JP2023076027A - ポンプ、ポンプ改良方法、および流体移送機器 - Google Patents

ポンプ、ポンプ改良方法、および流体移送機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプの付帯機器に電力を供給する設備に掛かるコストの負担を軽減する。【解決手段】吸込口部および吐出口部を有し、流体を前記吸込口部から吸い込み昇圧経路にて昇圧して前記吐出口部から吐き出すポンプであって、前記昇圧経路とは異なる流路であり、ポンプ内部に生じる差圧により前記流体が流れる流路と、前記流路における前記流体の流れを用いて発電する発電装置と、を備えるポンプを提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、流体を吸込み昇圧して吐き出すポンプ、ポンプ改良方法、および流体移送機器に関する。
水、水溶液、油類などの流体を扱うポンプが、種々の分野、場所で利用されている。また、ポンプには、ポンプの稼働を支援したり運転状態を監視したりする付帯機器が設けられる場合がある。一般的に、ポンプの電源は交流電源であり、付帯機器の電源はポンプの電源より低電圧の直流電源である。そのため、付帯機器が必要な電力は、外部の商用交流電源から、制御盤または配電盤、AVR(Automatic Voltage Regulator:自動電圧調整器)等の電圧変換装置を介して、相対的に低い直流電圧に変換され供給される。例えば、特許文献1には、ポンプの駆動に必要な電力を供給する制御盤から変圧器を用いて付帯機器に電力が供給される技術が開示されている。
特開2010-53821号公報
しかしながら、商用電源からAVR等を介してポンプの付帯機器に電力を供給するには、そのための電気設備、電気設備を格納する筐体、大掛かりな設備工事などが必要となり、コストの負担が大きい。
上記事情により、ポンプの付帯機器に電力を供給する設備に掛かるコストの負担を軽減することができる技術が望まれている。
一実施形態によるポンプは、吸込口部および吐出口部を有し、流体を前記吸込口部から吸い込み昇圧経路にて昇圧して前記吐出口部から吐き出すポンプであって、前記昇圧経路とは異なり、ポンプ内部に生じる差圧により前記流体が流れる流路と、前記流路における前記流体の流れを用いて発電する発電装置と、を備える。
一実施形態によれば、ポンプの付帯機器に電力を供給する設備に掛かるコストの負担を軽減することができる。
実施形態1に係るポンプの正面図である。 実施形態1に係るポンプの側面断面図である。 実施形態1に係るポンプが備える発電装置近傍の拡大断面図である。 フラッシング流路の断面図である。 実施形態2に係るポンプの正面図である。 実施形態2に係るポンプの側面断面図である。 実施形態3に係るポンプが備える発電装置の断面図である。 実施形態4に係るポンプのフラッシング流路の断面図である。 実施形態5に係るポンプのフラッシング流路とその周辺の断面拡大図である。 実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第1形状例を示す図である。 実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第2形状例を示す図である。 実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第3形状例を示す図である。 実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第4形状例を示す図である。 実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第5形状例を示す図である。 実施形態7に係る第1のポンプ改良方法を示すフロー図である。 実施形態7に係る第2のポンプ改良方法を示すフロー図である。 実施形態8に係る、ポンプを用いた機器を模式的に示す図である。
これより、実施形態について説明する。なお、以下で説明する各実施形態は、本願発明を実現するための一例であり、本願発明の技術範囲を限定するものではない。また、以下の各実施形態において、同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は、特に必要な場合を除き省略する。また、図面では片吸込単段渦巻きポンプを図示しているが、ポンプ内部に差圧が生じるものであれば適用でき、例えば遠心ポンプあるいはプロペラポンプ等の非容積式ポンプでもよく、往復動ポンプあるいは回転ポンプ等の容積式ポンプでもよい。
(実施形態1)
実施形態1に係るポンプについて説明する。実施形態1に係るポンプは、流体を吸い込み昇圧して吐き出すポンプである。実施形態1に係るポンプは、流体の昇圧経路とは異なる流路であってポンプ内部の差圧により流体が流れる流路と、流路における流体の流れを用いて発電する発電装置と、を備えている。発電装置は、ポンプの付帯機器等に電力を供給するためのものである。
〈流体の流路としてフラッシング流路を利用したポンプ〉
実施形態1に係るポンプの構成について、図を参照して説明する。図1Aは、実施形態1に係るポンプの正面図である。また、図1Bは、実施形態1に係るポンプの側面断面(図1AのA-A’断面)図である。なお、図1Aでは、説明の簡単のため、羽根車と回転軸を図示していない。
図1Aおよび図1Bに示すポンプ101は、片吸込単段渦巻ポンプ(遠心ポンプとも呼ばれる)であり、ポンプ内部に生じる差圧によって流体Fが流れる流路として、フラッシング流路110を有している。流体Fは、例えば、水、溶液、油類などであるが、本実施形態では、水を想定する。
ポンプ101は、主要部として、渦巻ケーシング102と、渦巻ケーシング102を貫通するように配置され、軸線Oを中心に延在する回転軸103と、回転軸103に固定された羽根車104と、を備えている。また、ポンプ101は、吸込流路105と、回転軸103を支持する軸受106と、大気中と流路を隔絶する軸封部107と、軸封部107を支持するケーシングカバー108と、回転軸103及び羽根車104を一体として回転させるモータ(図1では図示しない)とを備えている。
流体Fは、吸込流路105の吸込口部105Aから羽根車104へ流れ込み、羽根車104の回転によって生じる遠心力で昇圧され、羽根車104の出口から放出される。渦巻ケーシング102は、羽根車104の収容空間の外周に配置され、渦巻流路109を形成し、羽根車104の出口から放出された流体Fを吐出口部102Aまで効率よく導くためのものである。また、渦巻流路109の断面は、略円形であるが、略楕円形、略台形、略逆三角形などであってもよい。
ケーシングカバー108および軸封部107は、羽根車104によって昇圧された流体Fの外部への漏出を防止する役割を持つ。さらにケーシングカバー108には、側面から軸線Oに向けて径方向に延びる縦穴であるフラッシング流路110が形成されている。ケーシングカバー108の側面に形成されたフラッシング流路110の入口の付近は、羽根車104による流体Fの昇圧によって高圧となり、フラッシング流路110の出口側の軸封部107は、相対的に低圧となる。流体Fは、ポンプ101の内部に生じるこの差圧により、羽根車104の出口からフラッシング流路110を通って軸封部107に流れ込む。
軸封部107に流れ込む流体Fは、回転する回転軸103と静止した軸封部107との間で発生する摩擦熱を冷却するとともに、回転軸103と軸封部107との間のシール面を洗浄する。軸封部107に流れ込んだ流体Fは、回転軸103と軸封部107間を通過し、大気中へ漏出するか、あるいは、羽根車104の背面側に形成される流路111へ再び合流することとなる。多くの場合、軸封部107の冷却に使われた流体Fは損失となる。
図2は、実施形態1に係るポンプが備える発電装置近傍の拡大断面図である。図2に示すように、発電装置201は、流体Fの流れDを回転運動に変換する羽根車202と、羽根車202を支持し、回転運動を発電機部205に伝達する主軸203と、主軸203を支持する軸受204と、回転運動を電力に変換する発電機部205と、発電した電力を直流に整流する電子回路206とを有している。なお、発電機部205は、例えば、磁石の中で導線を動かしたり、導線を巻いたコイルの中で磁石を動かしたりすることにより、発電するものである。
発電装置201は、例えば、フラッシング流路110の両端部の間に位置し、羽根車202が流体Fの流れDを受けて回転することにより発電する。また、電子回路206を用いることにより、発電した電力をポンプ101の付帯機器115で使用するのに適した状態に調整し、有害なリップルあるいはサージといったノイズなどを除去することができる。
発電装置201の取付け位置は、取付け空間などの制約がない場合、できるだけフラッシング流路110の下流側(軸封部107)に近い方がよい。流体Fがフラッシング流路110に流れ込む際に発生する不均一な乱れは、下流に流れる過程で減少する。例えば、発電装置201をフラッシング流路110の中間位置より下流側に取り付ける場合、相対的に均一な流れが羽根車202に流入するので、発電効率を向上させることができる。
さらに、発電装置201をフラッシング流路110に取り付けることで、従来損失として消費される流体Fの流れDを電力として活用することができる。加えて、従来AVR等の電圧調整器で発生する消費電力を削減することができ、ポンプシステムの省エネルギ化も実現できる。
羽根車202が格納される格納空間208と主軸203が挿入される挿入空間108Aは、ケーシングカバー108に切削などの加工を施すことで形成されるようにしてもよい。また、格納空間208および挿入空間108Aが予め形成されるように、ケーシングカバー108が設計・製造されるようにしてもよい。なお、格納空間208は、フラッシング流路110の一部であってもよい。
ケーシングカバー108にはネジ穴部207Aが形成されており、発電装置201の筐体にはネジ山部207Bが形成されている。ネジ穴部207Aに、ネジ山部207Bを嵌めて捻ることで、発電装置201はケーシングカバー108に締結され固定される。また、羽根車202の径は、ネジ山部207Bのネジ径より小さい。この場合、ポンプ101を分解することなく、発電装置201のケーシングカバー108に対する脱着が容易に行える。その結果、発電装置201のメンテナス性を向上させることができる。また、例えば、発電装置201が故障した際には、新しい発電装置と交換することができるので、ポンプの製品寿命を向上させることができる。
なお、発電装置201は、ケーシングカバー108に対して溶接または接着剤により固定されるようにしてもよい。また、発電装置201は、穴が形成されたフランジが設けられ、そのフランジがケーシングカバー108にネジまたはボルトで締結され固定されるようにしてもよい。これらの場合、ネジ穴部207Aおよびネジ山部207Bの成形が不要になる。また、羽根車202の径は、ネジ山部207Bのネジ径より大きくしてもよい。この場合、発電装置201の発電効率を向上させることができる。
本実施形態は、ポンプを製作する過程の適用に留まらず、既にポンプ機場で稼働しているポンプについても適用することができる。また、羽根車202の動作不良、発電装置201の故障、あるいはメンテナンス、アップデートの際においても、挿入空間108Aから羽根車202ごと発電装置201を取り外すことができるので、補修、アップデート等のための羽根車202の交換、流路の異物確認、異物の取出しなどを容易に実施することができる。
発電装置201は、軸継手を用いることなく、発電装置201の主軸203に直接、羽根車202を取り付けてもよい。この場合、発電装置201を小型化することができ、発電装置の取付け空間に余裕がないポンプであっても、発電装置を容易に取り付けることができる。
図3は、フラッシング流路の断面(図2のZ-Z’断面)図である。図3は、発電機部205側から羽根車202を見た図である。
図3に示すように、羽根車202が格納される格納空間208は、フラッシング流路110の径より大きい円筒状の空間とし、羽根車202の径は、格納空間208に納まる範囲内で大きくてもよい。この場合、流体Fの流れDによる仕事を電力に効率よく変換することができる。なお、格納空間208は、フラッシング流路110の径よりも小さくてもよいが、フラッシング流路110よりも大きい構成であることによって、発電装置の効率を向上させることができる。
また、羽根車202の主軸203は、フラッシング流路110の中心線X上に位置しており、羽根車202の形状は、各羽根が発電装置201の主軸203またはその近傍から外側に延びる形状であってもよい。このような形状であれば、仮に微細な異物などが羽根車202に流れ込んだとしても、主軸203あるいは格納空間208と羽根車202との間における異物の詰まりや噛み込みなどによる不具合の発生を低減することができる。
発電装置201では、上記構成により、ポンプ内部の高圧側であるポンプ101の羽根車104の側から、ポンプ内部の低圧側である軸封部107の側への流体Fの流れを羽根車202で受けることで、発電機部205が回転し、発電が行われる。発電装置201は、発電機部205の羽根車側とは反対側に設けられた電子回路206を有している。発電装置201の発電によって発生した電圧は、電子回路206を経由して出力される。
図1Bに示すように、ポンプ101は、付帯機器115を備えている。付帯機器115は、例えば、換気ファン、結露防止用ヒータ、水位センサ、軸受温度センサ、圧力センサ、電流センサ、監視用イメージ(カメラ)センサ、運転状態表示ランプ、故障表示ランプ、各種計測値の表示器、有線または無線の通信装置などである。本実施形態では、付帯機器115は、一例として、各種のセンサ115Aと、センサの出力に基づく信号を外部に送信する通信装置115Bとを含んでいる。センサ115Aはポンプの運転情報を取得する。通信装置115Bは、例えば、インターネットなどの通信ネットワーク経由で、監視サーバなど他の装置に信号を送信する。本明細書において運転情報とは、例えばポンプの稼働・停止状態、稼働中のポンプにおける吐出圧力一定制御、末端差圧一定制御などの制御モード、外面、吸入水位、稼働音、漏水、発熱、流水・封水圧力、電流値、通信状態などを指す。
発電装置201の電子回路206は、発電機部205によって得られた電圧を、付帯機器115の稼働に必要な電圧に調整し、付帯機器115を稼働するに当たり有害となるノイズなどの要素を取り除き、付帯機器115に供給する。これにより、新たな工事などを必要とすることなく、付帯機器115を稼働させることができる。
以上、実施形態1に係るポンプによれば、ポンプ内の差圧によって流れる流体の流れを電力に変換する発電装置を備える。このような構成により、商用電源から配電盤、AVR等を介して付帯機器に電力を供給するための電気設備、電気設備を格納する筐体、大掛かりな設備工事などが不要となる。その結果、ポンプの付帯機器に電力を供給する設備に掛かるコストの負担を軽減することができる。
また、実施形態1に係るポンプによれば、ポンプに流れる流体を利用した発電装置を備えるので、商用電源から電圧調整器を介して付帯機器に電力を供給するための電気設備、電気設備を格納する筐体などが不要となり、省スペース化を図ることができる。
また、実施形態1に係るポンプによれば、ポンプに流れる流体を利用した発電装置を備えるので、AVR等の比較的複雑な機器を用いることなく、比較的単純な構造である当該発電装置で付帯機器に電力を供給することができ、ポンプの長寿命化が期待できる。
ところで、近年、産業機器の分野では、世界的なIoT(Internet of Things)化への機運が高まっており、これまで着目されて来なかった機器の挙動や、運転情報をセンサなどでデータ化し、ビッグデータ分析により、新たな価値の創出が行われている。
ここで、産業機器として、産業用汎用ポンプを考えてみる。産業用汎用ポンプは、その駆動源として三相モータを備え、商用交流電源により三相モータを駆動することが多い。この場合、ポンプ機場では、運用状況や要求される信頼性によって、モータに電力を供給する方法が異なる。
第1例としては、外部からの引込電源が、ブレーカを備えた簡素な操作盤を経由して、モータに接続される方法がある。第2例としては、外部からの引き込み電源が、プログラマブルコントローラ(PLC)、インバータなどの上位制御機器を備えた高価な制御盤を介して、モータに接続される方法がある。
上位制御機器を有するポンプシステムでは、上位制御機器から得られる情報によって運転状態の監視などを比較的容易に行うことができる。そのため、IoT化が比較的容易となる。一方、ポンプ機場の割合では、前者のように、上位制御機器を有さないポンプシステムが多くを占めてきており、そのようなポンプシステムのIoT化は容易ではない。
実施形態1に係るポンプによれば、ポンプ内に生じる差圧により流れる流体を利用した発電装置を備えるので、新たに大規模な工事を必要とせず、煩雑な電池交換、充電作業などを行うことなく、簡便に、センサを含む電子部品、通信装置などの付帯機器を動作させることができる。すなわち、上位制御機器を持たないポンプシステムにおいても、付帯機器から得られる運転情報をデータ化し、分析することが可能となるためIoT化を容易に実現させることができる。
(実施形態2)
〈流体の流路として導管を備えたポンプ〉
実施形態2に係るポンプについて説明する。実施形態2に係るポンプは、実施形態1に係るポンプと比較して、発電に用いる流体の流路が異なるものである。
実施形態2に係るポンプの構成について、図を参照して説明する。図4Aは、実施形態2に係るポンプの正面図である。また、図4Bは、実施形態2に係るポンプの側面断面図である。図4Bに示すように、実施形態2に係るポンプ101Aでは、流体Fの吐出口側に吐出フランジゲージ穴210が形成されており、流体Fの吸込口側に吸込フランジゲージ穴211が形成されている。また、ポンプ101Aには、吐出フランジゲージ穴210と吸込フランジゲージ穴211とをつなぐ導管212が設けられている。吐出フランジゲージ穴210の側は、相対的に高圧であり、吸込フランジゲージ穴211の側は、相対的に低圧である。したがって、導管212には、吐出フランジゲージ穴210の側から吸込フランジゲージ穴211の側に向けて、流体Fが流れる。すなわち、導管212は、ポンプ内に生じる差圧によって流れる流体の流路の一例である。また、ポンプ101Aには、導管212内の流体Fの流れDを電力に変換する発電装置201が設けられている。発電装置201の構造については、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
実施形態2に係るポンプ101Aでは、実施形態1と比較して、流体Fが流れる流路(導管212)の高圧側と低圧側との差圧が大きい。このことから、流体Fの流れDが持つエネルギはより大きくなり、発電装置201は、さらに多くの電力を得ることができる。
導管212は、上流の導管曲がり部212Aから導管直径の8倍程度以上の直線部を有し、発電装置201の羽根車202の取付け位置は、その直線部において、導管曲がり部212Aから導管直径の8倍程度以上、下流側が好ましい。これにより、導管曲がり部212Aで遠心力により不均一となった流体Fの流れは、下流に流れる過程で均一化され、良好な状態で羽根車202に流れ込み、発電効率を向上させることができる。
導管212の材質は、流体Fに対し腐食性が低く、設置環境に対し対候性が高い材料を選定することが望ましい。このような材料としては、例えば、銅、真鍮、ステンレス、タグタイル鋳鉄、塩化ビニル、ポリエチレンなどが考えられる。特にポンプ停止時、設置環境が氷点下となる場合には、導管212はポンプ流路に比べ極端に小さいことから、導管212内の流体Fは容易に凍結する可能性がある。凍結による導管212内の流体Fの膨張で導管212が破損しないように、導管212の材質として、弾性の高い素材を選定することが望ましい。このような素材としては、例えば、塩化ビニル、ポリエチレンなどが考えられる。
なお、吐出フランジゲージ穴210および吸込フランジゲージ穴211は、流体Fの吐出口および吸込口における圧力を測定する計器を接続するための穴として、予め汎用的に形成されている場合がある。この場合には、これらの穴を活用して流体Fの流路を作り、発電装置201を容易に取り付けることができる。
以上、実施形態2に係るポンプによれば、吐出フランジゲージ穴210と吸込フランジゲージ穴211とをつなぐ導管212が設けられ、導管212を流れる流体Fを用いて発電するので、フラッシング流路を持たないポンプであっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
すなわち、実施形態2に係るポンプによれば、ポンプ内の差圧によって流れる流体Fの流れを電力に変換する発電装置201を備える。このような構成により、商用電源から配電盤、AVR等を介して付帯機器115に電力を供給するための電気設備、電気設備を格納する筐体、大掛かりな設備工事などが不要となる。その結果、実施形態1と同様、ポンプの付帯機器115に電力を供給する設備に掛かるコストの負担を軽減することができる。
また、実施形態2に係るポンプによれば、ポンプに流れる流体Fを利用した発電装置201を備えるので、商用電源から電圧調整器を介して付帯機器115に電力を供給するための電気設備、電気設備を格納する筐体などが不要となり、実施形態1と同様、省スペース化を図ることができる。
また、実施形態2に係るポンプ101Aによれば、ポンプ内に生じる差圧により流れる流体Fを利用した発電装置201を備えるので、新たに大規模な工事を必要とせず、煩雑な電池交換、充電作業などを行うことなく、簡便に、センサを含む電子部品、通信装置などの付帯機器115を動作させることができる。すなわち、実施形態1と同様、上位制御機器を持たないポンプシステムにおいても、付帯機器から得られる運転情報をデータ化し、分析することが可能となるためIoT化を容易に実現させることができる。
(実施形態3)
〈バッテリを備えた発電装置〉
実施形態3に係るポンプについて説明する。実施形態3に係るポンプは、実施形態1と比較して、発電装置がさらにバッテリを有するものである。
図5は、実施形態3に係るポンプが備える発電装置の断面図である。図5に示すように、発電装置201Aは、電子回路206に加えてバッテリ209を有する。発電機部205で発電された電力は、電子回路206で整流および電圧調整された後、バッテリ209に蓄電され、必要に応じてバッテリ209から付帯機器115に供給される。なお、バッテリ209は、発電機部205から充電を受けながら、付帯機器115に電力を供給することができるタイプのものが望ましい。バッテリ209は、例えば、リチウムイオンバッテリで構成される。バッテリ209が充電と給電を同時にできないタイプのものである場合には、発電装置201Aは、バッテリ209の充電と放電を切り替える切替回路を有するようにすればよい。
以上、実施形態3によれば、発電機部205で発生した電力をバッテリ209に一旦蓄電するので、さらに安定した電力を付帯機器115に供給することができる。
また、実施形態3によれば、発電機部205で発生した電力をバッテリ209に蓄電するので、災害あるいは停電などによりポンプ101が停止状態になっても、バッテリ209に蓄電された電力で付帯機器115を稼働させることができる。これにより、例えば、ポンプ機場で停電が起こった場合であっても、ポンプの急停時に発生するウォータハンマ(水撃)などによる機器の破壊、動作不全を、付帯機器115を用いて早急に検知することができる。さらには、ポンプ使用者あるいはメンテナンス事業者等に知らせることができる。
また、実施形態3によれば、発電機部205で発生した電力をバッテリ209に蓄電するので、付帯機器115を外部から持ち込まれたバッテリで駆動する場合と異なり、煩雑な電池交換や充電作業を行うことなく簡便に付帯機器115を動作させることができる。
なお、実施形態3による上記の構造は、実施形態2に係るポンプ101Aにも適用可能である。具体的には、導管212を流れる流体Fを用いて発電する発電装置201にバッテリ209を設け、発電された電力をバッテリ209に一旦蓄電し、バッテリ209から付帯機器115に電力を供給するようにしてもよい。
(実施形態4)
〈発電装置の羽根車と流路との位置関係〉
実施形態4に係るポンプについて説明する。実施形態4に係るポンプは、実施形態1と比較して、発電装置の羽根車と羽根車に流れる流体の流路との位置関係が変更されたものである。
図6は、実施形態4に係るポンプのフラッシング流路の断面図である。図6に示す流路断面図は、図3の場合と同様に、発電機部205側から羽根車202側を見た場合のフラッシング流路110の断面図である。
実施形態4では、図6に示すように、発電装置201の構造として、羽根車202の主軸方向に沿って見た場合に、羽根車202の主軸203が、フラッシング流路110の中心線Xから、主軸203の中心線およびフラッシング流路110の中心線Xと直交する方向に、羽根車202の半径以内の距離dだけずれるように配置されている。別の言い方をすれば、羽根車202の中心および羽根車202を格納する円筒形状の格納空間208Aの中心が、フラッシング流路110の中心線Xからずれた構造を有している。羽根車202の中心がフラッシング流路110の中心線Xからずれることにより、実施形態1と比較して、流体Fの流れDを羽根車202の回転方向Rに近づけて流入させることができる。その結果、流体Fの流れの運動を羽根車202の回転運動に効率よく変換することができ、実施形態1の場合よりも発電装置201の発電効率を向上させることができる。
なお、実施形態4による上記の構造は、実施形態2のポンプ101Aにも適用可能である。具体的には、発電装置201構造として、羽根車202の主軸方向に沿って見た場合に、羽根車202の中心が、導管212の中心線からずれた構造を有していてもよい。このような構造により、上述のごとく、流体Fの流れDの運動を羽根車202の回転運動に効率よく変換することができ、実施形態1の場合よりも発電装置201の発電効率を向上させることができる。
(実施形態5)
〈流路の開閉機構を備えたポンプ〉
実施形態5に係るポンプについて説明する。実施形態5に係るポンプは、実施形態1と比較して、発電装置の羽根車に流れる流体の流路を開閉する開閉機構をさらに備えたものである。
図7は、実施形態5に係るポンプのフラッシング流路とその周辺の断面拡大図である。実施形態5では、図7に示すように、ポンプのフラッシング流路110における羽根車202の上流側と下流側の流路の開閉度を0~100%の範囲で調整できるプラグ213を備えた構成を有している。
プラグ213は、ネジ構造により流路への出し入れが可能になっている。プラグ213の締め具合(出し入れ量)を調整することで、フラッシング流路110の開閉度を調節することができる。実施形態1では発電装置201を交換、あるいはメンテナンスする場合には、ポンプを一旦停止させる必要がある。しかしながら、本実施形態によれば、プラグ213を締めることで一時的にフラッシング流路110の流体Fの流れを遮断し、ポンプが運転している状態であっても、流体Fの漏出を抑制しながら、発電装置201の交換または取外しを含む補修、メンテナンス、アップデートなどを行うことができる。また、開閉度を調整することによって、付帯機器等への電力供給量を調整することができる。
なお、流路の開閉機構として、プラグ213の代わりにバルブ、コックなどを用いてもよい。また、開閉機構は、発電装置201の羽根車202の上流側だけに設けるようにしてもよい。上流側だけ流路を閉じることができれば、流体の流れをある程度止めることができるため、発電装置201のメンテナンス等を行うことができる。
また、流路の開閉機構は、開閉のみが可能なものでもよいが、開閉度を調整できるものが好ましい。開閉度が調整できれば、流路内の流体Fの流れDの勢いを調整することができ、発電装置201の羽根車202の回転速度を調整し、発電量を適宜調整することができる。
なお、実施形態5による上記の構造は、実施形態2のポンプ101Aにも適用可能である。具体的には、ポンプ101Aの構造として、導管212における羽根車202の上流側と下流側とに開閉度を調整する開閉機構、例えばプラグ213を取り付けた構造を有していてもよい。このような構造により、プラグ213を締めることで一時的に導管212の流体Fの流れを遮断することができる。その結果、ポンプ101が運転している状態であっても、流体Fの漏出を抑制しながら、発電装置201の交換または取外しを含む補修、メンテナンス、アップデートなどを行うことができる。
(実施形態6)
〈発電装置の羽根車の形状例〉
実施形態6に係るポンプについて説明する。実施形態6に係るポンプは、実施形態1を基礎として、発電装置を構成する羽根車が別の形状の羽根車に置換されたものである。
図8A~図8Eは、実施形態6に係る、発電装置の羽根車の第1形状例~第5形状例をそれぞれ示す図である。図8A~図8Eでは、それぞれ、左側に羽根車の斜視図を示しており、右側に羽根車の主軸に垂直な面による断面図を示している。
図8Aに示す第1形状例の羽根車202Aは、サボニウス型羽根車である。サボニウス型羽根車は、円筒形部材を縦に半分に割って得られる羽根部(バケットともいう)を、中心を少しずらして円板で挟み込み、心棒を取り付けたような形状を有している。羽根車202Aは、バケットで流体を効率よく受けられるので、効率よく発電を行える。
図8Bに示す第2形状例の羽根車202Bは、図8Aに示す羽根車202Aから円板で挟まれた空間内の心棒部分が除かれた形状を有する。このような形状であれば、流体Fに混ざって流れてくる異物が内部に溜りにくい。仮に微細な異物などが羽根車202Bに流れ込んだとしても、主軸203あるいは格納空間208と羽根車202Bとの間における異物の詰まりや噛み込みなどによる不具合の発生を低減することができる。
図8Cに示す第3形状例の羽根車202Cは、第1のサボニウス型羽根車と第2のサボニウス型羽根車とが90度以内の回転位相差で回転され固定された形状を有する。より詳しくは、例えば、2つのサボニウス型羽根車が互いに90度以内の回転位相差で回転され側面の円板が隣接するように合体され、内部の心棒部分が除かれた形状を有する。別の言い方をすれば、羽根車202Cは、サボニウス型羽根車を二層構造とし、一層目と二層目とでバケットを90度の回転位相差で回転させ、内部の心棒部分が除かれた形状を有する。なお、羽根車202Cの変形例として、サボニウス型羽根車を三層以上設けた構造を有する羽根車を考えることができる。また、サボニウス型羽根車同士は、隣接せず、空間を空けて同軸上に設けられてもよい。
このような形状であれば、流体Fが羽根に当たり羽根車に極大トルクを与えるタイミングが90度ごとに到来するため、通常のサボニウス型羽根車と比較して、発生トルクをより均一化し、出力を安定させることができる。なお、上記の回転位相差は、90度に限定されず、好適には0度より大きく90度以内である。このようにすれば、通常のサボニウス型羽根車と比較して、発生トルクをより均一化することができる。
図8Dに示す第4形状例の羽根車202Dは、サボニウス型羽根車の両側円板のうちバケットが接している領域より外側の外縁部分が除かれた形状を有する。このような形状であれば、両側円板の外縁部分が除かれたことにより、流体Fに混ざって流れてくる異物が内部に溜りにくく、仮に微細な異物などが羽根車202Dに流れ込んだとしても、羽根車202Dの主軸あるいは格納空間と羽根車202Dとの間における異物の詰まりや噛み込みなどによる不具合を抑制することができる。
図8Eに示す第5形状例の羽根車202Eは、サボニウス型羽根車の両側円板が90度以内の回転位相差で捻られ、それによってバケット自身も捻じり変形された場合に得られる形状を有する。このような形状であれば、流体Fがバケットに当たり羽根車202Eにトルクを与えるタイミングにむらが出にくいため、通常のサボニウス型羽根車と比較して、発生トルクをより均一化し、出力を安定させることができる。
(実施形態7)
〈ポンプの改良方法〉
実施形態7に係るポンプの改良方法について説明する。実施形態7に係るポンプの改良方法は、ポンプ機場に既設のポンプに上記の発電装置を取り付けて、その発電装置の出力をポンプの付帯機器の電源入力に接続する方法である。
ポンプの改良方法としては、フラッシング流路を利用する改良方法と、フランジゲージ穴を利用する改良方法とが考えられる。フラッシング流路を利用する改良方法は、ポンプがフラッシング流路を有している場合に適用できる方法である。フランジゲージ穴を利用する改良方法は、ポンプがフランジゲージ穴を有している場合、フランジゲージ穴を加工形成することが可能な場合に適用できる方法である。
〈フラッシング流路を利用する改良方法〉
まず、フラッシング流路を利用する、第1のポンプ改良方法について説明する。図9は、実施形態7に係る第1のポンプ改良方法を示すフロー図である。
図9に示すように、ステップS11では、必要に応じて、ケーシングカバー108のフラッシング流路110付近へのアクセスが可能な空間を確保する。例えば、ケーシングカバー108を覆う部材がある場合には、その部材を取り外したり、その部材に穴を開けたりするなどの措置を取る。
ステップS12では、発電装置を構成する羽根車の格納空間と、当該羽根車の主軸を挿入する挿入空間とを形成する加工作業を行う。具体的には、電動ドリルなどの工具を用いて、フラッシング流路に切削加工を施すことにより、格納空間および挿入空間を形成する。挿入空間には、タップなどの工具を用いてネジ穴部を形成する。
ステップS13では、フラッシング流路の格納空間より上流側と下流側とに、流路の開閉機構であるプラグを挿入するためのプラグネジ穴部を形成する加工作業を行う。具体的には、電動ドリル、タップなどの工具を用いて、フラッシング流路に切削加工を施すことにより、プラグのネジ山に合ったネジ穴部を形成する。
ステップS14では、上流側と下流側のプラグネジ穴部に、それぞれプラグをねじ入れる。
ステップS15では、格納空間に羽根車が格納され、挿入空間に主軸が位置するように、発電装置をケーシングカバーに取り付ける。発電装置のケーシングカバーへの取り付けは、挿入空間に形成されたネジ穴部に発電装置のネジ山部を嵌め合わせてねじり締結することにより行う。あるいは、溶接または接着剤により固定させたり、発電装置のフランジをケーシングカバーにネジまたはボルトで締結させたりして行う。
ステップS16では、発電装置と付帯機器とを接続する。具体的には、発電装置の出力をポンプの付帯機器の電源入力に接続する。
このような改良方法によれば、ポンプ機場に既設のポンプであっても発電装置を取り付けることができる。また、付帯機器に、ポンプの運転情報を取得するためのセンサと、そのセンサの出力に基づく信号を送信する通信装置とを含めることにより、IoT化を実現できる。なお、各ステップの順序は、適宜、変更・入替え等を行ってもよい。
〈フランジゲージ穴を利用する改良方法〉
次に、フランジゲージ穴を利用する第2のポンプ改良方法について説明する。図10は、実施形態7に係る第2のポンプ改良方法を示すフロー図である。
図10に示すように、ステップS21では、必要に応じて、ポンプの流体の吐出口部と吸込口部とに、フランジゲージ穴を形成する加工作業を行う。具体的には、電動ドリル、タップなどの工具を用いて、ポンプの流体の吐出口部と吸込口部に切削加工を施すことにより、吐出側フランジゲージ穴と、吸込側フランジゲージ穴とを形成する。
ステップS22では、吐出側フランジゲージ穴と吸込側フランジゲージ穴とをつなぐ導管類を用意する。具体的には、発電装置の羽根車を格納する格納空間と、羽根車の主軸が挿入される挿入空間とが形成された羽根車用導管部を用意する。また、発電装置の羽根車の上流側に取り付ける流路開閉機構である上流側コックと、同羽根車の下流側に取り付ける流路開閉機構である下流側コックとを用意する。さらに、吐出フランジゲージ穴と上流側コックとをつなぐ上流側導管部と、吸込フランジゲージ穴と下流側コックとをつなぐ下流側導管部とを用意する。
ステップS23では、導管類を接続する。具体的には、上流側から順に、吐出側フランジゲージ穴、上流側導管部、羽根車用導管部、下流側導管部、吸込側フランジゲージ穴と配置されるように、各部同士を接続する。
ステップS24では、格納空間に羽根車が格納され、挿入空間に主軸が位置するように、発電装置をケーシングカバーに取り付ける。発電装置のケーシングカバーへの取り付けは、挿入空間に形成されたネジ穴部に発電装置のネジ山部を嵌め合わせてねじり締結することにより行う。あるいは、溶接または接着剤により固定させたり、発電装置のフランジをケーシングカバーにネジまたはボルトで締結させたりして行う。
ステップS25では、発電装置と付帯機器とを接続する。具体的には、発電装置の出力をポンプの付帯機器の電源入力に接続する。
このような改良方法によれば、ポンプ機場に既設のポンプであっても発電装置を取り付けることができる。また、付帯機器に、ポンプの運転情報を取得するためのセンサと、そのセンサの出力に基づく信号を送信する通信装置とを含めることにより、IoT化を実現できる。なお、各ステップの順序は、適宜、変更・入替え等を行ってもよい。
(実施形態8)
〈発電装置を備えるポンプを用いた機器の例〉
実施形態8は、上記各実施形態に係る発電装置を備えるポンプを用いた産業用または業務用の機器である。
図11は、実施形態8に係る流体移送機器を模式的に示す図である。図11に示すように、流体移送機器301は、ポンプ101を備え、ポンプ101により昇圧、吐出された流体を利用する機器である。より具体的には、例えば、流体移送機器301として、食器を洗浄する食器洗浄機、自動車・列車などを洗浄する洗車機、ボイラー、クーラントシステムあるいは消化ポンプなどの工作機械などを考えることができる。他にも、ビルあるいはマンションなどの各部屋に水を供給したり、地下から汚水を吸い出したりする給排水設備などを考えることができる。
また、例えば、流体移送機器301として、醸造関連分野では、清酒・醤油・酢・ソース等の醸造液移送及び濾過器への送水を行う装置が考えられる。食品関連分野では、ジュース・コーヒー・お茶・乳飲料他清涼飲料水の移送を行う装置が考えられる。工業関連分野では、化学用薬液・染色用薬液・鍍金用薬液・工業用薬液の移送を行う装置が考えられる。油業関連分野では、灯油・軽油・スピンドル油等の低粘度油の移送を行う装置が考えられる。その他の分野では、各種給水・排水関係、水・薬液処理関係に係る装置を考えることができる。
また、このような流体移送機器301に、センサおよび通信装置等の付帯機器を取り付け、ポンプ101の発電装置の出力を接続することによりIoT化すれば、流体移送機器の運転状況を遠隔地にてモニタ、監視、データ分析することができる。
以上、本発明の各種実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。さらに文中や図中に含まれる数値等もあくまで一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうものではない。
上記実施形態では、発電装置の一例として、流体の流れを羽根車で受けて回転運動に変換し、その回転運動を電力に変換する装置を用いている。しかしながら、発電装置は上記構造のものに限定されない。例えば、別の例として、容積式流量計と同様の構造を持つ発電装置を用いてもよい。この発電装置は、流路の途中に形成された楕円状のケーシングに、2つの楕円形の歯車が90度位相をずらして噛み合わさるように収められ、流体の流れを歯車の回転運動に変換し、その回転運動を電力に変換する装置である。
以下、本発明の考えられる態様について付記する。
[付記1]
吸込口部および吐出口部を有し、流体を前記吸込口部から吸い込み昇圧して前記吐出口部から吐き出すポンプであって、
前記流体の昇圧経路とは異なる流路であり、ポンプ内部に生じる差圧により前記流体が流れる流路と、
前記流路における前記流体の流れを用いて発電する発電装置と、を備えるポンプ。
[付記2]
付記1に記載のポンプにおいて、
前記発電装置は、前記ポンプの付帯機器に電力を供給する、ポンプ。
[付記3]
付記2に記載のポンプにおいて、
前記付帯機器は、センサ、ファン、ヒータ、照明器、表示器、および通信装置のうち少なくとも1つを含む、ポンプ。
[付記4]
付記1に記載のポンプにおいて、
前記センサは、温度センサ、水位センサ、圧力センサ、電流センサ、またはイメージセンサを含む、ポンプ。
[付記5]
付記1に記載のポンプにおいて、
前記発電装置は、前記流路を流れる前記流体を受けて回転する羽根車を有し、前記羽根車の回転運動を電力に変換する、ポンプ。
[付記6]
付記5に記載のポンプにおいて、
前記羽根車は、サボニウス型羽根車から主軸に沿った柱状部が除かれた形状を有する、ポンプ。
[付記7]
付記5に記載のポンプにおいて、
前記羽根車は、サボニウス型羽根車の両側板のうち羽根が接している領域より外側の外縁部分が除かれた形状を有する、ポンプ。
[付記8]
付記5に記載のポンプにおいて、
前記羽根車は、サボニウス型羽根車の両側板が90度以内の回転位相差で捻られ変形された場合に得られる形状を有する、ポンプ。
101…ポンプ
102…渦巻ケーシング
102A…吐出口部
103…回転軸
104…羽根車
105…吸込流路
105A…吸込口部
106…軸受
107…軸封部
108…ケーシングカバー
108A…挿入空間
109…渦巻流路
110…フラッシング流路
115…付帯機器
201…発電装置
202…羽根車
203…主軸
204…軸受
205…発電機部
206…電子回路
207A…ネジ穴部
207B…ネジ山部
208…格納空間
209…バッテリ
210…吐出フランジゲージ穴
211…吸込フランジゲージ穴
212…導管
213…プラグ
301…流体移送機器
d…距離
D…流体の流れ
F…流体
O…軸線
R…回転方向
X…中心線

Claims (15)

  1. 吸込口部および吐出口部を有し、流体を前記吸込口部から吸い込み昇圧経路にて昇圧して前記吐出口部から吐き出すポンプであって、
    前記昇圧経路とは異なり、ポンプ内部に生じる差圧により前記流体が流れる流路と、
    前記流路における前記流体の流れを用いて発電する発電装置と、を備えるポンプ。
  2. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記発電装置は、ポンプの付帯機器に電力を供給する、ポンプ。
  3. 請求項2に記載のポンプにおいて、
    前記付帯機器は、
    ポンプの運転情報を取得するセンサと、
    前記センサの出力に基づく信号を外部に送信する通信装置とを含む、ポンプ。
  4. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記流路は、前記ポンプ内部に形成されたフラッシング流路である、ポンプ。
  5. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記吐出口部に吐出フランジゲージ穴が形成され、
    前記吸込口部に吸込フランジゲージ穴が形成され、
    前記流路として、前記吐出フランジゲージ穴と前記吸込フランジゲージ穴とが接続される導管を備えている、ポンプ。
  6. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記発電装置は、得られた電力を蓄電するバッテリを有する、ポンプ。
  7. 請求項1に記載のポンプにおいて、
    前記発電装置は、前記流路を流れる前記流体を受けて回転する羽根車を有し、前記羽根車の回転運動を電力に変換する、ポンプ。
  8. 請求項7に記載のポンプにおいて、
    前記流路の前記羽根車より上流側に、前記流路を開閉する、または前記流路の開閉度を調整する開閉機構を有する、ポンプ。
  9. 請求項7に記載のポンプにおいて、
    前記羽根車は、前記流路の中間位置より下流側に配置される、ポンプ。
  10. 請求項7に記載のポンプにおいて、
    前記羽根車は、前記羽根車の主軸が、前記流路の中心線から、前記主軸および前記中心線と直交する方向に、前記羽根車の半径以内の距離だけずれるように配置される、ポンプ。
  11. 請求項7に記載のポンプにおいて、
    前記羽根車は、第1のサボニウス型羽根車と第2のサボニウス型羽根車とが90度以内の回転位相差で回転され固定された形状を有する、ポンプ。
  12. 吸込口部および吐出口部を有し、流体を前記吸込口部から吸い込み昇圧して前記吐出口部から吐き出すポンプを改良するポンプ改良方法であって、
    前記流体の昇圧経路とは異なる流路であり、ポンプ内部に生じる差圧により前記流体が流れる流路の途中に、発電装置を構成する羽根車が格納される格納空間を設けるステップと、
    前記羽根車を前記格納空間に格納して前記発電装置を設置するステップと、を備えるポンプ改良方法。
  13. 請求項12に記載のポンプ改良方法において、
    前記発電装置の出力を前記ポンプの付帯機器に接続するステップを備える、ポンプ改良方法。
  14. 請求項13に記載のポンプ改良方法において、
    前記付帯機器は、
    前記ポンプの運転情報を取得するセンサと、
    前記センサの出力に基づく信号を外部に送信する通信装置とを含む、ポンプ改良方法。
  15. 請求項1から請求項11のいずれか一つに記載のポンプを備える流体移送機器。
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