JP2023071575A - 新規白金族金属回収剤、及び新規白金族金属回収法 - Google Patents

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Hiroshi Katagiri
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Abstract

【課題】従来の白金族金属回収剤と異なる、新規な構造の白金族金属回収剤を提供し、従来と異なるメカニズムで、白金族金属を回収する方法を提供すること。【解決手段】複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、からなる白金族金属回収剤。含窒素複素環芳香族化合物が6員環である、前記の白金族金属回収剤。本発明によれば、新規な構造の白金族金属回収剤、及び新たなメカニズムで白金族金属を沈殿及び又は吸着させる白金族金属回収法を提供できる。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和4年1月21日 掲載アドレス https://confit.atlas.jp/guide/event/mmij2022a/subject/1K0306-15-08/advanced(資源・素材学会2022年度春季大会ウェブサイトに掲載)
本発明は、新規白金族金属回収剤、及びこれを利用した新規白金族金属回収法に関する。さらに詳しくは、含窒素複素環芳香族化合物からなる新規白金族金属回収剤、及びこれを利用した新規白金族金属回収法に関する。
白金族金属は、ルテニウムRu、ロジウムRh、パラジウムPd、オスミウムOs、イリジウムIr、白金Ptの6種類からなる。これらは性質が似ているので、白金族金属と総称されている。白金族金属(PGM)は宝飾品や触媒、電子機器などに用いられる利用価値が極めて高い資源である。これらの金属は希少かつ産出地が偏在していることから、供給量や価格の安定化を実現するためにリサイクルが必須である。
金属リサイクルにおける精錬工程は大きく分けて、高温での溶融や揮発を利用する乾式法と水溶液系に目的金属を溶解させる湿式法の2つがある。湿式法は、精密分離が可能であり、小規模操業に適するとされている。湿式法による分離方法として、試薬添加による沈殿形成、溶媒抽出、イオン交換などが知られている。
試薬添加により沈殿を形成させる方法として、本発明者らは、特定の第一級アミン化合物を用いることで塩酸溶液からPGMを回収する方法を提案し、その中でも芳香族第一級アミン化合物(ここで「芳香族」は、狭義の芳香族を指し、複素環芳香族は含まない。以下同じ。なお、複素環の場合は「複素環芳香族」と記載して区別する。)を用いることを報告している(非特許文献1、2、特許文献1、2)。
特開2017-179409号公報 WO2017/170444
ACS Omega,2019,4,14613-14620. ACS Omega,2019,4,1868-1873.
本発明の目的は、従来の白金族金属回収剤と異なる、新規な構造の白金族金属回収剤を提供し、従来と異なるメカニズムで、白金族金属を回収する方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために、種々検討の結果、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物を、白金族金属を含む浸出液に混合することで、新たなメカニズムで、白金族金属を沈殿及び又は吸着させて、白金族金属を回収できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、からなる白金族金属回収剤。
2.含窒素複素環芳香族化合物が6員環の含窒素複素環芳香族化合物である、前記1の白金族金属回収剤。
3.電子供与性基がアミノ基である、前記1又は2の白金族金属回収剤。
4.アミノ基が第一級アミノ基である、前記3の白金族金属回収剤。
5.メラミン、2,6-ジアミノピリジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、ベンゾグアナミン、メラミン架橋体、のいずれか1または2以上からなる、白金族金属回収剤。
6.第一級アミノ基を側鎖に有する含窒素複素環芳香族化合物からなる、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
7.第一級アミノ基を側鎖に有する含窒素複素環芳香族化合物であって、該化合物の含窒素芳香族複素環は第一級アミノ基をプロトン化されにくくする含窒素芳香族複素環である、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
8.メラミン、2,6-ジアミノピリジン、のいずれか又は両方からなる、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
9.
(1)白金族金属の塩化物錯イオンと、
(2)複素環窒素がプロトン化された、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、
を含むイオン結晶。
10.
(1)ロジウム及び又はイリジウムの三価の塩化物錯イオンと、
(2)複素環窒素の1つがプロトン化されたメラミンと、
(3)複素環窒素の2つがプロトン化されたメラミン
を含むイオン結晶で、(1)、(2)、(3)を、1:2:2の割合で含むイオン結晶。
11.白金族金属の塩化物錯イオンと、複素環窒素がプロトン化され、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、を含むイオン結晶及び又はイオン対、
が形成される工程を有する、白金族金属回収法。
12.ロジウム及び/又はイリジウムの塩化物錯イオンと、複素環窒素がプロトン化され、複素環側鎖に第一級アミノ基を有する含窒素複素環芳香族化合物、を含むイオン結晶及び又はイオン対、
が形成される工程を有する、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収法。
13.白金族金属を含む1.0~12mol/L塩酸溶液中に、含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)≧2となるように前記1~8のいずれか1の含窒素複素環芳香族化合物からなる白金族金属回収剤を混合して、1~110℃の温度で、3分間以上攪拌し、白金族金属を含む沈殿を生じさせて白金族金属を回収する、白金族金属回収法。
14.ロジウム及び/又はイリジウムを含む1.0~12mol/L塩酸溶液中に、含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)≧2となるように前記6~8のいずれか1の含窒素複素環芳香族化合物からなる白金族金属回収剤を混合して、1~110℃の温度で、3分間以上攪拌し、ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を生じさせ、
生じた沈殿に対し、以下の精製工程を1回以上繰り返すロジウム及び/又はイリジウム回収方法。
(1)ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を水又は4mol/L以下の塩酸に溶解する
(2)(1)の溶解液の塩酸濃度を「4を超えて12mol/L以下」に調整する
(3)(2)の溶液に、前期6~8のいずれか1の白金族金属回収剤を混合して、ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を生じさせる
15.前記13の方法で白金族金属を含む沈殿を生じさせ、生じた沈殿を水又は塩基性水溶液又は酸性水溶液に溶解し、該溶解液に還元剤を混合する、
0価白金族金属回収方法。
本発明によれば、新しい構造の白金族金属回収剤、及び新しいメカニズムで白金族金属を沈殿及び又は吸着する白金族金属回収法、を提供できる。
メラミンを用い、塩酸濃度を1mol/L~8mol/Lの範囲で変化させたときの、各金属の金属沈殿率の変化を示した。 メラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh、各金属とのモル比でもある)を5~30の範囲で変化させたときの、各金属の金属沈殿率の変化を示した。 メラミン混合後の振とう時間を5分間~3時間の範囲で変化させたときの、各金属の金属沈殿率の変化を示した。 メラミンを用いたときの、1%過酸化水素の存在の有無による、各金属の金属沈殿率の変化を示した。 p-フェニレンジアミン(芳香族第一級ジアミン化合物)を用いたときの、1%過酸化水素の存在の有無による、各金属の金属沈殿率の変化を示した。 イリジウムを含む塩酸溶液からの、各金属の沈殿回収率を示した。 ロジウムを含む塩酸溶液にメラミンを混合したときに形成される、プロトン化したメラミンと、ロジウム塩化錯アニオンにより構築された、イオン結晶の構造を示した。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.新規白金族金属回収剤について
(1)含窒素複素環芳香族化合物の骨格
本発明の新規白金族金属回収剤は、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物からなる。含窒素複素環芳香族化合物とは、窒素を含む芳香族複素環を有する化合物である。本発明の含窒素複素環芳香族化合物には、当然ながら、例えばベンゾグアナミンのように、含窒素芳香族複素環以外の環状構造を有する化合物も含まれる。
含窒素芳香族複素環の形状は、5員環、6員環など、何員環でもよく、縮合環でもよいが、安定性の高い6員環であればより好ましい。
6員環の含窒素芳香族複素環として例えば、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環を挙げることができる。窒素の数が多いほど、芳香族複素環のπ電子密度が低下するので、その点のみに着目すれば、ピリジン環以外がより好ましい。
(2)含窒素複素環芳香族化合物の複素環側鎖
含窒素芳香族複素環は、本発明の沈殿メカニズムと関係する、複素環中の窒素のプロトン化が進みやすいように、電子供与性基を側鎖に有する。電子供与性基とは、水素原子と比較して、結合している原子側に電子を与えやすい置換基をいう。水素原子と比べ、置換基定数は負の値をもつ。代表的な電子供与性基として、-OH、-OCH、-OCOCH、-NH、-NHCOCH、-N(CHが挙げられる。特に、アミノ基について言えば、第一級アミノ基(-NH)に限らず、第二級、第三級アミノ基(-NHR、-NRR')でもよい。例えば、メラミン架橋体(式(5))は第一級アミンでないが、白金族金属回収剤として使用することができる。
本発明者らが既に報告した芳香族第一級アミン化合物は、第一級アミノ基が酸化されやすいが、本発明の含窒素複素環芳香族化合物は、含窒素芳香族複素環のπ電子密度が低いためにアミノ基の電子密度が低くなり(塩基性度が低くなり)、アミノ基を有していても、これが酸化されにくいと考えられる。白金族金属を含む浸出液には、酸化剤が含まれることがあるが、本発明の化合物のアミノ基は酸化されにくく、劣化によるPGM回収率の低下を抑えることができると考えられる。
(3)白金族金属回収剤の成分
白金族金属回収剤に含まれる含窒素複素環芳香族化合物は、1種類であればより好ましいが、2種類以上を混合して使用してもよい。
含窒素複素環芳香族化合物からなるとは、主成分、あるいは有効成分として、含窒素複素環芳香族化合物を含むということで、沈殿や吸着に影響がない範囲で、それ以外の添加物が混合されていてもよい。
(4)含窒素複素環芳香族化合物の例
上記条件を満たす、本発明の白金族金属回収剤を構成する含窒素複素環芳香族化合物として、例えば、メラミン、2,6-ジアミノピリジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、ベンゾグアナミン、メラミン架橋体(式(1)~(5))が挙げられる。メラミン架橋体とは、メラミンとアルデヒドの縮重合体で、式(5)にはメラミンとテレフタルアルデヒドから合成した架橋体を挙げた。
式(1)~(5)はいずれも含窒素複素環芳香族化合物で、アミノ基を側鎖にもつ化合物である。また、式(1)~(4)の化合物は、第一級アミノ基を側鎖に持ち、式(5)のメラミン架橋体は第2級アミノ基を側鎖に持つ。
これらの化合物は、購入可能で、メラミン架橋体についても合成方法は既知である。
また、これら白金族金属回収剤を添加した後の、攪拌時間は、芳香族第一級ジアミン化合物のときより短くても十分な金属沈殿率となる。
さらにメラミンについていえば、入手が容易で、価格も安いというメリットもある。
Figure 2023071575000001
Figure 2023071575000002
Figure 2023071575000003
Figure 2023071575000004
Figure 2023071575000005
(5)回収のメカニズム
(I)例えば、ロジウムの回収にメラミンを用いたとき、[RhCl3-とプロトン化したメラミンは1:4の比率となって結晶を構築する。より詳しくは、「[RhCl3-:Melamine-H:Melamine-2H:Cl:H:HO=1:2:2:4:1:1.4」の比率で結晶を構築する(図7参照)。さらに、プロトン化したメラミンは、アミノ基ではなくトリアジン環がプロトン化しており、トリアジン環中の窒素が1つもしくは2つプロトン化した構造と[RhCl3-がイオン対を形成することで結晶を構築していて(図7参照)、メラミンによるロジウム回収はトリアジン環のプロトン化が鍵となっている。
つまり、本発明では、アミノ基ではなく含窒素複素環がプロトン化することで白金族金属が回収される。これまでのアミン化合物による回収では、アミノ基がプロトン化していたため、これと全く異なる回収メカニズムとなる。
また、今回の回収剤におけるアミノ基は、複素環がプロトン化されるために必要な電子供与性基としてはたらいている。つまり、本質的に、側鎖は、電子供与性基であればよいと考えられる。
(II)本発明の回収剤は上記メカニズムで白金族金属を回収するが、回収剤が水に溶解するときは、回収剤と白金族金属がイオン結晶を形成して沈殿し、水に溶解しないメラミン架橋体のような回収剤であれば、同じメカニズムで白金族金属を吸着してイオン対を形成するので、これを回収する。さらには、水に溶解する回収剤の場合も、過飽和状態で水に溶解していない回収剤が存在するときは、吸着がおこっていると考えられる。
すなわち、本発明の回収剤のメカニズムにおいて、沈殿と吸着を厳密に区別するのは難しく、本発明の回収剤は沈殿剤とも吸着剤ともいえるものである。さらにいえば、本発明の回収剤は、沈殿剤と吸着剤ともいえるものであるが、抽出剤まで含むものではない。
また、実施例に挙げた化合物は水に溶解するものがほとんどで、反応効率が高くなるのでその方が好ましいといえる一方で、メラミン架橋体のような水に溶解しない回収剤は、白金族金属との接触面積が制限されるので反応効率は低いものの、そもそも水に溶解しないので、沈殿対象の白金族金属の濃度が低くても、沈殿しにくいということがなく、これを回収できるという、利点がある。
(6)白金族金属内での選択性
メラミン、2,6-ジアミノピリジンを用いた場合にはロジウムが選択的に回収され、2,4,6-トリアミノピリミジンを用いた場合には白金とロジウムが回収され、ベンゾグアナミンを用いた場合にはパラジウムと白金が回収される。メラミン架橋体を用いた場合にはパラジウム、白金、ロジウムすべてが回収される。
特に、ロジウム選択性を示す化合物の構造について考察すると、選択性が発現するのは、電子密度が低い第一級アミノ基、を有する含窒素複素環芳香族化合物と考えられる。その理屈を選択性のない化合物の構造から考えると、例えば、2,4,6-トリアミノピリミジンは1つのアミノ基が、通常の芳香族アミノ基と同じく塩基性度が高い(電子密度が高い)ために複素環だけでなくアミノ基もプロトン化されてしまい、これまで開示されてきた複数の第一級アミン化合物と同様のメカニズムで、ロジウムだけでなく白金も回収されると考えられる。よって、ロジウム選択性を発現させるには、複素環側鎖の第一級アミノ基の電子密度が低い(プロトン化されにくい)必要があると考えられる。プロトン化されにくさの程度を表現するのは難しいが、少なくとも、メラミンの第一級アミノ基と同程度かそれ以上にプロトン化されにくければ「プロトン化されにくい」ということになる。
さらには、ロジウム選択性を示す理由として、選択性を示す化合物のプロトン化されにくい側鎖アミノ基も含めた立体構造が大きく関係することも予想される。
なお、イリジウムは、ロジウムとイオン形態が同じで回収メカニズムも同じになると考えられ、イリジウム選択性もロジウムと同様に考えられる。
2.回収方法について
白金族金属を含む浸出液に、本発明の含窒素複素環芳香族化合物からなる白金族金属回収剤を混合する。これを攪拌すると、沈殿が生じるので、遠心分離やろ過等で回収する。
浸出液中の白金族金属の濃度に特に制限はないが、0.1~1000mmol/L、あるいは1~500mmol/L程度と考えられる。浸出液は塩酸で、塩酸濃度は1.0~12mol/Lが好ましく、4.0~12mol/Lがより好ましく、5.0~12mol/Lが特に好ましい。例えば、ロジウムの場合、回収されるイオン形態は[RhCl3-であり、このイオン形態が塩酸溶液中で、ある程度優勢になっているのが好ましい。白金族金属回収剤は、含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)≧2となるように混合すれば好ましく、4であればより好ましく、10であればさらに好ましい。またモル比に上限はないが、現実的には100以下である。例えばロジウムの場合、ロジウム回収後の沈殿物(複合体)において[RhCl3-に対して4分子のメラミンが結合した結晶となっているが、それよりも少ない割合でも、ロジウム濃度が高ければ、回収率は低下したとしても、回収はできるはずである。
混合後攪拌するが、攪拌時間は、3分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、30分以上がさらに好ましい。攪拌時間に上限はないが、現実的には24時間以下になる。
攪拌時の温度は1~110℃が好ましく、5~80℃がより好ましく、20~80℃がさらに好ましい。なお、110℃は濃塩酸の沸点である。
回収した沈殿物から白金族金属を回収できる。例えば、含窒素複素環芳香族化合物を再利用すべく、白金族金属を回収するのに、沈殿物を減圧下で加熱して、含窒素複素環芳香族化合物を蒸留または昇華させてもよい。回収した含窒素複素環芳香族化合物は、再度の白金族金属の回収に利用可能である。
メラミン架橋体など水に溶解しない回収剤についても、混合、攪拌、沈殿の回収等、同様の方法で、白金族金属を回収できる。
3.(1)ロジウム及び/又はイリジウムの精製
前述の通り、ロジウム及び/又はイリジウムを選択的に回収できる白金族金属回収剤が存在するが、さらに、ロジウム及び/又はイリジウムの純度を上げたいときは、以下のようにすればよい。
基本的には、前述のロジウム及び/又はイリジウムを選択的に回収できる白金族金属回収剤による回収方法を繰り返して純度を上げるが、沈殿を再溶解する際に、一旦水や低い濃度の塩酸に溶解し、後から塩酸濃度を上げる。これにより、回収剤による回収率の低下を最小限に抑えることができ、ロジウム及び/又はイリジウムの高い回収率と高純度化を両立できる。具体的には以下の方法の通りである。
(I)回収工程
まずは、ロジウム及び/又はイリジウムを選択的に回収できる白金族金属回収剤、例えばメラミンからなる白金族金属回収剤、を用いて、前述の方法で、ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を生じさせる。
(II)精製工程
(i)生じた沈殿物を回収し、水、又は4mol/L以下より好ましくは2mol/L以下の塩酸に溶解する。このときのロジウム及び/又はイリジウム濃度に特に制限はないが、1~1000mmol/L程度と考えられる。
(ii)(i)の溶解液に、上記塩酸より高濃度の塩酸、例えば濃塩酸を混合するか、塩化水素ガスを吹き込むなどして、塩酸濃度を「4を超えて12mol/L以下」、より好ましくは5~12mol/L、特に好ましくは5~8mol/Lに調整する。この溶液を一晩以上置くか、80℃以上で1時間以上静置又は撹拌する。なお、ここでの一晩以上置くなどの操作は、原理の項で詳述するが、これら操作に限定されるものでなく、3価のイオン形態を優勢にできる操作であればよい。
(iii)(ii)の溶解液に、ロジウム及び/又はイリジウムを選択的に回収できる白金族金属回収剤、例えばメラミンからなる白金族金属回収剤、を混合して、ロジウム及び/又はイリジウムを沈殿させる。白金族金属回収剤/白金族金属(モル比)は、「2.回収方法について」の「含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)」と同様である。混合後の、撹拌時間、撹拌時の温度も「2.回収方法について」と同様である。
以上の精製工程を1回以上行う。回数が多いほど、より高純度化することができる。
(III)回収率の低下を抑制できる原理
一旦、水や濃度の低い塩酸を用い、塩化ロジウムの1価、2価のイオン形態([RhCl(HO)、[RhCl(HO)]2-)を優勢にすることで、沈殿の再溶解を進めることができる。
溶解後、今度は、塩酸濃度を高くして、3価のイオン形態([RhCl3-)を優勢にする。一晩置くなどして、塩化ロジウムの3価のイオン形態が90%以上になるようにするとより好ましい。3価のイオン形態を優勢にすると回収剤を加えたときのロジウム及び/又はイリジウムの回収率を上げることができる。
以上のようにして、回収率の低下を最小限に抑え、ロジウム及び/又はイリジウムの高い回収率と高純度化を両立させることができる。
(2)0価の白金族金属の回収
前述の白金族金属回収剤を用いて、前述の回収方法により、白金族金属を回収できるが、0価の白金族金属を得たいときはさらに以下の処理を行えばよい。
水又は塩基性溶液又は酸性溶液に、前述の回収方法によって生じた白金族金属を含む沈殿を溶解する。溶解が進まない場合は、沸点以下で加熱して溶解させてもよい。沈殿を溶解させた後にメラミンが析出した場合にはこれを除去する。
塩基性溶液は、例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。酸性溶液は例えば塩酸が挙げられる。
塩基性溶液の濃度は、各溶液の室温における飽和濃度以下であればよい。酸性溶液の濃度は4mol/L以下、より好ましくは2mol/L以下である。
沈殿を溶解した後に、溶解液に還元剤を混合して、より好ましくは0℃以上100℃以下で、さらに好ましくは5℃以上100℃以下で30分以上撹拌し、白金族金属を還元し0価の金属として析出させ、例えば、ろ過や遠心分離で回収する。還元剤として、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンを挙げることができる。還元剤の添加量は、モル比で、白金族金属:還元剤=1:2~1:100となるようにすればより好ましく、1:30~1:100とすればさらに好ましい。
実施例1 沈殿を生じさせる条件の検討
1.実験例1-1 塩酸濃度の検討
パラジウム、白金、ロジウムを各5mmol/L含む1~8mol/Lの濃度の塩酸溶液に、メラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が30となるようにメラミン([化1])(関東化学株式会社、製品番号25093-02)を加え、25℃で3時間振とう、及び遠心分離し、上澄み液を回収した。当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICP発光分光分析法(ICP発光分光分析計、セイコーインスツル社、型番SPS5510)にて分析することで、沈殿した金属の量を計算し、金属沈殿率を算出した。
結果を図1に示した。図1から明らかなように、5mol/L以上の塩酸濃度範囲においてロジウムが90%以上、パラジウムおよび白金が5%未満となる金属沈殿挙動となり、高回収率かつ高選択的なロジウム回収が達成された。
本実験例では、5mol/L未満ではロジウムは回収されていないが、(A)金属濃度が高くなれば回収率はさほど高くないものの、ロジウムは回収されるはず、(B)回収されるロジウムのイオン形態は[RhCl3-(イリジウムの場合は[IrCl3-)であり、このイオン形態が塩酸溶液中で優勢となるのは塩酸濃度が4mol/L以上のときである、を踏まえると、塩酸濃度は5mol/L未満でも、一定程度、ロジウムの回収ができると考えられる。
2.実験例1-2 含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)の検討
(1)ロジウムを5mmol/L、塩酸濃度を6mol/Lとし、Melamine/Rh(モル比)を5~30の範囲で変化させ、他は実験例1-1と同様に実験を行い、金属沈殿率を算出した。
結果を図2に示す。Melamine/Rh(モル比)が大きくなるにつれてロジウム沈殿率が高くなり、モル比を15以上とした場合にロジウム沈殿率は90%以上となった。一方、モル比が大きくなってもパラジウムや白金は回収されず、ロジウム選択性にはほとんど変化がなかった。
(2)ロジウムを50mmol/L含む6mol/L塩酸溶液に、メラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が2~15となるようにメラミンを加え、25℃で15分間振とうし、他は実験例1-1と同様に実験を行い、金属沈殿率を算出した。
結果を表1に示す。ロジウム濃度が高い場合には、メラミンとロジウムのモル比が4未満でもロジウムが回収された。
Figure 2023071575000006
なお、理論的には、ロジウム回収後の沈殿物(複合体)において1分子の[RhCl3-に対して4分子のメラミンが結合した結晶となっていて、モル比でメラミンの4に対しロジウム1を沈殿させることができる。
3.実験例1-3 攪拌時間の検討
塩酸濃度を6mol/Lとし、Melamine/Rh(モル比)を20とし、振とう時間を5分~3時間の範囲で変化させて、他は実験例1-1と同様に実験を行い、金属沈殿率を算出した
結果を図3に示す。5分の振とうで30%以上のロジウムが沈殿し、60分以上では90%以上のロジウムが沈殿した。一方、振とう時間の長さに関わらず、パラジウムと白金はほとんど沈殿しなかった。
4.実験例1-4 攪拌時の温度の検討
ロジウムを50mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が10となるようにメラミンを加え、5~80℃で15分間振とうを行った後に遠心分離し、上澄み液を回収した。当該上澄み液に含まれるロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した。
結果を表2に示す。表2に示すように、金属回収時の温度を変化させてもロジウムの効率的な回収が達成された。
Figure 2023071575000007
実施例2 酸化剤の影響の検討
1.実験例2-1-1
パラジウム、白金、ロジウムを各5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が20となるようにメラミンを加え、25℃で1時間振とうを行った後に遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した。また、1%の過酸化水素およびパラジウム、白金、ロジウムを各5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液を用いて同様の操作で実験を行い、金属沈殿率を算出した。結果を図4に示す。
図4に示すように、金属含有塩酸溶液に酸化剤である過酸化水素が含まれている場合にもロジウム回収率やロジウム選択性の低下は見られなかった。
2.比較実験例2-1-2
回収剤としてメラミンに替えて、p-フェニレンジアミン(東京化成工業株式会社、製品番号P0170)をロジウムとのモル比(PPDA/Rh)が20となるように用い、実験例2-1-1と同様の操作で実験を行い、金属沈殿率を算出した。結果を図5に示す。
図5に示すように、酸化剤である過酸化水素が存在すると、p-フェニレンジアミンの酸化が進行し、ロジウム回収率およびロジウム選択性の顕著な低下が見られた。
実施例3 イリジウムの選択回収
パラジウム、白金、イリジウムを各5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとイリジウムのモル比(Melamine/Ir)が100となるようにメラミンを加え、25℃で3時間振とうを行った後に遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、イリジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した。結果を図6に示す。
図6に示すように、イリジウム選択回収が達成された。
実施例4 メラミン以外の含窒素複素環芳香族化合物の検討
パラジウム、白金、ロジウムを各5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にアミン化合物とロジウムのモル比(Amine/Rh)が50となるように2,6-ジアミノピリジン([化2])(東京化成工業株式会社、製品番号D1154)、2,4,6-トリアミノピリミジン([化3])(東京化成工業株式会社、製品番号T0834)またはベンゾグアナミン([化4])(東京化成工業株式会社、製品番号D0111)を加え、25℃で1時間振とうを行った後に遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICPにて分析することで金属沈殿率を算出した。結果を表3に示す。
2,6-ジアミノピリジンを用いた場合にはロジウムが選択的に回収され、2,4,6-トリアミノピリミジンを用いた場合には白金とロジウムが効率的に回収され、ベンゾグアナミンを用いた場合にはパラジウムと白金が回収された。
Figure 2023071575000008
実施例5 第二級アミノ基をもつメラミン架橋体の検討
パラジウム、白金、ロジウムを各5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとテレフタルアルデヒドから合成したメラミン架橋体([化5])(参考文献1:Polym.Int.2016,65,439-445.本参考文献等を参照して合成した)をメラミンユニットとロジウムのモル比が約200となるように加え、25℃で1時間振とうした後に遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した。結果を表3に示す。
メラミン架橋体を吸着剤として用いることにより、パラジウム、白金、ロジウムすべてが効率的に回収された。
実施例6 白金族金属回収メカニズムの検討
ロジウムを5mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が5となるようにメラミンを加え、25℃で長期間静置することで単結晶を作製した。得られた単結晶について単結晶X線回折測定を行った。
単結晶X線回折測定の結果、結晶は図7に示す構造であることが判明し、[RhCl3-とプロトン化したメラミンは1:4の比率となっていた。さらに、プロトン化したメラミンは、アミノ基ではなくトリアジン環がプロトン化しており、トリアジン環中の窒素が1つもしくは2つプロトン化した構造が結晶を構築しており、メラミンによるロジウム回収はトリアジン環のプロトン化が鍵となっていることが明らかとなった。
実施例7 ロジウム及び/又はイリジウムの精製
パラジウム、白金、ロジウムを各50mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が15となるようにメラミンを加え、80℃で15分間振とうを行った後に遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した(回収工程)。
次に、沈殿物をろ過にて回収し、得られた沈殿物を1mol/L塩酸に溶解させた(Rh濃度:約100mmol/L)。その後、得られた塩酸溶液を濃塩酸を用いて塩酸濃度が6mol/Lとなるよう調整した(Rh濃度:約50mmol/L)。この塩酸溶液を80℃で1時間加熱撹拌した。その後、この塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が15となるようにメラミンを加え、25℃で15分間振とうを行った。得られた沈殿物をろ過にて回収後、1mol/Lの塩酸に溶解させてパラジウム、白金、ロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することで金属沈殿率を算出した(精製工程)。
表4に、回収工程および精製工程後の金属沈殿率を示す。精製工程後では、沈殿物に含まれるパラジウムと白金の量が大きく低下している。一方、精製工程後でも最初のロジウムの98%が回収されており、高いロジウム回収率を達成している。沈殿物中に含まれるロジウムの純度は全金属重量を100%としたときに、回収工程後では86%であったのに対し、精製工程後では98%であった。この結果から明らかなように、メラミンをロジウム回収剤として用いることで、沈殿物を溶解させたロジウムを主成分とする塩酸溶液から不純物である金属を除去してロジウムを精製することができる。本精製工程では、高いロジウム回収率と高純度化を両立できるため、本精製工程を繰り返すことでロジウム回収率を低下させることなく、さらなる高純度化が可能である。
Figure 2023071575000009
実施例8 0価の白金族金属の回収
ロジウムを50mmol/L含む6mol/L塩酸溶液にメラミンとロジウムのモル比(Melamine/Rh)が15となるようにメラミンを加え、25℃で15分間振とうを行った後、沈殿物をろ過にて回収した(回収工程)。得られた沈殿物を1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解させた(Rh濃度:約10mmol/L)。析出してきたメラミンをろ過にて除去後、得られた溶液にロジウムに対して2~100倍モルとなる水素化ホウ素ナトリウムを加えて25℃で1時間撹拌させた。析出してきたゼロ価ロジウムを遠心分離し、上澄み液を回収して、当該上澄み液に含まれるロジウムの濃度をICP発光分光分析計にて分析することでロジウム還元率を算出した。
結果を表5に示す。水素化ホウ素ナトリウムの添加量が増えるにつれてロジウム還元率は上昇し、30倍モル以上とした場合にロジウム還元率は90%以上となった。
Figure 2023071575000010
実施例9 溶解液に、水、炭酸水素ナトリウム以外の塩基性溶液、又は酸性溶液を使用した場合の0価の白金族金属の回収
ロジウム含有沈殿物を溶解させる溶液を水、1mol/L炭酸ナトリウム水溶液、1mol/Lアンモニア水溶液、または1mol/L塩酸溶液とし、ロジウムに対して50倍モルの水素化ホウ素ナトリウムを加えた以外は実施例8と同様に実験を行い、ロジウム還元率を算出した。
結果を表6に示す。ロジウム含有沈殿物を溶解させる溶液の種類を変化させてもロジウムの還元による回収が達成された。
Figure 2023071575000011
本発明によれば、白金族金属の金属リサイクルがより促進され、白金族金属の安定供給がより進むので、金属リサイクル業界のみならず、白金族金属を使用する幅広い業界に有用である。

Claims (15)

  1. 複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、からなる白金族金属回収剤。
  2. 含窒素複素環芳香族化合物が6員環の含窒素複素環芳香族化合物である、請求項1の白金族金属回収剤。
  3. 電子供与性基がアミノ基である、請求項1又は2の白金族金属回収剤。
  4. アミノ基が第一級アミノ基である、請求項3の白金族金属回収剤。
  5. メラミン、2,6-ジアミノピリジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、ベンゾグアナミン、メラミン架橋体、のいずれか1または2以上からなる、白金族金属回収剤。
  6. 第一級アミノ基を側鎖に有する含窒素複素環芳香族化合物からなる、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
  7. 第一級アミノ基を側鎖に有する含窒素複素環芳香族化合物であって、該化合物の含窒素芳香族複素環は第一級アミノ基をプロトン化されにくくする含窒素芳香族複素環である、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
  8. メラミン、2,6-ジアミノピリジン、のいずれか又は両方からなる、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収剤。
  9. (1)白金族金属の塩化物錯イオンと、
    (2)複素環窒素がプロトン化された、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、
    を含むイオン結晶。
  10. (1)ロジウム及び又はイリジウムの三価の塩化物錯イオンと、
    (2)複素環窒素の1つがプロトン化されたメラミンと、
    (3)複素環窒素の2つがプロトン化されたメラミン
    を含むイオン結晶で、(1)、(2)、(3)を、1:2:2の割合で含むイオン結晶。
  11. 白金族金属の塩化物錯イオンと、複素環窒素がプロトン化され、複素環側鎖に電子供与性基を有する含窒素複素環芳香族化合物、を含むイオン結晶及び又はイオン対、
    が形成される工程を有する、白金族金属回収法。
  12. ロジウム及び/又はイリジウムの塩化物錯イオンと、複素環窒素がプロトン化され、複素環側鎖に第一級アミノ基を有する含窒素複素環芳香族化合物、を含むイオン結晶及び又はイオン対、
    が形成される工程を有する、ロジウム及び/又はイリジウム選択的白金族金属回収法。
  13. 白金族金属を含む1.0~12mol/L塩酸溶液中に、含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)≧2となるように請求項1~8のいずれか1の含窒素複素環芳香族化合物からなる白金族金属回収剤を混合して、1~110℃の温度で、3分間以上攪拌し、白金族金属を含む沈殿を生じさせて白金族金属を回収する、白金族金属回収法。

  14. ロジウム及び/又はイリジウムを含む1.0~12mol/L塩酸溶液中に、含窒素複素環芳香族化合物/白金族金属(モル比)≧2となるように請求項6~8のいずれか1の含窒素複素環芳香族化合物からなる白金族金属回収剤を混合して、1~110℃の温度で、3分間以上攪拌し、ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を生じさせ、
    生じた沈殿に対し、以下の精製工程を1回以上繰り返すロジウム及び/又はイリジウム回収方法。
    (1)ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を水又は4mol/L以下の塩酸に溶解する
    (2)(1)の溶解液の塩酸濃度を「4を超えて12mol/L以下」に調整する
    (3)(2)の溶液に、請求項6~8のいずれか1の白金族金属回収剤を混合して、ロジウム及び/又はイリジウムを含む沈殿を生じさせる
  15. 請求項13の方法で白金族金属を含む沈殿を生じさせ、生じた沈殿を水又は塩基性水溶液又は酸性水溶液に溶解し、該溶解液に還元剤を混合する、
    0価白金族金属回収方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024053621A1 (ja) * 2022-09-05 2024-03-14 田中貴金属工業株式会社 貴金属分離方法

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