JP2023073692A - 水素製造方法及び水素製造設備 - Google Patents

水素製造方法及び水素製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】アンモニアを分解して高純度の水素を得るに際し、効率に優れ、経済的に有利であるとともに、窒素酸化物を排出することなく、環境性にも優れた方法を提供する。【解決手段】アンモニアを、圧力1.5MPa以上7MPa以下で、熱交換型反応器3に通じ、加熱しながら、Ruを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させ、アンモニアを窒素及び水素に分解する工程、この工程で得たガスを300℃以上550℃以下で水素選択透過膜に通じて水素を分離する工程、水素分離後の未反応アンモニアを含むガスを0.3MPa以下に減圧する工程、減圧したガスに、酸素含有ガスを添加し、Ru、Rh及びPdから選択される1種以上の金属を含有する触媒に接触させ、アンモニアを分解する工程、この工程で得たガスに、酸素含有ガスを添加して、燃焼させる工程を含み、燃焼ガスによりアンモニア分解工程の加熱を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを分解して水素を主成分とするガスを製造する方法及び設備に関する。
アンモニアは、燃焼させても二酸化炭素を生成しないこと、水素とは異なり、わずかに加圧することで常温でも液化でき、可搬性に優れることから、脱炭素に対応した燃料として注目されている。
しかし、アンモニアは、その分子構造に窒素を含むことから、燃料由来の窒素酸化物(fuel-NOx)の生成が避けられず、燃焼方法によっては、天然ガスの数倍の窒素酸化物の生成が生じることも知られている。この問題を回避するため、アンモニアを直接燃焼させるのではなく、水素に分解したのちに燃焼させることも提案されている。
アンモニアの分解反応(式1)には、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケルが高い活性を示し、中でもルテニウムを含む触媒が高い活性を示すことが知られている(非特許文献1)。特許文献1には、ルテニウム及び希土類酸化物が、希土類酸化物以外の金属酸化物担体に担持され、希土類酸化物の含有量が0.1~30.0質量%であるアンモニア分解触媒が、低温でも高いアンモニア分解活性を示し、500℃、大気圧、GHSV10000/hの条件で、81%~98%のアンモニア分解率が得られたと開示されている。
NH → 1/2N + 3/2H ΔH=+46kJ/mol (式1)
アンモニアの分解反応は、式1に示すように分子数の増加する吸熱反応であるので、高温かつ低圧の条件ほど、平衡転化率は高くなる。例えば、500℃における平衡転化率は、0.1MPa(絶対圧、以下同様)では99.7%であるが、1MPaでは97.5%、3MPaでは93.0%まで低下する。600℃における平衡転化率は、0.1MPaでは99.9%であるが、1MPaでは99.0%、3MPaでは97.1%となる。600℃という比較的高い温度でも、反応圧力が3MPaの場合には、反応に供したアンモニアのうち3%程度が未反応で残ることになる。
また、アンモニアの分解反応は、吸熱反応であるので、反応を進行させるためには、反応熱を供給する必要がある。
特許文献2には、アンモニア57.1%(体積基準、以下同様)、窒素33.3%、酸素8.9%、残部アルゴンのガスを、γ-アルミナに白金を担持した触媒を前段に、γ-アルミナにルテニウムを担持した触媒を後段に配置した2層の触媒を用い、触媒入口温度を200℃としたとき、触媒層の最高温度が1000℃、触媒層出口温度が470℃となり、反応開始から30時間にわたって、86%の水素収率を維持したことが開示されている。
特許文献3には、5.2MPaの気体アンモニアと、5.2MPaの空気を混合して、アンモニア自己熱分解反応器に通じて、アンモニアの一部を酸化させ、反応熱を放出させるとともに、残るアンモニアを、この反応熱により加熱して、約600℃の窒素と水素に分解する、アンモニアの分解方法が開示されている。
アンモニアの酸化反応(式2)は、大きな発熱を伴うので、アンモニアの15%程度を酸化(燃焼)させれば、アンモニア分解反応の吸熱を賄うことができる。
NH + 3/4O → 1/2N + 3/2HO(g) ΔH=-317kJ/mol (式2)
アンモニアの分解を、酸化反応を併発させながら行う自己熱分解反応で行うと、熱交換機能を有しない単純な充填塔型の反応器で反応を進行させられるため、設備コストが抑制できるメリットがある。一方で、外部から加熱しながらアンモニアを分解する場合には、反応が完全に進行すれば、水素75%と窒素25%からなるガスが得られるのに対し、自己熱分解の場合には、燃焼反応により生成した窒素及び水蒸気を含むため、分解反応で生成したガスの水素濃度は低くなる。例えば、特許文献3には、自己熱分解反応器出口のガス組成が、水素48%、窒素39%、水蒸気10%、未反応アンモニア3%となることが示されている。
アンモニアを分解して得た水素含有ガスをそのまま燃料として用いる場合には、水素の濃度がやや低くなっても、通常は大きな問題にはならない。しかし、化学反応の原料や、都市ガスの原料に用いるなどの場合には、アンモニアを分解して得た水素主成分ガスから水素を分離する必要がある。気体の分離には、特定の成分を選択的に透過する選択透過膜を用いる膜分離法、特定の成分を選択的に吸着する吸着剤を用いる圧力スイング吸着(PSA)法などがあるが、いずれの分離方法でも、回収対象とする気体の濃度が低くなると、回収率が低下する問題がある。
特許文献4には、アンモニアを空気と混合して燃焼させるアンモニア燃焼チャンバと、これを取り囲むように構成され、アンモニアを吸熱熱分解により窒素と水素に分解するアンモニア分解チャンバからなり、アンモニアの燃焼反応により得られた熱が、アンモニアの分解に利用できるように構成されたアンモニアの分解装置が開示されている。外部から加熱して、反応熱を供給しながら反応させる熱交換型反応器は、炭化水素の水蒸気改質反応などで広く用いられているが、この装置も簡易な構造を持つ熱交換型反応器とみることができる。この方法では、アンモニアの分解により得られたガスは、アンモニアの燃焼ガスとは混合しないので、分解により生成したガスの水素濃度は75%に近いものとなる。ただし、特許文献4は、分解により生成したガスから高純度の水素を得る方法についての具体的な記載はない。
特許文献5には、アンモニア分解によって水素を生成するための方法であって、固定床のアンモニア分解触媒を含む膜反応器、固定床に配置され、表面に水素選択透過膜を配置したセラミック中空繊維、同じく固定床に配置され、熱エネルギーをアンモニア分解に供給するための触媒水素バーナーからなるシステムにアンモニアを導入して、アンモニアを分解するとともに、分解生成物から水素の少なくとも一部を分離する方法が開示されている。
この文献によれば、25℃で10バールのアンモニアを0.3434mol/分の流量でシステムに供給し、400℃でアンモニアの分解反応を行うとともに、合成SAPO-34からなる水素分離膜を用いて、生成した水素を分離すると、透過物として、2.5バールで毎分0.4464molの水素と0.004509molの窒素が得られ、そのエネルギー効率は88.45%となるとされている。
膜分離では、一般に目的とする成分のすべてを分離回収することはできない。従って、アンモニアを分解して水素を得る際に、膜分離を用いると、非透過側にもいくらかの水素が残存することになる。特許文献5では、非透過物をたとえばPtを浸み込ませたNiフォームからなる触媒水素バーナーで燃焼させて、アンモニア分解の熱源として用いることが記載されている。
膜反応器を用いることのメリットは、分離と反応を一体化することにより、生成物を抜き出しながら反応を進行させることができるため、熱力学的に決まる平衡転化率よりも高い転化率が得られることにある。
一方で、膜反応器により吸熱を伴う反応を進行させるためには、反応器には、原料入口、反応生成物の透過側の出口、反応生成物の非透過側の出口、熱媒の入口及び出口、の5つの流路が接続される必要があり、加えて、反応に伴う吸熱と熱媒による加熱をバランスさせるための反応器内の流路設計も必要となって、反応器の構造が複雑になるという問題がある。
通常の熱交換型反応器を用いて、アンモニアを分解し、分解により生成した水素と窒素を主成分とし、未反応のアンモニアを含むガスを、水素を選択的に透過する膜を備えた膜分離器に通じて、膜透過側で高純度の水素を回収する方法も考えられる。
膜分離による気体の分離では、膜を流れる気体の駆動力は、膜の両側の気体の分圧差であることから、透過側を真空にしない限り、目的とする気体を完全に回収することはできない。アンモニア分解により生成した水素と窒素を主成分とし、未反応のアンモニアを含むガスから、水素選択透過膜を利用して水素ガスを分離回収する場合、非透過側に一定濃度の水素が残存することになる。非透過側のガスは、水素に加えて、窒素と未反応のアンモニアを含む。
非透過側のガスは、水素とアンモニアを含むことから、これを燃焼させることにより、アンモニア分解の吸熱を賄うことができる。しかし、通常のアンモニア分解の条件では、膜反応器を用いない限り、アンモニア分解の転化率は熱力学的な制約から、反応温度及び圧力によるが90~95%程度の転化率にとどまる。従って、非透過側ガスには、10%程度のアンモニアが含まれる。アンモニアを燃焼させると、窒素酸化物が多く生成することが知られている。これは、気相燃焼に限られるものではなく、触媒燃焼を行った場合でも同様である。アンモニア酸化による硝酸の製造において、白金-ロジウム触媒が用いられることからわかるように、貴金属触媒を用いて、酸化雰囲気でアンモニア酸化反応を行うと、窒素の少なくない部分が窒素酸化物となる。特に白金は、低温での水素及びアンモニアの酸化活性が高いが、窒素酸化物の生成が多いことに加えて、地球温暖化効果の高い亜酸化窒素の生成も顕著であることが知られている(非特許文献2)。
非透過側のガスを燃焼させ、アンモニア分解の熱源として熱回収した後のガスは、排ガスとして大気中に放散することになるから、これが窒素酸化物や亜酸化窒素を含む場合には、地域環境及び地球環境への影響が無視できない。
特許文献4には、水素とアンモニアを含む気体混合物からアンモニアを選択的に酸化する触媒が開示されているが、高いアンモニア除去率を示す温度域は限られており、加えて、選択性が100%ではないことに起因して水素の消費も生じることから、実用プロセスとしてはなお課題が多い。
以上のように、アンモニアを分解して高純度の水素を得るプロセスについては、なお課題が多いのが実情である。
国際公開第2019/188219号 特開2012-5926号公報 特開2020-147478号公報 特許第6670761号公報 特表2020-530427号公報
Chongqi Chen他、Energy and Fuels、35巻、2021年、p.11693 Mengmeng Sun他、ACS Applied Materials and Interfaces、11巻、2019年、p.23102
本発明が解決しようとする課題は、以上の問題に鑑み、アンモニアを分解して高純度の水素を得るに際して、効率に優れ、経済的に有利であるとともに、窒素酸化物などを排出することなく、環境性にも優れた方法及び設備を提供することにある。
本発明に係る水素製造方法の特徴構成は、
アンモニアを分解して、水素を製造する方法であって、
アンモニアを、圧力1.5MPa以上7MPa以下で、熱交換型反応器に通じ、加熱しながら、ルテニウムを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する第1アンモニア分解工程と、
前記第1アンモニア分解工程で得たガスを、300℃以上550℃以下で水素を選択的に透過する膜に通じて水素を分離する水素分離工程と、
水素を分離した後の、窒素と水素と未反応のアンモニアとを含むガスを0.3MPa以下に減圧する減圧工程と、
前記減圧したガスに、酸素含有ガスを添加して、ルテニウム、ロジウム及びパラジウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する触媒に接触させて、アンモニアを分解する第2アンモニア分解工程と、
前記第2アンモニア分解工程で得た、少なくとも窒素と水素とからなり、1000ppm以下のアンモニアを含むガスに、酸素含有ガスを添加して、燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼工程とを含み、
前記第1アンモニア分解工程でのアンモニアの加熱が、前記燃焼ガスによって行われる点にある。
また、本発明に係る水素製造設備の特徴構成は、
アンモニアを分解して、水素を製造する設備であって、
圧力1.5MPa以上7MPa以下で供給されるアンモニアを加熱しながら、ルテニウムを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する第1アンモニア分解部と、
前記第1アンモニア分解部で得たガスを、300℃以上550℃以下で水素を選択的に透過する膜に通じて水素を分離する水素分離部と、
水素を分離した後の、窒素と水素と未反応のアンモニアとを含むガスを0.3MPa以下に減圧する減圧部と、
前記減圧したガスに酸素含有ガスを添加したガスを、ルテニウム、ロジウム及びパラジウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する触媒に接触させて、アンモニアを分解する第2アンモニア分解部と、
前記第2アンモニア分解部で得た、少なくとも窒素と水素とからなり、1000ppm以下のアンモニアを含むガスに酸素含有ガスを添加したガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼部とを備え、
前記第1アンモニア分解部でのアンモニアの加熱が、前記燃焼ガスによって行われる点にある。
本特徴構成によれば、未反応のアンモニアはアンモニア分解反応の熱源として利用できるので、アンモニア分解反応の転化率は90~95%程度あればよく、1.5MPa以上の比較的高い圧力であっても、550℃以下の比較的低い温度でアンモニア分解反応を行うことができる。反応温度が低いことから、触媒の耐久性を確保することが容易となる。また、反応圧力を高く設定できることから、水素選択透過膜を用いる水素分離において、膜両側の水素分圧差が大きくなり、透過膜の面積を小さくすることができ、経済性が優れる。さらに、非透過側のガスにはアンモニアが含まれるが、その濃度が1000ppm程度又はそれ以下に低減されてから燃焼に供されるため、アンモニア分解反応に熱を供給した後の排ガスに含まれる窒素酸化物及び亜酸化窒素の濃度を十分低く保つことができ、環境性に優れる。すなわち、複雑な構造の反応器を用いることなく、効率を環境性に優れた方法でアンモニアを分解して、高純度の水素を回収することができる。
本発明に係る水素製造方法の更なる特徴構成は、
前記水素分離工程において、水素の少なくとも一部が圧力0.5MPa以上で取り出される点にある。
また、本発明に係る水素製造設備の更なる特徴構成は、
前記水素分離部において、水素の少なくとも一部が圧力0.5MPa以上で取り出される点にある。
本特徴構成によれば、水素の少なくとも一部は、常圧よりも十分高い圧力で取り出すことができることから、回収した水素を輸送及び貯蔵するに際して、圧縮に必要な動力を低減することができる。
本発明に係る水素製造方法の更なる特徴構成は、
前記熱交換型反応器に通じるアンモニアが、前記第1アンモニア分解工程でのアンモニアの加熱に用いた前記燃焼ガスによって予熱される点にある。
また、本発明に係る水素製造設備の更なる特徴構成は、
前記第1アンモニア分解部に供給するアンモニアが、前記第1アンモニア分解部でのアンモニアの加熱に用いた前記燃焼ガスによって予熱される点にある。
本特徴構成によれば、アンモニアの予熱に、アンモニアの加熱に用いた燃焼ガスを熱源として用いるため、水素生成の効率を高めることができる。
実施例に係る水素製造方法のプロセスフローの一例を示す図である。 比較例に係る水素製造方法のプロセスフローの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るアンモニア分解による水素製造方法及び水素製造設備の実施形態について説明する。
本実施形態の水素製造方法では、まず予熱されたアンモニアを、熱交換型反応器に送入し、圧力1.5MPa以上7MPa以下、400℃以上550℃以下の温度でルテニウムを含む触媒に接触させて、アンモニアを分解して水素と窒素を生成する(第1アンモニア分解工程)。また、本実施形態の水素製造設備は、圧力1.5MPa以上7MPa以下で供給されるアンモニアを加熱しながら、ルテニウムを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する第1アンモニア分解部としての熱交換型反応器を備えており、熱交換型反応器に供給されるアンモニアが予熱されるように構成されている。
アンモニアの予熱は、熱交換器を介して高温の熱媒と熱交換する方法又は電気ヒーターによる加熱など、どのような方法で行ってもよいが、熱交換器を介して蒸気で加熱するのが好ましく、後述する第1アンモニア分解工程(第1アンモニア分解部)でのアンモニアの加熱に用いた燃焼ガスによって予熱することが好ましい。予熱は、400℃以上550℃以下とするのがよいが、これより低い温度であっても、反応器内において加熱されて、400℃以上550℃以下の温度でルテニウムを含む触媒に接触するのであれば差し支えない。ただし、400℃未満ではアンモニアの分解反応は実質的に進行しないので、ルテニウムを含む触媒が有効に機能しない点で経済性が低下する恐れがある。
熱交換型反応器は、その形式は問わないが、概略円筒状の外筒(シェル)の中に多数の細管(チューブ)が収容された多管式熱交換型反応器が使用できる。シェル側、チューブ側のいずれに触媒を充填しても差し支えないが、通常チューブ側に触媒を充填してアンモニアを送入し、シェル側に熱媒を通じる。熱媒は、後述する膜分離部で水素を分離回収したあとの非透過側ガスを処理してアンモニアを低減したあとの水素含有ガスを燃焼したガスであり、反応器内で上記水素含有ガスと空気を混合し、バーナーで燃焼させることで熱媒を形成してもよい。
反応圧力は1.5MPa以上7MPa以下とする。1.5MPaよりも低い反応圧力では、後続の水素選択透過膜で水素を分離する際に、水素分圧が低すぎて、水素を経済的に回収することが困難になる。反応圧力が7MPaよりも高いと、高圧に耐える反応器が必要になって、水素製造の経済性が低下する。
ルテニウムを含む触媒としては、活性アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの耐火性無機担体にルテニウムを担持した触媒を使用する。ルテニウムの担持量は、担体に対する質量比で1~10%とするのが好ましく、2%~5%とするのがより好ましい。担持量が低すぎると、単位体積当たりの触媒活性が低下するため、より多くの触媒を必要として、経済性が低下する恐れがある。担持量が多すぎると、ルテニウムを担体上に高分散に担持することができず、ルテニウムあたりの触媒活性が低下して、経済性が低下する恐れがある。
アンモニアの分解は、アンモニアを400℃以上550℃以下の温度でルテニウムを含む触媒に接触させることにより行う。触媒層の一部が400℃未満となることは差し支えないが、アンモニアを400℃以上でルテニウム触媒に接触させなければ、実質的にアンモニアの分解を進行させることができない。一方で、触媒温度が550℃を超えると、触媒の熱劣化が進行しやすくなるため、触媒層の温度は、550℃以下に保つ必要がある。即ち、触媒層の最高温度が400℃以上550℃以下となるようにすることが必要であり、450℃以上500℃以下とするのが、触媒活性及び耐久性を確保する点で好ましい。
反応温度及び圧力により、平衡的に到達可能なアンモニアの分解率(転化率)は変化するが、およそ90~95%程度となり、十分な触媒量を用いることで、平衡転化率に近いアンモニア転化率を得ることができ、アンモニアは水素、窒素を主成分とし、少量の未反応アンモニアを含むガスに変換される。
本実施形態の水素製造方法では、第1アンモニア分解工程で得た、水素、窒素を主成分とし、少量の未反応アンモニアを含むガスから、水素選択透過膜を用いて、水素を分離回収する(水素分離工程)。また、本実施形態の水素製造設備は、第1アンモニア分解部で得たガスを、300℃以上550℃以下で水素を選択的に透過する膜に通じて水素を分離する水素選択透過膜を有する膜分離器(水素分離部)を備えている。
水素選択透過膜としては、ゼオライト膜に代表される分子ふるい型の水素分離膜、パラジウム膜に代表される溶解-拡散型の分離膜などがあるが、本方法で用いる分離膜はいずれの原理によるものでも差し支えない。ただし、本方法では、水素の分離を300℃以上550℃以下の温度で実施するため、この温度で使用できることが必要となり、耐熱性の無機酸化物又は金属で構成された無機膜が好ましい。水素選択透過膜の水素と窒素との選択性(透過係数の比)は100以上、より好ましくは200以上とする。水素分離膜の水素とアンモニアとの選択性(透過係数の比)は50以上、より好ましくは100以上とする。
水素を分離回収する際の透過側の圧力は、常圧以上で1MPa以下とするのが好ましい。透過側の圧力が低い場合には、水素分離膜の両側の水素分圧の差が大きくなるため、透過速度が高くなる一方で、回収される水素の圧力が低くなるため、高圧の水素を必要とする場合には、圧縮動力が必要になって経済性が低下する。従って、膜分離器において、水素の少なくとも一部が0.5MPa以上1MPa以下で取り出されるように透過側の圧力を設定することが好ましい。逆に、透過側の圧力が高すぎると、非透過側の水素分圧が、透過側の水素分圧に達した時点で、それ以上水素の透過は起こらなくなるため、水素の回収率が低くなる場合がある。
水素選択透過膜を用いる水素の分離回収を2段で行うようにして、1段目の透過側圧力を2段目の透過側圧力より高く設定すると、水素の一部は1段目で高い圧力で回収でき、2段目のより低い圧力での回収と合わせて、全体として高い水素の回収率が確保できる。
膜分離部において水素を分離回収した後の、非透過側のガスは、窒素、水素及び少量のアンモニアを含み、ほぼアンモニア分解反応時の圧力に近い圧力を保っている。そこで、本実施形態の水素製造方法では、非透過側のガスを0.3MPa以下に減圧する(減圧工程)。また、本実施形態の水素製造設備は、非透過側のガスを0.3MPa以下に減圧する減圧部を備えている。
減圧は、膨張タービンを用いて仕事を回収しながら行ってもよく、膨張弁を用いる断熱絞り膨張により仕事を回収することなく行ってもよいが、エネルギー効率の観点からは、膨張タービンを用いて仕事を回収しながら行うのが好ましい。
本実施形態の水素製造方法では、膨張後のガスに空気などの酸素含有ガスを添加し、ルテニウム、ロジウム、パラジウムの少なくとも1種を含む触媒に通じ、未反応のアンモニアを分解する(第2アンモニア分解工程)。また、本実施形態の水素製造設備は、減圧したガスに酸素含有ガスを添加したガスを、ルテニウム、ロジウム及びパラジウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する触媒に接触させて、アンモニアを分解する第2アンモニア分解部を備えている。
酸素含有ガスは、必要に応じて予熱してから添加してもよい。触媒に導入するガスの温度は、150℃以上とすることが好ましく、200℃以上とするのがより好ましい。この温度以上であると、酸素と水素との反応が速やかに進行し、反応熱によりガスの温度が上昇する。実質的にすべての酸素が消費された時点で、反応が終了するが、この際の温度が550℃以上800℃以下となるように、酸素含有ガスの添加量を調整する。すなわち、膨張後のガスに空気などの酸素含有ガスを添加したガスを、ルテニウム、ロジウム、パラジウムの少なくとも1種を含む触媒に接触させ、触媒層内での最高温度が550℃以上800℃以下となるように酸素含有ガスの添加量を調整する。触媒層内での最高温度が550℃を下回ると、反応後のガスに含まれるアンモニアの濃度を十分に低減することができない。逆に、触媒層内での最高温度が800℃を超えると、触媒の劣化が進行する恐れがある。
尚、酸素と水素との反応は、白金触媒上では低温でも速やかに進行するので、前段に白金を含有する触媒を用い、後段にルテニウム、ロジウム、パラジウムの少なくとも1種を含む触媒を配置した2段の構成としてもよい。白金上でアンモニアが酸化されると、窒素酸化物や亜酸化窒素を生成することがあるが、ルテニウム、ロジウム、パラジウムは、窒素酸化物や亜酸化窒素を水素により還元するので、反応後は、窒素と水素を主成分とし、1000ppm以下の微量のアンモニアを含むガスとなる。
本実施形態の水素製造方法では、第2アンモニア分解工程で得た窒素と水素を主成分とし、1000ppm以下の微量のアンモニアを含むガスに、空気などの酸素含有ガスを添加して、燃焼させて燃焼ガスを発生させる(燃焼工程)。また、本実施形態の水素製造設備は、第2アンモニア分解部で得た、主に窒素と水素とからなり、1000ppm以下のアンモニアを含むガスに酸素含有ガスを添加したガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼部を備えている。
燃焼は、熱交換型反応器であるアンモニア分解反応器の熱媒側で行ってもよく、反応器の外で行って、燃焼ガスをアンモニア分解反応器の熱媒側に通じてもよい。窒素と水素を主成分とするガスは、予めアンモニア濃度が1000ppm以下まで低減されているので、燃焼させても高濃度の窒素酸化物を発生することがない。
〔実施例及び比較例〕
以下に、プロセス計算に基づく試算例を示す。この試算では、各機器及び配管における放熱損失や圧力損失は考慮していない。また、アンモニア含有ガスの燃焼による窒素酸化物の生成は、プロセス計算では考慮しておらず、すべて窒素と水を生成するものとして熱バランスを計算している。
〔実施例〕
本発明の方法に基づくアンモニア分解による水素製造方法のプロセスフローを図1に示す。
液体のアンモニアは、温度25℃、圧力3MPa、流量1mol/sで熱交換器1に送入される。熱交換器1では、低圧蒸気(LPS、120℃)を用いてアンモニアが110℃まで加熱され、アンモニアは気化する。気化したアンモニアは、熱交換器2でさらに480℃まで加熱されて、熱交換型反応器3(第1アンモニア分解部)に送入される。熱交換型反応器3は、多管式のシェルアンドチューブ型反応器であり、チューブ側にルテニウムを担持した触媒が充填されており、シェル側に流通される、後述する燃焼ガスにより加熱されて、アンモニアの分解反応が進行し、480℃の平衡組成となって熱交換型反応器3を流出する(第1アンモニア分解工程)。アンモニアの転化率は91.6%であり、生成したガスは、水素、窒素及び少量のアンモニアを含む。
アンモニアを分解して得たガスは、膜分離器4(水素分離部)に送入される。膜分離器4は、水素選択透過膜からなり、その膜の水素、窒素及びアンモニアに対する透過度(permeance)が、それぞれ3×10-7mol/(s・m・Pa)、3×10-9mol/(s・m・Pa)及び3×10-9mol/(s・m・Pa)で、5mの有効透過面積を有する。膜分離器4の透過側は1MPaに制御されており、1MPaの圧力で水素を97.5%含むガスが回収される(水素分離工程)。
膜分離器4の非透過側のガスは、水素51%、窒素41%、残部アンモニアの組成を持ち、なお水素が残っていることから、さらに水素を抽出するため膜分離器5(水素分離部)に送入される。膜分離器5は、膜分離器4と同じ透過度の膜からなり、2mの有効透過面積を有する。膜分離器5の透過側は0.15MPaに制御されており、0.15MPaの圧力で水素を96.3%含むガスが得られる(水素分離工程)。
膜分離器5の非透過側のガスは、水素24%、アンモニア12%、残部窒素からなる可燃性のガスである。このガスは高温高圧であるため、膨張タービン6(減圧部)で仕事を取り出すことができる。膨張タービン6では、断熱効率75%で0.2MPaまで減圧され、6.1kWの電力を取り出すことができる(減圧工程)。
膨張タービン6を出たガスは、熱交換器7において高圧蒸気(HPS、270℃)で260℃に予熱された空気と混合され、前段にパラジウム触媒が、後段にルテニウム触媒が充填された固定床断熱型反応器8(第2アンモニア分解部)に導入される。固定床断熱型反応器8の前段部では、パラジウム触媒上で水素と酸素との反応が速やかに進行し、ガスの温度は500℃以上に上昇して、後段のルテニウム触媒上でアンモニアの分解反応が進行する。固定床断熱型反応器8の出口ガスは、水素24%と、窒素及び水蒸気からなりアンモニア濃度は100ppm以下となる(第2アンモニア分解工程)。
固定床断熱型反応器8を出たガスは、熱交換器9において高圧蒸気で260℃に予熱された空気と混合され、燃焼器10(燃焼部)で燃焼する(燃焼工程)。そして、燃焼ガスは熱交換型反応器3のシェル側を通って、アンモニア分解反応の吸熱をまかなった後、熱交換器2でアンモニアの予熱にも熱を与え、さらに熱交換器11で低圧蒸気(LPS、120℃)を回収して、130℃の排ガスとして大気に放出される。
膜分離器4及び5の透過側の水素主成分ガスは、高温であることから、熱交換器12~14で熱回収して高圧蒸気及び低圧蒸気が回収される。
本プロセスでは、1mol/sのアンモニアから、1.215mol/sの水素が回収でき、うち0.832mol/sは1MPaの圧力で回収される。高圧蒸気の消費量は0.94kW、低圧蒸気の消費量は12.3kWであり、6.1kWの電力が回収できる。
プロセスの主要な箇所における温度、圧力及び流量は表1に示すとおりである。
Figure 2023073692000002
〔比較例〕
比較のため、本発明の方法を採用しない、アンモニア分解による水素製造方法の一例として図2に示すプロセスフローを検討した。
本比較例では、膜分離器5までのフローは実施例と同じであるが、膜分離器5の非透過側のガスは、そのままの圧力で固定床断熱型反応器8aに送入される。固定床断熱型反応器8aには、熱交換型反応器3と同じアンモニア分解触媒が充填されている。膜分離器5の非透過側のガスは、熱交換型反応器3でアンモニア分解反応が平衡に達したガスから、水素の大部分を除いたものであるため、固定床断熱型反応器8aではさらにアンモニア分解反応が進行するとともに、反応の吸熱によりガスの温度が低下する。入口アンモニアの46%が分解し、温度が392℃に低下した平衡組成となって固定床断熱型反応器8aを出る。固定床断熱型反応器8aを出た後は、膨張タービン6aで減圧され、熱交換器9において高圧蒸気で260℃に予熱された空気と混合され、燃焼器10以降、実施例と同様のフローとなる。ここで、固定床断熱型反応器8aを出たガスのアンモニア濃度は6%と、固定床断熱型反応器8aの入口(12%)からは半減しているが、なお高濃度のアンモニアを含むため、燃焼器10で燃焼させると窒素酸化物を多量に発生する恐れがある。
本プロセスでは、高圧蒸気の消費量は0.94kW、低圧蒸気の消費量は11.9kWであり、5.6kWの電力が回収できる。
プロセスの主要な箇所における温度、圧力及び流量は表2に示すとおりである。
Figure 2023073692000003
得られる水素の量や、回収できる電力並びに、必要となる高圧蒸気及び低圧蒸気の量は、実施例と比較例で大きな違いはない。一方で、アンモニア分解反応として用いる膜分離の非透過側ガスに含まれるアンモニアの濃度には大きな違いがあり、比較例では6%、実施例では100ppm以下となることから、実施例のプロセスによれば、窒素酸化物の排出が大幅に抑制できる。
〔別実施形態〕
〔1〕上記の実施形態では、膜分離器4,5を2段の構成とし、1段目の透過側圧力を、2段目の透過側圧力より高く設定した場合について特に説明した。しかし、本発明に係る膜分離工程において用いる水素分離部としての膜分離器は、1段で構成してもよく、3段以上で構成してもよい。
〔2〕上記の実施形態では、第1アンモニア分解工程で得たガスを、加熱ないし冷却することなく膜分離器4に導入する場合について特に説明した。しかし、本発明において、アンモニア分解部としての熱交換型反応器3と水素分離部としての膜分離器4との間に加熱ないし冷却の手段を設けても問題はなく、分離膜の耐熱性を優先する必要がある場合には、冷却手段を設けることが好ましい場合もある。
〔3〕上記の実施形態では、水素分離部としての膜分離器4,5において、水素の少なくとも一部が圧力0.5MPa以上1MPa以下で取り出される態様としたが、これに限られるものではい。
〔4〕上記の実施形態では、熱交換型反応器に供給するアンモニアを予熱する態様としたが、これに限られるものではなく、アンモニアを予熱しない態様であってもよい。
上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、アンモニアを分解して、都市ガス原料あるいは化学原料として利用できる高純度の水素ガスを製造する方法及び設備として利用することができる。
1,2,7,9,11,12,13:熱交換器
3 :熱交換型反応器(第1アンモニア分解部)
4,5 :膜分離器(水素分離部)
6 :膨張タービン(減圧部)
8 :固定床断熱型反応器(第2アンモニア分解部)
10 :燃焼器(燃焼部)

Claims (6)

  1. アンモニアを分解して、水素を製造する方法であって、
    アンモニアを、圧力1.5MPa以上7MPa以下で、熱交換型反応器に通じ、加熱しながら、ルテニウムを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する第1アンモニア分解工程と、
    前記第1アンモニア分解工程で得たガスを、300℃以上550℃以下で水素を選択的に透過する膜に通じて水素を分離する水素分離工程と、
    水素を分離した後の、窒素と水素と未反応のアンモニアとを含むガスを0.3MPa以下に減圧する減圧工程と、
    前記減圧したガスに、酸素含有ガスを添加して、ルテニウム、ロジウム及びパラジウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する触媒に接触させて、アンモニアを分解する第2アンモニア分解工程と、
    前記第2アンモニア分解工程で得た、少なくとも窒素と水素とからなり、1000ppm以下のアンモニアを含むガスに、酸素含有ガスを添加して、燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼工程とを含み、
    前記第1アンモニア分解工程でのアンモニアの加熱が、前記燃焼ガスによって行われる、水素製造方法。
  2. 前記水素分離工程において、水素の少なくとも一部が圧力0.5MPa以上で取り出される、請求項1に記載の水素製造方法。
  3. 前記熱交換型反応器に通じるアンモニアが、前記第1アンモニア分解工程でのアンモニアの加熱に用いた前記燃焼ガスによって予熱される、請求項1又は2に記載の水素製造方法。
  4. アンモニアを分解して、水素を製造する設備であって、
    圧力1.5MPa以上7MPa以下で供給されるアンモニアを加熱しながら、ルテニウムを含む触媒に400℃以上550℃以下の温度で接触させて、アンモニアを窒素及び水素に分解する第1アンモニア分解部と、
    前記第1アンモニア分解部で得たガスを、300℃以上550℃以下で水素を選択的に透過する膜に通じて水素を分離する水素分離部と、
    水素を分離した後の、窒素と水素と未反応のアンモニアとを含むガスを0.3MPa以下に減圧する減圧部と、
    前記減圧したガスに酸素含有ガスを添加したガスを、ルテニウム、ロジウム及びパラジウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する触媒に接触させて、アンモニアを分解する第2アンモニア分解部と、
    前記第2アンモニア分解部で得た、少なくとも窒素と水素とからなり、1000ppm以下のアンモニアを含むガスに酸素含有ガスを添加したガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼部とを備え、
    前記第1アンモニア分解部でのアンモニアの加熱が、前記燃焼ガスによって行われる、水素製造設備。
  5. 前記水素分離部において、水素の少なくとも一部が圧力0.5MPa以上で取り出される、請求項4に記載の水素製造設備。
  6. 前記第1アンモニア分解部に供給するアンモニアが、当該第1アンモニア分解部でのアンモニアの加熱に用いた前記燃焼ガスによって予熱される、請求項4又は5に記載の水素製造設備。
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