JP2023071154A - 計時器のための時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス - Google Patents

Abstract

【課題】 計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスを提供すること。【解決手段】 本発明は、計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）に関し、このディスプレイデバイス（１）は、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かすインジケータを備え、このインジケータは、時間変数の表示が、所望される頻度で、あるインジケーションから次のインジケーションに進む一連の中間位置を介して、初期位置から最終位置に移動するように、時計のムーブメントによって駆動されるように構成され、ディスプレイデバイス（１）は、インジケータを基準位置に位置決めするための機構（２２；７２）と、作動デバイスとをさらに備え、インジケータを基準位置に位置決めするための機構（２２；７２）は、作動されると、インジケータを基準位置に位置決めするための機構（２２；７２）が、インジケータを、その所定の基準位置に戻すように作動デバイスを作動させるカムを備える。【選択図】図１

Description

本発明は、計時器のための時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスに関する。より具体的には、本発明は、表示を補正するためのデバイスを設けられた、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのそのようなデバイスに関する。

本発明は、特に、腕時計タイプの計時器に含まれ、補正に事前のリセットを必要とするか、または、事前のリセットによって容易とされる、ムーンフェイズを表示するためのデバイス、または週を表示するためのデバイスなど、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスに関する。例として、ムーンフェイズを表示するためのデバイスの補正では、最後の満月からの日数を数える必要がある一方、年ごとに異なる可能性がある週数を表示する週暦とも呼ばれる週を表示するためのデバイスの補正は、年の初めにリセットを実行することで容易になる。

ムーンフェイズディスプレイデバイスは、２つの連続する新月の間の期間が２９日１２時間４４分２．８秒である太陰月中に、互いの後に続く異なる月のフェイズ（新月、満ちる三日月、上弦の月、満ちる凸月、満月、欠ける凸月、下弦の月、欠ける三日月）の表示を可能にする。機械式時計の分野では、ルネーションとも呼ばれるこの期間は、２９．５日に丸められ、通常、１日１ステップずつ進行する。そのため、ムーンフェイズディスプレイデバイスの補正も１日ステップで実行され、通常、カスタマに推奨される補正方法は、逐日補正部を操作することによって、ディスプレイを、たとえば満月のように、容易に識別可能な基準位置に移動させ、次に、特定の日における月齢から満月を区別する日数をカウントし、最後に、また逐日補正部によって、１日ステップで、ムーンフェイズディスプレイを適切な位置に移動させることである。したがって、ムーンフェイズディスプレイデバイスの補正は、このデバイスを、満月を表示する位置に移動させるために、２９回の補正を必要とし、その後、デバイスを、所与の日における月齢に対応する位置に移動させるために、最大２９回のさらなる補正を必要とし得ることが理解される。

週暦とも呼ばれる週を表示するためのデバイスは、その年に経過した週を示す。そのような週ディスプレイデバイスは、設計に応じて、単一のディスクによる１～５３の針またはシングルアパーチャディスプレイ、または、第１のディスクによる１の位（０～９）のためのディスプレイと、第２のディスクによる１０の位（０～５）のためのディスプレイとを備えた００～５９の「ラージデート」タイプのディスプレイを含む。年は、常に同じ週数を含むとは限らないため、通常、カスタマに推奨される補正方法は、週ディスプレイデバイスを、初期位置、つまり位置１に移動することである。針ディスプレイまたはシングルアパーチャディスプレイの場合、補正は簡単に実行される。他方、出願人の知る限りでは、「ラージデート」タイプのディスプレイの場合、位置５４から００を経由する必要なく、位置０１に即座に戻すことができるようにディスプレイを補正する方法はない。

時間変数の一連のインジケーションを表示するためのこれらの様々なタイプのデバイスは、多くの形態で存在する。これに対して行われた改良は、通常、表示の正確さ、または表示される情報の審美性に関する。

しかしながら、これらのディスプレイデバイスの使用に関連するいくつかの問題に対し、完全に満足できる解決策はまだ見出されていない。これは特に、腕時計を長期間停止した後、これらのディスプレイデバイスが正しい表示を再び提供するように設定する必要がある場合である。より具体的には、これらのディスプレイデバイスが含まれる計時器を、多かれ少なかれ、長期間停止させた後、ムーンフェイズディスプレイデバイスまたは週ディスプレイデバイスなどの一部のディスプレイデバイスを設定するための操作は、長く、飽き飽きする場合があることが理解される。

本発明は、ディスプレイの補正を容易にすることにより、計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスを提供することによって、前述の問題ならびに他の問題を克服することを目的とする。

この目的のために、本発明は、計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスに関し、このディスプレイデバイスは、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき時間変数のこの一連のインジケーションを指し示すインジケータを備え、このインジケータは、時間変数の表示が、所望される頻度で、あるインジケーションから次のインジケーションに進む一連の中間位置を介して、初期位置から最終位置に移動するように、時計のムーブメントによって駆動されるように構成され、ディスプレイデバイスは、インジケータを基準位置に位置決めするための機構と、作動デバイスとをさらに備え、インジケータを基準位置に位置決めするための機構は、作動されると、インジケータを基準位置に位置決めするための機構が、インジケータを、その所定の基準位置に戻すように作動デバイスを作動させるカムを少なくとも備える。

本発明の１つの特定の実施形態によれば、カムは、ハートピースまたは渦巻カムであり、インジケータに対するその位置決めは、インジケータの所定の基準位置を決定する。

本発明の別の特定の実施形態によれば、インジケータを基準位置に位置決めするための機構は、ハンマを備え、ハンマは、作動デバイスによって作動されると、インジケータを旋回させ、その所定の基準位置に戻すように、ハートピースまたは渦巻カムと接触するアクティブ位置に来るように構成される。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、ハートピースまたは渦巻カムは、インジケータに固定されるように取り付けられる。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、カムは、計時器のフレームに固定的に取り付けられたハートピースまたは渦巻カムであり、インジケータを基準位置に位置決めするための機構は、インジケータに取り付けられたハンマを備える。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、ハンマを作動させるために、作動デバイスは、ハンマをハートピースまたは渦巻カムと接触するアクティブ位置から遠ざけるように構成されたばねの弾性力に対抗して動作する押しボタンを備える。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、インジケータは、２つの月のインジケーションを動かし、１日１ステップの速度で、時計のムーブメントによって駆動される５９歯のムーンフェイズホイールである。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、ムーンフェイズホイールの所定の基準位置は、満月表示位置に対応する。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、インジケータは、１から５３までの週番号を有する目盛りの逆に移動するインジケータ針を動かす、年週を表示する５３歯のホイールである。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、年週ディスプレイホイールの基準位置は、週「１」の表示位置に対応する。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスは、「ラージデート」タイプからなり、週番号の１の位を表示するための１の位のディスプレイアセンブリと、週番号の１０の位を表示するための１０の位のディスプレイアセンブリとを備える。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、１の位のディスプレイアセンブリは、週番号０から９の１の位が刻印された、１０個の歯を備えた１の位のスターホイールに固定された１の位のディスクを備え、１０の位のディスプレイアセンブリは、週番号０から５の１０の位が刻印された、６個の歯を備えた１０の位のスターホイールに固定された１０の位のディスクを備え、インジケータを基準位置に位置決めするための機構は、１の位と１０の位のスターホイールのおのおのの下に固定的に取り付けられるように構成されたハートピースまたは渦巻カムを備え、作動デバイスは、ハートピースまたは渦巻カムに落下するハンマを備え、１の位のディスクと、１０の位のディスクとを、所定の基準位置に戻すために、同時に旋回させる。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、１の位のディスクおよび１０の位のディスクの所定の基準位置は、インジケーション「０１」の表示に対応する。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指し示すインジケータの、基準位置への位置決めは、たとえば、第１の押しボタンに対する動作によって、ユーザによって制御される一方、第２の押しボタンは、第１の押しボタンとは独立して、インジケータの段階的な補正を保証するために構成される。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指し示すインジケータの、基準位置への位置決めは、押しボタンに対して、第１の動作が加えられると自動的に実行され、同じ押しボタンに対して、第２の動作が加えられると、前記インジケータの段階的な補正を制御するように構成される。

本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指し示すインジケータの、駆動、補正、および基準位置への戻りは、オオカミ歯ラックによって実行され、インジケータの駆動および補正は、オオカミ歯ラックを１歯ずつ駆動することによって実行され、その逆方向の動きは、爪によって阻止され、基準位置へのインジケータの戻りは、オオカミ歯ラックを解放する爪を作動させることによって保証され、インジケータは、このオオカミ歯ラックの端部に設けられた歯と爪が噛み合う、戻りばねの作用の下でその静止位置に戻る。

本発明はさらに、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを表示するための少なくとも１つのデバイスを備える計時器に関し、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき時間変数のこの一連のインジケーションを指し示すインジケータの、基準位置への位置決めのための機構を設けられる。

計時器が、複数のディスプレイデバイスを備える場合、複数のディスプレイデバイスは、単一の押しボタンに対するユーザの一度の同じ動作によって、基準位置に同時に再配置され得るように構成される。

これらの特徴のおかげで、本発明は、ユーザによって要求されたとき、または最初の各補正時に自動的に、基準位置へ瞬時に再配置するための機構を備えた、計時器のための時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスを提供する。したがって、ディスプレイデバイスを埋め込まれている計時器が、多かれ少なかれ長期間停止された後、ディスプレイデバイスは、このインジケータをその初期位置に戻すために、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを動かすか、または、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指し示す、インジケータと一体化したカムに作用するハンマを単に作動させることによって、初期位置に戻される。したがって、たとえば、ムーンフェイズを表示するために、本発明によるディスプレイデバイスが使用される場合、従来のムーンフェイズディスプレイデバイスを、太陰月の初めに対応する位置に戻すために、計時器が停止した日に応じて、押しボタンを１回から３０回押すという面倒な操作は、もはや必要とされない。インジケータを基準位置に位置決めするための機構が、ハートピースを備えている場合、ディスプレイデバイスの補正は、両方の回転方向で実行することができる。しかしながら、渦巻カムが使用される場合、ディスプレイデバイスの補正は、常に同じ回転方向で実行され、これは、特に、第１のディスクによる１の位のディスプレイ（０～９）と、第２のディスクによる１０の位のディスプレイ（０～５）とを備えた、「ラージデート」タイプの週ディスプレイデバイスの場合に、特に興味深い。より具体的には、１の位のディスプレイおよび１０の位のディスプレイの補正を、週番号の通常の表示とは逆の回転方向に強制することによって、「ラージデート」ディスプレイデバイスは、存在しない週番号５４から５９をもはや一時的に表示することもない。

本発明の他の特徴および利点は、本発明によるディスプレイデバイスの１つの実施形態の以下の詳細な説明を読むことでより良く理解され、前記例は、例示のみを目的として提供され、添付の図面を参照して与えられた本発明の範囲を限定することを意図しない。

図１は、本発明による、基準位置にインジケータを位置決めするための機構を設けられたムーンフェイズディスプレイデバイスの上面図である。 図２は、ハートピースおよびハンマによって形成される基準位置にインジケータを位置決めするための機構を示すムーンフェイズディスプレイデバイスの底面図である。 図３は、インジケータを基準位置に位置決めするための機構が、渦巻カムおよびハンマによって形成されている場合を示す図２と同様の図である。 図４は、本発明による、基準位置にインジケータを位置決めするための機構を設けられた年週ディスプレイデバイスの上面図である。 図５は、渦巻カムおよびハンマによって形成された基準位置にインジケータを位置決めするための機構を示す年週ディスプレイデバイスの底面図である。 図６は、「ラージデート」タイプの年週を表示することを意図されたディスプレイデバイスの上面図である。 図７は、押しボタンによって制御される補正レバーによって補完された「ラージデート」年週ディスプレイを備えた図６と同様の図である。 図８は、１の位のスターホイールに固定された１０の位を駆動するためのフィンガが目に見え、１０の位のディスプレイアセンブリを、１０週間ごとに１ステップずつ増加させる、図６および図７と同様の図である。 図９は、本発明による、基準位置にインジケータを位置決めするための機構によって補完された「ラージデート」年週ディスプレイデバイスを備えた図６から図８と同様の図である。 図１０は、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指す針の駆動、補正、および基準位置への再配置がオオカミ歯ラックによって実行されるディスプレイデバイスの上面図である。

本発明は、ムーンフェイズまたは年週などの時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスに、基準位置へインジケータを位置決めするための機構を装備することからなる一般的な発明のアイデアから引き出され、これにより、一連のインジケーションを動かす、またはこの一連のインジケーションを指し示すインジケータを、インジケータと一体化されたカムに作用するハンマに対する単純な動作によって、即座に初期位置に戻すことができる。したがって、本発明によるディスプレイデバイスを埋め込まれている計時器が、多かれ少なかれ長期間停止した場合、インジケータをその初期位置に戻し、その後、この初期位置から、このインジケータの位置を、当日の関数として、手動で設定することは非常に容易である。

本明細書に添付された図１および図２に示される本発明の１つの特定の実施形態によれば、ムーンフェイズを表示するために、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスが提供される。一般的な参照番号１で全体的に示されるように、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイスは、ムーンフェイズインジケータ２を備える。非限定的な方式であるが、好ましくは、このムーンフェイズインジケータ２は、計時器の文字盤（図示せず）に設けられた開口を介してムーンフェイズを表示するための２つのムーンインジケーション４ａ、４ｂを動かす５９歯のムーンフェイズホイール３であり、ここには、本発明による時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス１が埋め込まれている。このムーンフェイズホイール３は、それ自体が１日１回転の速度で時間ホイール１０によって駆動される２４時間ホイール８に、固定的に取り付けられた駆動フィンガ６によって、１日１ステップの速度で駆動される。このムーンフェイズホイール３は、第１のばね１４によって弾性的な負荷を与えられたジャンパ１２によって定位置に保持される。時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス１は、通常の状況では、第２のばね１８の作用によってムーンフェイズホイール３から離れて保持される補正レバー１６をさらに備える。この補正レバー１６は、ムーンフェイズホイール３を段階的に進め、計時器のユーザが、第１の押しボタン２０を操作したときに、ムーンフェイズディスプレイを補正できるように構成されている。

本発明によれば、時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス１には、たとえば、ムーンフェイズホイール３の下面２６に固定的に取り付けられた、ハートピース２４の形態のカムを備える基準位置に、インジケータを位置決めするための機構２２を設けられる。このハートピース２４は、インデクス面２８を有し、インデクス面２８を介して、ハンマ３０と協働し、ハンマ３０は、第３のばね３２によって、ハートピース２４のインデクス面２８と接触するそのアクティブ位置から、弾性的に離れて保持される。ユーザが、第２の押しボタン３４を使用して、第３のばね３２の弾性力に対抗してハンマ３０を動作させると、ハンマ３０は、ハートピース２４に落下し、ハートピース２４のインデクス面２８上でこのハンマ３０が安定するまでハートピース２４を旋回させる。ムーンフェイズホイール３に対するハートピース２４の位置は、ハンマ３０がハートピース２４に落下したときに、ムーンフェイズホイール３が、その基準位置、好ましくは満月表示位置に戻されるように調整される。

本発明の１つの特定の実施形態によれば、インジケータを基準位置に位置決めするための機構２２のハートピース２４は、渦巻カム３６によって置き換えられる。インジケータを基準位置に位置決めするための機構２２は、他の点は変更されないままである。ハートピース２４を使用してムーンフェイズホイール３をその基準位置に戻す場合、このハートピース２４の外形のどこにハンマ３０が落下するかに応じて、ムーンフェイズホイール３は、ハンマ３０がインデクス面２８に当たるようになるまで、１つの方向または他の方向で回転する。渦巻カム３６が使用される場合、ムーンフェイズホイール３は、渦巻カム３６の外形のどこにハンマ３０が落下するかに関係なく、常に同じ方向に回転し、ハンマ３０が渦巻カム３６のらせん４０の端部３８に当たると停止する。

次に、ディスプレイデバイスが、年週の表示を意図される場合が検討される。一般的な参照番号４２で全体的に示されるように、そのような年週ディスプレイデバイスは、年週を示すインジケータを備える。非限定的な方式であるが、好ましくは、年週を示すこのインジケータは、１から５３までの週番号を有する目盛りの逆に移動するインジケータ針４６を有する、年週を表示する５３歯のホイール４４である（図４および図５を参照）。年週ディスプレイホイール４４を基準位置に位置決めするための機構２２は、他の点では変更されないままである。年週ディスプレイホイール４４は、週に１ステップの速度で駆動される。年週ディスプレイホイール４４は、その基準位置に戻されると、インジケータ針４６は、ハンマ３０を作動させることによって、好ましくは年週番号１のインジケーションを指し示し、この年週ディスプレイホイール４４は、渦巻カム３６の使用のおかげで、常に同じ方向に回転する。

渦巻カム３６の使用は、インジケータ針４６が年週を表示するために完全に回転しない場合に特に有利である。より具体的には、通常、より大きな、またはより厚いディスプレイによってインジケーション「１２」が強調される正午における文字盤への過負荷を避けるために、１から５３までの週の表示が、たとえば、１：３０から１０：３０の間、約２７０°の角度セクタでのみ行われるようにすることができる。そのような場合、渦巻カム３６によって、インジケータ針４６を、その基準位置に戻すことにより、このインジケータ針４６は、回転方向と逆方向に回転して、１から５３の週番号を表示することができ、インジケーション「１２」が表示される文字盤のセクタに、インジケータ針４６が入るリスクはもはやなくなる。

図６から図９に示される本発明の別の特定の実施形態によれば、年週を表示するために提供されるディスプレイデバイスは、「ラージデート」タイプからなる。一般的な参照番号４８で全体的に示されるように、「ラージデート」ディスプレイデバイスは、１の位のディスプレイアセンブリ５０、および１０の位のディスプレイアセンブリ５１を備える。

１の位のディスプレイアセンブリ５０は、週番号０から９の１の位が刻印されている１の位のディスク５２を備える。この１の位のディスク５２は、１０個の歯を有する１の位のスターホイール５４に固定されている。この１の位のスターホイール５４の位置は、１の位のジャンパ５６によってインデクス付けされている。この１の位のスターホイール５４は、１の位の駆動フィンガ５８によって、週に１ステップの速度で駆動される。１の位のディスプレイアセンブリ５０は、１の位のスターホイール５４に固定された１０の位の駆動フィンガ６０をさらに備え、１０の位の駆動フィンガ６０は、９週間の終了毎に、１０の位のディスプレイアセンブリ５１を１ステップずつ増加させる。

１０の位のディスプレイアセンブリ５１は、週番号０から５の１０の位が刻まれている１０の位のディスク６２を備える。この１０の位のディスク６２は、６個の歯を有する１０の位のスターホイール６４に固定されている。この１０の位のスターホイール６４の位置は、１０の位のジャンパ６６によってインデクス付けされる。１の位の週「９」から、１の位の週「０」に変化するとき、１の位のスターホイール５４は、１０の位の駆動フィンガ６０を介して、１０の位のスターホイール６４を駆動する。

「ラージデート」ディスプレイデバイス４８は、ユーザが押しボタン７０に動作を与えると、この押しボタン７０が作動されるたびに１の位のスターホイール５４が１ステップ進むことを可能にする補正レバー６８によって補完される。

本発明によれば、「ラージデート」ディスプレイデバイス４８は、１の位のスターホイール５４と、１０の位のスターホイール６４とのおのおのの下に固定的に取り付けられた、たとえば渦巻カム７４の形態の２つのカムを備えた基準位置に、インジケータを位置決めするための機構７２を設けられる。これらの渦巻カム７４のおのおのは、らせん状の外形７６を有することによって、ハンマ８０の作動面７８のうちの１つと協働し、ハンマ８０は、ばね８２によって、これらの渦巻カム７４と接触しているそのアクティブ位置から離れて、弾性的に保持されている。ユーザが押しボタン８４を使用して、ばね８２の弾性力に対抗してハンマ８０を動作させると、ハンマ８０は渦巻カム７４に落下し、このハンマ８０が、渦巻カム７４のらせん状の外形７６の端部８６において、安定するまで渦巻カム７４を旋回させる。１の位のスターホイール５４および１０の位のスターホイール６４に対する渦巻カム７４の位置は、ハンマ８０が渦巻カム７４に当たったときに、１の位のディスク５２および１０の位のディスク６２が、好ましくは、インジケーション「０１」を表示する、それらの基準位置に戻されるように調整される。

渦巻カム７４の使用の結果として、１の位のディスク５２および１０の位のディスク６２は、渦巻カム７４の外形のどこにハンマ８０が落下するかに関わらず、常に同じ方向に回転し、ハンマ８０が、渦巻カム７４のらせん状の外形７６の端部８６に来ると停止することを理解する必要がある。週番号の通常の表示とは逆の回転方向に、１の位のディスプレイおよび１０の位のディスプレイの補正を強制することによって、「ラージデート」ディスプレイデバイス４８は、存在しない週番号５４から５９をもはや一時的にも表示しなくなるので、これは特に有利である。

図１０に示される本発明の１つの特定の実施形態によれば、この場合、１５日連続である、表示されるべき時間変数の一連のインジケーションを指し示す、たとえばインジケータ針８８タイプのようなインジケータの駆動、補正、および基準位置への戻りは、第１の戻りばね９２によって定位置に保持されるオオカミ歯ラック９０によって実行され、その動作は、第２の戻りばね９６によって定位置に保持される補正レバー９４によって制御される。インジケータ針８８の駆動および段階的な補正は、矢印Ｆ１によって示されるように、補正レバー９４に力を加えることによって、補正レバー９４によって、オオカミ歯ラック９０を毎回１歯ずつ駆動することによって実行される。オオカミ歯ラック９０は、第３の戻りばね１００によって定位置に保持される爪９８によって、後方への移動を阻止される。インジケータ針８８をその基準位置に戻すことは、矢印Ｆ２によって示されるように、爪９８を作動させるユーザによって制御され、これは、オオカミ歯ラック９０の歯から爪９８を解放する効果があるので、オオカミ歯ラック９０を解放する。したがって、オオカミ歯ラック９０は、その戻りばね９２の作用の下で、爪９８がこのオオカミ歯ラック９０の端部に設けられた歯１０２と係合する静止位置に戻ることができる。

言うまでもなく、本発明は、上記の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な単純な代替および補正を検討することができる。特に、計時器は、時間変数の一連のインジケーションを表示するための複数のデバイスを設けることができ、おのおのは、本発明による、基準位置にインジケータを位置決めするための機構を設けられ、これらのディスプレイデバイスのすべては、単一の押しボタンに対するユーザによる一度の同じ動作によって、同時に基準位置に戻されることに留意されたい。また、本特許出願に添付された図面では、補正レバーなどの可動要素が、静止位置では点線で示され、アクティブ位置では実線で示されていることに留意する必要がある。

１ 時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス
２ ムーンフェイズインジケータ
３ ムーンフェイズホイール
４ａ、４ｂ ムーンインジケーション
６ 駆動フィンガ
８ ２４時間ホイール
１０ 時間ホイール
１２ ジャンパ
１４ 第１のばね
１６ 補正レバー
１８ 第２のばね
２０ 第１の押しボタン
２２ インジケータを基準位置に位置決めするための機構
２４ ハートピース
２６ 下面
２８ インデクス面
３０ ハンマ
３２ 第３のばね
３４ 第２の押しボタン
３６ 渦巻カム
３８ 端部
４０ らせん
４２ 年週ディスプレイデバイス
４４ 年週ディスプレイホイール
４６ インジケータ針
４８ 「ラージデート」ディプレイデバイス
５０ １の位のディスプレイアセンブリ
５１ １０の位のディスプレイアセンブリ
５２ １の位のディスク
５４ １の位のスターホイール
５６ １の位のジャンパ
５８ １の位の駆動フィンガ
６０ １０の位の駆動フィンガ
６２ １０の位のディスク
６４ １０の位のスターホイール
６６ １０の位のジャンパ
６８ 補正レバー
７０ 押しボタン
７２ インジケータを基準位置に位置決めするための機構
７４ 渦巻カム
７６ らせん状の外形
７８ 作動面
８０ ハンマ
８２ ばね
８４ 押しボタン
８６ 端部
８８ インジケータ針
９０ オオカミ歯ラック
９２ 第１の戻りばね
９４ 補正レバー
９６ 第２の戻りばね
９８ 爪
１００ 第３の戻りばね
１０２ 歯

Claims (18)

1. 計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）であって、このディスプレイデバイス（１）は、表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき前記時間変数のこの一連のインジケーションを指し示すインジケータを備え、このインジケータは、前記時間変数の表示が、所望される頻度で、あるインジケーションから次のインジケーションに進む一連の中間位置を介して、初期位置から最終位置に移動するように、時計のムーブメントによって駆動されるように構成され、前記ディスプレイデバイス（１）は、前記インジケータを基準位置に位置決めするための機構（２２；７２）と、作動デバイスとをさらに備え、前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構（２２；７２）は、作動されると、前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構（２２；７２）が、前記インジケータを、その所定の基準位置に戻すように前記作動デバイスを作動させるカムを少なくとも備える、デバイス（１）。
2. 前記カムは、ハートピース（２４）または渦巻カム（３６；７４）であり、前記インジケータに対するその位置決めは、前記インジケータの前記所定の基準位置を決定することを特徴とする、請求項１に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
3. 前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構は、ハンマ（３０；８０）を備え、前記ハンマ（３０；８０）は、前記作動デバイスによって作動されると、前記インジケータを旋回させて、その所定の基準位置に戻すように、前記ハートピース（２４）または渦巻カム（３６；７４）と接触するアクティブ位置に来るように構成されることを特徴とする、請求項２に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
4. 前記ハートピース（２４）または前記渦巻カム（３６，７４）は、前記インジケータに固定的に取り付けられることを特徴とする、請求項３に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
5. 前記カムは、前記計時器のフレームにおける場所に固定的に取り付けられたハートピース（２４）または渦巻カム（３６，７４）であり、前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構は、前記インジケータに取り付けられたハンマ（３０；８０）を備えることを特徴とする、請求項１に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
6. 前記ハンマ（３０；８０）を作動させるために、前記作動デバイスは、前記ハンマ（３０；８０）を、前記ハートピース（２４）または渦巻カム（３６，７４）と接触するアクティブ位置から遠ざけるように構成されたばね（３２；８２）の弾性力に対抗して動作する押しボタン（３４；８４）を備えることを特徴とする、請求項３に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
7. 前記インジケータは、２つの月のインジケーション（４ａ，４ｂ）を動かし、１日１ステップの速度で、前記時計のムーブメントによって駆動される５９歯のムーンフェイズホイール（３）であることを特徴とする、請求項２から請求項６のいずれか一項に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
8. 前記ムーンフェイズホイール（３）の前記所定の基準位置は、満月表示位置に対応することを特徴とする、請求項７に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
9. 前記インジケータは、１から５３までの週番号を有する目盛りの逆に移動するインジケータ針（４６）を動かす、５３歯の年週ディスプレイホイール（４４）であることを特徴とする、請求項２から請求項６のいずれか一項に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
10. 前記年週ディスプレイホイール（４４）の前記所定の基準位置は、週「１」の表示位置に対応することを特徴とする、請求項９に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
11. 「ラージデート」タイプからなり、週番号の１の位を表示するための１の位のディスプレイアセンブリ（５０）と、前記週番号の１０の位を表示するための１０の位のディスプレイアセンブリ（５１）とを備えることを特徴とする、請求項２から請求項６のいずれか一項に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
12. 前記１の位のディスプレイアセンブリ（５０）は、前記週番号０から９の１の位が刻印された、１０個の歯を備えた１の位のスターホイール（５４）に固定された１の位のディスク（５２）を備え、前記１０の位のディスプレイアセンブリ（５１）は、前記週番号０から５の１０の位が刻印された、６個の歯を備えた１０の位のスターホイール（６４）に固定された１０の位のディスク（６２）を備え、前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構は、１の位のスターホイール（５４）と１０の位のスターホイール（６４）とのおのおのの下に固定的に取り付けられたハートピースまたは渦巻カム（７４）を備え、前記作動デバイスは、前記ハートピースまたは渦巻カム（７４）に落下するハンマ（８０）を備え、前記１の位のディスク（５２）と、前記１０の位のディスク（６２）とをそれぞれの所定の基準位置に戻すために、同時に旋回させることを特徴とする、請求項１１に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
13. 前記１の位のディスク（５２）および前記１０の位のディスク（６２）の前記所定の基準位置は、前記インジケーション「０１」の表示に対応することを特徴とする、請求項１２に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
14. 計時器の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）であって、このディスプレイデバイス（１）は、表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき前記時間変数のこの一連のインジケーションを指し示すインジケータを備え、このインジケータは、前記時間変数の表示が、所望される頻度で、あるインジケーションから次のインジケーションに進む一連の中間位置を介して、初期位置から最終位置に移動するように、時計のムーブメントによって駆動されるように構成され、前記ディスプレイデバイス（１）は、前記インジケータを基準位置に位置決めするための機構と、作動デバイスとをさらに備え、前記インジケータを基準位置に位置決めするための前記機構は、表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを指し示す前記インジケータを駆動し、補正し、前記基準位置へ戻すオオカミ歯ラック（９０）を備え、前記インジケータの前記駆動および補正は、前記オオカミ歯ラック（９０）を１歯ずつ駆動することによって実行され、その逆方向の動きは、爪（９８）によって阻止され、基準位置における前記インジケータの前記位置決めは、前記オオカミ歯ラック（９０）を解放する前記爪（９８）を作動させることによって保証され、前記インジケータは、このオオカミ歯ラック（９０）の端部に設けられた歯（１０２）と前記爪（９８）とが噛み合う、戻りばね（９２）の作用の下でその静止位置に戻る、デバイス（１）。
15. 表示されるべき前記時間変数の一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき前記時間変数の一連のインジケーションを指し示す前記インジケータの、前記基準位置への位置決めは、第１の押しボタンに対する動作によって、ユーザによって制御される一方、第２の押しボタンは、前記第１の押しボタンとは独立して、前記インジケータの段階的な補正を保証するように構成されることを特徴とする、請求項１に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
16. 表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを動かす、または、表示されるべき前記時間変数の前記一連のインジケーションを指し示す前記インジケータの、前記基準位置への位置決めは、押しボタンに対して、第１の動作が加えられると自動的に実行され、同じ押しボタンに対して、第２の動作が加えられると、前記インジケータの段階的な補正を制御するように構成されることを特徴とする、請求項１に記載の時間変数の一連のインジケーションを表示するためのデバイス（１）。
17. 請求項１に記載の少なくとも１つのディスプレイデバイス（１）を備える、計時器。
18. 単一の押しボタンに対するユーザの一度の同じ動作によって、前記基準位置に同時に再配置されるように構成された複数のディスプレイデバイス（１）を備えることを特徴とする、請求項１７に記載の計時器。

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