JP2023073099A - ピッキング装置、自動倉庫システム - Google Patents

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勉 川野
Tsutomu Kawano
裕輔 柴田
Yusuke Shibata
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Abstract

【課題】本開示の目的の一つは、荷を吸着して持ち上げる際の被吸着面の変形に追随して、荷を安定的に保持可能なピッキング装置を提供することにある。【解決手段】ある態様のピッキング装置10は、荷の被吸着面を吸着する吸着部22と、吸着部22を支持する中継管部24と、を有する複数の吸着ユニット2と、複数の吸着ユニット2を移動可能に支持するブラケット3と、複数の吸着ユニット2それぞれに被吸着面14から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構4と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、ピッキング装置および自動倉庫システムに関する。
保管場所にある商品や一時的に置かれた商品等を出荷場所へ集めるためのピッキング装置が知られている。本出願人は、特許文献1において、元の収容部の荷を別の収容部へ移動させるピッキング装置を開示した。この装置は、底面に複数の吸着部をマトリックス状に配置してなる保持部を有し、吸着部の吸着力により荷の上面を吸着した状態で持ち上げることができる。
特開2020-200125号公報
本発明者は、以下の認識を得た。段ボールなどのケースに包まれた荷を複数の吸着部を有するピッキング装置でピッキングする場合、ケースを吸着して持ち上げたときにその被吸着面が変形する。被吸着面の変形量が大きいと、一部の吸着部が変形に追随できず、十分な吸着力が得られず、ピッキング装置として荷の保持が不安定になる。
特許文献1は、荷を吸着して持ち上げる際の被吸着面の変形に追随して、荷を安定的に保持するという観点からは十分に開示しているとはいえない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、荷を吸着して持ち上げる際の被吸着面の変形に追随して、荷を安定的に保持可能なピッキング装置を提供することを目的の一つとしている。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のピッキング装置は、荷の被吸着面を吸着する吸着部と、吸着部を支持する中継管部と、を有する複数の吸着ユニットと、複数の吸着ユニットを移動可能に支持するブラケットと、複数の吸着ユニットそれぞれに被吸着面から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構と、を備える。
本発明の別の態様は、自動倉庫システムである。この自動倉庫システムは、荷を保管する保管部を有する棚と、保管部の荷を移動させるピッキング装置と、を備える。ピッキング装置は、荷の被吸着面を吸着する吸着部と、吸着部を支持する中継管部と、を有する複数の吸着ユニットと、複数の吸着ユニットを移動可能に支持するブラケットと、複数の吸着ユニットそれぞれに被吸着面から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構と、を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、荷を吸着して持ち上げる際の被吸着面の変形に追随して、荷を安定的に保持可能なピッキング装置を提供できる。
実施形態の自動倉庫システムを概略的に示す平面図である。 複数の荷が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。 実施形態のピッキング装置の一例を示す平面図である。 実施形態のピッキング装置を示す正面図である。 実施形態のピッキング装置を示す下面図である。 実施形態のピッキング装置を示す図である。 比較例のピッキング装置を示す図である。 比較例のピッキング装置で荷を持ち上げた状態を示す図である。 実施形態のピッキング装置で荷を持ち上げた状態を示す図である。 第1変形例の吸着部を概略的に示す図である。 第2変形例の付勢機構を概略的に示す図である。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[実施形態]
図面を参照して実施形態に係るピッキング装置10を備えた自動倉庫システム100の構成を説明する。図1は、実施形態に係る自動倉庫システム100を概略的に示す平面図である。
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸に沿った方向を列方向と、Y軸に沿った方向を行方向と、Z軸に沿った方向を段方向(上下方向)ということがある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。
本明細書では、荷について下記の用語を用いる。内容物を収容した段ボール等のケースを「荷」という。荷には複数の物品が収容されてもよい。また、空荷のパレットを単に「パレット11」という。一のパレット11上に荷12が単数または複数載置されたものを「荷集合」という。以下の説明で「荷12」というときは、荷12単独の場合と、パレット11に搭載された状態の荷12の場合とを含む。荷12はピッキングを行うときに取り扱いされる最小単位であってもよい。
図2は、複数の荷12が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。内容物を取り出すために開封されることが想定された面を「反底面」といい、反底面とは反対側の面を底面という。図2では、反底面が上向で、底面が下向である状態の荷12を示す。荷12は、反転装置(不図示)により反転され、底面が上向面で反底面が下向面である反転状態でピッキング等の荷扱いがなされてもよい。反底面は、底面よりも開封容易であってもよいし、底面は、反底面よりも高強度であってもよい。表示方法の一例として、ケースの側面に印字された文字が反転した向きであれば反転状態であるとしてもよい。
先に、自動倉庫システム100の全体構成を説明する。図1に示すように、自動倉庫システム100は、荷12を保管可能な複数の保管部52を有する棚5と、棚5に入庫または出庫のために荷12を移動する移動手段74、75、76と、荷12を保持して移動させるピッキング装置10と、制御部78とを主に備える。
移動手段74、75、76は、第1移動手段74(例えば、第1台車)と、第2移動手段75(例えば、第2台車)と、第3移動手段76(例えば、昇降装置)とを含む。第1移動手段74、第2移動手段75および第3移動手段76は、荷12を、行方向、列方向および段方向に移動させる搬送手段を構成する。第1移動手段74は、荷12を行方向に沿って移動させうる。第2移動手段75は、荷12を列方向に沿って移動させうる。第3移動手段76は、荷12を段方向に移動させうる。
例えば、搬送手段は、荷12を棚5の保管部52から搬出できる。例えば、搬送手段は、荷12を棚5の保管部52に搬入できる。例えば、搬送手段は、荷12を棚5の一の保管部52から棚5の他の保管部52に搬送できる。
棚5は、多数の荷12を保管可能な保管スペースであり、保管棚と称されることがある。本実施形態の棚5は、第2走行路73を挟んで図中右側の棚55と、図中左側の棚56に区分されている。棚5の構成は、複数の荷12を収容、保管可能であれば、特に限定されない。棚5は、X軸方向(列方向)、Y軸方向(行方向)およびZ軸方向(段方向)に沿って配列された複数の保管部52を含む。各保管部52は、荷12を収容可能に構成されている。
棚5には、第1移動手段74が走行するための第1走行路71(例えば、第1レール)と、第2移動手段75が走行するための第2走行路73(例えば、第2レール)とが設けられる。第1走行路71は、棚55、56およびピッキング空間58においてY軸方向に延設される。第1移動手段74は、各保管部52の下部を走行できる。第2走行路73は、棚55、56およびピッキング空間58に隣接してX軸方向に延設される。
第1移動手段74は、モータ(不図示)によって車輪を駆動し、空荷または荷12を搭載した状態で第1走行路71をY軸方向に走行する。第1移動手段74は、第2移動手段75および第3移動手段76に乗降できる。第2移動手段75は、モータ(不図示)によって車輪を駆動し、第2走行路73をX軸方向に走行する。第2移動手段75は、空荷の状態または荷12を搭載した状態の第1移動手段74を移送する。第3移動手段76は、第2走行路73に隣接して設けられる。第3移動手段76は、第1移動手段74および荷12を任意の収容段から他の収容段に昇降させることができる。図1の例では、全段に対して単一の入出庫部77が設けられ、入出庫部77に第3移動手段76が連設されている。
この例では、入庫対象の荷12は、フォークリフトなどの外部搬送手段(不図示)によって入出庫部77に搬入され、第3移動手段76によって目的の段に移送される。出庫対象の荷12は、保管されていた段から第3移動手段76によって入出庫部77の段に昇降され、入出庫部77に移送され、入出庫部77から外部搬送手段によって運び出される。
制御部78は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成され、ユーザからの操作結果に基づき、入庫、出庫、搬出、移送等のために荷12の移動を制御する。一例として、制御部78は、入出庫用の領域と保管部との間や、複数の保管部間で荷12を移送するように、第1移動手段74、第2移動手段75および第3移動手段76の動作を制御する。また、制御部78は、荷12をピッキングするためにピッキング装置10の動作を制御する。
(ピッキング装置)
図1、図3、図4を参照して、ピッキング装置10を説明する。ピッキング空間58は、ピッキング装置10を用いてピッキングを行うためのスペースである。ピッキング空間58は、棚56の外部に設けられてもよいが、この例では棚56内に設けられている。図3は、ピッキング装置10を拡大して示す平面図である。図4は、ピッキング装置10を拡大して示す正面図である。これらの図では、一部の柱や梁などの記載を省略している。
ピッキング空間58には、ピッキング前の荷12(以下、「第1荷集合121」という)を載置するための第1載置部521と、ピッキング後の荷12(以下、「第2荷集合122」という)を載置するための第2載置部522とが設けられる。
なお、第1載置部521および第2載置部522は、ピッキング空間58内の特定の場所を指すものではなく、荷12を一時的に保管するスペースを指している。したがって、ピッキング空間58における第1載置部521および第2載置部522の位置や範囲はピッキング作業ごとに変化する場合もある。本実施形態の第1載置部521および第2載置部522は、保管部52と同様の構成を有する。
本実施形態のピッキング空間58には、第1走行路71がY軸方向に延設されている。第1載置部521および第2載置部522は、第1走行路71上に設けられている。第1移動手段74は、第1載置部521および第2載置部522の下部を走行できる。ピッキング前の第1荷集合121は、第1移動手段74によって第1載置部521に運び入れされる。ピッキング装置10は、第1荷集合121から所定の荷12を吸着して持ち上げ、移動させて、第2荷集合122に積み入れする。ピッキング後の第2荷集合122は、第1移動手段74によって第2載置部522から運び出される。
ピッキング装置10の構成を説明する。図4に示すように、ピッキング装置10は、ピッキング前の第1荷集合121から1または2以上の荷12をピッキングして第2荷集合122へ移載する。本実施形態のピッキング装置10は、いわゆるガントリ型のクレーン機構60に支持されている。クレーン機構60は、一対の横梁63と、横桁62と、クレーン台車64と、吊下げ部66とを備える。一対の横梁63は、ピッキング空間58の上部空間においてY軸方向両側に離隔して設けられる。横梁63の両端は、縦柱61の上端に支持される。
横桁62は、Y軸方向に延びるレール状の構造体で、一対の横梁63の間に架け渡される。横桁62は、横梁63上をX軸方向に自走可能に構成される。横桁62は、クレーンガータと称されることがある。クレーン台車64は、横桁62上をY軸方向に自走可能な台車である。クレーン台車64は、トロリ台車と称されることがある。吊下げ部66は、ピッキング装置10をクレーン台車64に吊下げるとともに、ピッキング装置10をZ軸方向に上下動させることができる。また、吊下げ部66は、ピッキング装置10を水平に回転させることができる。ピッキング装置10は、吊下げ部66の先端に設けられ、荷12を持上げ可能に構成される。
クレーン機構60は、ピッキング装置10を水平な列方向および行方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に移動可能に支持している。また、クレーン機構60は、ピッキング装置10を段方向(Z軸方向)に移動可能に支持している。
図5、図6を参照する。図5は、下面視のピッキング装置10を示す図である。図6は、正面視のピッキング装置10を示す図である。図6は、荷12の被吸着面14を吸着した状態で、荷12を持ち上げる前の状態を示している。ピッキング装置10は、複数の吸着ユニット2と、複数の吸着ユニット2を支持するブラケット3と、付勢機構4と、を備える。
複数の吸着ユニット2は、X軸方向およびY軸方向のマトリックス状に配置される。吸着ユニット2は、真空ポンプ等により生成された大気圧よりも低圧の空気(以下、「吸引流体」という)が通され、吸着ユニット2の先端に発生させた負圧によって吸着力を発生させる。吸着ユニット2の下面は四角形や円形など多様な形状を有しうる。吸着ユニット2に荷12を吸着可能な吸着力を発生させることを「吸着ユニット2をオンにする」といい、実質的に吸着力を発生させないことを「吸着ユニット2をオフにする」という。
図6では、左端の吸着ユニット2を、図5のA-A線に沿った断面で示している。図6に示すように、吸着ユニット2は、荷12の被吸着面14を吸着する吸着部22と、吸着部22に吸引流体を供給する中継管部24とを含む。
中継管部24は、中空管部241と、フランジ242と、フランジ243とを有する。中空管部241は、ブラケット3に支持される中空筒状の管で、例えば円形の外形を有する。フランジ242は、中空管部241の吸着部22に近い側の端に設けられ、フランジ243は、中空管部241の吸着部22から遠い側の端に設けられる。フランジ242およびフランジ243は、中空管部241から径方向外向きに張り出す鍔形状を有し、これらの外形は、円形を呈する。
フランジ242には、吸着部22の基端側(上流側)が、締結具(不図示)などによって連結される。フランジ243には、吸引流体を供給する供給管25の先端部252が、締結具(不図示)などによって連結される。供給管25の中空部と、中継管部24の中空部と、吸着部22の中空部とは連通しており、供給管25から供給された吸引流体により、吸着部22の先端側(下流側)に吸着力が発生する。
吸着部22の構成に限定はないが、図6の吸着部22は、蛇腹タイプの吸着パッド222を有している。吸着パッド222は、柔軟性を有するエラストマなどの樹脂で形成される。吸着パッド222が柔軟性を有するため、吸着部22は、上下に伸縮可能であり、吸着部22の先端側が吸着部22の基端側に対して左右にオフセットした姿勢や、吸着部22の先端側が吸着部22の基端側に対して傾斜する姿勢を一定の範囲で許容する。吸着部22は、蛇腹タイプの吸着パッド222に代えて、伸縮性を有する材料から形成されるパッド(例えば、スポンジパッド)を有してもよい。当該パッドを形成する材料は、被吸着ワークの天板(荷12の被吸着面14)よりも剛性が低くてもよい。
付勢機構4は、吸着ユニット2に被吸着面14から離れる方向(図中上向)の付勢力を付与する。付勢機構4の構成に限定はないが、この例の付勢機構4は、フランジ243に付勢力を付与する。図6の付勢機構4は、ブラケット3とフランジ243との間に介装された圧縮ばね42を含んでいる。より具体的には、圧縮ばね42は、中継管部24を周状に囲むコイルスプリングである。
ブラケット3は、X軸方向およびY軸方向に沿って延在する板状の部材で、複数の中継管部24を収容する複数の開口部34を有する。複数の開口部34は、複数の吸着ユニット2に対応してX軸方向およびY軸方向のマトリックス状に配置される。開口部34は、吸着ユニット2を上下移動可能に支持する。
(比較例)
ここで、図7、図8を参照して比較例に係るピッキング装置90を説明する。この比較例は、実施形態のピッキング装置10の開発の過程で、比較のために試作されたものである。比較例のピッキング装置90は、実施形態のピッキング装置10に対して、圧縮ばね42が、先端側のフランジ242とブラケット3との間に介装されている点で相違し、その他の構成は同様である。即ち、ピッキング装置90の圧縮ばね42は、吸着ユニット2に被吸着面14に向かう(図中下向)の付勢力を付与するため、荷12を吸着していない状態で、吸着ユニット2は上下可動ストロークの下端近傍に位置する。
図7は、荷12を持ち上げる前の状態のピッキング装置90を示している。以下、端部の吸着ユニットを符号2-1で示し、中央の吸着ユニットを符号2-2で示す。この状態では荷12の被吸着面14は平坦であり、端部の吸着ユニット2-1と中央の吸着ユニット2-2を含めて、各吸着ユニット2の吸着パッド222は、均等な形状を有している。
図8は、荷12を持ち上げた状態のピッキング装置90を示しており、この状態では、荷12に掛かる重力と被吸着面14の柔軟性とによって被吸着面14が山形に変形する。荷12の重力荷重は、被吸着面14の端部で大きく、中央に近づくに連れて小さくなるため、中央近傍が先に持ち上げられて被吸着面14が正面視で山形に変形する。
図8の状態では、被吸着面14の端部の吸着ユニット2-1では、大きな下向きの重力荷重を受けるため、吸着パッド222は伸長変形し、その変形量は複数のユニット中で最大になる。また、端部よりも中央寄りの吸着ユニット2では、端部よりも小さな重力荷重を受けるため、吸着パッド222は端部よりも小さく変形する。特に、中央の吸着ユニット2-2およびその近傍の吸着ユニット2では、被吸着面14に押し上げられ、吸着パッド222は圧縮変形する。これは、吸着ユニット2が重力荷重を受けても上下に動きにくく、被吸着面14の変形に殆ど追従できないためである。この結果、吸着パッド222の変形量は、端部の吸着ユニット2-1と中央の吸着ユニット2-2とで大幅に不均等になる。
ピッキング装置90では、被吸着面14が変形しやすく重量が大きい荷12を吸着して持ち上げたとき、吸着パッド222がその許容量を超えて変形すると、吸着パッド222が被吸着面14から剥がれることがある。許容変形量を大きくするために、蛇腹の段数を増やすと、蛇腹が伸びて変形した際に座屈が起きやすくなるという問題もある。
比較例の説明を踏まえて、実施形態のピッキング装置10を説明する。図6に示すように、ピッキング装置10の圧縮ばね42は、吸着ユニット2に被吸着面14から離れる上向の付勢力を付与するため、荷12を吸着していない状態で、吸着ユニット2は上下に可動なストロークの上端近傍に位置する。
図9は、荷12を持ち上げた状態のピッキング装置10を示している。この状態では、図8の場合と同様に被吸着面14は山形に変形する。
図9の状態では、被吸着面14の端部の吸着ユニット2-1は大きな重力荷重を受けるが、荷重に応じて中継管部24が下降するので、吸着パッド222の変形量は図8の場合よりも小さくなる。また、端部よりも中央寄りの吸着ユニット2は、端部よりも小さな重力荷重を受けるが、その重力荷重に応じたストロークだけ下降量も小さくなる。中央の吸着ユニット2-2では、重力荷重は最小になり、その分下降量も最小になる。つまり、吸着ユニット2は重力荷重を受けて上下に移動して被吸着面14の変形に追従する。この結果、吸着パッド222の変形量は、図8の場合よりも端部と中央の差が小さくなり、被吸着面14から剥がれにくくなる。
以上のように構成された実施形態のピッキング装置10の特徴を説明する。ある態様のピッキング装置10は、荷の被吸着面を吸着する吸着部22と、吸着部22を支持する中継管部24と、を有する複数の吸着ユニット2と、複数の吸着ユニット2を移動可能に支持するブラケット3と、複数の吸着ユニット2それぞれに被吸着面14から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構4と、を備える。
この構成によれば、荷12を吸着して持ち上げる際の被吸着面14の変形に追随して、各吸着ユニット2を上下に移動させて、吸着部22の変形を抑制できる。
一例として実施形態の吸着部22は、蛇腹タイプの吸着パッド222を有している。この場合、吸着部22に上下及び水平方向への可撓性を備えさせて被吸着面14の変形への追随性を向上できる。
一例として、吸着部22は、伸縮性を有する材料から形成されるパッドを有してもよい。この場合、パッドの可撓性により被吸着面14の変形への追随性を向上できる。
一例として、実施形態の中継管部24は、ブラケット3に支持される中空管部241と、中空管部241の吸着部22から遠い側の端に設けられたフランジ243と、を有している。この場合、フランジ243により、中空管部241の可動範囲を規制できる。
一例として、実施形態の付勢機構4は、フランジ243に付勢力を付与する。この場合、安定的に付勢力を付与できる。
一例として、実施形態の付勢機構4は、ブラケット3とフランジ243との間に介装された圧縮ばね42を含んでいる。この場合、簡易な構成で付勢機構4を構成できる。
一例として、実施形態のブラケット3は、複数の中継管部24を収容する複数の開口部34を有している。この場合、開口部34で中継管部24を支持できる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
(第1変形例)
実施形態の説明では、吸着部22が蛇腹タイプの吸着パッド222を有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、吸着部22は、蛇腹タイプの吸着パッド222に代えて角度可変の吸着カップを含んでもよい。図10は、第1変形例の吸着部22を概略的に示す図である。本変形例の吸着部22は、吸着カップ225と、当該吸着カップ225の基端部に固定された球体部226と、当該球体部226を回転可能に収容する凹部228を有するブロック部227と、を含み、吸着カップ225、球体部226およびブロック部227は、吸着流体を通すための通路229を有する。供給管25から供給された吸引流体は、通路229を通り吸着カップ225の先端側に吸着力を発生させる。この構成によれば、吸着部22の剛性が高いので、荷12を持ち上げた際に、横揺れを抑制しやすい。
(第2変形例)
実施形態の説明では、付勢機構4が圧縮バネ42である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、付勢機構4は、ブラケット3とフランジ243との間の距離に応じて姿勢が変化するリンク機構43を含んでもよい。図11は、第2変形例の付勢機構4を概略的に示す図である。本変形例は、実施形態に対して付勢機構4の構成が異なる点で相違し、他の構成は同様である。本変形例のリンク機構43は、関節433で接続された第1アーム431と第2アーム432と、第1アーム431を駆動する油圧シリンダ434と、ブラケット3とフランジ243の間の距離を検出するセンサ435と、センサ435の検知結果に基づいて油圧シリンダ434を制御する制御部436とを含む。
第1アーム431の関節433とは反対側はフランジ243に接続され、第2アーム432の関節433とは反対側はブラケット3に接続される。油圧シリンダ434の一端は第1アーム431の途中に接続され、他端はブラケット3に接続される。油圧シリンダ434が伸びると、第1アーム431が時計周りに回動し、フランジ243を上昇させる。油圧シリンダ434が縮むと、第1アーム431が反時計周りに回動し、フランジ243を下降させる。
制御部436は、ブラケット3とフランジ243の間の距離が小さくなるにしたがって、油圧シリンダ434を伸長させるように制御する。この結果、リンク機構43は、圧縮バネ42と同様に、吸着ユニット2に被吸着面14から離れる方向の付勢力を付与できる。この構成によれば、ブラケット3とフランジ243の間の距離と、油圧シリンダ434の伸縮長の関係を任意に設定できる。
(その他の変形例)
実施形態の説明では、ピッキング装置10は、空気の負圧によって吸着力を発生させる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ピッキング装置10は、空気の負圧の代わりに、磁石等の磁気的吸引力や、その他の物理的原理に基づく吸引力を用いるものであってもよい。例えば、内容物がスチール缶の場合、ピッキング装置10は、ピッキング装置10に設けられた電磁石によってスチール缶を磁気的吸引することで、荷12を持ち上げてもよい。
実施形態の説明では、ピッキング空間58が、棚5と一体的に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、ピッキング空間58は、棚5外に設けられてもよい。この場合、荷12は、フォークリフトなどの搬送機構によって、棚5とピッキング空間58との間で搬送されてもよい。
実施形態の説明では、ピッキング空間58が棚5と同じ平面に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、ピッキング空間58は棚5とは異なる平面に設けられてもよい。また、ピッキング装置10の一部が棚5と同じ平面に設けられ、他の部分が棚5の平面範囲から外へ張り出してもよい。
実施形態の説明では、第2移動手段75と第3移動手段76が別個に備えられる例を示したが、これに限定されない。第2移動手段として、荷12を段方向および列方向に移動可能な移動手段(例えば、スタッカークレーン)を採用してもよい。この場合、スタッカークレーンは、第1移動手段を搭載できないものであってもよいし、荷12とともに第1移動手段を搭載可能なものであってもよい。
実施形態の説明では、全段に対して単一の入出庫部77が設けられ、入出庫部77に第3移動手段76が連設される例を示したが、これに限定されない。各段それぞれに入出庫部が設けられ、入出庫する荷は、フォークリフトによって各段の入出庫部に出し入れされてもよい。また、入出庫部は入庫部と出庫部とに分けられていてもよい。
実施形態の説明では、ピッキング装置10が、ガントリ型のクレーン機構60によって天井側から支持される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ピッキング装置は多関節ロボットや別構成の支持手段によって支持されてもよい。また、ピッキング装置は側方の横壁に取付けられ、側方から支持される構成であってもよい。
実施形態の説明では、ピッキング装置10が、自動倉庫に適用される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のピッキング装置は、自動倉庫以外でもアームロボットを使用したデパレイズ装置やパレタイズ装置にも適用できる。
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用と効果を奏する。
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
2 吸着ユニット、 3 ブラケット、 4 付勢機構、 5 棚、 10 ピッキング装置、 12 荷、 14 被吸着面、 22 吸着部、 24 中継管部、 34 開口部、 43 リンク機構、 100 自動倉庫システム、 222 吸着パッド、 225 吸着カップ、 226 球体部、 227 ブロック部、 228 凹部、 229 通路、 241 中空管部、 243 フランジ。

Claims (10)

  1. 荷の被吸着面を吸着する吸着部と、前記吸着部を支持する中継管部と、を有する複数の吸着ユニットと、
    前記複数の吸着ユニットを移動可能に支持するブラケットと、
    前記複数の吸着ユニットそれぞれに前記被吸着面から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構と、
    を備える、ピッキング装置。
  2. 前記吸着部は、蛇腹タイプの吸着パッドを有する、請求項1に記載のピッキング装置。
  3. 前記吸着部は、伸縮性を有する材料から形成されるパッドを有する、請求項1に記載のピッキング装置。
  4. 前記吸着部は、吸着カップと、当該吸着カップの基端部に固定された球体部と、当該球体部を回転可能に収容する凹部を有するブロック部と、を含み、
    前記吸着カップ、前記球体部および前記ブロック部は、吸着流体を通すための通路を有する、請求項1に記載のピッキング装置。
  5. 前記中継管部は、前記ブラケットに支持される中空管部と、前記中空管部の前記吸着部から遠い側の端に設けられたフランジと、を有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  6. 前記付勢機構は、前記フランジに付勢力を付与する、
    請求項5に記載のピッキング装置。
  7. 前記付勢機構は、前記ブラケットと前記フランジとの間に介装された圧縮ばねを含む、
    請求項5または6に記載のピッキング装置。
  8. 前記付勢機構は、前記ブラケットと前記フランジとの間の距離に応じて姿勢が変化するリンク機構を含む、請求項5または6に記載のピッキング装置。
  9. 前記ブラケットは、複数の前記中継管部を収容する複数の開口部を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  10. 荷を保管する保管部を有する棚と、前記保管部の荷を移動させるピッキング装置と、を備え、
    前記ピッキング装置は、
    荷の被吸着面を吸着する吸着部と、前記吸着部を支持する中継管部と、を有する複数の吸着ユニットと、
    前記複数の吸着ユニットを移動可能に支持するブラケットと、
    前記複数の吸着ユニットそれぞれに前記被吸着面から離れる方向の付勢力を付与する付勢機構と、を含む、
    自動倉庫システム。
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