JP2023072839A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも長寿命化が実現可能で、高温環境下や高温負荷環境下において、さらには電解液中の水の含有量を多くした場合または陽極箔の箔耐圧を低くした場合において、防爆弁の開弁や封止部分からの液漏れによる故障を防止して、長期間に亘って使用可能な電解コンデンサを提供する。【解決手段】本発明に係る電解コンデンサ1は、誘電体層が形成された陽極箔2aと、陰極箔2bと、陽極箔2aと陰極箔2bとの間に配設されたセパレータ2cと、を有するコンデンサ素子2と、コンデンサ素子2内に含浸された電解液2eと、を備え、電解液2eには、一分子中に、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したアルコキシシリル基と、アルコキシ基以外の反応性官能基と、を有する化合物であるシランカップリング剤が添加されており、反応性官能基は、ケイ素原子にスペーサーを介して結合するアミノ基である。【選択図】図1

Description

本発明は、電解コンデンサに関する。
誘電体層としての酸化皮膜等が形成された陽極箔と、陰極箔と、の間にセパレータが配設されたコンデンサ素子内に電解液が含浸された電解コンデンサが知られている。
電解コンデンサにおける電解液組成に関して、有機溶媒を主溶媒として、これに所定量の水を添加した水-有機溶媒系の溶媒が用いられる場合がある。この水-有機溶媒系の溶媒によれば、電解質の溶解能およびイオンの移動度が大きくなり、有機溶媒のみからなる溶媒と比較して顕著に低い比抵抗が実現できる。また、電解液の比抵抗に影響される誘電正接(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)、インピーダンスを低くすることができる。
一例として、特許文献1(特開昭57-141913号公報)には、エチレングリコールを主溶媒として、これに水を5重量%~7重量%添加した電解液が記載されている。また、特許文献2(特開平6-151251号公報)には、エチレングリコールを主溶媒として、これに水を5重量%~15重量%添加した電解液が記載されている。また、特許文献3(特開2011-71238号公報)には、エチレングリコールを主溶媒として、これに水を5質量%~20質量%添加した電解液が記載されている。
特開昭57-141913号公報 特開平6-151251号公報 特開2011-71238号公報
上記の特許文献のように、電解コンデンサにおいては、市場の要求に応え得る低ESR、低インピーダンスを実現するために、電解液における水の含有量(具体的には、電解液中の含有率を表す)をより多くして電解液の比抵抗を低くすることが好ましい。一方、電解液における水の含有量が多いと、高温で電極箔(陽極箔、陰極箔)と電解液中の水とが水和反応を起こしやすくなる。そして、これにより発生したガスによって電解コンデンサの内圧が上昇することで、電解コンデンサは、短期間のうちに防爆弁の開弁や封止部分からの液漏れを起こして故障(本願でいう「故障」とは、電解コンデンサが使用不可能な状態をいう)に至るようになる。すなわち、電解コンデンサにおいて、電解液中の水の含有量を多くすると寿命が短くなってしまうという課題がある。
また、電解コンデンサにおいては、陽極箔の箔耐圧(耐電圧性)を低めに設定することで、例えば酸化皮膜が薄くなり、陽極箔と、真の陰極である電解液との間の距離が短くなること等から静電容量が増大する。一方、陽極箔の箔耐圧が低いと、高温負荷に対して当該陽極箔や陰極箔と電解液中の水とが水和反応を起こしやすくなり、電解コンデンサは、短期間のうちに故障に至る。すなわち、電解コンデンサにおいて、陽極箔の箔耐圧を低くすると寿命が短くなってしまうという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、従来よりも長寿命化が実現可能で、高温環境下や高温負荷環境下において、さらには電解液中の水の含有量を多くした場合または陽極箔の箔耐圧を低くした場合において、防爆弁の開弁や封止部分からの液漏れによる故障を防止して、長期間に亘って使用可能な電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係る電解コンデンサは、誘電体層が形成された陽極箔と、陰極箔と、前記陽極箔と前記陰極箔との間に配設されたセパレータと、を有するコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子内に含浸された電解液と、を備え、前記電解液には、一分子中に、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したアルコキシシリル基と、前記アルコキシ基以外の反応性官能基と、を有する化合物であるシランカップリング剤が添加されており、前記反応性官能基は、前記ケイ素原子にスペーサーを介して結合するアミノ基であることを特徴とする。
電解液中に添加されたシランカップリング剤は、アルコキシシリル基が加水分解してシラノール基が生成される。このシラノール基は、電極箔表面の酸化皮膜の水酸基と水素結合を経て脱水縮合することで、電極箔表面にシランカップリング剤が結合する。これにより、シランカップリング剤によって電極箔2a、2b表面が保護されると共に、スペーサーが疎水性効果を発揮することで水和反応が抑制される。そして、末端基である反応性官能基がアミノ基であるアミノシランカップリング剤によれば、水への溶解性および水溶液化した状態での安定性に優れ、作製された電解液は、長期間に亘って安定的な品質が保持されて水和反応抑制効果を好適に発揮できる。その結果、一例として、125℃の高温条件において、9500時間の長期間に亘って使用可能で、また、115℃で35Vの電圧を印加する高温負荷条件において、10000時間以上の長期間に亘って使用可能な電解コンデンサを実現することができる。
また、シランカップリング剤を電極箔表面により強固に結合させて、電極箔表面の保護効果を十分に得るという観点では、前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、加水分解性シリル基をより多く有していることが好ましく、前記アルコキシシリル基がトリアルコキシシリル基であることが好ましい。これによれば、水和反応抑制効果をより好適に発揮し、電解コンデンサをより長寿命化できる。
また、分子間の立体障害をより小さくして、電極箔表面の保護効果を十分に得るという観点では、前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、化学式から求められる一分子中の前記スペーサーおよび前記反応性官能基からなる部位の分子量が102以下であることが好ましい。これによれば、水和反応抑制効果をより好適に発揮し、電解コンデンサをより長寿命化できる。
また、電解液のアルカリ化を抑制して、電極箔表面の保護効果を十分に得るという観点では、前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、一分子中に、前記スペーサーおよび前記反応性官能基からなる部位に窒素原子を1つ含むことが好ましい。これによれば、水和反応抑制効果をより好適に発揮し、電解コンデンサをより長寿命化できる。
また、前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、前記アルコキシシリル基がメトキシシリル基またはエトキシシリル基であって、前記アルコキシシリル基が前記メトキシシリル基である場合、前記電解液は、シランカップリング剤を1.0wt%~3.0wt%含有し、前記アルコキシシリル基が前記エトキシシリル基である場合、前記電解液は、シランカップリング剤を1.0wt%~7.0wt%含有することが好ましい。
なお、ここで問題にしているのは、電解液に添加されるシランカップリング剤の種類または構造である。したがって、電解液中に添加されたシランカップリング剤すなわち電解液に含有しているシランカップリング剤は、例えば、シランカップリング剤におけるアルコキシシリル基が加水分解し、シラノール基に変わっていてよい。
また、本発明に係る電解液組成によれば、電解液中の水の含有量を多くした場合でも、電極箔の水和反応を抑制して、長寿命効果が得られる。そのため、前記電解液中に水を20wt%~70wt%好適に含有させられるようになる。その結果、長寿命化と共に、低ESR化および低インピーダンス化を図ることができる。
また、本発明に係る電解液組成によれば、電極箔を好適に保護し、その劣化を防止できる。そのため、リン酸またはリン酸エステルをより多く添加できるようになり、前記電解液中にリン酸またはリン酸エステルを0.5wt%~3.0wt%好適に含有させられるようになる。その結果、アミノシランカップリング剤と、リン酸またはリン酸エステルとの相乗効果によって、より安定した長期信頼性が得られる。
本発明によれば、従来よりも長寿命化が実現可能になる。すなわち、高温環境下や高温負荷環境下において、さらには電解液中の水分量を多くした場合または陽極箔の箔耐圧を低くした場合において、防爆弁の開弁や封止部分からの液漏れによる故障を防止して、長期間に亘って使用可能な電解コンデンサを実現することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の基本構成の例を模式的に示す断面図である。 図2は、図1のコンデンサ素子を備える電解コンデンサの基本構成の例を示す部分断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るアミノシランカップリング剤の例を示す化学式である。図3AはN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシランを表す。図3BはN-2-(アミノエチル)-8-アミノオクチルトリメトキシシランを表す。図3CはN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランを表す。 図4は、本発明の実施形態に係るアミノシランカップリング剤の例を示す化学式である。図4Aは3-アミノプロピルトリメトキシシランを表す。図4Bは3-アミノプロピルトリエトキシシランを表す。 図5は、試験1における各例の電解コンデンサの電解液組成および試験結果を表す表である。 図6は、試験2における各例の電解コンデンサの電解液組成および試験結果を表す表である。
以下、図面を参照して、本実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る電解コンデンサ1におけるコンデンサ素子2の基本構成の例を模式的に示す断面図である。図2は、図1のコンデンサ素子2を備える電解コンデンサ1の基本構成の例を示す部分断面図である。一実施形態として、巻回型の電解コンデンサ1を例にして説明するが、電解コンデンサ1の形態は限定されず、一例として、積層型、コイン型等でもよい。
(コンデンサ素子)
図1に示すように、本実施形態に係るコンデンサ素子2は、陽極箔2aと、陰極箔2bと、陽極箔2aと陰極箔2bとの間に配設されたセパレータ2cと、を備えている。なお、陽極箔2aおよび陰極箔2bのそれぞれにリード端子3(陽極端子3aおよび陰極端子3b)が取り付けられている。
陽極箔2aおよび陰極箔2bは、一例として、アルミニウム、タンタル等の弁金属またはこれらの合金からなり、拡面構造を有する。当該拡面構造は、典型定にはエッチング処理によって形成されるが、蒸着、金属粉末粒子の焼結等によって形成してもよい。このような拡面処理により、比表面積を大きくして静電容量を増大できる。拡面化された陽極箔2aの表面には、化成処理によって誘電体層としての酸化皮膜2dが形成されている。ここでいう化成処理は、対象金属を陽極として電解液中で電流を流して酸化皮膜2dを形成する操作である陽極酸化処理のことである。陽極酸化処理によって形成される酸化皮膜2dの厚さは、印加される電圧(化成電圧[V])に比例する。そして、この化成電圧は陽極箔2aの箔耐圧(耐電圧性)の大きさを表す。
ここで、陽極箔2aの箔耐圧を低めに設定すると、例えば酸化皮膜2dが薄くなり、陽極箔2aと、真の陰極である電解液2eとの間の距離が短くなること等から静電容量を増大させられ、製造コストも抑えられる。しかしながら、一般に、陽極箔2aの箔耐圧が低いと、高温で当該陽極箔2aや陰極箔2bと電解液2e中の水とが水和反応を起こしやすくなり、これにより電解コンデンサ1内にガスが発生し、内圧が上昇して、電解コンデンサ1は短期間のうちに故障に至ってしまう。これに対して、後述する本実施形態に係る電解液2e組成によれば、陽極箔2aの箔耐圧を低めに設定した場合でも、電極箔2a、2bの水和反応を抑制して、長寿命効果が得られる。その結果、長寿命化と共に大容量化を図ることができる。具体的には、一例として、電解コンデンサ1の定格電圧に対する陽極箔2aの化成電圧の比(化成電圧[V]/定格電圧[V])を、従来構成の1.6よりも低くすることができ、下限として少なくとも1.3にまで好適に下げることができる。換言すると、長寿命効果を得ながら、定格電圧に対する化成電圧の比を1.3~1.6の範囲で設定でき、例えば1.3~1.4の低範囲で設定できる。
一方、陽極箔2aに対して、本実施形態に係る有極性の電解コンデンサ1においては、基本的に陰極箔2bに対しては化成処理を行わないが、拡面化された陰極箔2bの表面には、空気中の酸素によって自然酸化皮膜が形成されている。
また、陽極箔2aと陰極箔2bとを仕切るセパレータ2cには、一例として、マニラ麻パルプ等の天然のセルロース繊維からなる紙や、ナイロン等の合成繊維で形成された布、シート、フィルム等が適用される。また、天然繊維と合成繊維との混抄品、混紡品等を適用してもよい。
また、コンデンサ素子2内には電解液2eが含浸されている。電解液2eは、両電極箔2a、2b間における空隙に含まれており、また、セパレータ2cの材料によっては、電解液2eの一部がセパレータ2c内にも含浸されている。電解液2eは、陽極箔2aに形成された誘電体層(酸化皮膜2d)に接触して、実質的に陽極箔2aの対極をなす真の陰極として機能するように構成されている。ただし、電解液2eは、当該機能が発揮できる範囲であれば、両電極箔2a、2b間に完全に充満していなくてもよく、両電極箔2a、2b間に電解液2eが充満していない領域が存在していてもよい。
電解液2eは、流動性を有する液状成分である。電解液2eは、溶媒と、電解質である溶質と、を含んでいる。溶媒には、一例として、有機溶媒を主溶媒として、これに所定量の水を添加した水-有機溶媒系の溶媒等が好適に適用される。この水-有機溶媒系の溶媒によれば、電解質の溶解能およびイオンの移動度が大きくなり、有機溶媒のみからなる溶媒と比較して顕著に低い比抵抗が実現できる。そして、電解液2eの比抵抗に影響される誘電正接、ESR、インピーダンスを低くすることができる。
しかしながら、一般に、陽極箔2aの箔耐圧が低いと、高温で当該陽極箔2aと電解液2e中の水とが水和反応を起こしやすくなり、これにより電解コンデンサ1内にガスが発生し、内圧が上昇して、電解コンデンサ1は短期間のうちに故障に至ってしまう。これに対して、本実施形態に係る電解液2e組成によれば、電解液2e中の水の含有量を多くした場合でも、電極箔2a、2bの水和反応を抑制して、長寿命効果が得られる。その結果、長寿命化と共に、低ESR化および低インピーダンス化を図ることができる。具体的には、一例として、電解液2e中の水の含有量を、20wt%以上としても電解コンデンサ1を安定的に使用でき、上限として少なくとも70wt%まで好適に含有させることができる。換言すると、長寿命効果を得ながら、電解液2e中の水の含有量を20wt%~70wt%の範囲で設定でき、例えば50wt%~70wt%の高範囲で設定できる。
有機溶媒としては、一例として、プロトン性溶媒として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコール等や、これらの誘導体等が挙げられる。また、非プロトン性溶媒として、γ-ブチロラクトン等のラクトン化合物、スルホラン、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン等や、これらの誘導体等が挙げられる。これらのうち、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、電解質には、一例として、有機酸もしくは無機酸またはこれらの塩等が適用される。これらのうち、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。有機酸としては、一例として、モノカルボン酸として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等や、これらの誘導体が挙げられる。また、ジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等や、これらの誘導体が挙げられる。また、ヒドロキシカルボン酸として、クエン酸、サリチル酸等や、これらの誘導体が挙げられる。また、無機酸としては、一例として、ホウ酸、スルファミン酸等や、これらの誘導体が挙げられる。そして、これらの有機酸もしくは無機酸の塩としては、一例として、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、アミン塩、アミジン塩等が挙げられる。
また、電解液2eには、上記のような溶媒および電解質に加えて、任意の添加剤を含有させることができる。この添加剤のうち、本実施形態に係る電解液2eは、図3Aに示すN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(化学式:(CHO)CHSiCNHCNH)等に例示されるアミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする。
本願でいう「シランカップリング剤」とは、一分子中に、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したアルコキシシリル基と、前記アルコキシ基以外の反応性官能基と、を有する化合物であって、下記の一般式(1)で表される。
Figure 2023072839000002
一般式(1)において、「Si-OR」がアルコキシシリル基を表し、「-OR」はアルコキシ基であって、例えばメトキシ基またはエトキシ基である。また、「X」が当該アルコキシシリル基以外の反応性官能基を表し、スペーサーを介してケイ素原子「Si」に結合している。スペーサーは、ケイ素原子と末端基である反応性官能基との間に介在する基であって、例えばアルキレン構造を基本とするが、その中には上記例示したN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシランのように、アミノ基(ここでは、-NH-)のようなアルキレン基(-C2n-)以外の基を含んでいてもよい。そして、本願でいう「アミノシランカップリング剤」とは、当該反応性官能基「X」がアミノ基(ここでは、-NH)であるシランカップリング剤のことである。
電解液2e中に添加されたシランカップリング剤は、加水分解性シリル基であるアルコキシシリル基(Si-OR)が加水分解してシラノール基(Si-OH)が生成される。このシラノール基は、電極箔2a、2b表面の酸化皮膜2dの水酸基(-OH)と水素結合を経て脱水縮合することで、電極箔2a、2b表面にシランカップリング剤が結合する。これにより、シランカップリング剤によって電極箔2a、2b表面が保護されると共に、スペーサーが疎水性効果を発揮することで水和反応が抑制され、電解コンデンサ1の長寿命化が実現される。この水和反応抑制効果は、通常は陽極酸化処理が行われずに自然酸化による薄膜が形成された陰極箔2bに対して、特に有効に発揮される。
また、このとき、ケイ素原子に複数のアルコキシ基が結合することで、一分子中に、アルコキシシリル基を複数有するシランカップリング剤(すなわち、式(1)において、n=2またはn=3であるシランカップリング剤)では、電解液2e中で複数のシラノール基が生成され、このうち、一方のシラノール基を介して電極箔2a、2b表面に結合すると共に、他方のシラノール基がシランカップリング剤における分子間で脱水縮合することで、各分子がシロキサン結合(Si-O-Si)により連結される。その結果、電極箔2a、2b表面により強固な保護層が形成される。したがって、シランカップリング剤を電極箔2a、2b表面により強固に結合させて、電極箔2a、2b表面の保護効果を十分に得るという観点では、加水分解性シリル基をより多く有することが好ましい。すなわち、アルコキシシリル基がジアルコキシシリル基であること、さらにはトリアルコキシシリル基であることが好ましく、図3Bに示すN-2-(アミノエチル)-8-アミノオクチルトリメトキシシラン(化学式:(CHO)SiC16NHCNH)等に例示されるような、トリアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤を好適に用いることができる。
また、シランカップリング剤における分子間の立体障害をより小さくして、電極箔2a、2b表面の保護効果を十分に得るという観点では、図3Cに示すN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(化学式:(CHO)SiCNHCNH)等に例示されるような、一分子中のスペーサーおよび反応性官能基からなる部位の分子量が比較的小さいシランカップリング剤を好適に用いることができる。具体的には、一例として、上記のN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランのように、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位の分子量が102以下が好ましく、より好適には図4Aに示す3-アミノプロピルトリメトキシシラン(化学式:(CHO)SiCNH)、図4Bに示す3-アミノプロピルトリエトキシシラン(化学式:(CO)SiCNH)等のように、反応性官能基の分子量が60以下が好ましい。これにより、シランカップリング剤が電極箔2a、2b表面により近づきやすくなって、電極箔2a、2b表面により結合しやすくなる。ここでいう「分子量」は、化学式から求められる分子量のことである。なお、本実施形態に係るアミノシランカップリング剤で、スペーサーがアルキレン基(-C2n-)のみからなる構造であるとき、上記のスペーサーおよび反応性官能基からなる部位の分子量の最小値は、スペーサーがメチレン基(-CH-)である場合の30である。
また、アルコキシシリル基がメトキシシリル基の場合、加水分解によりメタノールが生成され、一方、アルコキシシリル基がエトキシシリル基の場合、加水分解によりエタノールが生成される。ここで、エタノールの方がメタノールよりも蒸気圧が低いことから、電解コンデンサ1の内圧の上昇がより抑えられるという観点では、図4Bに示す3-アミノプロピルトリエトキシシラン等に例示されるような、アルコキシシリル基がエトキシシリル基であるシランカップリング剤を好適に用いることができる。ただし、これは、アルコキシシリル基がメトキシシリル基であるシランカップリング剤が添加剤として不適という訳ではない。一例として、メトキシ基の方がエトキシ基よりも反応性すなわち加水分解性が高いことから、電極箔2a、2b表面に対する結合性が比較的高いという観点では、図4Aに示す3-アミノプロピルトリメトキシシラン等に例示されるような、アルコキシシリル基がメトキシシリル基であるシランカップリング剤も好適に用いることができる。
したがって、アルコキシシリル基がエトキシシリル基であるシランカップリング剤およびアルコキシシリル基がメトキシシリル基であるシランカップリング剤については、それぞれ含有量を調整することで、いずれも好適に用いることができる。具体的には、アルコキシシリル基がエトキシシリル基である場合、当該シランカップリング剤を電解液2e中に1.0wt%~7.0wt%含有させるとよい。また、アルコキシシリル基がメトキシシリル基である場合、当該シランカップリング剤を電解液2e中に1.0wt%~3.0wt%含有させるとよい。
そして、本実施形態に係るシランカップリング剤は、ケイ素原子にスペーサーを介して結合する反応性官能基がアミノ基であるアミノシランカップリング剤であって、水への溶解性および水溶液化した状態での安定性に優れる。すなわち、アミノシランカップリング剤は、末端基である反応性官能基のアミノ基の作用により、水に好適に溶解し、水溶液化した状態でシランカップリング剤同士が一定の縮合状態で維持される。したがって、作製された電解液2eは、長期間に亘って安定的な品質が保持されて電極箔2a、2bの水和反応抑制効果を好適に発揮でき、長期保存が可能で取扱い性にも優れる。その結果、一例として、125℃の高温条件において、9500時間の長期間に亘って使用可能で、また、115℃で35Vの電圧を印加する高温負荷条件において、10000時間以上の長期間に亘って使用可能な電解コンデンサ1を実現することができる。
ただし、本実施形態に係るアミノシランカップリング剤においてアミノ基(ここでは、-NH-および-NH)を多く含み過ぎると、電解液2e中でアミノ基のイオン化によるアルカリ化が進行して電解液2e中の水酸化物イオン濃度が上昇し、水和反応が促進する。その結果、シランカップリング剤による水和反応抑制効果が発揮されにくくなることがある。このような観点では、本実施形態に係るアミノシランカップリング剤は、図4Aに示す3-アミノプロピルトリメトキシシラン、図4Bに示す3-アミノプロピルトリエトキシシラン等に例示されるような、一分子中に、アミノ基を1つ有することが好ましい。これらは、一分子中に、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位に窒素原子を1つ含むシランカップリング剤である。
以上のように、本実施形態では、電解液2eにアミノシランカップリング剤を含有させることで、電極箔2a、2bの水和反応を好適に抑制できる。したがって、当該水和反応により発生するガスによる電解コンデンサ1の内圧の上昇が抑えられ、これに起因する防爆弁6の開弁や封止部分からの液漏れが防止でき、長寿命化が実現できる。その結果、一定の長寿命を得ながら、電解液2e中の水の含有量を多くして低ESR、低インピーダンスを実現したり、陽極箔2aの箔耐圧を低めに設定して静電容量を増大させたりできるようになる。具体的には、一例として、定格電圧に対する陽極箔2aの化成電圧の比を1.3とした電解コンデンサ1において、電解液2e中の水の含有量を70wt%まで高めた場合でも、125℃の高温条件に対して、8500時間の長期間に亘って使用可能な状態が維持でき、また、115℃で35Vの電圧を印加する高温負荷条件に対して、7500時間以上の長期間に亘って使用可能な状態が維持できる。
その他にも、電解液2eには、一例として、添加剤としてリン酸またはリン酸エステルを含有させることができる。ここでいう「リン酸」は、正リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、また、ポリリン酸等を含む。これらを含有させるに当たって、これらの塩を添加してよい。また、ここでいう「リン酸エステル」は、モノメチルリン酸エステル、ジメチルリン酸エステル、トリメチルリン酸エステル、モノエチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、トリエチルリン酸エステル、モノプロピルリン酸エステル、ジプロピルリン酸エステル、トリプロピルリン酸エステル、モノブチルリン酸エステル、ジブチルリン酸エステル、トリブチルリン酸エステル等を含む。
電解液2e中のリン酸またはリン酸エステルによれば、電極箔2a、2bの水和反応を抑制して、一定の長寿命効果が得られることが知られているが、これらを過剰に添加すると電極箔2a、2bを劣化させてしまうという弊害が生じる。したがって、これらの添加量は制限されていた。これに対して、アミノシランカップリング剤を含んだ本実施形態の電解液2e組成によれば、電極箔2a、2bを好適に保護し、その劣化を防止できる。したがって、リン酸またはリン酸エステルをより多く添加できるようになる。その結果、アミノシランカップリング剤と、リン酸またはリン酸エステルとの相乗効果によって、より安定した長期信頼性が得られる。具体的には、一例として、電解液2eにおけるリン酸またはリン酸エステルの含有量を、0.5wt%~3.0wt%の範囲で設定することができ、より好適には0.5wt%~2.0wt%の範囲、さらに好適には0.5wt%~1.0wt%の範囲で設定することができる。
(電解コンデンサ)
続いて、図2に示すように、本実施形態に係る電解コンデンサ1は、上記のコンデンサ素子2が外装材4内に収容されている。そして、外装材4の開口部が封口材5で封口されると共に、外装材4の開口縁がかしめられることにより密封されて構成されている。外装材4に設けられた二箇所の貫通穴には陽極端子3aおよび陰極端子3bが通されて電解コンデンサ1外へ引き出されている。なお、図2では視認できないが、封口材5には安全弁として圧力弁である防爆弁6が設けられ、電解コンデンサ1内の内圧が一定以上に達した際に作動し(開弁し)、電解コンデンサ1内のガスを放出して防爆されるようになっている。この防爆弁6は外装材4に設けられてもよく、外装材4および封口材5の両方に設けられてもよい。
本実施形態に係る電解コンデンサ1は、公知の方法によって製造することができる。図2に示す巻回型の場合、一例として、拡面処理および化成処理をした金属箔にリード端子3(陽極端子3a)を取り付けた陽極箔2aと、拡面処理をした金属箔にリード端子3(陰極端子3b)を取り付けた陰極箔2bとの間にセパレータ2cを挟んだ状態で、これらを巻回して略円柱形状を形成する。これを電解液2e槽に浸漬することにより、両電極箔2a、2b間における空隙に電解液2eを導入(含浸)して、コンデンサ素子2を製造することができる。そして、このコンデンサ素子2を外装材4内に収容し、外装材4の開口部を封口材5で封口すると共に外装材4の開口縁をかしめることにより密封して、電解コンデンサ1を製造することができる。
(試験1)
前述の本実施形態と同様の方法で、電極箔における金属箔をアルミニウム箔とする巻回型のアルミニウム電解コンデンサを製造した。定格電圧は35V、定格電圧に対する陽極箔の化成電圧の比は1.3に設定した。また、各例の電解液は、図5に示す配合(単位は[wt%]である)で調整した。
各例の電解コンデンサについて、115℃の高温に曝露すると共に定格電圧35Vを印加し続けて、防爆弁の開弁または液漏れにより故障(使用不可能な状態)に至るまでの時間を測定する寿命試験を行った。結果を図5に示す。
本試験の電解コンデンサは、電解液中の水の含有量を40wt%と高めに設定し、定格電圧に対する陽極箔の化成電圧の比を1.3として陽極箔の箔耐圧を低めに設定することで、電極箔の水和反応が起こりやすい構成とした。ただし、実施例10は水の含有量を20wt%、実施例12は水の含有量を70wt%に設定した。
図5に示すように、アミノシランカップリング剤を含有しない電解液組成の比較例1では1000時間の早期に故障に至った。これに対して、アミノシランカップリング剤を含有する電解液組成の実施例ではいずれも故障に至るまでの時間が長くなり、長寿命効果がみられた(実施例1~17)。
電解液中の水の含有量を変化させた実施例であるN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランを一定量(3.0wt%)添加したものを見ると、20wt%~70wt%の全範囲で安定して長寿命効果がみられ(実施例10、11、12)、70wt%の高設定においても、40wt%と同じく7500時間まで使用できた(実施例11、12)。
また、電解液中の水の含有量を40wt%に設定した実施例を見ると、これらの実施例のうち、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および3-アミノプロピルトリエトキシシランを添加したもので特に長寿命効果が高かった。試験結果からは、電解液中の含有量は、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランでは1.0wt%~3.0wt%が好適で、3.0wt%で7500時間まで使用できた(実施例9、11)。また、3-アミノプロピルトリメトキシシランでは1.0wt%~3.0wt%が好適で、3.0wt%で9000時間まで使用できた(実施例6、7)。また、3-アミノプロピルトリエトキシシランでは1.0wt%~7.0wt%、さらには3.0wt%~7.0wt%が好適で、5.0wt%で10000時間を超えて使用できた(実施例1、2、3、4)。
また、アミノシランカップリング剤の化学構造の違いで見ると、実施例15と実施例17との比較から分かるように、アルコキシシリル基がジアルコキシシリル基である実施例17に対して、アルコキシシリル基がトリアルコキシシリル基である実施例15の方がより長寿命効果が高かった。また、実施例11と実施例15との比較から分かるように、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位の分子量が171.3である実施例15に対して、分子量が101.2である実施例11の方がより長寿命効果が高かった。また、実施例7と実施例11との比較から分かるように、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位に窒素原子を2つ含む実施例11に対して、窒素原子を1つ含む実施例7の方がより長寿命効果が高かった。
(試験2)
前述の本実施形態と同様の方法で、電極箔における金属箔をアルミニウム箔とする巻回型のアルミニウム電解コンデンサを製造した。定格電圧は35V、定格電圧に対する陽極箔の化成電圧の比は1.3に設定した。また、各例の電解液は、図6に示す配合(単位は[wt%]である)で調整した。
各例の電解コンデンサについて、125℃の高温に曝露し続けて、防爆弁の開弁または液漏れにより故障(使用不可能な状態)に至るまでの時間を測定する寿命試験を行った。結果を図6に示す。
本試験は、試験1の高温負荷に対して、電圧を印加しない高温試験である。すなわち、電解コンデンサの箔耐圧(耐電圧性)は試験結果に影響しない。一方、電解液中の水の含有量は、試験1同様に40wt%と高めに設定し、電極箔の水和反応が起こりやすい構成とした。ただし、実施例27は水の含有量を20wt%、実施例29は水の含有量を70wt%に設定した。
図6に示すように、アミノシランカップリング剤を含有しない電解液組成の比較例2では比較的早期に故障に至った。これに対して、アミノシランカップリング剤を含有する電解液組成の実施例ではいずれも故障に至るまでの時間が長くなり、長寿命効果がみられた(実施例18~34)。このことから、本発明が定格電圧の如何に関わらずいずれの電解コンデンサに対しても汎用的に適用可能で、長寿命効果が得られることが示された。
電解液中の水の含有量を変化させた実施例であるN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランを一定量(3.0wt%)添加したものを見ると、本試験においても試験1と同様に、20wt%~70wt%の全範囲で安定して長寿命効果がみられ(実施例27、28、29)、70wt%の高設定においても8500時間まで使用できた(実施例29)。
また、電解液中の水の含有量を40wt%に設定した実施例を見ると、本試験においても試験1と同様に、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および3-アミノプロピルトリエトキシシランを添加したもので特に長寿命効果が高かった。それぞれの好適含有量も試験1の結果と一致し、各範囲での好適性の信頼性を高める結果であった。すなわち、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランでは1.0wt%~3.0wt%が好適で、3.0wt%で9500時間まで使用できた(実施例26、28)。また、3-アミノプロピルトリメトキシシランでは1.0wt%~3.0wt%が好適で、3.0wt%で9500時間まで使用できた(実施例23、24)。また、3-アミノプロピルトリエトキシシランでは1.0wt%~7.0wt%が好適で、9500時間まで使用できた(実施例18、19、20、21)。
また、アミノシランカップリング剤の化学構造の違いで見ると、実施例32と実施例34との比較から分かるように、アルコキシシリル基がジアルコキシシリル基である実施例34に対して、アルコキシシリル基がトリアルコキシシリル基である実施例32の方がより長寿命効果が高かった。また、実施例28と実施例32との比較から分かるように、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位の分子量が171.3である実施例32に対して、分子量が101.2である実施例28の方がより長寿命効果が高かった。また、実施例24と実施例28との比較から分かるように、スペーサーおよび反応性官能基からなる部位に窒素原子を2つ含む実施例28に対して、窒素原子を1つ含む実施例24の方がより長寿命効果が高かった。これらの結果も、試験1の結果と同傾向であった。
なお、本発明は、前述の実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1 電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
2a 陽極箔
2b 陰極箔
2c セパレータ
2d 酸化皮膜
2e 電解液
3 リード端子3
3a 陽極端子
3b 陰極端子
4 外装材
5 封口材
6 防爆弁

Claims (7)

  1. 誘電体層が形成された陽極箔と、陰極箔と、前記陽極箔と前記陰極箔との間に配設されたセパレータと、を有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子内に含浸された電解液と、を備え、
    前記電解液には、一分子中に、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したアルコキシシリル基と、前記アルコキシ基以外の反応性官能基と、を有する化合物であるシランカップリング剤が添加されており、
    前記反応性官能基は、前記ケイ素原子にスペーサーを介して結合するアミノ基であること
    を特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、前記アルコキシシリル基がトリアルコキシシリル基であること
    を特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、化学式から求められる一分子中の前記スペーサーおよび前記反応性官能基からなる部位の分子量が102以下であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の電解コンデンサ。
  4. 前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、前記アルコキシシリル基がメトキシシリル基またはエトキシシリル基であって、
    前記アルコキシシリル基が前記メトキシシリル基である場合、前記電解液は、シランカップリング剤を1.0wt%~3.0wt%含有し、
    前記アルコキシシリル基が前記エトキシシリル基である場合、前記電解液は、シランカップリング剤を1.0wt%~7.0wt%含有すること
    を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記電解液に添加されるシランカップリング剤は、一分子中に、前記スペーサーおよび前記反応性官能基からなる部位に窒素原子を1つ含むこと
    を特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記電解液は、水を20wt%~70wt%含有すること
    を特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
  7. 前記電解液は、リン酸またはリン酸エステルを0.5wt%~3.0wt%含有すること
    を特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電解コンデンサ。
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