JP2023086496A - 部品装着装置、部品装着方法、及び部品装着システム - Google Patents
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Abstract
【課題】部品に負荷した荷重情報のトレーサビリティを向上させた部品装着装置を提供できる。【解決手段】本開示に係る部品装着装置は、部品を保持した状態で部品を基板に押圧するノズルを有し、基板に対して昇降可能な押圧ヘッドと、ノズルに負荷する空圧を調整する空圧調整部と、部品装着中における空圧を計測する計測部と、を有する電空レギュレータと、電空レギュレータに接続され、計測部が計測した空圧に基づく荷重情報を取得する制御部と、を備える。【選択図】図5
Description
本開示は、部品装着装置、部品装着方法、及び部品装着システムに関する。
吸着ノズルによって部品を保持し、基板に押圧する部品装着装置が知られている。
特許文献1には、平面方向に移動するヘッドと、ヘッドに配置されたノズルとを有する部品装着装置が開示されている。特許文献1に記載される部品装着装置において、ヘッドはノズルによって部品を保持し、基板の所定の位置に部品を搭載する。
部品を基板に装着する際に、部品に適切な荷重で装着することが求められている。しかしながら、ロードセル等を使用しない場合、部品装着時において、部品が適切な荷重で装着されたか否かを判定することが困難である。
したがって、部品を基板に押圧する際に、部品に負荷した荷重情報のトレーサビリティといった点で未だ改善の余地がある。
本開示は、前記課題を解決することにあって、部品に負荷した荷重情報のトレーサビリティが向上した部品装着装置を提供することを目的とする。
本開示に係る部品装着装置は、部品を保持した状態で部品を基板に押圧するノズルを有し、基板に対して昇降可能な押圧ヘッドと、ノズルに負荷する空圧を調整する空圧調整部と、部品装着中における空圧を計測する計測部と、を有する電空レギュレータと、電空レギュレータに接続され、計測部が計測した空圧に基づく荷重情報を取得する制御部と、を備える。
本開示に係る部品装着方法は、基板に対して昇降可能な押圧ヘッドに設けられたノズルによって部品を保持するステップと、電空レギュレータにおける空圧調整部がノズルに負荷する空圧を調整するステップと、基板に対してノズルが所定距離において下降し、部品を基板に押圧するステップと、電空レギュレータにおける計測部が空圧を計測するステップと、電空レギュレータに接続された制御部が、計測部が計測した空圧に基づく荷重情報を取得するステップと、を含む。
本開示に係る部品装着システムは、部品装着装置と、ネットワークを介して部品装着装置と通信する処理装置と、を備え、部品装着装置は、部品を保持した状態で部品を基板に押圧するノズルを有し、基板に対して昇降可能な押圧ヘッドと、ノズルに負荷する空圧を調整する空圧調整部と、部品装着中における空圧を計測する計測部と、を有する電空レギュレータと、電空レギュレータに接続され、計測部が計測した空圧に基づく荷重情報を取得する制御部と、荷重情報と、部品の装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して送信する第1通信部と、を有し、処理装置は、荷重情報と、装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して受信する第2通信部と、荷重情報と、装着環境に関する情報とを紐づけて格納する処理部と、を有する。
本開示によれば、部品に負荷した荷重情報のトレーサビリティを向上できる。
[実施の形態1]
以下に図面を用いて、本発明の実施の形態1を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着装置、ヘッドユニット、吸着ノズル、部品保持部材の仕様に応じ、適宜変更が可能である。図1及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図1における上下方向)が示される。また、水平面に直交する軸として、Z軸が示される。
以下に図面を用いて、本発明の実施の形態1を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着装置、ヘッドユニット、吸着ノズル、部品保持部材の仕様に応じ、適宜変更が可能である。図1及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図1における上下方向)が示される。また、水平面に直交する軸として、Z軸が示される。
(全体構成)
図1を参照して、部品装着装置1の全体構成を説明する。図1は、部品装着装置1の平面図である。
図1を参照して、部品装着装置1の全体構成を説明する。図1は、部品装着装置1の平面図である。
部品装着装置1は、基台1aと、基板搬送機構2と、部品供給部4と、ヘッドユニット10と、電空レギュレータ40と、ヘッドカメラ13と、部品認識カメラ14と、ノズルストッカ15と、制御部Cと、を有する。部品装着装置1は、基板搬送機構2によって搬送される基板3に、部品供給部4によって供給される部品50を装着する装置である。
基台1aは、XY平面に延びる部品装着装置1を支持する部材である。基台1aの上面において、Y軸に沿って延びる両端部には2つのY軸テーブル8が配置される。2つのY軸テーブル8には、X軸に沿って延びるビーム9が接続される。ビーム9は、Y軸テーブル8に沿って移動することで、Y方向に移動できる。Y軸テーブル8及びビーム9は、リニア駆動機構を備える。
基板搬送機構2は、基台1aの中央にX軸に沿って設置されている。基板搬送機構2は、上流から基板3をX軸に沿って搬送し、部品50の装着作業が行われる装着作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構2は、部品50の装着作業が完了した基板3を下流に搬出する。基板搬送機構2は、例えば、コンベヤである。
2つの部品供給部4は、基板搬送機構2の両側(Y軸の前後方向)に設置されている。両側の部品供給部4には、複数のテープフィーダ5がX軸に沿って並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品50を格納するポケットが形成されたキャリアテープを、部品供給部4の外から基板搬送機構2に向かう方向に送る。キャリアテープに格納された部品50が部品取り出し位置に到達すると、ヘッドユニット10が部品50をピックアップする。また、一方の部品供給部4には、トレイフィーダ7が装着されている。トレイフィーダ7は、部品50やコネクタなどを収容した複数のトレイ6を部品取り出し位置に供給する。
ヘッドユニット10は、X軸に沿って移動可能にビーム9に装着される。ビーム9がY軸に沿って移動可能であることを踏まえると、ヘッドユニット10は基台1aに対してXY平面において移動可能である。実施の形態1におけるヘッドユニット10は、3つの押圧ヘッド11を有する。押圧ヘッド11の下端先端には吸着ノズルが着脱可能に装着される。押圧ヘッド11の構造について、下記で詳述する。
ここで、Y軸テーブル8及びビーム9はあわせてヘッド移動機構12を構成する。また、ヘッド移動機構12及びヘッドユニット10は、部品供給部4から取り出した部品50を基板3に装着する部品装着作業を実行する部品装着機構を構成する。
電空レギュレータ40は、制御部Cによって指令される指令荷重に応じて、ヘッドユニット10に供給する空気量、即ちヘッドユニット10の内部の空圧を調整する。
ヘッドカメラ13は、ビーム9の下面側に配置され、ヘッドユニット10とともに一体的に移動する。ヘッドカメラ13は、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)の位置を認識する。より具体的には、ヘッドカメラ13は、ヘッドユニット10とともに、基板搬送機構2の装着作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板マークの位置を認識する。
部品認識カメラ14は、基板搬送機構2と部品供給部4との間に配置される。部品認識カメラ14は、部品供給部4から取り出した部品50を保持したヘッドユニット10が部品認識カメラ14の上方を通過すると、部品50を下方から撮像する。ヘッドカメラ13による基板3の認識結果と部品認識カメラ14による部品50の認識結果とを加味して、基板3に対する部品50の装着位置の補正が行われる。
ノズルストッカ15は、押圧ヘッド11に装着されるノズルをストックする複数のノズル収容部15aを有する。部品装着装置1は、ノズル交換作業において、押圧ヘッド11に装着されたノズルと、ノズル収容部15aにストックされたノズルとを交換する。
制御部Cは、部品装着装置1が備える各部を制御する。制御部Cは、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。制御部Cは、記憶部31を有し、記憶部31に格納されたプログラムを呼び出して実行することにより、機能を実現する。制御部Cは、例えば、部品装着作業及びノズル交換作業を実現する。制御部Cは、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
(押圧ヘッドの構成)
続いて、図2及び図3を参照して、押圧ヘッド11の構成についてより詳細に説明する。図2は、押圧ヘッド11の側面図である。図3は、部品装着における押圧ヘッド11の側面図である。
続いて、図2及び図3を参照して、押圧ヘッド11の構成についてより詳細に説明する。図2は、押圧ヘッド11の側面図である。図3は、部品装着における押圧ヘッド11の側面図である。
図2に示すように、押圧ヘッド11は、筐体20と、空気供給ホース21と、バルーン22と、ピストン23と、シリンダ24と、ベアリング26と、ノズル27と、Z軸駆動モータ28とを有する。
筐体20は、バルーン22と、ピストン23と、シリンダ24と、ベアリング26とを収容する。
空気供給ホース21は、筐体20の上部に接続され、電空レギュレータ40から空気をバルーン22に供給するホース部材である。バルーン22は膨張可能な袋状の部材である。空気供給ホース21を通じてバルーン22に空気が供給されると、バルーン22の内部の空圧Pが変化し、バルーン22は膨張する。
ピストン23は棒状の部材であり、バルーン22の下端に当たるように、筐体20の内部に配置される。ピストン23は、バルーン22の内部の空圧Pに応じて、下向きの力を受ける。
シリンダ24は、ピストン23をZ軸に沿って移動可能に保持する。より具体的には、シリンダ24の内周面にはスプライン溝25が形成されており、ピストン23はスプライン溝25を介して昇降可能に保持される。
ベアリング26は、筐体20に対してシリンダ24を回転可能に保持する。
ノズル27は、ピストン23の下端に設けられ、部品50を吸着する部材である。ノズル27の先端には、部品50の上面に当接する当接部材27Aが設けられている。当接部材27Aの下面には、ノズル27の吸引開口27Bが開口している。当接部材27Aが部品50の上面に当接した状態で、吸引開口27Bに接続された真空源(図示せず)を作動させると、部品50が当接部材27Aに吸着される。
図3に示すように、部品装着作業において、押圧ヘッド11は基板3に向かって下降し、ノズル27に保持された部品50は基板3に接触する。ピストン23がバルーン22に向かって押し返されるため、バルーン22の内部の空圧が空圧P+ΔPに上昇する。この状態において、ピストン23は、上から空圧P+ΔPによる力を受けるとともに、下から基板3による反力Nを受けて、空圧P+ΔPによる力と反力Nはつり合っている。反力Nは部品50が受ける荷重に相当し、即ち空圧P+ΔPは部品50が受ける荷重に相当する。
続いて、図4を参照して、押圧ヘッド11及び電空レギュレータ40の構成についてより詳細に説明する。図4は、押圧ヘッド11及び電空レギュレータ40の模式図である。
図4に示すように、押圧ヘッド11は電空レギュレータ40に接続される。
電空レギュレータ40は、入力された電圧Vに応じて、押圧ヘッド11における空圧Pを調整する構成である。電空レギュレータ40は、計測部41と、空圧調整部42とを有する。
計測部41は、バルーン22の内部の空圧Pを計測する。計測部41は、例えば、空圧センサである。計測部41は、空圧Pに基づく電圧Vを空圧調整部42及び制御部Cに出力する。空圧Pに基づく電圧Vとは、バルーン22の内部の空圧Pと電空レギュレータ40における電圧Vの比例関係に応じて、空圧Pから換算された電圧Vである。
具体的には、電圧Vと空圧Pとの換算式は以下の数式(1)のように記載できる。
V=αP+β (α、βは定数)・・・(1)
したがって、空圧Pに基づいて電圧Vを取得することができる。実施の形態1においては、電圧Vは1V以上5V以下であり、空圧Pは0MPa以上0.5MPa以下であり、V=8P+1と記載できる。
V=αP+β (α、βは定数)・・・(1)
したがって、空圧Pに基づいて電圧Vを取得することができる。実施の形態1においては、電圧Vは1V以上5V以下であり、空圧Pは0MPa以上0.5MPa以下であり、V=8P+1と記載できる。
空圧調整部42は、複数の弁(図示せず)と、それぞれの弁に接続されたアクチュエータとを有する。空圧調整部42の弁は、バルーン22の内部に空気を給気するように、空気供給源44に接続される。また、空圧調整部42の弁は、バルーン22の内部から空気を排気するように、外気に接続される。制御部Cによって指令荷重F0が決定されると、空圧調整部42には、指令荷重F0に対応した指令電圧V0が入力される。空圧調整部42は、バルーン22の内部の空圧Pが指令電圧V0に対応した指令空圧P0に到達するように空圧Pを調整する。より具体的には、空圧調整部42が、指令電圧V0に応じてアクチュエータを作動させて、弁の開口度を変えることで、バルーン22の内部の空圧Pが指令空圧P0に到達する。また、空圧Pを指令空圧P0に維持するため、空圧調整部42は、計測部41から出力される電圧Vに基づいてフィードバック制御を行う。
ここで、部品50に負荷される荷重Fは、電空レギュレータ40における電圧V及びバルーン22の内部の空圧Pに対応している。また、荷重Fと電圧Vとの換算方法については、後述する。
(制御部の構成)
続いて、図5を参照して、制御部Cの構成についてより詳細に説明する。図5は、制御部Cのブロック図である。
続いて、図5を参照して、制御部Cの構成についてより詳細に説明する。図5は、制御部Cのブロック図である。
図5に示すように、制御部Cは、部品供給部4、基板搬送機構2、部品認識カメラ14、ヘッドカメラ13、押圧ヘッド11、及び電空レギュレータ40に電気的に接続される。また、制御部Cは、部品搭載処理部32、荷重指令部33、接触判定部34、荷重適正判定部35、トレーサビリティデータ作成部36、トレーサビリティデータ出力部37及び記憶部31を有する。
部品搭載処理部32は、部品装着において、部品供給部4、基板搬送機構2、部品認識カメラ14、及びヘッドカメラ13の動作を制御して、部品50と基板3との位置合わせを行い、部品50の装着を行う構成である。部品50の位置及び向きを、基板3の表面における装着位置に合わせて、部品50を装着位置に装着する。
荷重指令部33は、電空レギュレータ40に入力される指令荷重F0を決定する構成である。指令荷重F0は、部品50を基板3に装着するために必要な荷重の値である。荷重指令部33は、記憶部31に格納された生産プログラムに基づいて、指令荷重F0を決定してもよい。
接触判定部34は、部品装着において、部品50が基板3に接触したか否かを判定する構成である。接触判定部34は、部品装着時に計測部41で計測された空圧Pに基づく荷重情報に基づいて、接触判定を行う。例えば、接触判定部34は、タッチダウン時に計測された空圧Pに基づく電圧Vが既定の閾値K1より大きいと、部品50が基板3に接触したと判定し、電圧Vが閾値K1より小さいと、部品50が基板3に接触していないと判定する。閾値K1は、例えば、部品50または基板3の剛性に応じて規定し、記憶部31に格納する。実施の形態1において、接触判定部34は、部品装着時にリアルタイムで接触判定を行う。
ここで、荷重情報とは、部品装着の際に、実際に部品50に負荷された荷重Fに関係する情報を意味する。荷重情報は、部品50に負荷された荷重Fに加えて、部品50に荷重Fを負荷した際に計測された空圧Pまたは電圧Vを含んでもよい。
荷重適正判定部35は、部品装着において、部品50に負荷された荷重Fが適正か否かを判定(適正判定)する構成である。荷重適正判定部35は、部品装着時に計測部41で計測された空圧Pに基づく荷重情報に基づいて、適正判定を行う。例えば、荷重適正判定部35は、空圧Pに基づく電圧Vが既定の適正範囲L内にあると、荷重Fが適正であると判定し、電圧Vが既定の適正範囲L外にあると、荷重Fが適正でないと判定する。電圧Vの適正範囲Lは、例えば、部品50または基板3の強度または機能等に応じて規定し、記憶部31に格納する。実施の形態1において、荷重適正判定部35は、部品装着時にリアルタイムで適正判定を行う。
トレーサビリティデータ作成部36及びトレーサビリティデータ出力部37は、部品装着における荷重Fのトレーサビリティを向上させるために、トレーサビリティデータを扱う構成である。
トレーサビリティデータは、基板3に装着された部品50の装着品質に関連するデータである。より具体的には、トレーサビリティデータは、計測部41の計測に基づく荷重情報と、部品50の装着に関する装着環境関連情報とを含む。装着環境関連情報は、部品50に関する情報、基板3に関する情報、または部品装着装置1に関する情報のうち、少なくとも1つを含む。例えば、部品50に関する情報は、部品50の指令荷重F0、部品50の種類等を含む。例えば、基板3に関する情報は、基板3の識別情報、基板3における部品50の装着位置、部品50の前に既に基板3に装着された部品の種類等を含む。例えば、部品装着装置1に関する情報は、ノズル27の種類、ノズル27の識別情報、吸引圧力等を含む。トレーサビリティデータは、部品装着において部品50ごと記憶されてもよい。
トレーサビリティデータ作成部36は、記憶部31に格納された荷重情報を装着環境関連情報と紐づけて、トレーサビリティデータを作成する。トレーサビリティデータ出力部37は作成されたトレーサビリティデータを出力する。
記憶部31は、種々の情報を記録する記録媒体である。記憶部31は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部31には、例えば、制御部Cが実行する生産プログラム、及び部品装着に関するトレーサビリティデータが格納される。生産プログラムは、装着される部品50の種類、装着位置、装着順、指令荷重F0、ノズルに関する情報を含む。
(制御部の動作)
以上のような構成において、次に部品装着装置1の動作の一例について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、部品装着におけるフロー図である。図7は、部品装着におけるノズル27の動作を示すグラフである。図7において、横軸は時間であり、縦軸はノズル27のZ方向の変位である。
以上のような構成において、次に部品装着装置1の動作の一例について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、部品装着におけるフロー図である。図7は、部品装着におけるノズル27の動作を示すグラフである。図7において、横軸は時間であり、縦軸はノズル27のZ方向の変位である。
部品装着の動作は、部品保持工程(S11)と、空圧調整工程(S12、S13)と、部品下降工程(S14、S15)と、空圧記憶工程(S16~S18)と、部品押圧工程(S19、S20)と、空圧記憶工程(S21、S22)と、部品解除工程(S23)を含む。
まず、部品保持工程において、制御部Cは、押圧ヘッド11によって部品50を保持する(S11)。具体的には、制御部Cは、記憶部31に格納された生産プログラムに基づいて、押圧ヘッド11を部品供給部4の上方に移動させ、所定の部品50の上面をノズル27で吸着して保持させる(図2参照)。
続いて、制御部Cは、生産プログラムに基づいて、指令荷重F0を決定する(S12)。具体的には、制御部Cの荷重指令部33は、生産プログラムにおける部品に応じて指令荷重F0を決定する。
続いて、制御部Cは、指令荷重F0に応じて、バルーン22における空圧Pを指令空圧P0に調整する(S13)。具体的には、制御部Cは、指令荷重F0を指令電圧V0に換算して、指令電圧V0を電空レギュレータ40に入力する。入力された指令電圧V0に応じて、空圧調整部42は、空気供給源44に接続された弁(図示せず)の開口度を調整して、バルーン22の内部の空圧Pを指令空圧P0に調整する。空圧Pが指令空圧P0に達すると、空圧調整部42による空圧Pの調整を終了してもよい。なお、バルーン22の内部の空圧Pが指令空圧P0に達した後に指令空圧P0から大きくずれた場合には、バルーン22の内部の空圧Pが指令空圧P0になるよう再調整するようにしてもよい。
続いて、制御部Cは、生産プログラムに基づいて、基板3と部品50との位置合わせを行う(S14)。具体的には、制御部Cの部品搭載処理部32は、部品50を保持した押圧ヘッド11を基板3における装着位置の上方の下降開始点(図7の点A)に移動させ、所定の方向に回転させて、装着位置に対して部品50の位置合わせを行う。なお、生産効率上昇のため、指令荷重F0に応じてバルーン22における空圧Pを指令空圧P0に調整する(S13)工程と、生産プログラムに基づいて、基板3と部品50との位置合わせを行う(S14)工程を同時に実施しても良い。
続いて、制御部Cは、押圧ヘッド11の下降を開始する(S15)。図7に示すように、制御部Cは、押圧ヘッド11を下降開始点(点A)から基板3に向かって、第1距離D1において下降させる。下降速度は一定であってもよく、変化してもよい。実施の形態1においては、下降開始位置から高速で下降して基板3に近づき、充分近づくと下降速度を遅くする(点B)。このような速度変化によって、装着作業にかかる時間を短くしつつ、基板3への衝撃を抑制することができる。
図7に示すように、押圧ヘッド11が第1距離D1において下降することによって、部品50は基板3に近づく(点Bと点Cとの間)。
押圧ヘッド11が第1距離D1の下降を完了すると、計測部41は空圧Pを計測し、空圧Pに基づく電圧Vを制御部Cに出力する。制御部Cは、電圧Vが閾値K1より大きいか否かを判定する(S16)。具体的には、制御部Cの接触判定部34は、計測部41から電圧Vを取得し、記憶部31に格納された閾値K1と比較する。
電圧Vが閾値K1より大きい場合(S16でYes)、接触判定部34は部品50が基板3に接触した、即ち部品50が「タッチダウン」したと判定する。制御部Cは、タッチダウンの際の空圧Pを第1空圧P1として、第1空圧P1に基づく第1電圧V1を記憶部31に記憶する(S17)。
電圧Vが閾値K1より小さい場合(S16でNo)、接触判定部34は部品50が基板3にまだ接触していないと判定する。判定後、制御部Cは、押圧ヘッド11を第2距離D2においてさらに下降させて(S18)、ステップ16に戻る。第2距離D2は、第1距離D1より小さく、例えば、第1距離D1の0.1倍であってもよい。
図7では、第1距離D1における下降後には部品50が基板に接触していなかったが、押圧ヘッド11をさらに第2距離D2下降させることによって、部品50がタッチダウンした例示を示している。
続いて、制御部Cは、タッチダウン後、押圧ヘッド11をさらに第3距離D3において下降させ、部品50を基板3に押し込む(S19)。押圧ヘッド11が最下点に到達する(点D)。
部品50を基板3に押し込んだ状態において、制御部Cは、部品保持時間Tにおいて押圧ヘッド11を停止させ、部品50を保持する(S20、点E)。そこで、部品50は基板3に装着される。
距離D1~D3及び部品保持時間Tは生産プログラムに含まれる値であってもよい。
部品保持時間Tが経過し押圧ヘッド11が基板3から離れる前に、計測部41は空圧Pを計測し、制御部Cは、空圧Pを第2空圧P2として、第2空圧P2に基づく第2電圧V2を取得して記憶部31に記憶する(S21)。
制御部Cは、第2電圧V2が適正範囲Lの範囲にあるか否かを判定する(S22)。具体的には、制御部Cの荷重適正判定部35は、第2電圧V2を取得し、記憶部31に格納された適正範囲Lと比較する。言い換えれば、荷重適正判定部35は、第2電圧V2が適正範囲Lにおける下限値L1より大きく、範囲における上限値L2より小さいか否かを判定する。
第2電圧V2が適正範囲Lにある場合(S22でYes)、荷重適正判定部35は部品50に負荷された荷重が適正であったと判定する。その後、制御部Cは、押圧ヘッド11を上昇させる(S23)。図7に示すように、押圧ヘッド11は上昇して基板3から離れる(点F)。
第2電圧V2が適正範囲Lにない場合(S22でNo)、部品50に負荷された荷重が適正でなかったと判定し、ユーザに対して警告を表示する(S24)。警告において、ユーザに対して設備停止の指示を表示してもよい。トレーサビリティデータ作成部36は、警告した事実を記憶部31に記憶してもよい。その後、ステップ23に戻る。
図8Aは、図7に示す部品装着において、電空レギュレータ40の電圧Vの変動を示すグラフである。
図8Aに示すように、点Aにおいて、電空レギュレータ40の電圧Vは初期電圧Vsであり、バルーン22の内部の空圧Pは初期空圧Psである。制御部Cによって、電空レギュレータ40に指令電圧V0が入力されると、電空レギュレータ40の動作によって電圧Vは増加して、点Aと点Bとの間において、指令電圧V0に達する。電圧Vの増加に伴って、空圧Pも増加して、指令空圧P0に達する。
図8Aに示すように、電圧Vが指令電圧V0に一定に保たれた状態で、部品50は基板3にタッチダウンする(点C)。タッチダウンにおいて、部品50が基板3から反発力を受けて、ピストン23がバルーン22に向かって押し返されて、バルーン22が圧縮される。そのため、バルーン22の内部の空圧Pは急激に増加するとともに、図8Aに示すように、電空レギュレータ40から出力される電圧Vも急激に増加する。また、バルーン22の内部の空圧Pが増加すると、今度は、バルーン22がピストン23を押し返す力が増加し、ピストン23を下方に押し出す。そのため、バルーン22は膨張し、空圧P及び電圧Vは急激に減少する。そこで、タッチダウンの際の第1電圧V1は、タッチダウンの前後における電圧Vの変動によって生じる局所的な最大値である。
その後、点Dまで、部品50が基板3に押し込まれることで、さらに空圧P及び電圧Vが増加する。点Dにおいて、バルーン22の内部の空圧Pと基板3からの反発力とはつり合い、点Dと点Eの間において、空圧P及び電圧Vが一定に維持される。上述の第2電圧V2は、電圧Vが安定して一定になった際の値であり、第2電圧V2も局所的な最大値である。
その後、点Eから点Fの間において、押圧ヘッド11が基板3から離れ始めるため、空圧P及び電圧Vが減少する。基板3から離れる際には、電圧Vは指令電圧V0に戻る。
その後、空圧調整部42による空圧Pの調整を再開してもよい。電空レギュレータ40に初期電圧Vsが入力され、電空レギュレータ40の動作によって電圧Vは減少して、点F以降において、初期電圧Vsに戻る。
図8Bは、図7に示す部品装着において、荷重Fの変動を示すグラフである。図8Bに示すように、荷重Fは、電空レギュレータ40の電圧Vに対応して変化する。具体的には、荷重Fは、点Aと点Bとの間における電圧Vの増加に伴って、初期荷重Fsから指令荷重F0に増加する。タッチダウンにおいて、荷重Fは、局所的な最大値である第1荷重F1となる。また、電圧Vが安定して一定になると、荷重Fは、局所的な最大値である第2荷重F2となる。第1荷重F1と第2荷重F2との大小関係は、装着条件に依存する。
しかしながら、部品装着装置1の構成上、荷重Fを、空圧Pや電圧Vのように、直接計測することは困難である。一方で、基板3が変形している場合等、部品50に実際に押圧される荷重が指令荷重F0と一致しない場合があり、製品の品質保証の観点より、部品装着等の製造工程におけるトレーサビリティの向上が求められている。そこで本開示においては、トレーサビリティの向上のため、指令荷重F0とともに、押圧ヘッド11が実際に部品50に負荷した荷重Fを記憶して管理する。より具体的に、本開示においては、電圧Vに基づいて荷重Fを算出する。
荷重Fの換算方法について、図9A及び図9Bを参照して説明する。図9Aは、指令電圧V0と指令荷重F0との関係を示すグラフである。図9Bは、電圧Vと押圧ヘッド11が実際負荷する荷重Fとの関係を示すグラフである。
まず、図4に戻ると、部品装着装置1は、制御部Cで決定された指令荷重F0を指令電圧V0に換算する第1換算Cal1と、計測部41で計測された空圧Pに基づく計測電圧Vを部品50に実際に負荷される荷重Fに換算する第2換算Cal2と実行する。計測値を用いない第1換算Cal1は、計測値を用いる第2換算Cal2と異なる関係を示すため、2つの換算方法を用いることが求められている。
装置設置の時点においては、第1換算Cal1及び第2換算Cal2の換算式は未知である。そこで、図9Aを参照して、まず第1換算Cal1の換算式の求め方について説明する。2つの既知の異なる指令電圧V01、V02を電空レギュレータ40に入力した際に、押圧ヘッド11に取り付けたロードセル等によって、押圧ヘッド11によって負荷される指令荷重F01、F02を計測する。指令電圧V0が指令荷重F0と一次近似式の関係にあることが知られているため、指令電圧V01、V02と指令荷重F01、F02の2点をプロットすることで、以下の第1換算Cal1の換算式が得られる。
V0=δF0+ε (δ、εは定数)・・・(2)
制御部Cは、上記関係に基づいて、指令荷重F0を指令電圧V0に換算することができる。
V0=δF0+ε (δ、εは定数)・・・(2)
制御部Cは、上記関係に基づいて、指令荷重F0を指令電圧V0に換算することができる。
続いて、図9Bを参照して、第2換算Cal2の換算式の求め方について説明する。押圧ヘッド11が2つの既知の異なる荷重F3、F4を負荷した際の空圧P3、P4を、計測部41によって計測して、電圧V3、V4に換算する。既知の荷重F3、F4を負荷するためには、例えば、押圧ヘッド11にロードセルを取り付けてもよい。計測電圧Vが荷重Fと一次近似式の関係にあることが知られているため、電圧V3、V4と荷重F3、F4の2点をプロットすることで、以下の第2換算Cal2の換算式が得られる。
V=γF+φ (γ、φは定数)・・・(3)
制御部Cは、上記関係に基づいて、計測電圧Vを部品50に実際に負荷された荷重Fに換算することができる。
V=γF+φ (γ、φは定数)・・・(3)
制御部Cは、上記関係に基づいて、計測電圧Vを部品50に実際に負荷された荷重Fに換算することができる。
第1換算Cal1と第2換算Cal2とは、ヘッドユニットにおける押圧ヘッド11ごとに導き出してもよく、または共通な関係を用いてもよい。
図10は、荷重情報を示す図である。図11は、トレーサビリティデータを示す図である。
上述の換算によって、図10に示すように、制御部Cは、第1電圧V1、第2電圧V2を部品50に実際に負荷される第1荷重F1、第2荷重F2に換算できる。実施の形態1において第1電圧V1及び第1荷重F1を第1荷重情報として、第2電圧V2及び第2荷重F2を第2荷重情報として、記憶部31に格納する。
また、図11に示すように、トレーサビリティデータ作成部36は、記憶部31に格納された荷重情報を、記憶部31に格納された装着環境関連情報と紐づける。さらに、トレーサビリティデータ作成部36は、記憶部31に格納された荷重情報を、第2電圧V2の判定結果(S22)と紐づけてもよい。
トレーサビリティデータ出力部37は、装着環境関連情報と紐づけた荷重情報を、部品装着装置1から出力する。トレーサビリティデータ出力部37は、データをディスプレイ等の表示部に表示してもよく、また紙等に印刷して出力してもよい。また、トレーサビリティデータ出力部37は、データを外部機器に送信して、外部機器に格納してもよい。
また、上記動作は、ヘッドユニット10におけるそれぞれの押圧ヘッド11において、順に実施されてもよい。
(効果)
実施の形態1に係る部品装着装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
実施の形態1に係る部品装着装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
上述したように、実施の形態1の部品装着装置1は、押圧ヘッド11と、電空レギュレータ40と、制御部Cと、を備える。押圧ヘッド11は、部品50を保持した状態で部品50を基板3に押圧するノズル27を有し、基板3に対して昇降可能である。電空レギュレータ40は、ノズル27に負荷する空圧Pを調整する空圧調整部42と、部品装着中における空圧Pを計測する計測部41と、を有する。制御部Cは、電空レギュレータ40に接続され、計測部41が計測した空圧Pに基づく荷重情報を取得する。
このような構成により、ロードセル等の荷重計測機器を使用せず、入力した指令荷重F0だけではなく、部品50を基板3に装着する際に実際に部品50に負荷された荷重Fに関する荷重情報を記憶することができる。荷重情報を記憶することによって、部品50の装着作業におけるトレーサビリティを向上させる。
また、実施の形態1の部品装着装置1において制御部Cは、部品50が基板3に接触していると判定すると、第1空圧P1に基づく第1荷重情報を取得する。
このような構成により、タッチダウン時における第1空圧P1に基づく第1荷重情報を記憶できる。また、第1電圧V1が装着作業における電圧Vの最大値となる場合においては、最大電圧に基づく荷重情報を記憶することができ、部品50の装着作業におけるトレーサビリティをさらに向上させる。
また、実施の形態1の部品装着装置1において、制御部Cは、空圧Pに基づく電圧Vが閾値K1より大きいと、部品50が基板3に接触していると判定する。
このような構成により、部品50と基板3との接触の有無を判定できる。
また、本実施形態の部品装着装置1において、制御部Cは、接触判定(S16)後で、既定の部品保持時間Tが経過すると、第2空圧P2に基づく第2荷重情報を取得する。
このような構成により、タッチダウン後、安定した第2空圧P2に基づく第2荷重情報を記憶できる。また、第2電圧V2が装着作業における電圧V2の最大値となる場合においては、最大電圧に基づく荷重情報を記憶することができ、部品50の装着作業におけるトレーサビリティをさらに向上させる。
また、本実施形態の部品装着装置1において、制御部Cは、第2空圧P2に基づく第2荷重情報を取得し、第2電圧V2が適正であるか否かを判定する。
このような構成により、安定した第2電圧V2が適正か否かを判定できる。
また、本実施形態の部品装着装置1において、制御部Cは、荷重情報と、部品50の装着環境に関する情報とを、紐づけて出力する。
このような構成により、紐づけたデータを作成し、荷重情報を部品50の装着環境に関する情報とともに管理して、装着作業におけるトレーサビリティを向上させる。
また、本実施形態の部品装着装置1において、部品50の装着環境に関する情報は、部品50に関する情報、基板3に関する情報、ノズル27に関する情報、及び電空レギュレータ40に入力される指令荷重F0の少なくとも1つを含む。
このような構成により、装着作業におけるトレーサビリティをさらに向上させる。
また、本実施形態の部品装着装置1において、荷重情報は、部品50を基板3に押圧する荷重Fを含む。
このような構成により、部品50を基板3に装着する際に、実際に部品50に負荷される荷重Fを記憶することができ、装着作業におけるトレーサビリティを向上させる。
また、本実施形態の部品装着方法は、基板3に対して昇降可能な押圧ヘッド11に設けられたノズル27によって部品50を保持するステップを含む。さらに、部品装着方法は、電空レギュレータ40における空圧調整部42が、部品装着中においてノズル27に負荷する空圧Pを調整するステップを含む。さらに、部品装着方法は、基板3に対してノズル27が所定距離D1、D2、D3において下降し、部品50を基板3に押圧するステップを含む。さらに、部品装着方法は、電空レギュレータ40における計測部41が空圧Pを計測するステップを含む。さらに、部品装着方法は、電空レギュレータ40に接続された制御部Cが、計測部41が計測した空圧Pに基づく荷重情報を取得するステップを含む。
このような構成により、実際に部品50に負荷された荷重Fに関する荷重情報を記憶し、荷重情報を記憶することによって、装着作業におけるトレーサビリティを向上させる。
なお、部品装着装置1が、基板マークを認識するヘッドカメラ13を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、基板マークがない基板に対して部品50を装着する場合、部品装着装置1はヘッドカメラ13を有しなくてもよい。
なお、部品装着装置1がステップ16及びステップ22の判定を、装着作業の途中で行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部Cはステップ17及びステップ22の判定を実行せず、電圧V1、V2を記憶部31に格納し、装着作業が終了した後に判定を行ってもよい。また、基板3を搭載した製品が故障した場合において、判定を行ってもよい。
なお、ステップ16及びステップ22の判定を、電圧V1、V2に基づいて行う例について説明したが、これに限定されない。ステップ16において、第1空圧P1に基づく第1荷重情報が所定の閾値より大きいと、部品50は基板3に接触していると判定してもよい。例えば、第1空圧P1または第1荷重F1が対応する閾値より大きいと、部品50は基板3に接触していると判定してもよい。ステップ22において、第2空圧P2に基づく第2荷重情報が所定の範囲に入ると、第2荷重情報が適正であると判定してもよい。例えば、第2空圧P2または第2荷重F2が対応する範囲に入ると、第2荷重情報が適正であると判定してもよい。
なお、ステップ21は部品保持時間Tが経過した後に行われると説明したが、これに限定されない。ステップ21は部品保持時間Tの間(点Dと点Eとの間)の任意のタイミングで行われてもよい。
なお、制御部Cが電圧V1、V2の両方を記憶する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部Cは、第1電圧V1または第2電圧V2の一方のみを記憶してもよい。
なお、制御部Cが電圧V1、V2の2点を記憶する例について説明したが、これに限定されない。制御部Cは、点Cまたは点Eに加えて、点Aと点Fとの間のいずれかの時間において計測された空圧Pに基づく電圧Vを記憶部31に格納してもよい。また、制御部Cは、装着作業において、既定の間隔で電圧Vを記憶してもよい。このように継続的に電圧Vを記憶することによって、部品50の装着作業において、電圧Vと時間の関係図が得られ、第1電圧V1及び第2電圧V2がそれぞれ局所的な最大の電圧Vであることが明確になる。電圧Vの最大値をより確実に記憶することによって、部品50の装着作業におけるトレーサビリティがさらに向上する。
なお、ステップ18(接触判定でNoの場合)において、押圧ヘッド11がさらに下降する例について説明したが、これに限定されない。例えば、ステップ18において、部品装着装置1は警告または指示を通知してもよい。部品装着装置1、基板3を支えて押し上げるピンを立てるとの旨の指示(「ピンを立ててください」)を通知してもよい。
なお、ステップ24においてのみユーザに対して警告を表示する例について説明したが、これに限定されない。警告の表示は、計測部41が荷重Fの急激な変化を計測した場合において、任意のタイミングで行ってもよい。
なお、電圧Vと荷重Fとの換算の一例について説明したが、これに限定されない。例えば、空圧Pを直接荷重Fに換算してもよい。
なお、計測部41が空圧Pを計測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、計測部41は電圧Vを計測してもよい。
[実施の形態2]
本開示の実施の形態2に係る部品装着システム100について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
本開示の実施の形態2に係る部品装着システム100について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
図12は、本開示に係る実施の形態2の部品装着システム100のブロック図である。
実施の形態1では、部品装着装置101を含む部品装着システム100のである点で実施の形態1と異なる。より具体的には、部品装着システム100は、トレーサビリティデータを部品装着装置101の外部において作成及び管理している。実施の形態2において、部品装着装置101は、特に説明しない限り、実施の形態1の部品装着装置1と同じである。
(全体構成)
図12に示すように、部品装着システム100は、部品装着装置101と、処理装置150と、を備える。
図12に示すように、部品装着システム100は、部品装着装置101と、処理装置150と、を備える。
部品装着装置101は、押圧ヘッド11と、電空レギュレータ40と、制御部Gと、第1通信部110とを備える。
制御部Gは、部品搭載処理部32、荷重指令部33、及び記憶部31を有する。
第1通信部110は、制御部Gにおける記憶部31で記憶された情報を、ネットワークを介して送信する。具体的には、第1通信部110は、荷重情報と、部品の装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して処理装置150へ送信する。第1通信部110は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標))に準拠して、処理装置150の第2通信部151への送信を行う回路を含む。
処理装置150は、第2通信部151と、処理部152とを備える。処理装置150とは、コンピュータである。例えば、処理装置150は、サーバ又はクラウドである。
第2通信部151は、第1通信部110によって送信された荷重情報と、部品50の装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して受信する。第2通信部151は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、)に準拠して、部品装着装置101の第1通信部110からの受信を行う回路を含む。
処理部152は、接触判定部34、荷重適正判定部35、及びトレーサビリティデータ作成部36を有する。処理部152は、情報を記憶する記憶部153も有する。処理部152は、第2通信部151によって受信した情報に基づいて、接触判定(S16)または荷重適正判定(S22)を行い、トレーサビリティデータを作成して記憶する。処理部152の記憶部153には、電圧Vの閾値K1及び適正範囲Lが格納されてもよい。
(動作)
部品装着装置101においては、制御部Gが空圧P1、P2に基づく荷重情報を取得し、記憶部31に格納する。第1通信部110は、記憶部31に記憶された荷重情報及び部品の装着環境に関する情報を、第2通信部151へ送信する。処理装置150においては、第2通信部151によって荷重情報及び部品の装着環境に関する情報を受信する。処理部152は、受信した荷重情報を閾値K1と比較して、部品50が基板3に接触しているか否かを判定してもよい。また、処理部152は、受信した荷重情報を適正範囲Lと比較して、荷重情報が適正であるか否かを判定してもよい。処理部152は、第2通信部151が受信した荷重情報と部品50の装着環境に関する情報とを紐づけて、判定結果とあわせて部品50のトレーサビリティデータを作成して、記憶部153に格納する。
部品装着装置101においては、制御部Gが空圧P1、P2に基づく荷重情報を取得し、記憶部31に格納する。第1通信部110は、記憶部31に記憶された荷重情報及び部品の装着環境に関する情報を、第2通信部151へ送信する。処理装置150においては、第2通信部151によって荷重情報及び部品の装着環境に関する情報を受信する。処理部152は、受信した荷重情報を閾値K1と比較して、部品50が基板3に接触しているか否かを判定してもよい。また、処理部152は、受信した荷重情報を適正範囲Lと比較して、荷重情報が適正であるか否かを判定してもよい。処理部152は、第2通信部151が受信した荷重情報と部品50の装着環境に関する情報とを紐づけて、判定結果とあわせて部品50のトレーサビリティデータを作成して、記憶部153に格納する。
(効果)
実施の形態2に係る部品装着システム100によれば、以下の効果を奏することができる。
実施の形態2に係る部品装着システム100によれば、以下の効果を奏することができる。
上述したように、本実施形態の部品装着システム100は、部品装着装置101と、ネットワークを介して部品装着装置101と通信する処理装置150と、を備える。部品装着装置101は、押圧ヘッド11と、電空レギュレータ40と、制御部Cと、第1通信部110と、を有する。押圧ヘッド11は、部品50を保持した状態で部品50を基板3に押圧するノズル27を有し、基板3に対して昇降可能である。電空レギュレータ40は、ノズル27に負荷する空圧Pを調整する空圧調整部42と、部品装着中における空圧Pを計測する計測部41と、を有する。制御部Cは、電空レギュレータ40に接続され、計測部41が計測した空圧Pに基づく荷重情報を取得する。第1通信部110は、荷重情報と、部品の装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して送信する。処理装置150は、荷重情報と、装着環境に関する情報とを、ネットワークを介して受信する第2通信部151と、荷重情報と、装着環境に関する情報とを紐づけて格納する処理部152と、を有する。
このような構成により、装着作業において、部品50に実際に負荷される荷重Fに関する荷重情報を、部品50の装着環境に関する情報と紐づけて管理することができる。したがって、部品50の装着作業におけるトレーサビリティを向上させる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本開示の部品装着装置は、部品に負荷した荷重情報のトレーサビリティを向上させるため、部品を基板に対して押圧する部品装着装置において有用である。
1 部品装着装置
3 基板
10 ヘッドユニット
11 押圧ヘッド
22 バルーン
23 ピストン
24 シリンダ
27 ノズル
31 記憶部
33 荷重指令部
34 接触判定部
35 荷重適正判定部
36 トレーサビリティデータ作成部
37 トレーサビリティデータ出力部
40 電空レギュレータ
41 計測部
42 空圧調整部
50 部品
100 部品装着システム
101 部品装着装置
110 第1通信部
150 処理装置
151 第2通信部
152 処理部
C 制御部
3 基板
10 ヘッドユニット
11 押圧ヘッド
22 バルーン
23 ピストン
24 シリンダ
27 ノズル
31 記憶部
33 荷重指令部
34 接触判定部
35 荷重適正判定部
36 トレーサビリティデータ作成部
37 トレーサビリティデータ出力部
40 電空レギュレータ
41 計測部
42 空圧調整部
50 部品
100 部品装着システム
101 部品装着装置
110 第1通信部
150 処理装置
151 第2通信部
152 処理部
C 制御部
Claims (10)
- 部品を保持した状態で前記部品を基板に押圧するノズルを有し、前記基板に対して昇降可能な押圧ヘッドと、
前記ノズルに負荷する空圧を調整する空圧調整部と、部品装着中における前記空圧を計測する計測部と、を有する電空レギュレータと、
前記電空レギュレータに接続され、前記計測部が計測した前記空圧に基づく荷重情報を取得する制御部と、
を備える、部品装着装置。 - 前記制御部は、前記部品が前記基板に接触していると判定すると、第1空圧に基づく第1荷重情報を取得する、請求項1に記載の部品装着装置。
- 前記制御部は、前記空圧または前記荷重情報が閾値より大きいと、前記部品が前記基板に接触していると判定する、請求項2に記載の部品装着装置。
- 前記制御部は、接触していると判定した後で、既定の部品保持時間の間に、第2空圧に基づく第2荷重情報を取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の部品装着装置。
- 前記制御部は、前記第2空圧に基づく第2荷重情報を取得し、前記第2荷重情報が適正であるか否かを判定する、請求項4に記載の部品装着装置。
- 前記制御部は、前記荷重情報と、前記部品の装着環境に関する情報とを、紐づけて出力する、請求項1から5のいずれか一項に記載の部品装着装置。
- 前記部品の装着環境に関する情報は、前記部品に関する情報、前記基板に関する情報、前記ノズルに関する情報、及び前記電空レギュレータに入力される指令荷重の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の部品装着装置。
- 前記荷重情報は、前記部品を前記基板に押圧する荷重を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の部品装着装置。
- 基板に対して昇降可能な押圧ヘッドに設けられたノズルによって部品を保持するステップと、
電空レギュレータにおける空圧調整部が前記ノズルに負荷する空圧を調整するステップと、
前記基板に対して前記ノズルが所定距離において下降し、前記部品を前記基板に押圧するステップと、
前記電空レギュレータにおける計測部が前記空圧を計測するステップと、
前記電空レギュレータに接続された制御部が、前記計測部が計測した前記空圧に基づく荷重情報を取得するステップと、
を含む、部品装着方法。 - 部品装着装置と、
ネットワークを介して前記部品装着装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記部品装着装置は、
部品を保持した状態で前記部品を基板に押圧するノズルを有し、前記基板に対して昇降可能な押圧ヘッドと、
前記ノズルに負荷する空圧を調整する空圧調整部と、部品装着中における前記空圧を計測する計測部と、を有する電空レギュレータと、
前記電空レギュレータに接続され、前記計測部が計測した前記空圧に基づく荷重情報を取得する制御部と、
前記荷重情報と、前記部品の装着環境に関する情報とを、前記ネットワークを介して送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記荷重情報と、前記装着環境に関する情報とを、前記ネットワークを介して受信する第2通信部と、
前記荷重情報と、前記装着環境に関する情報とを紐づけて格納する処理部と、
を有する、部品装着システム。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021201053A Pending JP2023086496A (ja) | 2021-12-10 | 2021-12-10 | 部品装着装置、部品装着方法、及び部品装着システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023086496A (ja) |
-
2021
- 2021-12-10 JP JP2021201053A patent/JP2023086496A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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