JP2023074594A - 固定構造及び固定方法 - Google Patents

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Takahiro Yonekura
優 日暮
Masaru Higure
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Tomonori Kawai
芳浩 永井
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Abstract

Figure 2023074594000001
【課題】厚みの異なる複数種類の板状部材に装置を安定して固定可能とする。
【解決手段】固定構造Sは、板状部材90に形成された開口91を通った状態で当該板状部材90に固定される第2装置が備える固定構造である。固定構造Sは、板状部材90の開口91の小開口93の周辺部96の前面に当接するフランジ32と、板状部材90の周辺部96の後面に当接するスナップフィット部34と、を備える。フランジ32とスナップフィット部34とにより周辺部96を挟持することで第2装置30が板状部材90に固定される。スナップフィット部34は、板状部材90の板厚に応じて弾性変形しつつ、フランジ32とで周辺部96を挟持する。
【選択図】図6

Description

本発明は、板状部材に装置を固定するための固定構造及び固定方法に関する。
ビルなどの建物を管理するシステムの制御盤などは、自立盤に収容される。この自立盤の扉には、建物の管理状況などを表示する表示装置が固定される(例えば、特許文献1)。
特開2010-224227号公報
特許文献1に直接開示はないが、表示装置は、扉に形成されている開口を通った状態で固定される。表示装置の固定を容易にするため、当該表示装置には、板状部材の開口の周辺部を挟む構造で当該表示装置を扉に仮固定することが考えられる。ここで、表示装置は、例えば、すでに使用されている自立盤に新規に設置される、又は、この自立盤に固定されている表示装置と交換されることで、自立盤に固定されることがある。これらの場合、自立盤の扉の厚みは、一定でない。他方、前記の構造では、挟む部分の間隔が一定であるため、扉の厚みが当該部分の間隔に対して薄すぎる又は厚すぎると表示装置を自立盤の扉に安定して仮固定できないことがあった。例えば、扉が薄すぎるとガタツキが生じて、扉が厚すぎると、そもそもの仮固定が困難である。このようなことは、自立盤の扉及び表示装置に限らず、板状部材及び当該板状部材に取り付けられる装置一般にいえ、かつ、仮固定に限らず、本固定にもいえる。
本発明は、厚みの異なる複数種類の板状部材に装置を安定して固定可能とすることを課題とする。
上記課題を解決するための本発明に係る固定構造は、板状部材に形成された開口を通った状態で当該板状部材に固定される装置が備える固定構造であって、前記板状部材の前記開口の周辺部の第1面に当接する第1当接部と、前記板状部材の前記周辺部の前記第1面と反対の第2面に当接する第2当接部と、を備え、前記第1当接部と前記第2当接部とにより前記周辺部を挟持することで前記装置が前記板状部材に固定され、前記第2当接部は、前記板状部材の板厚に応じて弾性変形しつつ、前記第1当接部とで前記周辺部を挟持する。
前記第2当接部は、前記板状部材の板厚方向に並んだ複数の凸部を備え、スナップフィットにより前記複数の凸部のいずれかで前記周辺部を挟持するスナップフィット部である、でもよい。
前記第2当接部は、前記板厚方向に伸縮する弾性を有する、でもよい。
前記装置は、固定具により前記板状部材に本固定され、前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記装置を前記板状部材に仮固定する、でもよい。
前記装置は、前記固定具と前記第1当接部とにより前記板状部材を挟持することで、当該板状部材に本固定される、でもよい。
前記装置は、第1装置と、当該第1装置よりも軽い第2装置とのうちの前記第2装置であり、前記第2装置は、前記第1装置とともに前記開口を通った状態で前記板状部材に固定され、前記第1装置と前記第2装置とは、前記板状部材に固定されるときに係合するように構成されている、でもよい。
上記課題を解決するための本発明に係る固定方法は、上記固定構造を用いて、前記第1装置及び前記第2装置を前記板状部材に固定する固定方法であって、前記第2装置を前記板状部材に前記固定構造を用いて仮固定し、前記第2装置の仮固定後に、前記第1装置を前記第2装置に係合させて前記板状部材に本固定する。
前記第2装置を、当該第2装置の仮固定後かつ前記第1装置の本固定後に、前記板状部材に本固定する、ようにしてもよい。
本発明によれば、厚みの異なる複数種の板状部材に装置を安定して固定できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る固定構造を有する装置の斜視図である。 図2は、図1の装置を他の方向から見た斜視図である。 図3は、図1及び図2の装置が板状部材に固定された様子を示す斜視図である。 図4は、図3において第2装置の扉を開いたときの斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る固定方法の手順を示す図である。 図6は、図1及び図2の固定構造による仮固定の様子を模式的に示す要部断面図である。 図7は、図1及び図2の固定構造による仮固定の様子を模式的に示す要部断面図である。 図8は、図1及び図2の固定構造による仮固定の様子を模式的に示す要部断面図である。 図9は、第2装置を板状部材に仮固定したときの様子を示す斜視図である。 図10は、第2装置を板状部材に本固定する前に、第1装置を板状部材に本固定したときの様子を示す斜視図である。 図11は、第2装置を板状部材に本固定する様子を説明するための斜視図である。 図12は、第1装置及び第2装置を板状部材に本固定した様子を示す斜視図である。 図13は、変形例に係る固定構造を説明するための要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施の形態に係る固定構造Sは、図1~図4に示す装置10(より詳細には、後述の第2装置30)の一部として構成されている。以下、装置10の説明を通して固定構造Sについて説明する。各図において、複数の同じ要素については同じ符号を付して説明する。
図1に示すように、装置10は、板状部材90に形成された開口91を通った状態でこの板状部材90に固定される。板状部材90は、ビル管理システムのコントローラなどを収容する自立盤の扉である。
図1及び図2に示すように、装置10は、第1装置20と、この第1装置20の右隣に配置された第2装置30と、第1装置20及び第2装置30を板状部材90にそれぞれ本固定する4つの固定具41及び2つの固定具42と、を備える。後述のように、固定構造Sは、第2装置30の一部として設けられ、第2装置30を板状部材90に開口91を通った状態で仮固定するのに使用される。図1に示すように、装置10が板状部材90に固定されるとき、第1装置20は、板状部材90の開口91のうちの四角形状の大開口92に挿入される。第2装置30は、板状部材90の開口91のうちの大開口92に繋がっている小開口93に挿入される。図1において、固定具41及び42は、板状部材90よりも前方に描かれているが、実際の使用時は板状部材90よりも後方に位置する(図11参照)。
第1装置20は、自立盤に収容された各種コントローラと通信可能に設けられており、ビル管理システムの各種情報を表示画面Gに表示する表示装置である。なお、図面において、第1装置20が備える、通信ケーブル、電源ケーブルなどが接続されるコネクタは、省略されている。
第1装置20は、表示画面G及び表示画面Gに各種表示を行う制御基板などを有する直方体形状の装置本体21と、装置本体21の前端から外側に張り出した四角環状のフランジ22と、を備える。
図1及び図2に示すように、装置本体21の側壁には、装置本体21に4つの固定具41をそれぞれ取り付けるための4つの取付孔21Aが設けられている。各取付孔21Aは、一対の孔からなる。装置本体21の取付孔21Aは、装置本体21の左右の側壁に2つずつ設けられている。
装置本体21の第2装置30側に向いた側壁には、SDメモリカードなどの記憶媒体80が挿入される挿入孔21Hも設けられている。記憶媒体80には、ビル管理システムが計測した計測値、ビル管理システムの動作などに関する各種情報が記録される。
フランジ22は、板状部材90の開口91の大開口92の周辺部95の前面に当接する。フランジ22は、4つの固定具41とともに、板状部材90の周辺部95を挟持することで、第1装置20を板状部材90に本固定する(詳細は後述)。
第2装置30は、記憶媒体80を第1装置20に対して挿入又は取り出すための空間R(図4も参照)を形成するための部材である。第2装置30は、空間Rを形成しており、前面側が開口した箱体31と、箱体31から張り出したフランジ32と、左端部を回転軸として回転可能つまり開閉可能にフランジ32に取付けられた扉33と、を備える。図3に示すように、扉33は、閉状態において、フランジ32と合わさりかつ箱体31の開口を覆う。
図2に示すように、箱体31の上壁及び下壁のそれぞれには、箱体31に固定具42を取り付けるための取付孔31Aが1つずつ設けられている。各取付孔31Aは、一対の孔からなる。箱体31は、第2装置30が第1装置20とともに固定されるときに、第1装置20のフランジ22に当接する当接面31Bも備える。
フランジ32は、板状部材90の開口91の小開口93の周辺部96に当接する。フランジ32は、2つの固定具42とともに、板状部材90の周辺部96を挟持することで、第2装置30を板状部材90に固定する(詳細は後述する)。
箱体31の上壁及び下壁の各前端部には、弾性変形可能なスナップフィット部34が2つずつ設けられている。つまり、第2装置30は、箱体31に接続された合計4つのスナップフィット部34も備える。詳細は後述するが、スナップフィット部34は、フランジ32とともに、板状部材90における開口91の小開口93の周辺部96をスナップフィットにより挟持することにより第2装置30を板状部材90に仮固定する固定構造Sを構成している。
図1に示すように、箱体31の第1装置20側の側壁には、空間Rと箱体31の外部とを連通させる連通孔31Hが設けられている。図4に示すように、連通孔31Hは、第1装置20の挿入孔21Hを空間R側に露出させる。これにより、装置10が板状部材90に固定されているとき、ユーザは、扉33を空けて、空間Rを介して挿入孔21Hに対して記憶媒体80を抜き差しできる。ここで、装置10が板状部材90に固定されたとき、記憶媒体80を挿入するための挿入孔21Hは、板状部材90よりも後方に位置する。このため、第2装置30が無い場合、板状部材90つまり自立盤の扉が閉じた状態では、ユーザは自立盤の外から記憶媒体80を抜き差しすることができない。通常、この扉には鍵がかけられており、この扉を開けるには所定の権限が必要であった。この実施の形態では、第2装置30により、記憶媒体80の挿入又は取り出し時において、自立盤の扉である板状部材90を開ける必要がなく、扉を開ける上記所定の権限が無い者であっても、SDカードを抜き差しできる。
図5に示すように、装置10を板状部材90に固定するときは、まず、第2装置30を板状部材90に仮固定し(ステップS11)、その後、第1装置20を板状部材90に本固定し(ステップS12)、最後に第2装置30を本固定する(ステップS13)。以下、各ステップの詳細を説明する。
ステップS11で第2装置30を板状部材90に仮固定する際、装置10の取付者である作業者は、図6に示すように、第2装置30を板状部材90の開口91の小開口93に挿入する。このとき、第2装置30のスナップフィット部34の前端が板状部材90に当たるので、スナップフィット部34は弾性変形する。
スナップフィット部34は、その後端が第2装置30の箱体31に接続されている板材34Aと、板材34Aの前端部に設けられた、板状部材90の板厚方向(前後方向)に並んだ3つの凸部34B~34Dと、を備える。凸部の数は、任意であり、3つではなくてもよい。
第2装置30は、そのフランジ32が板状部材90の小開口93の周辺部96の前面に当接するまで当該小開口93に挿入される。フランジ32が周辺部96に当接したときには、板状部材90の板厚に応じて、スナップフィット部34の板厚方向に並んだ凸部34B~34Dのいずれかが、板状部材90の周辺部96の前面とは反対の後面に当接する。ここでは、図6に示すように、凸部34Cが後面に当接する。板状部材90の板厚が図6の例よりも薄い場合、図7に示すように、凸部34Bが板状部材90の周辺部96の後面に当接する。板状部材90の板厚が図6の例よりも厚い場合、図8に示すように、凸部34Dが板状部材90の周辺部96の後面に当接する。このように、スナップフィット部34は、周辺部96をフランジ32とで挟持するときに、板状部材90の板厚に応じて弾性変形するスナップフィットにより、3つの凸部34B~34Dのいずれかで周辺部96を挟持する。これにより、スナップフィット部34及びフランジ32を備える固定構造Sによる仮固定が実現される。この仮固定の様子は、図9にも示されている。
ステップS11のあとのステップS12において、作業者は、まず、板状部材90の開口91の大開口92に第1装置20を挿入する。第1装置20は、第2装置30と同様に、そのフランジ22が、板状部材90の大開口92の周辺部95に当接するまで挿入される。ここでは、図10の位置まで第1装置20が挿入される。
大開口92に挿入された第1装置20が正しい位置にあるとき、第1装置20のフランジ22と、第2装置30のフランジ32とが、各上端部同士及び各下端部同士が上下方向で同じ位置の状態で突き合うように当接する(図3及び図4参照)。また、第2装置30の箱体31の当接面31Bが第1装置20のフランジ22に当接する(図2参照)。さらに、箱体31の後部から左斜め後方に突出し、かつ、上下方向に延びている突出部39が、装置本体21の右後端部の斜面21Eの一部と当接する(図10参照)。作業者が、上記3つの当接が生じるように第2装置30に第1装置20を係合させることで、第1装置20は、第2装置30に対して正しい相対位置(例えば、フランジ22及び32の上下端が揃う位置)で位置決めされる。さらに、第2装置30は仮固定の段階なので、作業者は、第1装置20と第2装置30とを一緒に動かし、第1装置20と第2装置30とを板状部材90に対して正しい位置に位置決めすることができる。例えば、表示画面Gが斜めにならないように位置決めされる。
位置決め後、作業者は、4つの固定具41により、第1装置20を本固定する。固定具41は、取付孔21Aにより第1装置20に取り付けられ使用される。固定具41は、固定具42と同種のものであり、その詳細については、後述の固定具42の第2装置30の本固定の説明の際に説明する。図10は、第1装置20が本固定されたときの様子を示す。
ステップS12のあとのステップS13では、板状部材90に仮固定された第2装置30が固定具42により本固定される。ステップS13では、まず、図10の矢印で示すように、固定具42が第2装置30に取り付けられる。
図11に示すように、固定具42は、第2装置30に取り付けられる取付部42Aと、前端部及び後端部が屈曲した板材42Bと、板材42Bの後端部を螺合せずに貫通して取付部42Aに螺合しているネジ42Cとを備える。取付部42Aは、取付孔31Aに挿入される爪42AA(図10も参照)を有する。爪42AAが取付孔31Aに挿入されることで、取付部42Aないし固定具42が第2装置30に取り付けられる。板材42Bは、取付部42Aに対して相対的に前後方向に移動可能に設けられている。
作業者により固定具42が第2装置30に取り付けられたあと、ネジ42Cが回転させられる。この回転に伴ってネジ42Cが取付部42Aに対して前進し、前進するネジ42Cの頭は、板材42Bの後端部を押す(一点鎖線参照)。これにより、板材42Bも前進する(一点鎖線参照)。この前進により、板材42Bの前端部が、板状部材90に当接し、その結果、フランジ32とで板状部材90の周辺部96を挟持する(一点鎖線参照)。この挟持により、第2装置30が板状部材90に本固定される。このような挟持は、2つの固定具42それぞれで行われる。第2装置30の本固定の前、第2装置30の位置を微調整してから、この第2装置30を本固定してもよい。
上述の、取付孔21Aにより第1装置20に取り付けられた固定具41による第1装置20の板状部材90への本固定も、第2装置30と同様にして行われる。4つの固定具41それぞれの板材の前端部は、フランジ22とともに、板状部材90の大開口92の周辺部95を挟持する。
以上説明したように、本実施の形態では、第2装置30の固定構造Sが、板状部材90の小開口93の周辺部96の前面に当接するフランジ32と、凸部34B~34Dのいずれかにより周辺部96の後面に当接するスナップフィット部34とを備える。そして、フランジ32とスナップフィット部34とで、板状部材90の周辺部96を挟持することで第2装置30が板状部材90に仮固定される。スナップフィット部34は、板状部材90の板厚に応じて弾性変形しつつ、フランジ32とで周辺部96を挟持する。これにより、固定構造Sは、板厚の異なる板状部材90それぞれに対しても第2装置30をしっかり仮固定できる。このように、本実施の形態によれば、厚みの異なる複数種の板状部材90に装置10が安定して固定される。また、弾性変形するスナップフィット部34を採用した固定構造Sにより、本固定前の第1装置20及び仮固定後の第2装置30を一緒に動かして、これらを容易に位置決めできる。例えば、固定構造Sを設けずに、固定具42により第1装置20及び第2装置30が固定される場合、固定具41及び42のネジ42Cを絞めたり、緩めたりして、第1装置20及び第2装置30の位置を調整する手間が生じるが、スナップフィットによりそのような手間がなくなる。
また、仮固定が、本固定と同様に板状部材90の後方から行われ、かつ、ネジなどにより行われるとすると、作業者は、板状部材90の後方での作業で仮固定したあと、板状部材90の前方に回って第2装置30の向きなどを確認する必要が生じる。この仮固定及び向きの確認は、第2装置30が所望の取付状態になるまで繰り返される不都合が生じる。上記実施の形態では、第2装置30の仮固定が、スナップフィット部34により、第2装置30を板状部材90の前方側から開口91に差し込むだけで実現される。従って、上記不都合が生じない。
また、スナップフィット部34は、板状部材90の板厚方向に並んだ複数の凸部34B~34Dを備え、スナップフィットにより複数の凸部34B~34Dのいずれかで板状部材90の周辺部96を挟持する。このようなスナップフィットにより、第2装置30は、容易に板状部材90に仮固定される。
また、固定構造Sつまりフランジ32とスナップフィット部34とにより仮固定される第2装置30が固定具42により本固定されることで、第2装置30を固定具42により強固に固定できる。特に、上記固定具42のようにネジ式により第2装置30を板状部材90に固定することで、強固な固定が実現される。さらに、この本固定では、固定具42と、仮固定でも使用されるフランジ32とにより、板状部材90の周辺部96が挟持される。このため、本固定と仮固定で、挟持する部分を一部共通化することができる。
また、第1装置20は、表示装置である一方、第2装置30は、概ね箱状の中空部材であり、第2装置30は、第1装置20よりも軽い。例えば、第1装置20は、1.7kg程度ある一方、第2装置30は、100g程度である。さらに、第1装置20と第2装置30とは、互いに係合して板状部材90に固定される。これにより、軽い第2装置30を仮固定してから、第1装置20を第2装置30に係合させて本固定することができ、第2装置30の位置決めなどが容易となる。
装置10の固定方法では、まず、第2装置30が板状部材90に固定構造Sを用いて仮固定される。その後、第2装置30の本固定前に、第1装置20を第2装置30に係合させ、第1装置20を板状部材90に本固定する。第2装置30の仮固定のあとの第1装置20の固定では、第1装置20を第2装置30に係合させるので、作業者は、第2装置30に対する第1装置20の相対位置を容易に正しい位置とすることができる。さらに、第1装置20を位置決めするとき、第2装置30はまだ仮固定のままであるので、第1装置20を移動させることで第2装置30も追随して移動する。これにより、第1装置20の本固定に際して、第1装置20と第2装置30との間に隙間が生じるといったことも防止される。
本発明は、上記実施の形態に限られない。上記で説明した各要素の形状などについては適宜変更可能である。第2装置30を仮固定し、その後、第2装置30を本固定したあと、第1装置20を本固定してもよい。本発明に係る固定構造は、上記実施の形態のような装置の仮固定に限らず、装置の本固定に適用されてもよい。例えば、固定具42を省略し、スナップフィット部34のみで第2装置30が本固定されてもよい。上記実施の形態では、板状部材の開口に複数の装置が挿入されているが、板状部材の開口に1つの装置のみが挿入され固定されるときの当該装置に本発明が適用されてもよい。
本発明に係る固定構造は、板状部材の開口の周辺部(上記実施の形態では、周辺部96)の第1面に当接する第1当接部(上記実施の形態では、フランジ32)と、当該周辺部の第1面と反対の第2面に当接する第2当接部(上記実施の形態では、スナップフィット部34)とにより前記周辺部を挟持する構造であればよい。そして、第2当接部は、板状部材の板厚に応じて弾性変形しつつ、第1当接部とで周辺部を挟持するように構成されていればよい。このような構成により、第2装置が安定して板状部材90に仮固定又は本固定される。
第1当接部は、フランジ形状以外の形状であってもよい。第2当接部として、例えば、図13に示すような、板厚方向に伸縮する弾性を有する伸縮部材70を採用してもよい。伸縮部材70は、箱体31に固定された固定部71と、板状部材90(周辺部96)と当接し、フランジ32とで板状部材90を挟持する挟持部72と、一端が固定部71に接続され、他端が挟持部72に接続された弾性体73と、を備える。弾性体73は、ここでは、バネであるが、ゴムなどであってもよい。伸縮部材70の弾性体73が、板状部材90の板厚に応じて伸縮しつつ挟持部72を板状部材90に押し付けるので、第2当接部として伸縮部材70を採用した固定構造であっても第2装置が安定して板状部材90に仮固定又は本固定される。
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
10…装置、20…第1装置、21…装置本体、21A…取付孔、21E…斜面、21H…挿入孔、22…フランジ、30…第2装置、31…箱体、31A…取付孔、31B…当接面、31H…連通孔、32…フランジ、33…扉、34…スナップフィット部、34A…板材、34B~34D…凸部、39…突出部、41~42…固定具、42A…取付部、42AA…爪、42B…板材、42C…ネジ、70…伸縮部材、71…固定部、72…挟持部、73…弾性体、80…記憶媒体、90…板状部材、91…開口、92…大開口、93…小開口、95…周辺部、96…周辺部、G…表示画面、R…空間、S…固定構造。

Claims (8)

  1. 板状部材に形成された開口を通った状態で当該板状部材に固定される装置が備える固定構造であって、
    前記板状部材の前記開口の周辺部の第1面に当接する第1当接部と、
    前記板状部材の前記周辺部の前記第1面と反対の第2面に当接する第2当接部と、を備え、
    前記第1当接部と前記第2当接部とにより前記周辺部を挟持することで前記装置が前記板状部材に固定され、
    前記第2当接部は、前記板状部材の板厚に応じて弾性変形しつつ、前記第1当接部とで前記周辺部を挟持する、
    固定構造。
  2. 前記第2当接部は、前記板状部材の板厚方向に並んだ複数の凸部を備え、スナップフィットにより前記複数の凸部のいずれかで前記周辺部を挟持するスナップフィット部である、
    請求項1に記載の固定構造。
  3. 前記第2当接部は、前記板厚方向に伸縮する弾性を有する、
    請求項1に記載の固定構造。
  4. 前記装置は、固定具により前記板状部材に本固定され、
    前記第1当接部と前記第2当接部とは、前記装置を前記板状部材に仮固定する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の固定構造。
  5. 前記装置は、前記固定具と前記第1当接部とにより前記板状部材を挟持することで、当該板状部材に本固定される、
    請求項4に記載の固定構造。
  6. 前記装置は、第1装置と、当該第1装置よりも軽い第2装置とのうちの前記第2装置であり、
    前記第2装置は、前記第1装置とともに前記開口を通った状態で前記板状部材に固定され、
    前記第1装置と前記第2装置とは、前記板状部材に固定されるときに係合するように構成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の固定構造。
  7. 請求項6に記載の固定構造を用いて、前記第1装置及び前記第2装置を前記板状部材に固定する固定方法であって、
    前記第2装置を前記板状部材に前記固定構造を用いて仮固定し、
    前記第2装置の仮固定後に、前記第1装置を前記第2装置に係合させて前記板状部材に本固定する、
    固定方法。
  8. 前記第2装置を、当該第2装置の仮固定後かつ前記第1装置の本固定後に、前記板状部材に本固定する、
    請求項7に記載の固定方法。
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