JP2023084368A - 計測器 - Google Patents

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Kazunori Ishibashi
寛之 片岡
Hiroyuki Kataoka
達也 齊藤
Tatsuya Saito
憲一 藤田
Kenichi Fujita
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Abstract

【課題】常時監視が不要で電力消費を低減することができる計測器を提供する。【解決手段】計測器100は、メジャー7と、メジャー7を巻き取るリール8と、リール8の回転に連動して回転するとともに、所定角度ごとに形成された第1パターン31を有する第2ギア体10と、第1パターン31を読み取るフォトリフレクタ5と、フォトリフレクタ5の読取値に基づいて、メジャー7の長さを測定するマイコン1とを備え、メジャー7の引出量が最大であるとき、第2ギア体10の回転量が1回転未満となるように、リール8の回転量に対して第2ギア体10の回転量を減じている。【選択図】図1

Description

本発明は、計測器に関する。
帯が複数回巻かれ、帯の引込又は引出により回転する第2回転部(ドラム)と、第2回転部の回転量を感知する第2感知部(ロータリーエンコーダ)と、第2回転部の回転量を測定長さに換算する制御部とを含む長さ測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、測定テープを巻回する回転自在に支持されたテープリールと、テープリールの測定テープを巻込み方向に付勢する付勢手段を備える回転ドラムとを有する巻尺が知られている(例えば、特許文献2参照)。この巻尺は、外部動力を必要とすることなく、自動で測定テープの繰り出しおよび引き込みを行うことができる。
特表2017-520778号公報 特開2006-58167号公報
特許文献1の長さ測定装置では、第2回転部の回転量を読み落とすと正確な長さが判定できないため、第2感知部が常に第2回転部の回転量を監視する必要があり、電池消費量が大きくなるという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、常時監視が不要で電力消費を低減することができる計測器を提供することを目的とする。
本発明の計測器は、メジャーと、前記メジャーを巻き取るリールと、前記リールの回転に連動して回転するとともに、所定角度ごとに異なる情報を示す第1パターンを有する回転体と、前記第1パターンを読み取る第1読取手段と、前記第1読取手段の読取値に基づいて、前記メジャーの長さを測定する測定手段とを備え、前記メジャーの引出量が最大であるとき、前記回転体の回転量が1回転未満となるように、前記リールの回転量に対して前記回転体の回転量を減じていることを特徴とする。
本発明によれば、常時監視が不要で電力消費を低減することができる。
本実施の形態に係る計測器の構成図である。 本実施の形態に係る計測器の分解斜視図である。 本実施の形態に係る計測器の分解斜視図である。 第2ギア体に印刷されている第1パターンの例を示す図である。 メジャーの引出量と第2ギア体に割り当てられた領域の番号と第2ギア体に印刷された第1パターンとの対応関係を示す第1情報の例を示す図である。 第2ギア体に割り当てられた領域の番号と領域に対応する角度との関係を示す図である。 メジャーの引出量と、第2ギア体に割り当てられた領域の番号と角度、第2ギア体の回転量と、リールの回転軸との関係を示す図である。 長さのデータとメジャーに印刷された第2パターンとの対応関係を示す第2情報の例を示す図である。 計測器の操作例を示すフローチャートである。 図9のS3の長さの計測処理を示すフローチャートである。 計測器の他の操作例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係る計測器の構成図である。図2及び図3は、本実施の形態に係る計測器の分解斜視図である。
計測器100は、例えば、測定対象の長さを測定する装置である。図1に示すように、計測器100は、メジャー7の長さを算出するマイコン1と、算出されたメジャー7の長さのデータを無線で外部端末200に送信する無線通信部2と、算出されたメジャー7の長さのデータを表示するLCD(Liquid Crystal Display)3と、測定の開始をマイコン1に指示するスイッチ4と、第2ギア体10に印刷されたパターン(以下、第1パターン31という)の所定の領域を光学的に読み取るフォトリフレクタ5と、メジャー7に印刷されたパターン(以下、第2パターン32という)の所定の領域を光学的に読み取るフォトリフレクタ13と、マイコン1、無線通信部2、LCD3およびフォトリフレクタ5,13に電力を供給するバッテリ6と、複数のパターンが印刷されたメジャー7と、メジャー7を巻き取る機構のリール8と、リール8の第1ギア8aの外周に設けられた歯と噛み合う第1ギア体9と、第1ギア体9の第3ギア9aの外周に設けられた歯と噛み合う第2ギア体10とを備えている。第2ギア体10の外周には、第4ギア10bが設けられている。第1ギア体9は、大きな直径を有し、第1ギア8aの外周の設けられた歯と噛み合う第2ギア9cと、第2ギア9cよりも小さな直径を有し、第2ギア体10の第4ギア10bの外周の設けられた歯と噛み合う第3ギア9aとを備えている。
図1に示すように、マイコン1、無線通信部2、スイッチ4及びフォトリフレクタ5は、第1基板11上に搭載されており、フォトリフレクタ13は第2基板12上に搭載されている。計測器100は、LCD3及び無線通信部2のいずれか一方のみを備えていてもよい。なお、第2ギア体10、及び第1パターン31の所定の領域を光学的に読み取るフォトリフレクタ5が、第2ギア体10の回転量を測定するロータリーエンコーダを構成する。第2ギア体10は回転体として機能し、フォトリフレクタ5は第1読取手段として機能する。フォトリフレクタ13は第2読取手段として機能し、マイコン1は測定手段として機能する。
マイコン1は、無線通信部2、LCD3、スイッチ4及びフォトリフレクタ5、13と電気的に接続されている。無線通信部2は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN(Local Area Network)などの通信部である。
フォトリフレクタ5は、第2ギア体10に印刷された第1パターン31の所定の領域に光を照射する発光部5aと、第1パターン31の所定の領域からの反射光を受光し、受光量に応じた値をもつ電流又は電圧に変換する受光部5bとを備えている。例えば、発光部5aは、赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを照射するLED(Light Emitting Diode)であり、受光部5bは第1パターン31で反射された赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを受光するフォトトランジスタである。図1では1つのフォトリフレクタ5が図示されているが、フォトリフレクタ5の個数は1つに限定されるものではない。
フォトリフレクタ13は、メジャー7に印刷された第2パターン32の所定の領域に光を照射する発光部13aと、第2パターン32の所定の領域からの反射光を受光し、受光量に応じた値をもつ電流又は電圧に変換する受光部13bとを備えている。例えば、発光部13aは、赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを照射するLEDであり、受光部13bは第2パターン32で反射された赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを受光するフォトトランジスタである。図1では1つのフォトリフレクタ13が図示されているが、フォトリフレクタ13の個数は1つに限定されるものではない。
マイコン1は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。マイコン1は、メジャー7の引出量と第2ギア体10に割り当てられた領域の番号と第2ギア体10に印刷された第1パターン31との対応関係を示す第1情報(図5参照)と、長さのデータとメジャー7に印刷された第2パターン32との対応関係を示す第2情報(図8参照)とを格納するメモリ1aを備えている。なお、第1情報及び第2情報を外部端末200に格納し、必要に応じてマイコン1が外部端末200から読み出してもよい。マイコン1はフォトリフレクタ5、13のオン/オフを制御し、フォトリフレクタ5、13から出力される電流値又は電圧値を読み取る。第1パターン31及び第2パターン32の色によって反射率が異なり、フォトリフレクタ5、13の受光量は反射率に応じて変動するため、マイコン1はフォトリフレクタ5、13から出力される電流値又は電圧値によって読み取った第1パターン31及び第2パターン32の色の判断が可能である。
メジャー7は、例えば3000mmの金属製のコンベックスメジャーである。図2に示すように、メジャー7の先端には、ストッパー7aが取り付けられている。メジャー7のおもて面はリール8の回転軸側であり、メジャー7のおもて面には、長さを示す目盛り及び第2パターン32が印刷されており、裏面には何も印刷されていない。第2基板12に搭載されているフォトリフレクタ13はメジャー7のおもて面に対向するように設けられている。
目盛り(不図示)はメジャー7の幅方向の両端部に印刷されており、第2パターン32は目盛りで長さを目測するとき妨げになりにくいよう、両端部に印刷された目盛りの間に配置されている。例えば、第2パターン32は、目盛りの間においてメジャー7を幅方向に7つの領域に区分けし、各領域に所定のパターンで印刷領域が配置されて構成される。各印刷領域は1mmx1mmの大きさで白又は黒であり、二進値のいずれかに対応し、7つの領域に配置された印刷領域によって7桁の情報を表している。この7桁の情報を1単位とした100の情報列がメジャー7の長さ方向に沿って、例えば100mm毎に繰り返し印刷されている。なお、各印刷領域の色は白及び黒に限定されるものではなく、読み取り時に2種類の印刷領域が区別できるのであれば、他の色の組合せや、同一色相で彩度や明度の異なる印刷領域、反射率の異なる2種の印刷領域などを用いてもよい。ここでは便宜上、これらも「異なる色」として扱う。
なお、第2パターン32は、2進数の印刷領域に限定されず、N(Nは3以上の自然数)進数の印刷領域で構成されていてもよい。この場合、各印刷領域は濃淡などによりN種に区別される必要があり、第2情報(図8参照)に含まれる第2パターン32もN(Nは3以上の自然数)進数の印刷領域で構成される。
外部端末200は、コンピュータ又はスマートホンのような無線の通信機能を有する通信端末であり、メジャー7の長さのデータを無線通信部2から受信して管理する。
図2に示すように、計測器100は、メジャー7、リール8、第1ギア体9、第2ギア体10、第1基板11及び第2基板12を覆う筐体25a,25bを備えている。筐体25a,25bには、LCD3を嵌め込むための開口26が形成されている。筐体25bには、スイッチ4を押下するためのボタン4aが形成されている。第1基板11は、リール8の側面に対向するように設けられており、第2基板12はメジャー7の第2パターン32に対向するよう設けられている。第1基板11と第2基板12は不図示のFPC(Flexible Printed Circuit)で接続されている。ボタン4aは、スイッチ4を押下することで、マイコン1に測定開始の指示を送る。
また、図2、3に示すように、計測器100は、第1ギア体9及び第2ギア体10が回転可能に装着されるプレート15を備えている。プレート15の中央には、リール8の第1ギア8aを通過させる貫通孔16が形成されている。さらに、プレート15の一方の面には、第1ギア体9及び第2ギア体10を回転可能にそれぞれ装着する軸17a,17bが設けられている。
プレート15の四隅には、ピン21を挿通する孔18が設けられている。図3では明示されていないが、筐体25bの四隅には、ボス24が設けられている。ピン21が孔18を介してプレート15を筐体25bのボス24に固定する。また、第1基板11の四隅にもピン20を挿通する孔19が設けられており、ピン20が孔19を介して第1基板11をプレート15に固定する。固定方法は問わないが、例えば、ピン20は接着剤などでプレート15に固定される。なお、第1ギア体9及び第2ギア体10は第1基板11とプレート15との間に配置される。
第1ギア体9は円盤状のプレートであり、第1ギア体9の中央には、第1基板11に向かって突出する第3ギア9aが設けられている。第3ギア9aの中央には軸17aが挿入される孔9bが形成されている。
第2ギア体10は円盤状のプレートであり、第2ギア体10の中央には軸17bが挿入される孔10aが形成されている。第2ギア体10の第1基板11に対向する面には、図4に示すように、第2ギア体10の回転量を検出するための第1パターン31が第2ギア体10の全体に渡って印刷されている。具体的には、第2ギア体10は拡径方向に沿って5つの同心円領域34a~34eに区分けされ、各同心円領域に所定のパターンで印刷領域が配置されている。印刷領域は白または黒であり二進値のいずれかに対応し、所定角度において1つの読取値に対応する。例えば、図4の破線35で示す所定角度の領域内には拡径方向に配置された印刷領域が5桁の情報(この例では[00010])を表している。なお、拡径方向に配置される同心円領域は5つ以上であってもよく、拡径方向に配置される同心円領域の数を増加するほど所定角度において表す情報量を増加でき、第2ギア体10の回転量を高精度(高分解能)に検出することができる。
本実施の形態では、第1パターン31が第2ギア体10の第1基板11に対向する面に印刷されているが、例えば、第1パターン31が形成された円盤状のプレートが、第2ギア体10の第1基板11に対向する面に接着剤などで固定されていてもよいし、又は第1パターン31が印刷されたシールが第2ギア体10の第1基板11に対向する面に張り付けられていてもよい。
第1ギア体9の第2ギア9c、第1ギア体9の第3ギア9a及び第2ギア体10の第4ギア10bには歯が形成されている。リール8の第1ギア8aは、第1ギア体9の第2ギア9cと噛み合う。第3ギア9aは、第2ギア体10の第4ギア10bと噛み合う。
リール8の第1ギア8aの直径は、第1ギア体9の第3ギア9aの直径と同じ大きさであり、第1ギア体9の第2ギア9c及び第2ギア体10の第4ギア10bの直径よりも小さい。第1ギア体9の第2ギア9cの直径は第2ギア体10の第4ギア10bの直径よりも小さい。例えば、リール8の第1ギア8aの歯数Z1は、第3ギア9aの歯数Z3と同じであり、第2ギア9cの歯数Z2及び第4ギア10bの歯数Z4よりも少ない。また、第2ギア9cの歯数Z2は第4ギア10bの歯数Z4よりも少ない。このように、リール8の第1ギア8aと第2ギア体10の間に、これらと噛み合う第1ギア体9を設けることで、効率的に第2ギア体10を減速することができる。なお、いずれの歯についても、隣接する歯同士の間のピッチは、例えば2mmである。また、第2ギア体10の回転をリール8の回転に対して減速することができる限り、歯数Z1は歯数Z3と異なっていてもよい。
第2ギア体10の減速比(即ち、エンコーダ減速比)は、リール8の回転数(回転量)に対する第2ギア体10の回転数(回転量)の比率であり、(Z2/Z1)×(Z4/Z3)で表される。例えば、歯数Z1、Z2、Z3、Z4がそれぞれ10、40、10、55であるとき、第2ギア体10の減速比は22である。これは、リール8が22回転すると第2ギア体10が1回転することを示している。
本実施の形態では、マイコン1は、読み取られた第1パターン31の色を、メモリ1aに格納された第1情報(図5参照)に照合することによって、メジャー7の長さを概測する。ここで、概測する長さは、第1パターン31の1つの所定角度に対応する100mm毎に増減する長さであり、粗い精度の長さである。
さらに、マイコン1は、読み取られた第2パターン32の色を、メモリ1aに格納された第2情報(図8参照)に照合することによって、メジャー7の長さを精測する。ここで、精測する長さは、長さ方向の第2パターン32の長さに対応する1mm毎に増減する長さであり、第1パターン31を使って測定する長さよりも高い精度の長さである。
そして、マイコン1は、概測されたメジャー7の長さと精測されたメジャー7の長さとを合算することで、測定対象の長さを計測する。
なお、計測器100の分解能を下げる場合には、必ずしもメジャー7の長さを精測する必要がないので、第1パターン31を使って概測された値をメジャー7の長さとしてもよい。この場合、第2パターン32は使用されないので、第2パターン32をメジャー7のおもて面に印刷しなくてもよい。
図5は、メジャー7の引出量と第2ギア体10に割り当てられた領域の番号と第2ギア体10に印刷された第1パターン31との対応関係を示す第1情報の例を示す図である。図6は、第2ギア体10に割り当てられた領域の番号と領域に対応する角度との関係を示す図である。図7は、メジャー7の引出量と、第2ギア体10に割り当てられた領域の番号と角度、第2ギア体10の回転量と、リール8の第1ギア8aとの関係を示す図である。
図5において、所定角度の第1パターン31は図示左右方向1行の5つの印刷領域で構成されている。フォトリフレクタ5が読み取った値は図5の第1パターン31と比較される。
また、図6に示すように、第2ギア体10には、予め決められた角度ごとに、領域の番号(No.0-No.29)が割り当てられている。なお、領域の番号が増加するにつれて、各領域に割り当てられている角度も増加している。これは、リール8に巻き取られたメジャー7の径方向の厚みが減少するにつれて、メジャー7の所定の引出量(例えば100mm)に対応する第2ギア体10の回転角度が増加するためである。マイコン1は、読み取られた第1パターン31の色を、メモリ1aに格納された第1情報に照合することによって、第2ギア体10に割り当てられた領域の番号を検出する。
なお、図7に示すように、メジャー7の引出し開始の引出量(計測値)0mmから最大引出し時の引出量(計測値)3000mmまでの間の第2ギア体10の回転量は、1回転(360度)未満となっている。そのため、メジャー7の引出量が最大の3000mmになったときでも、第2ギア体10の回転量は1回転未満である。例えば、リール8の回転量を検出する場合には、リール8の回転量を読み落とすと正確な長さが判定できないため、常時リール8の回転量を監視する必要があるが、本実施の形態では、第2ギア体10の回転量が1回転(360度)未満となっているので、フォトリフレクタ5による第2ギア体10の回転量の常時監視が不要で、電力消費を低減することができる。
図8は、長さのデータとメジャー7に印刷された第2パターン32との対応関係を示す第2情報の例を示す図である。
図8に示すように、第2パターン32のうち、前述した100の情報列が100mmのメジャーの長さに対応している。所定の領域の第2パターン32は、メジャー7の幅方向に一列に配置された7つの印刷領域で構成されている。各印刷領域は1mmx1mmの大きさで白又は黒であり、二進値のいずれかに対応している。
例えば、フォトリフレクタ5で読み取られた第1パターン31の色が第2ギア体10に割り当てられた15番(No.15)の領域に対応し、フォトリフレクタ13で読み取られた第2パターン32の色が図8の上から6番目の様式である場合には、マイコン1は、メジャー7の長さが1505mm(=15×100mm+5mm)であると判断する。
以下、メジャー7の引出量が最大になったときでも、第2ギア体10の回転量を1回転未満とするための第2ギア体10の減速比の要件について説明する。
まず、メジャー7を巻き取るリール8の巻軸の半径をrBとし、リール8の回転量をθとし、リール8に巻き取られたメジャー7の長さをLとし、メジャー7がリール8に巻き取られた際の径方向の厚みをtとする。
巻き取られたメジャー7の半径の増加量をdrとすると、巻き取られたメジャー7の全体の半径Rは、以下のように表される。
Figure 2023084368000002
リール8が1回転すると、厚みtだけ増加するので、drは以下のように表される。
Figure 2023084368000003
よって、半径Rは、以下のように表される。
Figure 2023084368000004
ここで、半径Rの円から半径rBの円を除いたリング状の面積Sは、以下のように表される。
Figure 2023084368000005
この面積Sを厚みtで割ると、リール8に巻き取られたメジャー7の長さLとなる。従って、面積S、厚みt及びの長さLの関係から、半径Rは、以下のように表される。
Figure 2023084368000006
式(1)と式(2)から、リール8の回転量θは以下のように表される。
Figure 2023084368000007
メジャー7の全長をLMAXとし、メジャー7の全長を引き出したときのリール8の回転量をθMAXとすると、リール8の回転数は式(3)を使って以下のように表される。
Figure 2023084368000008
メジャー7の全長LMAXがリール8から引き出された際に、第2ギア体10の回転量を1回転未満となるように、第2ギア体10の減速比を設定すればよいので、第2ギア体10の減速比は以下の式(4)で表される。
Figure 2023084368000009
図9は、計測器100の操作例を示すフローチャートである。初期状態では、メジャー7は、筐体25a,25bに収容されており、引き出されていないものとする。
まず、操作者が測定対象に合わせてメジャーを引き出し(S1)、ボタン4aを1回押下する(S2)。例えば、S2では、ボタン4aは押下したのち短時間で押下を停止する短押しである。マイコン1は、ボタン4aが短押しされた時のメジャー7の長さを計測し(S3)、測定結果をLCD3に出力して、又は無線通信部2を介して外部端末200に出力して(S4)、本処理を終了する。
図10は、図9のS3の長さの計測処理を示すフローチャートである。まず、マイコン1は、フォトリフレクタ5から、第2ギア体10に印刷された第1パターン31の色を読み取る(S11)。マイコン1は、読み取られた第1パターン31の色を、メモリ1aに格納された第1情報に照合することによって、第2ギア体10に割り当てられた領域の番号を検出し、メジャー7の長さを概測する(S12、S13)。
次いで、マイコン1は、フォトリフレクタ13から、メジャー7に印刷された第2パターン32の色を読み取る(S14)。マイコン1は、読み取られた第2パターン32の色を、メモリ1aに格納された第2情報に照合することによって、メジャー7の長さを精測する(S15)。そして、マイコン1は、概測されたメジャー7の長さと精測されたメジャー7の長さとを合算することで、測定対象の長さを算出し(S16)、本処理を終了する。
図11は、計測器100の他の操作例を示すフローチャートである。初期状態では、メジャー7は、筐体25a,25bに収容されており、引き出されていないものとする。
まず、操作者が測定対象に合わせてメジャーを引き出し(S21)、ボタン4aを押下する(S22)。この時、ボタン4aの押下は継続される。マイコン1は、図10の長さの計測処理に従って、ボタン4aが押下された時のメジャー7の長さを算出する(S23)。その後、操作者がメジャーをさらに引き出し(S24)、ボタン4aの押下を停止する(S25)。つまり、S23、S24では、ボタン4aはONが継続しており、S25でボタン4aはOFFになる。
マイコン1は、ボタン4aの押下を停止したOFF時のメジャー7の長さを算出し(S26)、ボタン4aが押下されたON時と押下を停止したOFF時とのメジャー7の計測値の差分を算出する(S27)。マイコン1は、測定結果(つまり測定対象の長さ)をLCD3に出力して、又は無線通信部2を介して外部端末200に出力して(S28)、本処理を終了する。
コンベックス型のメジャー7では、一例として引き出したメジャー7を任意の長さで折ってそこを始点として長さを計測する使い方がある。このため、図11では、始点でボタン4aをONし続けて、メジャー7を引き出した後にボタン4aをOFFにすることで、ボタン4aのON時からOFF時までのメジャー7の長さを算出することができる。
計測器100は、動作モードとして、ボタン4aを短押したときに、マイコン1がメジャー7の長さを計測する第1モード(図9参照)と、ボタン4aを所定の時間以上長押したときに、マイコン1が長押し開始時及び長押し終了時におけるメジャー7の長さの差分を計測する第2モード(図11参照)とを備えている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、計測器100は、メジャー7の引出量が最大になったときでも、第2ギア体10の回転量が1回転(360度)未満となるように第2ギア体10の減速比が設定されているので、フォトリフレクタ5による第2ギア体10の回転量の常時監視が不要で、電力消費を低減することができる。
また、第2ギア体10に印刷された第1パターン31から算出されるメジャー7の引出量は概算値となるが、本実施形態ではメジャー7上に100mmの一定周期で第2パターン32が配置されており、第2パターン32は1mm単位の高い分解能に設定されているので、概算値とメジャー7上の第2パターン32から算出される詳細値とを合算することでメジャー7の正確な引出量を算出することができる。
さらに、メジャー7上の第2パターン32の周期がメジャー7をリール8に巻き付けた時の緩みによるメジャー7の長さの増加より大きければ、緩みによってリール8の回転量が小さくなっても、第2パターン32から算出される詳細値によって正確な引出量を算出することができる。このため、巻き取られたメジャー7の緩みによる測定値のずれを低減することができる。
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
1 マイコン、2 無線通信部、3 LCD、4 スイッチ、4a ボタン、5,13 フォトリフレクタ、6 バッテリ、7 メジャー、8 リール、9 第1ギア、10 第2ギア、31 第1パターン、32 第2パターン、100 計測器、200 外部端末

Claims (4)

  1. メジャーと、
    前記メジャーを巻き取るリールと、
    前記リールの回転に連動して回転するとともに、所定角度ごとに異なる情報を示す第1パターンを有する回転体と、
    前記第1パターンを読み取る第1読取手段と、
    前記第1読取手段の読取値に基づいて、前記メジャーの長さを測定する測定手段と
    を備え、
    前記メジャーの引出量が最大であるとき、前記回転体の回転量が1回転未満となるように、前記リールの回転量に対して前記回転体の回転量を減じていることを特徴とする計測器。
  2. 前記メジャーは、長さ方向に配列された第2パターンを有し、前記第2パターンは所定の周期で繰り返し印刷されており、
    前記計測器は、前記第2パターンを読み取る第2読取手段を更に備え、
    前記測定手段は、前記第1読取手段の読取値と、前記第2読取手段の読取値とに基づいて、前記メジャーの長さを測定することを特徴とする請求項1に記載の計測器。
  3. 前記メジャーの全長をLMAXとし、前記メジャーが前記リールに巻き取られた際の径方向の厚みをtとし、前記リールの巻軸の半径をrとした場合に、前記回転体の減速比は、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測器。
    Figure 2023084368000010
  4. 前記計測器の動作モードとして、前記測定手段が前記メジャーの長さを計測する第1モードと、前記測定手段が前記メジャーの計測値の差分を計測する第2モードとを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の計測器。
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