JP2023074659A - 巻糸パッケージ検査装置、巻糸パッケージ検査方法及びプログラム - Google Patents

巻糸パッケージ検査装置、巻糸パッケージ検査方法及びプログラム Download PDF

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文人 三尾
Fumito Mio
惇哉 佐藤
Atsuya Sato
巧 今西
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Abstract

Figure 2023074659000001
【課題】巻糸パッケージの検査において、糸の色又は素材の影響を受けにくく高い検出精度で綾落ちを検出することができる巻糸パッケージ検査装置、巻糸パッケージ検査方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】センサ20が巻糸パッケージ10の端面13に交差するh方向におけるh座標値を検出し、データ取得部311が、h座標値の端面13上の分布を、第1辺が法線方向に対応し、第2辺が周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得する。判定部313はh座標値の矩形の分布データに基づいて、h座標値の位置変化が第1基準以上であるエッジを検出し、エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの検査装置、巻糸パッケージの検査方法、及びプログラムに関する。
一般に、テープ状や線状の糸を円筒状の芯材に巻き取り、巻糸パッケージを形成する際には、糸を芯材の軸方向に往復させながら巻回するトラバース巻が用いられている。このような巻糸パッケージは、端面において、糸層から糸が外れて端面上で短絡された状態である綾落ちが発生する場合がある。
巻糸パッケージの検査方法として、巻糸パッケージの端面に光を照射したときに反射光を検出し又は端面を撮像した結果に基づいて、綾落ちを検出する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の検査方法は、パッケージに水平よりやや上方から光を照射しながらパッケージを回転させて明暗の変化を検知し、明るい部分の連続形態から綾落ちを検出するものである。
また、特許文献2に記載の検査方法は、端面に対向して設置した撮像手段により取得した実空間の画像を2次元周波数空間処理により変換された周波数空間の画像に基づいて、綾落ち糸を示す周波数領域を抽出することにより、綾落ちを検出するものである。
特開平7-128256号公報 特開2000-281267号公報
巻糸パッケージの検査は、多種多様な色又は素材の糸を巻回したパッケージに対応できるのが好ましい。特許文献1,2に記載の従来の検査方法は、端面に対して光を照射するものであるが、色又は素材によっては、陰影がつきにくく明るい部分の連続状態が正確に検出できず、又は、鮮明な画像データを取得できないという問題がある。
また、端面の表面には綾落ち以外の要因による凹凸が多く、綾落ちの識別が困難であった。更に、巻糸パッケージの製造時において、製造装置の回転軸と巻芯の中央軸に角度が生じることで歳差運動が生じ、端面に段差が生じることがある。この段差の範囲が綾落ちの範囲より大きい場合に、綾落ちの検出が困難であるという問題もある。
そこで、本発明は、巻糸パッケージの検査において、糸の色又は素材の影響を受けにくく高い検出精度で綾落ちを検出することができる巻糸パッケージ検査装置、巻糸パッケージ検査方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る巻糸パッケージ検査装置は、巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値を検出するセンサと、前記センサが検出した前記h座標値の前記端面上の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部により取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定部と、を備える。
本発明の巻糸パッケージ検査装置では、例えば、前記センサは、前記センサ又は前記端面を互いに相対的に回転して、前記法線方向に沿ったライン上の点の前記h座標値を、予め定めた回転角毎に検出するものであってもよく、前記データ取得部は、前記ライン上の点を前記第1辺に沿って配置した列を、前記第2辺の方向に並列させたときの前記h座標値のデータを、前記分布データとして取得してもよい。
その場合、前記センサとして、前記端面に対向して配置され、前記法線方向に沿った前記ライン上の点の前記h座標値を検出するプロファイルセンサを用いることができる。
前記判定部は、前記エッジの形状を円弧で表した場合に、前記円弧半径が予め定めた第1範囲内である場合に、当該円弧の存する場所に綾落ちが有ると判定してもよい。
前記第1基準は、前記巻糸パッケージに巻回された糸の延在方向に垂直な断面のサイズと、前記センサの分解能と、に応じて決定することができる。
前記判定部は、前記h座標値の位置変化が予め定めた第2基準以下である領域の面積が予め定めた第2範囲外の領域を除外して前記エッジの検出を行い、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定してもよい。
前記判定部は、前記データ取得部が取得した前記分布データにおいて、前記巻芯又は前記端面の外周に対応する点が蛇行していた場合に、前記法線方向のずれを補正し、補正後の前記分布データにおける前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定することもできる。
本発明に係る巻糸パッケージ検査方法は、センサが、巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値を検出する検出ステップと、コンピュータが、前記検出ステップで検出した前記h座標値の前記端面上の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得ステップと、コンピュータが、前記データ取得ステップで取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定ステップと、を有する。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得部、前記データ取得部により取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定部、として機能させるものである。
本発明によれば、巻糸パッケージの検査において、色又は素材の影響を受けにくく高い検出精度で綾落ちを検出することができる。
本発明の第1の実施形態の巻糸パッケージ検査装置の全体構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る綾落ち判定処理を示すフローチャートである。 Aは巻糸パッケージの端面を上方からみた模式図であり、Bは矩形の分布データを示す図である。 エッジ検出処理を説明するための図である。 第2の実施形態に係る綾落ち判定処理を示すフローチャートである。 補正処理を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る巻糸パッケージ検査装置について説明する。図1は本実施形態の巻糸パッケージ検査装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、巻糸パッケージ検査装置1は、巻糸パッケージ10の端面に対向して設置されたセンサ20と、センサ20の出力データに基づいて綾落ちの有無を判定するコンピュータ30と、を備える。
[構成の詳細]
巻糸パッケージ10は、テープ状又は線状の糸を円筒状の巻芯11に巻回させたパッケージ製品である。例えば、巻糸パッケージ10は、巻芯11の軸方向に往復させながら連続して巻回するトラバース巻により形成されている。糸の形状は任意であり、延在方向に垂直の断面は、矩形状、円形状又は楕円形状を含む任意の形状でよい。また、糸の色及び素材も任意である。
このような巻糸パッケージ10の端面において、円形状の糸層から糸が外れて短絡されるために、端面から糸が飛び出して直線状に渡った状態である綾落ちが発生する場合がある。本実施形態の巻糸パッケージ検査装置1は、綾落ちを高精度で検出する装置である。
巻糸パッケージ10は、回転台12の上に、巻糸パッケージ10の巻芯11の中心が回転台の回転軸に一致するように固定されている。巻糸パッケージ10は、回転台12の回転により、予め設定した角度を回転させることができる。
センサ20は、表面形状を計測するセンサであり、例えば、プロファイルセンサである。プロファイルセンサは、計測軸方向における表面位置を、計測軸方向に垂直な方向にあるラインに沿って計測するラインセンサである。本実施形態では、センサ20がプロファイルセンサの場合について説明する。センサ20として、例えば、LMI Technologies社のプロファイルセンサGocator(登録商標)が使用可能である。
センサ20は、巻糸パッケージ10の上方に、端面13に対向して設置され、端面13に交差するh方向の位置を示すh座標値を計測する。h方向は、好ましくは、回転台12の回転軸又は巻糸パッケージ10の巻芯11の中心軸に平行であり、概ね、端面13に垂直の方向である。センサ20がh座標値を計測するラインは、h方向に直交するr方向であり、r方向は端面13の外周に直交する法線方向に概ね一致する。
センサ20の端面13からの距離は、h方向及びr方向の解像度に影響を及ぼすため、糸の厚み及び糸の幅に応じて、必要な解像度を確保できる距離に設定する。
コンピュータ30は、センサ20の出力データに対して演算処理を行う任意の情報処理装置である。コンピュータ30は、巻糸パッケージ10の検査用のプログラムがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータでもよく、専用機であってもよい。コンピュータ30は演算部31と、記憶部32と、表示部33と、を備える。
演算部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)であり、コンピュータ30の各構成部の制御を行うとともに、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することにより、綾落ち判定処理を含む各処理を実行する。記憶部32は、演算部31が実行する処理のプログラムデータ、センサ20より取得したデータ、及び、演算処理後のデータを含む各種データを記憶する記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ等である。表示部33は、演算部31が生成する画像、文字等の情報を表示する任意の表示装置であり、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等である。
演算部31は、記憶部32に記憶されているプログラムを実行することにより、データ取得部311、データ処理部312、判定部313、として機能する。データ取得部311は、センサ20が出力するh座標値の端面13上の分布を、矩形の分布で表した分布データを取得し記憶部32に保存する。ここで矩形の第1辺は端面13の法線方向(r方向)に対応し、第1辺に直交する第2辺は端面13の周方向に対応する。
データ処理部312は、記憶部32に記憶されている分布データに対して前処理を行い、前処理済の分布データを記憶部32に保存する。判定部313は、記憶部32に記憶されている前処理済の分布データに基づいて、綾落ちの有無を判定する。具体的には、綾落ち糸は端面13の表面から糸の厚さ程度飛び出しているため、h座標値の位置変化が第1基準以上であるエッジを検出し、エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する。
[動作]
以上のように構成された巻糸パッケージ検査装置1の動作について、図2のフローチャートに沿って説明する。図2はコンピュータ30の演算部31が実行する綾落ち判定処理のフローチャートである。
先ず、回転台12を駆動させることにより、巻糸パッケージ10は、予め定めた角度α(rad)回転する。センサ20は、巻糸パッケージ10の法線方向に沿ったライン上の点におけるh座標値を検出する。その後、巻糸パッケージ10を角度α(rad)回転させる毎に、センサ20は法線方向に沿ったライン上の点におけるh座標値を検出する。コンピュータ30のデータ取得部311は、センサ20が検出したh座標値のデータを取得し(ステップS101)、記憶部32に保存する。
次に、演算部31のデータ処理部312は、記憶部32に保存されている分布データに対して、規格化又は低ノイズ化等のために必要な前処理を行う(ステップS102)。その後、判定部313は、前処理済の分布データに対して、h座標値の位置変化に基づいてエッジを検出し(ステップS103)、検出したエッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する(ステップS104)。そして、表示部33は、綾落ちの有無及び綾落ちの位置等を含む検査結果を表示する。以下、各処理について詳細に説明する。
[ステップS101:データ取得ステップ]
ステップS101でデータ取得部311が取得するデータについて図3A,Bを用いて説明する。図3Aは巻糸パッケージ10の端面13を上方から見た図であり、図3Bは矩形の分布データを示す図である。センサ20は、図3Aの破線で表したラインに沿った点のh座標値を回転角度α(rad)毎に計測する。図3Aにおいて、パターンで塗りつぶした部分が、端面13の表面に飛び出して直線状に現れた綾落ち14である。
データ取得部311は、センサ20が検出した各ラインに沿った点のh座標値を、図3Bに示すような矩形に配列し直した分布データを取得する。具体的には、データ取得部311は、ライン上の点を矩形の第1辺に沿って配置した列を、第1辺に直交する第2辺の方向に並列させたときのh座標値のデータを、分布データとして取得する。ここで、第1辺の方向をu方向と呼び、第2辺の方向をv方向と呼ぶ。端面13上に現れていた直線状の綾落ち14は、図3Bに示す分布データにおいて、曲線状に現れる。
[ステップS102:データ前処理ステップ]
ステップS102において、データ処理部312は、先ず、図3Bに示すような矩形に配列された分布データについて、同じライン上の点の間隔及び並列させたラインの間隔を調整する。具体的には、予め定めた半径rの円周におけるr方向と周方向の距離の比率を基準にして再配列する。
例えば、センサ20による法線方向(r方向)の測定間隔をpとし、巻糸パッケージ10の回転方向(θ方向)における測定間隔を角度α(rad)とするとき、半径rの円周上において、周方向の測定間隔qは、r・αである。矩形の分布データにおいて、u方向及びv方向の点の間隔がいずれもqとなるように配列する場合、u方向の点は、実際のライン上の測定間隔のq/p倍で配列される。v方向の点は、半径rに応じて、実際の周方向の測定間隔のr/r倍で配列される。
次に、データ処理部312は、端面13の近傍のh座標値を拡大したデータに変換する。例えば、データ処理部312は、データ取得部311が取得したh座標値の平均hを算出し、実測値hから平均値hを差し引いた値Xを求める。その後、測定対象領域のXの最大値Xmaxと、0より大きいXの最小値Xminを求め、下記数式(1)で示す8ビット画像のピクセル値Yに変換する。
Figure 2023074659000002
データ処理部312は、以上の前処理を行い、矩形に等間隔で配置されたピクセルに対するピクセル値Yの画像データを生成し、前処理済の分布データとして記憶部32に保存する。
なお、データ処理部312は、任意のフィルタを用いてデータの平滑化を更に行ってもよい。例えば、ピクセル値Yの画像データに対して、メディアンフィルタを用いてエッジ部分を残しつつ平滑化を行う。
[ステップS103:エッジ検出ステップ]
エッジ検出ステップについて、図4の例を用いて説明する。図4はエッジ検出処理を説明するための図であり、矩形の分布データにおいて検出されたエッジの例を模式的に表した図である。先ず、判定部313は、データ処理部312による前処理済の分布データについて、ピクセル値Yの位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出する。エッジの検出手法は従来の任意の方法でよく、例えば、Canny法を用いる。
エッジを検出するための第1基準は、巻糸パッケージ10に巻回された糸の延在方向に垂直な断面の厚み又は幅等のサイズと、センサ20の分解能と、に応じて決定する。ピクセル値Yの位置変化が予め定めた第1基準以上であることにより、検出されたエッジの例を図4Aに示す。ここで検出されたエッジが綾落ちの第1候補であるが、図4Aに示すように曲線状のエッジの他、略直線状のエッジが検出されている。
次に、判定部313は、データ処理部312による前処理済の分布データについて、第2辺方向(v方向)に連続走査し、ピクセル値Yの位置変化が小さく略平坦である領域を抽出する。そして、判定部313は、抽出された領域のピクセル値Yを255とし、その他の領域を0とする2値化処理を行い、更に膨張収縮処理を行った画像データを生成する。
生成された画像データについて、判定部313は、ピクセル値255の領域の面積を算出し、面積が一定範囲(第2範囲)外の領域を除外してエッジを検出する。つまり、判定部313は、h座標値の位置変化が第2基準以下である領域の面積が、第2範囲外である領域を除外した後に、改めてエッジを検出する。これにより、略平坦である領域の面積が小さく綾落ちが発生していないと予想される領域、及び、綾落ち以外の要因で略平坦である領域の面積が大きい領域を除外することができる。ここでのエッジの検出方法も任意であり、Canny法を用いてもよい。ここで検出されたエッジが綾落ちの第2候補である。第2候補として検出されたエッジを図4Bに示す。
判定部313は、第1候補のエッジと第2候補のエッジの論理積により、綾落ち判定に用いる判定用エッジを決定する。図4Cは、判定用エッジを表したものである。ここで、判定用エッジが欠けている場合は、第1候補のエッジのデータを用いてエッジを補修してもよい。また、判定用エッジのうち、予め定めた長さ又は面積以下のエッジを除外してもよい。
[ステップS104:判定ステップ]
判定部313は、ステップS103で求めた判定用エッジの両端の点と中心点を抽出し、この3点を通る円の半径を求め、円の半径が一定範囲(第1範囲)内であるものを綾落ちとして判定する。図4Cの例において、略直線状のエッジは、両端の点と中心点を通る円の半径が第1範囲を超えるために除外され、判定部313は、中央の曲線状のエッジの箇所に綾落ちが存すると判定することができる。
ここで、第1範囲である円の半径は、巻糸パッケージ10に巻回された糸の延在方向に垂直な断面の厚み又は幅等のサイズ、巻糸パッケージ10の製品仕様又はセンサ20の仕様等に応じて決定する。例えば、糸幅が0.9~1.6mm、糸厚が0.08~0.13mmの糸を巻回した巻糸パッケージ(外径125~135mm)について、センサ20のライン上の測定間隔が15μm/pixelであり、綾落ちで現れるエッジの長さを10mm以上と定義する場合、半径の第1範囲は6000未満(単位なし)としてもよい。
綾落ちを正確に判定するためには、センサ20のh方向の解像度は糸厚の1/2以下であることが望ましく、更には1/10以下が好ましい。また、センサ20のh方向の解像度は糸幅の12%以下であることが望ましく、更には6%以下が好ましい。
また、センサ20で計測する回転角度は、0~360°であり、好ましくは0~380°である。これにより、測定開始位置に綾落ちが存在する場合に、検出漏れを回避することができる。
以上詳述したように、本実施形態の巻糸パッケージ検査装置1は、センサ20が巻糸パッケージ10の端面13に交差するh方向におけるh座標値を検出し、データ取得部311がh座標値の端面13上の分布を、第1辺が法線方向に対応し、第2辺が周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得する。そして、判定部313がh座標値の矩形の分布データに基づいて、h座標値の位置変化が第1基準以上であるエッジを検出し、エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定することとした。これにより、糸の色又は素材の影響を受けにくく高い検出精度で綾落ちを検出することが可能となる。
また、エッジの形状を円弧で表した時の円弧の半径が一定の範囲内にあるときに綾落ちがあると判定することにより、欠陥と判定する必要のない微小な綾落ちを誤検出することを回避できる。
また、従来は、検出精度を上げるために、糸の色又は素材に応じて、照射光の波長、照射方向又は光量を変更する必要があったが、本実施形態の巻糸パッケージ検査装置1のセンサ20は、ライン上の点のh方向の位置を検出するプロファイルセンサ等であるから、別途照明装置を用意する必要がなく、通常使用される蛍光灯等で計測が可能であり、装置構成を簡素化できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る巻糸パッケージ検査装置について説明する。本実施形態の巻糸パッケージ検査装置1は、コンピュータ30のデータ処理部312の処理が第1の実施形態と一部異なるが、ハードウェア構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態に係る巻糸パッケージ検査装置1のコンピュータ30の動作について、図5のフローチャートに沿って説明する。
先ず、データ取得部311及びデータ処理部312が、第1の実施形態と同様に、センサ20が検出したデータに基づく分布データを取得し、前処理を行う(ステップS101,S102)。ステップS101,S102の処理は第1の実施形態と同様である。その後、データ処理部312は、前処理済の分布データに対して、法線方向の補正を行う(ステップS112)。本実施形態は、ステップS112が追加された点が、第1の実施形態と異なる。以下、ステップS112の処理について詳細に説明する。
[ステップS112:法線方向補正ステップ]
ステップS112では、データ処理部312が、前処理済の分布データにおいて、巻芯11の内周線、巻芯11と糸層との境界線、又は、端面13の外周線が蛇行している場合に、法線方向に対応するu方向の補正を行って、これらの蛇行している線を直線化させる。図6A,Bは、本実施形態の補正処理を説明するための図であり、図6Aが、矩形の分布データにおける内周線15、境界線16又は外周線17が蛇行している状態を示す図であり、図6Bが補正後の分布データである。
ここで、巻芯11の内周線15、巻芯11と糸層との境界線16、又は、端面13の外周線17の特定、及び、内周線15、境界線16又は外周線17が蛇行しているか否かの判断は、データ処理部312が従来の任意の方法で行う。例えば、内周線15、境界線16又は外周線17の位置は、h座標値のu方向の変化率が一定以上であるエッジを検出することにより特定してもよい。蛇行しているか否かの判断は、内周線15、境界線16又は外周線17のu方向における位置が、v方向に対して周期的な変動をしているときに蛇行していると判断してもよい。
蛇行していると判断されたとき、データ処理部312は、各u値に対して補正を行う。具体的には、予め設定したv方向における基準値をvとしたとき、データ処理部312は、v=vにおける内周線15、境界線16又は外周線17を示す位置のu値であるuA0、uB0又はuC0の値を算出する。次に、データ処理部312は、各v値について、内周線15、境界線16又は外周線17を示す位置のu値であるuAv、uBv又はuCvの値を算出し、uA0、uB0又はuC0の値との差分だけ、分布データのu値をシフトさせる。
判定部313は、データ処理部312による補正処理後の分布データについて、第1の実施形態と同様の方法で、エッジ検出及び綾落ちの有無の判定を行う(ステップS103,S104)。
本実施形態の効果について説明する。一例として、糸幅が2mmであり、10mmの綾落ちを検出する際、周方向360°の中の4°に間隔幅0.5mm程度の蛇行が検出された場合に、エッジを表す円の半径が大きくなる。このため、データ処理部312が、蛇行している巻芯11の内周線等を直線にするように、法線方向のずれを補正することにより、10mmの綾落ちを判定することが可能になる。
以上のように、本実施形態の巻糸パッケージ検査装置1によれば、データ取得部311が取得しデータ処理部312が前処理を実行した分布データにおいて、巻芯11の内周線15、巻芯11と糸層との境界線16、又は、端面13の外周線17に対応する点が蛇行していた場合に、法線方向に対応するu方向のずれを補正することとした。これにより、巻芯11の中心軸と回転台12の回転軸が傾いている等の理由により、巻芯等が揺動している場合にも、高い検出精度で綾落ちを判定することが可能となる。
上記実施形態に示したハードウェア構成及びフローチャートは一例であり、変更又は応用が可能である。例えば、本実施形態において、センサ20の位置を固定し、巻糸パッケージ10を回転させるとしたが、センサ20又は端面13が互いに相対的に回転すればよいため、巻糸パッケージ10が固定され、センサ20が回転する構成であってもよい。
また、センサ20が計測したh座標値を、コンピュータ30のデータ取得部311が取得して記憶部32に記憶するとしたが、センサ20が内部に記憶部を有し、センサ20内部の記憶部に蓄積した、端面13上のh座標値の分布データをまとめてコンピュータ30に送信してもよい。
また、センサ20が法線方向に沿ったライン上の点のh座標値を、予め定めた回転角毎に検出して矩形の分布データを取得するとしたが、センサ20が端面13上の実際の位置におけるh座標値の分布データを取得し、それを第1辺が法線方向に対応し、第2辺が周方向に対応する矩形の分布データに、コンピュータ30の演算により変換させてもよい。
また、上記実施形態における、データ前処理の方法及びエッジ検出の方法、並びにこれらの組み合わせは一例であり、他の任意の方法でデータ前処理及びエッジ検出を行ってもよい。また、上記実施形態における、データ前処理及びエッジ検出のうち、一部の処理のみを行ってもよい。
また、上記実施形態では、センサ20が取得したデータをそのまま使用するとしたが、データ処理部312は、センサ20が取得したデータに基づく矩形の分布データを、縦横比を変えずにデータサイズの縮小を行ってもよい。データサイズの縮小により、処理時間の短縮及び記憶部32の使用容量の削減が可能となる。
また、上記実施形態では、糸が巻回済みの巻糸パッケージ10に対する検査装置1について説明したが、巻糸パッケージ10の製造と並行して綾落ちの検査を行ってもよい。つまり、糸を巻回する工程において、巻糸パッケージ10の綾落ちの検査を行ってもよい。
また、データ処理部312が行った8ビット画像に変換する前処理において、実測値hから平均値hを差し引いた値Xの最大値Xmaxと、最小値Xminと、の間のX値をピクセル値Yに変換するとしたが、最大値のみを求めて、下記数式(2)で示す8ビット画像のピクセル値Y’に変換してもよい。
Figure 2023074659000003
また、上記第2の実施形態において、前処理を実行した分布データに対して、法線方向の補正をするとしたが、前処理を実行する前の分布データに対して、内周線15、境界線16又は外周線17が蛇行しているか否か判断して、蛇行している場合に法線方向の補正を行い、その後、前処理を実行してもよい。
また、上記実施形態の動作を実行するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、メモリカード等の記録媒体に格納して配布し、プログラムをコンピュータにインストールすることにより、各機能を実現することができるコンピュータ30を構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、又はOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
1 巻糸パッケージ検査装置
10 巻糸パッケージ
11 巻芯
12 回転台
13 端面
14 綾落ち
15 内周線
16 境界線
17 外周線
20 センサ
30 コンピュータ
31 演算部
32 記憶部
33 表示部
311 データ取得部
312 データ処理部
313 判定部

Claims (9)

  1. 巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値を検出するセンサと、
    前記センサが検出した前記h座標値の前記端面上の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部により取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定部と、
    を備える巻糸パッケージ検査装置。
  2. 前記センサは、前記センサ又は前記端面を互いに相対的に回転して、前記法線方向に沿ったライン上の点の前記h座標値を、予め定めた回転角毎に検出するものであり、
    前記データ取得部は、前記ライン上の点を前記第1辺に沿って配置した列を、前記第2辺の方向に並列させたときの前記h座標値のデータを、前記分布データとして取得する
    請求項1に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  3. 前記センサは、前記端面に対向して配置され、前記法線方向に沿った前記ライン上の点の前記h座標値を検出するプロファイルセンサである請求項2に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  4. 前記判定部は、前記エッジの形状を円弧で表した場合に、前記円弧の半径が予め定めた第1範囲内である場合に、当該円弧の存する場所に綾落ちが有ると判定する請求項1~3のいずれか1項に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  5. 前記第1基準は、前記巻糸パッケージに巻回された糸の延在方向に垂直な断面のサイズと、前記センサの分解能と、に応じて決定される請求項1~4のいずれか1項に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  6. 前記判定部は、前記h座標値の位置変化が予め定めた第2基準以下である領域の面積が予め定めた第2範囲外の領域を除外して前記エッジの検出を行い、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する請求項1~5のいずれか1項に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  7. 前記判定部は、前記データ取得部が取得した前記分布データにおいて、前記巻芯又は前記端面の外周に対応する点が蛇行していた場合に、前記法線方向のずれを補正し、補正後の前記分布データにおける前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する請求項1~6のいずれか1項に記載の巻糸パッケージ検査装置。
  8. センサが、巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値を検出する検出ステップと、
    コンピュータが、前記検出ステップで検出した前記h座標値の前記端面上の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得ステップと、
    コンピュータが、前記データ取得ステップで取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定ステップと、
    を有する巻糸パッケージ検査方法。
  9. コンピュータを、
    巻芯に糸が巻回された巻糸パッケージの少なくとも一方の端面について、前記端面に交差するh方向におけるh座標値の分布を、第1辺が前記端面の外周に直交する法線方向に対応し、前記第1辺に直交する第2辺が前記端面の周方向に対応する矩形の分布で表した分布データを取得するデータ取得部、
    前記データ取得部により取得された前記分布データに基づいて、前記h座標値の位置変化が予め定めた第1基準以上であるエッジを検出し、前記エッジの形状に基づいて綾落ちの有無を判定する判定部、
    として機能させるためのプログラム。
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