JP2023082656A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多相モータのロック通電時に特定の相に発熱が偏ることを防止するモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置のインバータ(電力変換器)55は、入力された電力を変換し、三相モータ(多相モータ)60の各相に交流電力を供給する。電流指令演算部50は、三相モータ60に通電される電流について、指令トルクに応じて、dq軸座標における電流振幅及び電流位相で定義される電流指令値Id*、Iq*を演算する。電流指令演算部50は、三相モータ60の回転が停止した状態で通電するロック通電において、同じ電流位相での通電を所定時間以上継続しないように、時間に応じて電流指令値Id*、Iq*の位相を変更する「位相調整処理」を実行する。【選択図】図3
Description
本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、多相モータに通電する電流を制御するモータ制御装置が知られている。
例えば特許文献1に開示された電動ブレーキ装置は、モータ通電により発生するモータトルクを摩擦パッドの押圧力による制動力に変換する。モータトルクと制動力との関係は、各部での摩擦力のため、制動力が増加するときの正効率線と、制動力が減少するときの逆効率線とで異なり、正効率線から逆効率線に推移する間はモータトルクが変化しても制動力が保持されるというヒステリシス特性を有している。
特許文献1の従来技術によると、正効率線により目標制動力よりも少し高い制動力を発生させてから制動力を保持しつつ電流を下げ、逆効率線で動作させて目標制動力まで下げるように制御することで、電流を低減することができる。しかし、制動力を保持する過程でロック通電が必要であり、電動ブレーキのアクチュエータが多相モータで構成されている場合、特定の相に電流が集中し、発熱が偏るという問題がある。この問題は、電動ブレーキ装置に限らず、ロック通電される可能性がある多相モータ全てに共通する。
本発明は上述の点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、多相モータのロック通電時に特定の相に発熱が偏ることを防止するモータ制御装置を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、電力変換器(55)と、電流指令演算部(50)と、を備える。
電力変換器は、入力された電力を変換し、多相モータ(60)の各相に交流電力を供給する。電流指令演算部は、多相モータに通電される電流について、トルク指令値に応じて、dq軸座標における電流振幅及び電流位相で定義される電流指令値を演算する。
多相モータが所定の適用除外要件を満たす場合を除き、電流指令演算部は、多相モータの回転が停止した状態で通電するロック通電において、同じ電流位相での通電を所定時間以上継続しないように、時間に応じて電流指令値の位相を変更する「位相調整処理」を実行する。
例えば電流指令演算部は、位相調整処理において、dq軸座標における等トルク曲線上、又は、等振幅円上で電流指令値の位相を変更する。
これにより本発明では、多相モータのロック通電時に特定の相に発熱が偏ることを防止することができる。好ましくは、最大効率動作点を基準とした範囲で通電位相を変化させることで、平均的に効率良く多相モータにトルクを出力させることができる。
以下、本発明の実施形態によるモータ制御装置を図面に基づいて説明する。本実施形態のモータ制御装置は、車両に搭載され、各車輪の電動ブレーキに用いられる三相モータの通電を制御する。第1~第3実施形態を包括して「本実施形態」という。第1~第3実施形態の構成自体は同じであり、実行する処理の具体的方法が異なる。
[電動ブレーキ及びモータ制御装置の構成]
最初に図1~図3を参照し、各実施形態に共通する構成について説明する。図1に示すように、モータ制御装置35が搭載される車両900は、前後方向において二列の左右対の車輪91、92、93、94を有する四輪車両である。前列左右輪91、92に「FL、FR」、後列左右輪93、94に「RL、RR」と記す。
最初に図1~図3を参照し、各実施形態に共通する構成について説明する。図1に示すように、モータ制御装置35が搭載される車両900は、前後方向において二列の左右対の車輪91、92、93、94を有する四輪車両である。前列左右輪91、92に「FL、FR」、後列左右輪93、94に「RL、RR」と記す。
各車輪91、92、93、94に対応して複数(この例では四つ)の電動ブレーキ81、82、83、84が設けられている。以下、連続する四つの符号を適宜、「車輪91-94」、「電動ブレーキ81-84」のように省略して記す。後述の記号「負荷トルクTL1-TL4」、「モータ温度Temp1-Temp4」についても同様とする。
電動ブレーキ81-84のアクチュエータは、「多相モータ」としての三相モータ(図中「三相M」)60で構成されている。具体的に三相モータ60は、永久磁石式のブラシレスモータである。本実施形態では各電動ブレーキ81-84に対応する三相モータ60の構成、作用は同様であるものとし、単一の符号「60」を用いる。以下の明細書中、適宜、三相モータ60を単に「モータ60」と省略する。
モータ制御装置35は車両用制動装置30の一部として機能する。モータ制御装置35は、制動力指令部31が指令した制動力に応じて各モータ60に通電する電流を制御することで、電動ブレーキ81-84が発生する制動力を制御する。図1にはモータ制御装置35として一つのブロックを記載しているが、各モータ60に対応して四つのブロックに分けて表してもよい。
具体的には、車両用制動装置30を構成するECUがモータ制御装置35として機能する。ECUは、マイコンやプリドライバ等で構成され、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。ECUは、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
モータ制御装置35は、負荷トルクTL1-TL4又はモータ温度Temp1-Temp4の少なくとも一方を取得してもよい。負荷トルクTL1-TL4はインバータの消費電力から推定してもよい。モータ温度Temp1-Temp4は、例えば温度センサにより検出される。或いは、三相モータ60への通電によるジュール熱から温度上昇を推定し、外気温に加算することでモータ温度Temp1-Temp4を算出してもよい。
負荷トルクTL1-TL4及びモータ温度Temp1-Temp4は、適用除外の説明で後述される。適用除外要件の判定に使用しない場合、モータ制御装置35は、負荷トルクTL1-TL4又はモータ温度Temp1-Temp4を取得しなくてもよい。
図2に、各車輪の電動ブレーキ81-84の概略構成を示す。モータ制御装置35は、「電力変換器」としてのインバータ55、及び、電流指令演算部50を主に含む。インバータ55は、バッテリ15から入力された直流電力を変換し、三相モータ60の各相に交流電力を供給する。電流指令演算部50は、三相モータ60に通電される電流について、トルク指令値Trq*に応じて電流指令値を演算する。
モータ60の出力トルクは、減速機・直動機構85を介してキャリパ86のパッド87を動作させる。パッド87が移動して各車輪91-94のディスク88に押し付けられることで、摩擦により制動力が発生する。また、パッド87がディスク88から離れることで、制動力が解除される。
図3に、本実施形態のモータ制御装置35の構成例を示す。モータ制御装置35は、電流指令演算部50、回転停止判定部52、電流フィードバック制御部53及びインバータ55を含む。電流指令演算部50は、トルク指令値Trq*に応じてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算し、電流フィードバック制御部53に出力する。
電流フィードバック制御部53は、電流センサ57が検出した三相電流Iu、Iv、Iw、及び、回転角センサ72が検出したモータ電気角θを取得し、三相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Id、Iqに変換する。なお、図1には電流センサ57及び回転角センサ72の図示を省略する。電流フィードバック制御部53は、dq軸電流Id、Iqを電流指令値Id*、Iq*に追従させるように電圧指令値を演算し、さらにゲート駆動信号を生成してインバータ55に出力する。
回転停止判定部52は、回転角センサ72が検出したモータ電気角θに基づき、モータ60の回転が停止していることを判定して電流指令演算部50に通知する。なお、回転の「停止」には、例えば数rpm程度の超低回転状態を含む。また、電流指令演算部50は、対応する電動ブレーキ81-84から、負荷トルクTL1-TL4及びモータ温度Temp1-Temp4を取得し、後述する適用除外要件の成否を判定する。
電流指令演算部50は、対応する三相モータ60が適用除外要件を満たさず、且つ、回転停止判定部52により回転停止状態であると判定されたとき、後述する「位相調整処理」を実行する。
次に図4~図6を参照し、位相調整処理を行わない場合の電流指令値の設定について説明する。図4に示すように、電流指令値は、dq軸座標における電流振幅及び電流位相で定義される。電流振幅Iaは式(1)で表される。電流位相は、d軸を基準とする反時計回り方向の角度で定義される。ベクトル図では角度の意味を強調して「位相角φ」と表すが、「位相角」は「位相」と同じ意味である。d軸電流Id及びq軸電流Iqは位相角φを用いて、「Id=Ia×cosφ、Iq=Ia×sinφ」と表される。
モータ60のトルクτは、d軸電流Id及びq軸電流Iqに基づき、式(2.1)で算出される。式中の定数pは極対数、Keは磁石磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。式(2.1)を変形してq軸電流Iqをd軸電流Idの関数として表すと、等トルク曲線の式(2.2)が得られる。
等トルク曲線上で電流振幅が最小の動作点を最大効率動作点Pと定義する。最大効率動作点Pでは最も小さい電流で最大のトルクが得られる。この例での最大効率動作点Pの位相角φは約105°である。以下、数値例として示される位相角φについて「約」を省略する。なお、諸元次第では最大効率動作点Pの位相角φは他の値となる。また、最大効率動作点Pの振幅を半径とする円を等振幅円と表す。電流指令演算部50は、トルク指令値Trq*に応じたトルクをモータ60が出力するように、最大効率動作点Pのdq軸電流を電流指令値Id*、Iq*として演算する。
図5に、最大効率動作点Pで駆動したときのモータ位置(電気角)と三相電流Iu、Iv、Iwとの関係を示す。三相電流Iu、Iv、Iwは、電気角θと位相角φとにより、式(3)で表される。角度θ、φの単位は[°]である。なお、縦軸の電流値は他の図との対比のために記載するものに過ぎず、数値自体に意味はない。
ここで、モータ60の回転が停止した状態で通電することを「ロック通電」という。例えば電気角30°の停止位置θLでロック通電が行われると、図6に示すように、電流値は一定となる。本明細書で「最大電流」とは絶対値が最大の電流を意味する。停止位置θLが電気角30°の場合、V相に最大電流が流れる。したがって、ロック通電が継続すると、V相に電流が集中し、発熱が偏るおそれがある。以下、停止位置θLの表記において「電気角」を省略し、「θL=30°」のように表す。なお、第1実施形態では、トルクが基準値(=1)であり停止位置θLが30°である条件を「条件A」と表す。
そこで電流指令演算部50は、ロック通電において、同じ電流位相での通電を所定時間以上継続しないように、時間に応じて電流指令値の位相を変更する。本実施形態によるこの処理を「位相調整処理」という。また、ロック通電時における位相変更前の位相角φを「初期通電位相」といい、初期通電位相における電流絶対値が最大である相を「最大電流相」という。図5の例では、初期通電位相は105°であり、最大電流相はV相である。続いて、位相を変更する具体的な方法について実施形態毎に説明する。
(第1実施形態)
図7~図16を参照し、第1実施形態の位相調整処理について説明する。図7に示すように、電流指令演算部50は、最大効率動作点Pを基準として等トルク曲線上で電流指令値の位相を変更する。まず図7~図9を参照し、停止位置θLが電気角30°である条件Aを用いて、位相調整処理の一般的な作用効果について説明する。
図7~図16を参照し、第1実施形態の位相調整処理について説明する。図7に示すように、電流指令演算部50は、最大効率動作点Pを基準として等トルク曲線上で電流指令値の位相を変更する。まず図7~図9を参照し、停止位置θLが電気角30°である条件Aを用いて、位相調整処理の一般的な作用効果について説明する。
図8に、条件A(停止位置θL=30°)でのロック通電時に第1実施形態の位相調整処理を行った場合の三相電流の変化を示す。最大効率動作点Pに対応する初期通電位相φ0(105°)から進角側に位相角φを変更すると、最大電流相(この場合、V相)の電流を下げることができる。位相角φが120°(すなわち位相変更量が15°)のとき、V相電流Ivの絶対値とU相電流Iuの絶対値とが一致する。位相角φが120°を超えると、U相電流Iuの絶対値が最大となる。
図9に、条件A(停止位置θL=30°)でのロック通電時に、105°と125°との間で、位相変更量20°にて位相角φを往復させたときの三相電流の時間変化を示す。位相調整処理を行わない図6に対し、各相電流Iu、Iv、Iwは増減を繰り返す。この場合、最大電流が流れる相をV相とU相とに分散させることができるため、特定相の発熱を抑制することができる。位相角φの変化方式は、図9のように一定速度で位相範囲を往復する方式に限らず、所定時間毎にステップ状に位相角φを変化させてもよい。また、各位相角φでの保持時間に差を設けてもよい。
このように第1実施形態では、時間に応じて電流指令値の位相を変更することで、特定の相に電流が集中し、発熱が偏ることを防止することができる。また、最大効率動作点Pを基準とした範囲で通電位相を変化させることで、平均的に効率良くモータ60にトルクを出力させることができる。ただし、等トルク曲線上の位相調整処理では、最大効率動作点Pから離れるほど電流振幅Iaが大きくなる。そのため、最大電流相以外の相の電流増加との兼ね合いで調整が必要となる場合がある。
そこで、電流振幅Iaと位相角φとの関係を検討する。式(2.1)においてd軸電流Id及びq軸電流Iqを電流振幅Iaと位相角φで表すと、電流振幅Iaについての二次方程式である式(4)が得られる。
式(4)を「Ia>0」の範囲でIaについて解くと、Ld≠Lq且つcosφ≠0のとき、式(5)が得られる。また、Ld=Lq又はcosφ=0のとき、式(6)が得られる。
式(5)、(6)より、ある出力トルクτに対して電流振幅Iaが最小となる位相角φが位相変更前の初期通電位相φ0となり、一意に定まる。また、通電位相を変更した際にトルクτを一定に保つために電流振幅Iaをどれだけ大きくする必要があるかについても式(5)、(6)から求められる。位相角φに応じて必要となる電流振幅をIa(φ)と表すと、式(3)の第1行は式(7)のように表現される。
基本的に、初期通電位相φ0の動作点における最大電流相の電流絶対値が下がる方向が適切な位相変更方向であり、トルクτと停止位置θLとから一意に定めることができる。この情報をマップ化しておくと演算負荷が低減できる。同様に、位相変更量に対応した各相の電流値も定まり、最大電流相以外の相の電流絶対値が過度に大きくならないように位相変更範囲の限界値(すなわち、後述する「調整限界位相」)を求めることもできる。
本実施形態では、基本的に最大効率動作点Pに対応する位相角(105°)を初期通電位相φ0として考えるが、初期通電位相φ0が105°以外の場合でも、同じ計算方法を採用可能である。その場合、電流指令演算部50は初期通電位相φ0の情報を取得して計算に用いる。
以上の理論に基づき、電流指令演算部50は、次のように位相調整処理を行う。電流指令演算部50は、初期通電位相φ0、モータ停止位置θL、及びモータ60の出力トルクτのうち少なくとも一つを用いて、最大電流相の電流絶対値が減少する方向を位相調整処理の位相変更方向として判定する。
また電流指令演算部50は、初期通電位相φ0から調整限界位相φLIMまでの位相変更範囲内で位相調整処理を実行する。好ましくは、電流指令演算部50は、最大電流相の位相変更前の電流絶対値に対し、最大電流相以外の相の位相変更後の電流絶対値が同等以下となる範囲に調整限界位相φLIMを設定する。ただし、これとは別の基準で調整限界位相φLIMが設定されてもよい。
以下の例示範囲内で、実質的に「最大電流相以外の相」は初期通電位相φ0における電流絶対値が二番目に大きい相に相当するため、便宜上「次点相」と記載する。位相を変更し過ぎると、次点相の電流絶対値が著しく増加したり、最大電流相の電流低減効果が低下したりする場合がある。そこで、位相変更範囲は、次点相の電流絶対値が最大電流相の位相変更前の電流絶対値を超えないように設定される。なお、諸元によっては、初期通電位相φ0における電流絶対値が三番目の相が、位相変更中に、電流絶対値が二番目の相を追い越して「最大電流相以外の相」になる可能性もある。
ここで、最大電流相について初期通電位相φ0での電流絶対値を|Imax0|とし、調整限界位相φLIMでの電流絶対値を|ImaxLIM|とする。初期通電位相φ0から調整限界位相φLIMまでの位相変更による電流絶対値低減率ρは次式で定義される。
ρ=(|Imax0|-|ImaxLIM|)/|Imax0|
ρ=(|Imax0|-|ImaxLIM|)/|Imax0|
電流指令演算部50は、初期通電位相φ0、モータ停止位置θL、及びモータ60の出力トルクτのうち少なくとも一つを用いて、最大電流相について電流絶対値低減率ρを算出する。そして、電流絶対値低減率ρが所定の低減率閾値ρth(例えば2%)より小さいとき、つまり、位相変更によって得られる電流低減効果が最小限の期待レベルに達しないと判断されるとき、位相変更が行われないようにする。その場合、位相調整処理のロジックを維持したまま位相変更量をゼロに設定してもよいし、位相調整処理のロジック自体をオフしてもよい。
次に、上記条件A(停止位置θL=30°)に加え、停止位置θLが異なる条件B~Dの場合を含め、位相調整処理において位相変更方向及び位相変更範囲を決定する具体例について説明する。図10に示すように、条件Bは電気角40°、条件Cは電気角17°、条件Dは電気角5°が停止位置θLとなる。条件A~Dにて最大電流相はいずれもV相である。条件A~Cでは次点相はU相であり、条件Dでは次点相はW相である。モータ60のトルクτは[Nm]次元の基準値である。基準値のトルクを「τ=1」と表す。
図11は、条件Aについて図8を書き直した図である。横軸は初期通電位相φ0からの位相変更量を表し、縦軸は三相電流の絶対値を表す。これにより、位相変更に伴う最大電流相(V相)及び次点相(U相)の電流絶対値の変化が把握しやすくなる。次点相の電流絶対値が最大電流相の位相変更前の電流絶対値に到達する点を限界点Zと表す。図11~図15では、限界点Zの位相が調整限界位相θLIMに設定される例を示す。その場合、位相変更量が最大に確保される。
ただし調整限界位相φLIMは、次点相の電流絶対値が最大電流相の位相変更前の電流絶対値に到達する前の位相に設定されてもよい。例えば、次点相の電流絶対値と最大電流相の電流絶対値とが一致する交差位相φXが調整限界位相θLIMに設定されてもよい。これにより、総損失量がより少ない範囲での制御が可能となる。
条件Aでは、初期通電位相φ0から位相角φが進角する方向にV相電流Ivの絶対値が減少するため、進角方向が位相変更方向として判定される。また、U相電流Iuの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角125°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、初期通電位相φ0である位相角105°から調整限界位相φLIMである位相角125°までの20°の範囲に設定される。最大電流相であるV相の電流絶対値低減率ρは約12%と算出される。以下の条件A~D、AAの説明で低減率閾値ρthを2%と仮定すると、約12%の電流絶対値低減率ρは低減率閾値ρth以上であるため、位相変更が行われる。なお、交差位相φXは位相角120°である。
図12に示す条件B(停止位置θL=40°)では、条件Aと同じく位相変更方向は進角方向である。また、初期通電位相φ0においてV相電流Ivの絶対値とU相電流Iuの絶対値との差が比較的小さい。U相電流Iuの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角113°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、位相角105°から位相角113°までの8°の範囲に設定される。V相の電流絶対値低減率ρは約7%と算出され、位相変更が行われる。条件Bでは条件Aに比べて小刻みな位相変更が繰り返されることとなる。なお、交差位相φXは位相角110°である。
図13に示す条件C(停止位置θL=17°)では最終的に位相変更は行われないが、処理のロジックにおいて位相変更方向及び位相変更範囲が仮に決定されるものとして説明する。仮に判定される位相変更方向は進角方向である。U相電流Iuの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角133°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、位相角105°か位相角133°までの28°の範囲に仮設定される。なお、交差位相φXは調整限界位相φLIMとほぼ重なるため省略する。
このとき、V相の電流絶対値低減率ρは約0.4%と算出される。つまり、条件Cでは、初期通電位相φ0から調整限界位相φLIMまで位相変更しても、V相の電流絶対値はほぼ一定であり、電流低減効果がほとんど得られない。電流絶対値低減率ρが低減率閾値ρthより小さいため、電流指令演算部50は位相変更が行われないようにする。
条件Cのように、最大電流相(V相)の電流絶対値がピークとなる電気角15°に近い停止位置θL等では、位相変更による電流低減効果がほとんど無いにもかかわらず、次点相(U相)の電流絶対値の増加が大きい場合がある。例えば電流指令演算部50は、電流絶対値低減率ρが低減率閾値ρthより小さくなる停止位置θLの領域をマップで記憶し、その領域の停止位置θLでは位相変更を禁止するか、位相変更量をゼロに設定するようにしてもよい。また、電流低減効果を評価する指標は上記式による電流絶対値低減率ρに限らず、例えば他相の電流絶対値等を含む式で算出されてもよい。
図14に示す条件D(停止位置θL=5°)では、初期通電位相φ0から位相角φが遅角する方向にV相電流Ivの絶対値が減少するため、条件A~Cとは逆に、遅角方向が位相変更方向として判定される。また、次点相であるW相電流Iwの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角83°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、位相角105°か位相角83°までの22°の範囲に仮設定される。最大電流相であるV相の電流絶対値低減率ρは約6%と算出され、位相変更が行われる。なお、交差位相φXは位相角85°である。
さらに図15に、条件Aに対しトルクτを2倍にした条件AAでの位相変更量と三相電流絶対値との関係を示す。条件AAでは条件Aに対し三相電流絶対値が2倍弱程度に大きくなる。初期通電位相φ0、すなわち最大効率動作点Pに対応する位相角φは113°である。位相変更方向は条件Aと同じく進角方向である。U相電流Iuの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角124°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、位相角113°から位相角124°までの11°の範囲に設定される。最大電流相であるV相の電流絶対値低減率ρは約8%と算出され、位相変更が行われる。なお、交差位相φXは条件Aと同じ位相角120°である。
図16のフローチャートを参照し、位相調整処理のフローを説明する。フローチャートの説明で記号「S」はステップを意味する。S20では、モータ60が後述の適用除外要件を満たすか判断される。適用除外要件の具体例については図23を参照する。S20でYESの場合、S25で電流指令演算部50は、位相調整処理を実行せず、演算した電流指令値Id*、Iq*を継続して出力する。
S20でNOの場合、S31で電流指令演算部50は、初期通電位相φ0、モータ停止位置θL、モータ60の出力トルクτのうち必要な情報を取得する。電流指令演算部50は、これらのうち少なくとも一つを用いて、S32で位相変更方向を判定し、S33で調整限界位相θLIMまでの位相変更範囲を設定する。S34で電流指令演算部50は、最大電流相について位相変更による電流絶対値低減率ρを算出する。
S35では電流絶対値低減率ρが低減率閾値ρth以上であるか判断される。S35でYESの場合、S36で電流指令演算部50は、位相調整処理を実行開始する。電流絶対値低減率ρが低減率閾値ρthより小さく、S35でNOの場合、S37で電流指令演算部50は、例えば位相変更量をゼロに設定し、位相変更が行われないようにする。或いはS36でNOの場合、破線矢印で示すように、適用除外要件の成立時に準じてS25に移行してもよい。
(第2実施形態)
図17~図19を参照し、第2実施形態の位相調整処理について説明する。図17に示すように、電流指令演算部50は、最大効率動作点Pを基準として等振幅円上で電流指令値の位相を変更する。位相調整処理の考え方は基本的に第1実施形態の等トルク曲線上での位相変更と同様である。上記の式において電流振幅Iaは位相角φによって変化しない定数として扱われる。
図17~図19を参照し、第2実施形態の位相調整処理について説明する。図17に示すように、電流指令演算部50は、最大効率動作点Pを基準として等振幅円上で電流指令値の位相を変更する。位相調整処理の考え方は基本的に第1実施形態の等トルク曲線上での位相変更と同様である。上記の式において電流振幅Iaは位相角φによって変化しない定数として扱われる。
図18に、条件A(停止位置θL=30°、トルクτ=1)でのロック通電時に第2実施形態の位相調整処理を行った場合の三相電流の変化を示す。最大効率動作点Pに対応する初期通電位相φ0(105°)から最大電流相(V相)の電流絶対値が減少する進角方向が位相変更方向として判定される。
また、次点相であるU相電流Iuの絶対値がV相の位相変更前の電流絶対値に到達する位相角135°が調整限界位相φLIMに設定される。位相変更範囲は、初期通電位相φ0である105°から調整限界位相φLIMである135°までの位相角30°の範囲に設定される。最大電流相であるV相の電流絶対値低減率ρは約18%と算出され、位相変更が行われる。なお、交差位相φXは位相角120°である。
第2実施形態でも第1実施形態と同様に、特定の相に電流が集中し、発熱が偏ることを防止することができる。また、平均的に効率良くモータ60にトルクを出力させることができる。ただし、等振幅円上での位相調整処理では、電流振幅は変化しないが、最大効率動作点Pから位相角φが離れるほどトルクは低下する。図19に、最大効率動作点Pでのトルクを1としたときのトルク比の変化を示す。
(第3実施形態)
まず図20、図21を参照し、第3実施形態の前提として、図2のXXa部に示す電動ブレーキ81-84のパッド87の特性について補足する。図20(a)に示すように、パッド87はバネのような特性を持ち、直動機構85による押し込み力Fdと、ひずみ量に応じた反力Frとが互いに反対方向に作用する。図20(b)に示すように、ひずみ量(すなわちパッド位置)Xとパッド荷重Fとはほぼ比例する。したがって、モータ60の位相変化によりパッド位置がΔX変化すれば、パッド荷重はΔF変化する。
まず図20、図21を参照し、第3実施形態の前提として、図2のXXa部に示す電動ブレーキ81-84のパッド87の特性について補足する。図20(a)に示すように、パッド87はバネのような特性を持ち、直動機構85による押し込み力Fdと、ひずみ量に応じた反力Frとが互いに反対方向に作用する。図20(b)に示すように、ひずみ量(すなわちパッド位置)Xとパッド荷重Fとはほぼ比例する。したがって、モータ60の位相変化によりパッド位置がΔX変化すれば、パッド荷重はΔF変化する。
図21に示すように、モータトルクとパッド荷重との関係は、パッド87の摩擦力によるヒステリシス特性を有している。正効率線により発生したパッド荷重は、モータトルクが低下しても逆効率線まで保持される。ここで、パッド87及びディスク88は「負荷」に相当し、パッド荷重は「モータのトルクに応じて負荷に作用する力」に相当する。
一般化して記すと、モータ制御装置35は、モータ60のトルクに応じて負荷に作用する力が変化するシステムに適用される。モータ60のトルクと負荷に作用する力との関係は、モータ60のトルク増加時に負荷に作用する力の変化特性と、モータ60のトルク減少時に負荷に作用する力の変化特性とが異なるヒステリシス特性を有している。この前提の下、電流指令演算部50は、位相調整処理において、ヒステリシス領域内で電流指令値の位相を変更する。
続いて図22を参照し、第3実施形態の位相調整処理について説明する。ヒステリシス特性がある場合、元(すなわち高トルク側)の等トルク曲線と、ヒステリシス分のトルクを減じた低トルク側の等トルク曲線との間の領域でパッド荷重を保持することが可能である。また、元の等トルク曲線上の最大効率動作点Pを通る等振幅円上では電流振幅を増加させずに電流位相を変更することができる。
そこで、低トルク側の等トルク曲線と等振幅円との遅角側の交点をQL、進角側の交点をQHとし、各交点QL、QHに対応する位相角をφL、φHとする。電流指令演算部50は、例えば低トルク側の等トルク曲線と等振幅円との間の領域をマップで記憶して、この領域内の任意の動作点を選択してもよい。また電流指令演算部50は、低トルク側の等トルク曲線上の位相角φL~φHの範囲で位相角φを変更してもよい。第3実施形態でも同様に、特定の相に電流が集中し、発熱が偏ることを防止することができる。また、平均的に効率良くモータ60にトルクを出力させることができる。
(適用除外)
上記の各実施形態において、電流指令演算部50は位相調整処理を常に実行するとは限らず、ロック通電しても特定の相の発熱が問題にならないような状況では位相調整処理を実行しなくてもよい。そこで、モータ60が所定の適用除外要件を満たす場合、電流指令演算部50は位相調整処理を実行せず、演算した電流指令値を継続して出力する。
上記の各実施形態において、電流指令演算部50は位相調整処理を常に実行するとは限らず、ロック通電しても特定の相の発熱が問題にならないような状況では位相調整処理を実行しなくてもよい。そこで、モータ60が所定の適用除外要件を満たす場合、電流指令演算部50は位相調整処理を実行せず、演算した電流指令値を継続して出力する。
図23のフローチャートを参照し、適用除外要件の成否判定の例について説明する。この例では3項目の要件についてS21~S23で順に成否を判断する。S21~S23のうち少なくともいずれか一つでYESと判断されたとき、S24で適用除外要件を満たすと判定される。
図1、図3を参照して上述したように、モータ制御装置35は、各モータ60の負荷トルクTL1-TL4又はモータ温度Temp1-Temp4を取得する。S21では、モータ60の負荷トルクTL1-TL4が所定のトルク閾値未満であるか判断される。低負荷の領域ではロック通電時に流れる電流が小さいため、発熱は問題とならない。
S22では、モータ60の負荷トルクTL1-TL4の変動が所定のトルク変動閾値より大きいか判断される。S22でYESの場合、モータ60が回転するため、そもそもロック通電状態にならない。S23では、モータ60の温度Temp1-Temp4が所定の温度閾値未満であるか判断される。たとえロック通電が行われても、許容上限温度に対して十分に余裕がある状況では、位相調整処理を行う必要はない。
このように、そもそもロック通電にならない場合や、ロック通電しても特定の相の発熱が問題とならない場合、電流指令演算部50は位相調整処理を実行しない。これにより、最大効率動作点Pから離れた動作点において、第1実施形態により電流振幅が増加することや第2実施形態によりトルクが低下することを回避し、常に最大効率でモータ60を動作させることができる。
(その他の実施形態)
(a)位相調整処理における電流位相の変更範囲は上記実施形態で示したものに限らない。例えば等トルク曲線と等振幅円とを折衷した調整曲線を定義し、その調整曲線に沿って電流位相を変更してもよい。
(a)位相調整処理における電流位相の変更範囲は上記実施形態で示したものに限らない。例えば等トルク曲線と等振幅円とを折衷した調整曲線を定義し、その調整曲線に沿って電流位相を変更してもよい。
(b)モータの相の数は三相に限らず、四相以上の多相モータであってもよい。
(c)本発明のモータ制御装置は、電動ブレーキ用のモータに限らず、ロック通電により特定の相に発熱が偏る可能性があるどのような多相モータに適用されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
本開示に記載のモータ制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のモータ制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載のモータ制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
「前記電流指令演算部は、前記ロック通電時における初期通電位相、モータ停止位置、及び、前記モータの出力トルクのうち少なくとも一つを用いて、前記初期通電位相における電流絶対値が最大である最大電流相について前記初期通電位相から前記調整限界位相までの位相変更による電流絶対値低減率を算出し、前記電流絶対値低減率が所定の低減率閾値より小さいとき、位相変更が行われないようにする請求項5に記載のモータ制御装置。」の発明は、記載要件が許容される場合、請求項5または6を引用してもよい。
「前記適用除外要件として、・・・のうち少なくともいずれか一つの要件が満たされたとき、前記電流指令値演部は、前記位相調整処理を実行せず、演算した電流指令値を継続して出力する請求項1~3、8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。」の発明は、記載要件が許容される場合、請求項1から直前請求項までのいずれか一項を引用してもよい。
35・・・モータ制御装置、
50・・・電流指令演算部、
55・・・インバータ(電力変換器)、
60・・・モータ、三相モータ(多相モータ)。
50・・・電流指令演算部、
55・・・インバータ(電力変換器)、
60・・・モータ、三相モータ(多相モータ)。
Claims (9)
- 入力された電力を変換し、多相モータ(60)の各相に交流電力を供給する電力変換器(55)と、
前記多相モータに通電される電流について、トルク指令値に応じて、dq軸座標における電流振幅及び電流位相で定義される電流指令値を演算する電流指令演算部(50)と、
を備え、
前記多相モータが所定の適用除外要件を満たす場合を除き、
前記電流指令演算部は、前記多相モータの回転が停止した状態で通電するロック通電において、同じ電流位相での通電を所定時間以上継続しないように、時間に応じて電流指令値の位相を変更する位相調整処理を実行するモータ制御装置。 - 前記電流指令演算部は、前記位相調整処理において、dq軸座標における等トルク曲線上で電流指令値の位相を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記電流指令演算部は、前記位相調整処理において、dq軸座標における等振幅円上で電流指令値の位相を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記電流指令演算部は、前記ロック通電時における初期通電位相、モータ停止位置、及び、前記多相モータの出力トルクのうち少なくとも一つを用いて、前記初期通電位相における電流絶対値が最大である最大電流相の電流絶対値が減少する方向を、前記位相調整処理の位相変更方向として判定する、請求項1~3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
- 前記電流指令演算部は、前記ロック通電時における初期通電位相から調整限界位相までの位相変更範囲内で前記位相調整処理を実行する、請求項1~3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
- 前記電流指令演算部は、前記ロック通電時における初期通電位相、モータ停止位置、及び、前記多相モータの出力トルクのうち少なくとも一つを用いて、前記初期通電位相における電流絶対値が最大である最大電流相の位相変更前の電流絶対値に対し、前記最大電流相以外の相の位相変更後の電流絶対値が同等以下となる範囲に前記調整限界位相を設定する請求項5に記載のモータ制御装置。
- 前記電流指令演算部は、前記ロック通電時における初期通電位相、モータ停止位置、及び、前記多相モータの出力トルクのうち少なくとも一つを用いて、前記初期通電位相における電流絶対値が最大である最大電流相について前記初期通電位相から前記調整限界位相までの位相変更による電流絶対値低減率を算出し、前記電流絶対値低減率が所定の低減率閾値より小さいとき、位相変更が行われないようにする請求項5に記載のモータ制御装置。
- 前記多相モータのトルクに応じて負荷に作用する力が変化するシステムに適用され、
前記多相モータのトルクと負荷に作用する力との関係は、前記多相モータのトルク増加時に負荷に作用する力の変化特性と、前記多相モータのトルク減少時に負荷に作用する力の変化特性とが異なるヒステリシス特性を有しており、
前記電流指令演算部は、前記位相調整処理において、ヒステリシス領域内で電流指令値の位相を変更する請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記適用除外要件として、
前記多相モータの負荷トルクが所定のトルク閾値未満である、
前記多相モータの負荷トルクの変動が所定のトルク変動閾値より大きい、
前記多相モータの温度が所定の温度閾値未満である、
のうち少なくともいずれか一つの要件が満たされたとき、
前記電流指令値演部は、前記位相調整処理を実行せず、演算した電流指令値を継続して出力する請求項1~3、8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
Priority Applications (1)
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PCT/JP2022/042568 WO2023100658A1 (ja) | 2021-12-02 | 2022-11-16 | モータ制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2023082656A true JP2023082656A (ja) | 2023-06-14 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022153875A Pending JP2023082656A (ja) | 2021-12-02 | 2022-09-27 | モータ制御装置 |
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-
2022
- 2022-09-27 JP JP2022153875A patent/JP2023082656A/ja active Pending
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