JP2023081646A - 潤滑油添加剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物由来の単量体に由来する構成単位を有し、油に添加した際、優れた粘度指数向上能、油中溶解能を有する潤滑油添加剤を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aとアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bとを含む共重合体を含有する潤滑油添加剤。TIFF2023081646000005.tif32140(式(1)中、R1は炭素数が1~26の炭化水素基である。)【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油添加剤に関する。
従来、内燃機関や自動変速機、その他機械装置には、その作動を円滑にするために潤滑油が用いられている。近年、地球環境保護の観点から、潤滑油に求められる省燃費性能が益々高くなっており、その指標の一つとなる粘度指数の更なる向上が求められている。
特許文献1に開示された共役ジエン由来の構成単位と芳香族ビニル化合物由来の構成単位からなる共重合体は、潤滑油の粘度指数向上剤として使用されている。また特許文献2に開示されたアルキル(メタ)アクリレートの共重合体も潤滑油の粘度指数向上剤として使用されている。
特許文献1に開示されている粘度指数向上剤は、芳香族ビニル化合物由来の構成単位の含有量が多い場合には、油への溶解性が低下するという課題がある。
特許文献2に開示されている共重合体は、潤滑油の粘度指数を向上させる効果に優れるが、石油由来の単量体を原料として用いており、近年の社会的な要望にそぐわない。炭素循環社会の構築のためには、植物由来の単量体を用いた当該効果に優れる異なる種類の粘度指数向上剤の開発が望まれている。
特許文献2に開示されている共重合体は、潤滑油の粘度指数を向上させる効果に優れるが、石油由来の単量体を原料として用いており、近年の社会的な要望にそぐわない。炭素循環社会の構築のためには、植物由来の単量体を用いた当該効果に優れる異なる種類の粘度指数向上剤の開発が望まれている。
本発明は、植物由来の単量体に由来する構成単位を有し、油に添加した際、優れた粘度指数向上能、油中溶解能を有する潤滑油添加剤を提供することを目的とする。植物由来の単量体であることは、放射性炭素濃度を測定することで確認できる。
上記の課題を解決するため、本発明は、以下の態様を包含する。
〔1〕:下記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aとアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bとを含む共重合体を含有する潤滑油添加剤。
(式(1)中、R1は炭素数が1~26の炭化水素基である。)
〔2〕:前記アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位b中の該アルキル基の炭素数が2~32である、〔1〕に記載の潤滑油添加剤。
〔3〕:前記構成単位aがイソプレンに由来する構造単位、ミルセンに由来する構造単位及びファルネセンに由来する構成単位の内の少なくとも1つを含む、〔1〕又は〔2〕に記載の潤滑油添加剤。
〔4〕:前記構成単位aがミルセンに由来する構成単位及びファルネセンに由来する構成単位の内の少なくとも一方である、〔3〕に記載の潤滑油添加剤。
〔5〕:前記構成単位aがミルセンに由来する構成単位である、〔4〕に記載の潤滑油添加剤。
〔6〕:前記共重合体の全構成単位の合計100質量%中の前記構成単位aの含有量が1~50質量%、前記構成単位bの含有量が50~99質量%である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
〔7〕:前記共重合体の重量平均分子量が5000~20万である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の潤滑油添加剤。
本発明の潤滑油添加剤に含まれる共重合体は、植物由来の単量体を原料として製造することができ、また、この共重合体を含む本発明の潤滑油添加剤は、潤滑油に添加した際、優れた粘度指数向上能、油中溶解能を示す。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[用語の説明]
本明細書においては、以下の用語の定義を採用する。
「構成単位」とは、単量体に由来する重合体を構成する単位、すなわち単量体が重合することによって形成された構成単位、または重合体を変性処理することによって構成単位の一部が別の構造に変換された構成単位を意味する。
本発明に係る「共重合体」とは、構成単位aと、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bを含む重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの一方又は双方を意味する。
本明細書において「重量平均分子量」、「数平均分子量」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量を意味する。
本明細書においては、以下の用語の定義を採用する。
「構成単位」とは、単量体に由来する重合体を構成する単位、すなわち単量体が重合することによって形成された構成単位、または重合体を変性処理することによって構成単位の一部が別の構造に変換された構成単位を意味する。
本発明に係る「共重合体」とは、構成単位aと、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bを含む重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの一方又は双方を意味する。
本明細書において「重量平均分子量」、「数平均分子量」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量を意味する。
本発明の潤滑油添加剤は、下記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aとアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bとを含む共重合体(以下、「本発明の共重合体」と称す場合がある。)を含有する潤滑油添加剤である。
下記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aは、植物から得られる単量体由来であることが好ましい。
下記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aは、植物から得られる単量体由来であることが好ましい。
式(1)中、R1は炭素数が1~26の炭化水素基である。前記炭化水素基はヘテロ原子を含まないものが好ましい。前記炭化水素基は、CnH2n+1、CnH2n-1及びCnH2n-3の中から選ばれる少なくとも一つで表される基(nは1~26の整数である。)であることが好ましい。前記炭化水素基は、CH3、C6H11、C11H19の中から選ばれる少なくとも一つであることがより好ましい。
本発明の共重合体は、構成単位aと構成単位bを必須の構成単位として含むものであるが、構成単位a及び構成単位b以外の他の構成単位(以下、「その他の構成単位c」と称す場合がある。)を含むものであってもよい。
[共重合体の構成単位]
以下、本発明の共重合体を構成する構成単位a、構成単位b及びその他の構成単位cについて詳細に説明する。
以下、本発明の共重合体を構成する構成単位a、構成単位b及びその他の構成単位cについて詳細に説明する。
<構成単位a>
本発明の共重合体は、前記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aを含む。該構成単位aは、イソプレン、ミルセン及びファルネセンの内の少なくとも1つに由来する構成単位であることが好ましい。なお、本発明の共重合体には、構成単位aの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
構成単位aは、重合上の取り扱いの観点からミルセン及びファルネセンの内の少なくとも一方に由来する構成単位であることが好ましく、原料価格の観点からミルセンに由来する構成単位であることがより好ましい。これらはいずれも植物由来の単量体として入手可能であり、炭素循環社会の構築の観点から好ましい。
本発明の共重合体は、前記式(1)で表される化合物に由来する構成単位aを含む。該構成単位aは、イソプレン、ミルセン及びファルネセンの内の少なくとも1つに由来する構成単位であることが好ましい。なお、本発明の共重合体には、構成単位aの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
構成単位aは、重合上の取り扱いの観点からミルセン及びファルネセンの内の少なくとも一方に由来する構成単位であることが好ましく、原料価格の観点からミルセンに由来する構成単位であることがより好ましい。これらはいずれも植物由来の単量体として入手可能であり、炭素循環社会の構築の観点から好ましい。
本発明の共重合体の全構成単位の合計を100質量%とすると、構成単位aの含有量の下限値は、油への溶解性の観点から、また植物由来の原料を含む観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上である。構成単位aの含有量の上限値は、粘度指数向上の観点から、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。なお、共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位aの割合は、本発明の共重合体の原料単量体として、構成単位aを導入するための単量体の仕込み量から計算により求めることができる。
<構成単位b>
本発明の共重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bを含む。このアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐のアルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;等のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を挙げることができる。
本発明の共重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bを含む。このアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐のアルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;等のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を挙げることができる。
中でも、油の粘度指数及び油中溶解能を向上させる観点から、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位b中の該アルキル基の炭素数の下限値が2以上であることが好ましく、4以上がより好ましく、6以上が更に好ましく、8以上が特に好ましい。アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位b中の該アルキル基の炭素数の上限値は、32以下であることが好ましく、20以下がより好ましく、15以下がより更に好ましい。
本発明の共重合体には、これらのアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明の共重合体には、これらのアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明の共重合体の全構成単位の合計を100質量%とすると、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bの含有量の下限値は粘度指数向上の観点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%であり、更に好ましくは70質量%以上である。アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位bの含有量の上限値は、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下であり、更に好ましくは97質量%以下である。なお、共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位bの割合は、本発明の共重合体の原料単量体として、構成単位bを導入するために用いられるアルキル(メタ)アクリレートの仕込み量から計算により求めることができる。
<その他の構成単位c>
構成単位cは、上記構成単位a及び構成単位b以外の構成単位である。
本発明の共重合体に構成単位cを導入するために用いられるその他の原料単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-メチルマレイミド等のマレイミド系単量体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
構成単位cは、上記構成単位a及び構成単位b以外の構成単位である。
本発明の共重合体に構成単位cを導入するために用いられるその他の原料単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-メチルマレイミド等のマレイミド系単量体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
構成単位cの含有量は、本発明の共重合体の全構成単位の合計100質量%に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。構成単位cの含有量が60質量%以下であることにより、油に添加した際の油への溶解性が向上するためである。
[共重合体の重量平均分子量(Mw)]
本発明の共重合体の重量平均分子量の下限値は、油の粘度指数向上効果の観点から、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。一方、本発明の共重合体の重量平均分子量の上限値は、油への溶解性の観点から、20万以下であることが好ましく、15万以下であることがより好ましい。
本発明の共重合体の重量平均分子量の下限値は、油の粘度指数向上効果の観点から、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。一方、本発明の共重合体の重量平均分子量の上限値は、油への溶解性の観点から、20万以下であることが好ましく、15万以下であることがより好ましい。
[共重合体の数平均分子量(Mn)]
本発明の共重合体の数平均分子量の下限値は、油の粘度指数向上効果の観点から、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。一方、本発明の共重合体の数平均分子量の上限値は、油への溶解性の観点から、15万以下であることが好ましく、10万以下であることがより好ましい。
本発明の共重合体の数平均分子量の下限値は、油の粘度指数向上効果の観点から、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。一方、本発明の共重合体の数平均分子量の上限値は、油への溶解性の観点から、15万以下であることが好ましく、10万以下であることがより好ましい。
[重合体の製造方法]
本発明の共重合体を製造する方法としては特に制限はなく、原料単量体として構成単位aを導入するための前記式(1)で表される化合物、構成単位bを導入するための前記アルキル(メタ)アクリレート、及び必要に応じて構成単位cを導入するためのその他の単量体を、前述の好適割合で用いて、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の重合方法により重合することで製造することができる。中でも潤滑油添加剤への適合性の観点から溶液重合法が好ましい。
以下、溶液重合法により本発明の共重合体を製造する方法について詳細に説明する。
本発明の共重合体を製造する方法としては特に制限はなく、原料単量体として構成単位aを導入するための前記式(1)で表される化合物、構成単位bを導入するための前記アルキル(メタ)アクリレート、及び必要に応じて構成単位cを導入するためのその他の単量体を、前述の好適割合で用いて、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の重合方法により重合することで製造することができる。中でも潤滑油添加剤への適合性の観点から溶液重合法が好ましい。
以下、溶液重合法により本発明の共重合体を製造する方法について詳細に説明する。
<重合開始剤>
本発明の共重合体を製造するにあたっては、公知のラジカル重合開始剤を用いて、公知の方法で製造を行えばよい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の共重合体を製造するにあたっては、公知のラジカル重合開始剤を用いて、公知の方法で製造を行えばよい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤として用いられる好適な有機過酸化物の具体例としては、t-ブチルパーオキシピバレート、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
また、アゾ化合物の具体例としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。
これらの中でも、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が好ましい。
また、アゾ化合物の具体例としては、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。
これらの中でも、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が好ましい。
(重合溶媒)
本発明の共重合体を製造するにあたっては、重合溶媒に一般の有機溶剤を使用することができるが、潤滑油添加剤への適合性の観点からパラフィン油を使用するのが好ましい。この場合、重合溶媒として用いたパラフィン油中の共重合体を本発明の潤滑油添加剤として用いることができる。
本発明の共重合体を製造するにあたっては、重合溶媒に一般の有機溶剤を使用することができるが、潤滑油添加剤への適合性の観点からパラフィン油を使用するのが好ましい。この場合、重合溶媒として用いたパラフィン油中の共重合体を本発明の潤滑油添加剤として用いることができる。
[潤滑油添加剤]
本発明の潤滑油添加剤は、本発明の共重合体と共に基油(ベースオイル)として、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の油成分の1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、本発明の潤滑油添加剤は、本発明の共重合体の1種のみを含むものであってもよく、構成単位a、bの種類や組成等の異なる共重合体の2種以上を含むものであってもよい。
本発明の潤滑油添加剤は、本発明の共重合体と共に基油(ベースオイル)として、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の油成分の1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、本発明の潤滑油添加剤は、本発明の共重合体の1種のみを含むものであってもよく、構成単位a、bの種類や組成等の異なる共重合体の2種以上を含むものであってもよい。
本発明の潤滑油添加剤は、本発明の共重合体及び基油以外に各種添加剤を含有してもよい。本発明の共重合体以外の各種添加剤としては、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、消泡剤、抗乳化剤、腐食防止剤等が挙げられる。
本発明の潤滑油添加剤に占める本発明の共重合体の割合は、潤滑油添加剤の全構成成分の合計100質量%に対して、好ましくは0.1~100質量%であるが、基油を含む場合、通常、基油の100質量部に対して、本発明の共重合体を0.1~50質量部含むことが好ましい。
本発明の潤滑油添加剤に占める本発明の共重合体の割合は、潤滑油添加剤の全構成成分の合計100質量%に対して、好ましくは0.1~100質量%であるが、基油を含む場合、通常、基油の100質量部に対して、本発明の共重合体を0.1~50質量部含むことが好ましい。
本発明の潤滑油添加剤を、駆動系潤滑油、自動変速機油、作動油、エンジン油等の各種潤滑油に用いる場合、後述の実施例の項に記載の方法で測定される粘度指数は140~250の範囲が好ましく、150~200の範囲がより好ましい。当該範囲内であると、上記用途に用いた際、車等の燃費を低減させることができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
<構成単位の割合>
共重合体中の各構成単位の割合は、単量体の仕込み量から計算した。共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位aの割合は、前記式(1)で表される化合物の仕込み量から計算した。共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位bの割合は、アルキル(メタ)アクリレートの仕込み量から計算した。
共重合体中の各構成単位の割合は、単量体の仕込み量から計算した。共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位aの割合は、前記式(1)で表される化合物の仕込み量から計算した。共重合体の全構成単位の合計100質量%に対する構成単位bの割合は、アルキル(メタ)アクリレートの仕込み量から計算した。
<重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算の分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置:HLC-8420GPC 東ソー(株)製
・分離カラム:TSK-GEL SUPER HM-H(排除限界分子量=4×108)
6.0mmφ×150mm
・検出器:RI(示差屈折計)、UV
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:0.600mL/min
・サンプル濃度:0.02g/10mL
・カラム温度:40℃
共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算の分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置:HLC-8420GPC 東ソー(株)製
・分離カラム:TSK-GEL SUPER HM-H(排除限界分子量=4×108)
6.0mmφ×150mm
・検出器:RI(示差屈折計)、UV
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:0.600mL/min
・サンプル濃度:0.02g/10mL
・カラム温度:40℃
<溶液状態>
重合溶液の透明性を目視で確認し、以下の通り評価した。
〇:透明
×:不透明または不溶分が析出している
重合溶液の透明性を目視で確認し、以下の通り評価した。
〇:透明
×:不透明または不溶分が析出している
<動粘度>
重合溶液について、JIS K2283に準拠して、40℃及び100℃における動粘度を測定した。以下表1に記載のVk40は、40℃における動粘度であり、Vk100は、100℃における動粘度を表している。
重合溶液について、JIS K2283に準拠して、40℃及び100℃における動粘度を測定した。以下表1に記載のVk40は、40℃における動粘度であり、Vk100は、100℃における動粘度を表している。
<粘度指数(VI)>
重合溶液について、JIS K2283に準拠して、粘度指数を測定した。粘度指数は、潤滑油の粘度の温度依存性を表す物性値である。
重合溶液について、JIS K2283に準拠して、粘度指数を測定した。粘度指数は、潤滑油の粘度の温度依存性を表す物性値である。
〔実施例1〕
乾燥させたシュレンク管に、潤滑油ベースオイル(SKルブリカンツ(株)製、商品名:YUBASE4)を33.3質量部、アルキルメタクリレート(三菱ケミカル(株)製、商品名:アクリエステルSL、アルキル基の炭素数:12~13)を80質量部、ミルセン(ヤスハラケミカル(株)製)を20質量部仕込み、シュレンク管内を窒素で十分に置換した後、100℃に昇温した。次いで、重合開始剤として、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーオクタO)を2.2質量部添加し、10時間反応した。得られた重合溶液を潤滑油添加剤として前述の各種評価を実施した。結果を表1に示す。
乾燥させたシュレンク管に、潤滑油ベースオイル(SKルブリカンツ(株)製、商品名:YUBASE4)を33.3質量部、アルキルメタクリレート(三菱ケミカル(株)製、商品名:アクリエステルSL、アルキル基の炭素数:12~13)を80質量部、ミルセン(ヤスハラケミカル(株)製)を20質量部仕込み、シュレンク管内を窒素で十分に置換した後、100℃に昇温した。次いで、重合開始剤として、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーオクタO)を2.2質量部添加し、10時間反応した。得られた重合溶液を潤滑油添加剤として前述の各種評価を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例2~6及び比較例1~2〕
表1に示す仕込み量として、実施例1と同様にして重合溶液を得た。また、得られた重合溶液を用いて各種評価を実施した。結果を表1に示す。
表1に示す仕込み量として、実施例1と同様にして重合溶液を得た。また、得られた重合溶液を用いて各種評価を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
潤滑油ベースオイル(SKルブリカンツ(株)製、商品名:YUBASE4)のみで、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
潤滑油ベースオイル(SKルブリカンツ(株)製、商品名:YUBASE4)のみで、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
なお、表1中、原料単量体の略号は以下の通りである。
SLMA:アクリエステルSL(三菱ケミカル(株)製、アルキル基の炭素数:12~13)
BMA:アクリエステルB(三菱ケミカル(株)製、n-ブチルメタクリレート)
St:スチレンモノマー(ナカライテスク(株)製)
SLMA:アクリエステルSL(三菱ケミカル(株)製、アルキル基の炭素数:12~13)
BMA:アクリエステルB(三菱ケミカル(株)製、n-ブチルメタクリレート)
St:スチレンモノマー(ナカライテスク(株)製)
表1に示されるように、構成単位aと構成単位bを有する本発明の共重合体を用いた実施例1~6は、いずれもベースオイルに対して良好な溶解性を示したが、構成単位bを含まない比較例1及び比較例2はベースオイルに対して不溶であった。また、実施例1~6はいずれも、共重合体を用いない比較例3と比較して、動粘度及び粘度指数(VI)が良好であった。
本発明の潤滑油添加剤は、粘度指数向上能、油中溶解能に優れ、駆動系潤滑油、自動変速機油、作動油、エンジン油等、各種潤滑油に好適である。
Claims (7)
- 前記アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位b中の該アルキル基の炭素数が2~32である、請求項1に記載の潤滑油添加剤。
- 前記構成単位aがイソプレンに由来する構造単位、ミルセンに由来する構造単位及びファルネセンに由来する構成単位の内の少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載の潤滑油添加剤。
- 前記構成単位aがミルセンに由来する構成単位及びファルネセンに由来する構成単位の内の少なくとも一方である、請求項3に記載の潤滑油添加剤。
- 前記構成単位aがミルセンに由来する構成単位である、請求項4に記載の潤滑油添加剤。
- 前記共重合体の全構成単位の合計100質量%中の前記構成単位aの含有量が1~50質量%、前記構成単位bの含有量が50~99質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
- 前記共重合体の重量平均分子量が5000~20万である、請求項1~6のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
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