JP2023071248A - 菓子用フラワーペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】風味素材を含有し、その風味素材の発色が良好な、菓子用フラワーペーストの提供。
【解決手段】菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有する。前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である。前記風味素材は、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状である。前記菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含有量が70~30重量%である。
【選択図】なし
【解決手段】菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有する。前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である。前記風味素材は、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状である。前記菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含有量が70~30重量%である。
【選択図】なし
Description
本発明は、風味素材を含有する、菓子用フラワーペーストに関する。
近年、消費者の嗜好の多様化に合わせて、多種多様な風味素材を含有した菓子用ペーストが、ケーキにトッピングされたり、透明なカップに層状に充填されてカップデザートとしてそのまま喫食されたりと幅広く使用されている。代表例としては、風味素材を水中油型乳化油脂組成物に加えたフラワーペーストが挙げられる。
デザートでは特に見た目の美しさ、即ち発色の良さが重要であり、フラワーペーストにおいて、そこに含まれる風味素材の発色が邪魔されないことが求められる。風味素材の発色を邪魔しないためには、合わせる水中油型乳化油脂組成物の彩度が低く、明度を適度に抑えている必要がある。
フラワーペーストの1種であるカスタードクリームの原料には、卵黄が使用されている場合が多い。しかし、卵黄は彩度が高いためペースト自体の彩度が高くなり、風味素材を混ぜると、カスタードクリーム全体の色が濁ってしまい、発色が悪くなる傾向がある。
また、彩度の高い原料を使用していないフラワーペーストの場合でも、白さが強く明度が高すぎると、フラワーペースト全体の色を薄めてしまう。逆に、原料の明度が低すぎるとフラワーペースト全体の色が黒くくすんでしまう。
一方で、消費者の食に対するニーズの多様化によって、様々な風味素材を含有する菓子用フラワーペーストが求められている。しかし、工業的生産において、多種類の菓子用フラワーペーストそれぞれを、全ての原料を混ぜながら製造しようとすると、手間もかかり、廃棄を増やすことにも繋がるため、そのニーズに十分に応えきれていなかった。
特許文献1には、澱粉類2~10質量%、極度硬化油脂0.01~1質量%を含む油脂3~40質量%、及び糖類8~30質量%を含有するフラワーペースト類が開示されており、該フラワーペースト類においては風味素材の艶及び発色が向上すると記載されている。
特許文献1の実施例では乾燥全卵が配合されており、フラワーペースト中の乾燥全卵含量は2~5重量%である。そのため、乾燥全卵中に含有される卵黄によってフラワーペースト自体の彩度が高くなり、特に黄色以外の色味を持つ風味素材を用いると、発色が悪くなってしまう。
本発明の目的は、風味素材を含有し、その風味素材の発色が良好な、菓子用フラワーペースト、その製造方法、及び、該菓子用フラワーペーストの製造に使用される水中油型乳化油脂組成物を提供することである。
本発明の目的は、風味素材を含有し、その風味素材の発色が良好な、菓子用フラワーペースト、その製造方法、及び、該菓子用フラワーペーストの製造に使用される水中油型乳化油脂組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂、澱粉、糖類、及び水をそれぞれ特定量含有し、特定の平均油滴径を有し、表色系におけるL*値、a*値及びb*値が特定の値を示す水中油型乳化油脂組成物と、特定の粘度を有するペースト状の風味素材を、それぞれ特定量含有する菓子用フラワーペーストは、風味素材の発色が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、菓子用フラワーペーストであって、前記菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有し、前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、前記水中油型乳化油脂組成物は、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0であり、前記風味素材は、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状であり、前記菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含有量が70~30重量%である、菓子用フラワーペーストに関する。
本発明の第二は、前記菓子用フラワーペーストを含む菓子に関する。
本発明の第三は、前記菓子用フラワーペーストに用いられる水中油型乳化油脂組成物であって、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である、水中油型乳化油脂組成物に関する。
本発明の第四は、水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~60重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、該混合物を10~20MPaの圧力で乳化処理し、加熱して、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である水中油型乳化油脂組成物を得る工程、及び、菓子用フラワーペースト全体中、水中油型乳化油脂組成物の含量が30~70重量%、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状である風味素材の含量が70~30重量%となるように、5~35℃にて、前記水中油型乳化油脂組成物と前記風味素材とを混合する工程、を含む、菓子用フラワーペーストの製造方法に関する。
本発明の第二は、前記菓子用フラワーペーストを含む菓子に関する。
本発明の第三は、前記菓子用フラワーペーストに用いられる水中油型乳化油脂組成物であって、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である、水中油型乳化油脂組成物に関する。
本発明の第四は、水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~60重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、該混合物を10~20MPaの圧力で乳化処理し、加熱して、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である水中油型乳化油脂組成物を得る工程、及び、菓子用フラワーペースト全体中、水中油型乳化油脂組成物の含量が30~70重量%、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状である風味素材の含量が70~30重量%となるように、5~35℃にて、前記水中油型乳化油脂組成物と前記風味素材とを混合する工程、を含む、菓子用フラワーペーストの製造方法に関する。
本発明に従えば、風味素材を含有し、その風味素材の発色が良好な、菓子用フラワーペースト、その製造方法、及び、該菓子用フラワーペーストの製造に使用される水中油型乳化油脂組成物を提供することができる。
本発明によれば、前記水中油型乳化油脂組成物に対し、様々な風味素材を添加することによって、様々な風味を持つ菓子用フラワーペーストを製造できるので、消費者が求める多種類の菓子用フラワーペーストを容易に製造することが可能となる。
本発明によれば、前記水中油型乳化油脂組成物に対し、様々な風味素材を添加することによって、様々な風味を持つ菓子用フラワーペーストを製造できるので、消費者が求める多種類の菓子用フラワーペーストを容易に製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態につき、さらに詳細に説明する。
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストは、特定の水中油型乳化油脂組成物及び特定の風味素材を含有する。前記菓子用フラワーペーストにおけるフラワーペーストとは、澱粉、油脂、糖類、水を主要原料とし、必要に応じて増粘剤等を加え、加熱して得られる、パン又は菓子にフィリング又はトッピングして食用に供するペースト状組成物のことを意味する。前記菓子用フラワーペーストは、前記風味素材に由来する風味を持つものである。
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストは、特定の水中油型乳化油脂組成物及び特定の風味素材を含有する。前記菓子用フラワーペーストにおけるフラワーペーストとは、澱粉、油脂、糖類、水を主要原料とし、必要に応じて増粘剤等を加え、加熱して得られる、パン又は菓子にフィリング又はトッピングして食用に供するペースト状組成物のことを意味する。前記菓子用フラワーペーストは、前記風味素材に由来する風味を持つものである。
(水中油型乳化油脂組成物)
前記水中油型乳化油脂組成物とは、水及び澱粉、糖類などの水溶性原料を含む水相と、油脂と必要に応じて油脂以外の油溶性原料を含む油相とを含む、水中油型の乳化物である。本実施形態において、前記水中油型乳化油脂組成物は、少なくとも、油脂、澱粉、糖類、及び、水を含有する。
前記水中油型乳化油脂組成物とは、水及び澱粉、糖類などの水溶性原料を含む水相と、油脂と必要に応じて油脂以外の油溶性原料を含む油相とを含む、水中油型の乳化物である。本実施形態において、前記水中油型乳化油脂組成物は、少なくとも、油脂、澱粉、糖類、及び、水を含有する。
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、ハイエルシン菜種油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油等の植物性油脂や、乳脂肪、牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂が例示でき、これらを硬化、分別、エステル交換等の加工処理を行ったものも用いることができる。
特に、複数種の油脂を適宜組み合わせて使用することが好ましい。好適な油脂の組合せの一例として、パーム油とハイエルシン菜種極度硬化油の組合せを挙げることができる。前記ハイエルシン菜種極度硬化油とは、菜種の中でもエルシン酸(エルカ酸)含量が概ね40%以上の品種から搾油した油脂を極度硬化したものをいう。
前記油脂の含有量は、水中油型乳化油脂組成物全体中、5~35重量%であることが好ましい。より好ましくは8~32重量%であり、更に好ましくは10~20重量%である。油脂の含有量が5重量%より少ないと、菓子用フラワーペーストの保形性が悪くなったり、水中油型乳化油脂組成物のL*値又はa*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合があり、35重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物を作製する時の乳化が不十分となったり、水中油型乳化油脂組成物のL*値が低く、b*値が高くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合がある。
前記澱粉としては特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、及び、化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。前記澱粉としては、食感に悪影響を与えない範囲で、小麦、コーン、米、甘藷、馬鈴薯、キャッサバ、サゴヤシ等の澱粉性植物の粉状製品を使用してもよい。前記加工澱粉における澱粉の由来は、口溶けが良好で滑らかな食感を得る上で、タピオカ澱粉由来、サゴ澱粉由来、又は、甘藷澱粉由来であることが好ましく、タピオカ澱粉由来であることがより好ましく、特に、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が老化しにくく、保存性の観点から好ましい。
前記澱粉の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、3~6重量%であることが好ましい。より好ましくは3.5~5.5重量%であり、更に好ましくは4~5重量%である。澱粉の含有量が3重量%より少ないと、菓子用フラワーペーストの保形性が悪くなったり、水中油型乳化油脂組成物のa*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合があり、6重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物又は菓子用フラワーペーストの粘度が高くなりすぎる、即ち生産時のライン適性が悪くなったり、水中油型乳化油脂組成物のL*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合がある。
前記糖類としては特に限定されず、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ、糖アルコール類等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。中でも、上白糖、グラニュー糖が味の観点で好ましい。
前記糖類の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、20~40重量%であることが好ましい。より好ましくは20~30重量%であり、更に好ましくは22~25重量%である。糖類の含有量が20重量%より少ないと、増菌したり、菓子用フラワーペーストの成形性が悪くなる場合があり、40重量%より多いと、菓子用フラワーペーストの甘みが強くなりすぎたり、菓子用フラワーペーストの保形性が悪くなる場合がある。
前記水の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、25~60重量%であることが好ましい。より好ましくは30~55重量%であり、更に好ましくは46.5~54.5重量%である。水の含有量が25重量%より少ないと、水溶性原料の溶解性が悪くなる場合があり、60重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物において離水が発生する場合がある。
前記水中油型乳化油脂組成物において、風味素材の発色を悪くしないためには、卵黄は少ないほど良く、卵黄の含有量は液状卵黄換算で0~0.3重量%であることが好ましい。より好ましくは0~0.2重量%であり、さらに好ましくは0~0.1重量%である。卵黄の含有量が0.3重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物のL*値が低く、b*値は高くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合がある。
また前記水中油型乳化油脂組成物は、前記澱粉、糖類以外の水溶性原料を含有しても良い。前記水溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に水中油型乳化油脂組成物に配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、増粘剤、乾燥卵白などを挙げることができる。
前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉等などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記乾燥卵白の含有量も、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記水中油型乳化油脂組成物は、油脂以外の油溶性原料を含有しても良い。前記油溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に水中油型乳化油脂組成物に配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、乳化剤、着色料、香料、乳製品などを挙げることができる。
前記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記着色料としては、例えば、カロテノイド色素などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記乳製品としては、例えば、バター、脱脂粉乳、ホエイタンパク、バターミルクパウダーなどが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記水中油型乳化油脂組成物は、平均油滴径が12~20μmであることが好ましい。より好ましくは14~18μmであり、さらに好ましくは15~17μmである。平均油滴径が12μmより小さいと、水中油型乳化油脂組成物のL*値が高くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合があり、20μmより大きいと、水中油型乳化油脂組成物のL*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合がある。
なお、平均油滴径は、水中油型乳化油脂組成物製造時の乳化圧力を調節することによって制御することができる。乳化圧力については後述する。また、平均油滴径は、KEYENCE社製「DIGTAL MICROSCOPE VHX-700」により測定することができる。
なお、平均油滴径は、水中油型乳化油脂組成物製造時の乳化圧力を調節することによって制御することができる。乳化圧力については後述する。また、平均油滴径は、KEYENCE社製「DIGTAL MICROSCOPE VHX-700」により測定することができる。
前記水中油型乳化油脂組成物は、表色系におけるL*値が80~90であることが好ましく、84~88であることがより好ましい。80より低いと、色が黒くくすんでしまい、風味素材の発色を悪くしてしまう場合があり、90より高いと、色が白くなりすぎてしまい、風味素材の色を薄めてしまう場合がある。
前記水中油型乳化油脂組成物は、表色系におけるa*値が-2.0~2.0であることが好ましく、-1.8~1.8であることがより好ましい。-2.0より低いと、水中油型乳化油脂組成物が緑寄りの色になってしまうため、緑色以外の風味素材の色を濁らせてしまう場合があり、2.0より高いと、水中油型乳化油脂組成物の色が赤寄りの色になってしまうため、赤色以外の風味素材の色を濁らせてしまう場合がある。
前記水中油型乳化油脂組成物は、表色系におけるb*値が-6.0~6.0であることが好ましく、-5.8~5.8であることがより好ましい。-6.0より低いと、水中油型乳化油脂組成物が青寄りの色になってしまうため、青色以外の風味素材の色を濁らせてしまう場合があり、6.0より高いと、水中油型乳化油脂組成物が黄色寄りの色になってしまうため、黄色以外の風味素材の色を濁らせてしまう場合がある。
ここで、L*a*b*値は、色をCIE1976色空間におけるL*a*b*表色系で表現した時に、明度、彩度を表す座標値である。L*値は明度を表し、L*値が100の時は白色となり、L*値が0の時は黒色となる。また、a*値とb*値は彩度を表し、a*値とは赤色と緑色の色調を表す。a*値のプラスの値が大きいほど赤色が強くなり、a*値のマイナスの値が大きいほど緑色が強くなる。b*値とは黄色と青色の色調を表し、b*値のプラスの値が大きいほど黄色が強くなり、b*値のマイナスの値が大きいほど青色が強くなることを示す。
なお、前記L*a*b*値は、水中油型乳化油脂組成物に配合する原料の種類やその配合量、後述する乳化圧力等によって制御することができる。
また、前記L*a*b*値は色彩色差計により測定することができる。そのような色彩式計の具体例としてコニカミノルタ社製「CR-400」が挙げられる。
また、前記L*a*b*値は色彩色差計により測定することができる。そのような色彩式計の具体例としてコニカミノルタ社製「CR-400」が挙げられる。
前記水中油型乳化油脂組成物の含有量は、前記菓子用フラワーペースト全体中、30~70重量%であることが好ましい。より好ましくは40~60重量%であり、更に好ましくは45~55重量%である。水中油型乳化油脂組成物の含有量が30重量%より少ないと、菓子用フラワーペーストが硬くなりすぎて、保形性に劣る場合があり、70重量%より多いと、風味素材の量が減ってしまい、風味素材の色や味が薄くなりすぎる場合がある。
(風味素材)
前記風味素材とは、特定粘度を有するペースト状を呈する風味素材を指す。風味素材とは、食品に風味を与え得るものであれば特に限定されないが、例えば、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、マンゴー、キウイフルーツ、メロン、ピンクグレープフルーツ、パイナップル、ラズベリー、フランボワーズ、グァバ、カシス、パッションフルーツ、アプリコット、柿等の果物類や、紫イモ、カボチャ、ニンジン、トマト、パプリカ、ほうれん草等の野菜類や、チョコレート、黒胡麻、ナッツ類、コーヒー、紅茶、抹茶等が挙げられる。ペースト状風味素材の具体例として、前記果実類及び野菜類、チョコレート、黒胡麻、ナッツ類、コーヒー、紅茶、抹茶等を使用したペースト、ジャム、ソース等が挙げられる。
前記風味素材とは、特定粘度を有するペースト状を呈する風味素材を指す。風味素材とは、食品に風味を与え得るものであれば特に限定されないが、例えば、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、マンゴー、キウイフルーツ、メロン、ピンクグレープフルーツ、パイナップル、ラズベリー、フランボワーズ、グァバ、カシス、パッションフルーツ、アプリコット、柿等の果物類や、紫イモ、カボチャ、ニンジン、トマト、パプリカ、ほうれん草等の野菜類や、チョコレート、黒胡麻、ナッツ類、コーヒー、紅茶、抹茶等が挙げられる。ペースト状風味素材の具体例として、前記果実類及び野菜類、チョコレート、黒胡麻、ナッツ類、コーヒー、紅茶、抹茶等を使用したペースト、ジャム、ソース等が挙げられる。
前記風味素材は、20℃における粘度が90~150Pa・sであることが好ましい。より好ましくは100~140Pa・sであり、更に好ましくは120~140Pa・sである。風味素材の20℃における粘度が90Pa・sより低いと、菓子用フラワーペーストの保形性が劣る場合があり、150Pa・sより高いと、風味素材が水中油型乳化油脂組成物と混ざりにくい場合がある。
なお、前記粘度は、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV-35形粘度計」)により測定することができる。
前記特定の粘度を示す風味素材は、例えば、風味素材を必要に応じて細かく裁断した後、十分に練ることで作製することができる。また、このようにして作製された風味素材に対し、必要に応じ、水や液糖、牛乳、生クリーム等の液性成分を混合したり、あるいは、加熱して水分を蒸発させてもよい。
前記風味素材の含有量は、前記菓子用フラワーペースト全体中、70~30重量%であることが好ましい。より好ましくは60~40重量%であり、更に好ましくは55~45重量%である。風味素材の含有量が70重量%より多いと、菓子用フラワーペーストの保形性が悪くなる場合があり、30重量%より少ないと、風味素材の色や味が薄くなりすぎる場合がある
[菓子用フラワーペーストの製造方法]
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストの製造方法を以下に例示する。
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストの製造方法を以下に例示する。
(水中油型乳化油脂組成物の作製)
水に、澱粉や糖類などの水溶性原料を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る。その際、各成分の含量が、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、水25~60重量%となるように調整する。前記加熱に際しては、各成分を混合してから昇温してもいいし、昇温しながら各成分を混合してもよい。
水に、澱粉や糖類などの水溶性原料を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る。その際、各成分の含量が、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、水25~60重量%となるように調整する。前記加熱に際しては、各成分を混合してから昇温してもいいし、昇温しながら各成分を混合してもよい。
得られた前記水相を、好ましくは40~60℃に保って、撹拌しながら、油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、油脂を前記水相に添加して混合物を得る。前記水相を添加する時の油脂は、40~60℃に保持されていることが好ましい。また、必要に応じて、前記油脂に前記油溶性原料を溶解してから、前記水相に添加してもよい。
得られた前記混合物を予備乳化し、ホモゲナイザーを用いて乳化する。この時の乳化圧力は10~20MPaであることが好ましく、13~17MPaであることがより好ましい。10MPaより低いと、平均油滴径が大きくなってL*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合があり、20MPaより高いと、乳化が細かくなり平均油滴径が小さくなるため、水中油型乳化油脂組成物の色が白くなりL*値が高くなりすぎてしまう場合があり、24MPaより高くなると、乳化が不安定になるため、平均油滴径が大きくなり、水中油型乳化油脂組成物のL*値が低くなり風味素材の発色を悪くしてしまう場合がある。
得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機で95~105℃で2~3分間加熱してから、60℃以下になるまで冷却して、ペーストを得る。得られたペーストをピロー包装に充填し、2~7℃の冷水にて室温以下に冷却することで、前記水中油型乳化油脂組成物を得ることができる。ここで、ピロー包装とは、包装フィルムを、開口部を有する袋状に加工した後、内容物を充填し、前記開口部を閉じて該内容物を包装するものをいう。
(風味素材の調製)
風味素材に関しては、20℃における粘度が90~150Pa・sである風味素材を入手できればそのまま使用しても良い。また、入手した風味素材の20℃における粘度が高い場合には、水、液糖、牛乳、生クリームなどの液性成分を適宜混合して粘度を下げてから使用しても良い。前記液性成分の中でも、風味素材の発色を邪魔しないため、水又は液糖を使用することが好ましい。一方、入手した風味素材の20℃における粘度が低い場合には、加熱により水分を蒸発させたりして粘度を上げてから使用しても良い。
風味素材に関しては、20℃における粘度が90~150Pa・sである風味素材を入手できればそのまま使用しても良い。また、入手した風味素材の20℃における粘度が高い場合には、水、液糖、牛乳、生クリームなどの液性成分を適宜混合して粘度を下げてから使用しても良い。前記液性成分の中でも、風味素材の発色を邪魔しないため、水又は液糖を使用することが好ましい。一方、入手した風味素材の20℃における粘度が低い場合には、加熱により水分を蒸発させたりして粘度を上げてから使用しても良い。
(菓子用フラワーペーストの作製)
菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含量が70~30重量%となるように両者を混合することで、本実施形態に係る菓子用フラワーペーストを得ることができる。混合する時の温度は、例えば、5~35℃であることが好ましい。
菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含量が70~30重量%となるように両者を混合することで、本実施形態に係る菓子用フラワーペーストを得ることができる。混合する時の温度は、例えば、5~35℃であることが好ましい。
(菓子用フラワーペーストの用途)
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストは、モンブランやフルーツタルト等のケーキのトッピングや、カップに層状に充填して喫食するカップデザートとして好適に使用できる。前記ケーキ及びカップデザートは、本実施形態に係る菓子用フラワーペーストを含むものである限り特に限定されない。
本実施形態に係る菓子用フラワーペーストは、モンブランやフルーツタルト等のケーキのトッピングや、カップに層状に充填して喫食するカップデザートとして好適に使用できる。前記ケーキ及びカップデザートは、本実施形態に係る菓子用フラワーペーストを含むものである限り特に限定されない。
また、本実施形態に係る菓子用フラワーペーストは、フィリングや、サンド、スプレッドなどの形態においても使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)松谷化学工業(株)製「ファリネックスVA70TJ」
2)日新製糖(株)製「上白糖」
3)キユーピータマゴ(株)製「乾燥卵白Kタイプ」
4)日本新薬(株)製「Wheyco W80」
5)エー・ディー・エム・ジャパン(株)製「ノヴァザン200メッシュ」
6)三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「CESAGUM LN-1/200」
7)(株)カネカ製「パーム油」
8)横関油脂工業(株)製「ハイエルシン菜種極度硬化油」
9)キユーピータマゴ(株)製「液全卵濾過(殺菌)」
10)紫いもペースト(詳細は後述)
1)松谷化学工業(株)製「ファリネックスVA70TJ」
2)日新製糖(株)製「上白糖」
3)キユーピータマゴ(株)製「乾燥卵白Kタイプ」
4)日本新薬(株)製「Wheyco W80」
5)エー・ディー・エム・ジャパン(株)製「ノヴァザン200メッシュ」
6)三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「CESAGUM LN-1/200」
7)(株)カネカ製「パーム油」
8)横関油脂工業(株)製「ハイエルシン菜種極度硬化油」
9)キユーピータマゴ(株)製「液全卵濾過(殺菌)」
10)紫いもペースト(詳細は後述)
<色の濃さの評価>
作製した菓子用フラワーペーストを、熟練した10名のパネラーが目視して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を評価値とした。
5点:風味素材本来の色と同等の色の濃さである。
4点:風味素材本来の色と比較して色がやや薄い。
3点:風味素材本来の色と比較して色がやや薄く白っぽい、またはやや黒くくすんでいる。
2点:風味素材本来の色と比較して色が薄く白っぽい、または黒くくすんでいる。
1点:風味素材本来の色と比較してかなり白に近い、または黒に近い。
<色の鮮やかさの評価>
作製した菓子用フラワーペーストを、熟練した10名のパネラーが目視して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を評価値とした。
5点:風味素材本来の色と比較して色相の変化がなく、同等の鮮やかさである。
4点:風味素材本来の色と比較して色相の変化が少ない。
3点:風味素材本来の色と比較して色相がやや変化しており、ややくすんでいる。
2点:風味素材本来の色と比較して色相が変化しており、くすんでいる。
1点:風味素材本来の色と比較して、完全に色相が変化しており、非常にくすんでいる。
作製した菓子用フラワーペーストを、熟練した10名のパネラーが目視して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を評価値とした。
5点:風味素材本来の色と同等の色の濃さである。
4点:風味素材本来の色と比較して色がやや薄い。
3点:風味素材本来の色と比較して色がやや薄く白っぽい、またはやや黒くくすんでいる。
2点:風味素材本来の色と比較して色が薄く白っぽい、または黒くくすんでいる。
1点:風味素材本来の色と比較してかなり白に近い、または黒に近い。
<色の鮮やかさの評価>
作製した菓子用フラワーペーストを、熟練した10名のパネラーが目視して、以下の基準で評価した。各人の評価値の平均値を評価値とした。
5点:風味素材本来の色と比較して色相の変化がなく、同等の鮮やかさである。
4点:風味素材本来の色と比較して色相の変化が少ない。
3点:風味素材本来の色と比較して色相がやや変化しており、ややくすんでいる。
2点:風味素材本来の色と比較して色相が変化しており、くすんでいる。
1点:風味素材本来の色と比較して、完全に色相が変化しており、非常にくすんでいる。
[実施例及び比較例で使用した原料10)の製造]
皮をむいて1cmの輪切りにした紫いもを10分間茹でた。茹でた紫いもをフードプロセッサーで粉砕し、粉砕した茹で紫いも300重量部、バター70重量部、牛乳70重量部、上白糖30重量部を鍋に入れ、10分間加熱して紫いもペーストを得た。得られた紫いもペーストの20℃における粘度は128Pa・sであった。
皮をむいて1cmの輪切りにした紫いもを10分間茹でた。茹でた紫いもをフードプロセッサーで粉砕し、粉砕した茹で紫いも300重量部、バター70重量部、牛乳70重量部、上白糖30重量部を鍋に入れ、10分間加熱して紫いもペーストを得た。得られた紫いもペーストの20℃における粘度は128Pa・sであった。
(製造例1)水中油型乳化油脂組成物の作製
表1の配合に従って、次のように水中油型乳化油脂組成物を作製した。即ち、ヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプン4.4重量部、上白糖24.4重量部、乾燥卵白0.1重量部、ホエイタンパク1.9重量部、キサンタンガム0.07重量部、ローカストビーンガム0.02重量部、及び水54.1重量部が均一になるよう攪拌、及び混合しながら当該混合物を50℃まで昇温し、ここに60℃に温調したパーム油13.5重量部及びハイエルシン菜種極度硬化油1.5重量部を添加し、充分に攪拌して原料混合物を予備乳化した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い15MPaの圧力で原料混合物を乳化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機(ノリタケカンパニーリミテッド社製、ノリタケクッカー・スチームミキサー)で100℃、2分間の条件で殺菌した後、60℃まで冷却し、ピロー袋に充填した。その後、5℃の冷水にて室温以下に冷却し、水中油型乳化油脂組成物を得た。得られた水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径は16μm、表色系におけるL*値は86.0、a*値は-1.8、b*値は5.8であった。
表1の配合に従って、次のように水中油型乳化油脂組成物を作製した。即ち、ヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプン4.4重量部、上白糖24.4重量部、乾燥卵白0.1重量部、ホエイタンパク1.9重量部、キサンタンガム0.07重量部、ローカストビーンガム0.02重量部、及び水54.1重量部が均一になるよう攪拌、及び混合しながら当該混合物を50℃まで昇温し、ここに60℃に温調したパーム油13.5重量部及びハイエルシン菜種極度硬化油1.5重量部を添加し、充分に攪拌して原料混合物を予備乳化した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い15MPaの圧力で原料混合物を乳化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機(ノリタケカンパニーリミテッド社製、ノリタケクッカー・スチームミキサー)で100℃、2分間の条件で殺菌した後、60℃まで冷却し、ピロー袋に充填した。その後、5℃の冷水にて室温以下に冷却し、水中油型乳化油脂組成物を得た。得られた水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径は16μm、表色系におけるL*値は86.0、a*値は-1.8、b*値は5.8であった。
(製造例2~16)水中油型乳化油脂組成物の作製
表1及び表2の配合に従って各成分の配合量や、製造時の乳化圧力を変更した以外は、製造例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物を作製した。
表1及び表2の配合に従って各成分の配合量や、製造時の乳化圧力を変更した以外は、製造例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物を作製した。
(実施例1)菓子用フラワーペーストの作製
表3の配合に従って、製造例1で作製した水中油型乳化油脂組成物50重量部に、風味素材である紫いもペースト50重量部を25℃で混合して菓子用フラワーペーストを得た。得られた菓子用フラワーペーストについて、色の濃さと色の鮮やかさの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
表3の配合に従って、製造例1で作製した水中油型乳化油脂組成物50重量部に、風味素材である紫いもペースト50重量部を25℃で混合して菓子用フラワーペーストを得た。得られた菓子用フラワーペーストについて、色の濃さと色の鮮やかさの評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(実施例2~11、比較例1~8)
表3及び表4の配合に従って、水中油型乳化油脂組成物の種類(製造例番号)又は配合量、及び、風味素材の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして菓子用フラワーペーストを得た。得られた各菓子用フラワーペーストについて、色の濃さと色の鮮やかさの評価を行い、それらの評価結果を表3及び表4にまとめた。
表3及び表4の配合に従って、水中油型乳化油脂組成物の種類(製造例番号)又は配合量、及び、風味素材の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして菓子用フラワーペーストを得た。得られた各菓子用フラワーペーストについて、色の濃さと色の鮮やかさの評価を行い、それらの評価結果を表3及び表4にまとめた。
表3より、実施例1~11で得た菓子用フラワーペーストはいずれも、発明の要件を満足するものであり、色の濃さと色の鮮やかさの評価が良好であったことが分かる。
一方、表4より以下のことが分かる。比較例1で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の油脂含量が4重量%と少なく、水中油型乳化油脂組成物のL*値が79.8と低く、a*値が-2.2と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例2で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の油脂含量が36重量%と多く、水中油型乳化油脂組成物のL*値が78.0と低く、b*値が6.1と高く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例2で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の油脂含量が36重量%と多く、水中油型乳化油脂組成物のL*値が78.0と低く、b*値が6.1と高く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例3で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の澱粉含量が2重量%と少く、水中油型乳化油脂組成物のa*値が-2.2と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例4で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の澱粉含量が7重量%と多く、水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径が23μmと大きく、L*値が79.0と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例4で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の澱粉含量が7重量%と多く、水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径が23μmと大きく、L*値が79.0と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例5で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物中の液全卵含量が1重量%と多く、水中油型乳化油脂組成物のL*値が77.2と低く、b*値が10.1と高く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例6で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物製造時の乳化圧力が5MPaと低く、水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径が24μmと大きく、L*値が79.0と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例7で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物製造時の乳化圧力が25MPaと高く、水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径が24μmと大きく、L*値が78.6と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例7で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物製造時の乳化圧力が25MPaと高く、水中油型乳化油脂組成物の平均油滴径が24μmと大きく、L*値が78.6と低く、色の鮮やかさが低い評価であった。
比較例8で得た菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物の含有量が75重量%と多いものであり、色の濃さと色の鮮やかさが低い評価であった。
Claims (4)
- 菓子用フラワーペーストであって、
前記菓子用フラワーペーストは、水中油型乳化油脂組成物、及び、風味素材を含有し、
前記水中油型乳化油脂組成物は、当該組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、
前記水中油型乳化油脂組成物は、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0であり、
前記風味素材は、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状であり、
前記菓子用フラワーペースト全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が30~70重量%、及び、前記風味素材の含有量が70~30重量%である、菓子用フラワーペースト。 - 請求項1に記載の菓子用フラワーペーストを含む菓子。
- 請求項1に記載の菓子用フラワーペーストに用いられる水中油型乳化油脂組成物であって、
前記水中油型乳化油脂組成物全体中、油脂5~35重量%、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~60重量%を含有し、
平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である、水中油型乳化油脂組成物。 - 水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~60重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
該混合物を10~20MPaの圧力で乳化処理し、加熱して、平均油滴径が12~20μmであり、表色系におけるL*値が80~90、a*値が-2.0~2.0、b*値が-6.0~6.0である水中油型乳化油脂組成物を得る工程、及び、
菓子用フラワーペースト全体中、水中油型乳化油脂組成物の含量が30~70重量%、20℃における粘度が90~150Pa・sのペースト状である風味素材の含量が70~30重量%となるように、5~35℃にて、前記水中油型乳化油脂組成物と前記風味素材とを混合する工程、
を含む、菓子用フラワーペーストの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021183900A JP2023071248A (ja) | 2021-11-11 | 2021-11-11 | 菓子用フラワーペースト |
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JP2023071248A true JP2023071248A (ja) | 2023-05-23 |
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