JP2023087577A - 防音材製造用口金及びそれを使用した防音材の製造方法 - Google Patents

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雄三 平川
Yuzo Hirakawa
圭 足立
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Abstract

【課題】複数の中空部が形成された防音材の押出成形後の架橋発泡時に発生したガスを極めて簡易に抜くことのできる防音材製造用口金及びそれを使用した防音材の製造方法を提供することにある。【解決手段】ゴムスポンジからなる防音材50を押出成形するときに使用する防音材製造用口金であって、口金200の断面形状は、長方形環状部からなる外形201と、長方形環状部201を上下に2つ以上に分割するように左右横方向に延びる横筋部202と、長方形環状部201を左右に2つ以上に分割するように縦方向に延びる縦筋部203からなり、長方形環状部201にガス抜き用の分離部300を複数形成した。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、自動車のドアなどに取付けられる防音材を押出成形する防音材製造用口金及びその口金を使用した防音材の製造方法に関するものである。
例えば、自動車のドア周りに取付けられるウェザーストリップのように中空部を有するゴムスポンジを押出成形する場合、未加硫ゴムを押出機から押し出した後に行われる加熱工程(発泡加硫工程)において中空部内に発泡ガスが発生し、中空部に対してガス抜き穴を設けないと中空部の形状が安定しないといった問題があった。
このため、押出成形後に中空部に対して針状部を回動させるようにして穴をあけてガスを排出する方法が開示されている(特許文献1参照)。
これによれば、ウェザーストリップの取付部など穿孔障害体からの干渉を回避した状態で確実かつ簡易に穴をあけることができる。
しかし、図5に示すような口金400を使用して、図6に示すような複数の中空部18が形成された防音材10を押出成形する場合には、中空部18のそれぞれに対して穴あけをする装置を設ける必要がある。すなわち、上側から4つ、下側から4つの計8か所の穴あけが必要になってくる。
この防音材10は、例えば自動車のドアに取付けられるもので、その上面11及び下面12は平担で、左右横方向に延びる横仕切り壁15によって上下に2つ以上の中空部18が形成され、縦方向に延びる縦仕切り壁16によって左右に2つ以上の中空部18が形成されている。ここでは、1本の横仕切り壁15と3本の縦仕切り壁16(16A,16B,16C)によって上下に2つの中空部18,左右に4つの中空部18で計8つの中空部18が形成されたものを示している。
また、口金400は、本体部201と、押出成形材が通過するための通路部202と、前記中空部を形成するための中子部203とからなり、前記通路部202は、その外形が、一定の幅を有する帯状の部分が切れ目なく長方形状に形成された、いわゆる長方形環状の部位204と、その長方形環状部204を上下に均等に2分割するように横に延びる横筋部205と、長方形環状部204を左右に均等に4分割するように縦に延びる縦筋部206(ここでは3つの縦筋部206A,206B,206C)とが連設されてなる。
その他、ウェザーストリップのトリム部に溝部を形成してガス抜きを図り、加硫工程後の充填工程においてその溝部を埋めるものや(特許文献2参照)、同じくトリム部に細孔を設けてガスを大気に逃がした後、熱可塑性エラストマーや樹脂の被膜で密閉するもの(特許文献3)も開示されているが、図6に示したような、複数の中空部18が形成された防音材10におけるガス抜きを考慮したものではない。
特開2019-14024号公報 特開2010-184624号公報 特許第3579835号公報
そこで、本発明の目的とするところは、複数の中空部が形成された防音材の押出成形後の架橋発泡時に発生したガスを極めて簡易に抜くことのできる防音材製造用口金及びそれを使用した防音材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の防音材製造用口金は、複数の中空部(58)が形成されたゴムスポンジからなる防音材(50)の、押出成形工程で使用する防音材製造用口金であって、
前記口金(200)は、本体部(201)と、押出成形材が通過するための通路部(202)と、前記中空部(58)を形成するための中子部(203)とからなり、
前記通路部(202)は、長方形環状部からなる外形(204)と、前記長方形環状部(204)を上下に2つ以上に分割するように左右横方向に延びる横筋部(205)と、前記長方形環状部(204)を左右に2つ以上に分割するように縦方向に延びる縦筋部(206)からなり、
少なくとも前記通路部(202)の吐出側に分離部(300)を複数形成したことを特徴とする。
また本発明の防音材製造用口金を使用した防音材の製造方法は、前記請求項1に記載の防音材製造用口金(200)を使用して、断面形状の外形が長方形で、内部には、左右横方向に延びる横仕切り壁(55)によって上下に2つ以上の前記中空部(58)が形成されるとともに、縦方向に延びる縦仕切り壁(56)によって左右に2つ以上の前記中空部(58)が形成されたゴムスポンジからなる前記防音材(50)を製造する防音材の製造方法であって、
押出成形後の前記防音材(50)を加熱工程で発泡させた時の膨張を利用して、前記分離部(300)に対応して形成された離間部(59)が塞がるように、前記分離部(300)の幅(300L)を設定したことを特徴とする。
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明によれば、複数の中空部が形成されたゴムスポンジからなる防音材の、押出成形工程で使用する防音材製造用口金には、各中空部に対応した分離部が形成されているので、口金より押し出された直後の防音材の外面には、分離部の幅に対応した離間部が形成されている。この離間部はその後の加熱工程(架橋発泡工程)で、例えばマイクロ波加熱装置(UHF)内を通過した時の発泡による膨張を利用して、塞がれ接続される。そして、中空部内に発生したガスは押し出された直後から加熱工程で塞がれるまでの間に存在する離間部から放出されるようになっている。
また、分離部の幅を、加熱工程で発泡させた時の膨張を利用して分離部に対応して形成された離間部が塞がるように設定することで、確実に防音材に隙間のない中空部が形成される。
これにより中空部の形状が安定しないといった問題は解消される。
また、中空部に対して穴あけをする装置も不要で口金に分離部を形成するだけでよいので構造が簡易である。
こうして製造された防音材は、全体が押出成形により架橋発泡されたものであるので、疎水性に優れ水がかかる場所にも使用することができる。
また、その断面外側には「スキン層」と呼ばれる発泡層よりも密度が高い弾性を持った薄膜の層が形成され、この層は、内部に水は通さないが、弾性薄膜の振動によって内部へ音は侵入し、音波が侵入することによって、内部にてエネルギーの減衰が起こり効果的に吸音できるといった特徴を有している。
また本発明によれば、縦筋部は長方形環状部を左右に2つ以上に均等に分割するように配置され、分離部は、長方形環状部の上下において、中子部をそれぞれ二等分する線と交差する位置に形成されているので、断面形状において左右の長さが等しい中空部が形成される。
また、横筋部は、長方形環状部を上下に2つ以上に均等に分割するように配置されているので、断面形状において上下の高さについても等しい中空部が形成される。
また本発明によれば、防音材を、比重0.2以下のゴムスポンジからなるものとしたので、中空部を空気層として、防音材としての吸音ピークを約800Hz~1000Hzといった低周波数へシフトさせることができる。
また横仕切り壁及び縦仕切り壁の位置を変えて中空部の大きさを変えることで吸音ピークを容易に微調整することもできる。
自動車の外観側面図である。 本発明の実施形態に係る防音材50が取付けられた状態を示す図1のA-A線拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る防音材50を押出成形する口金200を示す図で、(a)は口金200の吐出側(押出成形材の出口側)を示した図であり、(b)は口金200の押出機側(押出成形材の入口側)を示した図である。 本発明の実施形態に係る防音材50を示す拡大斜視図で、(a)は発泡により離間部が塞がった防音材50であり、(b)は押出成形直後の離間部が形成されている防音材50である。 従来例に係る防音材10を押出成形する口金400で、吐出側(押出成形材の出口側)を示した図である。 従来例に係る防音材10を示す拡大斜視図である。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る防音材製造用口金及びそれを使用した防音材の製造方法について説明する。
この防音材50は、図1及び図2に示すように、自動車のドア100に取付けられるドアホールシール30のシート本体部31に適用されるものである。
このドアホールシール30は、ドアアウターパネル101とともに、ドア100を構成するドアインナーパネル102とドアトリム103の間に設けられ、ドアインナーパネル102に形成された開口部Hを覆っている。
ドアホールシール30は、遮音性及び吸音性に優れたシート本体部31とそのシート本体部31に熱溶着(溶着部T)によって固着一体化され、シート本体部31をドアインナーパネル102の車内側に取付ける合成樹脂フィルム(PEフィルム)32からなる。合成樹脂フィルム32の車外側面には接着剤としてブチルゴムシール剤33が設けられ、これによってドアホールシール30はドアインナーパネル102に固着されている。
なお、シート本体部31は、合成樹脂フィルム(PEフィルム)32にかえて樹脂成型品と一体化してもよいし、ドアインナーパネル102と一体化してもよい。一体化する手段も、例えば樹脂成型品が一体化先であれば、樹脂成型品に鍵爪状の係止部を設けてシート本体部31を係止させてもよいし、ドアインナーパネル102が一体化先であれば、シート本体部31にクリップや両面テープ、接着剤、ホットメルトのような固定手段をあらかじめ取り付け、ドアインナーパネル102に前記固定手段で取付けるようにしてもよい。また、図1に示すように、ここでは、シート本体部31を、合成樹脂フィルム(PEフィルム)32の車外側面に取付けるようにしたが車内側面に取付けるようにすることもできる。
シート本体部31は、ドア100に取付けられた状態ではその上下端は開口している。
シート本体部31に適用される防音材50は帯状で全体がEPDMスポンジからなり、押出成形工程においては図示しない押出機に、図3に示すような口金200を使用して押出成形され、その後の加熱工程(加硫発泡工程)においては図示しないマイクロ波加熱装置(UHF)内を通過させることにより加硫発泡されたものである。
本実施形態では防音材50を構成するゴムスポンジの原料ゴムとして、制音性、生産性、耐久性などの観点からEPDMを採用しているが、押出成形による架橋発泡をした場合にスキン層が形成されるものであれば他のゴムでもよい。例えば、NR(天然ゴム)、NBR(ニトリルゴム)、Q(シリコーンゴム)、SBR(スチレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)などが挙げられる。
図4(a)に示すように、防音材50は上面51,下面52,左側面53,右側面54からなる帯状で、その断面形状の外形は長方形になっている。また、内部には、左右横方向に延びる横仕切り壁55によって上下に2つ以上の中空部58が形成され、縦方向に延びる縦仕切り壁56によって左右に2つ以上の中空部58が形成されている。ここでは、1本の横仕切り壁55と3本の縦仕切り壁56(56A,56B,56C)によって上下に2つの中空部58,左右に4つの中空部58で計8つの中空部58が形成されたものを示している。
また、上面51及び下面52にはそれぞれ4つの凸部51a,52aが形成されている。
防音材50は、略平担にされた上面51及び下面52のいずれか一方の面が、合成樹脂フィルム(PEフィルム)32に固着され、上下に延びるものが、数本左右方向(ドア100の前側から後側)に並設されることによってシート本体部31が構成されている。左右に隣接する防音材50同士は、突き合わされているだけであるが接着剤などにより固定するようにしてもよい。また、合成樹脂フィルム(PEフィルム)32を使用することなく、シート本体部31をドアインナーパネル102にクリップ等の固定手段を使用して取付ける場合には、防音材50の上面51及び下面52のいずれか一方の面がドアインナーパネル102に取付けられる。
なお、上面51及び下面52に形成された凸部51a,52aの突出量は僅かであるため上面51及び下面52は略平担になっていて、いずれか一方の面が合成樹脂フィルム(PEフィルム)32やあるいはドアインナーパネル102に取付けられる場合には、弾性変形によりその一方の面は平担にされた状態になっている。
また、シート本体部31には、図示は省略するが、各種ケーブルを貫通させたり作業者が作業時に手を挿入したりするための穴や切欠き部が側面に形成されている。
図3(a),(b)に示すように、口金200は、本体部201と、押出成形材が通過するための通路部202と、中空部58を形成するための中子部203と、中子部を本体部に連結する中子連結部203aとからなり、中子連結部203aは、押出成形後の断面形状に影響を与えないように、図3(b)に示すように、押出機側(押出成形材の入口側)にのみ形成されている。また、通路部202は、その外形が、一定の幅を有する帯状の部分が切れ目なく角丸長方形状に形成された、いわゆる長方形環状の部位204と、その長方形環状部204を上下に均等に2分割するように横に延びる横筋部205と、長方形環状部204を左右に均等に4分割するように縦に延びる縦筋部206(ここでは3つの縦筋部206A,206B,206C)とが連設されてなる。なお、角丸長方形とは角の丸い長方形のことであり、ここでは長方形に含まれるバリエーションの一つとして取り扱う。
そして、通路部202には分離部300が複数形成されている。ここでは、分離部300は、防音材50に形成される中空部58に対応して、中子部203にそれぞれ一つずつ、計8つ形成されている。
より具体的には、図3に示すように、分離部300は、長方形環状部201の内側の上下において形成された中子部203をそれぞれ二等分する線CLと交差する位置(計8か所の位置)に形成されている。
なお、分離部300は少なくとも通路部の吐出側(押出成形材の出口側)に形成されていればよいが、耐久性の観点からは通路部の押出機側(押出成形材の入口側)から吐出側(押出成形材の出口側)の全ての範囲で形成されていることが好ましい。
これにより口金200より押し出された直後の防音材50の上面51及び下面52には、防音材50が口金200に形成された分離部300を通ることにより、図4(b)に示すように分離部300の幅300Lに対応した距離分の離間部59が形成されるが、この離間部59は、防音材50の押出工程の後に設けられたマイクロ波加熱装置(UHF)による加熱工程で発泡時の膨張を利用して塞がれ接続されるようになっている。なお、塞がれ接続される時は中空部58内に発生している発泡ガスにより外側に向かって圧力がかかっているため、加熱工程後の防音材50では、この接続された位置が上述した凸部51a,52aとなる。
このとき分離部300の幅300Lは、分離部300の幅300Lに対応して形成された離間部59が発泡時の膨張を利用して確実に塞がるように設定している。例えば、比重0.2~0.3のEPDMスポンジであれば分離部300の幅300Lを0.3mmに以下にすることが好ましく、比重0.1~0.2のEPDMスポンジであれば分離部300の幅300Lを0.5mm以下に設定することが好ましい。
このときの押出成形材料としてのゴム組成物は、少なくともEPDMスポンジ,架橋材,発泡剤,補強材としてカーボンブラック(CB)を含んでいる。
エチレン・α-オレフィン共重合体(EPDM;エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合体)の非共役ジエンとしては、例えば、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン等が挙げられ、α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン等が挙げられる。
架橋剤としては、イオウ、過酸化物等が挙げられ、本発明ではイオウが使用されている。
発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、重曹系化合物、又はマイクロカプセル等が挙げられ、発泡剤を用いずに物理的に発泡させてもよいし、その両方を併用してもよい。
また、その他、無機系充填材、軟化剤、加硫促進剤等が挙げられ、適宜選択して用いることができる。
無機系充填材としては、炭酸カルシウム、等が、軟化剤としては、液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソブチレン、液状ポリアクリル酸エステル等が、加硫促進剤としては、チアゾール系、チウラム系等が挙げられる。
以上のように構成された防音材製造用口金200を使用した防音材50の製造方法によれば、複数の中空部58が形成されたゴムスポンジからなる防音材50の、押出成形工程で使用される防音材製造用口金200には、各中空部58に対応した分離部300が形成されているので、口金200から押し出された直後の防音材50の上面及び下面には、分離部300の幅300Lに対応した離間部59が形成されている。この離間部59はその後のマイクロ波加熱装置(UHF)内を通過した時の発泡による膨張を利用して、塞がれ接続される。そして、各中空部58内に発生したガスは押し出された直後から加熱工程で塞がれ接続されるまでの間に存在する離間部59から放出されるようになっている。
これにより中空部58の形状が安定しないといった問題は解消される。
また、中空部58に対して穴あけをする装置も不要で口金200に分離部300を形成するだけでよいので構造が簡易である。
こうして製造された防音材50は、全体が押出成形により架橋発泡されたものであるので、疎水性に優れ水がかかる場所にも使用することができる。
また、その断面外側には「スキン層」と呼ばれる発泡層よりも密度が高い弾性を持った薄膜の層が形成され、この層は、内部に水は通さないが、弾性薄膜の振動によって内部へ音は侵入し、音波が侵入することによって、内部にてエネルギーの減衰が起こり効果的に吸音できるといった特徴を有している。
なお、比重が0.2以下のゴムスポンジからなる防音材50の場合には、中空部58が潰れるように変形したものとなってしまう。
これは、熱風のみで加熱する場合、まず熱風の当たる外部の局所的な架橋発泡が進んで硬化した後に内部が架橋発泡するという、外部と内部の架橋発泡のタイミングのズレに起因しており、防音材50のような、その外形が、一定の幅を有する帯状の部分が切れ目なく長方形状に形成され、その内部に複数の中空部58が形成されるような断面形状のゴムスポンジを製造する場合は、そのタイミングのズレが形状の品質に大きな影響を与え、比重0.2以下といった低比重の中空構造体は不均一な発熱となり設計形状通りの中空構造は形成できないからである。
この場合には、押出成形材料として、発熱性の高いカーボンナノチューブ(CNT)を少量(2.0phr)添加することによって中空部58の潰れを防止して設計通りの形状に製造することができる。
ここでは、カーボンナノチューブの添加量を2.0phrとしたが、特に限定されない。マイクロ波による発熱性をより良好にするのであれば2.0phr以上を添加することもできるが、経済性の観点からは少量であることが好ましい。従って、カーボンナノチューブの添加量は、3.0phr以下が好ましく、より好ましくは2.5phr以下、さらには2.0phr以下で、0.5phr以上である。
なお、カーボンナノチューブは導電性,熱伝導性に優れ、ゴムとの複合材料として使用されることもあるが、本実施形態のように、断面形状の外形が角丸長方形で、内部には、左右横方向に延びる横仕切り壁55によって上下に2つ以上の中空部58が形成されるとともに、縦方向に延びる縦仕切り壁56によって左右に2つ以上の中空部58が形成されてなる防音材50を押出成形する場合であって、その押出成形材料であるゴム組成物にカーボンナノチューブを添加することでマイクロ波による高発熱性と発泡後の低比重化をもたらし、架橋発泡後の比重が0.2以下であるゴムスポンジからなる防音材50の中空形状を安定化し上下面51,52を平坦にするものは、従来、存在するものではなかったし、そのような発想が記載された先行技術文献も存在しない。
カーボンナノチューブの種類としては、単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブを用いることができ、凝集体の形状としては、粒子状(毛玉状)やバンドル(束)状等が挙げられ、特に制限されない。
特に比重0.2以下のゴムスポンジからなる防音材50には、横仕切り壁55及び縦仕切り壁56による仕切りにより複数の中空部58が形成され中空部58は空気層となっているので、吸音ピークを約800Hz~1000Hzといった低周波数へシフトさせることができる。
また横仕切り壁55及び縦仕切り壁56の位置を変えて中空部58の大きさを変えることで吸音ピークを容易に微調整することもできる。
なお、図4(a)に示した防音材50のように中空部58が上下に2行,左右に4列,総計8つ形成されるものであれば、図3(a)に示したような口金200を使用するが、中空部58が上下に2行,左右に3列,総計6つ形成されるものであれば、それに対応して6つの中空部58が形成されるような口金を使用すればよい。
また、防音材50は、横仕切り壁55で上下に2行となるように中空部58を形成したものであったが、横仕切り壁55を2つにして、中空部58を上下に3行,左右に3列で、計9つの中空部58を、対応した形状の口金を使用して形成したものであってもよい。また、本発明が示す要件に該当すれば、横仕切り壁55の個数や、中空部58の上下又は左右の行列の数、さらに中空部58の形状などは変更することが可能で、様々な形態が本発明に含まれ、これらも防音材の断面形状に対応した口金を利用して設計形状通りのものを製造することができる。
また、発明の実施形態に係る防音材50の構造について自動車のドア100に取付けられるドアホールシール30のシート本体部31に適用した場合について説明したが、自動車のドア100以外にも、例えばエンジンルームやタイヤの中の部品として設けることもできる。
また、発明の実施形態に係る防音材を、自動車以外にも列車,船舶,航空機のドアなどや、住宅の床面や壁面など様々なところに使用することができる。
また、両端末を金型成形等の追加加工によって閉じることで内部を密閉することにより、断熱材として使用することもできる。
10 防音材
11 上面
12 下面
13 左側面
14 右側面
15 横仕切り壁
16(16A,16B,16C) 縦仕切り壁
18 中空部
30 ドアホールシール
31 シート本体部(防音材)
32 PEフィルム(合成樹脂フィルム)
33 ブチルゴムシール剤
50(50A,50B) 防音材
51 上面
51a 凸部
52 下面
52a 凸部
53 左側面
54 右側面
55 横仕切り壁
56(56A,56B,56C) 縦仕切り壁
58 中空部
59 離間部
60 防音材
61 防音材
100 ドア
101 ドアアウターパネル
102 ドアインナーパネル
103 ドアトリム
200 口金
201 本体部
202 通路部
203 中子部
203a 中子連結部
204 長方形環状部
205 横筋部
206(206A,206B,206C) 縦筋部
300 分離部
300L 分離部の幅
400 口金
CL 二等分する線
H 開口部
T 溶着部

Claims (2)

  1. 複数の中空部が形成されたゴムスポンジからなる防音材の、押出成形工程で使用する防音材製造用口金であって、
    前記口金は、本体部と、押出成形材が通過するための通路部と、前記中空部を形成するための中子部からなり、
    前記通路部は、長方形環状部からなる外形と、前記長方形環状部を上下に2つ以上に分割するように左右横方向に延びる横筋部と、前記長方形環状部を左右に2つ以上に分割するように縦方向に延びる縦筋部からなり、
    少なくとも前記通路部の吐出側に分離部を複数形成したことを特徴とする防音材製造用口金。
  2. 前記請求項1に記載の防音材製造用口金を使用して、断面形状の外形が長方形で、内部には、左右横方向に延びる横仕切り壁によって上下に2つ以上の前記中空部が形成されるとともに、縦方向に延びる縦仕切り壁によって左右に2つ以上の前記中空部が形成されたゴムスポンジからなる前記防音材を製造する防音材の製造方法であって、
    押出成形後の前記防音材を加熱工程で発泡させた時の膨張を利用して、前記分離部に対応して形成された離間部が塞がるように、前記分離部の幅を設定したことを特徴とする防音材製造用口金を使用した防音材の製造方法。
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