JP2023074759A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業効率を低下させることなく、周囲に存在する障害物との接触を防止することのできる建設機械を提供する。【解決手段】電磁比例弁65a、65b、65c、65dは、障害物検知部8により所定の監視領域A1において障害物が検知された場合に複数のアクチュエータ60の動作を停止させる。判定部71は、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。停止無効化部72は、判定部71により予め定められた条件を満たすと判定された場合に、複数のアクチュエータ60のうちの所定の走行モータ22Lに対する電磁比例弁65b、65cによる動作の停止を無効にする。【選択図】図4
Description
本発明は、建設機械に関する。
特許文献1には、周囲に人が検知された場合に掘削用、旋回用、及び前後進用のアクチュエータの動作を禁止するショベルが開示されている。
しかしながら、周囲に作業員等の障害物が存在する場合に、特定のアクチュエータを動かしたとしてもショベルが障害物に接触しないこともある。そのため、すべてのアクチュエータの動作を禁止することは、作業効率を低下させることになる。
本発明は、作業効率を低下させることなく、周囲に存在する障害物との接触を防止することのできる建設機械を提供することを目的とする。
本発明に係る建設機械は、複数のアクチュエータと、操作部と、障害物検知部と、停止部と、判定部と、停止無効化部とを備える。前記操作部は、前記複数のアクチュエータに個別に動作指示を出す。前記障害物検知部は、所定の監視領域における障害物を検知する。前記停止部は、前記障害物検知部により前記障害物が検知された場合に前記複数のアクチュエータの動作を停止させる。前記判定部は、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。前記停止無効化部は、前記判定部により前記予め定められた条件を満たすと判定された場合に、前記複数のアクチュエータのうちの所定のアクチュエータに対する前記停止部による動作の停止を無効にする。
本発明によれば、作業効率を低下させることなく、周囲に存在する障害物との接触を防止することのできる建設機械を提供できる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
<実施形態1>
図1~図4を参照して、実施形態1に係る油圧ショベル1について説明する。図1は油圧ショベル1の右側面図であり、図2は油圧ショベル1の後方斜視図である。実施形態1では、建設機械の一例として油圧ショベル1を示すが、建設機械は油圧ショベル1に限定されない。
図1~図4を参照して、実施形態1に係る油圧ショベル1について説明する。図1は油圧ショベル1の右側面図であり、図2は油圧ショベル1の後方斜視図である。実施形態1では、建設機械の一例として油圧ショベル1を示すが、建設機械は油圧ショベル1に限定されない。
油圧ショベル1は、下部走行体2と、上部旋回体3と、作業機4と、操縦部5とを備える。図3は、操縦部5の斜視図である。
下部走行体2は、エンジン31からの動力を受けて駆動し、油圧ショベル1を走行させる。下部走行体2は、左右一対のクローラ21L、21Rと、クローラ21L、21Rを駆動させる走行モータ22L、22Rとを備える。走行モータ22L、22Rは、下部走行体2を駆動させるアクチュエータである。
上部旋回体3は、下部走行体2に対して旋回可能に設けられている。上部旋回体3の内部には、エンジン31及び旋回モータ32等が収納されている。エンジン31は、例えば、ディーゼルエンジンである。旋回モータ32は、上部旋回体3を旋回駆動させるアクチュエータである。
作業機4は、エンジン31からの動力を受けて駆動し、操縦部5における操作に応じて土砂の掘削作業等を行う。作業機4は、ブーム41と、アーム42と、掘削用のアタッチメントであるバケット43と、作業機4を駆動させるアクチュエータとを備える。なお、アタッチメントはバケット43に限定されない。作業機4を駆動させるアクチュエータは、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bである。
ブーム41は、枢軸ピン41aを中心にして上下回動自在に、上部旋回体3の前方下部に取り付けられている。上部旋回体3の前方下部とブーム41の屈曲部との間には、伸縮自在に可動するブームシリンダ41bが設けられている。ブーム41は、ブームシリンダ41bの伸縮に応じて上下回動する。
アーム42は、枢軸ピン42aを中心にして上下回動自在に、ブーム41の先端部に取り付けられている。ブーム41の屈曲部とアーム42の基端部との間には、伸縮自在に可動するアームシリンダ42bが設けられている。アーム42は、アームシリンダ42bの伸縮に応じて上下回動する。
バケット43は、枢軸ピン43aを中心にして上下回動自在に、アーム42の先端部に取り付けられている。アーム42の先端部とバケット43との間には、バケット43に駆動力を伝達するバケットリンク44が介在している。アーム42の基端部とバケットリンク44との間には、伸縮自在に可動するバケットシリンダ43bが設けられている。バケットリンク44は、バケットシリンダ43bの伸縮に応じて上下回動する。
操縦部5は、上部旋回体3の上方に設けられている。図示例の油圧ショベル1においては、操縦部5がキャビン50によって覆われているが、キャビン50がない構成であってもよい。
図3に示されるように、キャビン50の内部には、オペレータが着座するための運転席51が設けられている。運転席51の前方には、走行操作レバー52L、52Rと、走行操作ペダル52La、52Raとが設置されている。走行操作レバー52Lと走行操作ペダル52Laとが棒状部材によって連結されており、走行操作レバー52L又は走行操作ペダル52Laが操作されることにより、走行モータ22Lに対して動作指示が出される。同様に、走行操作レバー52Rと走行操作ペダル52Raとが棒状部材によって連結されており、走行操作レバー52R又は走行操作ペダル52Raが操作されることにより、走行モータ22Rに対して動作指示が出される。走行操作レバー52L、52R及び走行操作ペダル52La、52Raは、操作部である。
運転席51の側方には、作業操作レバー53L、53Rが設置されている。作業操作レバー53L、53Rが操作されることにより、旋回モータ32、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、バケットシリンダ43b等に対して動作指示が出される。作業操作レバー53L、53Rは、操作部である。
作業操作レバー53Rは、運転席51の右側に配置されたコンソールボックス54Rの上部に取り付けられている。作業操作レバー53Lは、運転席51の左側に配置されたコンソールボックス54Lの上部に取り付けられている。コンソールボックス54Lの前方下部には、上下に回動するカットオフレバー55が設けられている。オペレータがカットオフレバー55を上方に引き上げると、コンソールボックス54Lも上方に回動する。上方に回動した状態のコンソールボックス54Lは、オペレータの運転席51への乗降を邪魔しない。
コンソールボックス54Lの内部には、カットオフレバー55の回動位置を検知するカットオフスイッチ56(図4参照)が設けられている。カットオフスイッチ56は、カットオフレバー55が押し下げられ、下方に回動した状態になると、オン状態になる。カットオフスイッチ56は、カットオフレバー55が引き上げられ、上方に回動した状態になると、オフ状態になる。カットオフスイッチ56の状態を示すカットオフスイッチ信号は、カットオフスイッチ56から出力され、ECU(Electronic Control Unit)7及び電磁弁64に入力される。
運転席51の右斜め前方には、モニタ57が配置されている。モニタ57の周囲には操作ボタン58が設けられている。なお、オペレータが操作可能な操作手段は、操作ボタン58に限定されず、タッチパネル等であってもよい。タッチパネルはモニタ57と一体に構成されてもよい。
図4は、実施形態1における油圧回路6の一例を示す図である。油圧ショベル1は、図4に示されるような油圧回路6を備える。油圧回路6には、所定のアクチュエータを含む複数のアクチュエータ60、可変容量ポンプ61、方向切換弁62a、62bを含む方向切換弁62、パイロットポンプ63、電磁弁64、及び電磁比例弁65a、65b、65c、65dを含む電磁比例弁65が含まれる。
可変容量ポンプ61は、エンジン31によって駆動される。可変容量ポンプ61は、複数のアクチュエータ60のそれぞれに作動油を供給する。即ち、可変容量ポンプ61は、走行モータ22L、22R、旋回モータ32、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに作動油を供給する。図4では、アクチュエータ60の代表としてブームシリンダ41bと走行モータ22Lの2つが示されている。
また、図4には、走行モータ22Lに動作指示を出す走行操作レバー52Lと、ブームシリンダ41bに動作指示を出す作業操作レバー53Lとが示されている。走行操作レバー52L及び作業操作レバー53Lは、電気式ジョイスティックにより構成されている。
複数のアクチュエータ60のそれぞれには、方向切換弁62が設けられている。方向切換弁62は、可変容量ポンプ61から供給される作動油の向きと圧力を切り換え可能なパイロット式の方向切換弁である。図4では、方向切換弁62のうち、ブームシリンダ41bに対応する方向切換弁62aと、走行モータ22Lに対応する方向切換弁62bが示されている。
パイロットポンプ63は、方向切換弁62を制御するためのパイロット油を吐出する。エンジン31によって駆動されたパイロットポンプ63は、パイロット油を吐出することにより、パイロット油路内にパイロット圧を発生させる。図4において、パイロット油路は破線で示され、作動油路は実線で示される。
電磁比例弁65は、ECU7からの制御指令に応じてパイロット圧を調圧する。1つの方向切換弁62に対して2つの電磁比例弁65が設けられ、2つの電磁比例弁65によって1つの方向切換弁62に供給されるパイロット油の向きと圧力が切り換えられる。図4に示される電磁比例弁65a、65dは、ブームシリンダ41bに対応する方向切換弁62aに供給されるパイロット油の向きと圧力を切り換える。電磁比例弁65b、65cは、走行モータ22Lに対応する方向切換弁62bに供給されるパイロット油の向きと圧力を切り換える。
パイロット圧を受けた方向切換弁62a内のスプールが変位することにより、ブームシリンダ41bに供給される作動油の向きが切り換わる。ブームシリンダ41bは、方向切換弁62aから供給される作動油の向きに応じた動作を行う。
パイロットポンプ63と電磁比例弁65a、65b、65c、65dとの間のパイロット油路には、電磁弁64が設けられている。カットオフスイッチ56がオン状態になると、電磁弁64がパイロット油路を連通する。パイロット油路が連通されると、オペレータによる走行操作レバー52L等の操作レバーの操作に応じて、ブームシリンダ41b等のアクチュエータ60が動作する状態となる。カットオフスイッチ56がオフ状態になると、電磁弁64がパイロット油路を遮断する。パイロット油路が遮断されると、オペレータが走行操作レバー52L等の操作レバーを操作してもブームシリンダ41b等のアクチュエータ60が動作しない状態となる。
ECU7は、油圧ショベル1の動作を制御する制御装置である。ECU7には、走行操作レバー52L、52R及び作業操作レバー53L、53R等の操作部から出力された操作方向と操作量を示す操作信号が入力される。図4では、走行操作レバー52L、52Rの代表として走行操作レバー52Lが示され、作業操作レバー53L、53Rの代表として作業操作レバー53Lが示されている。走行操作レバー52Lは、オペレータが走行モータ22Lを操作するための操作部である。作業操作レバー53Lは、オペレータがブームシリンダ41bを操作するための操作部である。
ECU7は、操作部からの操作信号に基づいて電磁比例弁65を制御することによって、所定のアクチュエータ60に対応する方向切換弁62に供給されるパイロット油の向きと圧力を切り換える。例えば、ECU7は、走行操作レバー52Lからの操作信号に基づいて電磁比例弁65a、65dを制御することによって、ブームシリンダ41bに対応する方向切換弁62aに供給されるパイロット油の向きと圧力を切り換える。また、ECU7は、作業操作レバー53Lからの操作信号に基づいて、電磁比例弁65b、65cを制御することによって、走行モータ22Lに対応する方向切換弁62bに供給されるパイロット油の向きと圧力を切り換える。
即ち、電磁比例弁65は、ECU7からの制御指令に応じてパイロット圧を調圧することにより、複数のアクチュエータ60の動作を一斉に又は個別に停止したり、複数のアクチュエータ60の動作速度を一律に又は個別に制御したりできる。
また、ECU7は、後述する判定部71、停止無効化部72、及び条件設定部73を有する。ECU7は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のようなメモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、ECU7における判定部71、停止無効化部72、及び条件設定部73の機能を実現する。
障害物検知部8は、右カメラ81、後方カメラ82、及び左カメラ83から出力された各撮像画像を解析することにより、油圧ショベル1の周囲に設定された監視領域内の障害物を検知する。障害物は、作業員等の人を含む。実施形態1では、油圧ショベル1に対して3つのカメラが設けられているが、カメラの個数及び設置位置は任意である。右カメラ81、後方カメラ82、及び左カメラ83のそれぞれは、ステレオカメラであってもよい。なお、障害物検知部8は、カメラに代えて、又はカメラに加えて、超音波センサ、ミリ波レーダ、又はLiDAR(Light Detection and Ranging)等を用いて障害物を検知してもよい。また、障害物検知部8は、障害物の検知に加え、障害物までの距離を検知してもよい。
図5は、実施形態1における監視領域と区画領域を示す図である。図6は、上部旋回体3が旋回した場合の監視領域と区画領域を示す図である。図5に示されるように、上部旋回体3に設置された右カメラ81、後方カメラ82、及び左カメラ83が撮像可能な領域が、監視領域A1として設定されている。監視領域A1のうち、上部旋回体3の前方の領域を除いた左右及び後方の領域が、区画領域A2として設定されている。即ち、監視領域A1のうち、作業機4が作業可能な領域を除いた領域が、区画領域A2として設定されている。図6に示されるように、監視領域A1と区画領域A2は、上部旋回体3の旋回に伴って移動する。作業機4も上部旋回体3と一体に旋回するため、上部旋回体3が旋回しても、区画領域A2は常に作業機4の作業可能な領域と干渉しない。
区画領域A2は、上部旋回体3からの距離に応じて複数の領域に分けられていてもよい。図5及び図6では、上部旋回体3から予め定められた第1距離までの領域が区画領域A2、上部旋回体3から予め定められた第2距離までの領域が区画領域A3に設定されている。図5及び図6において、第1距離は第2距離よりも大きい。
監視領域A1及び区画領域A2、A3の外縁は、矩形に限定されず、円形状等でもよい。また、これらの領域の大きさは、特に限定されるものではなく、油圧ショベル1の機種又は作業現場の種類等に応じて適宜設定可能であってもよい。
ブザー装置9は、オペレータに対して警報を発する警報部である。ブザー装置9は、例えば、キャビン50内の運転席51周囲に設けられる。障害物検知部8が監視領域A1において障害物を検知すると、障害物検知部8からブザー装置9へ障害物検知信号が出力される。ブザー装置9は、障害物検知信号を受け付けると、ブザー音を鳴らす。なお、ブザー装置9は、監視領域A1において障害物が検知された場合にブザー音を鳴らす構成に限定されず、区画領域A2において障害物が検知された場合にブザー音を鳴らしてもよいし、区画領域A3において障害物が検知された場合にブザー音を鳴らしてもよい。障害物がどの領域において検知された場合にブザー装置9がブザー音を鳴らすかの設定は、オペレータが操作可能である。
なお、警報部は、ブザー装置9に限定されない。例えば、警報部は、運転席51の前方に設けられたモニタ57であってもよい。モニタ57は、障害物検知部8が障害物を検知した場合に、障害物の撮像画像等、障害物が検知されたことをオペレータに認識させるための画像を表示する。また、例えば、警報部は、運転席51の前方に設けられたLED(Light Emitting Diode)ランプ等であってもよい。LEDランプ等は、障害物検知部8が障害物を検知した場合に点灯する。また、例えば、警報部は、油圧ショベル1の周囲の人に対して警報音を鳴らすスピーカ等であってもよい。スピーカ等は、障害物検知部8が障害物を検知した場合に警報音を鳴らす。
次に、実施形態1における障害物検知処理について説明する。
図7は、実施形態1における障害物検知処理の第1の例を示すフローチャートである。障害物検知部8が障害物を検知している場合でも、油圧ショベル1が特定の動作をする場合は、オペレータが障害物を認識したうえで油圧ショベル1を動作させる意思を有していることがある。オペレータが障害物を認識したうえで油圧ショベル1を動作させる意思を有している場合にまで、油圧ショベル1の動作を強制的に停止させることは、作業効率を低下させることになる。そこで、油圧ショベル1は、図7に示されるような処理を実施する。
第1の例において、複数のアクチュエータ60のうちの所定のアクチュエータは、油圧ショベル1を走行させる左右一対の走行モータ22L、22Rであるものとする。また、予め定められた条件は、走行モータ22L、22Rに動作指示を出す走行操作レバー52L、52Rの操作量によって決められる条件であるものとする。走行操作レバー52L、52Rの操作量によって決められる条件は、具体的には、走行操作レバー52L、52Rが最大操作されたことであるものとする。
油圧ショベル1の動作中、障害物検知部8が監視領域A1における障害物を検知すると、障害物検知部8からECU7へ障害物検知信号が出力される(ステップS11)。
ECU7の判定部71は、走行操作レバー52L、52Rから受け付ける操作信号に基づいて、走行モータ22L、22Rに動作指示を出す走行操作レバー52L、52Rが最大操作されたか否かを判定する(ステップS12)。
走行操作レバー52L及び走行操作レバー52Rの双方が最大操作されていない場合(ステップS12:No)、ECU7は、すべての電磁比例弁65を制御してパイロット油路を遮断する。これにより、すべての方向切換弁62へのパイロット圧の供給が停止するため、すべてのアクチュエータ60の動作が停止する(ステップS15)。即ち、電磁比例弁65は、停止部として機能する。
走行操作レバー52L又は走行操作レバー52Rの少なくとも一方が最大操作された場合(ステップS12:Yes)、停止無効化部72は、走行モータ22L、22Rに対応する方向切換弁62(図4の方向切換弁62bを含む)にパイロット圧を供給している電磁比例弁65(図4の電磁比例弁65b、65cを含む)を制御してパイロット油路を連通させる。走行モータ22L、22Rに作動油圧を供給する方向切換弁62(図4の方向切換弁62bを含む)へのパイロット圧の供給が継続するため、走行モータ22L、22Rの動作は継続する(ステップS13)。即ち、停止無効化部72により、走行モータ22L、22Rに対する停止部による動作の停止が無効になる。
走行モータ22L、22R以外のアクチュエータであるブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、バケットシリンダ43b、及び旋回モータ32に関しては、ステップS15と同様に停止部である電磁比例弁65の働きにより動作が停止する(ステップS14)。
以上、図7を参照して説明したように、停止部は、障害物検知部8により障害物が検知された場合に複数のアクチュエータ60の動作を停止させる。判定部71は、予め定められた条件を満たすか否かを判定する。停止無効化部72は、判定部71により予め定められた条件を満たすと判定された場合に、複数のアクチュエータ60のうちの所定のアクチュエータに対する停止部による動作の停止を無効にする。障害物が検知された場合であっても、予め定められた条件を満たしていれば、所定のアクチュエータの動作を停止させないため、作業効率の低下を防ぐことができる。
第1の例において、予め定められた条件は、所定のアクチュエータに対応する操作部の操作量によって定められる条件である。例えば、オペレータが所定のアクチュエータを一定以上の操作量で操作する場合、オペレータは障害物が検知されたことを認識したうえで、あえて油圧ショベル1を動作させたいという意思があると考えられる。このような場合に、停止無効化部72が停止部を無効化することにより、オペレータの意思の通りに油圧ショベル1を動作させることができるため、作業効率が低下しない。また、障害物が検知されたことを認識したうえであえて油圧ショベル1を動作させたいという意思がオペレータにあると考えられるため、油圧ショベル1と障害物との接触を防止することができる。
予め定められた条件は、所定のアクチュエータに対応する操作部が最大操作されたことであってもよい。オペレータが所定のアクチュエータを最大操作する場合、オペレータは障害物が検知されたことを認識したうえで、あえて油圧ショベル1を動作させたいというより強い意思があると考えられる。このような場合に、停止無効化部72が停止部を無効化することにより、オペレータの意思の通りに油圧ショベル1を動作させることができるため、作業効率が低下しない。また、障害物が検知されたことを認識したうえであえて油圧ショベル1を動作させたいというより強い意思がオペレータにあると考えられるため、油圧ショベル1と障害物との接触を防止することができる。
第1の例において、所定のアクチュエータは、油圧ショベル1を走行させる左右一対の走行モータ22L、22Rである。例えば、油圧ショベル1が前直進する場合、オペレータ自身が前方を目視確認しているため、障害物が検知されたことを認識したうえで、あえて油圧ショベル1を走行させたいという意思がある蓋然性が高い。このような場合に、停止無効化部72が停止部を無効化することにより、オペレータの意思の通りに油圧ショベル1を走行させることができるため、作業効率が低下しない。また、障害物が検知されたことを認識したうえであえて油圧ショベル1を動作させたいという意思がオペレータにある蓋然性が高いため、油圧ショベル1と障害物との接触を防止することができる。
なお、所定のアクチュエータは、走行モータ22L、22Rに限定されず、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、バケットシリンダ43b、又は旋回モータ32等であってもよい。
図8は、障害物検知処理の第2の例を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおけるステップS11~S15の処理は、図7のフローチャートにおけるステップS11~S15の処理と同じであるため、説明を省略する。
走行操作レバー52L又は走行操作レバー52Rの少なくとも一方が最大操作された場合(ステップS12:Yes)、停止無効化部72は、走行モータ22L、22Rに対する停止部(即ち、電磁比例弁65)による動作の停止を無効にする(ステップS13)。停止部が無効化された場合、ECU7は、走行モータ22L、22Rの動作速度を減速させる減速制御を行う(ステップS21)。例えば、ECU7は、走行モータ22L、22Rに対応する方向切換弁62(図4の方向切換弁62bを含む)にパイロット圧を供給している電磁比例弁65(図4の電磁比例弁65b、65cを含む)を制御して、パイロット圧を低下させる。これにより、走行モータ22L、22Rに作動油圧を供給する方向切換弁62(図4の方向切換弁62bを含む)へのパイロット圧が低下するため、走行モータ22L、22Rの動作速度が低下する。即ち、電磁比例弁65は、減速部として機能する。
以上、図8を参照して説明したように、減速部は、停止無効化部72が所定のアクチュエータに対する停止部による動作の停止を無効にする場合に、所定のアクチュエータの動作速度を減速させる。障害物が検知された場合に、所定のアクチュエータの動作を停止させず動作速度を減速させるため、作業効率の低下を防ぐことができる。また、所定のアクチュエータの動作速度を制限することにより、障害物と油圧ショベル1との接触を防止することができる。
なお、所定のアクチュエータは、走行モータ22L、22Rに限定されず、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、バケットシリンダ43b、又は旋回モータ32等であってもよい。
実施形態1において、停止部及び減速部は、電磁比例弁65に限定されない。例えば、パイロットポンプ63と電磁比例弁65との間のパイロット油路に、電磁弁64ではなく電磁比例弁(不図示)を設ける。この場合、電磁比例弁65を停止部、電磁弁64から代替した電磁比例弁を減速部とする。電磁弁64から代替した電磁比例弁は、ECU7からの制御指令に基づいてパイロット圧を低下させる。
また、例えば、停止部及び減速部は、電動機(エンジン31、走行モータ22L、22R、又は旋回モータ32等)の制御部(エンジンECU又はインバータ)等であってもよい。減速部がエンジン31である場合、エンジンECU(不図示)は、ECU7の制御指令に従ってエンジン31の回転数を減少させる制御を行う。エンジン31の回転数が減少することにより、可変容量ポンプ61が供給する作業油の流量が減少するため、所定のアクチュエータの動作速度が減速する。また、エンジン31が停止することにより、所定のアクチュエータの動作が停止する。
また、例えば、停止部及び減速部は、可変容量ポンプ61のレギュレータ等であってもよい。レギュレータ(不図示)は、ECU7の制御指令に従って可変容量ポンプ61の吐出流量を減少させる制御を行う。可変容量ポンプ61が供給する作業油の流量が減少するため、所定のアクチュエータの動作速度が減速する。可変容量ポンプ61の流量を0にはできないが、最小流量にすることで実質的にアクチュエータを停止させることができる。
図9は、実施形態1における障害物検知処理の第3の例を示すフローチャートである。監視領域A1内の特定の領域に障害物が存在する場合、特定のアクチュエータを動作させたとしても、障害物に接触しない場合がある。このような場合にまですべてのアクチュエータ60の動作を停止させることは、作業効率を低下させることになる。そこで、油圧ショベル1は、図9に示される処理を実施する。
第3の例において、複数のアクチュエータ60のうちの所定のアクチュエータは、作業機4を駆動させるブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bであるものとする。また、予め定められた条件は、所定の監視領域A1内に設定された区画領域A2において障害物が検知されたことであるものとする。ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bによって作業機4が動作したとしても、作業機4の作業可能な領域と区画領域A2とは干渉しない。即ち、作業機4と区画領域A2に存在する障害物とは接触する可能性が低い。
油圧ショベル1の動作中、障害物検知部8が監視領域A1における障害物を検知すると、障害物検知部8からECU7へ障害物検知信号が出力される(ステップS31)。
ECU7の判定部71は、障害物検知信号に基づいて、検知された障害物が区画領域A2に存在するか否かを判定する(ステップS32)。なお、区画領域A2は、区画領域A3を内包する領域である。
障害物が区画領域A2より外側の領域に存在する場合(ステップS32:No)、ECU7の一連の処理は終了する。即ち、ECU7は、作業機4を操作して作業を継続できると判定し、作業機4による作業を継続させる。従って、オペレータは、作業機4を操作して作業を継続できる。なお、区画領域A2より外側の領域は、油圧ショベル1から十分に離れており、作業機4の作業可能な領域と干渉しないため、作業機4による作業が継続したとしても障害物と接触しない。
障害物が区画領域A2に存在する場合(ステップS32:Yes)、停止無効化部72は、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対応する方向切換弁62(図4の方向切換弁62aを含む)にパイロット圧を供給している電磁比例弁65(図4の電磁比例弁65a、65dを含む)を制御してパイロット油路を連通させる。ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに作動油圧を供給する方向切換弁62(図4の方向切換弁62aを含む)へのパイロット圧の供給が継続するため、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作は継続する(ステップS33)。従って、オペレータは、作業機4を操作して作業を継続できる。
ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43b以外のアクチュエータである旋回モータ32及び走行モータ22L、22Rに関しては、ステップS35と同様に停止部である電磁比例弁65の働きにより動作が停止する(ステップS34)。旋回モータ32及び走行モータ22L、22Rの動作が停止するため、上部旋回体3の旋回、及び油圧ショベル1の走行が強制停止状態となる。よって、作業機4が上部旋回体3と一体に旋回すること、及び作業機4が下部走行体2と一体に移動することを防止できる。その結果、作業機4が区画領域A2に侵入しないため、作業機4と区画領域A2の障害物との接触を防止できる。
以上、図9を参照して説明したように、判定部71は、所定の監視領域A1に設定された区画領域A2において障害物が検知されたか否かを判定する。停止無効化部72は、判定部71により区画領域A2において障害物が検知されたと判定された場合に、複数のアクチュエータ60のうちの所定のアクチュエータに対する停止部による動作の停止を無効にする。監視領域A1の一部の区画である区画領域A2において障害物が検知されたとしても、油圧ショベル1の特定の動作さえ停止すれば障害物との接触を防止することができる。そのため、障害物との接触の可能性が低いアクチュエータの動作停止を無効化することにより、作業効率の低下を防ぐことができる。
例えば、区画領域A2は、所定の監視領域A1のうち、少なくとも「上部旋回体3の前方の領域を除いた領域」である。より詳しくは、区画領域A2は、所定の監視領域A1のうち、上部旋回体3の前方の領域を除いた領域、かつ、上部旋回体3から第1距離までの領域である。上部旋回体3の前方の領域を除いた領域である区画領域A2は、換言すれば、作業機4が作業可能な領域を除いた領域である。また、所定のアクチュエータは、作業機4を駆動させるブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bである。作業機4と干渉しない上部旋回体3の後方及び左右側方で障害物が検知された場合、上部旋回体3の旋回動作及び下部走行体2の走行動作を停止すれば、作業機4と障害物との接触を防止できる。よって、作業機4を駆動させるブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作停止を無効化することで作業を継続できるため、作業効率が低下しない。
なお、「上部旋回体3の前方の領域を除いた領域」は、区画領域A2よりも狭い区画領域A3であってもよい。例えば、油圧ショベル1の作業中に監視領域A1(又は区画領域A3を除いた区画領域A2)において障害物が検知された場合、まずブザー装置9等の警報部がオペレータに警報を発する。区画領域A3において障害物が検知された場合、上部旋回体3及び下部走行体2が動作を停止する。
また、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対する動作の停止が無効化された場合(ステップS33)、減速部は、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作速度を減速させてもよい。
なお、ECU7は、予め定められた条件を外部から受け付けて判定部71に対して設定する条件設定部73を有してもよい。例えば、オペレータが操作ボタン58を操作することによって、予め定められた条件を設定する。条件設定部73は、操作ボタン58が受け付けたオペレータの操作内容に基づいて、判定部71に対して条件を設定する。また、条件設定部73は、停止部による動作の停止を無効にする、所定のアクチュエータの選択を外部から受け付けて停止無効化部72に対して設定してもよい。
図10は、実施形態1における条件設定画面の一例を示す図である。条件設定部73は、図10に示されるような条件設定画面を、モニタ57に表示させる。条件設定画面において、掘削タブ100、旋回タブ110、及び前後進タブ120の3つのタブのうちの1つのタブが選択的に表示される。掘削タブ100では、掘削作業用のアクチュエータであるブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに関する条件が設定可能である。旋回タブ110では、旋回用のアクチュエータである旋回モータ32に関する条件が設定可能である。前後進タブ120では、前後進用の走行モータ22L、22Rに関する条件が設定可能である。掘削タブ100、旋回タブ110、及び前後進タブ120は、対象となるアクチュエータが異なるのみであって、画面内容は同じであるため、以下では代表として掘削タブ100について説明する。
図10に示される条件設定画面には、オペレータが選択した掘削タブ100が表示されている。掘削タブ100には、トグルボタン101、操作量設定つまみ102、及び減速量設定つまみ103が表示されている。トグルボタン101が「無効」に設定された場合、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対する停止部による動作の停止が無効となる。即ち、条件設定部73により停止無効化部72が有効にされる。よって、障害物検知部8により障害物が検知された場合、かつ、判定部71により予め定められた条件を満たすと判定された場合に、停止無効化部72は、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対する停止部による動作の停止を無効にする。
トグルボタン101が「有効」に設定された場合、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対する停止部による動作の停止が有効となる。即ち、条件設定部73により停止無効化部72が無効にされる。よって、停止部は、障害物検知部8により障害物が検知された場合にブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作を停止させる。
操作量設定つまみ102は、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bに対応する作業操作レバー53L、53Rの操作量を設定するためのつまみである。例えば、操作量は、大、中、小の3段階で設定が可能である。図10に示されるように、操作量が大に設定されている場合、判定部71は、予め定められた条件を満たすか否かの判定として、作業操作レバー53L、53Rが最大操作されたか否かを判定する。
減速量設定つまみ103は、電磁比例弁65等の減速部による、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作速度の減速量を設定するためのつまみである。例えば、減速量は、大、中、小の3段階で設定が可能である。図10に示されるように、減速量が中に設定されている場合、減速部は、ブームシリンダ41b、アームシリンダ42b、及びバケットシリンダ43bの動作速度を中程度に減速させる。
また、図示は省略するが、条件設定部73は、所定のアクチュエータに対する停止部による動作の停止を無効にする区画領域を、外部から受け付けて、判定部71に設定してもよい。例えば、条件設定部73は、オペレータの操作内容に従い、所定の監視領域A1のうち、区画領域A2において障害物が検知された場合に停止無効化部72が所定のアクチュエータに対する動作の停止を無効にするように設定してもよい。また、例えば、条件設定部73は、オペレータの操作内容に従い、区画領域A3において障害物が検知された場合に停止無効化部72が所定のアクチュエータに対する動作の停止を無効にするように設定してもよい。
<実施形態2>
図11は、実施形態2における油圧回路6の一例を示す図である。実施形態2に係る油圧ショベル1は、図11に示される油圧回路6を有する。なお、実施形態2に係る油圧ショベル1の構成は、油圧回路6以外、実施形態1に係る油圧ショベル1の構成と同じである。図11において図1~図10と同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図11は、実施形態2における油圧回路6の一例を示す図である。実施形態2に係る油圧ショベル1は、図11に示される油圧回路6を有する。なお、実施形態2に係る油圧ショベル1の構成は、油圧回路6以外、実施形態1に係る油圧ショベル1の構成と同じである。図11において図1~図10と同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
実施形態2の油圧回路6は、実施形態1の油圧回路6に対して、電磁比例弁66、電磁弁67a、67bを含む電磁弁67、及び圧力センサ68a、68b、68c、68dを含む圧力センサ68が追加された構成である。また、実施形態2において、アクチュエータ60に動作指示を出す操作部(走行操作レバー52L及び作業操作レバー53L等)は、油圧式ジョイスティックである。図11では、アクチュエータ60の代表としてブームシリンダ41bと走行モータ22Lの2つ、操作部の代表として走行操作レバー52Lと作業操作レバー53Lの2つが示されている。
走行操作レバー52Lは、リモコン弁52a、52aを有する。リモコン弁52a、52aは、走行操作レバー52Lの操作方向と操作量に応じたパイロット圧を生成し、走行モータ22Lに対応する方向切換弁62bに供給する。
圧力センサ68aは、一方のリモコン弁52aと方向切換弁62bの一方側との間のパイロット油路におけるパイロット圧を検知する。圧力センサ68bは、もう一方のリモコン弁52aと方向切換弁62bのもう一方側との間のパイロット油路におけるパイロット圧を検知する。圧力センサ68a、68bは、検知したパイロット圧を示す圧力信号をECU7へ出力する。
判定部71は、実施形態1においては走行操作レバー52Lからの操作信号に基づいて走行操作レバー52Lの操作量を判定したが、実施形態2においては圧力センサ68a、68bからの圧力信号に基づいて走行操作レバー52Lの操作量を判定する。
作業操作レバー53Lは、リモコン弁53a、53aを有する。リモコン弁53a、53aは、作業操作レバー53Lの操作方向と操作量に応じたパイロット圧を生成し、ブームシリンダ41bに対応する方向切換弁62aに供給する。
圧力センサ68cは、一方のリモコン弁53aと方向切換弁62aの一方側との間のパイロット油路におけるパイロット圧を検知する。圧力センサ68dは、もう一方のリモコン弁53aと方向切換弁62aのもう一方側との間のパイロット油路におけるパイロット圧を検知する。圧力センサ68c、68dは、検知したパイロット圧を示す圧力信号をECU7へ出力する。
判定部71は、圧力センサ68c、68dからの圧力信号に基づいて、作業操作レバー53Lの操作量を判定する。
電磁弁67a、67bは、停止部の一例である。電磁弁67aは、パイロットポンプ63とリモコン弁52c、52cとの間のパイロット油路に設けられている。電磁弁67aは、走行モータ22Lの動作を停止させる停止部である。電磁弁67aの有効化及び無効化の切り換えは、停止無効化部72により行われる。停止部である電磁弁67aが無効である場合、ECU7は、電磁弁67aを制御することによってパイロット油路を連通する。パイロット油路が連通されると、オペレータによる走行操作レバー52Lの操作に応じて、走行モータ22Lが動作する状態となる。停止部である電磁弁67aが有効である場合、ECU7は、電磁弁67aを制御することによってパイロット油路を遮断する。電磁弁67aがパイロット油路を遮断すると、リモコン弁52c、52cにパイロット圧が供給されなくなるため、走行モータ22Lが動作しない状態となる。
停止部である電磁弁67bは、パイロットポンプ63とリモコン弁53c、53cとの間のパイロット油路に設けられている。電磁弁67bは、ブームシリンダ41bの動作を停止させる停止部である。電磁弁67bの有効化及び無効化の切り換えは、停止無効化部72により行われる。停止部である電磁弁67bが無効である場合、ECU7は、電磁弁67bを制御することによってパイロット油路を連通する。パイロット油路が連通されると、オペレータによる作業操作レバー53Lの操作に応じて、ブームシリンダ41bが動作する状態となる。停止部である電磁弁67bが有効である場合、ECU7は、電磁弁67bを制御することによってパイロット油路を遮断する。電磁弁67bがパイロット油路を遮断すると、リモコン弁53c、53cにパイロット圧が供給されなくなるため、ブームシリンダ41bが動作しない状態となる。
電磁比例弁66は、減速部の一例である。電磁比例弁66は、パイロットポンプ63と可変容量ポンプ61との間のパイロット油路に設けられている。電磁比例弁66は、ECU7からの制御指令に応じて、可変容量ポンプ61に供給されるパイロット圧を調圧する。可変容量ポンプ61は、電磁比例弁66からのパイロット圧に従って、すべてのアクチュエータ60に供給する作業油圧を調圧する。例えば、走行モータ22Lに対する動作の停止が停止無効化部72によって無効化されている場合、ECU7は、走行モータ22LLの動作速度を減速させる減速制御を行う。具体的には、ECU7は、電磁比例弁66を制御して可変容量ポンプ61の作業油圧を低下させる。これにより、方向切換弁62bへの作業油圧が低下するため、走行モータ22Lの動作速度が低下する。
なお、実施形態1と同様に、電磁弁64が停止部であってもよい。また、エンジン31又は可変容量ポンプ61等が停止部又は減速部であってもよい。さらに、電磁弁64から代替した電磁比例弁(不図示)が減速部であってもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1~図11)を参照しながら説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に適用できる。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業機
5 操縦部
6 油圧回路
7 ECU
8 障害物検知部
9 ブザー装置(警報部)
21L、21R クローラ
22L、22R 走行モータ(アクチュエータ)
31 エンジン(減速部)
32 旋回モータ(アクチュエータ)
41 ブーム
41a、42a、43a 枢軸ピン
41b ブームシリンダ(アクチュエータ)
42 アーム
42b アームシリンダ(アクチュエータ)
43 バケット
43b バケットシリンダ(アクチュエータ)
44 バケットリンク
50 キャビン
51 運転席
52L、52R 走行操作レバー(操作部)
52c、53c リモコン弁
52La、52Ra 走行操作ペダル
53L、53R 作業操作レバー(操作部)
54L、54R コンソールボックス
55 カットオフレバー
56 カットオフスイッチ
57 モニタ(警報部)
58 操作ボタン
60 アクチュエータ
61 可変容量ポンプ(減速部)
62、62a、62b 方向切換弁
63 パイロットポンプ
64 電磁弁(停止部)
65、65a、65b、65c、65d 電磁比例弁(停止部、減速部)
67、67a、67b 電磁弁(停止部)
66 電磁比例弁(減速部)
68、68a、68b、68c、68d 圧力センサ
71 判定部
72 停止無効化部
73 条件設定部
81 右カメラ
82 後方カメラ
83 左カメラ
100 掘削タブ
101 トグルボタン
102 操作量設定つまみ
103 減速量設定つまみ
110 旋回タブ
120 前後進タブ
A1 監視領域
A2、A3 区画領域
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業機
5 操縦部
6 油圧回路
7 ECU
8 障害物検知部
9 ブザー装置(警報部)
21L、21R クローラ
22L、22R 走行モータ(アクチュエータ)
31 エンジン(減速部)
32 旋回モータ(アクチュエータ)
41 ブーム
41a、42a、43a 枢軸ピン
41b ブームシリンダ(アクチュエータ)
42 アーム
42b アームシリンダ(アクチュエータ)
43 バケット
43b バケットシリンダ(アクチュエータ)
44 バケットリンク
50 キャビン
51 運転席
52L、52R 走行操作レバー(操作部)
52c、53c リモコン弁
52La、52Ra 走行操作ペダル
53L、53R 作業操作レバー(操作部)
54L、54R コンソールボックス
55 カットオフレバー
56 カットオフスイッチ
57 モニタ(警報部)
58 操作ボタン
60 アクチュエータ
61 可変容量ポンプ(減速部)
62、62a、62b 方向切換弁
63 パイロットポンプ
64 電磁弁(停止部)
65、65a、65b、65c、65d 電磁比例弁(停止部、減速部)
67、67a、67b 電磁弁(停止部)
66 電磁比例弁(減速部)
68、68a、68b、68c、68d 圧力センサ
71 判定部
72 停止無効化部
73 条件設定部
81 右カメラ
82 後方カメラ
83 左カメラ
100 掘削タブ
101 トグルボタン
102 操作量設定つまみ
103 減速量設定つまみ
110 旋回タブ
120 前後進タブ
A1 監視領域
A2、A3 区画領域
Claims (9)
- 複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータに個別に動作指示を出す操作部と、
所定の監視領域における障害物を検知する障害物検知部と、
前記障害物検知部により前記障害物が検知された場合に前記複数のアクチュエータの動作を停止させる停止部と、
予め定められた条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記予め定められた条件を満たすと判定された場合に、前記複数のアクチュエータのうちの所定のアクチュエータに対する前記停止部による動作の停止を無効にする停止無効化部と
を備える、建設機械。 - 前記予め定められた条件は、前記所定のアクチュエータに対応する前記操作部の操作量によって決められる条件である、請求項1に記載の建設機械。
- 前記予め定められた条件は、前記所定のアクチュエータに対応する前記操作部が最大操作されたことである、請求項1又は請求項2に記載の建設機械。
- 前記所定のアクチュエータは、前記建設機械を走行させる左右一対の走行モータである、請求項2又は請求項3に記載の建設機械。
- 前記停止無効化部が前記所定のアクチュエータに対する前記停止部による動作の停止を無効にする場合に、前記所定のアクチュエータの動作速度を減速させる減速部を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の建設機械。
- 前記予め定められた条件は、前記所定の監視領域内に設定された区画領域において前記障害物が検知されたことである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の建設機械。
- 下部走行体と、
前記下部走行体に対して旋回可能に設けられた上部旋回体と、
前記上部旋回体の前方に設けられ、前記上部旋回体と一体に旋回する作業機と
を備え、
前記区画領域は、前記所定の監視領域のうち、前記作業機が作業可能な領域を除いた領域であり、
前記所定のアクチュエータは、前記作業機を駆動させるアクチュエータである、請求項6に記載の建設機械。 - 下部走行体と、
前記下部走行体に対して旋回可能に設けられた上部旋回体と、
前記上部旋回体の前方に設けられ、前記上部旋回体と一体に旋回する作業機と
を備え、
前記区画領域は、前記所定の監視領域のうち、前記上部旋回体の前方の領域を除いた領域である、請求項6に記載の建設機械。 - 前記予め定められた条件を外部から受け付けて前記判定部に対して設定する条件設定部を備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の建設機械。
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