JP2023088733A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液への耐性が良好で、高い解像性を有する、感光性樹脂組成物を提供することである。【解決手段】フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を用いたエッチング方法において使用される感光性樹脂組成物であって、少なくとも(A)酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、(B)光重合開始剤、(C)ブロック化イソシアネート化合物、および(D)ポリマー型シランカップリング剤を含有し、且つ(E)無機フィラーを実質的に含まないことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を用いたエッチング方法において使用される感光性樹脂組成物に関する。
ガラス、シリコン、チタン等の基材にエッチング処理によってパターンを形成する際には、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を使用する場合がある(以下、「フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液」を「フッ酸エッチング液」と略記する場合がある)。このようなフッ酸エッチング液によるエッチング処理に使用する感光性樹脂組成物としては、従来からネガ型の感光性樹脂組成物が使用されている。また、ネガ型の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層と支持体フィルムとを積層したネガ型ドライフィルムレジストが使用されている。
フッ酸エッチング液を使用したエッチング方法では、例えば、基材上に形成した感光性樹脂層に、所望のパターンのフォトマスクを介して活性光線の露光を実施し、感光性樹脂層の硬化膜を形成する。次いで、非露光部(非硬化部)を現像によって除去し、基材上に、硬化した感光性樹脂層からなるレジストパターンを形成する。続いて、露出した基材に、フッ酸エッチング液を吹き付けて基材を溶解するエッチング処理を行い、基材にパターンを形成する。
フッ酸エッチング液に対する耐性を有するレジストパターンを形成することができる感光性樹脂組成物として、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、ブロック化イソシアネート化合物、およびフィラーを含有する感光性樹脂組成物(特許文献1)や、酸変性エポキシアクリレート、光重合開始剤、ブロック化イソシアネート化合物、およびフィラーを含有する感光性樹脂組成物(特許文献2)が開示されている。かかるフィラーは膜を強固にし、フッ酸エッチング液に対する耐性向上に有効であるものの、該フィラーによってレジストパターンの直線性が失われ、ぎざのあるレジストパターンとなる問題が発生した。そのため、基材上にエッチングによって形成された画線の直線性も失われる場合があった。
基材上の画線の直線性に優れる感光性樹脂組成物として、支持体フィルムと第1感光性樹脂層と第2感光性樹脂層とがこの順に積層してなり、該第1感光性樹脂層が、少なくとも酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、ブロック化イソシアネート化合物、およびフィラーを含有し、且つ、該第2感光性樹脂層が、少なくとも酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、およびブロック化イソシアネート化合物を含有し、フィラーを含まないことを特徴とするネガ型ドライフィルムレジストが開示されている(特許文献3)。しかしながら、第1感光性樹脂層が含有するフィラーの影響によって、解像性が不十分になる場合があった。一方、第1感光性樹脂層がフィラーを含有しない場合は、該感光性樹脂層が早期に剥がれてしまうため、フッ酸エッチング液耐性についても更なる改善が望まれていた。
一方、特開2021-76743号公報(特許文献4)には、絶縁膜としてより低誘電率なレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物として、ポリフェニレンエーテル単位とポリブタジエン単位がエステル結合により結合した構造を有する共重合体を含有する感光性樹脂組成物が記載され、基材への密着性を向上させる密着性付与剤としてシランカップリング剤を含有することができる旨記載されている。
特開2013-117682号公報 特開2016-197226号公報 特開2021-152622号公報 特開2021-76743号公報
本発明の課題は、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液への耐性が良好で、高い解像性を有する感光性樹脂組成物を提供することである。
上記課題は、以下の手段によって解決できた。
フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を用いたエッチング方法において使用される感光性樹脂組成物であって、少なくとも(A)酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、(B)光重合開始剤、(C)ブロック化イソシアネート化合物、および(D)ポリマー型シランカップリング剤を含有し、且つ(E)無機フィラーを実質的に含まないことを特徴とする感光性樹脂組成物。
本発明により、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液への耐性が良好で、高い解像性を有する感光性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)酸変性エポキシ(メタ)アクリレート(以下、「成分(A)」と表記する場合がある)を含有する。成分(A)としては、エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸に代表される不飽和カルボン酸を反応させ不飽和エポキシエステル樹脂を得たのち、さらに得られた不飽和エポキシエステル樹脂と酸無水物とを反応させることで得られる酸変性不飽和エポキシエステル樹脂を使用できる。成分(A)が有するカルボキシル基および水酸基が、後述する(C)ブロック化イソシアネート化合物および(D)ポリマー型シランカップリング剤と架橋反応することにより、フッ酸エッチング液への耐性が良好な感光性樹脂層を得ることができる。該エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、トリスフェノール型、テトラフェノール型、フェノール-キシリレン型、グリシジルエーテル型あるいはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂が挙げられる。使用する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などが例示できる。
成分(A)の酸価は、アルカリ現像速度、密着性などに影響する。成分(A)の酸価(JIS K2501:2003)は、40~120mgKOH/gであることが好ましい。酸価が40mgKOH/g未満では、現像時間が長くなる場合があり、酸価が120mgKOH/gを超えると、皮膜性が悪くなる場合がある。
また、成分(A)の質量平均分子量は、3,000~15,000であることが好ましい。質量平均分子量が3,000未満では、硬化前の感光性樹脂層を皮膜状態に形成することが困難になる場合がある。一方、15,000を超えると、現像液に対する溶解性が悪化する場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物が含有する(A)酸変性エポキシ(メタ)アクリレートとしては、市販品も好ましく用いることができる。例えば、日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)CCR-1235、同じくZAR-2000、同じくZFR-1401H、同じくUXE-3000、昭和電工(株)製リポキシ(登録商標)PR-300CP等を例示でき、これらを単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤(以下、「成分(B)」と表記する場合がある)を含有する。(B)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-メトキシ-4′-ジメチルアミノベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1等の芳香族ケトン;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9′-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N-フェニルグリシン、N-フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5-トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。中でも、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体を単独あるいは他の光重合開始剤と併用して使用することは、高感度な感光性樹脂組成物が得られるため好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)ブロック化イソシアネート化合物(以下、「成分(C)」と表記する場合がある)を含有する。(C)ブロック化イソシアネート化合物としては、イソシアネート基がブロック剤で保護されている化合物が例示され、該化合物はイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を反応させることで得られる。ブロック化イソシアネート化合物は、常温では安定であるが、加熱すると、ブロック剤が開裂してイソシアネート基が発生する化合物である。加熱処理を行うことで、成分(C)中のブロック化イソシアネート基から発生したイソシアネート基と成分(A)中のカルボキシル基および水酸基との熱架橋による強固な結合が形成され、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有したエッチング液に対する感光性樹脂層の耐性が大幅に向上する。
ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、p-エチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール等のフェノール系;エタノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ベンジルアルコール等のアルコール系;マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン系;アセトアニリド、アセトアミド等の酸アミド系;その他イミド系;アミン系;イミダゾール系;ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール等のピラゾール系;尿素系;カルバミン酸系;イミン系;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;メルカプタン系;重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系;ラクタム系等がある。フッ酸エッチング液に対する耐性および解像性の点から、ブロック剤としては、ピラゾール系のブロック剤が好適であり、特にジメチルピラゾールが好ましい。
イソシアネート化合物としては、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアネート、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ダイマー酸ジイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体等のプレポリマーが挙げられる。フッ酸エッチング液に対する耐性および解像性の点から、イソシアネート化合物としては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートが好適であり、特にそのアダクト体、ビウレット体およびイソシアヌレート体が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)ポリマー型シランカップリング剤を含有する。ポリマー型シランカップリング剤を用いることで、露光、現像工程によるパターン加工性を維持しつつ、加熱硬化後の基材への密着性が良好で、フッ酸エッチング液に対する耐性に優れた画線が得られる。ポリマー型ではないシランカップリング剤を用いた場合は、十分なフッ酸エッチング液耐性が得られない場合がある。
本発明におけるポリマー型シランカップリング剤とは、主鎖の有機ポリマーにアルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合物であり、アルコキシシリル基に加えて他の有機官能基を有していてもよい。このようなポリマー型シランカップリング剤としては、市販品を好ましく用いることができる。例えば、主鎖の有機ポリマーにアルコキシシリル基を有するポリマー型シランカップリング剤としては、大成ファインケミカル(株)製8SQ-1052、同じく8SQ-1175、同じく8SQ-1100、信越化学工業(株)製X-12-1267B等が例示でき、主鎖の有機ポリマーにアルコキシシリル基および有機官能基を有するポリマー型シランカップリング剤としては、信越化学工業(株)製X-12-972F(アミノ基含有)、同じくX-12-981S(エポキシ基含有)、同じくX-12-984S(エポキシ基含有)、同じくX-12-1048(アクリル基含有)、同じくX-12-1050(アクリル基含有)、同じくX-12-1154(メルカプト基含有)、同じくX-12-1242(イソシアネート基含有)、同じくX-12-1287A(酸無水物官能基含有)等を例示することができる。これらの中でも、成分(A)のカルボキシル基と強固に結合し、フッ酸エッチング液への耐性が良好な感光性樹脂層が得られる観点から、特に、有機官能基としてエポキシ基を有するポリマー型シランカップリング剤が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)無機フィラーを実質的に含まない。これにより、高い解像性を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。ここで、実質的に含有しないとは、(E)無機フィラーの含有量が、成分(A)、成分(B)、成分(C)、および成分(D)の総量に対して0.1質量%以下であることを意味する。(E)無機フィラーとしては、シリカ、タルク、石英、アルミナ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、雲母等が挙げられ、これらの含有量が0.1質量%を超えると、レジストパターンの直線性や解像性が低下する。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、上記した成分(A)~(D)以外の成分を含有させてもよい。このような成分としては、架橋性モノマー、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、熱発色防止剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、撥水剤および撥油剤等が挙げられ、成分(A)~(D)の総量に対して各々0.01~20質量%程度含有することができる。これらの成分は1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-ブタノール、n-ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸-n-アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤又はこれらの混合溶剤を含有させてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、成分(A)の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量に対して35~80質量%であることが好ましく、40~75質量%であることがより好ましい。成分(A)の配合量が35質量%未満では、被膜性が悪くなる場合がある。一方、成分(A)の配合量が80質量%を超えると、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有したエッチング液に対する耐性が低下する場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物において、成分(B)の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量に対して0.1~10質量%であることが好ましく、0.2~5質量%であることがより好ましい。成分(B)の配合量が0.1質量%未満では、光重合性が不十分となる場合がある。一方、10質量%を超えると、露光の際にレジストの表面で吸収が増大して、感光性樹脂層内部の光架橋が不十分となる場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物において、成分(C)の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量に対して5~35質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。成分(C)の配合量が5質量%未満では、後述する加熱(ベーク)処理後のフッ酸又はフッ化アンモニウムを含有したエッチング液に対する耐性が不十分となる場合がある。一方、35質量%を超えると、光硬化が不十分となり、解像性が低下する場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物において、成分(D)の配合量は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量に対して1~16質量%であることが好ましく、4~12質量%であることがより好ましい。成分(D)の配合量が1質量%未満では、感光性樹脂組成物と基材との密着性が不十分となる場合がある。一方、16質量%を超えると、光硬化が不十分となり、解像性が不十分となる場合がある。
本発明に係るネガ型ドライフィルムレジストを形成する方法は、支持体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗工し、乾燥して、感光性樹脂層を形成する。塗工する方法としては、ロールコータ、コンマコータ(登録商標)、グラビアコータ、エアーナイフ、ダイコータ、バーコータ等の方法で行うことができる。
支持体フィルムとしては、紫外線を透過させる透明フィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等のフィルムが使用できる。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用すると、ラミネート適性、剥離適性、高透過性、屈折率の点から有利であり、安価で、脆化せず、耐溶剤性に優れ、高い引っ張り強度を持つ等の利点から、非常に利用しやすい。支持体フィルムの厚みは、1~100μmであることが好ましい。
次に、本発明に係るネガ型ドライフィルムレジストを用いたエッチング方法について詳説する。まず、本発明の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層を有するネガ型ドライフィルムレジストを、感光性樹脂層が、基材に接触するように貼り付ける。本発明に係わる基材とは、フッ酸エッチング液でエッチング加工を実施する基材であり、ガラス、セラミック、酸化銀、シリコン、ゲルマニウム、タンタル、半導体基板、石英、チタン等が挙げられる。
基材にネガ型ドライフィルムレジストを貼り付ける方法としては、例えばラミネート法を使用することができ、一般的な、プリント基板用熱ラミネーターや真空ラミネーターを使用できる。ニップ圧力、搬送速度、ロール温度等のラミネート条件は、使用する基材によって異なるが、気泡やムラなく貼り付けることができれば、何れの条件であってもよい。
ネガ型ドライフィルムレジストを基材に貼り付けた後、感光性樹脂層に対してパターン状の露光を実施し、露光部を硬化させる。露光方法としては、具体的には、フォトマスクを用いた密着露光が挙げられる。また、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、プロキシミティ方式、プロジェクション方式や走査露光が挙げられる。走査露光としては、UVレーザ、He-Neレーザ、He-Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光等が挙げられる。
次に、アルカリ現像を実施し、感光性樹脂層の紫外線非露光部を除去する。アルカリ現像に使用するアルカリ現像液としては、例えば、無機アルカリ性化合物の水溶液を用いることができる。無機アルカリ性化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の炭酸塩や水酸化物が挙げられる。アルカリ現像液の無機アルカリ性化合物の濃度は、0.1~3質量%であることが好ましく、0.1~3質量%の炭酸ナトリウム水溶液がアルカリ現像液として好ましく使用できる。アルカリ現像液には、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜少量混入することもできる。アルカリ現像の処理方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スクレーピング等があり、スプレー方式が除去速度のためには最も適している。アルカリ現像の処理温度は15~35℃が好ましく、また、スプレー圧は0.02~0.3MPaが好ましい。
次に、加熱(ベーク)処理を行う。これにより、感光性樹脂層と基材の密着を向上させ、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有したエッチング液に対する耐性を向上させることができる。加熱温度は、本発明の感光性樹脂組成物が含有する(C)ブロック化イソシアネート化合物のブロック剤が開裂する温度以上が好ましく、90~250℃であることが好ましく、110~200℃であることがさらに好ましい。90℃未満であると、架橋反応の進行が遅い場合があり、250℃を超えると、他の成分が分解する場合がある。加熱時間は10~90分間であることが好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1~5および比較例1~3の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層を有するネガ型ドライフィルムレジストの作製)
表1に示す各成分を混合し、実施例1~5および比較例1~3の各感光性樹脂組成物を含有する塗工液を作製した。なお、表1における各成分配合量の単位は、質量部を表す。得られた各塗工液を、バーコータにて高透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:FB40、16μm厚、東レ(株)製)上に塗工し、80℃で8分間乾燥することで溶剤成分をとばし、PETフィルムの片面上に、乾燥膜厚15μmの感光性樹脂層を有する各ネガ型ドライフィルムレジストを得た。
Figure 2023088733000001
表1において、各成分は以下の通りである。
<成分(A)>
(A-1)酸変性エポキシアクリレートKAYARAD(登録商標)UXE-3000(商品名、日本化薬(株)製、濃度65質量%、質量平均分子量:10,000、酸価:98mgKOH/g)
(A-2)酸変性エポキシアクリレートKAYARAD(登録商標)ZAR-2000(商品名、日本化薬(株)製、濃度65質量%、質量平均分子量:13,000、酸価:98mgKOH/g)
<成分(B)>
(B-1)2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体
(B-2)4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
<成分(C)>
(C-1)トリキセンBI7960(商品名、(株)GSIクレオス製、ベース:1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ブロック剤:ジメチルピラゾール、濃度70質量%)
<成分(D)>
(D-1)ポリマー型シランカップリング剤(商品名:X-12-981S、信越化学工業(株)製)
(D-2)ポリマー型シランカップリング剤(商品名:X-12-984S、信越化学工業(株)製)
<成分(E)>
(E-1)タルク(商品名:SG95、日本タルク(株)製、平均粒子径2.5μm)
<成分(F)>
(F-1)エポキシシランカップリング剤(商品名:KBM402、信越化学工業(株)製)
次に、厚さ2mmのガラス基材に、上記で得られた実施例1~5および比較例1~3のネガ型ドライフィルムレジストを、感光性樹脂層が基材に接触するようにして100℃で熱圧着した。次に、フォトマスク(ライン/スペース=500μm/50μm)を介して、超高圧水銀灯にて感光性樹脂層に対して露光を行った。露光後、室温で10分間放置してから、ネガ型ドライフィルムレジストのPETフィルムを剥がし取り、感光性樹脂層の表面に、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて、スプレー圧0.1MPaでスプレーし、非露光部を除去して、現像を行った。その後、30℃で、スプレー圧0.1MPaにて水洗を行い、乾燥させた。その後、150℃、30分のベーク処理を実施し、レジストパターンが形成されたガラス基材を得た。
次に、上記レジストパターンが形成されたガラス基材を、4mol/Lのフッ化アンモニウム水溶液と2mol/Lの硫酸を同量混合したエッチング液(25℃)に30分間浸漬した。実施例1~3では、感光性樹脂層の剥がれが発生せず、20μm以上の深さのエッチングが完了できた。また、エッチング後の画線を顕微鏡で観察した結果、50μmスペースが解像でき、直線性が良いことが確認された。実施例4および5では、20μm以上のエッチングが完了でき、実施例1~3に比べて直線性がやや劣るものの、50μmスペースが解像できた。一方、比較例1および3では、感光性樹脂層の剥がれが早期に生じ、十分なエッチングが達成できなかった。また、50μmスペースの解像性および直線性も悪かった。比較例2では、20μm以上の深さのエッチングは完了できたが、エッチング後の50μmスペースの直線性および解像性が悪かった。
本発明の感光性樹脂組成物は、フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を使用してエッチング加工する際のレジストとして使用可能である。

Claims (1)

  1. フッ酸又はフッ化アンモニウムを含有するエッチング液を用いたエッチング方法において使用される感光性樹脂組成物であって、少なくとも(A)酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、(B)光重合開始剤、(C)ブロック化イソシアネート化合物、および(D)ポリマー型シランカップリング剤を含有し、且つ(E)無機フィラーを実質的に含まないことを特徴とする感光性樹脂組成物。
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