JP2023079998A - 食器洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents

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大輔 須田
Daisuke SUDA
三美 河野
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Abstract

【課題】複合汚れに対する洗浄性能、ニオイ付着防止性能およびガラス食器の曇り汚れ抑制性能に優れる食器洗浄機用洗浄剤組成物の提供。【解決手段】α-スルホ脂肪酸アルキルエステル(1)、α-スルホ脂肪酸(2)、モノアルキルスルホコハク酸(3)から選ばれる界面活性剤(A)と分子量800以下のキレート剤(B)を含有し、質量比(A)/(B)が0.05~1である洗浄剤組成物。TIFF2023079998000016.tif46170(R1は炭素数が10~12のアルキル基又はアルケニル基、R2は炭素数が1~2のアルキル基またはアルケニル基、R3は炭素数が10~12のアルキル基又はアルケニル基、R4は炭素数が8~18のアルキル基またはアルケニル基、nは0~10の整数、Ma~Meはそれぞれ独立して対イオンである。)【選択図】なし

Description

本発明は、食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
食器洗浄機用洗浄剤組成物としては、例えば、アニオン界面活性剤およびアルキルアミドアミンを含有し、低泡性、油洗浄力に優れるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、食器洗浄機用洗浄剤組成物としては、例えば、界面活性剤、キレート剤、炭酸塩および炭酸水素塩を含有し、複合汚れ洗浄力、低泡性、ガラス食器の曇り汚れ洗浄力に優れるものが知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開2018-184554号公報 特開2021-91837号公報 特開2021-91838号公報
特許文献1に記載されている発明では、酸性となる汚れ(ソースやドレッシング、トマトジュース等)が多量に共存する場合、強固に付着した卵汚れの洗浄力、ニオイの付着の改善に課題があった。また、特許文献2,3に記載されている発明では、酸性となる汚れが多量に共存する場合、強固に付着した卵汚れの洗浄力と、ガラス食器の曇り汚れ洗浄力とには優れるものの、油とタンパク質とが複合した汚れ共存下で高硬度水を用いて長期間洗浄を続けた場合、ガラス食器が曇るという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複合汚れに対する洗浄性能、ニオイ付着防止性能、およびガラス食器の曇り汚れ抑制性能に優れる食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:下記一般式(1)で表されるα-スルホ脂肪酸アルキルエステルおよびその塩、下記一般式(2)で表されるα-スルホ脂肪酸およびその塩、ならびに下記一般式(3)で表されるモノアルキルスルホコハク酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と、
(B)成分:分子量800以下のキレート剤と、
を含有し、
(A)/(B)比が質量比で0.05~1である、食器洗浄機用洗浄剤組成物。
Figure 2023079998000001
(但し、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rは炭素数が1~2のアルキル基または炭素数が1~2のアルケニル基であり、Maは対イオンである。)
Figure 2023079998000002
(但し、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、MbおよびMcはそれぞれ独立して対イオンである。)
Figure 2023079998000003
(但し、Rは炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、nはAOの平均繰り返し数を示す0~10の整数であり、MdおよびMeはそれぞれ独立して対イオンである。)
[2]さらに(C)成分:炭酸、炭酸塩、炭酸水素および炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種を0.1~2質量%を含有する、[1]に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[3]前記(A)成分の合計質量が1~10質量%である、[1]または[2]に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[4]下記食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHが6.0未満である、[1]~[3]のいずれかに記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
<食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の調製方法>
食器洗浄機用洗浄剤組成物の含有量が0.2質量%となるようにイオン交換水を加えて希釈液を調製し、前記希釈液と1質量%の酢酸水溶液とを、[希釈液の質量]:[酢酸水溶液]で表される質量比が200:1となるように混合して酢酸入り希釈液を調製する。
[5]液体である、[1]~[4]のいずれかに記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
本発明によれば、油とタンパク質とが複合した汚れ共存下にて、タンパクを中心とした複合汚れに対する洗浄性能、ニオイ付着防止性能、およびガラス食器の曇り汚れ抑制性能に優れる食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[食器洗浄機用洗浄剤組成物]
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(A)成分と、(B)成分とを含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、界面活性剤である。本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(A)成分を含有することにより、洗浄力を向上しやすくなる。
(A)成分は、下記一般式(1)で表されるα-スルホ脂肪酸アルキルエステルおよびその塩(以下、「(a1)成分」と言う。)、下記一般式(2)で表されるα-スルホ脂肪酸およびその塩(以下、「(a2)成分」と言う。)、ならびに下記一般式(3)で表されるモノアルキルスルホコハク酸およびその塩(以下、「(a3)成分」と言う。)から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤であり、タンパク汚れ洗浄力の観点から(a3)成分が好ましい。
Figure 2023079998000004
上記一般式(1)において、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rは炭素数が1~2のアルキル基または炭素数が1~2のアルケニル基である。Rは、タンパク汚れの洗浄力、低泡性、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の点から、10が好ましく、Rは、低泡性の観点から炭素数1が好ましい。
上記一般式(1)において、Maは、対イオンである。対イオンとしては、例えば水素イオン、水溶性の塩を形成し得るものが挙げられる。これらの中でも、水溶性の塩を形成し得るものが好ましい。水溶性の塩を形成し得るものとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、プロトン化したエタノールアミン等が挙げられる。これらの中でも、Maとしては、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
なお、Maが2価以上の対イオンである場合、Maは1/価数を乗じた数で-SOと結合しているものとする。例えば、Maがマグネシウムイオンの場合、Maの数は1/2である。
(a1)成分としては、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の具体例としては、α-スルホラウリン酸メチルエステル塩、α-スルホミリスチン酸メチルエステル塩が挙げられる。
Figure 2023079998000005
上記一般式(2)において、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。Rは、タンパク汚れの洗浄力、低泡性、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の観点から、10が好ましい。
上記一般式(2)において、MbおよびMcはそれぞれ独立して対イオンである。対イオンとしては、Maと同様のものが挙げられる。
MbおよびMcは、同じ種類の対イオンであってもよいし、異なる種類の対イオンであってもよいが、同じ種類の対イオンであることが好ましい。
なお、Mbが2価以上の対イオンである場合、Mbは1/価数を乗じた数で-SOと結合しているものとする。
Mcが2価以上の対イオンである場合、Mcは1/価数を乗じた数で-Oと結合しているものとする。
(a2)成分としては、α-スルホ脂肪酸塩が好ましい。α-スルホ脂肪酸塩の具体例としては、α-スルホラウリン酸ナトリウム塩、α-スルホミリスチン酸ナトリウム塩、α-スルホラウリン酸カリウム塩、α-スルホミリスチン酸カリウム塩等が挙げられる。
Figure 2023079998000006
上記一般式(3)において、Rは炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。Rは、タンパク汚れの洗浄力、低泡性、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の観点から、12~16が好ましい。
上記一般式(3)において、AOはオキシアルキレン基である。オキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。これらの中でもオキシエチレン基が好ましい。
上記一般式(3)において、nはAOの平均繰り返し数を示す0~10の整数である。nは、タンパク汚れの洗浄力、低泡性、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の観点から、1~8が好ましく、4~8がより好ましい。
上記一般式(3)において、MdおよびMeはそれぞれ独立して対イオンである。対イオンとしては、Maと同様のものが挙げられる。
MdおよびMeは、同じ種類の対イオンであってもよいし、異なる種類の対イオンであってもよいが、同じ種類の対イオンであることが好ましい。
なお、Mdが2価以上の対イオンである場合、Mdは1/価数を乗じた数で-SOと結合しているものとする。
Meが2価以上の対イオンである場合、Meは1/価数を乗じた数で-Oと結合しているものとする。
(a3)成分としては、モノアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。nが0の場合、例えばスルホコハク酸モノラウリル2ナトリウムが好ましく、nが1以上の場合、例えばポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。ポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(3)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)モノラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)モノラウリルスルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(3)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノラウリルスルホコハク酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン(5)ラウリルスルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(5)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(5)ラウロイルエタノールアミド2ナトリウム、ポリオキシエチレン(7)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(7)モノラウリルスルホコハク酸マグネシウムが挙げられる。
なお、ポリオキシエチレンの後ろのカッコ内の数値は、オキシエチレン基の平均繰り返し数を表す。
(A)成分の合計質量、すなわち、(A)成分の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能を向上しやすい。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、低泡性を向上しやすい。
<(B)成分>
(B)成分は、分子量800以下のキレート剤である。本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(B)成分を含有することにより、pH緩衝能を向上しやすくなるため、汚れによる洗浄液のpHの変化も抑制しやすくなる。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで食器洗浄機用洗浄剤組成物に用いられる一般的なキレート剤のいずれも用いることができる。(B)成分としては、低分子キレート剤を用いることができる。
低分子キレート剤の分子量は、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の点から、分子量は100以上800以下が好ましく、150以上500以下がより好ましい。
低分子キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、β-アラニン二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸、セリン二酢酸、アスパラギン二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、トリポリリン酸、またはこれらの塩等が挙げられる。
キレート剤を構成する塩としては、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。これらの中でも、クエン酸またはクエン酸塩が特に好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の合計質量、すなわち、(B)成分の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、酸換算で5~25質量%が好ましく、10質量%~25質量%がより好ましく、12質量%~20質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能を向上しやすい。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、低泡性を向上しやすい。
なお、酸換算とは、(B)成分が塩を形成している場合に、カチオンをプロトンに置き換えた場合の分子量に基づいて、(B)成分の含有量を計算していることを意味する。
(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、「(A)/(B)比」とも言う。)は、0.05~1であり、0.05~0.8が好ましく、0.1~0.5がより好ましい。
(A)/(B)比が上記下限値以上であると、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能を向上しやすい。(A)/(B)比が上記上限値以下であると、低泡性を向上しやすい。
<(C)成分>
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、さらに(C)成分を含有することが好ましい。
(C)成分は、炭酸、炭酸塩、炭酸水素および炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(C)成分を含有することにより、タンパク汚れに対する洗浄力を向上しやすくなる。加えて、(C)成分を含有することにより、pH緩衝能を向上しやすくなるため、汚れによる洗浄液のpHの変化を抑制しやすくなる。
炭酸塩は、炭酸イオン(CO 2-)を含む化合物全般を意味する。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸のアルカリ金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸のアルカリ土類金属塩;炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
炭酸水素塩は、炭酸水素イオン(HCO )を含む化合物全般を意味する。炭酸水素塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素のアルカリ金属塩;炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等の炭酸水素のアルカリ土類金属塩;炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、(C)成分としては、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましく、炭酸塩、炭酸水素塩の中でも、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能の観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属塩が好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の合計質量、すなわち、(C)成分の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.1~2質量%が好ましく、0.5質量%~1.5質量%がより好ましい。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、タンパク汚れの洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能を向上しやすい。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能を向上しやすい。
<任意成分>
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物には、本発明の目的に反しない限り、食器を洗浄するための洗浄剤に通常含まれる如何なる成分も含むことができる。例えば、(A)成分以外の界面活性剤(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン型界面活性剤)、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素、シリコーン系消泡剤安定化剤、増粘剤、溶剤、植物抽出エキス、吸油剤、食器保護剤、増粘剤、着色剤、ハイドロトロープ剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色剤、香料、漂白剤のような通常、食器洗浄機用洗浄剤組成物に用いられる物質を使用できる。
<アミドアミン型界面活性剤>
アミドアミン型界面活性剤は、アミドアミン化合物ともいう。
アミドアミン化合物は、下記一般式(4)で表される化合物(アルキルアミドアミン)である。
Figure 2023079998000007
上記一般式(4)中、Rは、炭素数13~21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数13~21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
は、水素原子、炭素数1~4のアルキル基または炭素数1~4のヒドロキシアルキル基を表す。Rにおけるヒドロキシアルキル基中のヒドロキシ基の数は、1つでもよく、2つ以上でもよい。なかでも、Rは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
は、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Rにおけるアルキレン基の炭素数は、1~4であり、好ましくは1~3であり、より好ましくは2または3であり、特に好ましくは3である。
およびRは、それぞれ水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。RおよびRにおけるアルキル基の炭素数は、それぞれ1~4であり、好ましくは1~3であり、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。なかでも、RとRは、それぞれ炭素数1~4のアルキル基が好ましく、互いに同一であることが好ましい。
アミドアミン化合物の具体例としては、例えば、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド等が挙げられる。また、アミドアミン化合物の具体例として、ミリスチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パルミチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩およびステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等も挙げられる。
<酵素>
酵素としては、特に限定されず、これまで食器洗浄機用洗浄剤組成物に用いられる一般的な酵素のいずれも用いることができる。例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。なかでも、複合汚れ洗浄力の観点からアミラーゼ、プロテアーゼが好ましい。
酵素の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、酵素製剤として0.001~2質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
酵素の含有量が上記下限値以上であると、複合汚れに対する洗浄力を向上しやすい。一方、酵素の含有量が好ましい上限値を超えても、洗浄力向上の効果は頭打ちとなり、コスト高となる。
<シリコーン系消泡剤>
シリコーン系消泡剤としては、特に限定されず、これまで食器洗浄機用洗浄剤組成物に用いられる一般的な消泡剤のいずれも用いることができる。シリコーン系消泡剤としては、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型コンパウンド型、粉体型など特に制限されるものではないが、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリオルガノシロキサン油または樹脂の分散液、またはエマルジョン、およびポリオルガノシロキサンがシリカ上に化学吸着または溶融されたポリオルガノシロキサンとシリカ粒子の組み合わせ等を挙げることができる。例えば、FS Antifoam 1266(ダウケミカル社製)、FS Antifoam 93(ダウケミカル社製)等が好ましい。
シリコーン系消泡剤の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、シリコーン系消泡剤の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。具体的には、シリコーン系消泡剤の含有量は、食器洗浄機用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01~2質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。
シリコーン系消泡剤の含有量が上記下限値以上であると、低泡性を向上しやすい。シリコーン系消泡剤の含有量が上記上限値以下であると、保存安定性を向上しやすい。
<増粘剤>
増粘剤としては、例えば、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、デンプン等の水溶性高分子;スメクタイト等の水膨潤性粘土鉱物が挙げられる。スメクタイトとしては、天然品または合成品のいずれも使用し得る。
<ハイドロトロープ剤>
ハイドロトロープ剤としては、ポリオールや芳香族カルボン酸または芳香族スルホン酸等が挙げられる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールや、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸アンモニウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
<pH調整剤>
pHを調整するためのpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン等の有機塩基;塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸等の有機酸等が挙げられる。液体洗浄剤組成物の保存安定性とコスト面から、無機塩基のなかでは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、特に保存安定性、液流動性等の観点から水酸化カリウムが好ましい。有機塩基のなかではモノエタノールアミンが好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
<酢酸入り希釈液のpH>
本実施形態の食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHは、6.0未満が好ましい。
食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液のpHが上記上限値以下であると、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能を向上しやすい。
本明細書において、食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液は以下の方法で調製される。
<食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の調製方法>
食器洗浄機用洗浄剤組成物の含有量が0.2質量%となるようにイオン交換水を加えて希釈液を調製し、前記希釈液と1質量%の酢酸水溶液とを、[希釈液の質量]:[酢酸水溶液]で表される質量比が200:1となるように混合して酢酸入り希釈液を調製する。
本発明において、食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液のpH(25℃)は、JIS Z 8802:2011「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
なお、酢酸入り希釈液のpHは、(B)および(C)成分の種類、並びに含有量等を調節することで調節することができる。
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、液体でもよく、個体(粉末)でもよい。以下、液体の食器洗浄機用洗浄剤組成物を特に「液体洗浄剤組成物」とも言う。
食器洗浄機用洗浄剤組成物が液体(液体洗浄剤組成物)である場合、液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、10~2000mPa・sが好ましく、100~1000mPa・sがより好ましい。
液体洗浄剤組成物の水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、70~99質量%が好ましく、80~95質量%がより好ましい。水の含有量が上記範囲内であると、液体洗浄剤組成物を調整しやすくなる。
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、5~10が好ましく、6~9がより好ましい。
なお、液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、医薬部外品原料規格2006一般試験法の粘度測定法第2法に準拠した方法により測定される値である。具体的には、ビスメトロン粘度計を用い、ローターNo.2~No.4、回転数:6rpm、120秒間条件下で測定される値である。
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、JIS Z 8802:2011の「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値である。
<食器洗浄機用洗浄剤組成物の使用方法>
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、食器洗浄機用として用いることができ、食器洗浄機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。
食器洗浄機用洗浄剤組成物を用いて食器洗浄機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
洗浄方法としては、例えば、常温(好ましくは5~30℃程度)の水道水を食器洗浄機庫内に導入して調製される洗浄液を、所定の洗浄温度(洗浄時に循環する洗浄液の温度)まで昇温しながら洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは70~75℃まで2~3℃/分で昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)を有する方法が挙げられる。洗浄工程での洗浄時間は、10~40分間が好ましい。
一般的な標準コースの場合、洗浄工程における洗浄温度が55~65℃程度、昇温速度が2~3℃/分程度である。低温コースは、例えば、洗浄温度が35~45℃程度、昇温速度が1℃/分程度である。本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、低温洗浄においても油汚れに対する洗浄力に優れ、例えば、洗浄温度が35℃であっても、優れた洗浄力を発揮する。
いずれのコースにおいても、食器洗浄機用洗浄剤組成物の1回の使用量は、水道水約3リットルに対して2~9gとすることが好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分とを含有し、(A)/(B)比が上記範囲内であるため、油とタンパク質とが複合した汚れ共存下にて、タンパクを中心とした複合汚れに対する洗浄性能、ニオイ付着防止性能、およびガラス食器の曇り汚れ抑制性能に優れる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
「適量」は、各例の組成物を所望のpHとするのに必要としたpH調整剤の配合量である。
以下に、表中に示した成分について説明する。
<(A)成分:界面活性剤>
[合成例1]
ラウリン酸メチルエステル(商品名:パステルM-12、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)1kg(4.6mol)を、容量3Lの反応器に入れ、無水硫酸(商品名:日曹サルファン、日曹金属化学株式会社製)449g(5.6mol)を加熱してガス化し、開放系で窒素フローにより、反応器内にガス化した無水硫酸を流し込み、ラウリン酸メチルエステルをスルホン化した。反応温度を80℃、無水硫酸の供給速度を10g/分とした。
その後、80℃で30分間、熟成反応を行い、α-スルホ脂肪酸メチルエステルを得た。得られたα-スルホ脂肪酸メチルエステルに対してメタノール(関東化学株式会社製)を20質量%(290g)と、純分換算で過酸化水素2質量%(35質量%H(関東化学株式会社製)として83g)とを添加した後、80℃で60分間反応させて、エステル化と漂白を行った。得られた漂白酸を水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、反応溶媒を減圧下で留去した。途中発泡するので、イソプロパノールを加え共沸しながら水を留去した。残渣をエタノール/水=9/1(体積比)の混合物に60℃で加温溶解し、不溶物を濾過により除去した。濾液を5℃に冷却して再結晶した後、析出物を濾別、真空乾燥することで、α-スルホラウリン酸メチルエステルナトリウムを得た。
[合成例2]
合成例1において、ラウリン酸メチルエステルの代わりに、ミリスチン酸メチル(商品名:パステルM-14、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)1kg(4.1mol)を用い、無水硫酸の使用量を398g(5.0mol)に変更した以外は、合成例1と同様に合成して、α-スルホミリスチン酸メチルエステルナトリウムを得た。
[合成例3]
合成例1において、ラウリン酸メチルエステルの代わりに、カプリン酸メチル(商品名:#2010-95、当栄ケミカル株式会社製)1kg(5.4mol)を用い、無水硫酸の使用量を520g(6.5mol)に変更した以外は、合成例1と同様に合成して、α-スルホカプリン酸メチルエステルナトリウムを得た。
[合成例4]
合成例1において、ラウリン酸メチルエステルの代わりに、パルミチン酸メチルエステル(商品名:パステルM-16、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1kg(3.7mol)を用い、無水硫酸の使用量を359g(4.5mol)に変更した以外は、合成例1と同様にして、α-スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウムを得た。
<(A)成分:界面活性剤>
(a1)α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩
・a-1:合成例1で得られた、α-スルホラウリン酸メチルエステルナトリウム(C12MES)。
・a-2:合成例2で得られた、α-スルホミリスチン酸メチルエステルナトリウム(C14MES)。
・a’-1:合成例3で得られた、α-スルホカプリン酸メチルエステルナトリウム(C10MES)。
・a’-2:合成例4で得られた、α-スルホパルミチン酸メチルエステルナトリウム(C16MES)。
・a’-3:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:リパール870P(ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)。
(a3)モノアルキルスルホコハク酸塩
・a-3:東邦化学工業株式会社製、商品名:コハクール L-40、一般式(3)中のnは0、MdおよびMeはナトリウムイオン、Rは炭素数12、14、16の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム C12,C14,C16,EO0)。
・a-4:東邦化学工業株式会社製、商品名:コハクール L-300、一般式(3)中のAOはオキシエチレン基(EO)、nは3、MdおよびMeはナトリウムイオン、Rは炭素数12、14の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム C12,C14,EO3)。
・a-5:東邦化学工業株式会社製、商品名:コハクール L-400、一般式(3)中のAOはオキシエチレン基(EO)、nは4、MdおよびMeはナトリウムイオン、Rは炭素数12、14、16の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム C12,C14,C16,EO4)。
・a-6:株式会社日本触媒製、商品名:ソフタノール MES-9、一般式(3)中のAOはオキシエチレン基(EO)、nは9、MdおよびMeはナトリウムイオン、Rは炭素数12、13、14の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム C12,C13,C14,EO9)。
<(B)成分:キレート剤>
・b-1:クエン酸三ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製)(クエン酸Na)。
・b-2:エチレンジアミン四酢酸(東京化成工業株式会社、試薬)(EDTA-Na)。
・b-3:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASF社製、商品名「Trilon M Compactate」)(MGDA-Na)。
・b-4:グルタミン酸ジ酢酸4ナトリウム(キレスト株式会社製)(GLDA-Na)。
・b’-1:マレイン酸/アクリル酸共重合体のナトリウム塩(株式会社日本触媒製、商品名「アクアリックTL400」、アクリル酸/マレイン酸のモル比=60/40、重量平均分子量50000、有効成分40質量%)(MA)。
<(C)成分:炭酸塩および炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種>
・c-1:炭酸水素ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・c-2:炭酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・c-3:炭酸水素カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
・c-4:炭酸カリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)。
<任意成分>
・pH調整剤:水酸化カリウム(48%水酸化カリウム、AGC株式会社)。
・pH調整剤:硫酸(試薬特級、富士フイルム和光純薬株式会社)。
・共通成分
・キサンタンガム(ケルコ社製、商品名「KELZAN T」)0.2質量%。
・塩化カルシウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)0.1質量%。
・プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)5.0質量%。
・クメンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカトックスN5040」)2.0質量%。
・安息香酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、試薬)1.0質量%。
・香料:特開2020-132680号公報の表1~表8に記載の調合香料組成物1~4、表1に記載の香料成分のいずれか1つを0.050質量%。
<実施例1~34、比較例1~6>
表1~5に示す組成に従い、溶媒の水に(A)成分、(B)成分、(C)成分、任意成分とpH調整剤を溶解することにより、各例の液体洗浄剤組成物0.8kgをそれぞれ調製した。
具体的には、1Lビーカー(直径12cm)内に、水を合計量として組成物全体の40質量%となるように投入した。HEIDON FBL1200スリーワンモーター(新東科学株式会社製)の撹拌機に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装備し、その後、内容物が飛び散らないように回転数400~900rpmで撹拌しながら(A)成分、(B)成分を混合し、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは硫酸)を添加しpHを7付近とした後に(C)成分を添加し、pH調整剤でpHを7.5に調整した。その後、常温まで冷却後、任意成分を前記撹拌機の回転数650rpmで撹拌しながら加えた。添加終了後、5分間撹拌し、組成物全体が100質量%となるように残りの水を加え、前記撹拌機の回転数650rpmで1分間撹拌することにより液体洗浄剤組成物を得た。
組成物のpH(25℃)は、25℃に調整した液体洗浄剤組成物を、ガラス電極式pHメーター(HM-30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:2011「pH測定方法」に準拠して行った。
<食器洗浄機用洗浄剤の評価>
各実施例および比較例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表に併記した。
食器洗浄機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種NP-45MD8)を用いた。各評価において、洗浄処理は、前記自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コースで運転することにより行った。前記標準コースの内容を以下に示す。
標準コース:
前記自動食器洗い乾燥機に液体洗浄剤組成物8g(水道水3Lに対し)を投入した後、約5℃の水道水を庫内に導入して調製される洗浄液を40℃まで2~3℃/minで昇温しながら20分間洗浄を行い、前記洗浄液を排水する。次いで、新たな水道水を導入し、すすぎ(2分間/回)と排水との繰返し3回を行う。排水後、新たな水道水を導入し、70℃まで2~3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間を行い、排水後、温風を循環させながら食器等を乾燥する。
<評価に使用する汚こう>
汚れとして、ドレッシング(キユーピー株式会社製、オリーブオイル&オニオンドレッシング)、トマトジュース(日本デルモンテ株式会社製、トマトジュース)、卵(Lサイズ)、レトルトカレー(大塚食品株式会社製、ボンカレーゴールド辛口)、ご飯(自主流通米一類こしひかり相当、米と水の量の比は炊飯器の標準とし、炊飯後12時間以内のものを使用する)を用いた。汚れは陶器皿(大皿:半径115mm、高さ25mm、中鉢:半径80mm、高さ45mm)とステンレス製のスプーン、フォーク(長さ:180mm)にそれぞれを付着させ、スプーン、フォークの汚れ残りを目視評価した。
・目玉焼き:
弱火で熱したフライパンにより加熱し、半熟状態の目玉焼きを用意した。目玉焼きの黄身の部分だけを使用した。
・トマトジュース汚れ:
トマトジュースをコップに注ぎ、斜めにするなどしてコップ全体を汚染したものを計6個用意した。
・卵汚れ:
前記「目玉焼き」をスプーン、フォーク、小皿に塗布し、1時間放置したものを各6個ずつ用意した。
・ドレッシング汚れ:
ドレッシングを陶器の中鉢全面に塗布したものを計6枚用意した。
・複合汚れ:
前記レトルトカレー200g、卵1個、ご飯150gを混合した。混合物を大皿に30gのせ、皿表面を均一に汚染したのち、米粒を10粒程度残して混合物を捨て、米粒をスプーンで潰して大皿に付着させた。このようにして汚染された大皿を計6枚用意した。
<評価法>
・タンパク汚れ洗浄力
前記用意した汚こう(コップ6個、スプーン、フォーク各6個、小皿6皿、中鉢6個、大皿6枚)を前記自動食器洗い乾燥機の説明書に基づいた指定箇所に装填し、洗剤8gを投入し、標準コースで洗浄処理を施した。洗浄処理の後、スプーン、フォークを観察し、下記の評価基準に基づいて、酸性汚れ共存化におけるタンパク汚れ洗浄力の評価をした。評価結果を表1~5に示す。実施例および比較例の評点は洗浄処理3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎◎:すべてのスプーン、フォークに汚れ残りを確認できない。
◎◎◎:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが1本以下。
◎◎:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが2本以下。
◎:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが3本以下。
〇:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが4本以下。
×:汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが5本以上。
・低泡性
前記自動食器洗い乾燥機に洗剤16gとよく溶いた全卵6gを投入し、前記標準コースにて運転を行った。洗浄開始から水温が50℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その10秒後に庫内の泡立ちを観察し、下記の評価基準に基づいて、低泡性を評価した。評価結果を表1~5に示す。実施例および比較例の評点は3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎:泡が全く確認されなかった。
◎◎:泡の発生が認められたが、前記自動食器洗い乾燥機の底部を目視できるレベルであった。
◎:泡の発生が認められたが、液表面をわずかに覆う程度であった。
○:泡の発生が認められたが、泡高は水噴出ノズルよりも低かった。
×:泡の発生が認められ、泡高は水噴出ノズルを上回り、エアがみが確認された。「エアがみ」とは、洗浄時に泡が大量に発生すると、循環ポンプ内に空気が入り込み、噴水力が弱まると共に、異音が発生する状態を意味する。本試験では異音の有無を確認することでエアがみの有無を評価した。
・グラスくもり抑制性能評価
グラス(上径63mm、下径53mm、高さ100mm)を前記自動食器洗い乾燥機に装填し、牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1(質量比)の混合油を6g機内に入れ、30°dH硬水を用いて標準コースで洗浄を行う工程を20回繰り返した。グラスの仕上がり具合を観察し、下記の評価基準に基づいて、グラスくもり抑制性能を評価した。評価結果を表1~5に示す。実施例および比較例の評点は洗浄処理3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎◎:評価前のグラスの透明感と変わらない。
◎◎◎:わずかに部分的なグラスくもりが認められたが、実使用上問題の無いレベルであった。
◎◎:部分的なグラスくもりが認められたが、実使用上問題の無いレベルであった。
◎:全体的なグラスくもりが認められたが、実使用上問題の無いレベルであった。
○:全体的なグラスくもりに加え、部分的な強いくもりも認められるが、実使用上問題の無いレベルであった。
×:グラス全体が強くもり、透明感が失われていた。
・ニオイ付着防止
前記用意した汚こう(コップ6個、スプーン、フォーク各6個、小皿6皿、中鉢6個、大皿6枚)を前記自動食器洗い乾燥機の説明書に基づいた指定箇所に装填し、洗剤8gを投入し、標準コースで洗浄処理を施した。洗浄は同じ食器を用いて、汚こう付着、洗浄、乾燥操作を1日1回行うことを10回繰り返し(洗浄後約24時間後に再度汚こう塗布を行う)、庫内を香気評価し、下記の評価基準に基づいて、ニオイ付着防止の評価をした。評価結果を表1~5に示す。実施例および比較例の評点は3回の平均値を記載しており、○、◎、◎◎を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎:ニオイをまったく感知できない。
◎◎:わずかにニオイを感知できるが、何のニオイかわからない。
◎:食材由来のニオイを感知できるがわずかである。
〇:食材由来のニオイを感知できるが実使用上問題ない。
×:食材由来のニオイを強く感知でき、実使用において問題がある。
・液体洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液のpH
液体洗浄剤組成物の含有量が0.2質量%となるようにイオン交換水を加えて希釈液を調製し、前記希釈液と1質量%の酢酸水溶液とを、[希釈液の質量]:[酢酸水溶液]で表される質量比が200:1となるように混合して酢酸入り希釈液を調製した。
液体洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液のpH(25℃)は、JIS Z 8802:2011「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。評価結果を表1~5に示す。
Figure 2023079998000008
Figure 2023079998000009
Figure 2023079998000010
Figure 2023079998000011
Figure 2023079998000012
本発明を適用した実施例1~34は、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能、低泡性およびニオイ付着防止性能において優れていた。
(A)成分の代わりにa’-1を含む比較例1は、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能において劣っていた。
(A)成分の代わりにa’-2を含む比較例2は、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能、低泡性およびニオイ付着防止性能において劣っていた。
(A)成分の代わりにa’-3を含む比較例3は、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能、低泡性およびニオイ付着防止性能において劣っていた。
(B)成分の代わりにb’-1を含む比較例4は、複合汚れに対する洗浄力において劣っていた。
(A)/(B)比が0.04である比較例5は、複合汚れに対する洗浄力、ガラス食器の曇り汚れ抑制性能およびニオイ付着防止性能において劣っていた。
(A)/(B)比が1.11である比較例6は、低泡性において劣っていた。

Claims (5)

  1. (A)成分:下記一般式(1)で表されるα-スルホ脂肪酸アルキルエステルおよびその塩、下記一般式(2)で表されるα-スルホ脂肪酸およびその塩、ならびに下記一般式(3)で表されるモノアルキルスルホコハク酸およびその塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と、
    (B)成分:分子量800以下のキレート剤と、
    を含有し、
    (A)/(B)比が質量比で0.05~1である、食器洗浄機用洗浄剤組成物。
    Figure 2023079998000013
    (但し、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rは炭素数が1~2のアルキル基または炭素数が1~2のアルケニル基であり、Maは対イオンである。)
    Figure 2023079998000014
    (但し、Rは炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が10~12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、MbおよびMcはそれぞれ独立して対イオンである。)
    Figure 2023079998000015
    (但し、Rは炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または炭素数が8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、nはAOの平均繰り返し数を示す0~10の整数であり、MdおよびMeはそれぞれ独立して対イオンである。)
  2. さらに(C)成分:炭酸、炭酸塩、炭酸水素および炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種を0.1~2質量%を含有する、請求項1に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
  3. 前記(A)成分の合計質量が1~10質量%である、請求項1または2に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
  4. 下記食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の25℃におけるpHが6.0未満である、請求項1または2に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
    <食器洗浄機用洗浄剤組成物の酢酸入り希釈液の調製方法>
    食器洗浄機用洗浄剤組成物の含有量が0.2質量%となるようにイオン交換水を加えて希釈液を調製し、前記希釈液と1質量%の酢酸水溶液とを、[希釈液の質量]:[酢酸水溶液]で表される質量比が200:1となるように混合して酢酸入り希釈液を調製する。
  5. 液体である、請求項1または2に記載の食器洗浄機用洗浄剤組成物。
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