JP2023077437A - セキュリティページ及び積層物の熱圧着方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023077437000001
【課題】ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂をIC基板層に用いて、反りやゆがみを抑えることができるとともに生産性の高いセキュリティページを提供する。
【解決手段】本発明のセキュリティページ1は、セキュリティ文書2として接続するためのヒンジ層13と、ICチップ23を保持するIC基板層21とを有し、IC基板層21の表裏に基板表面層20、22を接着し、基板表面層20、22をポリカーボネートとし、IC基板層21を、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ICチップを保持するIC基板層を有するセキュリティページ、及びセキュリティページを形成するための積層物の熱圧着方法に関する。
例えば、従来の旅券冊子は、セキュリティページである身分事項頁にすき入れ紙等を基材として用い、熱転写プリンタを用いてラミネートフィルムに個人情報を印刷したフィルムを圧着して身分情報ページを構成していた。一方、ICチップとアンテナはPET-G(ポリエチレンテレフタレート)などの熱可塑性樹脂を用いて板状に加工されたものを、その両面と接するページの用紙と熱圧着を行い、旅券冊子の中央部分に配置している。
しかしながら、一般的にも複製技術が高度化し、身分事項頁のラミネートフィルムを剥がし、当該身分事項の改ざんが行われるようになったため、身分事項頁を紙からプラスチックに変更し、レーザによる個人情報付与を行う技術への変化が世界的な潮流となっている。また、それに伴い、それまで旅券冊子の中央部分に配置していたICチップとアンテナを身分事項頁に移行し、身分事項情報を一体化する方法も世界的な主流となりつつある。また、身分事項頁に用いる熱可塑性樹脂はポリカーボネートを用いる例が多く、透明性や耐衝撃性など物理的に強度がある利点を有している(例えば特許文献1)。
国際公報第2018/151238号
身分事項頁をポリカーボネートで形成する場合、保護層、印刷層、レーザ発色層、ICチップとアンテナを含んだコア層等のから成る多層構造体から成るセキュリティページを、旅券冊子に縫い付けるための可撓性を持ったヒンジ層を前述の多層構造体に挟み込んで熱圧着する方法が主流である。
特許文献1は、ヒンジ層以外の層を全てポリカーボネートで構成することで、反りなどのゆがみの発生を抑えるものであるが、ポリカーボネートは高価であり、加工温度が高温であるため生産性が悪く、高い加工温度に適応可能な装置が必要とされていた。
通常、熱可塑性樹脂による多層構造体を熱圧着する場合、大きなシートを用いて多面化するとともに、多層構造体を間熱板と呼ばれる金属の板で一枚ずつ挟み込み、それを多数重ねるとともに、多段の熱源装置を用いて1バッチで大量生産する方法が主流であった。この方式では、加熱、冷却に時間が掛かる他、ポリカーボネートで形成された多層構造体を冊子内に縫い込む形態を実施する場合、ヒンジ層を内部に挟み込んだ多層構造体を形成するためには熱圧着前に特殊な処理を行う必要があった。
そこで本発明は、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂をIC基板層に用いて、反りやゆがみを抑えることができるとともに生産性の高いセキュリティページを提供することを目的とする。
本発明は、ICチップを備えたIC層と、冊子に接続するための可撓性を持ったヒンジ層とを有するセキュリティページであって、IC層は、IC基板層とIC基板層の表裏に積層されたポリカーボネートから成る基板表面層とを有し、IC基板層が、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂から成ることを特徴とするセキュリティページである。
本発明は、IC基板層の表面に積層された基板表面層を第1基板表面層とし、第1基板表面層上に、レーザ印字層、レーザ印字層上に透明印刷層が積層されて成り、レーザ印字層及び透明印刷層が、ポリカーボネートから成ることを特徴とするセキュリティページである。
本発明は、IC基板層の裏面に積層された基板表面層を第2基板表面層とし、第2基板表面層上に、ポリカーボネートから成る有色印刷層が積層され、ヒンジ層は、単一材料繊維又は複合材料繊維により形成された網状構造を有し、第2基板表面層と有色印刷層の間に、ヒンジ層の一部が積層、かつ、挟み込まれて成ることを特徴とするセキュリティページである。
本発明は、基板表面層とヒンジ層の重ならない位置に形成された貫通打ち抜き穴から成る開口部を備え、開口部が、ポリカーボネートから成る透明充填材により形成された透明窓部であることを特徴とするセキュリティページある。
本発明は、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂から成るIC基板層の表裏に、ポリカーボネートから成る基板表面層を積層して成るIC層と、IC層の一方の面に、ポリカーボネートから成るレーザ印字層、レーザ印字層上にポリカーボネートから成る透明印刷層の順に配置され、IC層の他方の面に、ヒンジ層の一部を、ポリカーボネートから成る有色印刷層により挟み込まれて配置されて成る積層物を、熱圧着により一体化させてセキュリティーページを形成する、積層物の熱圧着方法において、積層物の表裏を一対の加熱熱源によりポリカーボネートのガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方の加熱温度により加圧する加熱工程と、一対の加熱熱源を積層物から非加圧状態にした後に、積層物の表裏を一対の冷却熱源で加圧して冷却する冷却工程を有ることを特徴とする積層物の熱圧着方法である。
本発明のセキュリティページによれば、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂をIC基板層に用い、IC基板層の表裏にポリカーボネートの基板表面層を積層することで、反りやゆがみを抑えることができるとともに生産性の高い熱圧着方法を行うことができる。
また、本発明の積層物の熱圧着方法によれば、積層物の外側と成る、レーザ印字層、透明印刷層、有色印刷層、及び基板表面層には必要な熱量の加熱温度で熱圧着を行え、積層物の内側であるIC基板層には外側ほどに加熱温度が達しないため、ポリカーボネートよりもガラス転移点や軟化点が低い熱可塑性樹脂を用いても溶融による変形を抑えることができ、コストを抑えた生産が可能と成る。
本発明の一実施例によるセキュリティページを有するセキュリティ文書を示す図 セキュリティページの断面構造を示す説明図 本発明の他の実施例によるセキュリティページの断面構造を示す説明図 本発明のセキュリティページを製造するための積層物の熱圧着方法の一実施例を示す説明図
本発明の第1の実施の形態によるセキュリティページは、IC基板層の表裏に基板表面層を積層し、基板表面層をポリカーボネートとし、IC基板層を、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂としたものである。
本実施の形態によれば、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂をIC基板層に用い、IC基板層の表裏にポリカーボネートの基板表面層を積層することで、反りやゆがみを抑えることができるとともに生産性の高い熱圧着方法を行うことができる。なお、本発明におけるガラス転移点は、JIS K7121で規定され、軟化点は、JIS K7206で規定される。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、IC基板層の表面に積層された基板表面層を第1基板表面層とし、第1基板表面層に、レーザ印字層及び透明印刷層を積層し、レーザ印字層及び透明印刷層をポリカーボネートとしたものである。
本実施の形態によれば、IC基板層の表面には、ポリカーボネートの第1基板表面層があり、この第1基板表面層に、ポリカーボネートとしたレーザ印字層、及びポリカーボネートとした透明印刷層を積層することで積層性を高めることができるとともに、強度を高めることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態において、IC基板層の裏面にされた基板表面層を第2基板表面層とし、ヒンジ層が網状構造を有し、第2基板表面層の一部に、ヒンジ層が積層され、第2基板表面層又はヒンジ層に有色印刷層が積層され、有色印刷層をポリカーボネートとし、ヒンジ層が第2基板表面層と有色印刷層とで挟み込まれて一体化したものである。
本実施の形態によれば、ヒンジ層は、ポリカーボネートである第2基板表面層及び有色印刷層で挟み込まれて熱圧着されることで、溶融したポリカーボネートが網状構造であるヒンジ層の隙間に入り込むため、第2基板表面層及び有色印刷層に対するヒンジ層の接続強度を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態において、基板表面層及びIC基板層の一部がヒンジ層と重なり、基板表面層及びIC基板層のヒンジ層と重ならない位置に形成された貫通打ち抜き穴から成る開口部を有し、開口部にポリカーボネートから成る透明材料が充填されて成る透明窓部を有するものである。
本実施の形態によれば、ヒンジ層を基板表面層及びIC基板層の全面に設けないことで、セキュリティページを薄くでき、ヒンジ層を構成する合成繊維がセキュリティページの周辺からほつれるような露出を防ぐことができる。また、貫通打ち抜き穴から成る開口部は、基板表面層及びIC基板層のヒンジ層と重ならない位置に形成しているため、打ち抜き加工によるヒンジ層を構成する合成繊維のほつれによる影響がなく、透明材料を充填した透明窓部を形成することができる。
本発明の第5の実施の形態による積層物の熱圧着方法は、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂から成るIC基板層の表裏に、ポリカーボネートから成る基板表面層を積層して成るIC層と、IC層の一方の面に、ポリカーボネートから成るレーザ印字層、レーザ印字層上にポリカーボネートから成る透明印刷層の順に配置され、IC層の他方の面に、ヒンジ層の一部を、ポリカーボネートから成る有色印刷層により挟み込まれて配置されて成る積層物を、熱圧着により一体化させてセキュリティーページを形成する、積層物の熱圧着方法において、積層物の表裏を一対の加熱熱源によりポリカーボネートのガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方の加熱温度により加圧する加熱工程と、一対の加熱熱源を積層物から非加圧状態にした後に、積層物の表裏を一対の冷却熱源で加圧して冷却する冷却工程を有ることを特徴とする積層物の熱圧着方法である。
本実施の形態によれば、積層物の外側と成る、レーザ印字層、透明印刷層、有色印刷層、及び基板表面層には必要な熱量の加熱温度で熱圧着を行え、積層物の内側であるIC基板層には外側ほどに加熱温度が達しないため、ポリカーボネートよりもガラス転移点や軟化点が低い熱可塑性樹脂を用いても溶融による変形を抑えることができ、コストを抑えた生産が可能と成る。
本発明の一実施例によるセキュリティページ1を説明する。図1は、セキュリティページ1を有するセキュリティ文書2を示している。セキュリティ文書2は、例えばパスポートであり、セキュリティページ1を含む複数のページから成る。セキュリティページ1は、情報部分1aと接続部分1bとからなり、接続部分1bを介してセキュリティ文書2及び他のページ3、4と縫合により接続される。セキュリティページ1は、中身ページ4及び見返しページ3と丁合されてミシン綴じされ、見返しページ3に表紙を積層し、ミシン糸に沿って折り曲げ後に断裁されて、冊子としてのセキュリティ文書2が形成される。情報部分1aには、レンチキュラーレンズ31、ホログラム32、及び透明窓部34が設けられ、個人的な情報、例えばパスポートであれば所有者の氏名、生年月日、発行日、有効期限、写真等が記載されている。これらの情報は主にレーザによって印字される。
図2は、セキュリティページの断面構造を示す説明図である。セキュリティページ1の接続部分1bはヒンジ層13から成る。ヒンジ層13は、網状構造を有し、単一材料繊維又は複合材料繊維で構成された個々の交差する糸を備えている織物で構成され、可撓性を有する。なお、網状構造ではなく、他の層と熱圧着が可能で、かつ可撓性を有する素材でもよく、例えばポリウレタンを用いることもできる。ヒンジ層13の一部は情報部分1aに配置される。セキュリティページ1は、可撓性をもつヒンジ層13と、IC層25と、レーザ印字層12とを備えている。
ICチップ23及びアンテナ24は、IC層25内に保持されている。IC層25は、IC基板層21と、IC基板層21の表裏に積層される第1基板表面層20及び第2基板表面層22とを有している。第1基板表面層20は、IC基板層21の表面に積層され、第2基板表面層22は、IC基板層21の裏面に積層される。IC基板層21は、第1基板21aと第2基板21bとが積層されて構成される。第1基板21aには、ICチップ23及びアンテナ24を配置する空間が形成されている。第2基板21bは、第1基板21aのアンテナ24が配置された面に積層される。ICチップ23及びアンテナ24を、第1基板21aに形成した空間に配置することで、IC基板層21の厚みは一定であり、平坦なIC基板層21が形成される。
第1基板表面層20には、レーザ印字層12、透明印刷層11、及び保護層10が積層される。図2では、レーザ印字層12を第1基板表面層20に積層し、透明印刷層11をレーザ印字層12に積層し、保護層10を透明印刷層11に積層した場合を示している。レーザ印字層12と透明印刷層11との間にはホログラム32が挿入されている。ホログラム32はセキュリティページ1の中において写真などと一部重なって配置される。保護層10は、透明なポリカーボネートからなり、透明印刷層11の文字や模様等の印刷30を外的な衝撃やキズから保護する。また、熱圧着時にレンチキュラーレンズ31などの凹凸構造も付与することができる。
第2基板表面層22の一部には、ヒンジ層13が積層され、第2基板表面層22又はヒンジ層13には有色印刷層15が積層される。有色印刷層15は、例えば白色であり、文字や模様等の印刷30が施されている。接続部分1bを除くヒンジ層13は、第2基板表面層22と有色印刷層15とで挟み込まれる。ヒンジ層13が存在しない個所では、第2基板表面層22と有色印刷層15とが直接積層される。図2では、有色印刷層15を第2基板表面層22に積層し、保護層16を有色印刷層15に積層した場合を示している。保護層16は、透明なポリカーボネートからなり、有色印刷層15の模様30を外的な衝撃やキズから保護する。
第2基板表面層22の一部はヒンジ層13と重なるが、ヒンジ層13と重ならない第2基板表面層22の面積は、ヒンジ層13と重なる第2基板表面層22の面積よりも大きい。このように、ヒンジ層13を第2基板表面層22の全面に設けないことで、セキュリティページ1を薄くでき、ヒンジ層13を構成する繊維がセキュリティページ1の周辺からほつれるような露出を防ぐことができる。
第1基板表面層20、第2基板表面層22、レーザ印字層12、透明印刷層11、及び有色印刷層15はポリカーボネートで構成し、当該各層のポリカーボネートは、後述するIC基板層21と同じガラス転移点又はビカット軟化点であり、ガラス転移点又はビカット軟化点が異なると層間の密着性が損なわれる。
IC基板層21は、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂としている。IC基板層21に用いる熱可塑性樹脂には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、変性ポリフェニレネーテル、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレートを用いることができる。IC基板層21は、これらの熱可塑性樹脂をシート状に形成するか、又はポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維などの合成繊維から成る不織布から成り、ガラス転移点をポリカーボネートよりもやや低めに設定された、例えばグリコール変性ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂シートで形成する。例えば、ポリカーボネートの転移点又はビカット軟化点が130~170℃であれば、80から120℃のガラス転移点又は軟化点を有するポリブチレンテレフタレートを使用する。IC基板層21と第1基板表面層20との積層、及びIC基板層21と第2基板表面層22との積層は、熱圧着や積層剤によって行われている。双方の樹脂の軟化点又はガラス転移点が高すぎると、層の柔軟性が不足し、層間の密着性が損なわれる。逆に、軟化点又はガラス転移点が低すぎると、ひずみが大きく成る。
IC層25、レーザ印字層12、透明印刷層11、有色印刷層15、及び保護層10、16は、熱圧着によって一体成型され、プラスチックカードとしてのセキュリティページ1を構成する。
図3は本発明の他の実施例によるセキュリティページの断面構造を示す説明図である。 図3に示す実施例では、図1及び図2に示す実施例と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、IC層25と有色印刷層15とを打ち抜くことで、貫通打ち抜き穴から成る開口部を形成し、開口部に透明充填材33を挿入して透明窓部34を配置する。透明充填材33は、透明なポリカーボネートで形成されている。このように、透明なポリカーボネートから成る透明充填材33をセキュリティページ1の内側に挿入することによって、セキュリティページ1を観察したときに透明窓部34を確認することが可能と成る。
また、ホログラム32と透明窓部34の一部を重ねて配置することで、セキュリティページ1の表裏からホログラム32を観察することが可能と成る。また、貫通打ち抜き穴から成る開口部は、第1基板表面層20、第2基板表面層22のヒンジ層13と重ならない位置に形成しているため、打ち抜き加工によるヒンジ層13を構成する合成繊維のほつれによる影響がなく、透明材料33を充填した透明窓部34を形成することができる。
図4は、本発明のセキュリティページを製造するための積層物の熱圧着方法の一実施例を示す説明図である。
本発明のセキュリティページ1は、セキュリティ文書2として冊子に綴じこむ場合に、冊子に糸綴じにより接続するためのヒンジ層13と、ICチップ23を保持するIC基板層21とを有する。図4に示す積層物40は、セキュリティページ1を熱圧着により一体化する前の段階の積層構成を示し、IC層25、レーザ印字層12、透明印刷層11、ヒンジ層13、及び有色印刷層15から成る。なお、積層物40は、IC層25とヒンジ層13とは必須であるが、レーザ印字層12、透明印刷層11、及び有色印刷層15については、必ずしも備えていなくてもよく、ポリカーボネートから成る保護層10、16を備えていてもよい。
ここで、IC層25は、ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点が低い熱可塑性樹脂としたIC基板層21の表裏にポリカーボネートから成る基板表面層20、22を積層しているものである。レーザ印字層12及び透明印刷層11は、ポリカーボネートからなり、IC層25の一方の面に配置されるものである。ヒンジ層13は、IC層25の他方の面に配置されるものである。有色印刷層15は、ポリカーボネートからなり、IC層25の他方の面に配置されるものである。
本実施例による積層物40の熱圧着方法は、積層物40の表裏を一対の加熱熱源43で加圧して加熱する加熱工程と、一対の加熱熱源43を積層物40から非加圧状態にした後に、積層物40の表裏を一対の冷却熱源44で加圧して冷却する冷却工程とを有する。
積層物40の表面には金属板41が、積層物40の裏面には金属板42が配置され、図4に示す装置概念図では、金属板41及び金属板42は、それぞれベルト状に連続した輪を形成している。それぞれの金属板41、42の内側には熱圧着のための加熱熱源43と冷却熱源44が配置されている。
熱圧着において、まず上下2つの加熱熱源43で積層物40を挟み込むように加圧し、約30秒程度加熱した後、加圧を解除して非加圧状態にする。その後に積層物40は金属板41、42と積層状態にあるため金属板41、42を回転させて積層物40を冷却熱源44で挟み込む位置に移動させる。そして積層物40を冷却させることで熱圧着が完了し、セキュリティページ1として完成する。
このとき、複数の積層物40を重ねることなく、1つの積層物40だけを加熱するため、積層物40の内部にあるIC層25までは十分に加熱されず、IC層25の表裏に配置されるレーザ印字層12、透明印刷層11、及び有色印刷層15を圧着するのに十分な熱量の加熱温度で熱圧着を行うことができる。
すなわち、加熱工程では、レーザ印字層12、透明印刷層11、及びIC層25の一方の面を形成する第1基板表面層20を熱圧着、かつ、有色印刷層15、ヒンジ層13、及びIC層25の他方の面を形成する第2基板表面層22を熱圧着されるに十分な熱量の加熱温度で、IC基板層21が溶融しない熱量の加熱温度を加える。
従って、積層物40の外側を形成する、レーザ印字層12、透明印刷層11、有色印刷層15、及び基板表面層20、22には必要な熱量の加熱温度で熱圧着を行え、積層物40の内側には外側ほどには加熱温度が達しないため、IC基板層21にポリカーボネートよりもガラス転移点や軟化点が低い熱可塑性樹脂を用いても溶融による変形を抑えることができ、コストを抑えた生産が可能と成る。
以上のように、本実施例によれば、ポリカーボネートよりもガラス転移点及び/又は軟化点が低い熱可塑性樹脂をIC基板層21に用い、IC基板層21の表裏にポリカーボネートの基板表面層20、22を積層することで、反りやゆがみを抑えることができるとともに生産性の高い熱圧着方法を行うことができる。
また、本実施例によれば、IC基板層21の表面には、ポリカーボネートの第1基板表面層20があり、この第1基板表面層20に、ポリカーボネートとしたレーザ印字層12、及びポリカーボネートとした透明印刷層11を積層することで、積層性を高めることができるとともに強度を高めることができる。
また、本実施例によれば、ヒンジ層13は、ポリカーボネートである第2基板表面層22及び有色印刷層15で挟み込まれて熱圧着されることで、溶融したポリカーボネートがヒンジ層13の網状構造の隙間に入り込むため、第2基板表面層22及び有色印刷層15に対するヒンジ層13の接続強度を高めることができる。
本発明は、旅券等のセキュリティ文書におけるプラスチックによる身分事項ページに適している。
1 セキュリティページ
1a 情報部分
1b 接続部分
2 セキュリティ文書
3 見返しページ(他のページ)
4 中身ページ(他のページ)
10 保護層
11 透明印刷層
12 レーザ印字層
13 ヒンジ層
15 有色印刷層
16 保護層
20 第1基板表面層(基板表面層)
21 IC基板層
21a 第1基板
21b 第2基板
22 第2基板表面層(基板表面層)
23 ICチップ
24 アンテナ
25 IC層
30 印刷(模様)
31 レンチキュラーレンズ
32 ホログラム
33 透明充填材
34 透明窓部
40 積層物
41 金属板
42 金属板
43 加熱熱源
44 冷却熱源

Claims (5)

  1. ICチップを備えたIC層と、冊子に接続するための可撓性を持ったヒンジ層とを有するセキュリティページであって、
    前記IC層は、IC基板層と前記IC基板層の表裏に積層されたポリカーボネートから成る基板表面層とを有し、
    前記IC基板層が、前記ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂から成ることを特徴とするセキュリティページ。
  2. 前記IC基板層の表面に積層された前記基板表面層を第1基板表面層とし、
    前記第1基板表面層上に、レーザ印字層、前記レーザ印字層上に透明印刷層が積層されて成り、
    前記レーザ印字層及び前記透明印刷層が、前記ポリカーボネートから成ることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティページ。
  3. 前記IC基板層の裏面に積層された前記基板表面層を第2基板表面層とし、
    前記第2基板表面層上に、前記ポリカーボネートから成る有色印刷層が積層され、
    前記ヒンジ層は、単一材料繊維又は複合材料繊維により形成された網状構造を有し、
    前記第2基板表面層と前記有色印刷層の間に、前記ヒンジ層の一部が積層、かつ、挟み込まれて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセキュリティページ。
  4. 前記基板表面層と前記ヒンジ層の重ならない位置に形成された貫通打ち抜き穴から成る開口部を備え、
    前記開口部は、前記ポリカーボネートから成る透明充填材により形成された透明窓部であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセキュリティページ。
  5. ポリカーボネートよりもガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方が低い熱可塑性樹脂から成るIC基板層の表裏に、前記ポリカーボネートから成る基板表面層を積層して成るIC層と、前記IC層の一方の面に、前記ポリカーボネートから成るレーザ印字層、前記レーザ印字層上に前記ポリカーボネートから成る透明印刷層の順に配置され、前記IC層の他方の面に、ヒンジ層の一部を、前記ポリカーボネートから成る有色印刷層により挟み込まれて配置されて成る積層物を、熱圧着により一体化させてセキュリティーページを形成する、積層物の熱圧着方法において、
    前記積層物の表裏を一対の加熱熱源により前記ポリカーボネートのガラス転移点又は軟化点の少なくとも一方の加熱温度により加圧する加熱工程と、
    前記一対の加熱熱源を前記積層物から非加圧状態にした後に、前記積層物の前記表裏を一対の冷却熱源で加圧して冷却する冷却工程を有ることを特徴とする積層物の熱圧着方法。
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