてもよく、それぞれを送信されてもよい。
制御部41は、浄化搬送ファン12、電解水生成部19、及び微細化部14を制御する。制御部41は、微細化部14への次亜塩素酸水の供給量と水の供給量とを制御することで、微細化部14の混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。より詳細には、制御部41は、要求される加湿量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。例えば、制御部41は、少量の加湿量の要求となる場合、混合水における次亜塩素酸の濃度を高くする。これにより、要求される次亜塩素酸量を満たした上で、湿度を適正に保つことができる。一方、多量の加湿量の要求がある場合、混合水における次亜塩素酸の濃度が高いと、多量の水分と共に多量の次亜塩素酸が屋内空間62に供給されてしまい、屋内空間62の次亜塩素酸濃度が上昇してしまう。これにより、屋内空間62で次亜塩素酸の臭いが強くなり、量によっては利用者にとって不快になる可能性もある。このため、このような要求される加湿量が多い場合には、混合水における次亜塩素酸の濃度を低くすることで、屋内空間62に送り込む加湿量を多くしつつ、次亜塩素酸量を少なくできる。よって、制御部41は、放出される次亜塩素酸量と湿度を同時にコントロールできる。
なお、制御部41は、要求される次亜塩素酸量に基づいて微細化部14の混合水における次亜塩素酸の濃度を制御してもよい。例えば、制御部41は、要求される加湿量が少ない場合、要求される次亜塩素量が多くなるほど混合水における次亜塩素酸の濃度を高くする。一方、制御部41は、要求される加湿量が多い場合、要求される次亜塩素量が多くなるほど混合水における次亜塩素酸の濃度を低くする。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
本実施例によれば、電解槽20の満水時に塩水供給部32の流出口27は、混合水に浸かっているので、流出口27の内部の塩水から水分が蒸発しにくくできる。よって、固化した塩が流出口27を詰まらせることを抑制できる。
また、水供給部30が水を供給しているとき、水供給部30から水が供給される位置より下流側において水供給路38に塩水を供給するので、水供給路38から電解領域36に水が流れる勢いで、水と塩水を攪拌でき、電解領域36において下流側の塩分濃度が上流側の塩分濃度より高くなることを抑制できる。よって、電解領域36内の混合水の濃度の均一性を高めることができる。また、比較的短時間で濃度の均一性を高めることもできる。混合水の濃度の均一性が高まることで、電極21の広範囲で均一に電気分解でき、電解効率を高めることができ、次亜塩素酸水の濃度の均一性を高めることもできる。さらに、混合水の濃度の均一性が高まることで、混合水の導電率が低下するため、電気分解時の電極21に印加する電圧を下げることができ、電気分解に要する消費電力を低減できる。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、実施例では、電解槽20で水と高濃度の塩水を混合したが、電解槽20とは別の混合槽で水と高濃度の塩水を混合し、混合水である低濃度の塩水を生成してもよい。この変形例では、混合槽には電解水搬送部28と同様の機能の搬送部が設けられ、電解槽20には、搬送部の搬送により混合槽から混合水が供給され、電解槽20は、供給された混合水を電気分解する。水供給部30は、混合槽に水を供給し、塩水供給部32は混合槽に塩水を供給する。流出口27は、混合槽の満水時に混合水に浸かる位置に配置されている。逆止弁25の配置、混合槽の水位と水の供給タイミングとの関係も実施例と同様である。この変形例でも、固化した塩が流出口27を詰まらせることを抑制できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の混合水生成装置(19)は、水と塩水の混合水を貯める混合槽(20)と、混合槽(20)に水を供給する水供給部(30)と、塩水が流れ出る流出口(27)を有し、混合槽(20)に塩水を供給する塩水供給部(32)と、を備える。流出口(27)は、混合槽(20)の満水時に混合水に浸かる位置に配置されている。
塩水供給部(32)は、流出口(27)を有し、塩水が流れる流路(26)と、流出口(27)より上流側において流路(26)に配置された逆止弁(25)と、を有してもよい。
逆止弁(25)は、混合水に浸からない位置に配置されていてもよい。逆止弁(25)は、混合槽(20)の筐体の外に配置されていてもよい。
混合水生成装置(19)は、混合槽(20)内の混合水を混合槽(20)の外へ搬送する搬送部(28)を備えてもよい。水供給部(30)は、混合槽(20)が満水になった場合に水の供給を停止し、搬送部(28)により混合水が搬送されて混合槽(20)が渇水した場合に水の供給を開始してもよい。
混合槽(20)は、混合水を電気分解するための電極(21)を有する電解槽であってもよい。
混合水生成装置(19)は、混合槽(20)から混合水が供給され、混合水を電気分解するための電極を有する電解槽を備えてもよい。
本開示に係る混合水生成装置は、水と塩水を混合するための装置として有用である。
1 筐体、 2,2a,2c 吸込口、 3,3a,3c 吹出口、 5 浄化風路、 8a,8c,9a,9c 空気、 10 空間浄化装置、 11 HEPAフィルタ、 12 浄化搬送ファン、 14 微細化部、 19 電解水生成部(混合水生成装置)、 20 電解槽(混合槽)、 21 電極、 23 塩水タンク、 24 塩水搬送ポンプ、 25 逆止弁、 26 流路、 27 流出口、 28 電解水搬送部(搬送部)、 29 送水管、 30 水供給部、 32 塩水供給部、 34 止水部、 36 電解領域、 38 水供給路、 40 温湿度センサ、 41 制御部、 50 底面、 51 リブ、 52 内側面、 53 曲面、 54 第1傾斜面、 55 第2傾斜面、 62 屋内空間、 64a,64c ダクト、 65a,65c 屋内吸込口、 67 ダクト、 67a,67c 低反応性ダクト、 68a,68c 屋内吹出口、 70 操作装置、 72 温湿度センサ、 100 空間浄化システム。
Claims (7)
- 水と塩水の混合水を貯める混合槽と、
前記混合槽に水を供給する水供給部と、
塩水が流れ出る流出口を有し、前記混合槽に塩水を供給する塩水供給部と、
を備え、
前記流出口は、前記混合槽の満水時に前記混合水に浸かる位置に配置されている混合水生成装置。 - 前記塩水供給部は、
前記流出口を有し、前記塩水が流れる流路と、
前記流出口より上流側において前記流路に配置された逆止弁と、
を有する請求項1に記載の混合水生成装置。 - 前記逆止弁は、前記混合水に浸からない位置に配置されている請求項2に記載の混合水生成装置。
- 前記逆止弁は、前記混合槽の筐体の外に配置されている請求項3に記載の混合水生成装置。
- 前記混合槽内の混合水を前記混合槽の外へ搬送する搬送部を備え、
前記水供給部は、前記混合槽が満水になった場合に水の供給を停止し、前記搬送部により混合水が搬送されて前記混合槽が渇水した場合に水の供給を開始する請求項1から4のいずれかに記載の混合水生成装置。 - 前記混合槽は、前記混合水を電気分解するための電極を有する電解槽である請求項1から5のいずれかに記載の混合水生成装置。
- 前記混合槽から前記混合水が供給され、当該混合水を電気分解するための電極を有する電解槽を備える請求項1から5のいずれかに記載の混合水生成装置。
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