JP2022140263A - 空間浄化装置 - Google Patents

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Takeshi Kinoshita
康浩 鈴木
Yasuhiro Suzuki
大輔 小河
Daisuke Ogawa
誠 杉山
Makoto Sugiyama
達貴 清水
Tatsuki Shimizu
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Abstract

【課題】次亜塩素酸水による加湿量を増加させるとともに、次亜塩素酸水によるヒータの腐食を抑制できる技術を提供する。【解決手段】空間浄化装置において、筐体は、外郭を形成する。浄化風路は、筐体内に設けられる。次亜塩素酸水生成部は、次亜塩素酸水を生成する。微細化部は、次亜塩素酸水生成部が生成した次亜塩素酸水を微細化して浄化風路に放出する。浄化搬送ファン12aは、浄化風路の上流から下流へと空気を導く。ヒータ90は、浄化風路を通過する空気を加熱する。遠心ファン80は、少なくとも天面に吸気口81を備え、側面に羽根82を備えた円筒形状を有する。ケーシング85は、遠心ファン80を内包し下流に排気口87を有する。微細化部14は、浄化搬送ファン12aの排気口87の下流に位置する。ヒータ90は、吸気口81の上流に位置する。【選択図】図7

Description

本開示は、空間浄化技術に関し、特に次亜塩素酸水を含む水を噴霧する空間浄化装置に関する。
空間除菌脱臭装置は、対象とする領域を殺菌するために、薬剤などの微細水粒子、例えば次亜塩素酸水を散布する。例えば、空間除菌脱臭装置の液体微細化室は、貯水部に貯留された次亜塩素酸水溶液から水滴を放出する。水滴は、送風部による通風によって、空気風路を通って吹出口から対象領域に放出される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第20/158850号
空気調和装置と空間浄化装置とが組み合わされることによって、温度の調節がなされながら湿度も調節される。例えば、湿度を上昇させる場合、温度を上昇させながら、次亜塩素酸水の水滴の放出量が増やされる。空間浄化装置内において、次亜塩素酸水の水滴を放出する微細化部の上流側にヒータを配置し、ヒータで空気を加熱することで、水滴の放出量がさらに増やされる。しかしながら、ヒータに次亜塩素酸水が付着すると、腐食する可能性がある。
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、次亜塩素酸水による加湿量を増加させるとともに、次亜塩素酸水によるヒータの腐食を抑制できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の空間浄化装置は、外郭を形成する筐体と、筐体内に設けられた浄化風路と、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、次亜塩素酸水生成部が生成した次亜塩素酸水を微細化して浄化風路に放出する微細化部と、浄化風路の上流から下流へと空気を導く浄化搬送ファンと、浄化風路を通過する空気を加熱するヒータと、を備える。浄化搬送ファンは、少なくとも天面に吸気口を備え、側面に羽根を備えた円筒形状を有する遠心ファンと、遠心ファンを内包し下流に排気口を有するケーシングと、を備える。微細化部は、浄化搬送ファンの排気口の下流に位置し、ヒータは、吸気口の上流に位置する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、次亜塩素酸水による加湿量を増加させるとともに、次亜塩素酸水によるヒータの腐食を抑制できる。
実施例1の空間浄化システムの構成を示す図である。 図1の空間浄化装置の構成を示す図である。 図2の空間浄化装置のA-A線に沿った概略的な縦断面図である。 図2の空間浄化装置の内部構成を示す斜視図である。 図2の浄化搬送ファンとヒータを前面側から見た斜視図である。 図2の浄化搬送ファンを背面側から見た斜視図である。 図5の浄化搬送ファンとヒータのB-B線に沿った断面図である。 図2の微細化部、次亜塩素酸水生成部、及びそれらの周辺構成を示す図である。 図1の空間浄化装置における暖房時の風の経路と風量の例を示す図である。 図1の空間浄化装置における冷房時の風の経路と風量の例を示す図である。 実施例2の空間浄化システムの構成を示す図である。 図11の空間浄化装置の構成を示す図である。 図12の浄化搬送ファンとヒータの断面図である。
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、室内に対して、温度及び湿度を調節するとともに、空気浄化を行う成分(以下、「空気浄化成分」という)を含む水を噴霧する空間浄化システムに関する。空間浄化システムは、空調制御を実行する空気調和装置と、湿度調節と空気浄化成分を含む水の噴霧とを実行する空間浄化装置とを備える。空気浄化成分には、例えば、殺菌性あるいは消臭性を備えた次亜塩素酸が用いられる。これにより、室内の殺菌あるいは消臭を行う。
既述のように、次亜塩素酸水を微細化して空気中に放出する微細化部の上流側に配置したヒータで空気を加熱することで、水滴の放出量を増やすことができる。微細化部付近の空気の温度をより高めるため、ヒータを微細化部の近くに配置することが好ましい。しかしながら、ヒータを微細化部の近くに配置すると、飛散した次亜塩素酸水がヒータに付着しやすくなる。ヒータに次亜塩素酸水が付着すると、ヒータが腐食する可能性がある。
そこで本実施例では、天面に吸気口と側面に羽根とを備えた円筒形状を有する遠心ファンと、遠心ファンを内包し下流に排気口を有するケーシングとを備える浄化搬送ファンを設ける。そして、次亜塩素酸水を微細化する微細化部を浄化搬送ファンの排気口の下流に配置し、ヒータを遠心ファンの吸気口の上流に配置する。これにより、微細化部で微細化されて空気中に放出された次亜塩素酸水が遠心ファンの羽根の間を通り抜けて遠心ファンの内側に到達したとしても、次亜塩素酸水はヒータには付着し難い。よって、ヒータの腐食を抑制できる。
以下に説明する実施例は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
(実施例1)
図1は、実施例1の空間浄化システム100の構成を示す。空間浄化システム100は、屋内空間62(「室内」ともいう)の空気を循環させる際に、屋内空間62からの空気(RA)に対して必要に応じて冷却処理(除湿処理)または加熱処理を行うとともに、内部を流通する空気に対して微細化された水とともに空気浄化成分を含ませる装置である。空間浄化システム100は、内部を流通した空気(SA)を屋内空間62に供給することで、屋内空間62の殺菌と消臭を行う。
空間浄化システム100は、空間浄化装置10、空気調和装置50、室外機60、操作装置70、ダクト64a、ダクト64b、ダクト64c、低反応性ダクト67a、及び高反応性ダクト67bを備える。
空気調和装置50は、例えば、屋内空間62の天井等に埋め込まれた4方向カセットエアコンである。空気調和装置50は、天井裏に位置する本体部51と、本体部51の屋内空間62側に配置された化粧パネル52とを備える。化粧パネル52には吸込口53及び吹出口54が設けられている。化粧パネル52には4つの吹出口54が設けられるが、そのうち2つは閉じられて空気を送出しないように構成される。そこで、図1では閉じられた吹出口54の図示を省略し、1つの吹出口54を示す。空気調和装置50は、本体部51の側面にも吹出口55が設けられる。なお、化粧パネル52の4つの吹出口54が空気を送出できてもよいし、4つの吹出口54がすべて閉じられて空気を送出しないようにしてもよい。
空気調和装置50は、空気の加熱と冷却の少なくとも一方を実行可能である。空気調和装置50は、屋内空間62から吸込口53を介して吸い込んだ空気8b(RA)に対して空調制御を実行し、空調制御した空気のうち一部の空気8d(AC)を吹出口55から空間浄化装置10に送出し、空調制御した空気のうち残りの空気8eを2つの吹出口54から屋内空間62に送出する。
空気調和装置50には室外機60が接続されている。室外機60は、屋外空間に設置される室外ユニットである。室外機60には、一般的な構成のものを用いるので、詳細な説明は省略する。
図1に加え図2から図4も参照して、空間浄化システム100の構成をさらに説明する。図2は、図1の空間浄化装置10の構成を示す。図2は、図1の空間浄化装置10の内部を上面側から見た概略図である。図3は、図2の空間浄化装置10のA-A線に沿った概略的な縦断面図である。なお、図3では一部の構成の図示を省略している。図4は、図2の空間浄化装置10の内部構成を示す斜視図である。なお、図4は、空間浄化装置10の筐体の上面側を取り除いた状態を示す。
図2に示すように、空間浄化装置10は、筐体1、浄化風路5a、非浄化風路5b、微細化部14、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、第1HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ11a、第2HEPAフィルタ11b、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、ヒータ90、第1温湿度センサ40a、第2温湿度センサ40b、及び制御部41を含む。
筐体1は、図2~図4に示すように、空間浄化装置10の外郭を形成する。筐体1は、吸込口2a、吸込口2b、吸込口2c、吹出口3a、吹出口3b、隔壁6、第1ダンパー7a、第2ダンパー7b、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dを有する。吸込口2a、吸込口2b、及び吸込口2cを総称して吸込口2と呼び、吹出口3a及び吹出口3bを総称して吹出口3と呼ぶ。第1ダンパー7a、第2ダンパー7b、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dを総称してダンパー7と呼ぶ。
図2及び図4に示すように、吸込口2a、吸込口2b、及び吸込口2cは、筐体1の一方の側面に配置される。吸込口2aと吸込口2cとの間に吸込口2bが配置される。吹出口3a及び吹出口3bは、筐体1の他方の側面(筐体1の一方の側面と対向する側面)に配置される。
吸込口2a及び吸込口2cは、屋内空間62から取得された筐体1外の空気8a及び空気8cをそれぞれ空間浄化装置10に取り入れる取入口である。屋内空間62から取得された空気8a及び空気8cは、筐体1外の温度調節されていない非温調空気とも呼べる。吸込口2a及び吸込口2cは、非温調空気吸込口とも呼べる。
図1に示すように、吸込口2aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65aとの間でダクト64aを介して連通されている。吸込口2cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65cとの間でダクト64cを介して連通されている。これにより、吸込口2aは、屋内吸込口65aから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8aを吸い込むことができる。吸込口2cは、屋内吸込口65cから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8cを吸い込むことができる。
なお、屋内吸込口65cを設けなくてもよく、この場合、ダクト64aの一端を屋内吸込口65aに接続し、ダクト64aの他端側を分岐させて吸込口2aと吸込口2cとに接続してもよい。
吸込口2bは、空気調和装置50からの空気8d、即ち筐体1外にて空気調和装置50により温度調節された温調空気を空間浄化装置10に取り入れる取入口である。吸込口2bは、温調空気吸込口とも呼べる。吸込口2bは、空気調和装置50の吹出口55との間でダクト64bを介して連通されている。
吹出口3aは、空間浄化装置10内を流通した空気9a(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9aは、微細化された次亜塩素酸水を含む。吹出口3bは、空間浄化装置10内を流通した空気9b(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。
図1に示すように、吹出口3aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68aとの間で低反応性ダクト67aを介して連通されている。吹出口3bは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68bとの間で高反応性ダクト67bを介して連通されている。これにより、吹出口3aは、屋内吹出口68aから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9aを吹き出すことができる。吹出口3bは、屋内吹出口68bから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9bを吹き出すことができる。
低反応性ダクト67aは、浄化風路5aの下流に接続された、次亜塩素酸水との反応に乏しい低反応性素材を内壁に用いたダクトである。低反応性素材は、例えば、ポリオレフィン系素材である。ポリオレフィン系素材は、例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの少なくとも一方を含む。
高反応性ダクト67bは、非浄化風路5bの下流に接続された、低反応性素材よりも次亜塩素酸水との反応に富む高反応性素材を内壁に用いたダクトである。高反応性素材は、例えば、ポリエチレンテレフタレートである。高反応性素材の比表面積は、低反応性素材の比表面積より大きい。
図2に示すように、浄化風路5aは、筐体1内に設けられ、吸込口2a及び吸込口2bと、吹出口3aとを連通する。非浄化風路5bは、筐体1内に浄化風路5aとは独立して設けられ、吸込口2c及び吸込口2bと、吹出口3bとを連通する。
隔壁6は、吸込口2の下流から吹出口3までの間で浄化風路5aと非浄化風路5bとを分離する。浄化風路5aと非浄化風路5bとは、互いに並列に配置されている。
ダンパー7は、吸込口2の下流にて浄化風路5aと非浄化風路5bとに空気を分配する。ダンパー7は、温調空気と非温調空気の少なくとも一方を浄化風路5aと非浄化風路5bとに分配する。
ダンパー7は、開閉度を調整することで、吸込口2から筐体1内に流通させる空気の風量を増減させる。より詳細には、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量を増減させる。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量を増減させる。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量を増減させる。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を増減させる。ダンパー7による空気の分配の詳細は後述する。
第1温湿度センサ40aは、吸込口2bの下流に配置され、吸込口2bから流入した空気8dの温度及び湿度を計測し、計測値を制御部41に出力する。
浄化風路5aは、ダンパー7の開閉度に応じて空気8a及び空気8dの少なくとも一方が流通する風路である。浄化風路5aには、その風路内に第1HEPAフィルタ11a、浄化搬送ファン12a、及び微細化部14が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。また、浄化搬送ファン12aのケーシングの内側にヒータ90が設けられている。また、浄化風路5aにおける浄化搬送ファン12aと微細化部14との間に第2温湿度センサ40bが設けられている。第2温湿度センサ40bは、浄化搬送ファン12aと微細化部14との間の空気の温度及び湿度を計測し、計測値を制御部41に出力する。
非浄化風路5bは、ダンパー7の開閉度に応じて空気8c及び空気8dの少なくとも一方が流通する風路である。非浄化風路5bには、その風路内に第2HEPAフィルタ11b、非浄化搬送ファン12b、及び次亜塩素酸水生成部19が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。非浄化風路5bには、さらに次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、及び排水ドレン39が非浄化搬送ファン12bの下流であって次亜塩素酸水生成部19の近くに設けられている。非浄化風路5bでは、微細化部14の次亜塩素酸水による空気の浄化は行われないが、第2HEPAフィルタ11bによる空気の浄化は行われる。
このように、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、及び排水ドレン39は、微細化部14の下流に配置されない。
第1HEPAフィルタ11a及び第2HEPAフィルタ11bは、エアフィルタであり、空間浄化装置10に流入された空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。
浄化搬送ファン12aは、第1HEPAフィルタ11aを通過した空気を浄化風路5aに沿って吹出口3aに搬送するための装置である。浄化搬送ファン12aは、浄化風路5aの空気の流れを生成し、浄化風路5aの上流から下流へと空気を導く。
非浄化搬送ファン12bは、第2HEPAフィルタ11bを通過した空気を非浄化風路5bに沿って吹出口3bに搬送するための装置である。非浄化搬送ファン12bは、非浄化風路5bの空気の流れを生成し、非浄化風路5bの上流から下流へと空気を導く。
浄化搬送ファン12a及び非浄化搬送ファン12bのそれぞれでは、制御部41からの出力信号に応じて風量、つまり回転数が制御される。浄化搬送ファン12aが運転動作することにより、微細化部14に対して風が送られる。非浄化搬送ファン12bが運転動作することにより、次亜塩素酸水生成部19に対して風が送られる。
図5は、図2の浄化搬送ファン12aとヒータ90を前面側から見た斜視図である。図6は、図2の浄化搬送ファン12aを背面側から見た斜視図である。図7は、図5の浄化搬送ファン12aとヒータ90のB-B線に沿った断面図である。
浄化搬送ファン12aは、遠心ファン80と、ケーシング85と、モータ88とを備える。遠心ファン80は、少なくとも天面に吸気口81を備え、側面に複数の羽根82を備えた略円筒形状を有する。遠心ファン80の円筒形状の向かい合う2つの面のどちらを天面と呼んでもよい。遠心ファン80は、吸気口81に加え、天面に向かい合う底面にも吸気口を備えてもよい。遠心ファン80は、公知の構成を採用することができる。
ケーシング85は、遠心ファン80を内包し、上流に吸気口86を有し、下流に排気口87を有する。ケーシング85の吸気口86と遠心ファン80の吸気口81は連通する。ケーシング85の排気口87が向く方向と、遠心ファン80の吸気口81が向く方向は、交差しており、本実施例では略直交している。吸気口86は浄化搬送ファン12aの吸気口であり、排気口87は浄化搬送ファン12aの排気口である。
モータ88は、浄化搬送ファン12aの背面側に配置され、遠心ファン80を回転させる。微細化部14は、浄化搬送ファン12aの排気口87の下流に位置する。
ヒータ90は、遠心ファン80の吸気口81の上流に位置し、遠心ファン80を通過する空気、即ち浄化風路5aを通過する空気を加熱する。ヒータ90は、遠心ファン80の天面に隣接し吸気口81を覆って設けられる。ヒータ90の形状は、空気を加熱しつつ通過させることができる形状であれば任意であり、例えば、格子形状を有する。
ヒータ90として、例えば、一定の温度で安定しやすいPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いることができる。PTCヒータは、一定の温度になると抵抗値が増して電流を制御するため、電力を効率よく用いて迅速に発熱することができる。また、PTCヒータを用いることで、温度センサによるフィードバック制御などしなくても、適度に発熱させることができる。なお、ヒータ90はPTCヒータに限定されず、例えばニクロム線ヒータがヒータ90として採用されてもよい。
遠心ファン80が回転することで、浄化搬送ファン12aの上流側の空気が吸気口86からヒータ90を通過して遠心ファン80の吸気口81に吸い込まれる。吸気口81から遠心ファン80に吸い込まれた空気は、遠心ファン80の羽根82の間を通過して排気口87から微細化部14に向けて排出される。
図8は、図2の微細化部14、次亜塩素酸水生成部19、及びそれらの周辺構成を示す。微細化部14は、浄化風路5a内部に取り入れた空気を加湿するためのユニットであり、加湿の際に、空気に対して微細化された水とともに空気浄化成分として次亜塩素酸を含ませる。微細化部14は、空気浄化部とも呼べる。微細化部14は、次亜塩素酸水生成部19が生成した次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化して空気中に放出する。微細化された次亜塩素酸水は、液体成分が蒸発した状態で筐体1外へ放出される。
微細化部14は、図8に示すように、遠心破砕ユニット15、混合槽16及び水位センサ17を有する。微細化部14は、図示しない加湿モータを用いて遠心破砕ユニット15を回転させ、混合槽16に貯水されている次亜塩素酸水を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、通過する空気に水分を含ませる遠心破砕式の構成をとる。
微細化部14は、制御部41からの出力信号に応じて加湿モータの回転数を変化させ、加湿能力(加湿量)を調整する。加湿量は、空気に対して空気浄化成分を付加する付加量ともいえる。制御部41は、第3温湿度センサ72で検出された温度計測値と湿度計測値に基づいて、遠心破砕ユニット15の回転数を制御する。
水位センサ17は、混合槽16内の次亜塩素酸水の水位を計測し、計測値を制御部41に出力する。
次亜塩素酸水生成部19は、電解槽20、電極21、電磁弁22、塩水タンク23、塩水搬送ポンプ24、及び逆止弁25を含む。
塩水タンク23は、塩水(塩化ナトリウム水溶液)を貯めており、制御部41からの出力信号に応じて、塩水搬送ポンプ24と逆止弁25を介して電解槽20に塩水を供給する。電解槽20は、塩水タンク23から供給された電気分解対象である塩水を貯める。電解槽20には、制御部41からの出力信号に応じて、水道等の給水管からストレーナ36と電磁弁22を介して水道水も供給され、供給された水道水と塩水とが混合され、予め定められた濃度の塩水が貯められる。電極21は、電解槽20内に配置され、制御部41からの出力信号に応じて、通電により塩水の電気分解を行い、予め定められた濃度の次亜塩素酸水を生成する。
つまり、電解槽20は、一対の電極間で、電解質として塩化物水溶液(例えば、塩水)を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する。電解槽20には、一般的な装置が使用されるので、詳細な説明は省略する。ここで、電解質は、次亜塩素酸水を生成可能な電解質であり、少量でも塩化物イオンを含んで入れば特に制限はなく、例えば、溶質として塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を溶解した水溶液が挙げられる。また、塩酸でも問題ない。本実施例では、電解質として、水に対して塩化ナトリウムを加えた塩化物水溶液(塩水)を使用している。
次亜塩素酸水供給部28は、制御部41からの出力信号に応じて、電解槽20から微細化部14の混合槽16に次亜塩素酸水を供給する。次亜塩素酸水供給部28は、次亜塩素酸水搬送ポンプ29と送水管30とを有する。次亜塩素酸水搬送ポンプ29は、制御部41からの出力信号に応じて電解槽20の次亜塩素酸水を送水管30に送り出す。送水管30は、次亜塩素酸水搬送ポンプ29と混合槽16との間に接続され、次亜塩素酸水を混合槽16に向けて送水する。
水供給部32は、制御部41からの出力信号に応じて、混合槽16に水を供給する。水供給部32は、電磁弁33と送水管34とを有する。電磁弁33は、制御部41からの出力信号に応じて、空間浄化装置10の外部の水道管からストレーナ36を介して供給される水を送水管34に流すか否か制御する。送水管34は、電磁弁33と混合槽16との間に接続され、水を混合槽16に向けて送水する。
このようにして、微細化部14の混合槽16で次亜塩素酸水と水とが混合される。次亜塩素酸水と水との混合水も次亜塩素酸水と呼べる。微細化部14は、混合槽16に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を遠心破砕することによって、次亜塩素酸水を屋内空間62に対して噴霧する。
ドレンパン37は、図3及び図8に示すように、微細化部14、次亜塩素酸水生成部19(電解槽20、塩水タンク23)、次亜塩素酸水供給部28、及び水供給部32の下に配置され、これらから落下する水を受ける。排水ポンプ38は、ドレンパン37内の水位が所定値に達した場合、ドレンパン37内の水を排水ドレン39に流して排水する。
制御部41は、水位センサ17で計測された混合槽16内の混合水の水位に基づいて、次亜塩素酸水供給部28による次亜塩素酸水の供給量と、水供給部32による水の供給量とを制御する。電解槽20では予め定められた濃度の次亜塩素酸水が生成されるため、混合槽16内の混合水の水位に応じて、次亜塩素酸水供給部28による次亜塩素酸水の供給量と水供給部32による水の供給量とを制御することで、混合水における次亜塩素酸の濃度を制御できる。具体的には、制御部41は、混合水の水位が所定値まで下がった場合、所定量の次亜塩素酸水と、所定量の水とを混合槽16に供給し、混合水の水位を上昇させると共に、混合水における次亜塩素酸の濃度を概ね一定に保つように制御する。
制御部41は、要求される加湿量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。例えば、制御部41は、要求される次亜塩素酸量が少ない場合、要求される加湿量が多くなるほど混合水における次亜塩素酸の濃度を低くする。一方、多量の加湿要求がある場合、混合水における次亜塩素酸の濃度が高いと多量の次亜塩素酸が屋内空間62に供給されてしまう。この場合、屋内空間62で次亜塩素酸の臭いが強くなり、量によっては利用者にとって不快になる可能性もある。本実施例では、供給される次亜塩素酸水を水で希釈することで、加湿量が大きい場合にも屋内空間62の次亜塩素酸量を適正に保つことができる。
日本の夏季(特に梅雨時期)などのように、少量の加湿要求となる場合、混合水における次亜塩素酸の濃度を高くすることで、要求される次亜塩素酸量を満たした上で、湿度を適正に保つことができる。
制御部41は、要求される次亜塩素酸量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。例えば、制御部41は、要求される加湿量が少ない場合、要求される次亜塩素量が多くなるほど混合水における次亜塩素酸の濃度を高くする。
悪臭が強い場合などで多量の次亜塩素酸の要求がある場合、混合水における次亜塩素酸の濃度が低いと、次亜塩素酸と共に多量の水分が屋内空間62に供給されてしまい、湿度が上昇してしまう。特に日本の夏季などでは湿度を下げたいため、このような要求される加湿量が少ない場合には、混合水における次亜塩素酸の濃度を高めることで、加湿量を減らして次亜塩素酸を多量に屋内空間62に送り込むことができる。一方、悪臭が無い状況では、混合水における次亜塩素酸の濃度を低くすることで、屋内空間62に送り込む次亜塩素酸量及び加湿量を少なくできる。よって、放出される次亜塩素酸量と湿度を同時にコントロールできる。
日本の冬季などのように、多量の加湿要求となる場合、混合水における次亜塩素酸の濃度を低くすることで、要求される次亜塩素酸量を満たした上で、湿度を適正に保つことができる。
制御部41は、要求される次亜塩素酸量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。例えば、制御部41は、要求される加湿量が多い場合、要求される次亜塩素量が多くなるほど混合水における次亜塩素酸の濃度を低くする。
多量の加湿量の要求がある場合、混合水における次亜塩素酸の濃度が高いと、多量の水分と共に多量の次亜塩素酸が屋内空間62に供給されてしまい、屋内空間62の次亜塩素酸濃度が上昇してしまう。これにより、屋内空間62で次亜塩素酸の臭いが強くなり、量によっては利用者にとって不快になる可能性もある。このため、このような要求される加湿量が多い場合には、混合水における次亜塩素酸の濃度を低くすることで、屋内空間62に送り込む加湿量を多くしつつ、次亜塩素酸量を少なくできる。よって、放出される次亜塩素酸量と湿度を同時にコントロールできる。
屋内空間62の壁面には、図1に示すように、操作装置70が設置される。操作装置70は、ユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、ユーザから温度設定値、湿度設定値、及び運転モードの設定を受けつける。運転モードは、脱臭モード、殺菌モード、通常モードなどの空気中の次亜塩素酸量を指定するモードを含む。操作装置70には、第3温湿度センサ72が含まれており、第3温湿度センサ72は、屋内空間62の空気の温度及び湿度を計測する。第3温湿度センサ72における温度及び湿度の計測には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
操作装置70は、制御部41に対して有線あるいは無線で接続されており、温度設定値、湿度設定値、温度計測値、湿度計測値、及び運転モード情報を制御部41に送信する。制御部41は、受信した情報を空気調和装置50に転送する。これらの情報は、すべてまとめて送信されてもよく、任意の2つ以上をまとめて送信されてもよく、それぞれを送信されてもよい。また、操作装置70は、制御部41及び空気調和装置50に対して情報を送信してもよい。
空気調和装置50は、温度設定値と温度計測値とを受けつけ、温度計測値が温度設定値に近づくように、運転モードを暖房モードまたは冷房モードに切り替え、空気8bの加熱または冷却を実行する。
制御部41は、ダンパー7、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、次亜塩素酸水生成部19、及び微細化部14を制御する。制御部41は、次亜塩素酸水生成部19による次亜塩素酸水の生成中は非浄化搬送ファン12bを動作させ続け、停止しない。制御部41は、電解槽20に次亜塩素酸水が残っている間、非浄化搬送ファン12bを動作させ続けてもよい。
制御部41は、空気調和装置50の運転モードと温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度との少なくとも一方に基づいてダンパー7による空気の分配を制御する。
制御部41は、浄化風路5aと非浄化風路5bとを通る風量比を固定とする。制御部41は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が温風の場合、ダンパー7を制御して、浄化風路5aを通る温調空気の量を、非浄化風路5bを通る温調空気の量よりも増加させる。ここで、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が温風の場合とは、空気調和装置50が暖房モードの場合、または、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度が非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度より高い場合に相当する。温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度は、第1温湿度センサ40aの温度計測値である。非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度は、第3温湿度センサ72の温度計測値である。なお、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度は、空気調和装置50に対する設定温度によって推定した温度値としてもよい。
制御部41は、ダンパー7の開度と非浄化搬送ファン12bの出力と浄化搬送ファン12aの出力とに基づいて、浄化風路5a及び非浄化風路5bにおける、温調空気と非温調空気の風量及び温調空気と非温調空気の混合比を制御する。
図9は、図1の空間浄化装置10における暖房時の風の経路と風量の例を示す。制御部41は、第2ダンパー7b及び第4ダンパー7dの開度を最大に制御し、第3ダンパー7c及び第1ダンパー7aを閉じる。つまり、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量をゼロとする。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量を最大とする。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量をゼロとする。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を最大とする。
よって、風量「350」の温風である空気8dが浄化風路5aを通り、この空気8dが微細化部14で微細化された次亜塩素酸水により加湿され、吹出口3aから風量「350」の空気9aとして吹き出される。空気調和装置50で加熱された空気8dの温度は、屋内空間62の空気8aの温度より高いため、空気8aに対して加湿する場合よりも次亜塩素酸水による加湿量を高めることができる。風量「350」は、空気調和装置50により定められる。浄化搬送ファン12aも風量「350」に相当する回転数で動作する。
ここで、浄化搬送ファン12aから排出される空気はヒータ90で加熱されているので、次亜塩素酸水による加湿量をさらに増やすことができる。ヒータ90は遠心ファン80の吸気口81を覆っているため、空気の加熱効率を高めることもできる。
制御部41は、要求される次亜塩素酸量に基づいてヒータ90の温度を制御してもよい。制御部41は、要求される次亜塩素酸量が多いほど、ヒータ90の温度を高く制御する。これにより、要求される次亜塩素酸量が多いほど、浄化搬送ファン12aから微細化部14に向けて送られる空気の加熱量を大きくできるため、次亜塩素酸水による加湿量を増やすことができ、空気中の次亜塩素酸量を増やすことができる。特に、暖房時には、加湿により空気9aの温度が空気調和装置50で加熱された空気8dの温度より低下することを抑制でき、加湿量も増やすことができる。
また、風量「400」の空気8cが非浄化風路5bを通り、吹出口3bから風量「400」の空気9bとして吹き出される。風量「400」は、非浄化搬送ファン12bの回転数により定められる。
一方、制御部41は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が冷風であり、次亜塩素酸水の放出を除湿よりも優先する場合、非浄化風路5bを通る温調空気の量を、浄化風路5aを通る温調空気の量よりも増加させる。ここで、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が冷風の場合とは、空気調和装置50が冷房モードの場合、または、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度が非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度より低い場合に相当する。
図10は、図1の空間浄化装置10における冷房時の風の経路と風量の例を示す。制御部41は、第1ダンパー7a、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dの開度を最大に制御し、第2ダンパー7bを閉じる。つまり、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量を最大とする。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量をゼロとする。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量を最大とする。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を最大とする。
よって、風量「350」の空気8aが浄化風路5aを通り、この空気8aが微細化部14で微細化された次亜塩素酸水により加湿され、吹出口3aから風量「350」の空気9aとして吹き出される。空気8aの温度は、温調空気(空気8d)の温度より高いため、冷却された空気8dに対して加湿する場合よりも次亜塩素酸水による加湿量を高めることができ、空気中の次亜塩素酸量を多くできる。風量「350」は、浄化搬送ファン12aの回転数により定められる。
また、風量「350」の冷風である空気8d及び風量「50」の空気8cが非浄化風路5bを通り、吹出口3bから風量「400」の空気9bとして吹き出される。空気調和装置50で冷却された空気8dは、微細化部14による加湿がなされずに排出されるため、屋内空間62に供給される空気9aと空気9bにより全体としては除湿できる。空気8cの風量「50」は、非浄化搬送ファン12bの回転数により定められる風量「400」と、空気調和装置50により定められる空気8dの風量「350」との差である。
なお、制御部41は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が冷風であり、除湿を次亜塩素酸水の放出よりも優先する場合、浄化風路5aを通る温調空気の量を、非浄化風路5bを通る温調空気の量よりも増加させてもよい。この場合、例えば、冷房時にも図9と同じダンパー7の制御が実行され、空気の経路も図9と同じとなってよい。浄化風路5aに冷風を通すことで、微細化部14による加湿量を減らすことができる。この場合でも、図10の場合より少ない量の次亜塩素酸水を放出できる。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
本実施例によれば、ヒータ90は遠心ファン80の吸気口81の上流に位置し、浄化搬送ファン12aの排気口87が向く方向と遠心ファン80の吸気口81が向く方向は略直交している。これにより、微細化部14で微細化された次亜塩素酸水が排気口87から浄化搬送ファン12a内に入り、遠心ファン80の羽根82の間を通り抜けて遠心ファン80の内側に到達したとしても、次亜塩素酸水の水滴の飛散経路上にヒータ90が存在しないため、飛散した次亜塩素酸水はヒータ90にまでは到達し難い。よって、耐腐食性を有する素材でヒータ90を構成しなくともヒータ90の腐食を抑制できる。特に、遠心破砕方式では次亜塩素酸水の水滴の飛散量が他の加湿方式より多くなるが、その場合にもヒータ90の腐食を抑制できる。また、PTCヒータの素材として次亜塩素酸水により腐食しやすい金属が用いられる場合があるが、そのようなPTCヒータをヒータ90として利用できる。
また、空気調和装置50は、空調制御した空気のうち一部の空気8dを空間浄化装置10に送出し、空調制御した空気のうち残りの空気8eを屋内空間62に送出するので、空気8eを空間浄化装置10で加湿せずに室内に送出できる。よって、暖房時に加湿に伴う室内の空気の温度低下を抑制できる。冷房時に室内の空気の湿度上昇を抑制できる。
また、次亜塩素酸水生成部19は、非浄化風路5bに配置され、微細化部14は、浄化風路5aに配置されるので、次亜塩素酸水生成部19から次亜塩素酸水(または気化した次亜塩素酸)が漏れた場合、非浄化風路5bを通過する空気により、漏れ出た次亜塩素酸水を筐体1外に排出し、空間浄化装置10の内部の腐食を抑制できる。次亜塩素酸水生成部19を浄化風路5aに設けたと仮定すると、微細化された次亜塩素酸水が次亜塩素酸水生成部19に付着しやすいため次亜塩素酸水生成部19自体も耐腐食性を高める必要があるが、本実施例の構成では次亜塩素酸水生成部19の耐腐食性を不要にできるか、または、低くできる。
また、次亜塩素酸水生成部19による次亜塩素酸水の生成中、非浄化搬送ファン12bが回転し続けることで非浄化風路5bの空気の流れが生成され続けるので、より確実に筐体1内の腐食を抑制できる。
さらに、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、及び排水ドレン39は、微細化部14の下流に配置されないので、微細化部14から放出された微細化された次亜塩素酸水によるこれらの構成要素の腐食を抑制できる。よって、これらの構成要素の耐腐食性を不要にできるか、または、低くできる。
また、次亜塩素酸水生成部19から非浄化風路5bに漏れ出た次亜塩素酸水を高反応性ダクト67bの高反応性素材により吸収または吸着することで、漏れ出た次亜塩素酸水の室内への到達を抑制できる。高反応性素材の比表面積は、低反応性素材の比表面積より大きいため、高反応性素材は次亜塩素酸水を吸収または吸着しやすい。よって、室内の次亜塩素酸の量を精度よく制御しやすい。室内の次亜塩素酸の量を精度よく制御するためには、非浄化風路5bに漏れ出た次亜塩素酸水は室内に放出されないことが望ましい。
一方、浄化風路5aを通った空気9aに含まれる次亜塩素酸水に対しては、低反応性ダクト67aの低反応性素材により反応、吸収、または吸着を抑制することで、低反応性ダクト67aの通過による次亜塩素酸濃度の低下を抑制できる。
また、混合槽16に次亜塩素酸水と水を供給するので、混合水の濃度を調整しやすい。よって、空気中に放出される次亜塩素酸の濃度を調節しやすい。
また、ダンパー7により温調空気と非温調空気の少なくとも一方を浄化風路と非浄化風路とに分配するので、暖房時及び冷房時のそれぞれで温調空気と非温調空気の分配を調整することで、次亜塩素酸水による加湿をより適切に実行できる。
(実施例2)
図11は、実施例2の空間浄化システム100aの構成を示す。図12は、図11の空間浄化装置10aの構成を示す。空間浄化システム100aは、屋内空間62の空気を循環させる際に、屋内空間62からの空気(RA)に対して微細化された水とともに空気浄化成分を含ませる装置である。空間浄化システム100aは、内部を流通した空気(SA)を屋内空間62に供給することで、屋内空間62の殺菌と消臭を行う。ここでは、空気浄化成分として次亜塩素酸が用いられ、空気浄化成分を含む水は次亜塩素酸水である。
実施例2の空間浄化システム100aは、屋内空間62からの空気(RA)に対して必要に応じて冷却処理(除湿処理)または加熱処理を行うための空気調和装置50及び室外機60を備えていない点、及び、空間浄化装置10aに非浄化風路5bが設けられていない点で、実施例1の空間浄化システム100と異なる。
図11に示すように、空間浄化システム100aは、空間浄化装置10a、操作装置70、ダクト64a、ダクト64c、低反応性ダクト67a、及び低反応性ダクト67cを備える。
空間浄化装置10aは、図12に示すように、筐体1、浄化風路5a、微細化部14、次亜塩素酸水生成部19、第1HEPAフィルタ11a、浄化搬送ファン12a、ヒータ90、第2温湿度センサ40b、及び制御部41を含む。
筐体1は、図12に示すように、空間浄化装置10aの外郭を形成する。筐体1は、吸込口2a、吸込口2c、吹出口3a、及び吹出口3cを有する。また、筐体1の一側面には、側面パネル1aがネジ止めなどにより取り付けられており、内部の部材交換等のメンテナンスを行うことが可能となっている。本実施例では、吸込口2a及び吸込口2cを総称して吸込口2と呼び、吹出口3a及び吹出口3cを総称して吹出口3と呼ぶ。
図12に示すように、吸込口2a及び吸込口2cは、筐体1の一方の側面に配置される。吹出口3a及び吹出口3bは、筐体1の他方の側面(筐体1の一方の側面と対向する側面)に配置される。
吸込口2a及び吸込口2cは、屋内空間62から取得された筐体1外の空気8a及び空気8cをそれぞれ空間浄化装置10aに取り入れる取入口である。屋内空間62から取得された空気8a及び空気8cは、屋内空間62の温度調節されていない非温調空気または屋内空間62に別途設置された空調機等により温度調節された温調空気とも呼べる。
図11に示すように、吸込口2aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65aとの間でダクト64aを介して連通されている。吸込口2cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65cとの間でダクト64cを介して連通されている。これにより、吸込口2aは、屋内吸込口65aから空間浄化装置10a内に屋内空間62の空気8aを吸い込むことができる。吸込口2cは、屋内吸込口65cから空間浄化装置10a内に屋内空間62の空気8cを吸い込むことができる。
なお、屋内吸込口65cを設けなくてもよく、この場合、ダクト64aの一端を屋内吸込口65aに接続し、ダクト64aの他端側を分岐させて吸込口2aと吸込口2cとに接続してもよい。
吹出口3aは、空間浄化装置10a内を流通した空気9a(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9aは、微細化された次亜塩素酸水を含む。吹出口3cは、空間浄化装置10a内を流通した空気9c(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9cもまた、微細化された次亜塩素酸水を含む。
図11に示すように、吹出口3aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68aとの間で低反応性ダクト67aを介して連通されている。吹出口3cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68cとの間で低反応性ダクト67cを介して連通されている。これにより、吹出口3aは、屋内吹出口68aから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10a内を流通した空気9aを吹き出すことができる。吹出口3cは、屋内吹出口68cから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10a内を流通した空気9cを吹き出すことができる。
なお、吹出口3aと吹出口3cとは互いに区別されるものではなく、例えば、吹出口3cを設けなくてもよい。この場合、ダクト67aの一端を吹出口3aに接続し、ダクト67aの他端側を分岐させて屋内吹出口68aと屋内吹出口68cとに接続してもよい。
低反応性ダクト67a及び低反応性ダクト67cは、いずれも浄化風路5aの下流に接続された、次亜塩素酸水との反応に乏しい低反応性素材を内壁に用いたダクトである。低反応性素材は、例えば、ポリオレフィン系素材である。ポリオレフィン系素材は、例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの少なくとも一方を含む。
図12に示すように、浄化風路5aは、筐体1内に設けられ、吸込口2(吸込口2a及び吸込口2c)と、吹出口3(吹出口3a及び吹出口3c)とを連通する。本実施例では、実施例1の非浄化風路5bに相当する風路は設けられていない。
浄化風路5aは、空気8a及び空気8cの両方が流通する風路である。浄化風路5aは、空気8aと空気8cとが混合して流通する風路であるとも言える。浄化風路5aには、その風路内に第1HEPAフィルタ11a、次亜塩素酸水生成部19、浄化搬送ファン12a、及び微細化部14が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。より詳細には、浄化搬送ファン12aの上流には、浄化搬送ファン12aの吸込口(図示せず)に隣接する位置に次亜塩素酸水生成部19が配置されている。浄化搬送ファン12aの下流には、浄化搬送ファン12aの排出口(図示せず)に隣接する位置に微細化部14が配置されている。また、浄化風路5aにおける第1HEPAフィルタ11aと浄化搬送ファン12aとの間に第2温湿度センサ40bが設けられている。第2温湿度センサ40bは、第1HEPAフィルタ11aを流通した空気の温度及び湿度を計測し、計測値を制御部41に出力する。
第1HEPAフィルタ11aは、エアフィルタであり、空間浄化装置10aに流入された空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。第1HEPAフィルタ11aは、吸込口2a及び吸込口2cに隣接して配置される。
浄化搬送ファン12aは、第1HEPAフィルタ11aを通過した空気を浄化風路5aに沿って微細化部41に搬送するための装置である。浄化搬送ファン12aは、浄化風路5aの空気の流れを生成する。浄化搬送ファン12aでは、制御部41からの出力信号に応じて風量、つまり回転数が制御される。浄化搬送ファン12aが運転動作することにより、微細化部14に対して風が送られる。
浄化搬送ファン12aは、実施例1と同様の構成(図5~図7参照)及び機能を有するので、詳細な説明を省略するが、図13を参照して、実施例1において明確に言及していなかった点を中心に説明する。図13は、図12の浄化搬送ファン12aとヒータ90の断面図である。なお、実施例2での浄化搬送ファン12aは、微細化部14に向かって右側が天面となるように設置されているため、図13では、実施例1の図7に相当する図面を、浄化搬送ファン12aの配置状態に合わせて図示している。
本実施例の浄化搬送ファン12aは、上述した通り、実施例1において図5~図7を用いて説明した浄化搬送ファン12aと同じ構成であり、両吸込型の遠心ファンで構成される。
図13に示すように、浄化搬送ファン12aを構成する遠心ファン80は、天面(前面側)に設けられた第一吸気口81aと、天面と対向する底面(背面側)に設けられた第二吸気口81bとを備え、側面に複数の羽根82を備えた略円筒形状を有する。本実施例では、第一吸気口81a及び第二吸気口81bを総称して吸気口81と呼ぶこともある。
第一吸気口81aは、遠心ファン80の天面(前面側)に設けられた空気の取り入れ口である。第一吸気口81aは、ヒータ90によって全面を覆われている。第一吸気口81aは、吸込口2aから導入された空気を主に吸い込む。
第二吸気口81bは、遠心ファン80の底面(背面側)に設けられた空気の取り入れ口である。第二吸気口81bは、吸込口2cから導入された空気を主に吸い込む。
浄化搬送ファン12aでは、第一吸気口81aと第二吸気口81bとは、互いに対面するように配置され、第一吸気口81a及び第二吸気口81bのそれぞれから空気を吸い込み、排気口87から微細化部14に空気を搬送する。
より詳細には、遠心ファン80が回転することで、浄化搬送ファン12aの前面側の空気は、吸気口86及びヒータ90を通過して遠心ファン80の第一吸気口81aに吸い込まれる。その一方、浄化搬送ファン12aの背面側の空気は、次亜塩素酸水生成部19が配置された空間(図12参照)を通過して遠心ファン80の第二吸気口81bに吸い込まれる。そして、遠心ファン80に吸い込まれた空気は、遠心ファン80の羽根82の間を通過して、内部で混合されて排気口87から微細化部14に向けて排出される。
ヒータ90は、実施例1と同じく、遠心ファン80の第一吸気口81aの上流に位置し、遠心ファン80を通過する空気、即ち浄化風路5aを通過する空気を加熱する。ヒータ90は、遠心ファン80の天面(前面側)に隣接し第一吸気口81aを覆って設けられる。
微細化部14は、実施例1と同様、浄化風路5a内部に取り入れた空気を加湿するためのユニットであり、加湿の際に、浄化搬送ファン12aから導入された空気に対して微細化された水とともに次亜塩素酸を含ませる。微細化部14は、次亜塩素酸水生成部19が生成した次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化して空気中に放出する。微細化された次亜塩素酸水は、液体成分が蒸発した状態で吹出口3から筐体1外へ放出される。なお、微細化部14は、実施例1と同様の構成(図8参照)及び機能を有するので、詳細な説明は省略する。
次亜塩素酸水生成部19(電解槽20及び塩水タンク23)は、浄化風路5aにおける浄化搬送ファン12aの上流に配置されている。より詳細には、次亜塩素酸水生成部19は、浄化搬送ファン12aの底面(背面側)に隣接し第二吸気口81bの上流に位置する空間に配置されている。次亜塩素酸水生成部19は、塩水タンク23に貯留する塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電解槽20において所定の濃度に希釈して電気分解を行い、予め定められた濃度の次亜塩素酸水を生成する。なお、次亜塩素酸水生成部19は、実施例1と同様の構成(図8参照)及び機能を有するので、詳細な説明は省略する。
ここで、図12には示していないが、微細化部14及び次亜塩素酸水生成部19には、実施例1と同じく、次亜塩素酸水供給部28及び水供給部32がそれぞれ接続されている。次亜塩素酸水供給部28は、制御部41からの出力信号に応じて、電解槽20から微細化部14の混合槽16に次亜塩素酸水を供給する。水供給部32は、制御部41からの出力信号に応じて、微細化部14の混合槽16に水を供給する。なお、次亜塩素酸水供給部28及び水供給部32は、実施例1と同様の構成(図8参照)及び機能を有するので、ここでは詳細な説明を省略する。
屋内空間62の壁面には、図11に示すように、実施例1と同じく、操作装置70(第3温湿度センサ72を含む)が設置される。操作装置70は、制御部41に対して有線あるいは無線で接続されており、少なくとも湿度設定値、湿度計測値、及び運転モード情報を制御部41に送信する。操作装置70は、実施例1と同様の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明を省略する。
制御部41は、実施例1と同じく、微細化部14への次亜塩素酸水の供給量と水の供給量とを制御することで、微細化部14の混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。より詳細には、制御部41は、要求される加湿量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。あるいは、制御部41は、要求される次亜塩素酸量に基づいて混合水における次亜塩素酸の濃度を制御する。これにより、実施例1において制御部41が行う次亜塩素酸の濃度制御と同様の効果を享受することができる。なお、ここでは、制御部41の制御動作に関する詳細な説明を省略する。
本実施例によれば、ヒータ90は、遠心ファン80の第一吸気口81aの上流に位置し、浄化搬送ファン12aの排気口87が向く方向と遠心ファン80の第一吸気口81aが向く方向は略直交している。これにより、微細化部14で微細化された次亜塩素酸水が排気口87から浄化搬送ファン12a内に入り、遠心ファン80の羽根82の間を通り抜けて遠心ファン80の内側に到達したとしても、次亜塩素酸水の水滴の飛散経路上にヒータ90が存在しないため、飛散した次亜塩素酸水はヒータ90にまでは到達し難い。よって、耐腐食性を有する素材でヒータ90を構成しなくともヒータ90の腐食を抑制できる。特に、遠心破砕方式では次亜塩素酸水の水滴の飛散量が他の加湿方式より多くなるが、その場合にもヒータ90の腐食を抑制できる。また、PTCヒータの素材として次亜塩素酸水により腐食しやすい金属が用いられる場合があるが、そのようなPTCヒータをヒータ90として利用できる。
本実施例によれば、次亜塩素酸水生成部19(電解槽20及び塩水タンク23)は、浄化風路5aにおいて浄化搬送ファン12aの上流(遠心ファン80の第二吸気口81bの上流)に隣接配置されるので、次亜塩素酸水生成部19から次亜塩素酸水(または気化した次亜塩素酸)が漏れた場合、浄化搬送ファン12aによって第二吸気口81bから効果的に吸い込まれて微細化部14に搬送される。このため、漏れ出た次亜塩素酸水が、次亜塩素酸水生成部19の内部に滞留して次亜塩素酸水生成部19自体を腐食したり、第1HEPAフィルタ11a側に逆流してフィルタ性能を劣化させたりするのを抑制できる。
また、浄化風路5aを通った空気9a及び空気9cに含まれる次亜塩素酸水に対しては、低反応性ダクト67a及び低反応性ダクト67cの低反応性素材により反応、吸収、または吸着を抑制することで、低反応性ダクト67a及び低反応性ダクト67cの通過による次亜塩素酸濃度の低下を抑制できる。
また、微細化部14の混合槽16に次亜塩素酸水と水を供給するので、混合水の濃度を調整しやすい。よって、空気中に放出される次亜塩素酸の濃度を調節しやすい。
以上、本開示を、実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、実施例1では、浄化風路5aと非浄化風路5bとを通る風量比を固定としたが、可変であってもよい。この場合、制御部41は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が温風の場合、浄化風路5aを通る空気の量を、非浄化風路5bを通る空気の量よりも増加させ、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が冷風の場合、非浄化風路5bを通る空気の量を、浄化風路5aを通る空気の量よりも増加させてもよい。同様に、制御部41は、温調空気吸込口(吸込口2b)に接続される空気調和装置50が暖房設定の場合、浄化風路5aを通る空気の量を、非浄化風路5bを通る空気の量よりも増加させ、空気調和装置50が冷房設定の場合、非浄化風路5bを通る空気の量を、浄化風路5aを通る空気の量よりも増加させてもよい。この変形例では、冷房時には、加湿されない非浄化風路5bに多くの空気を通すので効果的に除湿できる。暖房時には、浄化風路5aに多くの空気を通すので効果的に加湿できる。
また、実施例2では、ヒータ90を設ける位置を、遠心ファン80の第一吸気口81aに隣接した位置としたが、必ずしもこの位置でなくてもよい。例えば、第一吸気口81aよりもさらに上流に位置する吸気口86近傍において、吸気口86を覆うようにヒータ90を設けてもよい。このようにしても同様の効果を享受することができる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の空間浄化装置(10)は、外郭を形成する筐体(1)と、筐体(1)内に設けられた浄化風路(5a)と、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部(19)と、次亜塩素酸水生成部(19)が生成した次亜塩素酸水を微細化して浄化風路(5a)に放出する微細化部(14)と、浄化風路(5a)の上流から下流へと空気を導く浄化搬送ファン(12a)と、浄化風路(5a)を通過する空気を加熱するヒータ(90)と、を備える。浄化搬送ファン(12a)は、少なくとも天面に吸気口(81)を備え、側面に羽根(82)を備えた円筒形状を有する遠心ファン(80)と、遠心ファン(80)を内包し下流に排気口(87)を有するケーシング(85)と、を備える。微細化部(14)は、浄化搬送ファン(12a)の排気口(87)の下流に位置し、ヒータ(90)は、吸気口(81)の上流に位置する。
微細化部(14)は、次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化してもよい。
ヒータ(90)は、天面に隣接し吸気口(81)を覆って設けられてもよい。
空間浄化装置(10)は、次亜塩素酸水生成部(19)と微細化部(14)とヒータ(90)とを制御する制御部(41)を備えてもよい。制御部(41)は、要求される次亜塩素酸量に基づいてヒータ(90)の温度を制御してもよい。
空間浄化装置(10)は、筐体(1)内に浄化風路(5a)とは独立して設けられた非浄化風路(5b)を備えてもよい。次亜塩素酸水生成部(19)は、非浄化風路(5b)に配置され、微細化部(14)は、浄化風路(5a)に配置されて浄化風路(5a)を通過する空気中に次亜塩素酸水を放出してもよい。
筐体(1)は、筐体(1)外の空気を筐体(1)内に取り入れるための吸込口(2)と、筐体(1)内の空気を筐体(1)外に排出するための吹出口(3)と、吸込口(2)の下流から吹出口(3)までの間で浄化風路(5a)と非浄化風路(5b)とを分離する隔壁(6)と、吸込口(2)の下流にて浄化風路(5a)と非浄化風路(5b)とに空気を分配するダンパー(7)と、を備えてもよい。
次亜塩素酸水生成部(19)は、電気分解の対象である塩水を貯める電解槽(20)と、通電により電気分解を行う電極(21)と、電解槽(20)に塩水を供給する塩水タンク(23)と、を含んでもよい。
遠心ファン(80)は、天面に設けられた第一吸気口(81a)と、天面と対向する底面に設けられた第二吸気口(81b)とを備え、ヒータ(90)は、第一吸気口(81a)の上流に位置し、次亜塩素酸水生成部(19)は、底面に隣接し第二吸気口(81b)の上流に位置してもよい。
ヒータ(90)は、天面に隣接し第一吸気口(81a)を覆って設けられてもよい。
本開示に係る空間浄化装置は、次亜塩素酸水を微細化して空気中に放出するものであり、対象空間の空気を除菌または消臭する装置として有用である。
1 筐体、 1a 側面パネル、 2,2a,2b,2c 吸込口、 3,3a,3b,3c 吹出口、 5a 浄化風路、 5b 非浄化風路、 6 隔壁、 7 ダンパー、 7a 第1ダンパー、 7b 第2ダンパー、 7c 第3ダンパー、 7d 第4ダンパー、 8a,8b,8c,8d,9a,9b,9c 空気、 10,10a 空間浄化装置、 11a 第1HEPAフィルタ、 11b 第2HEPAフィルタ、 12a 浄化搬送ファン、 12b 非浄化搬送ファン、 14 微細化部、 15 遠心破砕ユニット、 16 混合槽、 17 水位センサ、 19 次亜塩素酸水生成部、 20 電解槽、 21 電極、 22 電磁弁、 23 塩水タンク、 24 塩水搬送ポンプ、 25 逆止弁、 28 次亜塩素酸水供給部、 29 次亜塩素酸水搬送ポンプ、 30 送水管、 32 水供給部、 33 電磁弁、 34 送水管、 36 ストレーナ、 37 ドレンパン、 38 排水ポンプ、 39 排水ドレン、 40a 第1温湿度センサ、 40b 第2温湿度センサ、 41 制御部、 50 空気調和装置、 51 本体部、 52 化粧パネル、 53 吸込口、 54 吹出口、 55 吹出口、 60 室外機、 62 屋内空間、 64a,64b,64c ダクト、 65a,65c 屋内吸込口、 67a,67c 低反応性ダクト、 67b 高反応性ダクト、 68a,68b 屋内吹出口、 70 操作装置、 72 第3温湿度センサ、 80 遠心ファン、 81 吸気口、81a 第一吸気口、81b 第二吸気口、 82 羽根、 85 ケーシング、 86 吸気口、 87 排気口、 88 モータ、 90 ヒータ、 100,100a 空間浄化システム。

Claims (9)

  1. 外郭を形成する筐体と、
    前記筐体内に設けられた浄化風路と、
    次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、
    前記次亜塩素酸水生成部が生成した前記次亜塩素酸水を微細化して前記浄化風路に放出する微細化部と、
    前記浄化風路の上流から下流へと空気を導く浄化搬送ファンと、
    前記浄化風路を通過する空気を加熱するヒータと、を備え、
    前記浄化搬送ファンは、
    少なくとも天面に吸気口を備え、側面に羽根を備えた円筒形状を有する遠心ファンと、
    前記遠心ファンを内包し下流に排気口を有するケーシングと、を備え、
    前記微細化部は、前記浄化搬送ファンの前記排気口の下流に位置し、
    前記ヒータは、前記吸気口の上流に位置する、空間浄化装置。
  2. 前記微細化部は、前記次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化する請求項1に記載の空間浄化装置。
  3. 前記ヒータは、前記天面に隣接し前記吸気口を覆って設けられる請求項1または2に記載の空間浄化装置。
  4. 前記次亜塩素酸水生成部と前記微細化部と前記ヒータとを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、要求される次亜塩素酸量に基づいて前記ヒータの温度を制御する請求項1から3のいずれかに記載の空間浄化装置。
  5. 前記筐体内に前記浄化風路とは独立して設けられた非浄化風路を備え、
    前記次亜塩素酸水生成部は、前記非浄化風路に配置され、
    前記微細化部は、前記浄化風路に配置されて前記浄化風路を通過する空気中に前記次亜塩素酸水を放出する請求項1から4のいずれかに記載の空間浄化装置。
  6. 前記筐体は、
    前記筐体外の空気を前記筐体内に取り入れるための吸込口と、
    前記筐体内の空気を前記筐体外に排出するための吹出口と、
    前記吸込口の下流から前記吹出口までの間で前記浄化風路と前記非浄化風路とを分離する隔壁と、
    前記吸込口の下流にて前記浄化風路と前記非浄化風路とに空気を分配するダンパーと、を備える請求項5に記載の空間浄化装置。
  7. 前記次亜塩素酸水生成部は、
    電気分解の対象である塩水を貯める電解槽と、
    通電により前記電気分解を行う電極と、
    前記電解槽に前記塩水を供給する塩水タンクと、を含む請求項1から6のいずれかに記載の空間浄化装置。
  8. 前記遠心ファンは、前記天面に設けられた第一吸気口と、前記天面と対向する底面に設けられた第二吸気口とを備え、
    前記ヒータは、前記第一吸気口の上流に位置し、
    前記次亜塩素酸水生成部は、前記底面に隣接し前記第二吸気口の上流に位置する、請求項1に記載の空間浄化装置。
  9. 前記ヒータは、前記天面に隣接し前記第一吸気口を覆って設けられる請求項8に記載の空間浄化装置。
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