JP2023078668A - ケーブル保護管用継手およびケーブル保護管の施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、ケーブル保護管用継手およびケーブル保護管の施工方法関し、特にたとえば、内部にケーブルが挿通されるケーブル保護管の施工に用いられる、ケーブル保護管用継手およびこれを用いたケーブル保護管の施工方法に関する。
従来のケーブル保護管用継手の一例が特許文献1に開示される。特許文献1のケーブル保護管用継手は、複数のさや管を収容可能で曲管部分を有さないケーブル保護管どうしの間を連結可能な管継手であって、継手本体が、曲管部分を有さない単数または複数本の短管部と、単数または複数本の短管部の端部に設けられた複数の屈曲自在部(ゴム輪受口)とを有している。
また、従来のケーブル保護管用継手の他の一例が特許文献2に開示される。特許文献2のケーブル保護管用継手は、内部にケーブルが挿通される鞘管を収容するボディ管(ケーブル保護管)をやりとり接続するためのやりとり継手であって、ボディ管部材を受容可能な内径を有する円筒状の継手本体、ゴムまたはエラストマ等の伸縮性のある材料で形成され、継手本体の端部に外嵌めされて固定される径大部と、ボディ管部材の外径と略同じ大きさの内径を有しかつ継手本体の端部から軸方向外側に突出する径小部とを有する円筒状の接合部材、および径小部の外周面に設けられる締め部材を備える。この接合部材は、径大部と径小部との連結部分に、径大部内に入り込むように折り返される折返し部を有している。
特開2017-163627号公報
特開2017-161070号公報
特許文献1および2の技術では、ケーブル保護管用継手と他の管とを屈曲させた状態で接続することが可能である。しかしながら、特許文献1および2の技術では、ケーブル保護管用継手と他の管とがどの程度の屈曲角度で接続されているのかが分かり難い。このため、ケーブル保護管用継手と他の管とを接続する際に、設計上許容される屈曲角度(ケーブル保護管としての機能を損なうことなく適切に屈曲できる最大の屈曲角度である許容屈曲角度)よりも大きく屈曲させてしまい、ケーブル保護管の施工品質に問題が生じる場合がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、ケーブル保護管用継手およびケーブル保護管の施工方法を提供することである。
この発明の他の目的は、ケーブル保護管を施工する際の作業性および施工品質を向上させることができる、ケーブル保護管用継手およびケーブル保護管の施工方法を提供することである。
第1の発明は、内部にケーブルが挿通されるケーブル保護管の施工に用いられるケーブル保護管用継手であって、円筒状の継手本体、継手本体の端部に設けられ、当該継手本体の軸方向に対して他の管を屈曲させた状態で接続可能な管接続部、および継手本体または管接続部の外周面に設けられ、継手本体の軸方向に対する他の管の許容屈曲角度を示す目印を備える、ケーブル保護管用継手である。
第1の発明では、ケーブル保護管用継手は、内部に直接または鞘管を介してケーブルが挿通されるケーブル保護管の施工に用いられる。ケーブル保護管用継手は、円筒状の継手本体と、継手本体の端部に設けられた管接続部とを備える。この管接続部には、継手本体の軸方向に対して他の管を屈曲させた状態で接続することが可能である。そして、継手本体または管接続部の外周面には、継手本体の軸方向に対する他の管の許容屈曲角度を示す目印が設けられている。
第1の発明によれば、許容屈曲角度を示す目印を備えるので、施工者または施工管理者は、許容屈曲角度内で施工されていることを目視で容易に確認できる。したがって、ケーブル保護管を施工する際の作業性を向上できると共に、曲げ過ぎが防止されてケーブル保護管の施工品質を向上できる。これは、過大な屈曲が発生せずケーブルの通線性が確保されることにつながる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、目印は、継手本体または管接続部の外周面にシールを貼付することによって設けられている。
第2の発明によれば、ケーブル保護管用継手に目印を容易に設けることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明に係るケーブル保護管用継手を用いたケーブル保護管の施工方法であって、(a)ケーブル保護管用継手の管接続部に他の管の端部を挿入するステップ、および(b)ケーブル保護管用継手の目印に示された許容屈曲角度を目安にして、許容屈曲角度内に納まるように他の管とケーブル保護管用継手とを互いに屈曲させるステップを含む、ケーブル保護管の施工方法である。
第3の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏し、ケーブル保護管を施工する際の作業性を向上できると共に、ケーブル保護管の施工品質を向上できる。
第4の発明は、第3の発明に従属し、ステップ(b)では、直線性を有する部材またはレーザ光を用いて、他の管とケーブル保護管用継手との屈曲角度が許容屈曲角度内にあることを確認する。
第4の発明によれば、ケーブル保護管の曲げ過ぎがより確実に防止され、ケーブル保護管の施工品質がより向上する。
この発明によれば、許容屈曲角度を示す目印を備えるので、施工者または施工管理者は、許容屈曲角度内で施工されていることを目視で容易に確認できる。したがって、ケーブル保護管を施工する際の作業性を向上できると共に、曲げ過ぎが防止されてケーブル保護管の施工品質を向上できる。これは、過大な屈曲が発生せずケーブルの通線性が確保されることにつながる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1および図2を参照して、この発明の一実施例であるケーブル保護管用継手10(以下、単に「継手10」と言う。)は、通信ケーブルや電力ケーブル等のケーブル(図示せず)を地中に配線するためのケーブル保護管路100の施工において、ケーブル保護管の一例であるボディ管104を施工するために用いられる。詳細は後述するように、継手10は、ボディ管104に屈曲部分(曲管部分)を形成するために用いられたり、ボディ管104をやりとり接続するためのやりとり継手として用いられたりする。
ケーブル保護管路100は、内部にケーブルが挿通される小口径の複数の鞘管102と、これら鞘管102を収容して保護する大口径のボディ管104とを備え、保護管ユニット12および継手10などを用いて施工される。後述するように、鞘管102のそれぞれは、複数の鞘管部材22,86,96,120を軸方向に連結することによって構成され、ボディ管104は、複数のボディ管部材20,80,84,88,122および継手10を軸方向に連結することによって構成される。
先ず、ケーブル保護管路100の施工に用いる主要部材の1つである保護管ユニット12の一例について説明する。図3および図4に示すように、保護管ユニット12は、その軸方向の端部同士を接続して連続させることによってケーブル保護管路100を形成するものであり、ボディ管部材20と、ボディ管部材20の内部に所定の配置態様で収容される複数の鞘管部材22と、これら鞘管部材22をスライド可能に所定の配置態様で保持する整列部材24とを含む。
図5に示すように、ボディ管部材20は、ボディ管104を構成するための直管状の部材であり、土圧などの外力に耐え得る強度を有する。具体的には、ボディ管部材20は、円筒状に形成される直管部26を含み、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される。直管部26の一方端部には、拡径されたゴム輪受口28が形成され、他端部には差口30が形成される。ゴム輪受口28には、先端付近の内周面にゴム輪溝が形成されており、このゴム輪溝に止水用のゴム輪32が装着される。ボディ管部材20の長さは、たとえば5210mmである。また、ボディ管部材20の直管部26の内径は、たとえば250mmであり、その外径は、たとえば267mmである。このようなボディ管部材20は、ゴム輪受口28に対して他のボディ管部材20の差口30を差し込んでゴム輪接合することによって、ボディ管104を形成する。
図6に示すように、鞘管部材22は、ボディ管104内で複数のケーブル収容スペースを個別に確保する鞘管102を構成するための直管状の部材であって、ある程度の可撓性を有する。この実施例では、8つの鞘管部材22aおよび6つの鞘管部材22bがボディ管部材20の内部に所定の配置態様で収容されている(図3および図4参照)。なお、説明の際に鞘管部材22aと鞘管部材22bとを区別する必要がない場合には、単に鞘管部材22と記載する。他の鞘管部材86,96,120についても同様である。
具体的には、鞘管部材22は、円筒状に形成される直管部34を含み、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される。直管部34の一方端部には、拡径された接着受口36が形成され、他端部には差口38が形成される。鞘管部材22の長さは、たとえば5110mmである。また、鞘管部材22aの内径は、たとえば50mmであり、鞘管部材22bの内径は、たとえば30mmである。このような鞘管部材22は、接着受口36に対して他の鞘管部材22の差口38を差し込んで接着接合することによって、鞘管102を形成する。
また、図3および図4に示すように、整列部材24は、ボディ管部材20内において各鞘管部材22を所定の配置態様に整列させた状態で保持するものである。整列部材24は、スポンジ等の軟質材料によって円板状に形成され、軸方向に移動可能かつ軸周りに回転可能な状態でボディ管部材20の直管部26の両端部に配置される。整列部材24は、複数の貫通孔40を有しており、各貫通孔40には、対応する鞘管部材22が軸方向にスライド(摺動)可能に挿通される。
続いて、図7および図8を参照して、継手10の構成について具体的に説明する。図7および図8に示すように、継手10は、継手本体50と、継手本体50の両端部に設けられる管接続部52とを備える。管接続部52は、継手本体50の軸方向に対して他の管を屈曲させた状態で接続可能なものであり、この実施例では、後述する拡径受口62、接合部材54および締め部材56,58によって管接続部52が構成される。
継手本体50は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される直管状の管部材であって、土圧などの外力に耐え得る強度を有する。継手本体50は、円筒状に形成される直管部60と、直管部60の両端部に形成され、直管部60よりも大きな内径を有する拡径受口62とを備える。継手本体50の長さは、たとえば500mmである。また、継手本体50の直管部60は、後述する長さ調整用および端末用のボディ管部材80,122の直管部を受容可能な内径を有し、継手本体50の直管部60の内径は、ボディ管部材80,122の直管部の外径よりも若干大きくなるように設定される。
継手本体50の両端部には、ゴムまたはエラストマ等の伸縮性のある材料によって円筒状に形成された接合部材54が取り付けられる。接合部材54としては、たとえば、特開2017-161070号公報に記載された接合部材と同様のものを使用するとよい。以下、接合部材54の構成について簡単に説明するが、詳細については特開2017-161070号公報を参照されたい。
接合部材54は、径大部64、径小部66、および径大部64と径小部66との連結部分に形成される折返し部68を含む。接合部材54の軸方向長さは、たとえば110mmであり、その厚みは、たとえば5mmである。この接合部材54を継手本体50の両端部に取り付けた状態における継手10全体の軸方向長さは、たとえば608mmである。
接合部材54の径大部64は、継手本体50の拡径受口62の外径と略同じ大きさの内径を有し、拡径受口62の先端部に外嵌めされる。この径大部64の外周面には、締め部材56を取り付けるための取付溝64aが形成される。一方、接合部材54の径小部66は、後述する各種のボディ管部材20,80,84,122の直管部の外径と略同じ大きさの内径を有し、継手本体50の管端から軸方向外側に延びる。この径小部66の外周面には、締め部材58を取り付けるための取付溝66aが形成される。
また、接合部材54の折返し部68は、径大部64と径小部66との連結部分を径大部64内に入り込むように略S字状に折り返すことによって形成される。このような折返し部68を有することによって、接合部材54が曲げ変形する際の余裕ができるので、継手10の曲げ性能が向上する。
また、接合部材54の径大部64および径小部66の外周面に形成される取付溝64a,66aのそれぞれには、ステンレス製や合成樹脂製などの締め部材(締めバンド)56,58が取り付けられる。締め部材56,58は、ボルト締め付け機構56a,58aを有する環状の帯体であって、その内径(締め具合)を任意に調整できるものである。ただし、締め部材56,58は、結束バンド機構などの他の締め付け機構を有するものであってもよい。また、接合部材54の径大部64と継手本体50とは、必ずしも締め部材56を用いて固定される必要はなく、接着接合などによって固定されてもよい。
接合部材54の径小部66に装着される締め部材58は、継手10に対してボディ管部材20,80,84,122を挿入またはスライドさせるときには、締め付けていない状態、つまり緩めたままの状態または取り外した状態とされる。そして、締め部材58は、継手10とボディ管部材20,80,84,122との軸方向位置を固定するときに締め込まれる。締め部材58を締め付けていない状態では、ボディ管部材20,80,84,122に作用する接合部材54の抵抗は小さいので、ボディ管部材20,80,84,122を手作業で簡単に挿入したりスライドさせたりすることができる。そして、締め部材58を締め付けることによって、ボディ管部材20,80,84,122と径小部66とを確実に固定できる。
図9に示すように、このような継手10の管接続部52には、継手本体50の軸方向に対して他の管(ボディ管部材80,84等)を屈曲させた状態で接続することが可能である。この実施例では、接合部材54に折返し部68を形成すると共に、継手本体50の端部に形成する受口を拡径受口62にして、拡径受口62の内周面と他の管の外周面との間の隙間を大きくすることで、管接続部52のそれぞれにおいて、継手本体50の軸方向に対して最大で略6度の屈曲角度(許容屈曲角度θ)で他の管を接続できるようにしている。すなわち、管接続部52の設計上許容される屈曲角度である許容屈曲角度θ(つまりケーブル保護管としての機能を損なうことなく適切に屈曲できる最大の屈曲角度)は、略6度に設定されている。したがって、継手10は、両側の管接続部52を合わせて、最大で略12度の曲げ角度を取ることが可能である。
ここで、継手10と他の管とを屈曲させた状態で接続するとき、これらがどの程度の屈曲角度で接続されているのかが分からず、許容屈曲角度θよりも大きく曲げ過ぎてしまう事態が生じ得る。そこで、この実施例では、継手本体50の軸方向に対する他の管の許容屈曲角度θを示す目印70を継手10に設けることで、ケーブル保護管の一例であるボディ管104を施工する際の作業性を向上させると共に、ボディ管104(延いてはケーブル保護管路100)の施工品質を向上させるようにした。
図7に示すように、目印70は、管接続部52のそれぞれに対応させて、継手本体50の両端部の外周面のそれぞれに設けられる。この実施例では、継手本体50に矩形状のシール72を貼付することによって、継手本体50に目印70が設けられる。シール72を貼付することによって目印70を設けることで、継手10の所望位置に目印70を容易に設けることができる。また、この実施例では、継手本体50の天頂部に目印70が設けられ、目印70はボディ管104の横方向の曲げ管理に用いられる。具体的には、目印70は、継手本体50の軸方向に沿って延びる基準線70aと、基準線70aに対して許容屈曲角度θで傾斜する、つまり許容屈曲角度θを示す2つの境界線70bとを含む。
目印70に示される境界線70b(つまり許容屈曲角度θ)を目安にして配管することで、施工者は、継手10に対して他の管が許容屈曲角度θ内で施工されていることを容易に目視で確認(視認)することができる。したがって、作業性が向上すると共に、ボディ管104の曲げ過ぎを防止することができるので、ボディ管104の施工品質を向上できる。また、他の管の軸方向が境界線70bに沿うように配管することで、形成したボディ管104が所定の屈曲角度(この実施例では略6度)で屈曲していること、つまりボディ管104が所定の曲率半径で施工されていることが容易に分かる。
このような継手10は、上述のように、ボディ管104に曲管部分(屈曲部分)を形成するために用いられたり、ボディ管104をやりとり接続するためのやりとり継手として用いられたりする。
図10に示すように、継手10をやりとり継手として用いるときには、その一方端部から長さ調整用のボディ管部材80が差し込まれ、これによってボディ管やりとりユニット82が形成される。長さ調整用のボディ管部材80は、施工現場でボディ管部材20を必要長さに切断する等して製作されるボディ管部材であって、その両端部は差口とされる。ボディ管やりとりユニット82は、継手10またはボディ管部材80をスライドさせることによって、その軸方向長さを自由に変化させることができる。
また、継手10を用いて曲管部分を形成するときには、継手10の一方端部(施工方向の上流側の端部)に接続されるボディ管部材として、屈曲用のボディ管部材84(図12参照)が用いられる。屈曲用のボディ管部材84は、施工現場でボディ管部材20のゴム輪受口28を切り落として必要長さにすることで製作される、両端部が差口のボディ管部材である。
続いて、図1と共に図11-図14を参照して、保護管ユニット12および継手10などを用いて、ボディ管104を含むケーブル保護管路100を所定の施工区間に施工する施工方法について説明する。なお、図11、図13および図14では、図面の簡略化のため、代表して1つの鞘管部材22,86,96,120(鞘管102)を示し、他の鞘管部材22,86,96,120の図示を省略している。以下、ケーブル保護管路100の施工方法について説明するが、曲管部分の施工についての説明以外の詳細については、特開2017-161070号公報を参照されたい。
ケーブル保護管路100を施工する際には、先ず、施工区間の一方端に第1ハンドホール106aを設け、他端に第2ハンドホール106bを設ける。そして、第1ハンドホール106aを起点として第2ハンドホール106bの近傍までケーブル保護管路100を順次施工していく。
簡単に説明すると、図11に示すように、先ず、起点側の第1ハンドホール106aが備えるダクトスリーブ108に対して、複数の鞘管ダクトスリーブ110を備えるボルト固定式ロータス管112を取り付ける。また、鞘管ダクトスリーブ110のそれぞれに端末用の鞘管部材86を差し込んで接続すると共に、ダクトスリーブ108に端末用のボディ管部材88を差し込んで接続する。第1ハンドホール106aに対して端末用の鞘管部材86およびボディ管部材88を接続すると、続いて、保護管ユニット12(つまり複数の鞘管部材22およびボディ管部材20のそれぞれ)を順次接続して、第2ハンドホール106bの近傍までケーブル保護管路100を施工していく。
この施工途中で、ケーブル保護管路100に曲管部分を形成する場合には、継手10を用いてボディ管104を曲げたい方向に屈曲させる。なお、鞘管102は、自身の可撓性によって屈曲させる。
具体的には、先ず、屈曲用の鞘管部材(図示せず)およびボディ管部材84を製作する。屈曲用のボディ管部材84は、上述のように、ボディ管部材20のゴム輪受口28を切り落として必要長さにすることで製作するとよい。屈曲用の鞘管部材は、鞘管部材22を切断する等して製作するとよいが、その長さは、屈曲用のボディ管部材84に継手10の一方端部を接続した状態において、屈曲用の鞘管部材の先端部が継手10の他端部から少し突出する長さにするとよい。つまり、屈曲用のボディ管部材84に継手10の一方端部を接続した状態においては、ボディ管部材20のゴム輪受口28の代わりに継手10が設けられた状態となり、屈曲用の鞘管部材が屈曲用のボディ管部材84と継手10とに亘って延びるようにする。
屈曲用の鞘管部材およびボディ管部材84が用意できると、屈曲用の鞘管部材の一方端部を対応する鞘管部材22に接続すると共に、屈曲用のボディ管部材84の一方端部をボディ管部材20に接続する。この際、屈曲用のボディ管部材84は、製造情報などを示す印字90が天頂にくるように配管しておく。
次に、図12に示すように、屈曲用のボディ管部材84の他端部に継手10の一方端部を接続する。すなわち、継手10の一方端部側の管接続部52にボディ管部材84の差口を挿入して締め部材56を締め込むことで、ボディ管部材84と継手10とを接続する。この際、継手10は、目印70に示される基準線70aが天頂にくるように配管する。ボディ管部材84の印字90に対して基準線70aが一直線となるように継手10を接続することで、ボディ管部材84と継手10の軸方向が一致するので、継手10の管接続部52にボディ管部材84の差口をスムーズに挿入できる。
続いて、継手10および屈曲用の鞘管部材の他端部に保護管ユニット12を接続する。すなわち、屈曲用の鞘管部材の他端部を対応する鞘管部材22に接続する。また、継手10の他端部側の管接続部52にボディ管部材20の差口30を挿入して締め部材58を締め込むことで、継手10とボディ管部材20とを接続する。この際、ボディ管部材20は、屈曲用のボディ管部材84と同様に、製造情報などを示す印字92が天頂にくるように配管するとよい。
そして、継手10の両端部にボディ管部材20,84を接続した後、屈曲用のボディ管部材84に対して継手10を屈曲させると共に、継手10に対してボディ管部材20を屈曲させることで、ボディ管104を曲げたい方向に屈曲させる。なお、鞘管102は、ボディ管104の屈曲に伴って撓むようにして湾曲する。
継手10とボディ管部材20,84とを互いに屈曲させる際には、継手10の目印70に示された境界線70b(つまり許容屈曲角度θ)を目安として、許容屈曲角度θ内に納まるように曲げる。たとえば、定規およびコンベックス等の直線性を有する部材130、或いはレーザ光などをボディ管部材20,84の印字90,92(つまりボディ管部材20,84の軸方向)に沿わせるように設置し、これを用いて継手10とボディ管部材20,84との屈曲角度が許容屈曲角度θ内にあること確認しながら、継手10とボディ管部材20,84とを互いに屈曲させるとよい。これにより、ボディ管104の曲げ過ぎが確実に防止されるので、ボディ管104の施工品質が向上する。また、ボディ管104内に配管される鞘管102の曲げ過ぎも防止されるので、鞘管102の施工品質も向上され、延いてはケーブル保護管路100全体の施工品質も向上される。また、継手10とボディ管部材20,84とを互いに屈曲させる際には、ボディ管部材20,84の印字90,92と継手10の目印70に示された境界線70bとが一直線上になるように配管することで、ボディ管104を所定の曲率半径で施工することができる。
ケーブル保護管路100の曲管部分の施工が終わると、保護管ユニット12の接続作業を続け、第2ハンドホール106bの近傍までケーブル保護管路100を施工する。そして、ケーブル保護管路100が第2ハンドホール106bの近傍まで施工されると、続いて、図13および図14に示すように、ケーブル保護管路100の終点部の施工を行う。
具体的には、第1ハンドホール106a側と同様にして、第2ハンドホール106bが備えるダクトスリーブ108に対してボルト固定式ロータス管112を装着する。そして、ボルト固定式ロータス管112の各鞘管ダクトスリーブ110に対して、端末用の鞘管部材120をスライド可能に挿通すると共に、ダクトスリーブ108のゴム輪受口に対して端末用のボディ管部材122の差口を挿入してそれらをゴム輪接合する。
そして、図13に示すように、所定の区間を残してケーブル保護管路100が施工された状態になると、続いて、鞘管102およびボディ管104のやりとり接続を行う。
簡単に説明すると、先ず、残った区間の長さを測定し、それに応じた長さを有する長さ調整用の鞘管部材96およびボディ管部材80を製作する。長さ調整用の鞘管部材96およびボディ管部材80は、鞘管部材22およびボディ管部材20を必要長さに適宜切断する等して製作するとよい。そして、長さ調整用のボディ管部材80と継手10とを接続したボディ管やりとりユニット82(図10参照)を用意する。
ボディ管やりとりユニット82等が用意できると、続いて、図14に示すように、長さ調整用の鞘管部材96の一方端を対応する鞘管部材22に接続すると共に、ボディ管やりとりユニット82の一方端をボディ管部材20に接続する。また、長さ調整用の鞘管部材96の他端を端末用の鞘管部材120に接続すると共に、ボディ管やりとりユニット82の他端を端末用のボディ管部材122に接続する。すなわち、各鞘管部材120を外側に順次スライドさせて、鞘管部材120の接着受口のそれぞれに対して対応する鞘管部材96の他方の差口を挿入してそれらを接着接合する。その後、継手10を外側にスライドさせてボディ管やりとりユニット82を伸ばし、継手10の管接続部52に端末用のボディ管部材122の差口を挿入する。そして、締め部材58を締め込むことで、やりとり接続が完了する。
ここで、ボディ管104のやりとり接続を行う際には、継手10と端末用のボディ管部材122の管軸がずれた状態で、継手10の管接続部52にボディ管部材122の差口を挿入する場合が生じ得る。この際には、長さ調整用のボディ管部材80に対して継手10を屈曲させて対応するが、上述の曲管部分の施工と同様に、継手10の目印70に示された境界線70bを目安として、許容屈曲角度θ内に納まるように曲げるとよい。これにより、ボディ管104の曲げ過ぎが確実に防止されるので、ボディ管104の施工品質が向上する。
以上の施工作業によって、図1に示すような、2つのハンドホール106a,106bを連結する一連のケーブル保護管路100が形成される。その後、ケーブル保護管路100の各鞘管102の内部(ケーブル収容スペース)には、適宜ケーブルが挿通される。
以上のように、この実施例によれば、継手10が許容屈曲角度θを示す目印70を備えるので、施工者または施工管理者は、許容屈曲角度θ内で施工されていることを目視で容易に確認できる。したがって、ボディ管104を施工する際の作業性を向上できると共に、曲げ過ぎが防止されてボディ管104施工品質を向上できる。また、ボディ管104の内部に収容される鞘管102の破損も防止でき、ケーブル保護管路100全体としても施工品質が向上する。さらに、ケーブル保護管路100(鞘管102およびボディ管104)に過大な屈曲が発生しないことから、ケーブルの通線性が確保される。
また、この実施例によれば、シール72を貼付することによって目印70を設けるので、継手10に目印70を容易に設けることができる。
なお、上述の実施例では、継手10を適用するケーブル保護管の一例として、鞘管102を介してケーブルを収容するボディ管104を例示したが、ケーブル保護管内には、ケーブルを直接収容することもできる。つまり、この発明に係るケーブル保護管用継手を適用するケーブル保護管は、ケーブルを直接収容するものと、鞘管を介してケーブルを収容するものとを含む。また、鞘管部材およびボディ管部材の具体的態様についても、適宜変更可能である。
また、上述の実施例では、他の管を屈曲可能に接続する管接続部52を継手本体50の両端部に設けたが、これに限定されない。この発明に係るケーブル保護管用継手は、継手本体の一方端部のみに、他の管を屈曲可能に接続する管接続部を備えるものであってもよい。
さらに、上述の実施例では、管接続部52が拡径受口62、接合部材54および締め部材56,58によって構成されているが、これに限定されない。管接続部は、他の管を屈曲可能に接続できるものであればよく、たとえばゴム輪受口で構成されても構わない。
さらにまた、上述の実施例では、目印70に基準線70aを含むようにしているが、基準線70aは必ずしも設けられる必要はない。また、目印には、許容屈曲角度の範囲内の所定角度(たとえば略3度)などを示すものを含むこともできる。さらに、目印70に含まれる基準線70aおよび境界線70b等の長さおよび太さ等の具体的態様も適宜変更可能である。たとえば、上述の実施例では、2つの境界線70bを拡径受口62および直管部60に跨るように設けてこれらを交差させているが、2つの境界線70bは、交差させることなく拡径受口62に納まるように設けることもできる。また、たとえば、基準線70aは、継手本体50の略全長に亘るように設けることもできる。
また、上述の実施例では、継手本体50にシール72を貼付することで目印70を設けたが、これに限定されない。目印は、継手本体または管接続部に対して、油性ペン等による手書きまたは印刷などで直接表示することもできるし、凸部または凹部などで刻印表示することもできるし、シール貼付、直接表示および刻印表示などを組み合わせて設けることもできる。目印を凸部で形成する場合は、直線性を有する部材のガイド部として目印を用いることもできる。
さらに、上述の実施例では、目印70を継手10の天頂部に配置して、ケーブル保護管の横方向の曲げ管理に用いるようにしたが、これに限定されない。たとえば、目印をケーブル保護管用継手の側部に配置して、ケーブル保護管の上下方向の曲げ管理に用いることもできる。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …ケーブル保護管用継手
12 …保護管ユニット
20,80,84,88,122 …ボディ管部材
22,86,96,120 …鞘管部材
50 …継手本体
52 …管接続部
54 …接合部材
56,58 …締め部材
70 …目印
72 …シール
82 …ボディ管やりとりユニット
100 …ケーブル保護管路
102 …鞘管
104 …ボディ管(ケーブル保護管)
12 …保護管ユニット
20,80,84,88,122 …ボディ管部材
22,86,96,120 …鞘管部材
50 …継手本体
52 …管接続部
54 …接合部材
56,58 …締め部材
70 …目印
72 …シール
82 …ボディ管やりとりユニット
100 …ケーブル保護管路
102 …鞘管
104 …ボディ管(ケーブル保護管)
Claims (4)
- 内部にケーブルが挿通されるケーブル保護管の施工に用いられるケーブル保護管用継手であって、
円筒状の継手本体、
前記継手本体の端部に設けられ、当該継手本体の軸方向に対して他の管を屈曲させた状態で接続可能な管接続部、および
前記継手本体または前記管接続部の外周面に設けられ、前記継手本体の軸方向に対する前記他の管の許容屈曲角度を示す目印を備える、ケーブル保護管用継手。 - 前記継手本体または前記管接続部の外周面にシールを貼付することによって前記目印が設けられた、請求項1記載のケーブル保護管用継手。
- 請求項1または2に記載のケーブル保護管用継手を用いたケーブル保護管の施工方法であって、
(a)前記ケーブル保護管用継手の管接続部に他の管の端部を挿入するステップ、および
(b)前記ケーブル保護管用継手の目印に示された許容屈曲角度を目安にして、前記許容屈曲角度内に納まるように前記他の管と前記ケーブル保護管用継手とを互いに屈曲させるステップを含む、ケーブル保護管の施工方法。 - 前記ステップ(b)では、直線性を有する部材またはレーザ光を用いて、前記他の管と前記ケーブル保護管用継手との屈曲角度が前記許容屈曲角度内にあることを確認する、請求項3記載のケーブル保護管の施工方法。
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JP2021191906A JP2023078668A (ja) | 2021-11-26 | 2021-11-26 | ケーブル保護管用継手およびケーブル保護管の施工方法 |
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- 2021-11-26 JP JP2021191906A patent/JP2023078668A/ja active Pending
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