JP2023086607A - エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法 - Google Patents

Abstract

【課題】センサ部の誤検知による利用者の意図しない行き先対象の呼び登録を防止して、エレベータの運用効率を増大させること。【解決手段】複数の表示部と複数のセンサ部とが縦方向に配列されて設けられる主操作盤３１８Ａと、利用者が前記表示部に近づく場合において、複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、単一のセンサ部を特定し、特定されたセンサ部による操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する制御部と、前記主操作盤３１８Ａより低い位置に設けられ、前記複数の表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤３１８Ｂと、前記利用者が前記表示部に近づく場合において、単一の前記センサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視する制御部と、を備える。【選択図】図１

Description

本発明の実施形態は、エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法に関する。

エレベータの乗りかご内または乗り場において、行き先階呼びまたは乗り場呼び等を非接触で行う技術が知られている。例えば、乗りかご内の操作盤に、利用者の手指を非接触で検知する複数のセンサ部を設け、このセンサ部により行き先階呼びを行う手法がある。特に、コロナウイルス感染を回避するため、この非接触による検知により呼びを行う方式が広まっている。

そして、乗りかご内や乗り場には、利用者に主として利用される主操作盤の他に、当該主操作盤より低い位置に車椅子用操作盤が設けられることが多い。

特開２０１５－２１８０２８号公報 特開２０１３－１２４１６６号公報 特開２０１１－１６２３０７号公報

しかしながら、このような従来技術には以下のような問題点がある。
主操作盤には、センサ部が少なくとも縦方向に配列されているため、利用者が行き先階を指定しようとして手指をセンサ部に近づけると、手指の大きさの範囲にある複数のセンサ部が手指を検知してしまい、これらが誤検知となって、利用者が意図する行き先階以外の行き先が呼び登録されてしまう場合がある。

また、車椅子用操作盤は、主操作盤より低い位置に設置されており、複数のセンサ部が少なくとも横方向に配列されているため、利用者が意図せずに車椅子用操作盤に寄りかかったり、車椅子用操作盤に手荷物が接近する場合がある。このような状況では、センサ部が利用者の寄りかかった体や手荷物を検知して、これが誤検知となって行先階を誤って呼び登録されてしまう場合がある。

このように、従来技術では、センサ部の誤検知により、利用者が意図しない階床が登録される可能性があり、エレベータの運行効率が低下するという問題がある。

実施形態のエレベータ制御装置は、昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第１の表示部と、前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記第１の表示部への操作を非接触で検知する複数の第１のセンサ部と、前記複数の第１の表示部と前記複数の第１のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる主操作盤と、前記利用者が前記第１の表示部に近づく場合において、前記複数の第１のセンサ部のうち一または複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、所定の方式で単一の第１のセンサ部を特定し、特定された第１のセンサ部による操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する第１の制御部と、前記乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第２の表示部と、前記複数の第２の表示部にそれぞれ対応して設けられ、前記利用者による所定の前記第２の表示部への操作を非接触で検知する複数の第２のセンサ部と、前記主操作盤より低い位置に設けられ、前記複数の第２の表示部と前記複数の第２のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤と、前記利用者が前記第２の表示部に近づく場合において、単一の前記第２のセンサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数の第２のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視する第２の制御部と、を備える。

図１は、第１の実施形態の乗りかごの内部の一例を示す模式図である。 図２は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。 図３は、第１の実施形態にかかる主操作盤の構成の一例を示す模式図である。 図４は、第１の実施形態にかかるセンサ部と押しボタンを側面から見た構成とセンサ部の検知範囲を示す模式図である。 図５は、第１の実施形態におけるセンサ部の特定手法の一例を示す模式図である。 図６は、第１の実施形態にかかる車椅子用操作盤の構成の一例を示す模式図である。 図７は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システムによる主操作盤のセンサ部の検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。 図８は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システムによる車椅子用操作盤のセンサ部の検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。 図９は、変形例１にかかるエレベータ制御システムによる車椅子用操作盤のセンサ部の検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。 図１０は、変形例２の主操作盤の構成の一例を示す図である。 図１１は、変形例２の車椅子用操作盤の構成の一例を示す図である。 図１２は、第２の実施形態の乗り場を示す模式図である。 図１３は、第２の実施形態にかかるエレベータ制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。 図１４は、第２の実施形態にかかる乗り場の主操作盤の構成の一例を示す模式図である。 図１５は、第２の実施形態にかかる乗り場の車椅子用操作盤の構成の一例を示す模式図である。 図１６は、変形例３の主操作盤の構成の一例を示す図である。 図１７は、変形例３の車椅子用操作盤の構成の一例を示す図である。

以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。

［第１の実施形態］
（乗りかご内部の構成）
図１は、第１の実施形態の乗りかご１の内部を示す模式図である。エレベータの乗りかご１には、図１に示すように、主操作盤318Aと、車椅子用操作盤318Bとが設けられている。

主操作盤318Aは、利用者が主として行き先階等を指定するための操作を行うためのものである。主操作盤318Aは、扉1の横の前壁面のほぼ中央付近に設置されている。

車椅子用操作盤318Bは、主として車椅子に乗った利用者が行き先階等を指定するための操作を行うためのものである。車椅子用操作盤318Bは、乗りかご1内の図１における左右双方の側壁面に設けられている。車椅子用操作盤318Bは、車椅子に乗った利用者が操作可能なように、主操作盤318Aより低い高さ位置に設けられている。

ここで、主操作盤318Aより低い高さ位置は、主操作盤318Aと一部が重なる高さであってもよく、車椅子用操作盤318Bの後述する押しボタン312Bやセンサ部311Bの位置が、主操作盤318Aの後述する押しボタン312Aやセンサ部311Aの少なくとも一部の高さ位置より低ければよい。

（エレベータ制御システムの構成例）
主操作盤318Aは、例えば主操作盤318Aの各部を制御する第１の行き先階呼び装置30Aの一部を構成する。つまり、以下に述べる第１の行き先階呼び装置30Aは、主操作盤318Aの各部を制御して、利用者による行き先階呼びを受け付ける。

車椅子用操作盤318Bは、例えば車椅子用操作盤318Bの各部を制御する第２の行き先階呼び装置30Bの一部を構成する。つまり、以下に述べる第２の行き先階呼び装置30Bは、車椅子用操作盤318Bの各部を制御して、利用者による行き先階呼びを受け付ける。

以下に、図２を用いて、第１の行き先階呼び装置30A、第２の行き先階呼び装置30Bを含むエレベータ制御システム100について説明する。

図２は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。図２に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10、第１の行き先階呼び装置30A、および第２の行き先階呼び装置30Bを備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。

乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご1とカウンタウェイト3とはロープ4によって連結されている。ロープ4は駆動装置2に架け渡されている。駆動装置2は例えば巻上機等であり、駆動装置2が駆動することで乗りかご1を昇降路内で上下に走行させることができる。

制御盤10は、制御部11、通信部12、及び記憶部13を備え、エレベータ全体を制御する。制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置2と有線または無線で接続されている。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、例えば乗りかご1内等に設置される第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bと接続されている。制御盤10と第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bとは有線または無線等のネットワークで接続されていてよい。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される図示しない乗り場呼び装置等と有線または無線で接続されている。

制御部11は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの呼び登録を行う。制御部11は、呼び登録の内容を記憶部13に格納してもよい。

ここで、行き先階呼びとは、乗りかご1内の利用者が、その乗りかご1を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。また、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご1をその乗り場に到着させるために行う操作である。

また、行き先階呼びは、通信部12を介して第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bから受信する呼び登録要求である。乗り場呼びは、通信部12を介して乗り場呼び装置から受信する呼び登録要求である。

制御部11は、呼び登録の内容に応じて駆動装置2を駆動させ、乗りかご1を行き先階呼び、または乗り場呼びに応答させる。また、制御部11は、乗りかご1が所定階に到着すると乗りかご1及び乗り場の戸開および戸閉等を行う。

また、制御部11は、第１の行き先階呼び装置30Aまたは第２の行き先階呼び装置30Bから行き先階呼びを受信した場合、行き先階呼びを送信した第１の行き先階呼び装置30Aまたは第２の行き先階呼び装置30Bに対して表示灯313の明点灯の指令を通信部12を介して送出し、表示灯313を明点灯させる。また、制御部11は、乗り場呼び装置から乗り場呼びを受信した場合、乗り場呼び装置に対して表示灯の明点灯の指令を通信部12を介して送出し、表示灯を明点灯させる。

通信部12は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの情報を第１の行き先階呼び装置30Aまたは第２の行き先階呼び装置30B及び図示しない乗り場呼び装置等から取得する。また、通信部12は、制御部11からの各種命令等を乗りかご1等に送信する。

記憶部13は、制御盤10にエレベータの制御を実行させるための各種プログラムを記憶する。上述のように、記憶部13が、行き先階呼び登録および乗り場呼び登録等を記憶していてもよい。

第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bは、エレベータ制御装置を構成する。第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bの各部をひとつのエレベータ制御装置として構成してもよい。

まず、第１の行き先階呼び装置30Aについて説明する。第１の行き先階呼び装置30Aは、主操作盤318Aに対する利用者の操作に対して処理を行う装置である。第１の行き先階呼び装置30Aは、物体検知部31A、センサ部311A（311Aa，311Ab，311Ac・・・）、押下検知部32A、押しボタン312A（312Aa，312Ab，312Ac・・・）、表示灯313A（313Aa，313Ab，313Ac・・・）、及び通信部34Aを備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。第１の行き先階呼び装置30Aのうち、少なくともセンサ部311A、押しボタン312A、及び表示灯313Aは乗りかご1内に設けられている。第１の行き先階呼び装置30Aの全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。

センサ部311A（311Aa，311Ab，311Ac・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階（行き先対象）にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Aに手指等をかざすと、センサ部311Aは利用者の手指等の物体を検知する。

押しボタン312A（312Aa，312Ab，312Ac・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312Aは、所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン312Aを押下することが可能に構成されている。

表示灯313A（313Aa，313Ab，313Ac・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Aに手指等をかざし、または、対応する押しボタン312Aを押下すると、その行き先階に対応する表示灯313Aが所定の態様で発光する。

物体検知部31Aは、計時部31Aaと、制御部31Abとを備える。計時部31Aaは、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、検知時間の計時を開始する。計時部31Aaは、そのセンサ部311Aが物体を検知し続けている間は、遅延時間を経過するまで計時を継続する。計時部31Aaは、遅延時間経過前に、そのセンサ部311Aが物体を検知しなくなった場合には、遅延時間の計時を終了する。

また、計時部31Aaは、遅延時間を経過して後述する仮登録がされてから、また検知時間を計時する。そして、計時部31Aaは、そのセンサ部311Aが物体を検知し続けている間は、第１の時間を経過するまで計時を継続する。計時部31Aaは、第１の時間経過前に、そのセンサ部311Aが物体を検知しなくなった場合には、第１の時間の計時を終了する。

計時部31Aaは、いずれかのセンサ部311Aが物体を検知した後に、そのセンサ部311Aが物体を検知しない状態、すなわち、非検知状態になると、計時を終了する。計時部31Aaは、センサ部311Aが非検知となった場合に、第２の時間の計時を開始する。そして、計時部31Aaは第２の時間が経過したら、計時を終了する。

遅延時間、第１の時間、第２の時間は、任意に設定することができる。例えば、遅延時間を２０ｍｓ、第１の時間を３００ｍｓ、第３の時間を２００ｍｓとすることができるがこれらに限定されるものではない。

また、遅延時間、第１の時間、第２の時間を装置ごとに設定変更可能なパラメータデータとして構成し、装置ごとに調整するように構成してもよい。例えば、主操作盤318Aの下部に設けられたボックス（不図示）内のダイヤルにより遅延時間、第１の時間、第２の時間を調整するように構成することができる。また、制御盤10に設けたボリュームつまみにより、第１の行き先階呼び装置30A（あるいは乗り場呼び装置）ごとに遅延時間、第１の時間、第２の時間を調整するように構成することができる。

第１の制御部としての制御部31Abは、いずれかのセンサ部311Aが利用者の手指等の物体を検知すると、対象のセンサ部311Aを特定する。すなわち、単一のセンサ部311Aが利用者の手指等の物体を検知すると、当該単一のセンサ部311Aを対象のセンサ部311Aと特定する。複数のセンサ部311Aが略同時に利用者の手指等の物体を検知すると、検知された複数のセンサ部311から、所定の方式、言い換えれば、予め定められた検知状態のパターンに従って、対象のセンサ部311Aと特定する。予め定められた検知状態のパターンに従って、対象のセンサ部311Aと特定手法については後述する。ここで、略同時とは、時間的に完全に一致している必要はなく、所定の微少時間内に複数検知されれば略同時に検知されたと判断される。

制御部31Abは、計時部31Aaが計時した結果に基づいて行き先階呼びがあったか否かを判定する。具体的には、制御部31Abは、特定されたセンサ部311Aについて遅延時間に達する前に、計時部31Aaが遅延時間の計時を終了した場合には、そのセンサ部311Aに対応する行き先階への呼びはなかったものと判定する。また、制御部31Abは、いずれかのセンサ部311Aについて遅延時間に達した場合に、他のセンサ部311Aが物体を検知しなければ、物体を検知したセンサ部311Aに対応する呼びがあったものと判定し仮登録する。そして、制御部31Abは、仮登録した場合には、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313Aを暗点灯させる。一方、制御部31bは、当該センサ部311Aが非検知となった場合には暗点灯した表示灯313Aを消灯させる。

制御部31Abは、センサ部311Aよる操作に基づく仮登録された時点から検知状態で第１の時間経過し、かつ特定されたセンサ部311Aが非検知となった場合に、特定されたセンサ部311Aによる操作に基づく呼び登録に関する情報として行き先階呼びを、通信部34Aを介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10により特定されたセンサ部311Aに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、特定されたセンサ部311Aに対応する表示灯313Aが明点灯する。また、制御盤10は、同時に、車椅子用操作盤318Bの対応する行き先階の表示灯313Bも明点灯させる。

押下検知部32Aは、制御部32Abを備える。制御部32Abは、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、押下された押しボタン312Aに対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。そして、制御部32Abは、行き先階への呼びがあったと判定した場合、押下された押しボタン312Aに対応する行き先階への行き先階呼びを通信部34Aを介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10により押下された押しボタン312Aに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、押下された押しボタン312Aに対応する表示灯313Aが明点灯する。

ここで、本実施形態では、表示灯313Aの発光態様としては、上述のように、第１の態様としての暗点灯と、第２の態様としての明点灯がある。暗点灯は明点灯より照度が暗い点灯を意味する。表示灯313Aの明点灯は、押しボタン312Aの押下、およびセンサ部311Aによる仮登録から第１の時間経過かつ手指を離すことによる非検知による呼び登録の入力を、第１の行き先階呼び装置30Aが検知した結果に対する応答の点灯を意味する。明点灯は、全点灯とも称されることができる。

なお、発光の態様として、暗点灯、明点灯は一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、点滅等の発光態様を採用することも可能である。

通信部34Aは、通信インタフェース（通信Ｉ／Ｆ）であり、物体検知部31Aまたは押下検知部32Aが、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階登録呼びの情報を制御盤10に送信する。

なお、第１の行き先階呼び装置30Aは、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312Aの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉を行う押しボタン等を備えている。この場合、上述の押下検知部32Aは、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通信部34Aを介して制御盤10等に検知結果を通知してもよい。

また、第１の行き先階呼び装置30Aは、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313Aの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉等に対応する表示灯等を備えている。この場合、押下検知部32Aは、検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。

また、第１の行き先階呼び装置30Aは、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。

次に、第２の行き先階呼び装置30Bについて説明する。第２の行き先階呼び装置30Bは、車椅子用操作盤318Bに対する利用者の操作に対して処理を行う装置である。第２の行き先階呼び装置30Bは、物体検知部31B、センサ部311B（311Ba，311Bb，311Bc・・・）、押下検知部32B、押しボタン312B（312Ba，312Bb，312Bc・・・）、表示灯313B（313Ba，313Bb，313Bc・・・）、及び通信部34Bを備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。第２の行き先階呼び装置30Bのうち、少なくともセンサ部311B、押しボタン312B、及び表示灯313Bは乗りかご1内に設けられている。第２の行き先階呼び装置30Bの全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。

センサ部311B（311Ba，311Bb，311Bc・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階（行き先対象）にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Bに手指等をかざすと、センサ部311Bは利用者の手指等の物体を検知する。

押しボタン312B（312Ba，312Bb，312Bc・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312Bは、所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン312Bを押下することが可能に構成されている。

表示灯313B（313Ba，313Bb，313Bc・・・）は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311Bに手指等をかざし、または、対応する押しボタン312Bを押下すると、その行き先階に対応する表示灯313Bが所定の態様で発光する。

物体検知部31Bは、計時部31Baと、制御部31Bbとを備える。計時部31Baは、各種時間を計時する。

第２の制御部としての制御部31Bbは、単一のセンサ部311Bが利用者の手指等の物体を検知すると、当該単一のセンサ部311Aを対象のセンサ部311Bと特定する。複数のセンサ部311Bが略同時に利用者の手指等の物体を検知すると、利用者の体や手荷物等が車椅子用操作盤318Bに近接して誤検知されたと判断し、当該複数のセンサ部311Bによる検知を無視する。ここで、略同時とは、時間的に完全に一致している必要はなく、所定の微少時間内に複数検知されれば略同時に検知されたと判断される。

制御部31Bbは、単一のセンサ部311Bにより検知された場合には、当該センサ部311Bによる操作に基づく呼び登録に関する情報としての行き先階呼びを通信部34Bを介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10によりセンサ部311Bに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、検知したセンサ部311Bに対応する表示灯313Bが明点灯する。

押下検知部32Bは、制御部32Bbを備える。制御部32Bbは、いずれかの押しボタン312Bが利用者によって押下されると、押下された押しボタン312Bに対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。そして、制御部32Bbは、行き先階への呼びがあったと判定した場合、押下された押しボタン312Bに対応する行き先階への行き先階呼びを通信部34Bを介して、制御盤10に通知する。これにより、制御盤10により押下された押しボタン312Bに対応する行き先階へ呼びの本登録が行われ、押下された押しボタン312Bに対応する表示灯313Bが明点灯する。ここで、表示灯313Bの発光態様としては、表示灯313Aの発光態様と同様である。

通信部34Bは、通信インタフェース（通信Ｉ／Ｆ）であり、物体検知部31Bまたは押下検知部32Bが、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階登録呼びの情報を制御盤10に送信する。

なお、第２の行き先階呼び装置30Bは、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312Bの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉を行う押しボタン等を備えている。この場合、上述の押下検知部32Bは、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通信部34Bを介して制御盤10等に検知結果を通知してもよい。

また、第２の行き先階呼び装置30Bは、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313Bの他に、例えば乗りかご1の戸開および戸閉等に対応する表示灯等を備えている。この場合、押下検知部32Bは、検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。

また、第２の行き先階呼び装置30Bは、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。

次に、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100の物理構成について説明する。制御盤10は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。

ＲＯＭには、例えば制御プログラム及び呼び登録プログラム等のエレベータの制御に関わる各種プログラムが格納されている。ＲＯＭに格納されたこれらのプログラムが読み出されてＲＡＭに展開され、それらのプログラムをＣＰＵ101が実行することにより、制御盤10のエレベータ制御装置としての機能が実現される。

この呼び登録プログラムがＣＰＵにより実行されることで、上述の制御部11、通信部12、及び記憶部13等が実現される。

第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bのそれぞれは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。

ＲＯＭには、例えば、センサ部311A、311Bの検知に基づく呼び等の制御プログラム、押下ボタン312A、312Bの押下に基づく呼び等の制御プログラム等の各種プログラムが格納されている。ＲＯＭに格納された制御プログラムが読み出されてＲＡＭに展開され、ＣＰＵによって実行されることにより、物体検知部31Aの計時部31Aa、制御部31Ab、物体検知部31Bの計時部31Ba、制御部31Bb、押下検知部32Aの制御部32Ab、押下検知部32Bの制御部32Bb等が実現される。

ここで、呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、コンピュータで実行可能な、エレベータの制御に関する複数の命令を含むコンピュータ読み取り可能かつ非遷移的な記録媒体（Non-transitory Computer Readable Recording Medium）を有するコンピュータプログラムプロダクトである。呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、例えばモジュール構成となっており、これらのモジュールが主記憶装置上にロードされる。

呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、またはフラッシュメモリ等である。また、呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、ネットワークに置かれたサーバ等により配信され、または、ダウンロード可能なように構成されることで、他の様々な手法により提供されてもよい。

なお、主に、制御盤10によって実行される呼び登録プログラムと、第１の行き先階呼び装置30A、第２の行き先階呼び装置30Bによって実行される各制御プログラムとによって、エレベータ制御システム100によって実行されるエレベータ制御プログラムが構成される。
（主操作盤の構成例）
図３は、第１の実施形態にかかる第１の行き先階呼び装置の一部である主操作盤318Aの構成の一例を示す模式図である。

図１に示すように、主操作盤318Aは、エレベータの乗りかご1内の利用者による操作を受け付けたり、利用者に乗りかご1の運行状況等を表示したりすることが可能なように、乗りかご1内に設置される。乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。

主操作盤318Aの設置位置は、例えば乗りかご1内の扉右横、つまり、乗りかご1内の扉側に向かって右側袖壁部分である。操作盤318が、乗りかご1の左側袖壁部分、または、側板部分等の他の部分に設置されていてもよい。

主操作盤318Aは、例えば、行き先階表示部310A（310Aa～310Ae）、センサ部311A（311Aa～311Ae）、押しボタン312A（312Aa～312Ae），315A（315Ae，315Ac）、表示灯313A（313Aa～313Ae），316A（316Ae，316Ac）、開閉表示部314A（314Ae，314Ac）、及び表示装置317Aを備える。

行き先階表示部310Aは、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して主操作盤318Aに複数配置されている。図３の例では、乗りかご1の行き先階である１階～１０階にそれぞれ対応して、１０つの行き先階表示部310Aa～310Aeが縦方向に配置されている。すなわち、例えば１階～５階に対応する行き先階表示部310aとセンサ部311Aとのセットが縦１列に配置された右隣等に、例えば６階～１０階に対応する行き先階表示部310Aとセンサ部311Aとのセットが更に縦１列に配置されている。ここで、図３の例では、符号は１階から５階まので行き先階表示部のみに付している。なお、行き先階表示部310Aとセンサ部311Aとがセットで縦一列に配置されていてもよい。

センサ部311Aは、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310A近傍の主操作盤318Aに複数配置されている。図３の例では、縦方向に二列に並ぶ行き先階表示部310Aa～310Ae・・・に、それぞれ対応する１０個のセンサ部311a～311eが一体化されて配置されている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応するセンサ部311Aに手指等をかざすと、そのセンサ部311Aが、対応する行き先階表示部310Aへの操作として利用者の手指等を検知する。

センサ部311Aは、例えば非接触式の反射型光電センサ等として構成されている。反射型光電センサは、赤外線をセンサの外側へ向けて投光し、その光が当たった物体からの反射光を受光することで、非接触に物体を検知する。ただし、センサ部311Aは、非接触で物体を検知することができればよく、例えば静電容量型センサ等の他の型式のセンサとして構成されていてもよい。静電容量型センサは、センサの周囲に電界を発生させ、電界内に進入した物体によって静電容量が変化することにより非接触に物体を検知する。

ここで、本実施形態では、センサ部311Aと押しボタン312Aは一体化されている。後述するセンサ部311Bと押しボタン312Bも同様に一体化されている。図４は、第１の実施形態にかかるセンサ部311（311A,311B）と押しボタン312（312A,312B）を側面から見た構成とセンサ部311の検知範囲を示す模式図である。具体的には、図４に示すように、押しボタン312の裏面3122側にセンサ部311が装着されている。

センサ部311は、図４に示すように、押しボタン312のおもて面3121から所定距離だけ離れた検知範囲401を有している。センサ部311は、図４に示すように、センサ部311と押しボタン312のおもて面3121（すなわち行き先階表示部310のおもて面3121）から第１距離だけ離間した位置までの第１空間領域405では利用者の操作を検知しない。検知範囲401は、第２空間領域に相当し、押しボタン312のおもて面3121から第１距離から離間した位置から第２距離だけ離間した位置までの空間領域であり、この空間領域で利用者の操作を検知する。第１距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から５ｍｍ程度であり、第２距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から２５ｍｍ程度とすることができる。ただし、第１距離、第２距離についてはこれに限定されるものではない。検知範囲401は、図４に示すように、押しボタン312のおもて面3121から離れるに従って狭まる山型である。検知範囲401は、全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。検知範囲401は、押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。図３に示すように、検知範囲401は、おもて面3121と直交する第１方向D1から見て押しボタン312のおもて面3121内に収まり、かつ、その中央C1がおもて面3121の略中央C2と重なるように設定されている。一例として、検知範囲401の中央C1とおもて面3121の中央C2とは、第１方向D1から見て一致する。このように、検知範囲401の全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。

利用者は、行き先階登録をする際には、自分の手指403等を押しボタン312へ向けて前進させ、この際に、センサ部311の検知範囲401に指先が入ってセンサ部311が検知状態となり、指先が検知範囲401から抜けて第１空間領域に入ると、センサ部311は非検知状態となる。利用者は、さらに手指403を前進させて、押しボタン312を押下する。

図３に戻り、押しボタン312Aは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Aと一体的に操作盤318Aに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの前面には、対応する行き先階表示部310Aである文字盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応する押しボタン312Aを押下すると、上述の押下検知部32Aが、対応する行き先階表示部310Aへの操作として押しボタン312Aの押下を検知する。

表示灯313Aは、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Aにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Aと一体的に操作盤318に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン312Aのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯313Aが埋め込まれている。後述する物体検知部31Aからのセンサ接点信号に基づいて、及び後述するネットワークに接続された制御盤10からの点灯指令に基づいて、対応する表示灯313Aが点灯する。表示灯313Aが点灯すると、押しボタン312A及び行き先階表示部310Aを透過した表示灯313の光が利用者に目視される。

図３の例では、複数の表示灯313Aのうち、行き先階表示部310Ab，310Aeに対応する表示灯313Ab，313Aeが暗点灯または明点灯する様子を示している。

開閉表示部314Aは、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部314Ae、及び乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部314Acを含む。図３の例では、開閉表示部314Ae，314Acが左右に並んで操作盤318に配置されている。

押しボタン315Aは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、開閉表示部314Ae，314Acにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314Aと一体的に操作盤318Aに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン315Ae，315Acのそれぞれの前面には、対応する開閉表示部314Ae，314Acである表示盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、乗りかご1の扉の開閉を行うために、対応する押しボタン315Aを押下すると、上述の押下検知部32Aが、対応する開閉表示部314Aへの操作として押しボタン315Aの押下を検知する。

表示灯316Aは、所定の態様で発光することが可能に構成され、開閉表示部314Ae，314Acにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314Aと一体的に操作盤318に内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン315Ae，315Acのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯316Ae，316Acが埋め込まれている。例えば後述の押下検知部32Aの検知結果に基づいて、対応するいずれかの表示灯316Ae，316Acを点灯すると、押しボタン315A及び開閉表示部314Aを透過した表示灯316Aの光が利用者に目視される。これにより、利用者は、自身の操作がどちらの開閉表示部314Ae，314Acに対する操作と認識されたかを知ることができる。

図３の例では、表示灯316Ae，316Acのいずれもが消灯している様子を示している。

表示装置317Aは、例えば液晶表示部としての液晶パネルとして構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図３の例では、上向き矢印と「３」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は３階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。

なお、主操作盤318Aの構成および各種構成の配置は図１の例に限られない。

また、センサ部311Aの近傍に、センサ部311Aの存在を示す表示またはセンサ部311Aに手指等をかざす操作を促す表示等を配置してもよい。これらの表示は、例えばセンサ部311Aの近傍に所望の表示が記されたシール等を貼付することで配置することができる。

また、それぞれのセンサ部311Aの近傍に、それらのセンサ部311Aに対応する行き先階を示す点字、センサ部311Aの存在を示す点字、またはセンサ部311Aに手指等をかざす操作を促す点字等を配置してもよい。これらの点字は、例えばセンサ部311Aの近傍に所望の点字が付された銘板等を設置することで配置することができる。

また、主操作盤318Aは、乗りかご1の開閉も非接触で行うことができるよう、開閉表示部314Ae，314Acにそれぞれ対応するセンサ部を備えていてもよい。

その他、主操作盤318Aは、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。

上述のように主操作盤318Aには、センサ部311Aが少なくとも縦方向、本実施形態では二列縦方向に配列されているため、利用者が行き先階を指定指定しようとして手指をセンサ部318Aに近づけると、手指の大きさの範囲にある複数のセンサ部311Aが手指を検知してしまい、これらが誤検知となって、利用者が意図する行き先階に対応するセンサ部311A以外のセンサ部311Aが行き先階呼び登録されてしまう可能性がある。このため、本実施形態での制御部31Abでは、主操作盤318Aにおいて複数のセンサ部311Aが検知された場合に、所定の方式として、検知された複数のセンサ部311Aの検知パターンにより、利用者が意図する行き先階のセンサ部318を対象として特定している。具体的には、以下のように特定される。

図５は、第１の実施形態におけるセンサ部318Aの特定手法の一例を示す模式図である。制御部31Abは、複数のセンサ部311Aにより操作が検知された場合に、複数の第１センサ部311Aのうち、最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一のセンサ部311Aとして特定する。図５（ａ）の例では、二列のうち右側の列側で、利用者が手指403の指先を１６階のセンサ部311Aに接近させると、手指403の指先以外の部分により、目的の１６階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、８，１０，１２，１４階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。しかし、制御部31Abは、このうち、最上位である１６階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定するので、利用者の意図に従ったものとなる。

また、制御部31Abは、複数列の複数のセンサ部311Aにより操作が検知された場合に、検知された複数のセンサ部311Aの複数列のうち、検知されたセンサ部311Aの配列の最上位のセンサ部311Aの位置が高い方の列の最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一のセンサ部311Aとして特定する。図５（ｂ）の例では、二列の双方の列にわたって利用者の手が覆うように利用者が手指403の指先を１５階のセンサ部311Aに接近させると、手指403の指先以外の部分により、目的の１５階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、１１，１２，１３，１４階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。しかし、制御部31Abは、二列のうちでセンサ部311Aの配列の最上位のセンサ部311Aの位置が高い方の列である左列の最上位である１５階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定するので、利用者の意図に従ったものとなる。

制御部31Abは、複数列の複数のセンサ部311Aにより操作が検知された場合に、複数列の複数のセンサ部311Aのうち、検知された複数のセンサ部311Aの複数列のうち、検知されたセンサ部311Aの配列数が少ない方の列の最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一の第１のセンサ部として特定する。図５（ｃ）の例では、二列の双方の列にわたって利用者の手が覆うように利用者が手指403の指先を１５階のセンサ部311Aに接近させると、手指403の指先以外の部分により、目的の１５階のセンサ部311Aが検知してオンとなる他、１４、１６階のセンサ部311Aも検知してオンとなる。ここで、検知されたセンサ部311の列の高さは右列と左列で同じであるため、図５（ｂ）の手法では特定することができない。このため、制御部31Abは、二列のうちで検知されたセンサ部311の配列数が少ない方の列である左列の最上位の１５階のセンサ部311Aを有効な単一のセンサ部311Aとして特定するので、利用者の意図に従ったものとなる。

ここで、図５（ｃ）の例は、図１に示すように、主操作盤318Aが、乗りかご１内から乗り場方向をみて、乗りかご１内の右横の前壁面に配置されていた場合において、利用者の手指403が操作盤318Aの右方向からセンサ部311Aに近接する状態を示している。ただし、これに限られず、主操作盤318Aが、乗りかご１内から乗り場方向をみて、乗りかご１内の左横の前壁面に配置されていた場合もあり得る。このような主操作盤318Aの配置の場合には、通常、利用者は、手指403を操作盤318Aの左方向からセンサ部311Aに近接させることが多い。このように、主操作盤318Aが扉401の左側に配置され、利用者の手指403が左方向からセンサ部311Aに近づく場合においても、上記特定の手法を適用することができる。

なお、制御部31Abは、単一のセンサ部311Aの操作しか検知されていない場合には、当該センサ部311Aを対象として特定する。

（車椅子用操作盤の構成例）
次に、車椅子用操作盤318Bの構成について説明する。図６は、第１の実施形態の車椅子用操作盤318Bの構成の一例を示す図である。車椅子用操作盤318Bは、図に示すように、例えば行き先階表示部310B、センサ部311B、押しボタン312B，315B、表示灯313B、開閉表示部314B、非常用ボタン316B及び液晶表示部317Bを備える。

行き先階表示部310Bは、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して車椅子用操作盤801に複数配置されている。図６の例では、乗りかご1の行き先階である１階～１０階にそれぞれ対応して、１０個の行き先階表示部310Bが横方向に二列となって配置されている。

センサ部311B(311Ba,311Bc,311Bd,311Be,・・・)は、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310Bにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Bの近傍に複数配置されている。

押しボタン312B(312Ba,312Bc,312Bd,312Be,・・・)は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Bにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310Bと一体的に車椅子用操作盤318Bに複数配置されている。

ここで、本実施形態では、センサ部311Bと押しボタン312Bは、センサ部311Aと押しボタン312Aと同様に、一体化されている。

表示灯313B(313Ba,313Bc,313Bd,313Be,・・・)は、複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310Bにそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に車椅子用操作盤318Bに複数内蔵されている。

開閉表示部314Bは、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部と乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部とから構成される。図６の例では、二つの開閉表示部314Bが左右に並んで車椅子用操作盤318Bに配置されている。

押しボタン315Bは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、二つの開閉表示部314Bにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314Bと一体的に車椅子用操作盤318Bに複数配置されている。二つの開閉表示部314Bにそれぞれ対応して、二つの表示灯（不図示）が対応する開閉表示部314Bと一体的に車椅子用操作盤318Bに内蔵されている。

非常用ボタン316Bは、押下されることにより、管理センタ等の外部に非常事態を通知するためのボタンである。

液晶表示部317Bは、液晶パネルとして構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図６の例では、上向き矢印と「３」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は３階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。

ここで、センサ部311B、押しボタン312B、315B、表示灯313B、開閉表示部314B、液晶表示部317Bのそれぞれの構成は、主操作盤318Aのセンサ部311A、押しボタン312A、315A、表示灯313A、316A、開閉表示部314A、表示装置317Aの押しボタン312Aの構成と同様である。なお、車椅子用操作盤318Bの構成および各種構成の配置は図６の例に限られない。

（エレベータ制御システムの処理例）
次に、図７、図８を用いて、本実施形態のエレベータ制御システム100のエレベータ制御処理の例について説明する。以下、第１の行き先階呼び装置30A、第２の行き先階呼び装置30Bの処理例を中心に、エレベータ制御システム100の処理例について説明する。

まず、第１の行き先階呼び装置30Aによる、主操作盤318Aにおけるセンサ部311Aによる検知があった場合の処理例について説明する。

図７は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100による主操作盤318Aのセンサ部311Bの検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。

図７に示すように、物体検知部31Aの制御部31Abは、いずれかのセンサ部311Aが、対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判定する（S101）。いずれのセンサ部311Aも非検知状態であった場合には（S101:No）、物体検知部31Aはいずれかのセンサ部311Aが検知状態となるまで待機する。

例えば所定のセンサ部311Aが、ある行き先階を表示する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には（S101:Yes）、制御部31Abは、略同時に、他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判断する（S102）。そして、略同時に他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には（S102:Yes）、制御部31Abは、図５で説明したとおり、検知された複数のセンサ部311Aのパターンに従って、利用者が操作を意図する単一のセンサ部311Aを対象として特定し（S103）、処理を次のステップに進める。

一方、S102で、略同時に他のセンサ部311Aにより対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知していない場合、すなわち単一のセンサ部311Aに対応する行き先階表示部310Aへの操作しか検知していない場合には（S102:No）、制御部31Abは、当該センサ部311Aを対象として特定し、処理を次のステップに進める。

次に、物体検知部31の計時部31Aaは検知時間の計時を開始する（S104）。そして、制御部31Abは、検知時間が遅延時間を経過したか否かを判断する（S105）。検知時間が遅延時間を経過していない場合には（S105:No）、遅延時間の経過まで待機する。一方、検知時間が遅延時間を経過した場合には（S105:Yes）、計時部31Aaは検知時間の計時を終了する（S106）。次に、制御部31Abは、当該行き先階の仮登録を行い、対応する表示灯313を暗点灯させる（S107）。また、計時部31Aaは、当該行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応するセンサ部311Aについて検知時間の計時を開始する（S108）。

次に、制御部31Abは、計時対象のセンサ部311Aが非検知となったか否かを判定する（S109）。計時対象のセンサ部311Aが検知状態を維持している間（S109:No）、制御部31Abは計時対象のセンサ部311Aが非検知状態となるまで待機する。

計時対象のセンサ部311Aが非検知状態となると（S109:Yes）、制御部31Abは、計時部31Aaがカウントした検知時間が、第１の時間に達したか否かを判定する（S110）。

検知時間が第１の時間に達していなかった場合（S110:No）、制御部31Abが当該行き先階に対する呼びはなされなかったと判定し、計時部31Aaは検知時間の計時を終了する（S111）。また、制御部31Abは、暗点灯している表示灯313を消灯させる（S112）。そして、処理は終了する。

一方、S110で、検知時間が第１の時間に達していた場合（S110:Yes）、ステップS113以降の処理が開始される。すなわち、計時部31Aaは検知時間の計時を終了する（S113）。

また、計時部31Aaは、行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応するセンサ部311Aについて非検知時間の計時を開始する（S114）。制御部31Abは、計時部31Aaがカウントした非検知時間が、第２の時間に達したか否かを判定する（S115）。非検知時間が第２の時間に達するまでの間（S115:No）、制御部31Abは、他のいずれかのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310Aへの操作を検知したか否かを判定する（S118）。いずれのセンサ部311も非検知状態であった場合には（S118:No）、制御部31Abは、非検知時間が第２の時間に達するまで待機する。

S115で、非検知時間が第２の時間に達すると（S115:Yes）、制御部31Abが行き先階に対する呼びがあったと判定し、計時部31Abは非検知時間の計時を終了する（S116）。また、制御部31Abは、通信部34Aを介して、当該行き先階に対する呼びの情報としての行き先階呼びを制御盤10に通知（すなわち送信）する（S117）。制御盤10の通信部12が行き先階呼びを受信すると、制御盤10の制御部11は行き先階についての呼び登録を行うとともに、明点灯の指令を、通信部12を介して第１の行き先階呼び装置30Aの呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Aに送出する。これにより、主操作盤318Aの行き先階に対応する表示灯313Aが明点灯される（S120）。また、制御盤10の制御部11は、明点灯の指令を通信部12を介して第２の行き先階呼び装置30Bの呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Bに送出する。これにより、車椅子用操作盤318Bの行き先階に対応する表示灯313Bも明点灯される（S121）。

その後、制御部11は、その呼び登録に基づいて駆動装置2を制御して、乗りかご1を行き先階呼び情報で指定された行き先階へと走行させる。

一方、S118で、非検知時間が第２の時間に達する前に（S115:No）、例えば所定のセンサ部311Aが、他の行き先階を表示する行き先階表示部310Aへの操作を検知した場合には（S118:Yes）、制御部31AbがS101、S102で検知され、かつ特定された行き先階に対する呼びはなされなかったと判定し、計時部31bは非検知時間のカウントを終了する（S119）。そして、制御部31Abは、S102で検知され、かつ特定された行き先階を表示する行き先階表示部310Aに対応し、暗点灯している表示灯313Aを消灯させる（S211）。そして、S118で検知された他の行き先階を、行き先階として（S212）、S102からの処理を繰り返し実行する。すなわち、S102において、S118で検知された行き先階に対応する表示灯313Aを暗点灯し、S103以降の処理を上述と同様に実行する。

次に、第２の行き先階呼び装置30Bによる、車椅子用操作盤318Bにおけるセンサ部311Bによる検知があった場合の処理例について説明する。

図８は、第１の実施形態にかかるエレベータ制御システム100による車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Bの検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。

図８に示すように、物体検知部31Bの制御部31Bbは、いずれかのセンサ部311Bが、対応する行き先階表示部310Bへの操作を検知したか否かを判定する（S101）。いずれのセンサ部311Bも非検知状態であった場合には（S101:No）、物体検知部31Bはいずれかのセンサ部311Bが検知状態となるまで待機する。

例えば所定のセンサ部311Bが、ある行き先階を表示する行き先階表示部310Bへの操作を検知した場合には（S101:Yes）、制御部31Bbは、略同時に、他のセンサ部311Bにより対応する行き先階表示部310Bへの操作を検知したか否かを判断する（S302）。そして、略同時に他のセンサ部311Bにより対応する行き先階表示部310Bへの操作を検知した場合には（S302:Yes）、制御部31Bbは、当該操作は誤検知であると判断して当該操作を無視し、処理をS101へ戻す。

一方、S302で、略同時に他のセンサ部311Bにより対応する行き先階表示部310Bへの操作を検知していない場合、すなわち単一のセンサ部311Bに対応する行き先階表示部310Bへの操作しか検知していない場合には（S302:No）、制御部31Bbは、当該操作は誤検知でないと判断して、当該センサ部311Aを対象として特定し、処理を次のステップへ進める。

次に、制御部31Bbは、通信部34Bを介して、当該行き先階に対する呼びの情報としての行き先階呼びを制御盤10に通知（すなわち送信）する（S117）。制御盤10の通信部12が行き先階に対する登録呼びの情報を受信すると、制御盤10の制御部11は行き先階についての呼び登録を行うとともに、明点灯の指令を通信部12を介して第２の行き先階呼び装置30Bの呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Bに送出する。これにより、車椅子用操作盤318Bの行き先階に対応する表示灯313Bが明点灯される（S220）。

なお、制御盤10の制御部11は、車椅子用操作盤318Bから登録呼びを受信した場合には、車椅子用操作盤318Bの表示灯313Bを明点灯させるが、主操作盤318Aの表示灯313Aを明点灯させる処理は行わない。

その後、制御部11は、その呼び登録に基づいて駆動装置2を制御して、乗りかご1を行き先階呼び情報で指定された行き先階へと走行させる。

このように本実施形態の第１の行き先階呼び装置30Aでは、利用者が主操作盤318Aの行き先階表示部310Aに近づく場合において、主操作盤318Aに少なくとも縦方向に配列された複数のセンサ部311Aのうち一または複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合には、所定の検知パターンに基づく方式で、利用者が意図する単一のセンサ部311Aを特定し、特定されたセンサ部311Aによる操作に基づく呼び登録に関する情報を制御盤10に出力する。より具体的には、本実施形態の第１の行き先階呼び装置30では、特定されたセンサ部311Aによる操作に基づく仮登録を行い、仮登録された時点から検知状態で第１の時間を経過した後に、特定されたセンサ部311Aよる操作に基づく行き先階呼びを出力する。このため、本実施形態によれば、主操作盤318Aのセンサ部311Aに対する利用者の操作の誤検知を防止し、エレベータの運用効率を向上させることができる。

また、本実施形態の第２の行き先階呼び装置30Bでは、利用者が、主操作盤318Aより低い位置の車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Aに対して利用者が寄りかかったり、利用者の荷物が近接して複数のセンサ部311Bが検知される場合がある。このような場合において、車椅子用操作盤318において、複数のセンサ部311Bが操作を検知されることになることが多い。このため、主操作盤318Aにおける処理と同様に、検知のパターンに基づいて利用者が意図するセンサ311Bを特定することも考えられるが、複数の複数のセンサ部311Bは、車椅子用操作盤318Bに少なくとも横方向に配列されているため、このような検知パターンに基づくセンサ部311Bの特定は困難である。

しかしながら、本実施形態では、車椅子用操作盤318Bにおいて、複数のセンサ部311Bのうち複数のセンサ部311Bにより略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視し、単一のセンサ部311Bにより操作が検知された場合に、当該センサ部311Bによる操作に基づく呼び登録に関する情報を制御盤10に出力する。

このため、本実施形態によれば、主操作盤318Aより低い位置の車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Aに対して利用者が寄りかかったり、利用者の荷物が近接して複数のセンサ部311Bが検知されても当該操作は無視され、単一のセンサ部311Bによる操作のみが有効とされるため、利用者の操作の誤検知を防止し、エレベータの運用効率を向上させることができる。

また、本実施形態では、主制御盤318Aにおける制御部31Abは、複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合に、検知された複数のセンサ部311Aのうち、最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一のセンサ部311Aとして特定する。また、制御部31Abは、複数列の複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合に、検知された複数のセンサ部311Aのうち、高い方の列の最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一の第１のセンサ部として特定する。また、制御部31Abは、複数列の複数のセンサ部311Aにより略同時に操作が検知された場合に、検知された複数のセンサ部311Aのうち、検知されたセンサ部311Aの数が少ない方の列の最上位のセンサ部311Aを利用者が意図する単一のセンサ部311Aとして特定する。このように、本実施形態では、検知された複数のセンサ部311Aの検知パターンに基づいて利用者が意図するセンサ部311Aを特定するので、より正確に、利用者の操作の誤検知を防止し、エレベータの運用効率を向上させることができる。

［変形例１］
上記実施形態には種種の変形例が考えられる。

例えば、第２の行き先階呼び装置30Bによる、車椅子用操作盤318Bにおけるセンサ部311Bによる検知があった場合の処理において、主操作盤318Aにおけるセンサ部311Aによる検知があった場合の処理と同様に、センサ部311Bによる検知から遅延時間の経過を待って。呼びに関する処理を実行するように、制御部31Bbを構成してもよい。すなわち、変形例１の物体検知部31Bの制御部31Bbは、検知された単一のセンサ部311Bにより検知された時点から検知状態で遅延時間経過した後に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報としての行き先階呼びを出力する。

また、車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Bの操作により、制御部31Bbが呼び登録に関する情報を制御盤10に通知したときに、車椅子用操作盤318Bの表示灯313Bだけでなく、主操作盤318Aの表示灯313Bを明点灯させるように、制御盤10の制御部11を構成してもよい。

図９は、変形例にかかるエレベータ制御システム100による車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Bの検知に基づくエレベータ制御処理の手順の一例を示すフロー図である。図９に召すように、単一のセンサ部311Bが検知された後（S101:Yes、S302:No）、物体検知部31Bの計時部31Baは、検知時間の計時を開始する（S104）。そして、検知時間が遅延時間を経過した場合に（S105:Yes）、検知時間の計時を終了して（S106）、制御部31Bbは、行き先階呼びを制御盤10に通知する（S116）。このような変形例１により、誤検知をより的確に回避することが可能となる。

次に、制御盤10の制御部11は行き先階についての呼び登録を行うとともに、明点灯の指令を通信部12を介して第２の行き先階呼び装置30Bの呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Bに送出する（S220）。さらに、制御盤10の制御部11は、明点灯の指令を通信部12を介して第１の行き先階呼び装置30Bの呼びのあった行き先階に対応する表示灯313Aに送出する（S221）。これにより主操作盤318Aの表示灯313Aも明点灯する。このような変形例１により、利用者の便宜がより図られる。

［変形例２］
第１の実施形態では、主操作盤318Aのセンサ部311Aと押しボタン312Aは一体化されているが、変形例２として、センサ部311Aと押しボタン312Aを別体として構成することができる。図１０は、変形例２の主操作盤1318Aの構成の一例を示す図である。

図１０に示すように、変形例２の主操作盤1318Aには、複数の押しボタン312Aのそれぞれの左側に、複数のセンサ部311Aのそれぞれが押しボタン312Aとは別体で配列されている。ここで、複数のセンサ部311A、複数の押しボタン312A、その他の構成は第１の実施形態と同様である。

また、第１の実施形態では、車椅子用操作盤318Bのセンサ部311Bと押しボタン312Bは一体化されているが、変形例２として、センサ部311Bと押しボタン312Bを別体として構成することができる。図１１は、変形例２の車椅子用操作盤1318Bの構成の一例を示す図である。

図１１に示すように、変形例２の車椅子用操作盤1318Bには、複数の押しボタン312Bのそれぞれの下側に、複数のセンサ部311Bのそれぞれが押しボタン312Bとは別体で配列されている。ここで、複数のセンサ部311B、複数の押しボタン312B、その他の構成は第１の実施形態と同様である。

［第２の実施形態］
以下、図面を参照して第２の実施形態について詳細に説明する。第２の実施形態のエレベータ制御システムでは、第１の実施形態の第１の行き先階呼び装置30Aおよび第２の行き先階呼び装置30Bの構成および機能が乗り場呼び装置に適用されている。以下の図面においては、上述の第１の実施形態と同様の機能を有する構成には同様の符号を付し、それらの説明を省略する。

（乗りかご内部の構成）
図１２は、第２の実施形態の乗り場を示す模式図である。エレベータの乗り場には、図１２に示すように、主操作盤518Aと、車椅子用操作盤518Bが設けられている。

主操作盤518Aは、利用者が主として行き方向等を指定するための操作を行うためのものである。主操作盤518Aは、扉401の右横の壁面において扉401の高さのほぼ中央付近に設置されている。

車椅子用操作盤518Bは、主として車椅子に乗った利用者が行き先方向等を指定するための操作を行うためのものである。車椅子用操作盤518Bは、扉401の左横の壁面において扉401の高さの中央より下側に設置されている。すなわち、車椅子用操作盤518Bは、椅子に乗った利用者が操作可能なように、主操作盤518Aより低い高さ位置に設けられている。

ここで、主操作盤518Aより低い高さ位置は、主操作盤518Aと一部が重なる高さであってもよく、車椅子用操作盤518Bの後述する押しボタン512Bやセンサ部511Bの位置が、主操作盤518Aの後述する押しボタン512Aやセンサ部511Aの高さ位置より低ければよい。

（エレベータ制御システムの構成例）
図１３は、第２の実施形態にかかるエレベータ制御システム200の機能構成の一例を示すブロック図である。図１３に示すように、エレベータ制御システム200は、制御盤10、、第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bを備える。

エレベータ制御システム200が制御を行うエレベータは、例えば乗りかご1等を含む上述の第１の実施形態と同様の構成を備える。制御盤10は、例えば上述の第１の実施形態と同様の構成を備える。制御盤10と第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bとは、各種信号の授受が可能なように有線または無線等のネットワークで接続されている。

第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bは、エレベータ制御装置を構成する。第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bの各部をひとつのエレベータ制御装置として構成してもよい。

まず、第１の乗り場呼び装置50Aについて説明する。第１の乗り場呼び装置50Aは、主操作盤518aからの操作に関して処理を行うものである。第１の乗り場呼び装置50Aは、物体検知部51A、センサ部511A（511Au，511Ad・・・）、押下検知部52A、押しボタン512A（512Au，512Ad・・・）、表示灯513A（513Au，513Ad・・・）、及び通信部54Aを備え、乗り場の利用者による乗り場呼びを受け付ける。乗り場は、乗りかご1が発着し、利用者が乗りかご1に対して乗降車する場所である。第１の乗り場呼び装置50Aのうち、少なくともセンサ部511A、押しボタン512A、及び表示灯513Aは乗り場に設けられている。第１の乗り場呼び装置50Aの全体が乗り場に設けられていてもよい。

センサ部511A（511Au，511Ad・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向（行き先対象）にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511Aに手指等をかざすと、センサ部511Aは利用者の手指等の物体を検知する。

押しボタン512A（512Au，512Ad・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。押しボタン512Aは、所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン512Aを押下することが可能に構成されている。

発光部としての表示灯513A（513Au，513Ad・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511Aに手指等をかざし、または、対応する押しボタン512Aを押下すると、その行き先方向に対応する表示灯513Aが所定の態様で発光する。

物体検知部51Aは、計時部51Aaと、制御部51Abとを備える。第１の制御部としての制御部51Abは、いずれかのセンサ部511が利用者の手指等の物体を検知すると、乗り場呼びがあったか否かを判定する。この他、計時部51Aaおよび制御部51Abの機能は、例えば上述の第１の実施形態の第１の実施形態の第１の行き先階呼び装置30Aの物体検知部31Aの計時部31Aaおよび制御部31Abの機能と同様であるが、本実施形態では、行き先階の呼びに代えて、乗り場呼びが行われる。

押下検知部52Aは、計時部52Aaと、制御部52Abとを備える。制御部52Abは、いずれかの押しボタン512Aが利用者によって押下されると、乗り場呼びがあったか否かを判定する。この他、計時部52Aaおよび制御部52Abの機能は、例えば上述の第１の実施形態の第１の行き先階呼び装置30Aの押下検知部32Aの計時部32Aaおよび制御部32Abの機能と同様であるが、本実施形態では、行き先階の呼びに代えて、乗り場呼びが行われる。
通信部54Aは、物体検知部51Aまたは押下検知部52Aが、乗り場呼びがあったものと判定した場合には、その乗り場呼びの情報を制御盤10に送信する。

制御盤10の制御部11は、受信した乗り場呼びを登録する。また、制御部11は、乗り場呼び登録の内容に応じて、乗りかご1をその乗り場呼びに応答させる。つまり、制御部11は、乗り場呼び登録に登録した行き先方向に走行予定の乗りかご1を、乗り場呼びがあった乗り場へと向かわせる。

なお、第１の乗り場呼び装置50Aは、上記以外にも、乗り場の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。

次に、第２の乗り場呼び装置50Bについて説明する。第２の乗り場呼び装置50Bは、車椅子用操作盤518Bからの操作に関して処理を行うものである。第２の乗り場呼び装置50Bは、物体検知部51B、センサ部511B（511Bu，511Bd・・・）、押下検知部52B、押しボタン512B（512Bu，512Bd・・・）、表示灯513B（513Bu，513Bd・・・）、及び通信部54Bを備え、乗り場の利用者による乗り場呼びを受け付ける。第２の乗り場呼び装置50Bのうち、少なくともセンサ部511B、押しボタン512B、及び表示灯513Bは乗り場に設けられている。第２の乗り場呼び装置50Bの全体が乗り場に設けられていてもよい。

センサ部511B（511Bu，511Bd・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向（行き先対象）にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511Bに手指等をかざすと、センサ部511Bは利用者の手指等の物体を検知する。

押しボタン512B（512Au，512Ad・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。押しボタン512Bは、所定の乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応する押しボタン512Bを押下することが可能に構成されている。

発光部としての表示灯513B（513Bu，513Bd・・・）は、乗りかご1の上下の行き先方向にそれぞれ対応して乗り場に設けられている。乗り場呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部511Aに手指等をかざし、または、対応する押しボタン512Aを押下すると、その行き先方向に対応する表示灯513Bが所定の態様で発光する。

物体検知部51Bは、計時部51Baと、制御部51Bbとを備える。第２の制御部としての制御部51Bbは、いずれかのセンサ部511Bが利用者の手指等の物体を検知すると、乗り場呼びがあったか否かを判定する。この他、計時部51Baおよび制御部51Bbの機能は、例えば上述の第１の実施形態の第２の行き先階呼び装置30Bの物体検知部31Bの計時部31Baおよび制御部31Bbの機能と同様であるが、本実施形態では、行き先階の呼びに代えて、乗り場呼びが行われる。

押下検知部52Bは、計時部52Baと、制御部52Bbとを備える。制御部52Bbは、いずれかの押しボタン512Bが利用者によって押下されると、乗り場呼びがあったか否かを判定する。この他、計時部52Baおよび制御部52Bbの機能は、例えば上述の第１の実施形態の第２の行き先階呼び装置30Bの押下検知部32Bの計時部32Baおよび制御部32Bbの機能と同様であるが、本実施形態では、行き先階の呼びに代えて、乗り場呼びが行われる。

通信部54Bは、物体検知部51Bまたは押下検知部52Bが、乗り場呼びがあったものと判定した場合には、その乗り場呼びの情報を制御盤10に送信する。

なお、第２の乗り場呼び装置50Bは、上記以外にも、乗り場の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。

次に、第２の実施形態にかかるエレベータ制御システム200の物理構成について説明する。

第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bのそれぞれは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。

ＲＯＭには、例えば、センサ部511A、511Bの検知に基づく呼び等の制御プログラム、押下ボタン512A、512Bの押下に基づく呼び等の制御プログラム等の各種プログラムが格納されている。ＲＯＭに格納された制御プログラムが読み出されてＲＡＭに展開され、ＣＰＵによって実行されることにより、物体検知部51Aの計時部51Aa、制御部51Ab、物体検知部51Bの計時部51Ba、制御部51Bb、押下検知部52Aの制御部52Ab、押下検知部52Bの制御部52Bb等が実現される。

ここで、呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、コンピュータで実行可能な、エレベータの制御に関する複数の命令を含むコンピュータ読み取り可能かつ非遷移的な記録媒体（Non-transitory Computer Readable Recording Medium）を有するコンピュータプログラムプロダクトである。呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、例えばモジュール構成となっており、これらのモジュールが主記憶装置上にロードされる。

呼び登録プログラム、各制御プログラム等は、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、またはフラッシュメモリ等である。また、呼び登録プログラム、各制御プログラム等等は、ネットワークに置かれたサーバ等により配信され、または、ダウンロード可能なように構成されることで、他の様々な手法により提供されてもよい。

なお、主に、制御盤10によって実行される呼び登録プログラムと、第１の乗り場呼び装置50Aおよび第２の乗り場呼び装置50Bのそれぞれによって実行される各制御プログラムとによって、エレベータ制御システム200によって実行されるエレベータ制御プログラムが構成される。

（主操作盤の構成例）
次に、図１４を用いて、第２の実施形態の主操作盤518Aの構成例について説明する。図１４は、第２の実施形態にかかる乗り場の主操作盤518Aの構成の一例を示す模式図である。

第１の乗り場呼び装置50Aは、例えば乗り場に設置された主操作盤518Aを備える。主操作盤518Aの設置位置は、例えば乗りかご1が発着する乗り場の扉横等である。１つの乗り場には少なくとも１つの主操作盤518Aが設置されていればよい。複数の乗りかご1が乗り場を発着する場合には、複数の乗りかご1のそれぞれに対応する複数の主操作盤518Aが設置されていてもよい。

主操作盤518Aは、例えば行き先方向表示部510A（510Au，510Ad）、センサ部511A（511Au，511Ad）、押しボタン512A（512Au，512Ad）、表示灯513A（513Au，513Ad）、及び表示装置517Aを備える。

行き先方向表示部510Aは、例えば乗り場に到着する乗りかご1の上下方向等の行き先方向を表示する表示盤等であり、乗りかご1の行き先方向に対応して主操作盤518Aに複数配置されている。図１４の例では、乗りかご1の行き先方向である上方向（上層階）及び下方向（下層階）にそれぞれ対応して、２つの行き先方向表示部510Au，510Adが縦方向に配置されている。

センサ部511Aは、例えば反射型光電センサ、または静電容量型センサ等の非接触式のセンサであり、複数の行き先方向表示部510Aにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510A近傍の主操作盤518Aに複数配置されている。図１４の例では、縦方向に並ぶ行き先方向表示部510Au，510Adに一体的に、それぞれ対応する２つのセンサ部511Au，511Adが配置されている。

乗り場の利用者が、所望の行き先階（上層階または下層階等）の方向（上方向または下方向等）へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応するセンサ部511Aに手指等をかざすと、そのセンサ部511Aが、対応する行き先方向表示部510Aへの操作として利用者の手指等を検知する。

押しボタン512Aは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510Aにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510Aと一体的に操作盤518Aに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン512Aのそれぞれの前面には、対応する行き先方向表示部510Aである表示盤等がはめ込まれている。乗り場の利用者が、所望の行き先階（上層階または下層階等）の方向（上方向または下方向等）へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応する押しボタン512Aを押下すると、上述の押下検知部52Aが、対応する行き先方向表示部510Aへの操作として押しボタン512Aの押下を検知する。

第２の実施形態では、対応する行き先方向表示部510Aが互いに等しい押しボタン512Aとセンサ部511Aとが一体的に構成されている。

表示灯513Aは、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510Aにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510Aと一体的に主操作盤518Aに複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン512Aのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯513Aが埋め込まれている。上述の物体検知部51Aからセンサ接点信号、及び押下検知部52Aからの押しボタン接点信号に基づいて、対応する表示灯513Aが点灯すると、押しボタン512A及び行き先方向表示部510Aを透過した表示灯513Aの光が利用者に目視される。これにより、利用者は、どちらの行き先方向への呼びが登録されたかを知ることができる。

表示装置517Aは、例えば液晶パネル等として構成され、その主操作盤518Aに対応する乗りかご1、または乗り場呼びに応答中の乗りかご1等が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図１４の例では、上向き矢印と「３」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は３階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。

なお、操作盤518Aの構成および各種構成の配置は図１４の例に限られない。例えば、センサ部511Aの近傍に所望の表示が記されたシール等が貼付され、また、所望の点字が付された銘板等が設置されていてもよい。

また例えば、行き先方向表示部510A、押しボタン512A、表示灯513Aのうちのいずれか、あるいは全部が分離され、別々に操作盤518Aに配置されていてもよい。また例えば、操作盤518Aは、押しボタン512Au，512Ad等を備えていなくともよい。

その他、主操作盤518Aは、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。

（車椅子用操作盤の構成例）
次に、図１５を用いて、第２の実施形態の車椅子用操作盤518Bの構成例について説明する。図１５は、第２の実施形態にかかる乗り場の車椅子用操作盤518Bの構成の一例を示す模式図である。

第２の乗り場呼び装置50Bは、例えば乗り場に設置された車椅子用操作盤518Bを備える。車椅子用操作盤518Bの設置位置は、例えば乗りかご1が発着する乗り場の扉横等である。１つの乗り場には少なくとも１つの車椅子用操作盤518Bが設置されていればよい。複数の乗りかご1が乗り場を発着する場合には、複数の乗りかご1のそれぞれに対応する複数の車椅子用操作盤518Bが設置されていてもよい。

車椅子用操作盤518Bは、例えば行き先方向表示部510B（510Bu，510Bd）、センサ部511B（511Bu，511Bd）、押しボタン512B（512Bu，512Bd）、及び表示灯513B（513Bu，513Bd）を備える。

行き先方向表示部510Bは、例えば乗り場に到着する乗りかご1の上下方向等の行き先方向を表示する表示盤等であり、乗りかご1の行き先方向に対応して主操作盤518Bに複数配置されている。図１５の例では、乗りかご1の行き先方向である上方向（上層階）及び下方向（下層階）にそれぞれ対応して、２つの行き先方向表示部510Bu，510Adが横方向に配置されている。

センサ部511Bは、センサ部511Aと同様に、例えば反射型光電センサ、または静電容量型センサ等の非接触式のセンサであり、複数の行き先方向表示部510Bにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510B近傍の車椅子用操作盤518Bに複数配置されている。図１５の例では、横方向に並ぶ行き先方向表示部510Bu，510Bdに一体的に、それぞれ対応する２つのセンサ部511Au，511Adが配置されている。

乗り場の利用者が、所望の行き先階（上層階または下層階等）の方向（上方向または下方向等）へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応するセンサ部511Aに手指等をかざすと、そのセンサ部511Bが、対応する行き先方向表示部510Bへの操作として利用者の手指等を検知する。

押しボタン512Bは、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510Bにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510Bと一体的に車椅子用操作盤518Bに複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン512Bのそれぞれの前面には、対応する行き先方向表示部510Bである表示盤等がはめ込まれている。乗り場の利用者が、所望の行き先階（上層階または下層階等）の方向（上方向または下方向等）へ向かう乗りかご1の乗り場呼びを行うために、対応する押しボタン512Bを押下すると、上述の押下検知部52Bが、対応する行き先方向表示部510Bへの操作として押しボタン512Bの押下を検知する。

第２の実施形態では、対応する行き先方向表示部510Bが互いに等しい押しボタン512Bとセンサ部511Bとが一体的に構成されている。

表示灯513Bは、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先方向表示部510Bにそれぞれ対応して、対応する行き先方向表示部510Bと一体的に主操作盤518Bに複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン512Bのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯513Bが埋め込まれている。対応する表示灯513が点灯すると、押しボタン512B及び行き先方向表示部510Bを透過した表示灯513Bの光が利用者に目視される。これにより、利用者は、どちらの行き先方向への呼びが登録されたかを知ることができる。

なお、車椅子用操作盤518Bの構成および各種構成の配置は図１５の例に限られない。例えば、センサ部511Aの近傍に所望の表示が記されたシール等が貼付され、また、所望の点字が付された銘板等が設置されていてもよい。

また例えば、行き先方向表示部510B、押しボタン512B、表示灯513Bのうちのいずれか、あるいは全部が分離され、別々に車椅子用操作盤518Bに配置されていてもよい。また例えば、車椅子用操作盤518Bは、押しボタン512Bu，512Bd等を備えていなくともよい。

その他、車椅子用操作盤518Bは、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。

（エレベータ制御システムの処理例）
第２の実施形態３のエレベータ制御システム200もまた、上述の第１の実施形態のエレベータ制御システム100と類似の処理を行う。すなわち、利用者により第２の実施形態の所定のセンサ部511に手指等を近づけてかざす操作が行われた場合、押しボタン512に対する押下、押下解除の操作が行われた場合、上述の第１の実施形態の図７、図８の処理において、物体検知部31A,31Bが行った処理を第２の施形態３の物体検知部51A,51Bが行い、押下検知部32A,32Bが行った処理を押下検知部52A,52Bが行う。

このように本実施形態の第１の乗り場呼び装置50Aでは、利用者が主操作盤518Aの行き先方向表示部510Aに近づく場合において、主操作盤518Aに少なくとも縦方向に配列された複数のセンサ部511Aのうち一または複数のセンサ部511Aにより略同時に操作が検知された場合には、所定の検知パターンに基づく方式で、利用者が意図する単一のセンサ部511Aを特定し、特定されたセンサ部511Aによる操作に基づく呼び登録に関する情報を制御盤10に出力する。より具体的には、本実施形態の第１の行き先方向呼び装置50Aでは、特定されたセンサ部511Aによる操作に基づく仮登録を行い、仮登録された時点から検知状態で第１の時間を経過した後に、特定されたセンサ部511Aよる操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する。このため、本実施形態によれば、主操作盤518Aのセンサ部511Aに対する利用者の操作の誤検知を防止し、エレベータの運用効率を向上させることができる。

また、本実施形態の第２の行き先方向呼び装置50Bでは、第１の実施形態と同様に、主操作盤518Aより低い位置の車椅子用操作盤518Bのセンサ部511Aに対して利用者が寄りかかったり、利用者の荷物が近接して複数のセンサ部511Bが検知されても当該操作は無視され、単一のセンサ部511Bによる操作のみが有効とされるため、利用者の操作の誤検知を防止し、エレベータの運用効率を向上させることができる。

[変形例３]
第２実施形態では、主操作盤518Aのセンサ部511Aと押しボタン512Aは一体化されているが、変形例３として、センサ部511Aと押しボタン512Aを別体として構成することができる。図１６は、変形例３の主操作盤1518Aの構成の一例を示す図である。

図１６に示すように、変形例３の主操作盤1518Aには、複数の押しボタン512Aのそれぞれの左側に、複数のセンサ部511Aのそれぞれが押しボタン512Aとは別体で配列されている。ここで、複数のセンサ部511A、複数の押しボタン512A、その他の構成は第２の実施形態と同様である。

また、第２の実施形態では、車椅子用操作盤518Bのセンサ部511Bと押しボタン512Bは一体化されているが、変形例３として、センサ部511Bと押しボタン512Bを別体として構成することができる。図１７は、変形例３の車椅子用操作盤1518Bの構成の一例を示す図である。

図１７に示すように、変形例３の車椅子用操作盤1518Bには、複数の押しボタン512Bのそれぞれの下側に、複数のセンサ部511Bのそれぞれが押しボタン512Bとは別体で配列されている。ここで、複数のセンサ部511B、複数の押しボタン512B、その他の構成は第２の実施形態と同様である。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

1…乗りかご、2…駆動装置、3…カウンタウェイト、4…ロープ、10…制御盤、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、30A…第１の行き先階呼び装置、30B…第２の行き先階呼び装置、31A,31B,51A,51B…物体検知部、31Aa,31Ba,51Aa,51Ba…計時部、31Ab,51Ab…制御部（第１の制御部）、31Bb,51Bb…制御部（第２の制御部）、32A,32B…押下検知部、32Ab,32Bb,52Ab,52Bb…制御部、34A,34B…通信部、50A…第１の乗り場呼び装置、50B…第２の乗り場呼び装置、100,200…エレベータ制御システム、310A,310B…行き先階表示部（表示部）、311Aa～311Ae，511Ad，511Au…センサ部、312Aa～312Ae，315Ac，315Ae，512Ad，512Au，815…押しボタン、313Aa～313Ae，316Ac，316Ae，513Ad，513Au…表示灯、510A，510A…行き先方向表示部（表示部）。

Claims (15)

1. 昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第１の表示部と、
   前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記第１の表示部への操作を非接触で検知する複数の第１のセンサ部と、
   前記複数の第１の表示部と前記複数の第１のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる主操作盤と、
   前記利用者が前記第１の表示部に近づく場合において、前記複数の第１のセンサ部のうち一または複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、所定の方式で単一の第１のセンサ部を特定し、特定された第１のセンサ部による操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する第１の制御部と、
   前記乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第２の表示部と、
   前記複数の第２の表示部にそれぞれ対応して設けられ、前記利用者による所定の前記第２の表示部への操作を非接触で検知する複数の第２のセンサ部と、
   前記主操作盤より低い位置に設けられ、前記複数の第２の表示部と前記複数の第２のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤と、
   前記利用者が前記第２の表示部に近づく場合において、単一の前記第２のセンサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数の第２のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視する第２の制御部と、
   を備えるエレベータ制御装置。
2. 前記第１の制御部は、前記複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合に、検知された複数の第１のセンサ部のうち、最上位の第１のセンサ部を前記単一の第１のセンサ部として特定し、複数列の前記複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合に、検知された複数の第１のセンサ部の複数列のうち、検知された第１のセンサ部の配列の最上位の第１のセンサ部の位置が高い方の列の前記最上位の第１のセンサ部を前記単一の第１のセンサ部として特定し、複数列の前記複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合に、検知された複数の第１のセンサ部の複数列のうち、検知された第１のセンサ部の配列数が少ない方の列の最上位の第１のセンサ部を前記単一の第１のセンサ部として特定する、
   請求項１に記載のエレベータ制御装置。
3. 前記第１の制御部は、前記複数の第１のセンサ部により操作が検知された場合には、前記特定された第１のセンサ部による操作に基づく仮登録を行い、仮登録された時点から検知状態で第１の時間を経過した後に、前記特定された第１のセンサ部よる操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する、
   請求項１または２に記載のエレベータ制御装置。
4. 前記第１の制御部は、前記特定された第１のセンサ部により検知された時点から検知状態で遅延時間経過した後に、前記特定された第１のセンサ部よる前記操作に基づく仮登録を行う、
   請求項３に記載のエレベータ制御装置。
5. 前記第１の制御部は、前記特定された第１のセンサ部による操作に基づく仮登録された時点から検知状態で前記第１の時間経過し、かつ前記特定された第１のセンサ部が非検知となった場合に、前記特定された第１のセンサ部による操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する、
   請求項３または４に記載のエレベータ制御装置。
6. 前記第２の制御部は、前記単一の前記第２のセンサ部により検知された時点から検知状態で遅延時間経過した後に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力する、
   請求項３～５のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
7. 前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、発光可能な第１の発光部と、
   前記第１の制御部は、前記仮登録が行われた場合に、前記第１の発光部を第１の態様で点灯させる、
   請求項３～６のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
8. 前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、発光可能な第１の発光部と、
   前記複数の第２の表示部にそれぞれ対応して設けられ、発光可能な第２の発光部と、
   前記第１の発光部および前記第２の発光部は、呼び登録に関する情報の出力に応じてネットワークに接続された制御盤からの指示により第２の態様で発光する、
   請求項３～７のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
9. 前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、発光可能な第１の発光部と、
   前記複数の第２の表示部にそれぞれ対応して設けられ、発光可能な第２の発光部と、
   前記第２の発光部は、前記第２の制御部による前記呼び登録に関する情報の出力に応じてネットワークに接続された制御盤からの指示により第２の態様で発光する、
   請求項３～８のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
10. 前記第１の発光部は、前記第２の制御部による前記呼び登録に関する情報の出力に応じてネットワークに接続された制御盤からの指示により第２の態様で発光する、
    請求項９に記載のエレベータ制御装置。
11. 前記複数の第１の表示部は、前記乗りかご内に設けられ、前記行き先対象として前記乗りかごの行き先階をそれぞれ表示する複数の第１の行き先方向表示部である、
    請求項１～１０のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
12. 前記複数の第２の表示部は、前記乗りかごへの乗り場に設けられ、前記行き先対象として前記乗りかごの上下の行き先方向をそれぞれ表示する複数の第２の行き先方向表示部である、
    請求項１～１０のいずれか一つに記載のエレベータ制御装置。
13. 昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の表示部と、
    前記複数の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
    利用者が主として操作する主操作盤より低い位置に設けられ、前記複数の表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤と、
    前記利用者が前記表示部に近づく場合において、単一の前記センサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視する制御部と、
    を備えるエレベータ制御装置。
14. エレベータ制御装置で実行されるエレベータ制御方法であって、
    前記エレベータ制御装置は、
    昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第１の表示部と、
    前記複数の第１の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記第１の表示部への操作を非接触で検知する複数の第１のセンサ部と、
    前記複数の第１の表示部と前記複数の第１のセンサ部とが少なくとも縦方向に配列されて設けられる主操作盤と、
    前記乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の第２の表示部と、
    前記複数の第２の表示部にそれぞれ対応して設けられ、前記利用者による所定の前記第２の表示部への操作を非接触で検知する複数の第２のセンサ部と、
    前記主操作盤より低い位置に設けられ、前記複数の第２の表示部と前記複数の第２のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤と、を備え、
    前記利用者が前記第１の表示部に近づく場合において、前記複数の第１のセンサ部のうち一または複数の第１のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、所定の方式で単一の第１のセンサ部を特定し、特定された第１のセンサ部による操作に基づく呼び登録に関する情報を出力するステップと、
    前記利用者が前記第２の表示部に近づく場合において、単一の前記第２のセンサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数の第２のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視するステップと、
    を含むエレベータ制御方法。
15. エレベータ制御装置で実行されるエレベータ制御方法であって、
    前記エレベータ制御装置は、
    昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の表示部と、
    前記複数の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記表示部への操作を非接触で検知する複数のセンサ部と、
    利用者が主として操作する主操作盤より低い位置に設けられ、前記複数の表示部と前記複数のセンサ部とが少なくとも横方向に配列されて設けられる車椅子用操作盤と、を備え、
    前記利用者が前記表示部に近づく場合において、単一の前記センサ部により操作が検知された場合に、当該操作に基づく呼び登録に関する情報を出力し、複数のセンサ部により略同時に操作が検知された場合には、当該操作を無視するステップと、
    を含むエレベータ制御方法。

Images