JP2023075679A - 露光装置、及び物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスクの撓みを適切に補正することが可能な露光装置を提供すること。【解決手段】 マスクのパターンを基板に転写する露光装置であって、マスクの面を境界とする空間を定義する空間定義部材と、前記空間の圧力を制御する圧力制御機構と、空間定義部材とマスクとの間に配置されたシール部材と、圧力制御機構への圧力制御指令に対する前記空間の圧力の応答に基づいて、シール部材の異常判定を行う判定部と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、露光装置、及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶表示装置(ディスプレイ)等の製造工程であるフォトリソグラフィ工程においては、露光装置が使用される。露光装置は、マスク(原版)のパターンを、投影光学系を介して感光性の基板(表面にレジスト層が形成されたウエハやガラスプレート等)に転写する。近年、露光装置に用いられるマスクの大型化によりマスクが自重で撓み、像性能が悪化することが懸念されている。
特許文献1は、マスクの上側を平面ガラス等の空間定義部材で塞いで密閉空間を構成し、当該密閉空間の圧力を調整することによってマスクの撓みを補正する露光装置を開示している。
特開2006-135085号公報
特許文献1の露光装置において、空間定義部材のマスクに対向する面にはシール部材が設けられており、上記密閉空間の密閉度を向上させている。上記密閉空間の密閉度を向上させることで、上記密閉空間の圧力を精度良く調整することができ、結果としてマスクの撓みを適切に補正することが可能となる。
しかしながら、マスクの交換や経年変化等によりシール部材の劣化が生じて上記密閉空間の圧力を精度良く調整することが困難になり、マスクの撓みを適切に補正することができなくなる事態が生じ得る。
本発明は、マスクの撓みを適切に補正することが可能な露光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の露光装置は、マスクのパターンを基板に転写する露光装置であって、前記マスクの面を境界とする空間を定義する空間定義部材と、前記空間の圧力を制御する圧力制御機構と、前記空間定義部材と前記マスクとの間に配置されたシール部材と、前記圧力制御機構への圧力制御指令に対する前記空間の圧力の応答に基づいて、前記シール部材の異常判定を行う判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、マスクの撓みを適切に補正することが可能な露光装置を提供することができる。
露光装置の概略構成を示す図である。 マスクステージ、撓み制御ユニットの構成を示す概略図である。 撓み補正システム、圧力制御システムの構成を示す概略図である。 シール部材の異常判定フローを示すフローチャートである。 圧力制御指令に対する差圧センサの出力を示す図である。
図1、本発明の好適な実施形態の露光装置の概略構成を示す図である。図2は、図1の一部を拡大した図である。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持して移動するマスクステージMSTと、基板Pを支持する基板ステージPSTを備える。さらに、露光装置EXは、マスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージPSTに保持された基板Pに投影し転写する投影光学系PLと、マスクローダーMLとを備えている。露光装置EXは、更に、マスクMの撓み量を測定する撓み測定装置60(計測部)を備えることが好ましい。
マスクMの上部は、マスクMの面を境界の一部とする撓み制御空間Sを形成する撓み制御ユニット(空間Sを定義する空間定義部材)1が配置される。マスクステージMSTに保持されているマスクMと基板ステージPSTに保持されている感光基板Pとは、投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置される。この実施形態の露光装置EXは、大型凹面鏡を有するいわゆるミラースキャン型露光装置として構成されている。感光基板Pは、典型的には、ガラスプレート(ガラス基板)に感光剤(フォトレジスト)を塗布したものである。
この実施形態では、露光装置EXは、走査型露光装置として構成され、露光光ELを射出する照明光学系ILに対してマスクMと感光基板Pとを同期して移動させて、マスクMのパターンを感光基板Pに走査露光により転写する。以下では、投影光学系PLの光軸方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向でマスクM及び感光基板Pの同期移動方向をY軸方向(走査方向)、Z軸方向及びY軸方向と直交する方向をX軸方向とする。また、X軸まわり、Y軸まわり、Z軸まわりのそれぞれの方向をθX方向、θY方向、θZ方向とする。
照明光学系ILは、例えば、起高圧水銀ランプ等を含む光源と、光源から射出された光束を集光する楕円鏡と、楕円鏡により集光された光束を拡大しかつ平行光束化するコンデンサレンズを備える。さらに、照明光学系ILは、所定面積の照明領域を定義するための制限スリット板と、制限スリット板からの光束を反射させてマスクMにスリット状照明光束を照射するミラーとを含みうる。
照明光学系ILが発生する露光光ELとしては、例えば、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)の他に、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)等が用いられうる。照明光学系ILは、所謂ケーラー照明系として構成されうる。
マスクステージMSTは、照明光学系ILに対してマスクMを走査駆動するように構成され、Y軸方向(走査方向)に長いストロークを有し、走査方向に直交するX軸方向に適当なストロークを有する。マスクステージMSTは、マスクMを保持するための吸着部を有する。吸着部は、不図示のバキューム装置に接続されており、マスクMは、吸着部により真空吸着されて保持される。マスクステージ駆動部MSTDは、マスクステージMSTをX軸方向及びY軸方向に駆動する。マスクステージ駆動部MSTDは、主制御系Cにより制御されうる。
図1に示すように、マスクステージMST上のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡32a、32bが設けられている。移動鏡32aに対向するように、レーザー干渉計Mx1が配置され、移動鏡32bに対向するように複数個(この来施形態では2個)のレーザー干歩計My1、My2が配置されている。レーザー干渉計My1、My2は、移動鏡32bにレーザー光を照射して、レーザー干渉計My1、My2と移動鏡32bとの距離を検出する。レーザー干渉計My1、My2の検出結果は主制御系に出力され、主制御系はレーザー干渉計My1、My2の検出結果に基づいてマスクステージMSTのY軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を演算する。また、レーザー干渉計Mx1は、移動鏡32aにレーザー光を照射して、レーザー干渉計Mx1と移動鏡32aとの距離を検出する。レーザー干渉計Mx1の検出結果は主制御系Cに出力され、主制御系Cは、レーザー干渉計Mx1の検出結果に基づいてマスクステージMSTのX軸方向における位置を求める。主制御系Cは、レーザー干渉計Mx1、Mx2、及びMy1の出力からマスクステージMSTの位置(姿勢)をモニタしつつマスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
マスクMを透過した露光光ELは、投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは、反射面を備える複数のミラー52、54を含み、マスクMの照明領域に存在するパターンの像を感光基板P上に形成する。
感光基板Pを駆動する基板ステージPSTは、感光基板Pを保持する基板ホルダをする。基板ステージPSTは、マスクステージMSTと同様に、Y軸方向(走査方向)に走査用のストロークを有し、走査方向に直交するX軸方向にステップ移動用のストロークとを有する。更に、基板ステージPSTは、Z軸方向、及びθX、θY、θZ方向にも移動可能に構成されている。基板ステージ駆動部PSTDは、基板ステージPSTをX軸方向及びY軸方向に駆動する。基板ステージ駆動部PSTDは、主制御系Cにより制御される。
図1に示すように、基板ステージPST上のY軸方向及びX軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡33a、33bが設置されている。X軸方向に延在する移動鏡33aに対向するように、複数(例えば、3個)のレーザー干渉計Px1、Px2、Px3が配置されている。また、Y軸方向に延在する移動鏡33bに対向するように、複数(例えば、2個)のレーザー干渉計Py1、Py2が配置されている。複数のレーザー干渉計Px1~Px3は、Y軸方向に沿って等間隔に配置されている。レーザー干渉計Py1、Py2は、移動鏡33bにレーザー光を照射して、レーザー干渉計Py1、Py2と移動鏡33bとの距離を検出する。レーザー干渉計Py1、Py2の検出結果は主制御系Cに出力され、主制御系Cはレーザー干渉計Py1、Py2の検出結果に基づいて基板ステージPSTのY軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を求める。また、レーザー干渉計Px1~Px3は移動鏡33aにレーザー光を照射して、レーザー干渉計Px1~Px3と移動鏡33aとの距離を検出する。ここで、基板ステージPSTは、Y軸方向に走査用の長いストロークを有するので、基板ステージPSTの位置に応じてレーザー干渉計Px1~Px3が切り替えられうる。レーザー干渉計Px1~Px3の検出結果は主制御系Cに出力され、主制御系Cはレーザー干渉計Px1~Px3それぞれの検出結果に基づいて基板ステージPSTのX軸力向における位置を求める。主制御系Cは、レーザー干渉計Py1、Py2、及びPx1~Px3の出力から基板ステージPSTの位置(姿勢)をモニタし基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDは、主制御系Cにより制御され、マスクステージMST、基板ステージPSTは、それぞれ、マスクステージ駆動部MSTD、基板ステージ駆動部PSTDによって駆動される。主制御系Cは、マスクステージMST及び基板ステージPSTの位置をモニタしながら両駆動部PSTD、MSTDを制御することによりマスクMと感光基板Pとを投影光学系PLに対して任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期駆動する。
撓み制御ユニット1を上記のようにマスクMの上方に配置する場合において、自重圧力によるマスクMの撓みを補正するためには、撓み制御空間S内の圧力を大気圧(或いは、周辺環境の圧力)に対して負圧にする必要がある。一方、撓み制御ユニット1をマスクMの下方に配置する場合には、自重圧力によるマスクMの撓みを補正するためには、圧力制御空間S内の圧力を大気圧(或いは、周辺環境の圧力)に対して陽圧にする必要がある。この実施形態では、撓み制御ユニット1をマスクMの上方に配置する構成例を中心として説明するが、本発明は、撓み制御ユニット1をマスクMの下方に配置する実施形式も含むことができる。このような実施形式においては、撓み制御空間S内を負圧にする構成に代えて、撓み制御空間S内を陽圧にする構成が採用される。
次に、図2及び図3を参照しながら、マスクMの面を境界とする撓み制御空間Sを定義するための撓み制御ユニット(空間定義部材)1について説明する。図2には、マスクステージMSTのほか、それによって保持されたマスクM及び撓み制御ユニット1の概略構成が示されている。図3には、撓み制御空間Sの圧力を制御することによりマスクMの撓みを補正する撓み補正システム或いは圧力制御システムの概略構成が示されている。
撓み制御ユニット1は、マスクMに対向する光透過板3と枠2とを含んで構成されうる。枠2は、典型的には、光透過板3の外周端に沿うように光透過板3とマスクMとの間に配置されうる。撓み制御ユニット1は、枠2がマスクMに接触又は近接するように配置されうる。撓み制御ユニット1は、マスクMから取り外し可能な方法でマスクMに固定されてもよいし、マスクM上に載せ置かれてもよいし、マスクMに接触又は近接するように保持機構によって保持されてもよい。マスクMは、典型的には矩形であり、これに応じて光透過板3及び枠2も、典型的には矩形とされうる。
露光性能を担保するために光透過板3に求められる光学性能は非常に高く、光透過板3は非常に高価である。そのため、マスクMの交換のタイミングで毎回光透過板3を交換するような運用を行うとコスト面でのデメリットが大きく、光透過板3は長期間(例えば数年以上)にわたって継続して使用されることが一般的である。
撓み制御ユニット1がマスクMに接触又は近接するように配置されることによって、撓み制御ユニット1の光透過板3及び枠2並びにマスクMによって撓み制御空間Sが定義される。
撓み制御ユニット1は、マスクステージMST側の接続部6と接続するための接続部4、及び、撓み制御空間SとマスクステージMST側の接続部6に設けられた流路6aとを連通させる流路5を更に含みうる。マスクステージMST側の接続部6は、典型的にはマスクステージMST上に配置される。なお、接続部4、6、又は、それに接続されるチューブやケーブルが照明領域内に配置される場合には、それらに露光光が当たらないように遮光板(例えば、金属製)を設けることが好ましい。
枠2は、マスクMに対して傷を与え難い樹脂、例えばポリカーボネートで構成されうる。ポリカーボネートは、脱ガスが少なく、良好な仕上げ面が得られる部材である。光透過板3は、例えば、ガラス板等のような露光光ELを透過する材料で構成される。枠2と光透過板3とは、ネジ、接着剤等の種々の固定方法によって固定されうる。
撓み制御ユニット1のマスクMに対向する面とマスクMとの間の全部又は一部には、シール部材7が設けられる。撓み制御ユニット1とマスクMとの間の全部又は一部にシール部材7を配置することにより、撓み制御空間Sと外部空間との間における気体の移動を可能にしつつその移動量を制限することができる。シール部材7は、撓み制御ユニット1に接合される。さらに、ストッパー等の係合部8を撓み制御ユニット1に設けることが好ましい。シール部材7は、マスクステージMSTが駆動されることによるマスクMの走査移動により発生しうる撓み制御ユニット1とマスクMとの相対的ずれの抑制にも寄与しうる。
枠2と光透過板3とは、前述のように種々の方法によって接続されうるが、保守作業の容易さの観点において、ネジ等の締結具による方法のように、枠2と光透過板3との分離が容易な方法が好ましい。ここで、枠2及び光透過板3の各インターフェース面の面加工精度を十分に高くすることにより、ネジ等の締結具による接続方法によっても十分に高いシール機能を得ることができる。枠2と光透過板3との間には、必要に応じてシール材を介在させてもよい。
図2及び図3に例示的に示すように、マスクステージMSTに配置された接続部6には、流路10a、11aを介して、それぞれサーボバルブ10、差圧センサ(圧力センサ)11が接続されている。サーボバルブ10は、圧力制御機構PRCによって制御される。圧力制御機構PRCは、主制御系Cの一部を構成する。
図2及び図3に示す構成例では、サーボバルブ10及び差圧センサ11は、マスクステージMSTに配置されている。サーボバルブ10は、2つのポートを有し、1つのポートは流路10aを介して接続部6の流路6a(更には、流路5を介して撓み制御空間S)に連通し、もう1つのポートは流路10gを通して中継部C1のガスポートに連通している。また、サーボバルブ10と中継部C1との間には、サーボバルブ10を駆動するための電気信号ライン10eが配線されている。差圧センサ11は、2つのポートを有し、1つのポートは、流路11aを介して接続部6の流路6a(更には、流路5を介して撓み制御空間S)に連通し、もう1つのポートは、周辺環境(撓み制御空間Sの外部空間であり典型的には大気)に連通している。すなわち、差圧センサ11の出力は、撓み制御空間Sと周辺環境との差圧を提供する。この差圧は、マスクMの自重によりマスクMに発生する撓みをキャンセルするためにマスクMに作用している圧力差である。差圧センサ11の出力信号は、電気信号ライン11eを介して中継器C1に提供される。
中継器C1は、マスクステージMSTに配置され、遠隔制御部Fに配置された中継器C2に対して、フレキシブルチューブ12g及びフレキシブルケーブル12eを介して接続されている。典型的には、中継器C2を有する遠隔制御部Fは、露光装置における固定された部分に設置されうる。そのため、中継器C1、C2間は、柔軟性を有する電気的及び機械的な接続材料によって接続されている。サーボバルブ10の1つのポートに接続された流路10gは、中継器C1、フレキシブルチューブ12g、中継器C2を介してバッファタンク13に連通している。サーボバルブ10の開度が大きくされると、サーボバルブ10を通じて撓み制御空間Sから流路10g、中継器C12、フレキシブルチューブ12g、中継器C2を介してバッファタンク13に吸引される気体の量が増加する。逆に、サーボバルブ10の開度が小さくされると、サーボバルブ10を通じて撓み制御空間Sから流路10g、中継器C12、フレキシブルチューブ12g、中継器C2を介してバッファタンク13に吸引される気体の量が減少する。サーボバルブ10を駆動するための電気信号は、電気信号ライン10e2、中継器C2、フレキシブルケーブル12e、中継器C1、電気信号ライン10eを介して圧力制御機構PRCからサーボバルブ10に提供される。差圧センサ11の出力信号は、電気信号ライン11e、中継器C1、フレキシブルケーブル12e、中継器C2、電気信号ライン11e2を介して差圧センサ11から圧力制御機構PRCに提供される。
圧力制御機構PRCは、フレキシブルインターフェース12を通して提供される差圧センサ11の出力信号(計測結果)に基づいて撓み制御空間Sの圧力を制御する。具体的には、差圧センサ11の出力信号により示される差圧が目標差圧になるようにサーボバルブ10の駆動信号を発生させる。目標差圧は、例えば、撓み測定装置60によって測定されたマスクMの撓み量に基づいて決定される。なお、図2及び3では、マスクMの上部からマスクMの撓み量を測定する構成としているが、撓み測定装置60をマスクMの下部に設け、マスクMの下部からマスクMの撓み量を測定する構成としても良い。
そして、当該駆動信号をフレキシブルインターフェース12を通してサーボバルブ10に提供する。すなわち、圧力制御機構PRCは、撓み制御空間Sとその外部空間との差圧が目標差圧に一致するように、撓み制御空間Sとその外部空間との差圧をフィードバック制御する。ここで、サーボバルブ10の駆動信号は、例えば、サーボバルブ10の開度を制御するための信号、又は、サーボバルブ10の開閉を間欠的に制御するための信号とすることができる。前記の目標差圧は、マスクMの撓みを補正するために必要な撓み制御空間Sとその外部空間との差圧であり、例えば、マスクMのサイズや厚さ等に基づいて決定されうる。
バッファタンク13は、不図示の減圧ライン等の圧力制御ラインに接続される。バッファタンク13は、撓み制御空間Sの圧力制御の安定性及び追従性の向上に寄与する。
以上説明したように、サーボバルブ10及び差圧センサ11を用いて撓み制御空間Sの圧力を制御することにより、マスクMの撓みを補正することが可能である。しかしながら、マスクMの交換やマスクステージMSTによるマスクMの駆動によって、シール部材7に経年変化が生じ得る。
これにより、撓み制御ユニット1によって形成される撓み制御空間Sの密閉度が徐々に低下し、撓み制御空間Sの圧力を精度良く調整することが困難になり得る。結果として、マスクMの撓みを適切に補正することができなくなるおそれがある。本実施形態では、サーボバルブ10への駆動信号(圧力制御指令)に対する撓み制御空間Sの圧力の応答に基づいて、シール部材7の経年変化を予測し、シール部材7の異常判定を行う。
シール部材7の異常判定は、サーボバルブ10による圧力制御が完了しない状態となる前にシール部材7の経年変化を検出し、マスクMの撓みを適切に補正することができなくなる事態を回避することを目的としている。これにより、例えば、マスクMの撓みを適切に補正することができなくなる前に、シール部材7の交換等をユーザに促すことが可能となる。結果として、マスクMの撓みが適切に補正されない状態で露光動作が行われるリスクを低減させることができる。
続いて、図4を用いて、本実施形態におけるシール部材7の異常判定フローについて説明する。図4のフローチャートは主制御系Cによって実行され得る。はじめにステップS401において、露光装置EXが稼動中であるか否かの判定を行う。露光装置EXが稼働中の場合には、露光装置EXの稼働が止まるまで待機し、再度ステップS401の判定を行う。露光装置EXが稼働していないと判定されると、ステップS402に移行し、圧力制御機構PRCによるマスクMの撓み補正を実行中であるか否かの判定を行う。ここで、露光装置EXの稼働が止まる状態とは、露光対象の基板がなく露光装置EXを休止状態としている場合等を示している。
ステップS402にてマスクMの撓み補正を実行していると判定されると、撓み制御空間Sの気圧をその外部空間の気圧と等しくするために、ステップS403にてマスクMの撓み補正を一時的に停止する。ステップS402にてマスクMの撓み補正を実行していると判定されない場合には、ステップS404にてマスクMの撓み補正を実行するための準備を行う。
続いて、ステップS405においてマスクMの撓み補正を開始し、差圧センサ11の出力の記録を開始する。続いて、ステップS406において、圧力制御機構PRCに圧力制御指令が入力される。当該圧力制御指令に基づく圧力制御を実行している間も差圧センサ11の出力の記録が継続される。そして、ステップS407において、上記圧力制御指令に基づく圧力制御が完了したか否かの判定が行われる。当該判定は繰り返し行われても良く、例えば、所定の回数だけ上記圧力制御が完了しないと判定された場合には、露光装置EXに異常が生じたと判定される。
圧力制御指令には目標圧力値が含まれ、差圧センサ11の出力が目標圧力値となったときに圧力制御が完了したものとする。本実施形態において、目標圧力値は、撓み制御空間Sと周辺環境との差圧として設定されている。
上記圧力制御が完了したと判定された場合には、ステップS408において上記圧力制御が停止され、上記圧力制御に関する情報が露光装置EXに備えられたメモリ等に記録される。そしてステップS409において、シール部材7の異常判定が行われ、異常ありと判定された場合には、露光装置のモニタ等に異常が発生したことを表示する。ステップS406からステップS408の処理を繰り返し実行し、その結果に基づいてシール部材7の異常判定を行っても良い。このとき、主制御系Cが判定部として機能する。
このように、圧力制御を実施可能な段階でシール部材7の異常判定を行うことで、マスクMの撓みを適切に補正することができなくなる前に、シール部材7の交換等の対応をユーザ等に促すことが可能となる。
図5は、圧力制御指令に対する差圧センサ11の出力を示す図である。縦軸は差圧センサ11の出力、横軸は時間を示している。実線は圧力制御指令値を示し、破線は、シール部材7が正常であるときにおける制御空間Sの圧力応答(正常時の圧力応答)を示している。また、1点破線は、シール部材7に異常が生じているときにおける制御空間Sの圧力応答(異常時の圧力応答)を示している。
圧力制御の開始時刻をt0、正常時の圧力応答において圧力制御が完了した時刻をt2、異常時の圧力応答において圧力制御が完了した時刻をt3、圧力制御の停止時刻をt4とする。また、正常時の圧力応答において、圧力制御を停止した後に圧力制御開始前の圧力値に戻った時刻をt5、異常時の圧力応答において、圧力制御を停止した後に圧力制御開始前の圧力値に戻った時刻をt6とする。
例えば、圧力制御の開始から圧力制御が完了するまでの時間を応答時間として、計測された応答時間と正常時の応答時間(t2-t0)の値(基準値)との比較結果に基づいてシール部材7の異常判定を行うことができる。具体的には、計測された応答時間と基準値との差が所定値以上の場合に異常が発生したと判定することができる。所定値は予め設定された固定値でも良いし、ユーザによって適宜設定可能な値としても良い。
また、圧力制御の開始時刻t0から圧力制御中の時刻t1までの圧力応答に基づいてシール部材7の異常判定を行うことも可能である。この場合、計測された圧力応答から時刻t1以降の圧力応答を近似式等で予測することができる。近似式としては1次式や指数関数を用いることができる。この場合、圧力制御が完了する前にシール部材7の異常判定を行うことが可能となるため、異常判定を早期に実行することができる点で優れている。
正常時の応答時間(t2-t0)を基準値として用いなくても、応答時間の変化に基づいてシール部材7の異常判定を行うことも可能である。例えば、応答時間の変化の移動平均を評価値として、異常判定のための所定値と上記評価値を比較することで異常判定を実行可能である。
また、圧力制御を停止した後の圧力応答に基づいてシール部材7の異常判定を行うことも可能である。シール部材7が劣化すると制御空間Sの密閉度が低下するため、圧力制御を停止してから圧力制御開始前の圧力値に戻るまでの時間が短くなる。例えば、正常時における圧力制御を停止してから圧力制御開始前の圧力値に戻るまでの時間(t6-t4)と、実際に圧力制御を停止してから圧力制御開始前の圧力値に戻るまでの時間を比較することで異常判定を実行することができる。さらに、圧力制御を停止してから圧力制御開始前の圧力値に戻るまでの時間の変化に基づいて上記異常判定を行うことも可能である。
以上のように、圧力制御を実行しているときにおける差圧センサ11の出力の時間変化に基づいてシール部材7の異常判定を行うことができる。サーボバルブ10による圧力制御が完了しない状態となる前に、シール部材7の経年変化を検出することで、マスクMの撓みを適切に補正することができなくなる事態を回避することができる。結果として、マスクMの撓みを適切に補正した状態で露光動作を実行することが可能となる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、上記の物品の製造システムを用いて基板に原版のパターンを形成する形成工程と、該形成工程でパターンが形成された基板を現像(加工)する現像(加工)工程とを含みうる。更に、かかる物品製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 空間定義部材
7 シール部材
C 主制御系(判定部)
PRC 圧力制御機構

Claims (10)

  1. マスクのパターンを基板に転写する露光装置であって、
    前記マスクの面を境界とする空間を定義する空間定義部材と、
    前記空間の圧力を制御する圧力制御機構と、
    前記空間定義部材と前記マスクとの間に配置されたシール部材と、
    前記圧力制御機構への圧力制御指令に対する前記空間の圧力の応答に基づいて、前記シール部材の異常判定を行う判定部と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記圧力制御指令には、前記空間の目標圧力値が含まれ、
    前記空間の圧力が前記目標圧力値となるまでの時間である応答時間に基づいて、前記シール部材の異常判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記応答時間と基準値との比較結果に基づいて、前記シール部材の異常判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記応答時間の変化に基づいて、前記シール部材の異常判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  5. 前記圧力制御指令には、前記空間の目標圧力値が含まれ、
    前記空間の圧力が前記目標圧力値となった後に、前記空間の圧力制御を実行する前の圧力値に戻るまでの時間に基づいて、前記シール部材の異常判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  6. 前記目標圧力値は、前記空間とその周辺環境との差圧に関する値であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. 前記差圧を計測する圧力センサをさらに備え、
    前記圧力制御機構は、前記圧力センサの計測結果に基づいて前記空間の圧力を制御することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記圧力制御機構は、前記空間に接続されたサーボバルブを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 前記マスクの撓みを計測する計測部をさらに備え、
    前記圧力制御機構は、前記計測部の計測結果に基づいて前記空間の圧力を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の露光装置を用いて前記基板を露光する工程と、
    露光された前記基板を現像する工程と、
    現像された前記基板から物品を製造する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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