JP2023075921A - 供給装置及び成膜装置 - Google Patents

供給装置及び成膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023075921A
JP2023075921A JP2022178760A JP2022178760A JP2023075921A JP 2023075921 A JP2023075921 A JP 2023075921A JP 2022178760 A JP2022178760 A JP 2022178760A JP 2022178760 A JP2022178760 A JP 2022178760A JP 2023075921 A JP2023075921 A JP 2023075921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chute
mask
electronic component
hole
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022178760A
Other languages
English (en)
Inventor
満 池戸
Mitsuru Ikedo
亮 松橋
Akira Matsuhashi
翔大 久保田
Shota Kubota
義広 白川
Yoshihiro Shirakawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Mechatronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Mechatronics Corp filed Critical Shibaura Mechatronics Corp
Priority to TW111143908A priority Critical patent/TW202322164A/zh
Priority to CN202211438608.3A priority patent/CN116145101A/zh
Publication of JP2023075921A publication Critical patent/JP2023075921A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

【課題】所定量以上の電子部品の供給を抑制し、生産性を向上させる供給装置及び成膜装置を提供する。【解決手段】実施形態の供給装置2は、一端と他端を有する電子部品Cが1つずつ通過可能なシュート孔222を、複数有するシュート220と、シュート220が重ねられ、シュート孔222を介して電子部品Cが挿入され、電子部品Cの一部を覆うマスク孔242を有するマスク240と、マスク240を保持し、マスク孔242に挿入された電子部品Cの一端が接する受台250と、マスク孔242に挿入された電子部品Cの他端がシュート220と干渉しない状態で、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmがずれるように、シュート220とマスク240を相対移動させる移動機構270と、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmがずれた状態で、マスク孔242に挿入された電子部品C以外の電子部品Cを、シュート220から除去する除去機構280と、を有する。【選択図】図12

Description

本発明は、供給装置及び成膜装置に関する。
現在、各種電子回路に使用されるチップ状の電子部品として、両端に外部電極が形成されたものが普及している。例えば、チップコンデンサは、内部電極が形成された誘電体シートを積層したブロックを、直方体形状の個片に分割することにより、素子が形成されている。そして、この直方体形状の素子の両側面を覆うとともに、内部電極に接続される導電性材料によって、外部電極が形成されている。
外部電極の形成方法としては、特許文献1に示すように、電子部品の一端が露出するように、保持板の保持孔に他端を挿入することにより電子部品を保持し、露出した一端に導電性材料のペーストを付着させ、外部電極を形成することが行われている。この場合、電子部品は、整列板上に供給され、整列板に形成された複数の整列孔に一つずつ投入され、この整列孔によって姿勢変更されつつ、保持板の保持孔に案内されて落とし込まれ、保持孔に挿入される。
このとき、整列板上に供給された電子部品が必ず保持孔に落とし込まれるとは限らない。このため、整列板上に供給された電子部品が、整列孔を介して保持孔に落とし込まれる確率を高めるために、保持孔の数よりも多い数の電子部品を、整列板上に投入することが行われている。例えば、チップホッパーに多数収容された電子部品が、保持孔の数より多く取り出されて、整列板上に供給される。
特開平09-232113号公報
しかしながら、このような電子部品の所定量以上の供給、すなわち保持孔の数よりも多い数の電子部品を整列板に投入すると、整列板上には、保持孔に入らなかった電子部品(保持板に保持されていない電子部品)が残る。特に、既に保持孔に入っている電子部品の直上に、整列孔に入った電子部品が載っている場合がある。すると、整列板を保持板から離脱させる際に、整列孔に残った電子部品、さらには整列板上に残った電子部品が、整列孔を介して落下して、保持板上や、保持板に正常に保持された電子部品の上に載ってしまい、その後の導電性材料を付着させる工程の妨げとなる。そのため、このような保持孔の数よりも多い数の電子部品の供給により、保持孔に入らなかった電子部品を回収する工程が必要となる。しかし、保持孔に入らなかった電子部品を吸引手段等の回収手段によって回収する場合、保持孔に入った電子部品までも回収してしまい、再供給する工程が必要となり、生産性が低下する恐れがある。これを防ぐために、保持孔に入らなかった電子部品を手作業等で1つずつ回収する場合、回収時間を要し、生産性が低下する。また、対象となる電子部品は、各種電子回路に使用されるチップ状の小型な部品であるため、保持孔に入らなかった電子部品が、保持板上からさらに下方の供給装置の底面に落下すると発見し辛くなり回収が困難となる。このように、保持孔の数よりも多い数の電子部品が供給された場合、保持孔に入らなかった電子部品の回収が困難であり、生産性が低下する。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、所定量以上の電子部品の供給を抑制し、生産性を向上させる供給装置及び成膜装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、実施形態の供給装置は、一端と他端を有する電子部品が1つずつ通過可能なシュート孔を、複数有するシュートと、前記シュートが重ねられ、前記シュート孔を介して前記電子部品が挿入され、前記電子部品の一部を覆うマスク孔を有するマスクと、前記マスクを保持し、前記マスク孔に挿入された前記電子部品の一端が接する受台と、前記マスク孔に挿入された前記電子部品の他端が前記シュートと干渉しない状態で、前記シュート孔の軸と前記マスク孔の軸がずれるように、前記シュートと前記マスクを相対移動させる移動機構と、前記シュート孔の軸と前記マスク孔の軸がずれた状態で、前記マスク孔に挿入された前記電子部品以外の前記電子部品を、前記シュートから除去する除去機構と、を有する。
また、実施形態の成膜装置は、前記供給装置と、前記電子部品に成膜を行う成膜処理部と、を備える。
本発明によれば、所定量以上の電子部品の供給を抑制し、生産性を向上させる供給装置及び成膜装置を提供できる。
実施形態における供給対象となる電子部品の斜視図(A)、断面図(B)、マスク孔に入った状態を示す斜視図(C)である。 実施形態の成膜装置を示す簡略化した構成図である。 実施形態の供給装置を示す平面図(A)、一部断面側面図(B)である。 図3の電子部品の収容時を示す一部断面側面図(A)、供給時を示す一部断面側面図(B)である。 シュートを示す平面図(A)、A-A矢視断面図(B)である。 マスクを示す平面図(A)、B-B矢視断面図(B)である。 受台を示す平面図(A)、C-C矢視断面図(B)である。 マスクの待機状態(A)、シュートへのマスクの装着状態(B)を示す断面図である。 吸着部をマスク上に位置決めした状態(A)、電子部品を落下させた状態(B)を示す断面図である。 シュートからマスクを離隔させた状態(A)、シュートを水平方向にずらした状態(B)を示す断面図である。 余分な電子部品を吸着した状態(A)、プッシャを下降させて受台250を保持孔に保持した状態(B)を示す断面図である。 マスクへの電子部品の供給手順を示す説明図である。 マスクを反転させる手順を示す説明図である。 間隔調整部を昇降部材とした変形例を示す説明図である。 間隔調整部をスペーサとした変形例を示す説明図である。 間隔調整部を用いない変形例を示す説明図である。
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[電子部品]
図1(A)に示すように、本実施形態により成膜された電子部品Cは、両端に導電性材料による電極Eが形成されたチップ状の電子部品Cである。このように、電子部品Cは電極Eが形成される一端と他端を有する。例えば、コンデンサ、抵抗、コイル、インダクタなどの素子は、電子部品Cに含まれる。電子部品Cは、直方体形状、立方体形状又は薄板状の外形を有し、相反する一対の2側面を含む領域を箱状に覆うように、それぞれ電極Eが密着して形成される。この電極Eが形成される領域を電極形成領域Rとする。
図1(B)は、内部電極Enが形成された誘電体シートを積層した積層セラミックコンデンサを、電子部品Cとした場合の断面図である。電子部品Cの外部表面に形成される一対の電極Eは、導電性の材料の層を複数重ねた多層構造であり、電子部品Cの内部電極Enに電気的に接続されている。本実施形態では、密着性を高めるための下地層であるチタン(Ti)の上に、電極Eのシード層となる銅(Cu)を成膜する。その後、シード層をシードとして、電解めっきによって銅(Cu)を電極形成領域Rに付着させることで、電極Eが形成された電子部品Cが完成する。下地層やシード層も電極Eの一部となることから、以下、本実施形態の説明では、これら層の成膜も「電極Eを成膜する」と表現する。
なお、以下の説明では、電極Eが覆う一対の2側面の中心を通る直線を、電子部品Cの軸Axcと呼ぶ。本実施形態では、例えば、電子部品Cとして、軸Axc方向の長さが0.6mm、電極Eの軸Axc方向の長さが0.2mm、電極Eの軸Axcに直交する断面が0.3mm×0.3mmの矩形である非常に微小なサイズのものを対象とすることができる。但し、本発明はこれより小さな電子部品Cであっても、大きな電子部品Cであっても適用可能である。
[概要]
図2に示すように、本実施形態の成膜装置1は、供給装置2、成膜処理部3及び制御装置4を有する。供給装置2は、図1(C)に示すように、マスク孔242に電子部品Cを挿入することにより、一方の電極形成領域R以外の領域をマスクした状態で、成膜処理部3に供給する。成膜処理部3は、マスクされずに露出した電極形成領域Rに電極材料を成膜する。なお、以下の説明では、供給装置2と成膜処理部3の水平な並び方向をX方向、これに直交する水平方向をY方向、鉛直方向をZ方向とする。電子部品Cは、軸AxcがZ方向に沿うように、マスク孔242に挿入される。なお、後述するように、マスク孔242はマスク240に設けられている。
[供給装置]
供給装置2は、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)に示すように、収容部210、シュート220、振動機構230、マスク240、受台250、間隔調整部260、移動機構270、除去機構280、搬送機構290を有する。
(収容部)
収容部210は、電極Eの形成前、つまり成膜前の電子部品Cを複数収容する。収容部210は、容器211、支持台212を有する。容器211は、上部が開口した箱状体であり、水平な内底部に複数の窪みである区画211aが設けられている。複数の区画211aは行列状に配設され、それぞれの区画211aに、予め投入された複数の電子部品Cが収容される。容器211の内側面の一部は、内底部に向かって傾斜した傾斜面211bとなっていて、容器211の上縁から投入された電子部品Cが内底部に向かって滑り落ちる構造となっている。支持台212は、容器211を水平方向に支持する台であり、図3(B)に示すように、4本の脚部212aによって供給装置2の設置面に設置されている。
(シュート)
シュート220は、収容部210から移送されてくる複数の電子部品Cを、それぞれ複数のマスク孔242のそれぞれに案内する。シュート220は、図5(A)、(B)に示すように、板体221、シュート孔222、隔壁223を有する。板体221は矩形の板状体である。シュート孔222は、電子部品Cが1つずつ通過可能な複数の孔である。各シュート孔222は、板体221の表面に直交する方向に貫通し、通過する電子部品Cをマスク孔242に案内する。シュート孔222は、電子部品Cが入り込み易くなるように、電子部品Cが挿入される側、つまり上端側に向かって拡大した四角推台形状である。なお、シュート孔222の中心を通るZ方向の直線を軸Axsとする。
隔壁223は、板体221の表面に格子状に立設されている。隔壁223によって囲まれた複数の矩形の領域は、行列状に並んだ複数の区画225を構成する。複数のシュート孔222は、各区画225内に行列状に形成されている。つまり、隔壁223は、複数のシュート孔222を含み、電子部品Cが供給される区画225を形成する。各区画225の位置は、収容部210の各区画211aの位置と一対一で対応している。
シュート220の内部が隔壁223によって複数の区画225に分かれていることで、電子部品Cをマスク孔242に案内する際に、後述するようにシュート220が振動しても、各区画225に供給された電子部品Cは、隔壁223によって他の区画225への移動が阻まれ、それぞれの区画225内のシュート孔222に入る。そのため、シュート220が振動したときに、電子部品Cが他の領域に移動し、偏った分布になることを抑制することができる。
また、電子部品Cを一度に大量供給し、整列させるため、シュート220の板体221は大面積になり、撓みや曲げ、歪みが生じる場合がある。撓みや曲げ、歪みが生じると、板体221の特定の部分に電子部品Cが偏って移動し、マスク孔242に均等供給ができなくなる。隔壁223は、板体221の電子部品Cが供給される領域に亘って設けられていることで梁の機能を発揮し、板体221の強度を高めて撓みや曲げ、歪みを防止する。
さらに、シュート220の各区画225の位置は、収容部210の各区画211aの位置と一対一で対応している。そして、予め収容部210の各区画211aに、複数の電子部品Cを定量に振り分けて収容し、収容した電子部品Cを各区画211aに応じて吸着し、シュート220の対応する区画225に移動させることで、シュート220の面内において均一に複数の電子部品Cを振り分けることが可能である。
(振動機構)
振動機構230は、シュート220や後述するマスク240を振動させることで、電子部品Cのマスク孔242への挿入を促す。振動機構230は、図3(A)、(B)に示すように、振動台231、基台232を有する。振動台231は、水平方向の板状体である。基台232は供給装置2の設置面に設置され、シュート220からX方向にずれた位置において、振動台231を支持する。すなわち、後述する搬送機構290と並んで設置される。そして、振動台231は、その一端が搬送機構290搬送されるマスク240が平面視で重なるようにして、他端が基台232に支持される。振動台231の、搬送機構290搬送されるマスク240が平面視で重なる部分には、マスク240及び後述する受台250が挿入される収容孔231bが設けられている。この収容孔231bの上部に位置するように、シュート220が振動台231に水平方向に支持される。
振動台231は、基台232に内蔵された発振体を作動させることにより振動可能に設けられている。これにより、振動台231とともに、振動台231に支持されたシュート220が振動する。そして、この振動がシュート220に接するマスク240及び受台250に伝わり、振動する。発振体としては、例えば、電磁コイル、モータ、圧電素子を用いる。振動方向、振動強さは適宜設定可能である。
(マスク)
マスク240は、図6(A)、(B)に示すように、板体241、マスク孔242、規制孔243、梁部244を有する。板体241は円形の板状部材である。マスク孔242は、マスク240に重ねられたシュート220のシュート孔222を介して、電子部品Cが1つずつ挿入され、電子部品Cの一部を覆う複数の孔である。各マスク孔242は、板体241の表面に直交する方向に貫通し、挿入された電子部品Cの軸Axcが鉛直方向に揃う角柱状である。マスク孔242の中心を通る鉛直方向の直線を軸Axmとする。マスク孔242の軸Axm方向の長さは、電子部品Cの軸Axc方向の長さよりも短い。より具体的には、マスク孔242の軸Axm方向の長さは、電子部品Cの一方の電極形成領域R以外の軸Axc方向の長さと同じである。つまり、マスク孔242は、軸Axm方向の長さが、電子部品Cの軸Axc方向のスパッタリングされない領域の長さと同じである(図1(C)参照)。
マスク孔242の軸Axmに直交する断面の大きさは、電子部品Cが自重により落下して挿入され、軸Axcが鉛直方向となる程度であればよい。つまり、マスク孔242の内径は、電子部品Cが通過可能な内径を有し、マスク孔242の軸Axmに直交する断面は、電子部品Cの軸Axcに直交する断面よりも僅かに大きく、軸Axcが鉛直方向に対して傾斜して挿入されてしまう大きさよりも小さい。ただし、圧入が必要となる大きさより大きく設定される。
さらに、後述するスパッタリングで電極Eを形成する場合、マスク孔242の軸Axmに直交する断面の大きさは、マスク孔242と電子部品Cとの間に形成される隙間から成膜材料が入り込む大きさよりも小さいことが好ましい。
本実施形態のマスク孔242は、挿入された電子部品Cの下端が受台250に接することにより、上端側の電極形成領域Rのみが露出した状態で、他の領域を覆う(図1(C)参照)。マスク孔242は、行列状に並んだ複数の区画245内に、それぞれ行列状に複数設けられている。各区画245の位置は、これに重ねられるシュート220の区画225の位置に一致し、各区画245におけるマスク孔242の位置は、各区画225のシュート孔222の位置と一致する。つまり、マスク孔242の軸Axmとシュート孔222の軸Axsが一致して、マスク孔242の下端の開口と、シュート孔222の上端の開口が、水平方向(XY方向、θ方向)のずれがなく合致するので、電子部品Cが通過可能となる。
規制孔243は、後述する受台250の規制部253が挿入されることにより、受台250に対するマスク240の位置合わせをするとともに位置ずれを防止するための貫通孔である。本実施形態の規制孔243は、規制部253の形状に対応した円柱形状である。梁部244は、板体241の下面において、区画245以外の領域が肉厚となるように固定され、板体241の強度を高めて曲げや歪みを防止する薄板である。
(受台)
受台250は、マスク240を保持し、マスク孔242に挿入された電子部品Cの一端が接する台である。本実施形態では、電子部品Cはマスク孔242に鉛直方向に挿入されるため、受台250に接する電子部品Cの一端は下方、これと反対側の他端は上方となる。以下の説明では、この電子部品Cの一端及びこれに対応するマスク孔242の端部を下端、電子部品Cの他端及びこれに対応するマスク孔242の端部を上端と呼ぶが、電子部品C及びマスク孔242の方向はこれに限定されない。また、電子部品Cの両端は、いずれも一端(下端)、他端(上端)になる可能性がある。
受台250は、図7(A)、(B)に示すように、板体251、支持部252、規制部253を有する。板体251は、マスク240と同径の円形の板状部材である。支持部252は、板体251の一方の面に固定された矩形の板状体である。支持部252は、受台250の上にマスク240が重ね合わされた場合に、各区画245におけるマスク孔242の下端を塞ぐ位置に設けられている。なお、支持部252は、マスク240の梁部244に重ならない位置に設けられている。
規制部253は、円柱形状のピンである。規制部253は、マスク240の規制孔243に対応する位置に設けられ、規制孔243に挿入されることにより、受台250とマスク240の位置合わせをするとともに位置ずれを防止する。
(間隔調整部)
間隔調整部260(図3(B)参照)は、シュート220及びマスク240の互いに対向する面の間隔を調整する。具体的には、後述するように、マスク240がシュート220に接触する位置(第1の位置)、シュート220とマスク240とを水平に相対移動させる時の位置(第2の位置)、マスク240及び受台250が保持孔292aに保持される位置(第3の位置)、となるようにシュート220とマスク240との間隔を調整する。つまり、本実施形態の間隔調整部260は、受台250及びマスク240を、第1の位置、第2の位置、第3の位置との間で昇降させる昇降機構である。
また、第1の位置は、振動によってシュート220からマスク240に電子部品Cを挿入する位置であり(図9参照)、第2の位置は、マスク240がシュート220から間隔Dz分離隔し、マスク240に挿入された電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となる位置(シュート220とマスク240とが水平に相対移動可能な位置)であり(図10参照)、第3の位置は、シュート220及びマスク240が分離して待機する位置である(図11(B)参照)。
なお、上述の第2の位置における、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態とするために、間隔調整部260によって、シュート220とマスク240とを鉛直方向(Z方向、シュート孔222の軸Axs方向)に相対的に移動させる場合の移動距離(間隔Dz分)は、電極形成領域Rの軸Axc方向の長さ以上、電子部品Cの軸Axc方向の長さ以下である(図10(A)、図12(D)参照)。
電極形成領域Rは、電極Eが形成される領域であるため一対の2極に対応して形成される。このため、一対の電極形成領域Rの間には、二つの電極Eの+と-が分離された領域が必要となる。したがって、電極形成領域Rは、このような極分離が達成される間隔を残した領域となる。例えば、一方の電極Eを下端の面F(図1(C)参照)のみに形成し、側面と面Fとがつながる角の部分には隙間を設けて、それ以外の部分を全て他方の電極Eとすることもできる。つまり、間隔Dzは、成膜領域(電極形成領域R)を基準にすれば、電子部品Cの軸Axc方向の長さを超えることはない。移動の際の位置決めの誤差などを考慮し、可能な限り電極形成領域Rの軸Axc方向の長さに近い位置に設定することが好ましい。なお、間隔Dzは、上方から吸引されたときに、マスク孔242に収容された電子部品Cが吸引されない状態にできる距離とすることが好ましい。
間隔調整部260は、プッシャ261、駆動源262を有する。プッシャ261は、受台250が搭載される載置台261aと、載置台261aを支持するシャフト261bを有する。駆動源262はシャフト261bを昇降させるモータである。
(移動機構)
移動機構270は、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態で、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmがずれるように、シュート220とマスク240とを水平方向に相対移動させる機構である(図10(B)、図12(E)参照)。本実施形態の移動機構270は、載置台261aと、シャフト261bの間に設けられ、載置台261aを移動させることで受台250及びマスク240をX方向に移動させる。移動機構270としては、例えば、エアシリンダとすることができる。
このような移動を可能にするため、載置台261aとシャフト261bとの間には、さらに、支持部261c、ガイド261d、可動体261eが設けられている(図8~図11参照)。支持部261cは、載置台261aと対向するようにシャフト261bに接続された板状部材である。ガイド261dは、X方向に延びるように支持部261c上に固定された棒状部材である。可動体261eは、ガイド261dに、スライド移動可能に嵌め込まれる窪みを有する部材である。可動体261eの窪み部分はガイド261dにはめ込まれ、窪み部分と反対側の部分は載置台261aに固定されている。
移動機構270であるエアシリンダは、支持部261c上の、可動体261eを押圧可能な位置に固定されている。移動機構270によって、可動体261eを押圧することにより、可動体261e及びこれに接続する載置台261aは、ガイド261dに沿って移動する。例えば、移動機構270は、マスク孔242の水平方向の長さの半分程度の移動距離Dxを移動させて、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmをずらす。
(除去機構)
除去機構280は、マスク孔242に挿入された電子部品C以外の電子部品Cを、シュート220から除去する機構である。除去機構280は、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)に示すように、ピックアップ機構281、案内機構282を有する。
ピックアップ機構281は、収容部210あるいはシュート220から電子部品Cをピックアップする機構である。ピックアップ機構281は、移動体283、吸着部284、吸着力付与部285を有する。移動体283は、収容部210とシュート220との間で移動する。移動体283は、末広がりの角錐台の上に角柱を有する形状であり、吸着部284及び吸着力付与部285を搭載するベース部材である。移動体283は、案内機構282によって収容部210とシュート220との間で移動可能に設けられている。
吸着部284は、電子部品Cをピックアップするために、電子部品Cを吸着するためのユニット部である。吸着部284は、吸着板284a、支持板284b、支柱284cを有する。吸着板284aは、電子部品Cが吸着される部材である。吸着板284aは、シュート220の各区画225に対応する位置に、それぞれ配置された矩形の板状体で、後述する吸着力付与部285からの磁力の付与によって電子部品Cを吸着する。吸着板284aの水平面の大きさは、各区画225のシュート孔222に接近できるように、隔壁223によって囲まれた領域よりも小さい。なお、各吸着板284aの位置は、容器211の各区画211aにも対応している。
支持板284bは、吸着板284aが取り付けられる矩形の板状体である。支持板284bは、シュート220のシュート孔222が形成された領域全体を覆う大きさである。吸着板284a及び支持板284bは、磁力を通す厚みとなるように形成されている。吸着板284a及び支持板284bの材質は特に限定されず、金属であっても、樹脂等の非金属であってもよい。例えば、吸着板284a及び支持板284bとして、ステンレスを用いる。支柱284cは、支持板284bを移動体283に固定する支柱である。支柱284cは、上端が移動体283の底部に固定され、下端が支持板284bに固定されている。これにより、支持板284bは、移動体283の底面から距離を空けて水平方向に支持されている。
吸着力付与部285は、吸着板284aに吸着力を付与する。吸着力付与部285は、支持板284bを介して吸着板284aの収容部210に対向する面に、電子部品Cを吸着させるための磁力を付与する。吸着力付与部285は、磁性部材285a、保持板285b、接離機構285cを有する。磁性部材285aは、例えば、永久磁石である。磁性部材285aの水平面の大きさは、吸着板284aと同程度である。保持板285bは、吸着部284の支持板284bと同程度の大きさであり、支持板284bと移動体283の底部との間に配置されている。保持板285bには、磁性部材285aが、支持板284bを挟んで各吸着板284aに対応する位置にそれぞれ取り付けられている。
接離機構285cは、磁性部材285aと吸着板284aを相対移動させることにより、電子部品Cの吸着及び吸着解除を行う。本実施形態の接離機構285cは、移動体283の底部に設けられ、磁性部材285aを昇降可能に支持する。接離機構285cとしては、例えば、エアシリンダを用いる。接離機構285cは、保持板285bを水平方向に支持し、磁性部材285aを下降させて支持板284bに接触させることにより、支持板284bを介して、吸着板284aに磁力による吸着力を働かせる。また、接離機構285cは、磁性部材285aを上昇させて支持板284bから離隔させることにより、吸着板284aにおける磁力による吸着力を失わせる。
案内機構282は、移動体283を収容部210とシュート220との間で移動させる機構である。案内機構282は、支柱部286、アーム部287、ガイド部288を有する。支柱部286は、収容部210の支持台212に立設された一対の角柱部材である。アーム部287は、支柱部286に支持された水平方向の角柱部材であり、容器211の上方の位置から、振動台231の収容孔231bの上方の位置に延びている。ガイド部288は、X方向及びZ方向のリニアガイドを組み合わせた2軸移動機構であり、アーム部287に設けられている。ガイド部288には、スライダを介して移動体283が支持されている。これにより、案内機構282は、吸着部284に吸着された電子部品Cを、収容部210とシュート220との間で移載できる。
(搬送機構)
搬送機構290は、図3(A)、(B)に示すように、供給装置2と成膜処理部3との間で、マスク孔242に電子部品Cが挿入されたマスク240を搬送する機構である。本実施形態の搬送機構290は、モータ291により間欠回転する回転テーブル292を有する。回転テーブル292には、貫通孔である複数の保持孔292aが、等間隔で形成されている。この保持孔292aによって受台250が保持される。
保持孔292aの内縁には、マスク240が載置された受台250を保持する段差が形成されている(図8(A)、(B)参照)。保持孔292aは、回転テーブル292が間欠回転により停止する毎に、振動台231の収容孔231bの直下に来る。間隔調整部260のプッシャ261は、回転テーブル292の保持孔292aと収容孔231bとの間で、マスク240が乗った受台250を移動させる。
[成膜処理部]
成膜処理部3は、電子部品Cのマスク孔242から露出した部分、つまり電極形成領域Rに、プラズマを利用して成膜を行う装置である。成膜処理部3は、図2に示すように、チャンバ31、搬送部32、前処理部33、成膜部34、35を有する。チャンバ31は、排気部311による排気により内部を真空とすることが可能な容器である。排気部311は、排気口に接続された不図示の配管及び排気回路を有する。搬送部32は、回転テーブル321、駆動源322、封止体323、プッシャ324を有する。
回転テーブル321は、チャンバ31内に搬入された受台250を、間欠回転して前処理部33、成膜部34、35、後述するロードロック部などの各部に移動させる円形のテーブルである。封止体323は、各部を封止し、チャンバ31から隔離するための部材である。封止体323は、受台250が載置され、回転テーブル321に等間隔に設けられた保持孔に保持される。プッシャ324は、封止体323を、成膜処理部3の各部に対応する位置で昇降させる。
なお、成膜処理部3は、図示はしないが、マスク240が搭載された受台250を、チャンバ31に搬入、搬出する搬入搬出部、チャンバ31内の真空を維持した状態で、マスク240が搭載された受台250の、搬入搬出部によるチャンバ31に対する搬入搬出を可能とするロードロック部を有する。
前処理部33は、プラズマにより電極形成領域Rに対する表面処理を行う。表面処理は、例えば、プラズマによりプロセスガスに発生するイオンによって、電極形成領域Rの表面を洗浄するイオンボンバードメント処理である。前処理部33は、チャンバ31の天井側に設けられ、上昇した封止体323によって封止されて、マスク240から露出した電極形成領域Rに表面処理が行われる処理室331を有する。
成膜部34、35は、電子部品Cの電極形成領域Rに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う。スパッタリングは、プラズマによりスパッタガスに発生するイオンによって、ターゲット342、352から叩き出された成膜材料を、電極形成領域Rの表面に堆積させる処理である。成膜部34、35は、チャンバ31の天井側に設けられ、上昇した封止体323によって封止されて、マスク240から露出した電極形成領域Rに成膜処理が行われる成膜室341、351を有する。
成膜室341、351には、成膜材料を含むターゲット342、352が設けられている。ターゲット342、352は、スパッタリングにより電子部品Cに堆積されて、膜となる成膜材料によって形成された部材である。ターゲット342、352は、図示しないバッキングプレートに保持され、電極を介して電源に接続されている。下地層の成膜材料としては、例えば、Tiを使用し、電極Eのシード層としては、例えば、Cu、Au、Agなどを使用する。但し、スパッタリングにより成膜可能な材料であれば、種々の材料を適用可能である。なお、本実施形態においては、成膜部34において下地層を成膜し、成膜部35において電極Eのシード層を成膜する。下地層の材料としては、例えばチタン(Ti)を用い、電極Eのシード層の材料としては、例えば銅(Cu)を用いる。
また、本実施形態では下地層とシード層の2層を成膜するように2つの成膜部34、35を設けているが、下地層が不要であれば、1つの成膜部のみを設けてもよい。また、更なる層の成膜が必要であれば、2つ以上の成膜部を設けてもよい。
[制御装置]
制御装置4は、成膜装置1の各部を制御する装置である(図2参照)。この制御装置4は、例えば、所定のプログラムで動作するコンピュータによって構成できる。制御装置4の制御内容はプログラムされており、PLC(Programmable Logic Controller)や、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置により実行される。
例えば、制御装置4は、上記のようなプログラムにより、振動機構230による振動台231の振動、間隔調整部260による受台250及びマスク240の昇降、移動機構270によるシュート220の移動、除去機構280による電子部品Cの投入及び除去、搬送機構290による受台250の搬送、搬入搬出部による受台250のチャンバ31への搬入搬出、前処理部33によるプラズマ処理、成膜部35による成膜処理、搬送部32による受台250の搬送等を制御する。
[動作]
以上のような本実施形態による成膜装置1によって、電子部品Cに成膜する処理を、上記の図1~図7に加えて、図8~図13の説明図を参照して説明する。なお、説明の前提状態として、図4(A)に示すように、予め複数の電子部品Cが収容部210の容器211に投入され、各区画211aに複数の電子部品Cが収容されている。各区画211aに収容される電子部品Cの数は、シュート220における各区画225のシュート孔222の数、マスク240における各区画245のマスク孔242の数よりも多い。また、平板によるすり切り等により、各区画211aに収容された電子部品Cの位置を、各区画211a内において均等に近くなるように均しておいてもよい。
また、図8(A)に示すように、プッシャ261の載置台261aの上には、マスク240を搭載した受台250が載置されている。このとき、マスク240の規制孔243に、受台250の規制部253が挿入されることにより、マスク240と受台250の位置合わせがなされるとともにずれが防止されている。そして、図8(B)に示すように、プッシャ261によって載置台261aが上昇することにより、シュート220の下面にマスク240が接する第1の位置とする。このとき、シュート孔222の下端とマスク孔242の上端が合致する。また、このとき、シュート孔222とマスク孔242とが重なった面積が、電子部品Cの軸Axcに直交する方向の面F(図1(c)参照)の面積よりも大きい面積となっている。
(供給動作)
まず、電子部品Cの供給動作を説明する。図4(A)に示すように、案内機構282によって、ピックアップ機構281の移動体283が水平移動させられて、容器211の上方に位置付けられる。このとき、接離機構285cによって保持板285bが下降することにより、磁性部材285aが支持板284bに接し、吸着板284aには、支持板284bを介して磁力による吸着力が働いている。
次に、案内機構282によって、ピックアップ機構281の移動体283が下降することにより、各吸着板284aが容器211の各区画211aに接近する。これにより、各吸着板284aが、複数の電子部品Cを磁力により吸着保持する。そして、案内機構282によって、ピックアップ機構281の移動体283が上昇し、容器211から電子部品Cがピックアップされる。このあと、移動体283は、案内機構282によって、水平移動させられて、シュート220の上方に位置付けられる。さらに、図4(B)、図9(A)、図12(A)に示すように、移動体283が下降して、吸着板284aが、シュート220の各区画225に接近する。
その後、図9(B)、図12(B)に示すように、接離機構285cによって保持板285bが上昇して、磁性部材285aが支持板284bから離隔することにより、各吸着板284aに働いていた磁力が解除される。このため、各吸着板284aに吸着されていた電子部品Cが、シュート220の各区画225に落下する。そして、案内機構282によって、移動体283が上昇することにより、吸着板284aがシュート220の各区画225から退避する。このようにして、シュート220に電子部品Cが供給される。その後、接離機構285cによって、保持板285bが下降して、磁性部材285aが支持板284bに接することにより、各吸着板284aに磁力が働く状態に戻しておく。
そして、振動機構230によって振動台231を振動させることにより、シュート220、マスク240及び受台250を振動させる。すると、図12(C)に示すように、シュート220の各区画225に収容された電子部品Cが、1つずつシュート孔222の上端側から入って、シュート孔222を通過する過程で軸Axcが鉛直方向となるように案内されて、マスク孔242に落下する。
マスク孔242に入った電子部品Cは、その下端が受台250の支持部252に接することにより、上端側の電極形成領域Rのみが、マスク孔242から露出している。但し、マスク孔242から露出した電極形成領域Rは、シュート孔222に入っている。また、マスク孔242に入った電子部品Cの上に、シュート孔222に入った電子部品Cが乗っている場合も生じる。
次に、図10(A)、図12(D)に示すように、間隔調整部260によって載置台261aが下降することにより、シュート220の下面から、マスク240を離隔させて第2の位置とする。このときの離隔した間隔Dzは、マスク孔242から露出した電極形成領域Rの高さと同等とする。これにより、シュート孔222に入った電子部品Cとマスク孔242に入った電子部品Cとの境界が、シュート220の下面と面一となり、シュート220が水平方向に移動可能となる。
そして、図10(B)、図12(E)に示すように、移動機構270によって、マスク240が載置された受台250をX方向に移動距離Dx分移動させる。この移動距離Dxは、マスク孔242の水平方向の長さの半分程度の距離である。このように、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmとをずらすことにより、シュート孔222に入った電子部品Cの落下が、マスク孔242に入った電子部品Cによって防止されるとともに、マスク孔242に入った電子部品Cの上下動がシュート220の底面によって規制される。
なお、移動距離Dxは、マスク孔242の水平方向の長さの半分程度の距離に限られるものではない。シュート孔222からの電子部品Cの落下が防止され、マスク孔242に入った電子部品Cの上下動が規制されればよく、シュート孔222とマスク孔242との間を電子部品Cが移動できないように、シュート孔222とマスク孔242とが重なる面の面積が、電子部品Cの軸Axcに直交する方向の面Fの面積よりも小さくなる位置に移動する距離であればよい。
この状態で、図11(A)、図12(F)に示すように、案内機構282によって、移動体283がシュート220の上方に移動してから下降することにより、吸着板284aが下降して、シュート220の各区画225に接近する。これにより、各吸着板284aが、各区画225における電子部品Cを磁力により吸着保持する。このとき、シュート孔222に入った電子部品Cだけでなく、マスク孔242に入った電子部品Cにも、吸着しようとする磁力が作用する。しかし、マスク孔242に入った電子部品Cは上記のように移動が規制されているので吸着されない。そして、案内機構282によって移動体283が上昇し、シュート220から電子部品Cがピックアップされて除去される。このあと、移動体283は、案内機構282によって水平移動させられて、容器211の上方に水平移動する。さらに、移動体283が下降して、吸着板284aが、容器211の各区画211aに接近する(図4(B)、(A)参照)。
その後、接離機構285cによって、保持板285bが上昇して、磁性部材285aが支持板284bから離隔することにより、各吸着板284aに働いていた磁力が解除される。このため、各吸着板284aに吸着された電子部品Cが、容器211の各区画211aに落下する。さらに、案内機構282によって、移動体283が上昇することにより、吸着板284aが、容器211の各区画211aから退避する。このようにして、シュート220から電子部品Cが除去される。
次に、図11(B)、図12(G)に示すように、プッシャ261の載置台261aが下降することにより、マスク240が載置された受台250が下降して、回転テーブル292の保持孔292aに、受台250が保持される第3の位置となる。これにより、電子部品Cがマスク孔242に挿入されたマスク240が、受台250とともに、回転テーブル292に供給される。なお、移動機構270は、マスク240が載置された受台250を初期位置に戻す。
そして、プッシャ261は、下降することにより受台250及び回転テーブル292から退避する。さらに、回転テーブル292が間欠回転することにより、保持孔292aに保持された受台250は、搬入搬出部により搬入可能な位置に来るので、搬入搬出部は、ロードロック部を介して、受台250をチャンバ31内に搬入し、回転テーブル321上の封止体323に搭載する。
図2に示すように、回転テーブル321は、受台250を前処理部33に搬送し、プッシャ324によって封止体323を上昇させることにより、電子部品Cが挿入されたマスク240を搭載した受台250を処理室331に収容しつつ封止する。処理室331においては、マスク孔242から露出した電子部品Cの電極形成領域Rに、表面処理を行う。
さらに、回転テーブル321は、受台250を成膜部34、成膜部35に順次搬送し、上記と同様に、プッシャ324によって封止体323を上昇させることにより封止して、成膜室341、351内で、電極形成領域Rに成膜が行われる。本実施形態においては、成膜部34においてチタンを成膜し、成膜部35において銅を成膜する。
その後、回転テーブル321は、受台250を搬入搬出位置に搬送し、ロードロック部を介して、搬入搬出部が受台250をチャンバ31から搬出する。搬出された受台250は、回転テーブル292の保持孔292aに保持される。
次に、電子部品Cの成膜が行われた電極形成領域Rの、反対側の電極形成領域Rに成膜を行うため、電子部品Cを反転する。電極形成領域Rに成膜がなされた電子部品Cが挿入されたマスク240と受台250は、回転テーブル292により、反転を行う所定のポジションに搬送される。この所定のポジションで、所定のポジションに位置決めされた受台250上のマスク240に、図13(A)に示すように、別途用意された受台250が重ねられ、図13(B)に示すように反転される。なお、新たに重ねられた受台250の規制部253は、マスク240の規制孔243に入って、位置合わせがされるとともにずれが防止される。また、重ねられた二つの受台250の規制部253同士が当たることによって、2つの受台250の間隔を規定する。
重ね合わされた2つの受台250の間隔は、電子部品Cの軸方向の長さと同じか、わずかに大きく設定されている。2つの受台250は同形状同サイズである。したがって、それぞれの受台250の規制部253の突出量は同じである。また、それぞれの受台250の支持部252の突出量は同じである。このため、規制部253と支持部252との突出量の差の2倍が、電子部品Cの軸方向の長さと同じか、わずかに大きくなるように設定される。つまり、規制部253と支持部252との突出量の差は、電子部品Cの軸方向の長さと同じかわずかに大きくなるように設定された長さの半分となるように設定される。また、マスク240の板体241の厚さは、規制部253と支持部252との突出量の差より厚く、規制部253と支持部252との突出量の差の2倍より薄い。そして、支持部252の上に重ねられた時、電子部品Cの電極形成領域Rが露出する厚さである。このような寸法関係に設定されているので、一方の受台250上に載置されたマスク240の板体241に設けられた規制孔243に、他方の受台250の規制部253を挿入することができる。そして、重ね合わされた2つの受台250を一体的に反転させても(裏返しにしても)、他方の受台250上に一端が接触した電子部品Cの他端の電極形成領域Rが、反転前の露出量と同じになる。
このような反転によりマスク240も反転するので、マスク240が下降して、下側となった受台250に接する。これにより、電子部品Cにおける成膜された側と反対側の電極形成領域Rが、マスク孔242の上端から露出する。そして、図13(C)に示すように、上側となった受台250が外される。この状態で、上記と同様に、受台250が成膜処理部3のチャンバ31に搬入され、露出した電極形成領域Rに成膜処理が行われる。これにより、電子部品Cの両端の電極形成領域Rに電極Eが形成される。なお、受台250の重ね合わせや取り外しは、作業者が行うこともできるし、ロボット等により行うこともできる。
[効果]
(1)本実施形態の供給装置2は、一端と他端を有する電子部品Cが1つずつ通過可能なシュート孔222を、複数有するシュート220と、シュート220が重ねられ、シュート孔222を介して電子部品Cが挿入され、電子部品Cの一部を覆うマスク孔242を有するマスク240と、マスク240を保持し、マスク孔242に挿入された電子部品Cの一端が接する受台250と、マスク孔242に挿入された電子部品Cの他端がシュート220と干渉しない状態で、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmがずれるように、シュート220とマスク240を相対移動させる移動機構270と、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmがずれた状態で、マスク孔242に挿入された電子部品C以外の電子部品Cを、シュート220から除去する除去機構280と、を有する。また、このような供給装置2を用いて供給された電子部品Cに成膜を行う成膜処理部3を有する。
このため、所定量以上の電子部品Cの供給を抑制し、生産性を向上させる供給装置2及び成膜装置1とすることができる。具体的には、シュート220とマスク240の水平方向の相対移動により、マスク孔242に電子部品Cが挿入されている状態でも、シュート220のシュート孔222以外の部分(下面)で、マスク孔242に挿入された電子部品Cの移動を規制することができるとともに、シュート孔222からの電子部品Cの落下などによる不要な電子部品Cがマスク240上に供給されてしまうことを規制できる。
つまり、シュート孔222とマスク孔242が一致した状態で、シュート孔222を介して電子部品Cがマスク孔242に挿入されるが、シュート220とマスク240の水平方向の相対移動によりシュート孔222とマスク孔242がずれるので、後続の電子部品Cは挿入できない。また、マスク孔242に挿入されている電子部品Cは、移動が規制されるので、シュート孔222を介して吸い出されることがない。従って、マスク孔242に入っておらず、シュート220及びシュート孔222に残留している電子部品Cのみを、除去機構280により除去できる。これにより、シュート220をマスク240から離脱させるときに、マスク240に対して、所定量以上の電子部品Cが供給されてしまうことを抑制できる。
より詳細には、マスク孔242に電子部品Cを挿入する際には、挿入率を高めるために、マスク孔242の数より多くの電子部品Cをシュート220に供給する。すると、当然、マスク孔242に入らずに、余ってしまう電子部品Cが生じる。余った電子部品Cは、シュート220上に残ることになる。またこのとき、マスク孔242に電子部品Cが挿入されている箇所のシュート孔222に電子部品Cが存在する場合もある。このようなシュート孔222に存在する電子部品Cは、マスク240がシュート220と分離されるときに、シュート220から落下してマスク240上に散乱することになる。また、シュート220上に残った電子部品Cがシュート孔222を介してシュート220から落下して、マスク240上に散乱することもある。これらの、マスク240上に落下した電子部品Cが、成膜装置1内で散らばって故障を引き起こしたり、成膜の邪魔になったりする。
よって、マスク240がシュート220と分離される前に、シュート孔222に存在する余分な電子部品Cも除去する必要がある。この除去のため、吸引、吸着を行うと、今度は、マスク孔242に挿入されている電子部品Cも除去されてしまう場合があり、挿入率を下げて、生産性が落ちてしまう。
本実施形態の供給装置2は、移動機構270でシュート220とマスク240をずらすことで、シュート220上あるいはシュート孔222に入ってしまった電子部品Cを除去機構280により吸引(吸着)するときに、マスク孔242に挿入された電子部品Cは、シュート220の孔からずれているので、シュート孔222を介して吸い出されない状況にすることができる。つまり、マスク孔242内の電子部品Cの移動が規制されている。よって、マスク孔242に挿入された電子部品Cは、挿入されたままを維持し、除去機構280は、マスク孔242に挿入された電子部品C以外の余計な電子部品Cだけを確実に除去できる。これによって、生産性を落とさず、マスク240上に散乱する電子部品Cも無くすことができ、余計な電子部品Cによって故障が引き起こされたり、成膜が邪魔されることもない。
(2)供給装置2は、シュート220及びマスク240の互いに対向する面の間隔を調整することにより、電子部品Cの他端がシュート220と干渉しない状態とする間隔調整部260を有する。このため、マスク240からシュート220を離脱させる動きと共通の動作によって、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態とすることができる。
より詳細には、電子部品Cがマスク孔242に挿入されると、電子部品Cの一部(一端側)はマスク孔242に覆われ、他端側(電極形成領域R)は露出する。マスク孔242にシュート孔222を介して電子部品Cを挿入するためには、シュート孔222とマスク孔242は接していた方が良い。すると、当然、マスク孔242に挿入された電子部品Cは、電極形成領域Rがシュート孔222に残った状態となる。この状態では、シュート孔222とマスク孔242をずらすことができない。シュート孔222とマスク孔242をずらさずに除去機構280により電子部品Cを除去しようとすると、マスク孔242に挿入された電子部品Cも除去されてしまう。
本実施形態は、間隔調整部260が、シュート220及びマスク240の互いに対向する面の間隔を調整することにより、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態とする。よって、電子部品Cを除去する際に、シュート孔222とマスク孔242をずらすことができ、これによって電子部品Cの移動が規制されて、マスク孔242に挿入された電子部品Cが、シュート孔222を介して除去されてしまうことがないので、生産性を落とさない。
(3)間隔調整部260によりシュート孔222の軸Axs方向に相対的に移動させる場合のシュート220及びマスク240の間隔Dzは、マスク孔242に挿入された電子部品Cの電極形成領域Rの軸Axc方向の長さ以上、電子部品Cの軸Axc方向の長さ以下である。このため、電極Eを形成するために電子部品Cの一部をマスク孔242から露出させつつ、僅かな距離の移動によって、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態として、シュート孔222とマスク孔242をずらすことができる。
(4)除去機構280は、電子部品Cを吸着保持する吸着部284を有する。このため、シュート220およびシュート孔222に残留した電子部品Cを吸着保持して除去できる。
(5)吸着部284は、電子部品Cが吸着される吸着板284aと、吸着板284aに吸着力を付与する吸着力付与部285と、を有し、吸着力付与部285は、磁性部材285aと、磁性部材285aと吸着板284aとを相対移動させることにより、電子部品Cの吸着及び吸着解除を行う接離機構285cを有する。
このため、吸着板284aに対して、磁性部材285aを移動させることで、シュート220の全面や収容部210の複数の区画211aに亘る電子部品Cの吸着、解放を、瞬時に切り替えることができ、簡素な構成で電子部品Cの吸着位置や落下位置の偏りを低減できる。
(6)供給装置2は、電子部品Cを複数収容する収容部210を有し、除去機構280は、収容部210とシュート220との間で、電子部品Cを移載する案内機構282を有する。このため、電子部品Cの供給と除去を共通の機構で行うことができる。
[変形例]
本実施形態は、以下のような変形例も考えられる。
(1)移動機構270は、マスク240及び受台250と、シュート220とを相対的に移動させるものであればよい。上記本実施形態では、移動機構270は間隔調整部260に設けられ、マスク240及び受台250を移動させるものとしたが、シュート220を移動させる構成としてもよい。この場合、シュート220が、振動機構230の振動台231に、相対移動可能に支持されるようにする。そして、移動機構270は、振動台231とシュート220の間に設けられる。移動機構270は、例えばエアシリンダを用いることができ、振動台231に対してシュート220を移動させることでシュート220をX方向に移動させる。これによって、マスク240に対してシュート220を移動させるように構成することができる。
以下に示す図14の変形例は、シュート220を移動させる例であり、図15、図16は、マスク240を移動させる例である。但し、これらの変形例においても、シュート220及びマスク240のいずれか一方又は双方を移動させてもよい。
(2)上記本実施形態では、振動台231に支持されるシュート220に対して、間隔調整部260によって、マスク240を載置した受台250を回転テーブル292より上昇させて、シュート220にマスク240を接触させていた(図10参照)。図14に示す変形例は、受台250と独立してマスク240を上昇させるようにしている。これにより、上記本実施形態では、マスク孔242に電子部品Cを挿入すると、電子部品Cはシュート孔222に突出している。したがって、この状態ではシュート220とマスク240をずらすことができない。このため、この突出分、すなわち電極形成領域R分(間隔Dz分)、電子部品Cを下げて、水平方向において電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態としてからシュート220とマスク240をずらしていた。これに対し、図14の変形例では、マスク孔242に電子部品Cを挿入するとき、電子部品Cはシュート孔222に突出しない。したがって、水平方向において電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となっているので、電子部品Cを下げる動作を行うことなく、シュート220とマスク240をずらすことができ、タクトタイムを短縮することができる。
具体的には、図14に示すように、プッシャ261に、シュート220とマスク240を接離する方向(Z方向)に相対移動させる間隔調整部500を、駆動部510と昇降部材520によって構成してもよい。駆動部510は、プッシャ261内に設けられ、図示しないシリンダ等の駆動源によって昇降する。昇降部材520は、受台250を貫通し、駆動部510によって駆動される。
昇降部材520は、マスク240を支持して駆動部510によって昇降することにより、マスク240を、シュート220に接する上昇位置と、受台250の支持部252に接する下降位置との間で移動させる。本実施形態の昇降部材520は、例えば、棒状のピンである。マスク240が上昇位置にあるとき、シュート孔222に入った電子部品Cとマスク孔242に入った電子部品Cとの境界が、シュート220の下面と面一となっていることにより、シュート220が水平方向に移動可能となっている。このとき、受台250の支持部252とマスク240との間には、電子部品Cの露出した電極形成領域Rの高さと同等の間隔Dvが空いている。なお、図14では、シュート220の区画225を1つとしているが、上記の態様のように複数の区画225を有していてもよい。
この場合、図14(A)に示すように、マスク240が上昇位置にある状態で、上記と同様にシュート220の区画225に電子部品Cが投入され、振動によりシュート孔222を介してマスク孔242に電子部品Cを挿入させる。
この状態で、図14(B)に示すように、移動機構270によって、シュート220をX方向に移動させる。この移動距離Dxは、上記と同様である。このように、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmとをずらすことにより、シュート孔222に入った電子部品Cの落下が、マスク孔242に入った電子部品Cによって防止されるとともに、マスク孔242に入った電子部品Cの上下動がシュート220の底面によって規制される。
そして、図14(C)に示すように、案内機構282によって、移動体283がシュート220の上方に移動してから下降することにより、吸着板284aが下降して、シュート220の区画225に接近する。すると、吸着板284aが、区画225における電子部品Cを磁力により吸着保持する。このとき、シュート孔222に入った電子部品Cも、吸着板284aに吸着されそうになるが、マスク孔242に入った電子部品Cは上記のように上下方向の移動が規制されているので吸着されない。吸着板284aに吸着保持された電子部品Cは、上記と同様に容器211に戻される。このようにして、シュート220から余分な電子部品Cが除去される。
次に、図14(D)に示すように、プッシャ261の載置台261aが下降することにより、マスク240が載置された受台250が下降して、回転テーブル292の保持孔292aに、受台250が保持される(図11(B)参照)。これにより、電子部品Cがマスク孔242に挿入されたマスク240が、受台250上に残る。また、図14(E)に示すように、駆動部510によって昇降部材520が下降することにより、マスク240を、受台250の支持部252に接する下降位置とする。これにより、マスク孔242から、電子部品Cの電極形成領域Rが露出した状態となる。さらに、図14(F)に示すように、プッシャ261が下降することにより、受台250及び回転テーブル292から退避する。その後の動作は、上記の態様と同様である。
(3)また、図15に示すように、間隔調整部600を、受台250とマスク240との間に挿入されるスペーサによって構成してもよい。この間隔調整部600は、作業者の手動により又は図示しない駆動機構により、受台250とマスク240との間に挿入、排出される。間隔調整部600が挿入されている場合には、マスク240はシュート220に接する上昇位置にあり、間隔調整部600が挿入されていない場合には、マスク240は受台250の支持部252に接する下降位置にある。
間隔調整部600が挿入されている場合には、マスク孔242に入った電子部品Cの上面と、シュート220の下面とが面一となっていることにより、水平方向において電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となり、シュート220が水平方向に移動可能となっている。このとき、受台250の支持部252とマスク240との間には、電子部品Cの露出した電極形成領域Rの高さと同等の間隔Dvが空いている。なお、図15では、シュート220の区画225を1つとしているが、上記の態様のように複数の区画225を有していてもよい。つまり、本発明においては、シュート220の区画225及びこれに対応する収容部210の区画211a、マスク240の区画245は、1つであっても複数であってもよい。
この場合、図15(A)に示すように、マスク240が上昇位置にある状態で、上記と同様にシュート220の区画225に電子部品Cが投入され、振動によりシュート孔222を介してマスク孔242に電子部品Cを挿入させる。
この状態で、図15(B)に示すように、移動機構270によって、受台250及びマスク240をX方向に移動させる。この移動距離Dxは、上記と同様である。このように、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmとをずらすことにより、シュート孔222に入った電子部品Cの落下が、マスク孔242に入った電子部品Cによって防止されるとともに、マスク孔242に入った電子部品Cの上下動がシュート220の底面によって規制される。
そして、図15(C)に示すように、案内機構282によって、移動体283がシュート220の上方に移動してから下降することにより、吸着板284aが下降して、シュート220の区画225に接近する。すると、吸着板284aが、区画225における電子部品Cを磁力により吸着保持する。このとき、シュート孔222に入った電子部品Cも、吸着板284aに吸着保持されるが、マスク孔242に入った電子部品Cは上記のように移動が規制されているので吸着されない。吸着板284aに保持された電子部品Cは、上記と同様に容器211に戻される。
次に、図15(D)に示すように、プッシャ261の載置台261aが下降することにより、マスク240が載置された受台250が下降して、回転テーブル292の保持孔292aに、受台250が保持される(図11(B)参照)。これにより、電子部品Cがマスク孔242に挿入されたマスク240が、受台250上に残る。さらに、プッシャ261が下降することにより、受台250及び回転テーブル292から退避する。
そして、図15(E)に示すように、間隔調整部600を外すことによって、マスク240を、受台250の支持部252に接する下降位置とする。これにより、マスク孔242から、電子部品Cの電極形成領域Rが露出した状態となる。その後の動作は、上記の態様と同様である。
このような図15の変形例においても、マスク孔242に電子部品Cを挿入するとき、電子部品Cはシュート孔222に突出しない。したがって、水平方向において電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となっているので、電子部品Cを下げる動作を行うことなく、シュート220とマスク240をずらすことができ、タクトタイムを短縮することができる。
(4)さらに、図16に示すように、マスク孔242の両端が拡大していてもよい。例えば、マスク孔242の両端に、階段状の段差となるようにして拡大させた拡大部242aを設ける。なお、拡大部242aは、傾斜したテーパ面としてもよいが、微小な孔であるため、エッチングにより段差を形成する方が容易である。マスク孔242の軸Axm方向の長さは、電子部品Cの軸Axc方向の長さと同じである。
この場合、図16(A)に示すように、上記と同様にシュート220の区画225に電子部品Cが投入され、振動によりシュート孔222を介してマスク孔242に電子部品Cを挿入させる。このとき、マスク孔242に入った電子部品Cの上面と、シュート220の下面とが面一となっているので、電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となり、シュート220が水平方向に移動可能となっている。
この状態で、図16(B)に示すように、移動機構270によって、受台250及びマスク240をX方向に移動させる。この移動距離Dxは、上記と同様である。このように、シュート孔222の軸Axsとマスク孔242の軸Axmとをずらすことにより、シュート孔222に入った電子部品Cの落下が、マスク孔242に入った電子部品Cによって防止されるとともに、マスク孔242に入った電子部品Cの上下動がシュート220の底面によって規制される。
そして、図16(C)に示すように、案内機構282によって、移動体283がシュート220の上方に移動してから下降することにより、吸着板284aが下降して、シュート220の区画225に接近する。すると、吸着板284aが、区画225における電子部品Cを磁力により吸着保持する。このとき、シュート孔222に入った電子部品Cも、吸着板284aに吸着保持されるが、マスク孔242に入った電子部品Cは上記のように上下方向の移動が規制されているので吸着されない。吸着板284aに保持された電子部品Cは、上記と同様に容器211に戻されて、除去される。
次に、図16(D)に示すように、プッシャ261の載置台261aが下降することにより、マスク240が載置された受台250が下降して、回転テーブル292の保持孔292aに、受台250が保持される(図11(B)参照)。これにより、電子部品Cがマスク孔242に挿入されたマスク240が、受台250上に残る。さらに、プッシャ261が下降することにより、受台250及び回転テーブル292から退避する。これにより、電子部品Cの電極形成領域Rが、拡大部242a内において露出した状態となる。その後の動作は、上記の態様と同様である。なお、電極形成領域Rは拡大部252aにおいて露出しているので、成膜が可能となる。
このような図16の変形例においても、マスク孔242に電子部品Cを挿入するとき、電子部品Cはシュート孔222に突出しない。したがって、水平方向において電子部品Cの上端がシュート220と干渉しない状態となっているので、電子部品Cを下げる動作を行うことなく、シュート220とマスク240をずらすことができ、タクトタイムを短縮することができる。また、構成がシンプルなので、装置コストを安く抑えることができる。
(5)吸着力付与部285の磁性部材285aは、上記の態様では永久磁石としていたが、電磁石を用いてもよい。この場合には、磁性部材285aを接離させる機構を設ける必要がなく、電流の入切で、磁力による吸着力の有無を切り替えることができる。また、磁性部材285aが電磁石であっても、磁性部材285aを接離させる機構と組み合わせてもよい。この場合でも磁性部材285aを接離させる機構により確実に磁力の影響を遮断して、小さくて軽量な電子部品Cでも確実に吸着保持から解放することができる。
吸着部が、負圧により電子部品Cを吸引保持する吸引口と、吸引口に負圧を供給する吸引配管とを有していてもよい。この場合、吸着力付与部を、負圧により吸引力を付与する負圧発生回路として、吸引配管に接続する。これにより、磁力により吸着され難い材料や形状の電子部品Cであっても、負圧により吸着保持し、負圧を停止することで吸着を解除して、電子部品Cを供給できる。吸引口の開口面積は、電子部品Cの最も小さい面の面積以下とする。吸引口は、吸着板に形成された多数の孔としてもよいし、吸引口が通気性のある多孔質材料で覆われていてもよい。これにより、吸引口を小さくして、電子部品Cが吸引配管内に吸い込まれることを抑制できる。
(6)成膜処理部3としては、スパッタリングにより成膜を行う装置には限定されない。マスク240のマスク孔242から露出した電極形成領域Rに導電性材料を塗布することにより電極Eを形成する装置であっても、電極形成領域Rを導電性材料に浸漬させることにより電極Eを形成する装置であってもよい。
シュート220の区画225は、少なくとも1つであればよい。すなわち、1つであってもよいし、複数あってもよい。マスク240の区画245、収容部210の区画211aは少なくとも1つであればよい。すなわち、1つであってもよいし、複数あってもよい。
(7)受台250は支持部252を有さず、平坦な面となっていてもよい。また、マスク240は板体241のみで梁部244を有さず、平坦な面となっていてもよい。受台250とマスク240が固定されていても、一体的に形成されていてもよい。規制部253は、上記のピンのような部材でもよいし、マスク240を囲む壁であってもよい。
(8)電極形成領域Rは、電子部品Cの外側表面において内部電極Enに電気的に接続される領域であれば、電子部品Cの少なくとも一端の領域であればよい。例えば、電極形成領域Rは、電子部品Cの軸Axc方向の両端あるいは一端のみの領域であってもよい。すなわち、成膜処理部3は、電子部品Cの少なくとも一端に成膜を行うことが可能であればよい。
また、電極形成領域Rは、電子部品Cの一部の領域であれば良く、例えば、電子部品Cの軸Axc方向の面Fを含む箱状の領域であってもよいし、電子部品Cの軸Axc方向の面Fのみであってもよい(図1参照)。つまり、マスク孔242は、電子部品Cの一部を覆えばよく、特に、電子部品Cの側面(軸Axcに沿う面)の一部あるいは全部を覆う態様が含まれる。マスク孔242が電子部品Cの側面の全部を覆う場合、電子部品Cは、軸Axcに直交する方向の面Fのみが露出した状態で、マスク孔242に保持される。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
1 成膜装置
2 供給装置
3 成膜処理部
4 制御装置
31 チャンバ
32 搬送部
33 前処理部
34、35 成膜部
210 収容部
211 容器
211a 区画
211b 傾斜面
212 支持台
212a 脚部
220 シュート
221 板体
222 シュート孔
223 隔壁
225 区画
230 振動機構
231 振動台
231b 収容孔
232 基台
240 マスク
241 板体
242 マスク孔
243 規制孔
244 梁部
245 区画
250 受台
251 板体
252 支持部
253 規制部
260、500、600 間隔調整部
261 プッシャ
261a 載置台
261b シャフト
261c 支持部
261d ガイド
261e 可動体
262 駆動源
270 移動機構
280 除去機構
281 ピックアップ機構
282 案内機構
283 移動体
284 吸着部
284a 吸着板
284b 支持板
284c 支柱
285 吸着力付与部
285a 磁性部材
285b 保持板
285c 接離機構
286 支柱部
287 アーム部
288 ガイド部
290 搬送機構
291 モータ
292 回転テーブル
292a 保持孔
311 排気部
321 回転テーブル
322 駆動源
323 封止体
324 プッシャ
331 処理室
341、351 成膜室
342、352 ターゲット

Claims (8)

  1. 一端と他端を有する電子部品が1つずつ通過可能なシュート孔を、複数有するシュートと、
    前記シュートが重ねられ、前記シュート孔を介して前記電子部品が挿入され、前記電子部品の一部を覆うマスク孔を有するマスクと、
    前記マスクを保持し、前記マスク孔に挿入された前記電子部品の一端が接する受台と、
    前記マスク孔に挿入された前記電子部品の他端が前記シュートと干渉しない状態で、前記シュート孔の軸と前記マスク孔の軸がずれるように、前記シュートと前記マスクを相対移動させる移動機構と、
    前記シュート孔の軸と前記マスク孔の軸がずれた状態で、前記マスク孔に挿入された前記電子部品以外の前記電子部品を、前記シュートから除去する除去機構と、
    を有する供給装置。
  2. 前記シュート及び前記マスクの互いに対向する面の間隔を調整することにより、前記電子部品の他端が前記シュートと干渉しない状態とする間隔調整部を有する請求項1記載の供給装置。
  3. 前記間隔調整部により前記シュート孔の軸方向に相対的に移動させる場合の前記シュート及び前記マスクの間隔は、前記マスク孔に挿入された前記電子部品の電極形成領域の軸方向の長さ以上、前記電子部品の軸方向の長さ以下であることを特徴とする請求項2記載の供給装置。
  4. 前記マスク孔の両端が拡大していることを特徴とする請求項1記載の供給装置。
  5. 前記除去機構は、前記電子部品を吸着保持する吸着部を有する請求項1記載の供給装置。
  6. 前記吸着部は、
    前記電子部品が吸着される吸着板と、
    前記吸着板に吸着力を付与する吸着力付与部と、
    を有し、
    前記吸着力付与部は、磁性部材と、前記磁性部材と前記吸着板とを相対移動させることにより、前記電子部品の吸着及び吸着解除を行う接離機構を有する請求項5記載の供給装置。
  7. 前記電子部品を複数収容する収容部を有し、
    前記除去機構は、前記収容部と前記シュートとの間で、前記電子部品を移載する案内機構を有する請求項1記載の供給装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の供給装置と、
    前記電子部品に成膜を行う成膜処理部と、
    を備えた成膜装置。
JP2022178760A 2021-11-19 2022-11-08 供給装置及び成膜装置 Pending JP2023075921A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW111143908A TW202322164A (zh) 2021-11-19 2022-11-17 供給裝置及成膜裝置
CN202211438608.3A CN116145101A (zh) 2021-11-19 2022-11-17 供给装置及成膜装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021188907 2021-11-19
JP2021188907 2021-11-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023075921A true JP2023075921A (ja) 2023-05-31

Family

ID=86542361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022178760A Pending JP2023075921A (ja) 2021-11-19 2022-11-08 供給装置及び成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023075921A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101226733B1 (ko) 기판 반송 장치
KR101488668B1 (ko) 성막 장치 및 성막 방법
JP2013232630A (ja) 基板保持装置および基板保持方法
JP2008087883A (ja) 基板取出装置およびその方法
US11512388B2 (en) Film forming apparatus and film forming method
JP2010080917A (ja) 搬送装置
JPH11130255A (ja) 基板搬送移載装置
TWI669406B (zh) Film forming device and embedded processing device
JP2023075921A (ja) 供給装置及び成膜装置
TWI823679B (zh) 供給裝置及成膜裝置
JP2023075923A (ja) 供給装置及び成膜装置
JP2023075922A (ja) 供給装置及び成膜装置
KR20110060846A (ko) 도전성 볼의 탑재 장치
JP2023090647A (ja) 供給装置、成膜装置及び保持部材
CN110349883B (zh) 接合系统和接合方法
TW202322164A (zh) 供給裝置及成膜裝置
TW202334464A (zh) 供給裝置及成膜裝置
TW202344701A (zh) 供給裝置、成膜裝置及保持構件
JP2010087383A (ja) 装着ヘッド及びこれを用いた部品装着装置
TWI712700B (zh) 濺鍍裝置
JP2003007797A (ja) 真空処理装置
JP2000277899A (ja) はんだボール搭載装置及び搭載方法、並びに粒状物搭載装置
JPH08139440A (ja) はんだチップの実装方法及び実装装置及び供給装置及び整列装置及び吸着ヘッド及び回路基板
JPH11266098A (ja) チップ状電子部品供給装置
US20220081757A1 (en) Film forming apparatus, film forming system, and film forming method