JP2023077250A - 基板保持装置、リソグラフィ装置、基板保持方法、および物品の製造方法 - Google Patents

基板保持装置、リソグラフィ装置、基板保持方法、および物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反りを有する基板を保持するために有利な技術を提供する。【解決手段】反りを有する基板を保持する基板保持装置は、前記基板を保持する保持面を有するステージと、前記基板に振動を与える加振部と、前記ステージに前記基板を保持させる処理を制御する制御部と、を備え、前記保持面は、前記基板の第1部分を保持する第1保持領域と、前記基板のうち前記第1部分とは異なる第2部分を保持する第2保持領域とを含み、前記制御部は、前記処理において、前記基板の前記第1部分を前記第1保持領域に保持させた状態で前記第2保持領域から離間する前記基板の前記第2部分に対し、前記加振部により振動を与えて共振させることにより、前記第2保持領域と前記第2部分とを接触させて前記第2保持領域に前記第2部分を保持させる。【選択図】図6

Description

本発明は、基板保持装置、リソグラフィ装置、基板保持方法、および物品の製造方法に関する。
近年における半導体デバイスや液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウェハやガラスプレートなどの基板上に複数の層を堆積させたり、基板に対してストレスの強い膜や比較的厚い膜を形成したりすることがある。このような場合、基板に反りが生じうるため、露光装置で基板上にパターンを形成する工程等において、基板保持装置(基板ステージ)に基板を正常に保持させることが困難になりうる。そのため、基板の保持に関して、基板の反りを矯正するための技術が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、基板の反りを矯正する外周押さえ部材を有する移載装置が開示されている。また、特許文献2には、反り基板の裏面とチャック上面との間にできる隙間を封止するシール構造を設けたチャック装置が開示されている。
特開2001-284434号公報 実開昭54-164982号公報
特許文献1および特許文献2に記載された装置では、基板の反りを矯正するための部材を基板の表面(パターンを形成する面)もしくは基板の外周端部に接触させるため、基板へ異物が付着したり基板が汚染されたりするリスクが高くなりうる。したがって、基板の表面および外周端部に接触させる部材を用いなくとも、基板の反りが低減されるように当該基板を基板ステージに保持させることができる構成・方法が望まれる。
そこで、本発明は、反りを有する基板を保持するために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての基板保持装置は、反りを有する基板を保持する基板保持装置であって、前記基板を保持する保持面を有するステージと、前記基板に振動を与える加振部と、前記ステージに前記基板を保持させる処理を制御する制御部と、を備え、前記保持面は、前記基板の第1部分を保持する第1保持領域と、前記基板のうち前記第1部分とは異なる第2部分を保持する第2保持領域とを含み、前記制御部は、前記処理において、前記基板の前記第1部分を前記第1保持領域に保持させた状態で前記第2保持領域から離間する前記基板の前記第2部分に対し、前記加振部により振動を与えて共振させることにより、前記第2保持領域と前記第2部分とを接触させて前記第2保持領域に前記第2部分を保持させる、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、反りを有する基板を保持するために有利な技術を提供することができる。
露光装置の構成例を示す概略図 露光装置における基板搬送系の構成例を示す概略図 基板ステージ上に基板を供給する処理を説明するための図 基板ステージ(保持面)の構成例を示す模式図 基板保持装置における保持処理を示すフローチャート 基板駆動機構を加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図 加振部により基板の外周部に振動を与える時間を説明するための図 基板の外周部における共振モードを説明するための図 加振部によって基板の外周部に与える振動の周波数を変化させる例を示す図 リフトピンを駆動するアクチュエータを加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図 基板ステージ(保持面)の変形例を示す模式図 基板送り込みハンドを加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図 基板送り込みハンドを加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図 第5実施形態基板ステージの保持面の構成例を示す模式図 噴射部からの気体の噴射タイミングを示す図 音波出力部を加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
以下の実施形態では、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置として、基板を露光して原版のパターンを基板上に転写する露光装置を例示し、本発明に係る基板保持装置を露光装置に適用する例を説明するが、それに限られるものではない。例えば、モールドを用いて基板上の組成物を成形する成形装置(インプリント装置、平坦化装置)や、荷電粒子線を用いて基板上にパターンを形成する描画装置などの他のリソグラフィ装置においても、本発明に係る基板保持装置を適用することができる。また、本発明に係る基板保持装置は、リソグラフィ装置に限られず、基板に対して計測を行う計測装置や、基板を加工する加工装置など、他の周知の処理を行う処理装置に適用可能である。
本明細書および添付図面では、後述の投影光学系5の光軸に沿った方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な面をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX方向、θY方向、θZ方向とする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸周りの回転方向、Y軸周りの回転方向、Z軸周りの回転方向に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、傾き(姿勢)は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または傾き(姿勢)を制御することを意味する。なお、以下の説明において、「X軸方向」と記載している場合、それは+X軸方向および-X軸方向を含むものとして定義されうる。「Y軸方向」および「Z軸方向」についても同様である。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の露光装置100の構成例を示す概略図である。本実施形態の露光装置100は、基板9を露光して原版2のパターンを基板上に転写する露光処理を行う装置である。露光処理は、基板9におけるショット領域の各々に対して行われうる。
露光装置100は、例えば、照明系1と、原版ステージ3と、投影光学系5(投影露光レンズ)と、基板ステージ8(基板チャック)と、基板駆動機構6とを備えうる。照明系1は、原版2を照明する。原版2は、マスクやレチクルであり、基板上に転写されるべき回路パターンを有する。原版ステージ3は、真空力や静電力などの吸引力を発生して原版2を保持するとともに、不図示の駆動機構によって複数の軸方向(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸方向)の各々に移動可能に構成されうる。投影光学系5は、照明系1により照明された原版2のパターンを基板上に投影する。基板ステージ8は、真空力や静電力などの吸引力を発生して基板9を保持(吸引保持)する保持面を有するとともに、基板駆動機構6によって複数の軸方向(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸方向)の各々に移動可能に構成されうる。基板9としては、例えば半導体ウェハやガラスプレートが用いられうる。基板駆動機構6は、基板ステージ8を複数の軸方向の各々に駆動することにより、基板ステージ8によって保持された基板9を複数の軸方向の各々に駆動する。
ここで、基板ステージ8および基板駆動機構6は、基板9を保持する基板保持装置の一部を構成するものとして理解されてもよい。基板保持装置の具体的な構成については後述する。また、照明系1、原版ステージ3および投影光学系5は、基板保持装置(基板ステージ8)により保持された基板上にパターンを形成する形成部を構成するものとして理解されてもよい。
また、露光装置100は、原版位置計測部4と、基板位置計測部7と、オートフォーカスユニット10とを備えうる。原版位置計測部4は、例えばレーザ干渉計を含み、原版ステージ3によって保持された原版2のXY方向(XY平面に沿った方向)の位置を計測する。基板位置計測部7は、例えばレーザ干渉計を含み、基板ステージ8によって保持された基板9のXY方向の位置を計測する。オートフォーカスユニット10は、基板9の表面(被露光面)に光を斜入射させ、当該表面で反射された光を検出することにより、基板9の表面位置(ピント位置)を計測する。なお、本実施形態の場合、基板駆動機構6は、基板ステージ8を支持してXY方向に移動することにより基板ステージ8および基板9をXY方向に駆動するように構成されている。そのため、基板位置計測部7は、基板駆動機構6のXY方向の位置を計測することで、その計測結果に基づいて基板9のXY方向の位置を求めることができる。
次に、露光装置100における基板9の搬送について図2を参照しながら説明する。図2は、露光装置100を上方(+Z軸方向)から見た模式図であり、基板ステージ8の上に基板9を搬送(搬入、搬出)するための基板搬送系の構成例を示している。図2の例では、チャンバ30と、基板ステージ8と、基板駆動機構6と、プリアライメント部13と、基板搬送用ハンド14と、基板送り込みハンド12と、制御部15と、基板搬入ステーション16と、基板搬出ステーション17とが示されている。
チャンバ30は、露光環境を一定の温度および湿度に維持する。基板ステージ8は、基板9を保持するとともに、基板9の露光処理を行う際には投影光学系5の下方に配置される。また、基板ステージ8は、基板駆動機構6の駆動により、図2において三角で示されている基板回収位置18および基板供給位置19にも移動しうる。基板回収位置18は、露光処理が行われた基板9を基板ステージ8上から回収する際に基板ステージ8が移動する(配置される)位置である。基板供給位置19は、プリアライメントが行われた基板9を基板ステージ8上に搬送(供給)する際に基板ステージ8が移動する(配置される)位置である。
制御部15は、例えばCPUなどのプロセッサやメモリを有するコンピュータによって構成され、露光装置100の各部を制御することにより露光装置100で行われる各処理(例えば、基板ステージ8による基板9の保持処理、基板9の露光処理)を制御する。図2の例では、制御部15は、ユーザインタフェース31と電気的に接続されている。なお、制御部15は、1台のコンピュータによって構成されていてもよいし、複数台のコンピュータにより構成されていてもよい。
基板搬入ステーション16は、チャンバ30の外部から搬入された基板9(即ち、露光装置100において露光処理が未だ行われていない基板9)が配置される場所である。基板搬出ステーション17は、露光装置100において露光処理が既に行われた基板9(即ち、チャンバ30の外部へ搬出される基板9)が配置される場所である。プリアライメント部13は、露光処理に先立って基板9のプリアライメント(前処理)を行う。プリアライメントは、例えば、基板9を回転させながら基板9の中心位置や、基板9の向き、基板9の反り量を検出する処理でありうる。
基板搬送用ハンド14は、基板搬入ステーション16からプリアライメント部13に基板9を搬送したり、基板回収位置18に配置された基板ステージ8上から基板9を回収して基板搬出ステーション17に搬送したりする基板搬送機構である。また、基板送り込みハンド12は、プリアライメント部13でプリアライメントが行われた基板を、基板供給位置19に配置された基板ステージ8上に搬送する基板搬送機構(搬送部)である。
ここで、基板ステージ8には、基板ステージ8の保持面に対して基板9を昇降するために当該保持面から突出可能な複数のリフトピン11(図2では3本)が設けられる。複数のリフトピン11は、基板送り込みハンド12によって基板ステージ8上に基板9を供給する際、および、基板搬送用ハンド14によって基板ステージ8上から基板9を回収する際に、基板ステージ8の保持面から突出して基板9と当該保持面とを離間させる。このように基板ステージ8の保持面から複数のリフトピン11を突出させることにより、基板送り込みハンド12および/または基板搬送用ハンド14を基板9と基板ステージ8の保持面との間に挿入させることができる。なお、基板ステージ8の保持面からのリフトピン11の突出は、リフトピン11を停止させた状態で基板ステージ8を上下移動させることで行われてもよいし、基板ステージ8を停止させた状態でリフトピン11を上下移動させることで行われてもよい。複数のリフトピン11は、基板ステージ8と一体でXY方向に移動するように構成されうる。
次に、基板送り込みハンド12により基板9を基板ステージ8上に供給する(受け渡す)処理について、図3を参照しながら説明する。図3は、基板送り込みハンド12が基板ステージ8上に基板9を供給する処理を説明するための図であり、図3(a)~(e)は、基板送り込みハンド12および基板ステージ8のリフトピン11の動作を時系列で示している。
まず、プリアライメント部13でプリアライメントが行われた基板9を基板送り込みハンド12に回収させる。そして、基板送り込みハンド12を+Y軸方向に駆動し(図3(a))、基板供給位置19に配置された基板ステージ8の保持面8aの上方に基板9を配置する(図3(b))。このとき、基板ステージ8の保持面8aからリフトピン11が突出した状態であるため、基板送り込みハンド12は、当該リフトピン11に基板9が接触しないように、基板ステージ8の保持面の上方に基板9を移動させる。次いで、基板送り込みハンド12を-Z軸方向に駆動することにより基板9を下降させて基板9をリフトピン11上に配置し(図3(c))、基板送り込みハンド12を-Y軸方向に駆動して退避させる(図3(d))。これにより、基板送り込みハンド12によってリフトピン11上に基板9を供給する処理が終了し、基板9がリフトピン11上に配置される。そして、基板ステージ8の保持面8aからのリフトピン11の突出量を減少させることにより、基板ステージ8の保持面8a上に基板9を配置(載置)することができる(図3(e))。
[基板保持装置について]
露光装置100により露光処理が行われる基板9は、複数の層が堆積されたり、基板9に対してストレスの強い膜や比較的厚い膜が形成されたりすることによって、反りが生じていることがある。このように基板9に反りが生じていると、露光処理によって基板9上にパターンを精度よく形成することが困難になるため、基板9の反りが低減(矯正)されるように基板ステージ8に基板9を保持させることが望まれる。そこで、本実施形態の露光装置100には、反りを有する基板9を保持することができる基板保持装置が設けられる。基板保持装置は、基板9を保持する保持面8aを有する基板ステージ8と、基板9に振動を与える加振部と、基板ステージ8に基板9を保持させる処理(保持処理)を制御する制御部15とを含む。
まず、本実施形態の基板ステージ8の構成について説明する。図4は、本実施形態の基板ステージ8の保持面8aを上方(+Z軸方向)から見た模式図であり、基板ステージ8(保持面8a)の構成例を示している。基板ステージ8の保持面8aは、基板9の第1部分を保持(吸引保持)する第1保持領域81と、基板9のうち第1部分とは異なる第2部分を保持(吸引保持)する第2保持領域82とを有する。そして、第1保持領域81と第2保持領域82とで、基板9を吸引するための吸引力を個別に制御することができるように構成されうる。ここで、基板9の第1部分は、基板9が保持面8aの上に載置されたときに当該保持面8aに接触する部分であり、本実施形態では基板9の中央部として説明する。基板9の第2部分は、基板9が保持面8aの上に載置されたときに基板9の反りに起因して当該保持面8aから離間する部分であり、本実施形態では基板9の外周部として説明する。
第1保持領域81は、基板ステージ8の本体部分から+Z軸方向に突出した第1隔壁部材83aによって囲まれた領域であり、基板9の中央部を正常に保持したときに密閉空間となる。第1保持領域81には、配管を介して真空源88aに接続された孔84aが設けられており、圧力計89aによって第1保持領域81の真空圧(吸引力)が検出される。第1隔壁部材83aは、例えば、基板9が保持面8a上に載置されたときに当該保持面8aに接触する基板9の中央部が第1保持領域81によって確実に保持されるように、基板9の径の半分以下の径で構成されるとよい。
第2保持領域82は、基板ステージ8の本体部分から+Z軸方向に突出した第2隔壁部材83bによって囲まれ、且つ、第1隔壁部材83aによって第1保持領域81と仕切られた領域であり、基板9の外周部を正常に保持したときに密閉空間となる。第2保持領域82には、配管を介して真空源88bに接続された孔84bが設けられており、圧力計89bによって第2保持領域82の真空圧(吸引力)が検出される。第2隔壁部材83bは、第2保持領域82によって基板9の外周部が正常に保持されたときに基板9の外周端部に接触するように基板9の外形より僅かに小さい径で構成されるとよい。また、第2保持領域82には、複数のリフトピン11を保持面8aから突出させるために複数のリフトピン11がそれぞれ貫通する複数の貫通孔85(図4では3個)が設けられている。複数の貫通孔85は、それぞれ隔壁部材86によって囲まれている。
第1保持領域81および第2保持領域82の各々には、ピン形状やリブ形状に形成された複数の凸部87が設けられている。図4では、各保持領域81~82に形成された複数の凸部87の一部のみが示されているが、当該複数の凸部87は、保持面8(各保持領域81~82)の全体に対して設けられうる。
このように基板ステージ8の保持面8aを構成することにより、第1保持領域81および第2保持領域82の各々に発生させる吸引力(真空力、保持力)を個別に制御することができる。なお、図4では、保持面8aを2つの保持領域81~82で構成した例を示したが、3つ以上の保持領域で構成してもよい。また、図4では、各保持領域81~82を同心円状の領域として構成したが、同心円状や円形状でなく多角形状であってもよい。さらに、図4の例では、第1保持領域81と第2保持領域82とで別々の真空源88a、88bを用いたが、共通の真空源を用いてもよい。
次に、本実施形態の基板保持装置における、反りを有する基板9を基板ステージ8に保持させる保持処理について、図5~図6を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の基板保持装置における保持処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおける各工程は制御部15によって実行されうる。また、図6は、本実施形態の基板保持装置における保持処理の様子を時系列で示す模式図である。図6には、基板9、基板ステージ8および基板駆動機構6が図示されている。本実施形態では、基板9が下凸形状の反りを有し、基板9に振動を与える加振部として基板駆動機構6を用いる例を説明する。
ステップS11では、制御部15は、図3を用いて前述したように、基板送り込みハンド12により基板ステージ8の保持面8a上に基板9を載置(配置)する。次いで、ステップS12では、制御部15は、真空源88a~88bを制御することにより、基板ステージ8の保持面8aにおける第1保持領域81および第2保持領域82の各々に吸引力を発生させる。このとき、図6(a)に示されるように、基板9の中央部(第1部分)は、ステップS11で基板9が保持面8a上に載置されたときに第1隔壁部材83aに接触するため、第1保持領域81によって保持される。一方、基板9の外周部(第2部分)は、基板9の反りに起因して保持面8a(第2保持領域82)から離間しているため、基板9の外周端部が第2隔壁部材83bに接触せず、第2保持領域82によって保持されない。
ステップS13では、制御部15は、図6(b)に示されるように、第1保持領域81および第2保持領域82の各々に吸引力を発生させながら、加振部によって基板9の外周部(第2部分)に振動を与えて当該外周部を共振させる。つまり、第1保持領域81で基板9の中央部を保持して基板ステージ8と基板9との位置関係を固定した状態において、第2保持領域82に吸着力を発生させながら、加振部によって基板9の外周部に振動を与えて当該外周部を共振させる。
本実施形態の場合、加振部として基板駆動機構6が用いられ、基板駆動機構6によって基板ステージ8を振動させることにより基板9の外周部に振動を与える。このとき、制御部15は、基板9の中央部が第1保持領域81に保持された状態で基板9の外周部が共振する共振周波数の情報を取得し、当該共振周波数で加振部(基板駆動機構6)により基板9の外周部に振動を与えうる。制御部15は、図7に示されるように、共振周波数の逆数によって得られる共振周期の1/2以上の時間で加振部(基板駆動機構6)により基板9の外周部に振動を与えるとよい。また、制御部15は、基板9の反り量を示す情報を取得し、当該反り量以上の振幅で基板9の外周部が共振するように、加振部(基板駆動機構6)により基板9の外周部に振動を与えうる。これにより、基板9の外周部がZ軸方向に揺動するため、基板9の外周部を第2保持領域82に接触させ(即ち、基板9の外周端部を基板ステージ8の第2隔壁部材83bに接触させ)、第2保持領域82に基板9の外周部を保持させることができる。なお、共振周波数は、基板9の固有振動数として理解されてもよい。
ステップS14では、制御部15は、圧力計89bによって検出された第2保持領域82の真空圧(吸引力)が許容範囲内であるか否かを判断する。許容範囲は、第2保持領域82によって基板9の外周部が正常に保持されたときの真空圧(吸引力)に設定されうる。圧力計89bによって検出された真空圧が許容範囲内である場合には、第2保持領域82によって基板9の外周部が正常に保持されたと判断して終了する。一方、圧力計89bによって検出された真空圧が許容範囲内にない場合にはステップS13を繰り返す。なお、制御部15は、ステップS13に戻る度に、加振部により基板9の外周部に与える振動の周波数および振幅を変更してもよい。
次に、前述したステップS13において基板9の外周部が共振するように基板9に与える振動の周波数および振幅について説明する。制御部15には、共振周波数リスト、共振振幅リスト、および基板反り量リストが記憶されている。共振周波数リストとは、基板9の厚み、寸法(大きさ)、材質等の様々な組み合わせに対する基板9の共振周波数を示すリストであり、実験やシミュレーションなどにより事前に取得される。共振振幅リストとは、基板9に与える振動の各周波数における入力振幅に対する共振振幅を示すリストであり、実験やシミュレーションなどにより事前に取得される。また、基板反り量リストとは、基板9の厚み、寸法、材質等の様々な組み合わせに対して基板9に生じると想定(推定)される反り量のリストであり、実験やシミュレーションなどにより事前に取得される。
制御部15は、基板9の厚み、寸法、材質等の情報(以下、基板情報と呼ぶことがある)を取得する。基板情報は、ユーザインタフェース31を介してユーザにより入力された情報であってもよいし、外部の測定装置での測定により得られた情報であってもよい。そして、制御部15は、基板反り量リストを参照することにより、基板情報に対応する基板9の反り量の情報を取得する。なお、本実施形態では、基板情報に基づいて基板反り量リストから基板9の反り量の情報を取得したが、プリアライメント部13または外部の測定装置で計測された基板9の反り量の情報を当該プリアライメント部13または外部の測定装置から取得してもよい。
また、制御部15は、共振周波数リストを参照することにより、基板情報に対応する共振周波数の情報を取得する。さらに、制御部15は、基板情報に対応する共振周波数について共振振幅リストを参照することにより、取得した基板9の反り量以上の振幅が得られる入力振幅の情報を取得する。制御部15は、このように取得された共振周波数の情報および入力振幅の情報に基づいて加振部(基板駆動機構6)により基板9に振動を与える。これにより、基板9の外周部を、第2保持領域82に接触するように共振させることができる。
ここで、基板の反りの状態(形状)によっては、1次の共振周波数で基板9の外周部を振動させるだけでは、当該外周部を効率よく共振(揺動)させることが困難になることがある。そのため、1次の共振周波数だけでなく、2次以上の共振周波数も用いて基板9の外周部を振動させてもよい。これにより、図8に示されるように、様々な共振モードで基板9の外周部を共振させることができるため、より効率的に基板9の外周部を第2保持領域82に保持させることができる。図8(a)は1次共振モード(1次共振周波数)での基板9の振動、図8(b)は2次共振モード(2次共振周波数)での基板9の振動、図8(c)は3次共振モード(3次共振周波数)での基板9の振動をそれぞれ示している。
例えば、制御部15は、共振周波数リストとして、1次共振周波数を示すリスト、2次共振周波数を示すリスト、および3次共振周波数を示すリストを事前に取得しておき、基板情報に対応する1次~3次共振周波数の情報を取得するとよい。そして、制御部15は、1次~3次共振周波数を、低次の周波数から順番に加振部により基板9に振動を与えるとよい。なお、基板9に与える振動の周波数は、1次~3次共振周波数に限られず、1次~2次共振周波数のみであってもよいし、4次以上の共振周波数を更に加えてもよい。また、基板9に与える振動の方向としては、水平方向(X軸方向、Y軸方向)や鉛直方向(Z軸方向)など任意の方向でよいが、基板ステージ8の保持面8aに直交する方向(Z軸方向)にすることで、基板9の外周部を効率的に共振させることができる。
上述したように、本実施形態の基板保持装置は、基板9の中央部を第1保持領域81に保持させた状態で第2保持領域82から離間する基板9の外周部に対し、加振部(基板駆動機構6)により振動を与えて共振させる。これにより、第2保持領域82と基板9の外周部とを接触させて第2保持領域82に当該外周部を保持させることができる。即ち、基板9の表面および外周端部に接触させる部材を用いなくとも、基板9の反りが低減されるように当該基板9を基板ステージ8に保持させることができる。
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態について説明する。第1実施形態では、所定の共振周波数で基板9の外周部に振動を与える例について説明した。本実施形態では、基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させる例について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、以下で説明する事項以外については第1実施形態で説明したとおりである。
本実施形態では、前述した図5のフローチャートのステップS13において、制御部15は、第1保持領域81および第2保持領域82の各々に吸引力を発生させながら、加振部によって基板9の外周部(第2部分)に与える振動の周波数を変化させる。例えば、制御部15は、基板9の外周部が共振する共振周波数を含む周波数範囲において、加振部によって基板9の外周部に与える振動の周波数を時間の経過とともに変化(スイープ)させる。当該周波数範囲は、1次~3次共振周波数が含まれるように設定されるとよいが、1次共振周波数のみ、1次~2次共振周波数のみ、あるいは、4次以上の共振周波数も含まれるように設定されてもよい。当該周波数範囲は、基板9の厚み、寸法、材質等によって変わるが、例えば10~300Hzであることが好ましい。
図9は、加振部によって基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させる例を示している。図9(a)は、加振部によって基板9の外周部に与える振動(入力振動)の周波数の時間変化を示しており、図9(b)は、加振部によって基板9の外周部に与える振動(入力振動)の波形を示している。図9(b)では、加振力(振幅)の最大値を1として規定し、変化の開始周波数を10Hz、終了周波数を300Hzとしている。また、図9(c)は、図9(b)に示される入力波形で基板9の外周部に振動を与えたときに基板9の外周部で生じる振動(応答振動、出力振動)の波形を示している。また、図9(a)の例では、時間の経過とともに周波数を増加させているが、時間の経過とともに周波数を減少させてもよい。また、図9(a)の例では、時間の経過とともに一定の傾きで周波数を変化させているが、時間の経過とともに傾きを変化させながら周波数を変化させてもよい。また、図9(a)の例では、時間の経過とともに連続的に周波数を変化させているが、時間の経過とともに段階的に周波数を変化させてもよい。
図9(c)に示されるように、加振を開始してからしばらくの間は、入力振動の波形の振幅と同じ振幅で基板9の外周部が振動するが、1次共振周波数(0.24sec付近)に近づくと基板9の外周部が共振し、基板9の外周部の振幅が増大する。また、1次共振周波数を過ぎると、入力振幅の波形の振幅と同じ振幅で基板9の外周部が振動するが、2次共振周波数(0.32sec付近)に近づくと基板9の外周部が再び共振し、基板9の外周部の振幅が増大する。さらに、2次共振周波数を過ぎると、入力振幅の波形の振幅と同じ振幅で基板9の外周部が振動するが、3次共振周波数(0.6sec付近)に近づくと基板9の外周部が再び共振し、基板9の外周部の振幅が増大する。このように加振部によって基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させることにより、第1実施形態のように1次~3次共振周波数を取得(算出)しなくとも、1次~3次共振周波数で基板9の外周部を共振させることができる。また、基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させることによって基板9の共振周波数を決定することができる。そのため、当該基板9と厚みや寸法、材質等が同様である次の基板では、周波数を変化させずに、決定した共振周波数で基板9の外周部に振動を与えてもよい。
ここで、基板9の反り形状は、図8(a)に示されるように、基板9の中心部から外周部に向かって同心円状に反りの角度が大きくなる形状だけでない。例えば、基板9の反り形状は、図8(b)に示されるように、互いに直交する2つの軸方向で上方向反りと下方向反りが異なる成分を含む形状(ねじれ形状と呼ばれることがある)を含む場合もある。さらに、図8(c)に示されるように、より高次の成分を含む形状(うねり形状と呼ばれることもある)を含む場合もある。このような複数の成分を含む反り形状を有する基板9に対しては、本実施形態のように、基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させることが効果的である。
また、制御部15は、基板情報(基板9の厚み、寸法、材質の情報)から得られる反り量以上の振幅で基板9の外周部が共振するように、基板9の外周部に与える振動の振幅を設定するとよい。但し、基板9の厚み、寸法、反り量のばらつきによって適切な振幅が一意に定まらない場合がある。このような場合、基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させることに加え、当該振動の振幅が徐々に大きくなるように当該振動の振幅も変化させるとよい。
上述したように、本実施形態では、保持処理において、基板9の外周部が共振する共振周波数を含む周波数範囲において、加振部によって基板9の外周部に与える振動の周波数を変化させる。これにより、基板9の外周部の共振周波数を算出しなくとも、基板9の外周部を効率よく共振させることができる。
<第3実施形態>
本発明に係る第3実施形態について説明する。第1~第2実施形態では、基板9に振動を与える加振部として基板駆動機構6を用いる例を説明した。本実施形態では、リフトピン11を駆動するアクチュエータ20(駆動部)を加振部として用い、アクチュエータ20によりリフトピン11を振動させることにより基板9の外周部を振動させる例について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、以下で説明する事項以外については第1実施形態で説明したとおりである。また、本実施形態では、第2実施形態が更に適用されてもよい。
図10は、リフトピン11を駆動するアクチュエータ20を加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図である。図10(a)に示されるように、基板送り込みハンド12からリフトピン11上に基板9が供給されると、制御部15は、第1保持領域81および第2保持領域82の各々に吸引力を発生させる。そして、制御部15は、図10(b)に示されるように、アクチュエータ20によりリフトピン11を下降させることにより、保持面8aからのリフトピン11の突出量を減少させる。これにより、基板ステージ8の保持面8aの上に基板9が載置されるとともに、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持される。次いで、制御部15は、図10(c)に示されるように、アクチュエータ20によりリフトピン11を基板9の外周部に当接させ、アクチュエータ20によりリフトピン11を振動させることにより、基板9の外周部が共振するように当該外周部に振動を与える。基板9の外周部を共振させる方法については、第1実施形態または第2実施形態で説明した方法が適用されうる。これにより、基板9の外周部が揺動するため、図10(d)に示されるように、基板9の外周部を第2保持領域82に接触させ、第2保持領域82に基板9の外周部を保持させることができる。
ここで、リフトピン11は、図4に示されるように、第2隔壁部材83bの内側(即ち、第2保持領域82)に設けられてもよいが、図11(a)~図11(b)に示されるように、第2隔壁部材83bの外側に設けられてもよい。図11は、基板ステージ8の保持面8aを上方(+Z軸方向)から見た模式図であり、本実施形態の基板ステージ8(保持面8a)の構成例を示している。図11(a)は、円形形状を有する第2隔壁部材83bの外側にリフトピン11が配置されている構成例を示している。また、図11(b)は、第2隔壁部材83bの一部が内側(第1保持領域81側)に向かって窪んでおり、その窪みDにリフトピン11が配置されている構成例を示している。
上述したように、本実施形態では、リフトピン11を駆動するアクチュエータ20(駆動部)を加振部として用い、アクチュエータ20によりリフトピン11を振動させることにより基板9の外周部を振動させる。本実施形態によっても、第1~第2実施形態と同様に、基板9の反りが低減されるように当該基板9を基板ステージ8に保持させることができる。
<第4実施形態>
本発明に係る第4実施形態について説明する。本実施形態では、基板送り込みハンド12を加振部として用い、基板送り込みハンド12により基板9の外周部を振動させる例について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、以下で説明する事項以外については第1実施形態で説明したとおりである。また、本実施形態では、第2~第3実施形態が更に適用されてもよい。
図12~図13は、基板送り込みハンド12を加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図である。図12は側面図を示しており、図13は上面図を示している。本実施形態の基板ステージ8は、基板送り込みハンド12によって基板ステージ8上に基板9を搬送した場合において基板送り込みハンド12と基板ステージ8とが干渉(接触)しないように構成されている。例えば、本実施形態の基板ステージ8は、図13に示されるように基板9の外径よりも小さい構造、もしくは、基板送り込みハンド12が干渉しないように一部が切り欠かれている構造を有する。つまり、上方(+Z軸方向)から見て基板送り込みハンド12と基板ステージ8とがZ軸方向に重なる位置関係においても、基板送り込みハンド12と基板ステージ8とが干渉(接触)しない寸法関係となっている。
制御部15は、図12(a)および図13(a)に示されるように、基板送り込みハンド12を+Y軸方向に駆動し、基板供給位置19に配置された基板ステージ8の保持面8aの上方に基板9を配置する。そして、制御部15は、第1保持領域81および第2保持領域82の各々に吸引力を発生させた後、図12(b)および図13(b)に示されるように、基板送り込みハンド12を-Z軸方向に駆動する。これにより、基板ステージ8の保持面8aの上に基板9が載置されるとともに、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持される。次いで、制御部15は、図12(c)に示されるように、基板送り込みハンド12を基板9の外周部に当接させ、基板送り込みハンド12を振動させることにより、基板9の外周部が共振するように当該外周部に振動を与える。基板9の外周部を共振させる方法については、第1実施形態または第2実施形態で説明した方法が適用されうる。これにより、基板9の外周部が揺動するため、図12(d)および図13(c)に示されるように、基板9の外周部を第2保持領域82に接触させ、第2保持領域82に基板9の外周部を保持させることができる。また、制御部15は、第2保持領域82によって基板9の外周部が保持されたら、基板送り込みハンド12を-Y軸方向に駆動して退避させる。
上述したように、本実施形態では、基板送り込みハンド12を加振部として用い、基板送り込みハンド12を振動させることにより基板9の外周部を振動させる。本実施形態によっても、第1~第3実施形態と同様に、基板9の反りが低減されるように当該基板9を基板ステージ8に保持させることができる。
<第5実施形態>
本発明に係る第5実施形態について説明する。本実施形態では、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持された状態で基板9の外周部に向けて気体を噴射する噴射部21を加振部として用い、当該噴射部21から気体を周期的に噴射することにより基板9の外周部を振動させる例について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、以下で説明する事項以外については第1実施形態で説明したとおりである。また、本実施形態では、第2~第4実施形態が更に適用されてもよい。
図14は、基板ステージ8の保持面8aを上方(+Z軸方向)から見た模式図であり、本実施形態の基板ステージ8(保持面8a)の構成例を示している。図14に示されるように、本実施形態の基板ステージ8(保持面8a)には、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持された状態で基板9の外周部に向けて気体(例えば空気)を噴射する噴射部21(噴射孔)が設けられている。噴射部21は、圧縮気体を供給する気体供給源22に配管を介して接続されており、当該配管には電磁弁23が設けられている。
制御部15は、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持された状態において、電磁弁23を制御することにより、基板9の外周部に向けて噴射部21から周期的に気体を噴射し、基板9の外周部を振動(共振)させる。噴射部21は、基板9の振動が最も大きくなる部分(例えば外周端部)に気体が当たるように配置されるとよい。これにより、基板9の外周部を効率よく揺動させることができるため、基板9の外周部を第2保持領域82に接触させ、第2保持領域82に基板9の外周部を保持させることができる。
図15は、噴射部21からの気体の噴射タイミングを示している。図15(a)は、電複数の噴射部21に対して単一の電磁弁23を設けて、当該電磁弁23の開閉によって複数の噴射部21から同じタイミングで気体を噴射する例を示している。この場合においても基板9の外周部を振動させることができるが、電磁弁23の応答時間、圧縮気体の応答を考慮すると、基板9の外周部に与える振動の周波数を高周波数化することが困難である。そのため、図15(b)~(c)に示されるように、複数の噴射部21(噴射孔)のそれぞれに電磁弁23を備え、各噴射部21から気体を噴射するタイミングの位相をずらし、気体を噴射する噴射部21を順次変えていくとよい。これにより、基板9の外周部に与える振動の周波数の高周波数化を実現することができる。
対応可能な最大周波数[Hz]は、「1000[msec]/(電磁弁応答時間[msec]×2)×電磁弁23(噴射部21)の個数」によって表すことができる。例えば、電磁弁の開閉応答時間10msecの場合、配管内を伝わる圧縮気体の応答を除いた最大想定周波数は、ONに10msec、OFFに10msec、1周期20msecを要するため50Hzである。そのため、200Hzの周期で基板9の外周部に振動を与えるには、単一の電磁弁23で制御する場合、応答時間を2.5msec以下にする必要があり、実現が困難である。一方、4つの噴射部21の各々に電磁弁23を備え、当該4つの噴射部21における気体の噴射タイミングの位相を5msecずらすことにより、200Hzで基板9の外周部に振動を与えることが可能となる。
上述したように、本実施形態では、基板9の外周部に向けて気体を噴射する噴射部21を加振部として用い、当該噴射部21から気体を周期的に噴射することにより基板9の外周部を振動させる。本実施形態によっても、第1~第4実施形態と同様に、基板9の反りが低減されるように当該基板9を基板ステージ8に保持させることができる。
<第6実施形態>
本発明に係る第6実施形態について説明する。本実施形態では、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持された状態で基板9の外周部に向けて音波を出力する音波出力部25を加振部として用い、当該音波出力部25から音波を出力することにより基板9の外周部を振動させる例について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、以下で説明する事項以外については第1実施形態で説明したとおりである。また、本実施形態では、第2~第5実施形態が更に適用されてもよい。
図16は、音波出力部25を加振部として用いたときの保持処理の様子を時系列で示す模式図である。図16の例では、音波出力部25が基板ステージ8の上方に設けられているが、基板ステージ8の保持面8a(例えば第2保持領域82)に設けられてもよい。図16(a)は、基板ステージ8の保持面8aの上に基板9が載置されるとともに、第1保持領域81によって基板9の中央部が保持される。制御部15は、第2保持領域82に吸引力を発生させながら、図16(b)に示すように、基板9の外周部に向けて音波出力部25から音波を出力する。このとき、音波出力部25から出力される音波は、基板9の外周部が共振する共振周波数を有する音波であり、基板9の外周部を共振させる方法については、第1実施形態または第2実施形態で説明した方法が適用されうる。これにより、基板9の外周部が揺動するため、図16(c)に示されるように、基板9の外周部を第2保持領域82に接触させ、第2保持領域82に基板9の外周部を保持させることができる。
上述したように、本実施形態では、基板9の外周部に向けて音波を出力する音波出力部25を加振部として用い、当該音波出力部25から音波を出力することにより基板9の外周部を振動させる。本実施形態によっても、第1~第5実施形態と同様に、基板9の反りが低減されるように当該基板9を基板ステージ8に保持させることができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、上記のリソグラフィ装置(露光装置)を用いて基板上にパターンを形成する形成工程と、形成工程でパターンが形成された基板を加工する加工工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
6:基板駆動機構、8:基板ステージ、8a:保持面、81:第1保持領域、82:第2保持領域、9:基板、11:リフトピン、12:基板送り込みハンド、15:制御部、20:アクチュエータ(駆動部)、21:噴射部、25:音波出力部、100:露光装置

Claims (16)

  1. 反りを有する基板を保持する基板保持装置であって、
    前記基板を保持する保持面を有するステージと、
    前記基板に振動を与える加振部と、
    前記ステージに前記基板を保持させる処理を制御する制御部と、
    を備え、
    前記保持面は、前記基板の第1部分を保持する第1保持領域と、前記基板のうち前記第1部分とは異なる第2部分を保持する第2保持領域とを含み、
    前記制御部は、前記処理において、前記基板の前記第1部分を前記第1保持領域に保持させた状態で前記第2保持領域から離間する前記基板の前記第2部分に対し、前記加振部により振動を与えて共振させることにより、前記第2保持領域と前記第2部分とを接触させて前記第2保持領域に前記第2部分を保持させる、ことを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記制御部は、前記基板の反り量を示す情報を取得し、前記処理において、前記反り量以上の振幅で前記基板の前記第2部分が共振するように前記加振部により前記第2部分に振動を与える、ことを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 前記制御部は、前記基板の前記第1部分が前記第1保持領域に保持された状態で前記基板の前記第2部分が共振する共振周波数を示す情報を取得し、前記処理において、前記共振周波数で前記加振部により前記基板に振動を与える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  4. 前記制御部は、前記共振周波数の逆数によって得られる共振周期の1/2以上の時間で前記加振部により前記基板に振動を与える、ことを特徴とする請求項3に記載の基板保持装置。
  5. 前記制御部は、前記処理において、前記加振部により前記基板に与える振動の周波数を、前記基板の前記第2部分が共振する共振周波数を含む周波数範囲で変化させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持装置。
  6. 前記周波数範囲は、前記基板の前記第2部分が共振する1次共振周波数および2次共振周波数を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の基板保持装置。
  7. 前記周波数範囲は、前記基板の前記第2部分が共振する3次共振周波数を更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の基板保持装置。
  8. 前記第1部分は前記基板の中央部であり、前記第2部分は前記基板の外周部である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  9. 前記加振部は、前記第1保持領域によって前記基板の前記第1部分が保持された状態で前記ステージを振動させることにより前記基板の前記第2部分を振動させる、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  10. 前記ステージは、前記保持面に対して前記基板を昇降するために前記第2保持領域に設けられたリフトピンを有し、
    前記加振部は、前記第1保持領域によって前記基板の前記第1部分が保持された状態で前記基板の前記第2部分に前記リフトピンを当接させ、前記リフトピンを振動させることによって前記第2部分を振動させる、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  11. 前記基板保持装置は、前記保持面の上に前記基板を搬送する搬送部を更に備え、
    前記加振部は、前記第1保持領域によって前記基板の前記第1部分が保持された状態で前記搬送部を前記基板の前記第2部分に当接させ、前記搬送部を駆動することによって前記第2部分を振動させる、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  12. 前記加振部は、前記第1保持領域によって前記基板の前記第1部分が保持された状態で前記基板の前記第2部分に向けて気体を噴射する噴射部を含み、前記噴射部から気体を周期的に噴射することにより前記第2部分を振動させる、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  13. 前記加振部は、前記第1保持領域によって前記基板の前記第1部分が保持された状態で前記基板の前記第2部分に向けて音波を出力する音波出力部を含み、前記音波出力部から音波を出力することにより前記第2部分を振動させる、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の基板保持装置。
  14. 基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載の基板保持装置と、
    前記基板保持装置によって保持された基板上にパターンを形成する形成部と、
    を備えることを特徴とするリソグラフィ装置。
  15. 反りを有する基板をステージに保持させる基板保持方法であって、
    前記ステージは、前記基板の第1部分を保持する第1保持領域と、前記基板のうち前記第1部分とは異なる第2部分を保持する第2保持領域とを含む保持面を有し、
    前記基板保持方法は、
    前記保持面の上に配置された前記基板の前記第1部分を前記第1保持領域に保持させる第1工程と、
    前記第1工程により前記第1部分を前記第1保持領域に保持させた状態で前記第2保持領域から離間する前記基板の前記第2部分に対し、振動を与えて共振させることにより、前記第2保持領域と前記第2部分とを接触させて前記第2保持領域に前記第2部分を保持させる第2工程と、
    を含むことを特徴とする基板保持方法。
  16. 請求項15に記載の基板保持方法を用いてステージに基板を保持させる保持工程と、
    前記保持工程を経て前記ステージにより保持された前記基板上にパターンを形成する形成工程と、
    前記形成工程でパターンが形成された前記基板を加工する加工工程と、
    前記加工工程で加工された前記基板から物品を製造する製造工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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