JP2023070754A - 冷菓用油脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷菓において、喫食時の濃厚感を示す乳味と後半のキレの良さ、すっきり感の付与が可能な油脂を提供することにある。【解決手段】ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する油脂が、冷菓の乳味とキレの良さ、すっきり感を付与することを見出した。【選択図】なし
Description
本発明は、冷菓用油脂およびそれを使用した冷菓に関する。
従来から、アイスクリーム類と呼ばれる、アイスクリームやアイスミルク、ラクトアイス等の製造において、風味の付与、食感の改良、物性の改善などを目的として油脂が配合されている。
アイスクリーム類など、冷菓の製造の際には、まず原料を混合溶解し、均質化、殺菌等の処理後、これを冷却してミックス液と呼ばれる原料混合液を調製する。このミックス液は通常エージングという貯蔵工程を経て使用に供される。このミックス液をフリージングして、充填・包装工程ののち、硬化工程にて凍結されて最終製品である冷菓が得られる。
油脂を冷菓に使用する場合、乳脂とは異なる様々な機能、特徴を利用することが可能となり、これまでにもいくつかの試みがなされてきた。例えば、濃厚感に優れた冷凍菓子用油脂組成物として、ラウリン酸を含み、一定の固体脂含量(SFC)を示す油脂組成物が開示されている(特許文献1)。また、乳様の風味が付与できる乳化物として、炭素数が6~10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを含み、一定量のラウリン酸を含む乳化物が示されている(特許文献2)。
さらには、コク味に優れ、キレやアッサリ感をも有する冷菓を提供するため、SUS型トリグリセリドに富む油脂とラウリン系油脂を主要成分とする混合油脂(特許文献3)、濃厚感と爽やかな風味を併せ持つ冷凍菓子用ミックスに使用するため、パーム系油脂及びラウリン系油脂の少なくとも一方とオリーブ油とを混合する油脂が開示されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、冷菓への濃厚感の付与に一定の効果が得られるものの、濃厚感が強いために、喫食時後半まで濃厚感が続き、口残りするため、すっきり感が得られないという課題が残る。特許文献3や特許文献4では濃厚感とすっきり感の両方を得ることを課題としているが、濃厚感、すっきり感のどちらかに偏る傾向があり、技術的には不十分であった。
冷菓においては油脂の配合量は限られており、油脂種やその配合量の調整だけでは、冷菓への風味付与、特に喫食時の濃厚感を示す乳味と後半のすっきり感という相反する効果は、容易に解決することができない、困難な課題であった。
よって本発明の目的は、冷菓の乳味とキレの良さ、すっきり感の付与が可能な新規な油脂を提供することにある。
よって本発明の目的は、冷菓の乳味とキレの良さ、すっきり感の付与が可能な新規な油脂を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する、ランダムエステル交換油が、冷菓の乳味とキレの良さ、すっきり感を付与することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する、冷菓用ランダムエステル交換油、
(2)該油脂原料が、パーム核油、ヤシ油から選ばれる1以上を含むものである、(1)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油、
(3)(1)または(2)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を含有する、冷菓用油脂、
(4)冷菓100質量部に対して、(3)に記載の冷菓用油脂を1~20質量部含有した冷菓、
(5)(1)または(2)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を冷菓に使用する、冷菓喫食時の風味を改善する方法、
(6)(3)に記載の冷菓用油脂を使用して乳化物を調製し、殺菌工程と、均質化工程と、冷却工程を行う、冷菓ミックスの製造方法、
(7)(6)に記載の冷菓ミックスを使用し、フリージングして凍結させる、冷菓の製造方法、
に関するものである。
(1)ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する、冷菓用ランダムエステル交換油、
(2)該油脂原料が、パーム核油、ヤシ油から選ばれる1以上を含むものである、(1)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油、
(3)(1)または(2)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を含有する、冷菓用油脂、
(4)冷菓100質量部に対して、(3)に記載の冷菓用油脂を1~20質量部含有した冷菓、
(5)(1)または(2)に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を冷菓に使用する、冷菓喫食時の風味を改善する方法、
(6)(3)に記載の冷菓用油脂を使用して乳化物を調製し、殺菌工程と、均質化工程と、冷却工程を行う、冷菓ミックスの製造方法、
(7)(6)に記載の冷菓ミックスを使用し、フリージングして凍結させる、冷菓の製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、乳味を適度に感じつつ、キレの良い、すっきりとした後味の冷菓を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する。本発明でいうラウリン系油脂とは、ラウリン酸を主要な構成脂肪酸として含む油脂である。具体的にはパーム核油、ヤシ油、またパーム核油、ヤシ油の1種以上の油脂に対して、分別、硬化、エステル交換の1つ以上の加工を経た油脂を挙げることができる。他の油脂が混合される場合、ラウリン系油脂を、例えば80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上配合できる。
本発明でいうラウリン系油脂を含む油脂原料とは、上記ラウリン系油脂を必須の構成要件として含み、上記ラウリン系油脂単独の場合の他、前記構成を満たせば、ラウリン系油脂以外の種々の油脂を油脂原料として使用することができる。使用することができる油脂として、例えば大豆油、菜種油、パーム油、綿実油、ゴマ油、米油、コーン油、魚油、及びこれらを分別、硬化、エステル交換から選ばれる1つ以上の加工を経た油脂から選ばれる1種以上を含むものである。
本発明でいうラウリン系油脂を含む油脂原料とは、上記ラウリン系油脂を必須の構成要件として含み、上記ラウリン系油脂単独の場合の他、前記構成を満たせば、ラウリン系油脂以外の種々の油脂を油脂原料として使用することができる。使用することができる油脂として、例えば大豆油、菜種油、パーム油、綿実油、ゴマ油、米油、コーン油、魚油、及びこれらを分別、硬化、エステル交換から選ばれる1つ以上の加工を経た油脂から選ばれる1種以上を含むものである。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油の特徴は、ラウリン系油脂を含む油脂原料に非ラウリン系油脂を必須成分として含有する必要がない。そして、本発明の冷菓用ランダムエステル交換油の特徴は、中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする中鎖脂肪酸結合油脂を、ラウリン系油脂を含む油脂原料に必須成分として含有する必要がない。本発明の効果を阻害しない範囲内で、非ラウリン系油脂を使用しても良いが、より好ましい態様は、油脂原料に非ラウリン系油脂を使用せずにラウリン系油脂のみである。さらに好ましい態様は、パーム核油、ヤシ油から選ばれる1種以上のみである。そして、パーム核油、ヤシ油も分別等の加工がされていない油脂が、調製が単純で好ましい。好ましい油脂を使用することで、適度な乳味が感じつつ、キレの良いアイスクリーム類が得られる。なお、非ラウリン系油脂とは、上記のラウリン系油脂以外の油脂をいう。
本発明でいうランダムエステル交換とは、油脂に結合した脂肪酸を、触媒を用いてランダムにエステル交換する加工方法をいう。本発明で用いる触媒は、ナトリウムメチラートなどの化学触媒、ランダムエステル交換活性を有するリパーゼなどを用いることができる。なお、リパーゼを用いる場合、リパーゼは市販品を使用することができ、ランダムエステル交換活性を有するリパーゼであれば、その種類は問わない。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、ラウリン酸を35~80質量%含有する。この量は、より好ましくは40~70質量%、さらに好ましくは43~60質量%である。ラウリン酸の含量が適当であることで、適度な乳味を感じつつも、キレの良いアイスクリームを得ることができる。なお、本発明に係る冷菓用ランダムエステル交換油は、ランダムエステル交換により製造されるものであるため、ランダムエステル交換に供される油脂原料の段階においても、同様に、ラウリン酸を35~80質量%含有する必要がある。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、ラウリン酸/オクタン酸(炭素数8)+デカン酸(炭素数10)の質量比(以下、C12:0/(C8:0+C10:0)比という)が、2.5以上であることが好ましい。より好ましくは2.8以上、さらに好ましくは3.0以上である。またC12:0/(C8:0+C10:0)比の下限値は、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8.5以下である。C12:0/(C8:0+C10:0)比が適当であることで、アイスクリーム類の乳味を感じつつ、適度なキレを付与することができる。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、20℃での固体脂含量(SFC)が60%以下であることが好ましい。より好ましくは55%以下、さらに好ましくは50%以下である。20℃でのSFCが適当であることで、アイスクリーム類の乳味を感じつつ、適度なキレを付与することができる。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、30℃での固体脂含量(SFC)が10%以下であることが好ましい。より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。30℃でのSFCが適当であることで、アイスクリーム類の乳味を感じつつ、適度なキレを付与することができる。
本発明の冷菓用ランダムエステル交換油は、全トリグリセリドに占める、トリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が40~44(CN40~CN44)の合計量が30質量%以上であることが好ましい。より好ましくは33質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上である。CN40~CN44の合計量が適当であることで、アイスクリーム類の乳味を感じつつ、適度なキレを付与することができる。
本発明の冷菓用油脂は、上記の冷菓用ランダムエステル交換油を必須成分とする他に、種々の油脂類を使用することができる。使用することができる油脂類としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、米油、紅花油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、パーム油、ヤシ油、パーム核油、シア脂、サル脂などの植物油脂及び牛脂、豚脂、乳脂などの動物脂、藻類油、並びにこれらを分別、硬化、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂などが例示できる。
本発明の冷菓用油脂は、上記の冷菓用ランダムエステル交換油を冷菓用油脂全体に対して、1質量%以上配合することが好ましい。より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。また上限値は、100質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは60質量%以下である。この配合量が適当であることで、アイスクリーム類の乳味を感じつつ、適度なキレを付与することができる。
本発明の冷菓用油脂は、冷菓を製造する際に使用される油脂である。本発明の冷菓用油脂を使用した冷菓の好ましい態様は、冷菓100質量部に対して、本発明の冷菓用油脂を1~20質量部含有する配合が例示できる。
本発明でいう冷菓は、冷凍温度域で喫食される菓子類であれば、特にその種類は限定されず、代表的な物として「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、いわゆる「乳等省令」で規定される、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスや、厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」で規定される氷菓が挙げられる。
アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなどのアイスクリーム類は、通常、脂肪源、無脂乳固形分、糖分、乳化剤及び水を主要成分とする。
本発明の冷菓の代表的な例示がアイスクリーム類であって、アイスクリーム類の成分は乳脂肪、無脂乳固形分、甘味料、安定剤、乳化剤、香味料、水分などからなる。
アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスなどのアイスクリーム類は、通常、脂肪源、無脂乳固形分、糖分、乳化剤及び水を主要成分とする。
本発明の冷菓の代表的な例示がアイスクリーム類であって、アイスクリーム類の成分は乳脂肪、無脂乳固形分、甘味料、安定剤、乳化剤、香味料、水分などからなる。
冷菓の製造工程を例示する。まず原料を混合融解し、分散して乳化物を調製する。調製した乳化物を、均質化、殺菌等の処理後、それを冷却して原料混合液を調製する。本明細書では、原料混合液を冷菓ミックスと表記する。この冷菓ミックスは通常エージングという貯蔵工程を経て使用に供される。冷菓はこの冷菓ミックスを工場にてフリージングして凍結し、冷菓の最終製品として流通、販売する場合と、冷菓ミックスの状態で流通され点等にてフリージング後に最終製品である冷菓として販売する方法がある。
本発明の好ましい態様としては、本発明の冷菓用油脂は、前記の冷菓ミックスを製造する際に使用される。本発明の冷菓用油脂を冷菓ミックス用途で使用した場合に、本発明の効果が生じやすいものである。
本発明はまた、冷菓喫食時の風味を改善する方法ととらえることもできる。具体的には、ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する、冷菓用ランダムエステル交換油を冷菓に使用することを特徴とする。このようなランダムエステル交換油を冷菓に使用することで、具体的には、喫食時の乳味を適度に感じつつ、後半のキレの良い、すっきりとした後味を得ることができる。
(実施例)
以下、実施例により、より詳細に発明の実施態様を説明する。なお、文中「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準を意味する。
以下、実施例により、より詳細に発明の実施態様を説明する。なお、文中「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準を意味する。
(分析方法)
脂肪酸組成はAOCS Official Method Ce 1h-05の方法に、SFCはIUPAC.2 150(a)Solid Content Determination In Fats By NMRの方法に、油脂のトリグリセリド組成(総炭素数)の測定は、日本油化学会制定の基準油脂分析試験法2.4.6トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法)に、それぞれ準じて測定した。
脂肪酸組成はAOCS Official Method Ce 1h-05の方法に、SFCはIUPAC.2 150(a)Solid Content Determination In Fats By NMRの方法に、油脂のトリグリセリド組成(総炭素数)の測定は、日本油化学会制定の基準油脂分析試験法2.4.6トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法)に、それぞれ準じて測定した。
(検討油脂)
油脂1はパーム核油(不二製油株式会社製「精製パーム核油」)とした。
油脂2はパーム核油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
油脂3はヤシ油(不二製油株式会社製「精製ヤシ油」)とした。
油脂4はヤシ油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
油脂5はパーム核低融点油(不二製油株式会社製「PKエース200」)とした。
油脂6はパーム核低融点油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
上記の油脂の他、パーム中融点油(不二製油株式会社製「パーメル26」)を使用した。各検討油脂の組成は表1に示した。なお、不飽和脂肪酸はC18:1とC18:2とC18:3の合計量を示した。また、C40~C44の合計量とは、構成脂肪酸の総炭素数が40~44のトリグリセリドの油脂全体に占める割合(質量%)を示した。
油脂1はパーム核油(不二製油株式会社製「精製パーム核油」)とした。
油脂2はパーム核油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
油脂3はヤシ油(不二製油株式会社製「精製ヤシ油」)とした。
油脂4はヤシ油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
油脂5はパーム核低融点油(不二製油株式会社製「PKエース200」)とした。
油脂6はパーム核低融点油100質量%に対して、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加してランダムエステル交換し、常法通りに脱色、脱臭を施した油脂とした。
上記の油脂の他、パーム中融点油(不二製油株式会社製「パーメル26」)を使用した。各検討油脂の組成は表1に示した。なお、不飽和脂肪酸はC18:1とC18:2とC18:3の合計量を示した。また、C40~C44の合計量とは、構成脂肪酸の総炭素数が40~44のトリグリセリドの油脂全体に占める割合(質量%)を示した。
上記油脂を用いて、ラクトアイスを作製して評価した。
(ラクトアイスの作製方法)
表2の配合量に従い、下記手順で作製した。
1. 脱脂粉乳、グラニュー糖、粉末水あめ、乳化剤、安定剤を混合した。
2. 温めたイオン交換水(品温80℃以上)に混合した1を投入した。
3. ホモミキサーで撹拌しながら(8000rpm)、凍結加糖卵黄、検討油脂の順に投入した。なお、検討油脂の配合を表3に示した。
4. 19分間撹拌した。
5. バニラフレーバーを投入し、1分間撹拌した。
6. 高圧ホモゲナイザーにて乳化、均質化した(150kgf/cm2を1パス、エスエムテー株式会社製LAB1000)。
7. 冷蔵(5℃)で一晩エージングを行い、冷菓ミックスを得た。
8. 得られた冷菓ミックスを、アイスクリーマー(AIKOH社製)で、フリージングを15分行った。
9. 容器に分注し、-40℃で60分間ショックフリージングをした。
10. 冷凍保存した。得られたラクトアイスを本発明の冷菓とした。
表2の配合量に従い、下記手順で作製した。
1. 脱脂粉乳、グラニュー糖、粉末水あめ、乳化剤、安定剤を混合した。
2. 温めたイオン交換水(品温80℃以上)に混合した1を投入した。
3. ホモミキサーで撹拌しながら(8000rpm)、凍結加糖卵黄、検討油脂の順に投入した。なお、検討油脂の配合を表3に示した。
4. 19分間撹拌した。
5. バニラフレーバーを投入し、1分間撹拌した。
6. 高圧ホモゲナイザーにて乳化、均質化した(150kgf/cm2を1パス、エスエムテー株式会社製LAB1000)。
7. 冷蔵(5℃)で一晩エージングを行い、冷菓ミックスを得た。
8. 得られた冷菓ミックスを、アイスクリーマー(AIKOH社製)で、フリージングを15分行った。
9. 容器に分注し、-40℃で60分間ショックフリージングをした。
10. 冷凍保存した。得られたラクトアイスを本発明の冷菓とした。
(評価方法)
製造1日後のラクトアイスを「乳味の有無」と「キレの良さ(すっきりとした後味)」について、下記基準で評価した。パネラー7名で官能評価を行い、パネラーの合議で両項目ともに3点以上のものを合格とした。結果を表4に示した。
製造1日後のラクトアイスを「乳味の有無」と「キレの良さ(すっきりとした後味)」について、下記基準で評価した。パネラー7名で官能評価を行い、パネラーの合議で両項目ともに3点以上のものを合格とした。結果を表4に示した。
○乳味の有無
1点:乳味が感じられない。
2点:乳味が弱い。
3点:乳味が感じられる。
4点:乳味が感じられ、全体的な風味にまとまりがある。
○キレの良さ(すっきりとした後味)
1点:もったりして、すっきり感が感じられない。
2点:キレが弱い。
3点:すっきりしているが、4より弱い。
4点:すっきりして、キレを感じられる。
1点:乳味が感じられない。
2点:乳味が弱い。
3点:乳味が感じられる。
4点:乳味が感じられ、全体的な風味にまとまりがある。
○キレの良さ(すっきりとした後味)
1点:もったりして、すっきり感が感じられない。
2点:キレが弱い。
3点:すっきりしているが、4より弱い。
4点:すっきりして、キレを感じられる。
実施例1~実施例4では、何れも乳味が感じられ、またすっきり感もあり、キレも良かった。比較例と比べて、実施例は何れも乳味の感じ方が強く、またキレも良い傾向にあった。特に、実施例1と実施例3が最も風味が良く、実施例2の配合においても乳味とキレが共に良好であった。
一方で、比較例1と比較例3は乳味が弱く、またキレも弱く、すっきりとした後味は得られなかった。比較例2ではキレは良かったものの、乳味が弱かった。またラウリン酸を含まない比較例4では、乳味は感じられるものの、キレが悪く、もったりして、すっきり感は感じられなかった。
一方で、比較例1と比較例3は乳味が弱く、またキレも弱く、すっきりとした後味は得られなかった。比較例2ではキレは良かったものの、乳味が弱かった。またラウリン酸を含まない比較例4では、乳味は感じられるものの、キレが悪く、もったりして、すっきり感は感じられなかった。
Claims (7)
- ランダムエステル交換油の油脂原料としてラウリン系油脂を含み、構成脂肪酸組成中ラウリン酸を35~80質量%含有する、冷菓用ランダムエステル交換油。
- 該油脂原料が、パーム核油、ヤシ油から選ばれる1以上を含むものである、請求項1に記載の冷菓用ランダムエステル交換油。
- 請求項1または2に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を含有する、冷菓用油脂。
- 冷菓100質量部に対して、請求項3に記載の冷菓用油脂を1~20質量部含有した冷菓。
- 請求項1または2に記載の冷菓用ランダムエステル交換油を冷菓に使用する、冷菓喫食時の風味を改善する方法。
- 請求項3に記載の冷菓用油脂を使用して乳化物を調製し、殺菌工程と、均質化工程と、冷却工程を行う、冷菓ミックスの製造方法。
- 請求項6に記載の冷菓ミックスを使用し、フリージングして凍結させる、冷菓の製造方法。
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