JP2023081597A - 温度調整装置並びに画像形成装置および温度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドの過剰な冷却を抑制しながら加熱された記録ヘッドを迅速に冷却することができる温度調整装置を提供する。【解決手段】温度調整装置25は、シートSに向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッド14と、冷却液を冷却流路35に沿って循環させながら記録ヘッド14を冷却した冷却液の熱を放熱部34で放熱する冷却部32と、放熱部34から記録ヘッド14に向かう冷却流路35と、記録ヘッド14から放熱部34に向かう冷却流路35とを、記録ヘッド14を迂回して連通させる迂回流路37と、迂回流路37の開閉を切り換える切換部38と、を備えている。【選択図】図4
Description
本発明は、記録ヘッドの温度を調整する温度調整装置並びに画像形成装置および温度調整方法に関する。
記録媒体にインクを吐出する液体吐出ヘッドを備えたインクジェットプリンターが開示されている(特許文献1)。インクジェットプリンターには、液体吐出ヘッドに一定距離離間して配置された水冷ユニットが備えられている。水冷ユニットは、流路に冷却液を通流させて液体吐出ヘッドを冷却する。
ところで、低温環境下では、液体吐出ヘッドも低温となり、インクの吐出量が減少したり不安定になったりするため、画像品質が低下する等の悪影響が発生する。液体吐出ヘッドが低温である場合に、水冷ユニットが稼働すると、液体吐出ヘッドの温度が下がり過ぎ、画像品質が更に悪化する虞があった。
仮に、液体吐出ヘッドの温度が上昇するまで水冷ユニットを停止させることで、上記した画像品質の悪化を抑制することができる。しかし、液体吐出ヘッドの熱が水冷ユニットに滞留する冷却液に伝わり、冷却液の温度が上昇し、液体吐出ヘッドの温度と略同一温度になることがある。この状態で、冷却ユニットが駆動されたとしても、冷却されていない冷却液が循環するため、液体吐出ヘッドを迅速に冷却することができなかった。
本発明は、上記事情を考慮し、記録ヘッドの過剰な冷却を抑制しながら加熱された記録ヘッドを迅速に冷却することができる温度調整装置並びに画像形成装置および温度調整方法を提供する。
本発明に係る温度調整装置は、媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、を備えている。
この場合、前記迂回流路は、前記放熱部よりも前記記録ヘッドに近い位置に設けられてもよい。
この場合、前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部を更に備え、前記温度検知部が所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
この場合、前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、前記記録ヘッドを加熱する加熱部と、を更に備え、前記温度検知部が第1所定温度以上を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドの加熱を停止し、前記温度検知部が前記第1所定温度よりも低温である第2所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドを加熱し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は停止状態または加熱状態を維持し、前記記録ヘッドが前記液滴の吐出を停止している状態において、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第1所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、前記温度検知部が前記第2所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
この場合、前記ノズルの総数に対する前記液滴を吐出させる前記ノズル数を駆動率とし、前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が第1所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が前記第1所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
この場合、前記媒体の面積に対する前記液滴の積算面積を印字率とし、前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が第2所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が前記第2所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかに記載の温度調整装置を備えている。
本発明は、媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、を備えた温度調整装置による温度調整方法であって、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える切換工程を備え、前記切換工程では、前記温度検知部が所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放する。
本発明は、媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、前記記録ヘッドを加熱する加熱部と、を備えた温度調整装置による温度調整方法であって、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記加熱部の駆動を切り換える加熱切換工程と、前記記録ヘッドが前記液滴の吐出を停止している状態において、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える停止時切換工程と、前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える吐出時切換工程と、を備え、前記加熱切換工程では、前記温度検知部が第1所定温度以上を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドの加熱を停止し、前記温度検知部が前記第1所定温度よりも低温となる第2所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドを加熱し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は停止状態または加熱状態を維持し、前記停止時切換工程では、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第1所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記吐出時切換工程では、前記温度検知部が前記第2所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放する。
この場合、前記ノズルの総数に対する前記液滴を吐出させる前記ノズル数を駆動率とし、前記吐出時切換工程では、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が第1所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が前記第1所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
この場合、前記媒体の面積に対する前記液滴の積算面積を印字率とし、前記吐出時切換工程では、前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が第2所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が前記第2所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放してもよい。
本発明によれば、記録ヘッドの過剰な冷却を抑制しながら加熱した記録ヘッドを迅速に冷却することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1の内部構造を示す概略図(正面図)である。図2は制御部19等を示すブロック図である。
図1および図2を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1の内部構造を示す概略図(正面図)である。図2は制御部19等を示すブロック図である。
画像形成装置1は、インク滴を吐出してシートS(媒体)に画像を形成するインクジェット式のプリンターである。図1に示すように、画像形成装置1は、各種機器が収容された箱型のハウジング2を備えている。ハウジング2の下部にはシートSがセットされる給紙カセット3が収容され、ハウジング2の左側面の上側には印刷済みのシートSが積載される排紙トレイ4が設けられている。ハウジング2内の右側部には、給紙カセット3からヘッドユニット12に向けてシートSを搬送するための第1の搬送経路5が形成されている。第1の搬送経路5の上流には給紙部10が設けられ、第1の搬送経路5の下流にはレジストローラー11が設けられている。
ヘッドユニット12は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに対応した4つのラインヘッド13を有している。各ラインヘッド13には、3つの記録ヘッド14が搭載されている。なお、各記録ヘッド14には、チューブ(図示せず)を介して各色のインクパック(図示せず)からインクが供給される。
搬送ベルト16は、ヘッドユニット12の下方に設けられ、複数の張架ローラー16Aに掛け渡されている。搬送ベルト16には多数の貫通穴(図示せず)が形成され、搬送ベルト16の内側には吸引部16Bが設置されている。ヘッドユニット12の左側には、シートSのカールを矯正するデカール装置17が設置されている。ハウジング2内の左側部にはデカール装置17から排紙トレイ4に向けてシートSを搬送する第2の搬送経路7が形成され、第2の搬送経路7の下流には排紙部18が設けられている。ハウジング2内の上部には、第2の搬送経路7の途中からレジストローラー11にシートSを搬送するための第3の搬送経路8が形成されている。
ハウジング2の内部には、様々な制御対象機器を適宜制御するための制御部19が設けられている。図2に示すように、制御部19は、プログラムやパラメーターを記憶(格納)する記憶部20と、プログラム等に従って各種の演算処理を実行する演算処理部21と、を含んでいる。また、制御部19は、制御対象機器を電気的に接続するためのインターフェース22を有している。なお、制御部19は、演算処理部21に代えて、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
[画像形成処理]
ここで、画像形成処理について説明する。制御部19は、様々な制御対象機器を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。
ここで、画像形成処理について説明する。制御部19は、様々な制御対象機器を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。
給紙部10は、給紙カセット3から取り出したシートSを第1の搬送経路5に送り出す。レジストローラー11は、シートSを一時的に塞き止めてスキュー補正し、ラインヘッド13からのインク滴の吐出タイミングに合わせて、シートSを搬送ベルト16上へ送り出す。シートSは搬送ベルト16上に吸着されながら搬送され、ヘッドユニット12に搭載された各記録ヘッド14は、搬送ベルト16上のシートSに向けて複数のノズル(図示せず)からインク滴(液滴)を吐出し、フルカラーの画像を形成する(印刷(印字)する)。ヘッドユニット12の下方を通過したシートSは、デカール装置17に送られてカールを矯正される。
片面印刷されたシートSは、第2の搬送経路7を通って排紙トレイ4に排出される。両面印刷を実行する場合、片面印刷されたシートSは、第3の搬送経路8に進入し、表裏反転され、再びレジストローラー11に向けて搬送される。その後、上記した片面印刷時と同様の順序でシートSの裏面に画像が形成され、両面印刷されたシートSはカール矯正されて排紙トレイ4に排出される。
ところで、低温環境下では、記録ヘッド14も低温となり、インクの吐出量が減少したり不安定になったりするため、画像品質が低下する等の悪影響が発生していた。また、画像形成処理が長時間、連続して行われたり、印字率(シートSの面積に対するインク滴の積算面積)の高い画像を連続して印刷したりする場合、記録ヘッド14が動作可能温度を越えて、画像形成処理が一時的に中断されることもあった。そこで、画像形成装置1には、各記録ヘッド14を加熱したり冷却したりして、各記録ヘッド14の温度を調整する温度調整装置25が設けられている。
以下、温度調整装置25の説明に先立ち、図3および図4を参照して、各ラインヘッド13(記録ヘッド14)について説明する。図3はラインヘッド13を示す斜視図である。図4は温度調整装置25を示す概略図(斜視図)である。なお、4つのラインヘッド13は同一構造であり、各ラインヘッド13に搭載された3つの記録ヘッド14も同一構造であるため、以下の説明では、主に、1つのラインヘッド13および1つの記録ヘッド14について説明する。
[ラインヘッド]
図3に示すように、ラインヘッド13は、3つの記録ヘッド14と、3つの記録ヘッド14を支持するヘッドベース15と、を有している。
図3に示すように、ラインヘッド13は、3つの記録ヘッド14と、3つの記録ヘッド14を支持するヘッドベース15と、を有している。
<記録ヘッド>
記録ヘッド14は、概ね前後方向に長い直方体状に形成されている。図4に示すように、記録ヘッド14は、平板状に形成されたノズルプレート14Aと、直方体状に形成され、ノズルプレート14Aの上側に設けられたヘッド駆動部14Bと、を有している。
記録ヘッド14は、概ね前後方向に長い直方体状に形成されている。図4に示すように、記録ヘッド14は、平板状に形成されたノズルプレート14Aと、直方体状に形成され、ノズルプレート14Aの上側に設けられたヘッド駆動部14Bと、を有している。
ノズルプレート14Aおよびヘッド駆動部14B(の筐体)は、例えば、ステンレス等の金属素材で形成されている。ノズルプレート14Aには、インク滴を吐出する複数のノズルが前後方向および左右方向に間隔をあけて形成されている(図示せず)。ヘッド駆動部14B(筐体)の内部には、複数のノズルに対応して複数の圧電素子と、各圧電素子を駆動制御する駆動基板と、が設けられている(図示せず)。また、各圧電素子は、駆動基板を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されて適宜制御される。記録ヘッド14は、圧電素子に電圧を加えて変形させることでインクをノズルから吐出させる所謂ピエゾ方式のインクジェットヘッドである。各圧電素子や駆動基板は駆動される(通電される)と発熱するため、これらを覆うヘッド駆動部14Bの筐体は駆動基板等から発生する熱を放出するヒートシンクを兼ねている。なお、記録ヘッド14は、ピエゾ方式に限らず、サーマル方式等のインクの吐出法を採用してもよい。
<ヘッドベース>
図3に示すように、ヘッドベース15は、例えば、ステンレス等の金属素材で、前後方向に長い略平板状に形成されている。ヘッドベース15には、3つの記録ヘッド14を取り付けるための3つの取付穴(図示せず)が千鳥状に開口している。つまり、3つの記録ヘッド14は千鳥状に配置されている。記録ヘッド14は取付穴に嵌め込まれ、ノズルプレート14Aはヘッドベース15よりも下方に突出している(図3参照)。
図3に示すように、ヘッドベース15は、例えば、ステンレス等の金属素材で、前後方向に長い略平板状に形成されている。ヘッドベース15には、3つの記録ヘッド14を取り付けるための3つの取付穴(図示せず)が千鳥状に開口している。つまり、3つの記録ヘッド14は千鳥状に配置されている。記録ヘッド14は取付穴に嵌め込まれ、ノズルプレート14Aはヘッドベース15よりも下方に突出している(図3参照)。
[温度調整装置]
次に、図4を参照して、温度調整装置25について説明する。
次に、図4を参照して、温度調整装置25について説明する。
温度調整装置25は、複数の温度検知部30と、複数の加熱部31と、冷却部32と、複数の迂回流路37と、複数の切換部38と、制御部19(図2参照)と、を備えている。冷却部32は、複数の冷却ジャケット33と、放熱部34と、複数の冷却流路35と、圧送部36と、を有している。なお、複数の温度検知部30、複数の加熱部31、複数の迂回流路37、複数の切換部38、複数の冷却ジャケット33および複数の冷却流路35は、それぞれ、複数の記録ヘッド14に対応して設けられており、それぞれ同一構造であるため、以下、1つの記録ヘッド14に対応した1つの構成要素について説明する。また、制御部19は、画像形成装置1の構成部品であるが、温度調整装置25の構成部品でもある。また、温度調整装置25は記録ヘッド14の温度を調整するものであることから、記録ヘッド14が温度調整装置25の構成部品であると捉えてもよい。
<温度検知部>
温度検知部30は、例えば、サーミスタであって、ヘッド駆動部14B(筐体)の内部に設けられている。温度検知部30は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。温度検知部30は、記録ヘッド14の温度を検知し、その検知結果を制御部19に送信する。なお、温度検知部30は、ヘッド駆動部14Bの外部に設けられていてもよい(図示せず)。また、温度検知部30は、サーミスタに限らず、例えば、熱電対、測温抵抗体または赤外線カメラ等、記録ヘッド14の温度を測定可能なセンサーであればよい。
温度検知部30は、例えば、サーミスタであって、ヘッド駆動部14B(筐体)の内部に設けられている。温度検知部30は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。温度検知部30は、記録ヘッド14の温度を検知し、その検知結果を制御部19に送信する。なお、温度検知部30は、ヘッド駆動部14Bの外部に設けられていてもよい(図示せず)。また、温度検知部30は、サーミスタに限らず、例えば、熱電対、測温抵抗体または赤外線カメラ等、記録ヘッド14の温度を測定可能なセンサーであればよい。
<加熱部>
加熱部31は、例えば、金属発熱体または非金属発熱体であって、ヘッド駆動部14B(筐体)の内部に設けられている。加熱部31は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。加熱部31は、制御部19によって通電(ON-OFF)を制御され、通電(ON)されることで発熱する。加熱部31は、目標温度(T0)を維持するように記録ヘッド14を加熱する。なお、目標温度(T0)は、記録ヘッド14がインク滴を適正に吐出することができる温度として予め設定され、制御部19の記憶部20に予め記憶されている。また、加熱部31は、ヘッド駆動部14Bの外部に設けられていてもよい(図示せず)。
加熱部31は、例えば、金属発熱体または非金属発熱体であって、ヘッド駆動部14B(筐体)の内部に設けられている。加熱部31は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。加熱部31は、制御部19によって通電(ON-OFF)を制御され、通電(ON)されることで発熱する。加熱部31は、目標温度(T0)を維持するように記録ヘッド14を加熱する。なお、目標温度(T0)は、記録ヘッド14がインク滴を適正に吐出することができる温度として予め設定され、制御部19の記憶部20に予め記憶されている。また、加熱部31は、ヘッド駆動部14Bの外部に設けられていてもよい(図示せず)。
<冷却部>
冷却部32は、上記したように、冷却ジャケット33、放熱部34、冷却流路35および圧送部36を有している。冷却部32は、冷却液(図示せず)を冷却流路35に沿って循環させながら記録ヘッド14を冷却した冷却液の熱を放熱部34で放熱する。なお、冷却液は、例えば、蒸留水にグリセリン等を混合した不凍液であるとよい。
冷却部32は、上記したように、冷却ジャケット33、放熱部34、冷却流路35および圧送部36を有している。冷却部32は、冷却液(図示せず)を冷却流路35に沿って循環させながら記録ヘッド14を冷却した冷却液の熱を放熱部34で放熱する。なお、冷却液は、例えば、蒸留水にグリセリン等を混合した不凍液であるとよい。
(冷却ジャケット)
冷却ジャケット33は、記録ヘッド14に当接しているヘッド当接部である。冷却ジャケット33は、左右方向の両側から記録ヘッド14のヘッド駆動部14Bを挟み込む流入側ジャケット33Aと流出側ジャケット33Bとを有している。流入側ジャケット33Aおよび流出側ジャケット33Bは、それぞれ、ヘッド駆動部14Bの側面を覆うような略矩形板状に形成されている。例えば、流入側ジャケット33Aはヘッド駆動部14Bの左側面に接触し、流出側ジャケット33Bはヘッド駆動部14Bの右側面に接触している。
冷却ジャケット33は、記録ヘッド14に当接しているヘッド当接部である。冷却ジャケット33は、左右方向の両側から記録ヘッド14のヘッド駆動部14Bを挟み込む流入側ジャケット33Aと流出側ジャケット33Bとを有している。流入側ジャケット33Aおよび流出側ジャケット33Bは、それぞれ、ヘッド駆動部14Bの側面を覆うような略矩形板状に形成されている。例えば、流入側ジャケット33Aはヘッド駆動部14Bの左側面に接触し、流出側ジャケット33Bはヘッド駆動部14Bの右側面に接触している。
流入側ジャケット33Aと流出側ジャケット33Bとの内部には、後述する冷却流路35に連通するジャケット流路(図示せず)が設けられている。流入側ジャケット33Aの後上面には、冷却流路35に接続されて冷却液をジャケット流路に流入させる流入口部33Cが設けられている。流出側ジャケット33Bの後上面には、冷却流路35に接続されて冷却液をジャケット流路から流出させる流出口部33Dが設けられている。流入側ジャケット33Aと流出側ジャケット33Bと前上面には、両ジャケット33A,33Bのジャケット流路を連通させる連通流路33E(パイプ)が接続されている。
(放熱部)
放熱部34は、冷却液の熱を外気に放出するための所謂ラジエーターである。放熱部34は、冷却流路35に連通する放熱流路(図示せず)と、放熱流路を流通する冷却液の熱を放出する複数のフィン(図示せず)と、を有している。放熱部34には、冷却流路35に接続されて冷却液を放熱流路に流入させる流入口部34Aと、冷却流路35に接続されて冷却液を放熱流路から流出させる流出口部34Bと、が設けられている。
放熱部34は、冷却液の熱を外気に放出するための所謂ラジエーターである。放熱部34は、冷却流路35に連通する放熱流路(図示せず)と、放熱流路を流通する冷却液の熱を放出する複数のフィン(図示せず)と、を有している。放熱部34には、冷却流路35に接続されて冷却液を放熱流路に流入させる流入口部34Aと、冷却流路35に接続されて冷却液を放熱流路から流出させる流出口部34Bと、が設けられている。
(冷却流路)
冷却流路35は、冷却ジャケット33(ジャケット流路)と放熱部34(放熱流路)とを連通させるパイプである。冷却流路35の上流側は、放熱部34の流出口部34Bから流入側ジャケット33Aの流入口部33Cまでの間に設けられ、冷却流路35の下流側は、流出側ジャケット33Bの流出口部33Dから放熱部34の流入口部34Aまでの間に設けられている。冷却流路35は、放熱部34と冷却ジャケット33との間で冷却液を循環させるように形成されている。なお、上記した冷却ジャケット33のジャケット流路と放熱部34の放熱流路とが、冷却流路35の一部として捉えられてもよい。このように捉えることで、冷却流路35が、ジャケット流路と放熱流路とを含み、環状(無端状)の閉じた流通経路として考えることができる。
冷却流路35は、冷却ジャケット33(ジャケット流路)と放熱部34(放熱流路)とを連通させるパイプである。冷却流路35の上流側は、放熱部34の流出口部34Bから流入側ジャケット33Aの流入口部33Cまでの間に設けられ、冷却流路35の下流側は、流出側ジャケット33Bの流出口部33Dから放熱部34の流入口部34Aまでの間に設けられている。冷却流路35は、放熱部34と冷却ジャケット33との間で冷却液を循環させるように形成されている。なお、上記した冷却ジャケット33のジャケット流路と放熱部34の放熱流路とが、冷却流路35の一部として捉えられてもよい。このように捉えることで、冷却流路35が、ジャケット流路と放熱流路とを含み、環状(無端状)の閉じた流通経路として考えることができる。
(圧送部)
圧送部36は、例えば、遠心ポンプ、軸流ポンプ、ダイヤフラムポンプ等であって、放熱部34の流出口部34Bの近傍で冷却流路35に設けられている。圧送部36は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続され(図2参照)、制御部19によって駆動制御される。圧送部36は、冷却流路35を流通する冷却液に圧力を与え、放熱部34から冷却ジャケット33に向かって冷却液を送る。
圧送部36は、例えば、遠心ポンプ、軸流ポンプ、ダイヤフラムポンプ等であって、放熱部34の流出口部34Bの近傍で冷却流路35に設けられている。圧送部36は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続され(図2参照)、制御部19によって駆動制御される。圧送部36は、冷却流路35を流通する冷却液に圧力を与え、放熱部34から冷却ジャケット33に向かって冷却液を送る。
<迂回流路>
迂回流路37は、放熱部34から記録ヘッド14(冷却ジャケット33)に向かう冷却流路35(上流側)と、記録ヘッド14(冷却ジャケット33)から放熱部34に向かう冷却流路35(下流側)とを連通させるパイプである。迂回流路37は記録ヘッド14と接触しない位置に配置される。迂回流路37は、冷却流路35をショートカットするように形成され、冷却液をヘッド当接部である冷却ジャケット33(ジャケット流路)に流通させないように迂回させ、放熱部34に戻す循環経路を形成している。つまり、迂回流路37は、記録ヘッド14の冷却を規制しながら冷却液を循環させる。
迂回流路37は、放熱部34から記録ヘッド14(冷却ジャケット33)に向かう冷却流路35(上流側)と、記録ヘッド14(冷却ジャケット33)から放熱部34に向かう冷却流路35(下流側)とを連通させるパイプである。迂回流路37は記録ヘッド14と接触しない位置に配置される。迂回流路37は、冷却流路35をショートカットするように形成され、冷却液をヘッド当接部である冷却ジャケット33(ジャケット流路)に流通させないように迂回させ、放熱部34に戻す循環経路を形成している。つまり、迂回流路37は、記録ヘッド14の冷却を規制しながら冷却液を循環させる。
迂回流路37は、放熱部34よりも記録ヘッド14に近い位置に設けられている。詳細には、冷却流路35と迂回流路37との2つの交差部から冷却ジャケット33(流入口部33C、流出口部33D)までの冷却流路35の合計距離は、当該2つの交差部分から放熱部34(流入口部34A、流出口部34B)までの冷却流路35の合計距離よりも短く設定されている。
<切換部>
切換部38は、例えば、仕切弁、ボール弁、バタフライ弁等の開閉弁であって、迂回流路37に設けられている。切換部38は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。切換部38は、制御部19に制御されて迂回流路37の開閉を切り換える。
切換部38は、例えば、仕切弁、ボール弁、バタフライ弁等の開閉弁であって、迂回流路37に設けられている。切換部38は、制御基板(図示せず)を介して制御部19のインターフェース22に電気的に接続されている(図2参照)。切換部38は、制御部19に制御されて迂回流路37の開閉を切り換える。
切換部38が迂回流路37を閉塞した状態では、冷却ジャケット33(ジャケット流路)と放熱部34(放熱流路)とを含む冷却流路35全体から成る循環経路が構成される。切換部38が迂回流路37を開放した状態では、冷却流路35と迂回流路37との2つの交差部から記録ヘッド14(冷却ジャケット33)側となる冷却流路35の一部を除いた冷却流路35と放熱部34(放熱流路)と迂回流路37とから成る循環経路が構成される。
[温度調整方法]
次に、図5および図6を参照して、温度調整装置25による温度調整方法(記録ヘッド14の温度調整)について説明する。図5は温度調整方法を示すフローチャートである。図6は計測温度(T)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、引き続き、1つの記録ヘッド14に着目して説明する。また、初期状態では、加熱部31は停止しているものとし、圧送部36は稼働している(冷却液を送り続けている)ものとする。
次に、図5および図6を参照して、温度調整装置25による温度調整方法(記録ヘッド14の温度調整)について説明する。図5は温度調整方法を示すフローチャートである。図6は計測温度(T)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、引き続き、1つの記録ヘッド14に着目して説明する。また、初期状態では、加熱部31は停止しているものとし、圧送部36は稼働している(冷却液を送り続けている)ものとする。
制御部19の記憶部20には、目標温度(T0)の他に、目標温度(T0)よりも高温となる第1所定温度(T1)と、目標温度(T0)よりも低温となる第2所定温度(T2)と、が予め記憶されている(図6参照)。したがって、第2所定温度(T2)は、第1所定温度(T1)よりも低温である。第1所定温度(T1)は、加熱部31による記録ヘッド14の加熱が不要で、冷却部32による記録ヘッド14の冷却が必要になる温度である。第2所定温度(T2)は、加熱部31による記録ヘッド14の加熱が必要で、冷却部32による記録ヘッド14の冷却が不要になる温度である。
温度調整方法は、加熱切換工程と、停止時切換工程と、吐出時切換工程と、を備えている。加熱切換工程は、温度検知部30の検知結果に基づいて加熱部31の駆動を切り換える。停止時切換工程は、記録ヘッド14がインク滴の吐出を停止している状態において、温度検知部30の検知結果に基づいて冷却液の流通経路を切り換える。吐出時切換工程は、記録ヘッド14がインク滴を吐出している状態において、温度検知部30の検知結果に基づいて冷却液の流通経路を切り換える。
図5に示すように、制御部19が温度検知部30から検知結果(計測温度(T))を受信し、記憶部20に一時的に記憶する(ステップS1)。続いて、制御部19は、画像形成処理を実行しているか否か、換言すれば、記録ヘッド14がインク滴の吐出を停止している状態(「非印字中」ともいう。)なのか、記録ヘッド14がインク滴を吐出している状態(「印字中」ともいう。)なのか、を判定する(ステップS2)。非印字中である場合(ステップS2でNO)、制御部19は加熱切換工程と停止時切換工程とを実行し、印字中である場合(ステップS2でYES)、制御部19は加熱切換工程と吐出時切換工程を実行する。なお、ここで、複数のシートSを連続して印字している場合における、シートSの間の状態は、インク滴を吐出している状態と判定される。
<非印字中:加熱切換工程、停止時切換工程>
非印字中である場合(ステップS2でNO)、制御部19は、計測温度(T)を第1所定温度(T1)と比較する(ステップS11)。計測温度(T)が第1所定温度(T1)以上である場合(ステップS11でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を停止(OFF)させる制御を実行し(ステップS12)、停止時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS13)。その後、制御部19は、記憶部20に一時記憶された計測温度(T)を削除(記憶部20をクリア)し(ステップS3)、1周期の制御を終了する。
非印字中である場合(ステップS2でNO)、制御部19は、計測温度(T)を第1所定温度(T1)と比較する(ステップS11)。計測温度(T)が第1所定温度(T1)以上である場合(ステップS11でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を停止(OFF)させる制御を実行し(ステップS12)、停止時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS13)。その後、制御部19は、記憶部20に一時記憶された計測温度(T)を削除(記憶部20をクリア)し(ステップS3)、1周期の制御を終了する。
以上のように、温度検知部30が第1所定温度(T1)以上を検知した場合、記録ヘッド14は温まり過ぎていると判断されるため、加熱部31は記録ヘッド14の加熱を停止し、切換部38は迂回流路37を閉塞して積極的に冷却液を冷却ジャケット33に流通させる(図6も参照)。切換部38が迂回流路37を閉じているため、冷却液は迂回流路37を流通することができない。冷却液は、冷却流路35の上流側を流通して放熱部34から冷却ジャケット33に送られ、冷却ジャケット33(ジャケット流路)を流通しながら記録ヘッド14の熱を奪い、冷却流路35の下流側を流通して冷却ジャケット33から放熱部34に戻され、放熱部34(放熱流路)を流通しながら放熱(冷却)される。これにより、加熱部31を停止した状態で、記録ヘッド14を冷却液によって効率良く冷却することができる。その結果、記録ヘッド14の過剰な加熱が抑制される。
一方で、計測温度(T)が第1所定温度(T1)未満である場合(ステップS11でNO)、制御部19は、計測温度(T)を第2所定温度(T2)と比較する(ステップS14)。計測温度(T)が第2所定温度(T2)未満である場合(ステップS14でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を稼働(ON)させる制御を実行し(ステップS15)、停止時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS16)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。
以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)未満を検知した場合、記録ヘッド14は冷え過ぎていると判断されるため、加熱部31は記録ヘッド14を加熱し、切換部38は迂回流路37を開放し、冷却ジャケット33への冷却液の流通量を減らす(図6も参照)。切換部38が迂回流路37を開いているため、放熱部34から送り出された冷却液は冷却流路35の上流側を流通し、その冷却液の一部は迂回流路37に流れ込み、迂回流路37から冷却流路35の下流側を流通して再び放熱部34に戻される。これにより、冷却ジャケット33のジャケット流路を流通する冷却液の量が減るため、記録ヘッド14は冷却され難くなる。このように、冷却ジャケット33に流れる冷却液の量を減らしながら冷却液を循環させることで、記録ヘッド14の過剰な冷却を抑制することができる。また、冷却液による記録ヘッド14の冷却が規制されているため、加熱部31は記録ヘッド14の温度を効率良く上昇させることができる。
迂回流路37の流路抵抗を、冷却ジャケット33のジャケット流路の流路抵抗以下にすることで、ジャケット流路に流れる冷却液の量をより少なくすることができる。冷却ジャケット33のジャケット流路の流路抵抗に対する迂回流路37の流路抵抗の比率を1/2以下、さらに1/5以下、特に1/10以下にすることで、迂回流路37に流れる冷却液の割合を増やし、冷却ジャケット33側を流れる冷却液の割合を減らすことができる。これにより、冷却ジャケット33側に冷却液をほとんど流さなくできる。また、冷却流路35と迂回流路37との2つの交差部のうちの一方の交差部から、冷却ジャケット33のジャケット流路を経由して、他方の交差部までの流路抵抗に対する迂回流路37の流路抵抗の比率を、1以下にしてもよい。さらに、この流路抵抗の比率を、1/2以下、さらに1/5以下、特に1/10以下にしてもよい。また、切換部38以外に、冷却流路35と迂回流路37との2つの交差部から記録ヘッド14(冷却ジャケット33)側の冷却流路35に開閉弁を設けてよい。その場合、切換部38が開の場合、その開閉弁は閉とし、切換部38が開の場合、その開閉弁は閉とする。またさらに、切換部38として、冷却流路35と迂回流路37との交差部に、どちらか一方に冷却液を流すかを選択できる弁を設けてもよい。いずれの場合も、迂回流路37に冷却液を流す場合、記録ヘッド14(冷却ジャケット33)側の冷却流路35には冷却液を流さない。
また、ステップS14において、計測温度(T)が第2所定温度(T2)以上である場合(ステップS14でNO)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31に対する現状の制御を継続し(ステップS17)、停止時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS16)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし、1周期の制御を終了する。
以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満を検知した場合、加熱部31は停止状態または加熱状態を維持される(図6も参照)。第2所定温度(T2)未満の記録ヘッド14は加熱部31に加熱されると短時間で第2所定温度(T2)以上になり、第1所定温度(T1)以上の記録ヘッド14は冷却部32に冷却されると短時間で第1所定温度(T1)未満になるが、加熱部31の状態が維持されることで、記録ヘッド14の温度が第2所定温度(T2)以上になったり第1所定温度(T1)未満になったりする度に加熱部31のON-OFFを頻繁に切り換える必要が無くなる。なお、ステップS14の判定結果に関わらず、温度検知部30が第1所定温度(T1)未満を検知した場合(ステップS11でNO)、切換部38は迂回流路37を開放することになる(図6も参照)。
以上のように、加熱切換工程と停止時切換工程とは同時期に並行して実行される。ステップS11,S12,S14、S15、S17が加熱切換工程を構成し、ステップS11,S13,S14、S16が停止時切換工程を構成しており、ステップS11,S14は加熱切換工程と停止時切換工程とで共有される工程となっている。
<印字中:加熱切換工程、吐出時切換工程>
次に、印字中である場合(ステップS2でYES)、制御部19は、計測温度(T)を第2所定温度(T2)と比較する(ステップS21)。計測温度(T)が第2所定温度(T2)未満である場合(ステップS21でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を稼働(ON)させる制御を実行し(ステップS22)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS23)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)未満を検知した場合、記録ヘッド14は冷え過ぎていると判断されるため、加熱部31は記録ヘッド14を加熱し、切換部38は迂回流路37を開放する(図6も参照)。これにより、冷却液は冷却ジャケット33を避けて循環し、記録ヘッド14を冷却しないため、加熱部31は記録ヘッド14の温度を効率良く上昇させることができる。
次に、印字中である場合(ステップS2でYES)、制御部19は、計測温度(T)を第2所定温度(T2)と比較する(ステップS21)。計測温度(T)が第2所定温度(T2)未満である場合(ステップS21でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を稼働(ON)させる制御を実行し(ステップS22)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS23)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)未満を検知した場合、記録ヘッド14は冷え過ぎていると判断されるため、加熱部31は記録ヘッド14を加熱し、切換部38は迂回流路37を開放する(図6も参照)。これにより、冷却液は冷却ジャケット33を避けて循環し、記録ヘッド14を冷却しないため、加熱部31は記録ヘッド14の温度を効率良く上昇させることができる。
一方で、計測温度(T)が第2所定温度(T2)以上である場合(ステップS21でNO)、制御部19は、計測温度(T)を第1所定温度(T1)と比較する(ステップS24)。計測温度(T)が第1所定温度(T1)以上である場合(ステップS24でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を停止(OFF)させる制御を実行し(ステップS25)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS26)(図6も参照)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。これにより、加熱部31を停止した状態で、冷却液が冷却流路35を流通して放熱部34と冷却ジャケット33とを循環するため、記録ヘッド14を効率良く冷却することができる。
また、ステップS24において、計測温度(T)が(第2所定温度(T2)以上)第1所定温度(T1)未満である場合(ステップS24でNO)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31に対する現状の制御を継続し(ステップS27)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS26)(図6も参照)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし、1周期の制御を終了する。なお、ステップS24の判定結果に関わらず、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上を検知した場合(ステップS21でNO)、切換部38は迂回流路37を閉塞することになる(図6も参照)。
以上のように、加熱切換工程と吐出時切換工程とは同時期に並行して実行される。ステップS21,S22,S24,S25,S27が加熱切換工程を構成し、ステップS21,S23,S24,S26が吐出時切換工程を構成しており、ステップS21,S24は加熱切換工程と吐出時切換工程とで共有される工程となっている。なお、非印字中か印字中かに関わらず、加熱部31は、第1所定温度(T1)以上の場合に停止(OFF)され、第2所定温度(T2)未満の場合に稼働(ON)され、第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満の場合に状態維持される。
制御部19は、上記した温度検知部30の検知結果に基づいた各工程を所定時間毎に繰り返し実行する。
以上説明した第1実施形態に係る温度調整装置25では、冷却液が迂回流路37を流通することで、記録ヘッド14(冷却ジャケット33)への冷却液の流通が制限されていた。この構成によれば、例えば、記録ヘッド14が低温である場合、冷却液を迂回流路37に流通させて記録ヘッド14の過剰な冷却を抑制することができる。これにより、低温環境下において記録ヘッド14の温度を迅速に上昇させ、インクの吐出量を安定させることができ、良好な画像品質を担保することができる。また、迂回流路37を流通する冷却液は循環し続け、放熱され続けるため、記録ヘッド14の熱が冷却流路35に伝わることによる冷却液の温度上昇を抑制することができる。これにより、開放された迂回流路37が閉じられると、即座に冷却された冷却液が記録ヘッド14(冷却ジャケット33)に供給され、加熱された記録ヘッド14を迅速に冷却することができる。
また、第1実施形態に係る温度調整装置25によれば、迂回流路37が記録ヘッド14の近くに設けられているため、記録ヘッド14側の冷却流路35に滞留し、記録ヘッド14の熱が冷却流路35に伝わって加熱される冷却液を少なくすることができる。これにより、迂回流路37を流通して循環し、冷却(放熱)される冷却液を多くすることができ、冷却が必要になった記録ヘッド14に冷却された冷却液を即座に供給することができる。
また、第1実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、非印字中と印字中とで、切換部38が迂回流路37を開閉させる温度が異なっていた。非印字中では、記録ヘッド14が目標温度(T0)よりも高い第1所定温度(T1)以上の場合に加熱部31に加熱されずに冷却液で冷却され、第1所定温度(T1)未満の場合に冷却液で冷却されない構成とした(図6参照)。この構成によれば、非印字中における記録ヘッド14の過剰な冷却を抑制することができる。また、印字中では、記録ヘッド14が目標温度(T0)よりも低い、すなわち、第1所定温度(T1)よりも低い第2所定温度(T2)以上の場合に冷却液で冷却され、第2所定温度(T2)未満の場合に冷却液で冷却されずに加熱部31に加熱されていた(図6参照)。この構成によれば、印字中における記録ヘッド14の過剰な加熱を抑制することができる。さらに、記録ヘッド14が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満である場合(図6参照)、加熱部31は停止状態(OFF)または加熱状態(ON)を維持されるため、加熱部31のON-OFF(状態変化)が頻繁に繰り返されることを抑制することができる。
[第2実施形態]
図7および図8を参照して、第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)について説明する。図7は温度調整方法を示すフローチャートである。図8は計測温度(T)、駆動率(R1)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)と同様の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
図7および図8を参照して、第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)について説明する。図7は温度調整方法を示すフローチャートである。図8は計測温度(T)、駆動率(R1)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)と同様の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、温度検知部30の検知結果と駆動率(R1)とに基づいて記録ヘッド14の温度調整が行われる。制御部19の記憶部20には、駆動率(R1)の判定基準となる第1所定値(R0)が予め記憶されている。駆動率(R1)とは、記録ヘッド14のノズルの総数に対するインク滴を吐出させるノズル数である。詳細に説明すると、駆動率(R1)とは、単位時間(例えば50μs)当たりに制御部19に送信される画像データに含まれる全ノズル分の吐出データ(Vt)に対するインク滴を吐出するノズル分の吐出データ(V)の比率(V/Vt)である。また他にも、ヘッド駆動部14Bの駆動周波数(例えば20kHz)に同期して制御部19に送信される画像データの総ドット数(Dt)から階調値ゼロとなるドット(圧電素子を駆動させないノズル)以外の画像データのドット数(有効ドット数(D))を算出し、総ドット数(Dt)に対する有効ドット数(D)の比率(D/Dt)を駆動率(R1)としてもよい。第1所定値(R0)は、冷却部32による記録ヘッド14の冷却が必要になる駆動率(R1)に対応する値である。
第2実施形態に係る温度調整方法では、印字中における吐出時切換工程が、第1実施形態に係る吐出時切換工程と相違する。
図7に示すように、計測温度(T)が第1所定温度(T1)未満である場合(ステップS24でNO)、制御部19は、画像データから駆動率(R1)を算出して記憶部20に一時的に記憶する(ステップS31)。続いて、制御部19は、駆動率(R1)を第1所定値(R0)と比較する(ステップS32)。駆動率(R1)が第1所定値(R0)以上(High)である場合(ステップS32でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31に対する現状の制御を継続し(ステップS27)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS26)。その後、制御部19は、記憶部20に一時記憶された計測温度(T)および駆動率(R1)を削除(記憶部20をクリア)し、1周期の制御を終了する。
以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満を検知し、且つ駆動率(R1)が第1所定値(R0)以上(High)である場合、記録ヘッド14が印字中に高温になると予想されるため、切換部38は迂回流路37を閉塞する(図8も参照)。また、加熱部31は状態を維持される。これにより、印字に伴って温度が上昇する記録ヘッド14を適切に冷却することができる。
一方で、駆動率(R1)が第1所定値(R0)未満(Low)である場合(ステップS32でNO)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31に対する現状の制御を継続し(ステップS27)、吐出時切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS23)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし、1周期の制御を終了する。
以上のように、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満を検知し、且つ駆動率(R1)が第1所定値(R0)未満(Low)である場合、印字中の記録ヘッド14の温度変化が少ないと予想されるため、切換部38は迂回流路37を開放する(図8も参照)。また、加熱部31は状態を維持される。これにより、印字中の記録ヘッド14が過剰に冷却することが抑制される。なお、ステップS24,S32の判定結果に関わらず、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満を検知した場合、加熱部31は状態を維持することになる(図8も参照)。
以上のように、加熱切換工程と吐出時切換工程とは同時期に並行して実行され、ステップS21,S23,S24,S26,S31,S32が吐出時切換工程を構成する。
以上説明した第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、印字中の駆動率(R1)に基づいて切換部38が迂回流路37を開閉させていた。駆動率(R1)が高い場合には記録ヘッド14の発熱量が多くなると予想して、記録ヘッド14を積極的に冷却し、駆動率が低い場合には記録ヘッド14の発熱量が少ないと予想して、記録ヘッド14の冷却を制限する。この構成によれば、発熱量に応じて適切な記録ヘッド14の冷却を実施することができる。これにより、記録ヘッド14の温度を安定させることができ、インクの吐出量を安定させることができる。
なお、第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、駆動率(R1)に基づいて切換部38が迂回流路37を開閉させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、駆動率(R1)に代えて、印字率に基づいて切換部38が迂回流路37を開閉させてもよい。この場合、温度検知部30が第2所定温度(T2)以上第1所定温度(T1)未満を検知した状態において、印字率が第2所定値以上である場合、切換部38は迂回流路37を閉塞し、印字率が第2所定値未満である場合、切換部38は迂回流路37を開放する。また、駆動率(R1)と印字率との両方に基づいて切換部38が迂回流路37を開閉させてもよい。この場合、例えば、駆動率(R1)と印字率とを足し合わせて、その足し合わせた値を所定値と比較するとよい。
[第3実施形態]
図9および図10を参照して、第3実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)について説明する。図9は温度調整方法を示すフローチャートである。図10は計測温度(T)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、以下の説明では、第1または第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)と同様の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
図9および図10を参照して、第3実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)について説明する。図9は温度調整方法を示すフローチャートである。図10は計測温度(T)、迂回流路37および加熱部31の状態を示す表である。なお、以下の説明では、第1または第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)と同様の構成については同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
第1および第2実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、非印字中と印字中とで、切換部38が迂回流路37を開閉する温度が異なっていたが、第3実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)では、切換部38が1つの所定温度(T3)を基準として迂回流路37を開閉する点で相違する。
制御部19の記憶部20には、所定温度(T3)が予め記憶されている。所定温度(T3)は、加熱部31による記録ヘッド14の加熱が不要で、冷却部32による記録ヘッド14の冷却が必要になる温度に対応している。
第3実施形態に係る温度調整方法では、温度検知部30の検知結果に基づいて冷却液の流通経路を切り換える切換工程を備えている。
図9に示すように、制御部19は、温度検知部30から検知結果(計測温度(T))を受信し、記憶部20に一時的に記憶する(ステップS1)。続いて、制御部19は、計測温度(T)を所定温度(T3)と比較する(ステップS41)。計測温度(T)が所定温度(T3)以上である場合(ステップS41でYES)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を停止(OFF)させる制御を実行し(ステップS42)、切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を閉じる制御を実行する(ステップS43)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。以上のように、温度検知部30が所定温度(T3)以上を検知した場合、切換部38は迂回流路37を閉塞する(図10も参照)。
一方で、計測温度(T)が所定温度(T3)未満である場合(ステップS41でNO)、加熱切換工程では、制御部19が加熱部31を稼働(ON)させる制御を実行し(ステップS44)、切換工程では、制御部19が切換部38によって迂回流路37を開く制御を実行する(ステップS45)。その後、制御部19は、記憶部20をクリアし(ステップS3)、1周期の制御を終了する。以上のように、温度検知部30が所定温度(T3)未満を検知した場合、切換部38は迂回流路37を開放する(図10も参照)。
以上説明した第3実施形態に係る温度調整装置25(温度調整方法)によれば、1つの所定温度(T3)を設定し、簡易な制御で、記録ヘッド14の過剰な冷却を抑制しながら加熱された記録ヘッド14を迅速に冷却することができる。
なお、第1~第3実施形態に係る温度調整方法では、加熱切換工程と停止時切換工程とは同時期に並行して実行されていたが、加熱切換工程と停止時切換工程のいずれか一方を先に実行した後に他方を実行してもよい(図示せず)。これと同様に、加熱切換工程と吐出時切換工程のいずれか一方を先に実行した後に他方を実行してもよい(図示せず)。
なお、第1~第3実施形態に係る温度調整装置25では、記録ヘッド14を加熱する加熱部31が設けられていたが、これに限らず、加熱部31は省略されてもよい(図示せず)。
また、第1~第3実施形態に係る温度調整装置25では、温度検知部30、加熱部31および冷却流路35等が複数の記録ヘッド14に対応するように複数設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、温度検知部30、加熱部31および冷却流路35等は、4つのラインヘッド13に対応するように4つ設けられてもよい(図示せず)。この場合、温度検知部30、加熱部31および冷却流路35等は、ラインヘッド13に搭載された3つの記録ヘッド14のうち何れか1つに設けられ、1つのラインヘッド13が1つの記録ヘッド14として扱われるとよい。ラインヘッド13全体が加熱されたり冷却されたりすることで、ラインヘッド13に搭載された3つの記録ヘッド14が間接的に加熱されたり冷却されたりする。
また、第1~第3実施形態に係る温度調整装置25では、切換部38が迂回流路37に設けられた開閉弁であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、切換部38は、放熱部34の流出口部34Bと冷却ジャケット33の流入口部33Cとを繋ぐ冷却流路35と迂回流路37との交差部に設けられた三方弁であってもよい(図示せず)。
また、第1~第3実施形態に係る温度調整装置25では、冷却ジャケット33が流入側ジャケット33Aと流出側ジャケット33Bとに分割されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、冷却ジャケット33は、ヘッド駆動部14Bの一方の側面にのみ設けられてもよいし、3つ以上に分割されて連通流路33Eで接続されてもよい(いずれも図示せず)。また、例えば、冷却ジャケット33は、ヘッド駆動部14Bを挟むように一体となるU字状に形成されてもよい(図示せず)。
また、第1~第3実施形態に係る温度調整装置25は、画像形成装置1全体を制御する制御部19に制御されていたが、これに限らず、制御部19の他に、温度調整装置25を制御する専用の制御部(図示せず)が設けられてもよい。
なお、第1~第3実施形態に係る画像形成装置1では、記録ヘッド14がノズルからインク滴を吐出していたが、ノズルから吐出する液滴は、インク滴に限らず、例えば、水、液状の接着剤または液状の合成樹脂等であってもよい。また、1つのラインヘッド13には3つの記録ヘッド14が搭載されていたが、これに限らず、1つのラインヘッド13には1つ以上の記録ヘッド14が搭載されていればよい(図示せず)。また、複数の記録ヘッド14がヘッドベース15に千鳥状に配置されていたが、これに限らず、例えば、一列に配置する等、配置形態は自由に変更してもよい(図示せず)。
また、上記実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンターであったが、これに限らず、モノクロプリンター、コピー機、ファクシミリ等であってもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る温度調整装置並びに画像形成装置および温度調整方法における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
1 画像形成装置
14 記録ヘッド
25 温度調整装置
30 温度検知部
31 加熱部
32 冷却部
34 放熱部
35 冷却流路
37 迂回流路
38 切換部
S シート(媒体)
(T0) 目標温度
(T1) 第1所定温度
(T2) 第2所定温度
(T3) 所定温度
14 記録ヘッド
25 温度調整装置
30 温度検知部
31 加熱部
32 冷却部
34 放熱部
35 冷却流路
37 迂回流路
38 切換部
S シート(媒体)
(T0) 目標温度
(T1) 第1所定温度
(T2) 第2所定温度
(T3) 所定温度
Claims (11)
- 媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、
冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、
前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、
前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、を備えていることを特徴とする温度調整装置。 - 前記迂回流路は、前記放熱部よりも前記記録ヘッドに近い位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の温度調整装置。
- 前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部を更に備え、
前記温度検知部が所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項1または2に記載の温度調整装置。 - 前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、
前記記録ヘッドを加熱する加熱部と、を更に備え、
前記温度検知部が第1所定温度以上を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドの加熱を停止し、
前記温度検知部が前記第1所定温度よりも低温である第2所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドを加熱し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は停止状態または加熱状態を維持し、
前記記録ヘッドが前記液滴の吐出を停止している状態において、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第1所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項1または2に記載の温度調整装置。 - 前記ノズルの総数に対する前記液滴を吐出させる前記ノズル数を駆動率とし、
前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が第1所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が前記第1所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項4に記載の温度調整装置。 - 前記媒体の面積に対する前記液滴の積算面積を印字率とし、
前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が第2所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が前記第2所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項4または5に記載の温度調整装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の温度調整装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、
冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、
前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、
前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、
前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、を備えた温度調整装置による温度調整方法であって、
前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える切換工程を備え、
前記切換工程では、
前記温度検知部が所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする温度調整方法。 - 媒体に向けて複数のノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、
冷却液を冷却流路に沿って循環させながら前記記録ヘッドを冷却した前記冷却液の熱を放熱部で放熱する冷却部と、
前記放熱部から前記記録ヘッドに向かう前記冷却流路と、前記記録ヘッドから前記放熱部に向かう前記冷却流路とを、前記記録ヘッドを迂回して連通させる迂回流路と、
前記迂回流路の開閉を切り換える切換部と、
前記記録ヘッドの温度を検知する温度検知部と、
前記記録ヘッドを加熱する加熱部と、を備えた温度調整装置による温度調整方法であって、
前記温度検知部の検知結果に基づいて前記加熱部の駆動を切り換える加熱切換工程と、
前記記録ヘッドが前記液滴の吐出を停止している状態において、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える停止時切換工程と、
前記記録ヘッドが前記液滴を吐出している状態において、前記温度検知部の検知結果に基づいて前記冷却液の流通経路を切り換える吐出時切換工程と、を備え、
前記加熱切換工程では、
前記温度検知部が第1所定温度以上を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドの加熱を停止し、
前記温度検知部が前記第1所定温度よりも低温となる第2所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は前記記録ヘッドを加熱し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知した場合、前記加熱部は停止状態または加熱状態を維持し、
前記停止時切換工程では、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第1所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記吐出時切換工程では、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする温度調整方法。 - 前記ノズルの総数に対する前記液滴を吐出させる前記ノズル数を駆動率とし、
前記吐出時切換工程では、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が第1所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記駆動率が前記第1所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項9に記載の温度調整方法。 - 前記媒体の面積に対する前記液滴の積算面積を印字率とし、
前記吐出時切換工程では、
前記温度検知部が前記第1所定温度以上を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度未満を検知した場合、前記切換部は前記迂回流路を開放し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が第2所定値以上である場合、前記切換部は前記迂回流路を閉塞し、
前記温度検知部が前記第2所定温度以上前記第1所定温度未満を検知し、且つ前記印字率が前記第2所定値未満である場合、前記切換部は前記迂回流路を開放することを特徴とする請求項9または10に記載の温度調整方法。
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