JP2023068718A - プリント配線板及びプリント回路板 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023068718000001
【課題】金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、靭性が高いプリント配線板及びこれを用いたプリント回路板を提供することである。
【解決手段】金属配線3を有する配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層4とを有するプリント配線板1であって、前記金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であり、前記絶縁樹脂層が、樹脂と、含窒素複素芳香環化合物とを含有し、前記含窒素複素芳香環化合物を、前記絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板及びプリント回路板に関する。
より詳しくは、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、耐久性が高いプリント配線板等に関する。
近年、データ社会化の進展により、プリント配線板における金属配線間の間隔の微細化(ファインピッチ化)が進んでおり、具体的には金属配線間の間隔が100μm以下であるプリント配線板が多く用いられるようになっている。このようなプリント配線板において、イオンマイグレーションが発生しやすいことが問題となっている。「イオンマイグレーション」とは、電圧印加等に起因して陽極側から溶出した金属イオンが陰極側に析出し回路が短絡する現象であり、金属配線間の間隔が狭い程発生しやすい。
イオンマイグレーションを抑制するための手段として、金属配線面に接して設けられる絶縁樹脂層に、イオンマイグレーション抑制能を有する含窒素複素芳香環化合物を含有させる技術が従来用いられている。
例えば、特許文献1では、上述の絶縁樹脂層に該当する接着剤層を形成する組成物として、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びトリアジン環を有する化合物を含有する組成物が開示されている。また、特許文献2では、上述の絶縁樹脂層に該当するソルダーレジスト等を形成する組成物として、特定の化学構造を有するトリアジン化合物をエポキシ樹脂等に含有させた組成物が開示されている。さらに、特許文献3では、上述の絶縁樹脂層に該当する硬化膜を形成する組成物として、(メタ)アクリレートポリマー及びベンゾトリアゾール化合物からなる組成物が開示されている。
他方で、プリント配線板は、電子部品搭載工程時や使用中に受ける負荷によって動作不良を起こさないようにするために、耐久性が高いことも求められる。そのため、プリント配線板が備える絶縁樹脂層は、イオンマイグレーションの抑制だけでなく、プリント配線板の表面を保護して耐久性を高める観点から、靭性が優れていることも重要である。しかしながら、上述の先行技術文献において開示されている組成物は、絶縁樹脂層に添加した場合、イオンマイグレーションの抑制には効果を有するものの、絶縁樹脂層の靭性を大きく低下させてしまう問題を有していた。
そのため、金属配線間の間隔が微細であるプリント配線板において、イオンマイグレーションの抑制と高耐久性の両立には改善の余地があり、これを解決する技術の開発が求められていた。
特開2021-59656号公報 特開2017-48159号公報 国際公開第2016/013543号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、耐久性が高いプリント配線板及びこれを用いたプリント回路板を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記課題の原因等について検討した結果、特定の構造を有する含窒素複素芳香環化合物を0.10~30質量%の範囲内で含有させた絶縁樹脂層を、金属配線の最も狭い間隔が10~100μmの範囲内である配線基板の金属配線面に接して設けることで、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、耐久性が高いプリント配線板を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.金属配線を有する配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層とを有するプリント配線板であって、
前記金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であり、
前記絶縁樹脂層が、樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物とを含有し、
前記含窒素複素芳香環化合物を、前記絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有することを特徴とするプリント配線板。
Figure 2023068718000002
[一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、窒素原子又はCRを表す。Rは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、チオール基、カルボニル基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシ基を表し、更に置換基を有していても良い。]
2.前記一般式(1)中、X、X及びXが、CRを表し、X及びXが、窒素原子を表すことを特徴とする第1項に記載のプリント配線板。
3.前記金属配線の最も狭い間隔が、50~100μmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のプリント配線板。
4.前記樹脂が、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂のいずれかを含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
5.前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値が、19.0~24.0MPa1/2の範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
6.前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値をSPとし、前記樹脂の溶解度パラメータ値をSPとしたとき、下記式で求められるΔSPが、-2.5~2.5MPa1/2の範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
(式)ΔSP=SP-SP
7.プリント配線板に電子部品が接続されて構成されるプリント回路板であって、
前記プリント配線板が、第1項から第6項までのいずれか一項に記載のプリント配線板であることを特徴とするプリント回路板。
本発明の上記手段により、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、耐久性が高いプリント配線板を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明のプリント配線板が絶縁樹脂層に含有する含窒素複素芳香環化合物は、窒素原子が金属及び金属イオンと相互作用することによって、イオンマイグレーションを抑制することができる。また、本発明に係る含窒素複素芳香環化合物は、上記一般式(1)で表される構造を有していることで、従来の添加化合物よりも溶解度パラメータ値が低く、これにより、絶縁樹脂層が含有する樹脂との相溶性が比較的高くなっている。このことにより、本発明に係る含窒素複素芳香環化合物は、絶縁樹脂層に添加しても絶縁樹脂層の靭性を大きく低下させることがなく、ひいてはプリント配線板の耐久性を高くすることができる。
これらの発現機構又は作用機構により、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されており、かつ、耐久性が高いプリント配線板を提供することができると考えられる。
金属配線を模式的に2本のみ示したプリント配線板の断面図
本発明のプリント配線板は、金属配線を有する配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層とを有するプリント配線板であって、前記金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であり、前記絶縁樹脂層が、樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物とを含有し、前記含窒素複素芳香環化合物を、前記絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有することを特徴とする。
この特徴は、下記実施形態に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明のプリント配線板の実施形態としては、イオンマイグレーション抑制効果や樹脂との相溶性の観点から、一般式(1)中、X、X及びXが、CRを表し、X及びXが、窒素原子を表すことが好ましい。
本発明のプリント配線板の実施形態としては、イオンマイグレーション抑制効果の観点から、前記金属配線の最も狭い間隔が、50~100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明のプリント配線板の実施形態としては、イオンマイグレーション抑制効果や含窒素複素芳香環化合物との相溶性の観点から、前記樹脂が、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂のいずれかを含有することが好ましい。
本発明のプリント配線板の実施形態としては、樹脂との相溶性の観点から、前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値が、19.0~24.0MPa1/2の範囲内であることが好ましい。
本発明のプリント配線板の実施形態としては、相溶性の観点から、前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値をSPとし、前記樹脂の溶解度パラメータ値をSPとしたとき、上記式で求められるΔSPが、-2.5~2.5MPa1/2の範囲内であることが好ましい。
本発明のプリント回路板は、プリント配線板に電子部品が接続されて構成されるプリント回路板であって、前記プリント配線板が、本発明のプリント配線板であることを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(1)プリント配線板の概要
本発明のプリント配線板は、金属配線を有する配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層とを有するプリント配線板であって、前記金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であり、前記絶縁樹脂層が、樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物とを含有し、前記含窒素複素芳香環化合物を、前記絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有することを特徴とする。
図1に、金属配線を模式的に2本のみ示したプリント配線板の断面図を示す。図1に示すプリント配線板1は、絶縁体基材2及び金属配線3からなる配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層4とを有する。
(2)絶縁樹脂層
本発明に係る絶縁樹脂層は、樹脂と、含窒素複素芳香環化合物とを含有することを特徴とする。
(2.1)含窒素複素芳香環化合物
本発明に係る含窒素複素芳香環化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。これによって、当該含窒素複素芳香環化合物は、樹脂との相溶性が高いため、絶縁樹脂層に添加しても絶縁樹脂層の靭性を大きく低下させることがなく、ひいてはプリント配線板の耐久性を高くすることができる。
Figure 2023068718000003
[一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、窒素原子又はCRを表す。Rは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、チオール基、カルボニル基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシ基を表し、更に置換基を有していても良い。]
一般式(1)中、縮環構造部は2つのヘテロアリール環で構成される。
一般式(1)中、CRは、アリール基又はヘテロアリール基を有することが好ましく、当該アリール基又はヘテロアリール基にアルキル基、アルコキシ基、カルボニル基が置換されていることがより好ましい。
イオンマイグレーション抑制効果や樹脂との相溶性の観点から、一般式(1)中、X、X及びXが、CRを表し、X及びXが、窒素原子を表すことが好ましい。
下記一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物の例を以下に挙げる。なお、本発明に係る含窒素複素芳香環化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2023068718000004
Figure 2023068718000005
Figure 2023068718000006
Figure 2023068718000007
本発明に係る絶縁樹脂層が含有する含窒素複素芳香環化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
本発明に係る絶縁樹脂層は、含窒素複素芳香環化合物を、絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有する。また、1~10質量%の範囲内で含有することが好ましい。
本発明に係る含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値は、樹脂との相溶性の観点から、19.0~24.0MPa1/2の範囲内であることが好ましく、21.0~23.0MPa1/2の範囲内であることがより好ましい。
「溶解度パラメータ値」とは、SP(ソルビリティ・パラメータ)値とも呼ばれるものであり、ある成分同士の相溶性の指標として用いることができる値である。本発明における各成分の溶解度パラメータ値は、FUJITSU Technical Computing Solution SCIGRESSを用いて、Bicerano法にて算出される溶解度パラメータ値である。
また、樹脂と含窒素複素芳香環化合物の相溶性の観点から、含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値をSPとし、樹脂の溶解度パラメータ値をSPとしたとき、下記式で求められるΔSPが、-2.5~2.5MPa1/2の範囲内であることが好ましく、-1.0~1.0MPa1/2の範囲内であることがより好ましい。ΔSPが前記範囲内であると、相溶性がより良好となるため、絶縁樹脂層の靭性がより良好となる。
(式)ΔSP=SP-SP
(2.2)樹脂
本発明に係る絶縁樹脂層が含有する樹脂は、特に限定されないが、イオンマイグレーション抑制効果や含窒素複素芳香環化合物との相溶性の観点から、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂のいずれかであることが好ましい。これらの樹脂の中でも、本発明に係る含窒素複素芳香環化合物と溶解度パラメータ値が近い、エポキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、又はビスマレイミドトリアジン樹脂であることがより好ましく、エポキシ樹脂であることが特に好ましい。
本発明に係る絶縁樹脂層が含有する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
(エポキシ樹脂)
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及び複素環式エポキシ樹脂等を用いることができる。
エポキシ樹脂(プレポリマーを含む。)の市販品としては、例えば、jER828、YX4000H、157S70、154、1032H60、190P、1031S(いずれも三菱ケミカル株式会社製、「jER」は同社の登録商標)、YDF-175S、YDB-715、YDC-1312、YDPN-638、YDCN-701、ST-3000、YH-434、YDG-414(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)、EPICLON EXA1514、EXA4032、HP-4770、HP-4700、HP-5000、HP-7200、HP-7200H、N-770、N-865(いずれもDIC株式会社製、「EPICLON」は同社の登録商標)、ファインディックA-247S、A-254、A-253、A-229-30A、A-261、A-249、A-266、A-241、M-8020(いずれもDIC株式会社製、「ファインディック」は同社の登録商標)、TECHMORE VG3101M80(株式会社プリンテック製、「TECHMORE」は同社の登録商標)、デナコールEX-411」(ナガセケムテックス株式会社製、「デナコール」は長瀬産業株式会社の登録商標)、エポリードGT-401(ダイセル化学社製、「エポリード」は同社登録商標)、及びトリグリシジルイソシアネート(TGIC)等を用いることができる。
(シクロオレフィン樹脂)
前記シクロオレフィン樹脂としては、例えば、下記一般式(A-1)又は(A-2)で表される構造を有するシクロオレフィンモノマーの単独重合体又は共重合体が挙げられる。
Figure 2023068718000008
一般式(A-1)において、pは、0~2の整数を表す。
一般式(A-1)のR~Rは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換の炭素原子数1~30の炭化水素基、又は極性基を表す。但し、R~Rの全てが水素原子となる場合を除き、RとRが同時に水素原子となるか、又はRとRが同時に水素原子となる場合はないものとする。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。炭素原子数1~30の炭化水素基の例には、炭素原子数1~30のアルキル基が含まれる。極性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、これらの基がメチレン基等の連結基を介して結合した基、及び極性を有する2価の有機基(カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、及びイミノ基等)が連結基となって結合している炭化水素基、などが含まれる。
Figure 2023068718000009
一般式(A-2)において、pは、0~2の整数を表す。
一般式(A-2)のRは、水素原子、炭素原子数1~5の炭化水素基、又は炭素原子数1~5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。中でも、Rは、炭素原子数1~3の炭化水素基であることが好ましい。
一般式(A-2)のRは、極性基又はハロゲン原子を表す。極性基は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、又はシアノ基であることが好ましい。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。中でも、Rは、極性基であることが好ましく、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリルオキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリルオキシカルボニル基であることが、溶液製膜時の溶解性を確保する観点でも好ましい。
シクロオレフィン樹脂の市販品としては、例えば、ゼオノア(日本ゼオン社製)、アートン(JSR社製)、及びアペル(三井化学社製)等を用いることができる。
(ポリフェニレンエーテル樹脂)
前記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリ-2,6-ジニトリル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジプロピル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジメトキシ-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-クロロメチル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジフェニル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジエチル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2-メチル-6-イソプロピル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジクロル-1,4-フェニレンエーテル、及びポリ-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル等を用いることができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の市販品としては、例えば、SA90(SABICイノベーティブプラスチック社製)等を用いることができる。
(フッ素樹脂)
前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いることができる。
フッ素樹脂の市販品としては、例えば、EA-2000(AGC社製)等を用いることができる。
(ビスマレイミドトリアジン樹脂)
前記ビスマレイミドトリアジン樹脂としては、例えば、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン及びビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンを高温で溶融・撹拌することで反応させて得られる樹脂等を用いることができる。
(ポリイミド樹脂)
前記ポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(B)で表される構造を有する樹脂等を用いることができる。
Figure 2023068718000010
[前記一般式中、Rは、芳香族炭化水素環若しくは芳香族複素環、又は、炭素数4~39の4価の脂肪族炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基を表す。Φは、炭素数2~39の2価の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせからなる基であって、結合基として、-O-、-SO-、-CO-、-CH-、-C(CH-、-OSi(CH-、-CO-及び-S-からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を含有していても良い。]
前記Rで表される芳香族炭化水素環としては、例えば、フルオレン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o-テルフェニル環、m-テルフェニル環、p-テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、及びアンスラアントレン環等が挙げられる。
前記Rで表される芳香族複素環としては、例えば、シロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、チエノチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環(カルバゾール環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わったものを表す)、ジベンゾシロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾチオフェン環やジベンゾフラン環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わった環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、アクリジン環、ベンゾキノリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジ
ン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、ジベンゾカルバゾール環、インドロカルバゾール環、及びジチエノベンゼン環等が挙げられる。
前記Rで表される炭素数4~39の4価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブタン-1,1,4,4-トリイル基、オクタン-1,1,8,8-トリイル基、及びデカン-1,1,10,10-トリイル基等が挙げられる。
また、前記Rで表される炭素数4~39の4価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン-1,2,3,4-テトライル基、シクロペンタン-1,2,4,5-テトライル基、シクロヘキサン-1,2,4,5-テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトライル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトライル基、3,3′,4,4′-ジシクロヘキシルテトライル基、3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2,4,5-テトライル基、及び3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2,4,5-テトライル基等が挙げられる。
前記Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2~39の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2023068718000011
前記Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2~39の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2023068718000012
前記Φで表される上記結合基を有する又は有さない炭素数2~39の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2023068718000013
前記Φで表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の組み合わせからなる基としては、例えば、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2023068718000014
(アクリル樹脂)
前記アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリライト(三菱レイヨン社製)、及びスミペックス(住友化学社製)等を用いることができる。
(セルロースエステル樹脂)
前記セルロースエステル樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、及びアセチルプロピオニルセルロース等を用いることができる。
(ポリカーボネート樹脂)
前記ポリカーボネート樹脂の市販品としては、例えば、パンライト、及びマルチロン(以上、帝人社製)等を用いることができる。
(フェノール樹脂)
前記フェノール樹脂としては、例えば、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂、変性フェノール樹脂、フェノール・フルフラール樹脂、及びレゾルシン樹脂等を用いることができる。
(ポリエステル樹脂)
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等を用いることができる。
(メラミン樹脂)
前記メラミン樹脂の市販品としては、例えば、ニカラックMX-035(日本カーバイド工業社製)等を用いることができる。
(2.3)着色剤
本発明に係る絶縁樹脂層は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、及びナフタレンブラック等の公知慣用の顔料や、染料等を挙げることができる。このような着色剤は、単独又は二種類以上を混合して用いてもよい。
(2.4)無機粒子
本発明に係る絶縁樹脂層は、無機粒子(フィラー)を含有していてもよい。無機粒子(フィラー)としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素等が挙げられる。
(2.5)ゲル化剤
本発明に係る絶縁樹脂層は、ゲル化剤を含有していてもよい。ゲル化剤としては、ステアロン(18-ペンタトリアコンタノン)、16-ヘントリアコンタノン、12-トリコサノン、脂肪酸アルコール(UNILIN425等)、脂肪酸エステル、ステアリン酸イヌリン・脂肪酸デキストリン(レオパールシリーズとして千葉製粉社より入手可能)、L-グルタミン酸誘導体(味の素ファインテクノ社より入手可能)、脂肪酸アミド(FATTY AMIDシリーズ、花王社より入手可能)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル(ノムコートHK-G、日清セイリオ社)、及びホホバエステル(Floraester70、池田物産社より入手可能)等の、分子量1000未満のような低分子な化合物が好ましく挙げられる。
脂肪酸アミドであるゲル化剤の具体例には、FATTY AMID E:エルカ酸アミド、FATTY AMID T:オレイン酸アミド、FATTY AMID O-N:硬化牛脂酸アミド(以上、花王社より入手可能)、ニッカアマイドAP1:ステアリン酸アミド(日本化成社より入手可能)、及びGP-1:N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド(味の素ファインテクノ社より入手可能)等がある。
ゲル化能の観点から、特に好ましく用いられるゲル化剤には、下記一般式(I)及び(II)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
一般式(I):R-CO-R
一般式(II):R-COO-R
[式(I)及び(II)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を持ち、かつ分岐を持ってもよいアルキル鎖を表す。]
前記一般式(I)で表される構造を有する化合物はケトンワックスと称され、前記一般式(II)で表される構造を有する化合物は脂肪酸エステルと称される。ケトンワックスとしては、ジステアリルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトンが、脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸セチル、及びベヘニンン酸ベヘニル等が挙げられるがこの限りではない。
(2.6)その他の成分
本発明に係る絶縁樹脂層は、上記以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、マット剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、剥離促進剤、顔料分散剤、カップリング剤、レベリング剤、消泡剤、重合禁止剤、界面活性剤、防腐剤、安定化剤、酸、塩基、及びpH調整剤等が挙げられる。
(2.7)絶縁樹脂層の用途
本発明に係る絶縁樹脂層は、金属配線間で生じるイオンマイグレーションを抑制することを主な目的とする部材であるが、含有する樹脂が、エポキシ樹脂のように熱硬化性を有する場合や、フッ素樹脂のように融点が高い場合は、ソルダーレジストとして用いることもできる。
(3)配線基板
本発明において、「配線基板」とは、金属配線を有する基板のことをいう。例えば、絶縁体基材の上に金属配線が形成されたものを、配線基板として用いることができる。
金属配線の間隔(スペース幅)は、高密度、高精細な金属配線とする観点からは、狭い方が好ましく、イオンマイグレーションを抑制する観点からは、広い方が好ましい。
本発明に係る配線基板は、金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であることを特徴とする。金属配線の最も狭い間隔が10μm未満である場合、金属配線間の絶縁樹脂層に存在する含窒素複素芳香環化合物の絶対量が少なすぎるため、陽極側から溶出した金属イオンと含窒素複素芳香環化合物との相互作用が生じにくく、イオンマイグレーションが十分に抑制できない。また、金属配線の最も狭い間隔が100μmより大きい場合、金属配線間の間隔が微細であるプリント配線板とはいえず、本発明の課題を解決することができない。
また、イオンマイグレーションをより高いレベルで抑制する観点から、金属配線の最も狭い間隔は、25~100μmの範囲内であることが好ましく、50~100μmの範囲内であることがより好ましい。
金属配線の幅(ライン幅)は、特に限定されないが、高密度、高精細な金属配線とするためには、十分な導電性を有する範囲で狭いことが好ましい。
金属配線に用いる金属は、特に限定されず、例えば、銅、金、アルミニウム、ニッケル、スズ、鉛、チタン、パラジウム、白金、亜鉛、モリブデン、タングステン、及びこれらの合金を用いることができる。これら中でも、加工性や導電性の観点から、銅又は銅合金を主成分とすることが好ましい。
本発明に係る配線基板に用いることができる絶縁体基材は、特に限定されず、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板、紙ガラス複合エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスポリイミド基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリテトラフルオロエチレン基板、ポリフェニレンオキシド基板、アルミナ基板、及びガラスセラミック基板等を絶縁体基材として用いることができる。また、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等のフレキシブル基材を絶縁体基材として用いることもできる。
(4)プリント配線板の製造方法
本発明のプリント配線板は、配線基板の金属配線面に接するように上述の絶縁樹脂層を形成することで製造することができる。
配線基板の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法で形成することができる。例えば、絶縁体基材の上に金属層が形成された金属張積層板を用いて、金属層を任意の金属配線の形状となるようにフォトリソグラフィでパターニングすることで形成することができる。
絶縁樹脂層の形成方法は、特に限定されず、含有する樹脂の性質等に応じて形成すれば良い。
例えば、モノマー又はプレポリマー、含窒素複素芳香環化合物、及びその他添加剤(光重合開始剤、及び熱硬化剤等)からなる組成物を、配線基板の金属配線面に塗布して塗膜を形成し、熱又は光で硬化させることで、絶縁樹脂層を形成することができる。ここで、必要に応じて硬化前に塗膜をフォトリソグラフィでパターニングすることで、パターニングされた絶縁樹脂層を形成することもできる。また、モノマー又はプレポリマー、含窒素複素芳香環化合物、及びその他添加剤(光重合開始剤、及び熱硬化剤等)からなる組成物を、インクジェット法でパターニングしながら配線基板の金属配線面に付与し、その後熱又は光で硬化させることによっても、パターニングされた絶縁樹脂層を形成することができる。上記組成物には、必要に応じて溶剤を含有させてもよい。
他にも、熱で溶融させた樹脂、含窒素複素芳香環化合物、及びその他添加剤からなる組成物を、配線基板の金属配線面に塗布して塗膜を形成し、冷却することで、絶縁樹脂層を形成することができる。また、樹脂を溶解させることができる溶剤、樹脂、含窒素複素芳香環化合物、及びその他添加剤からなる組成物(溶解液)を、配線基板の金属配線面に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることで、絶縁樹脂層を形成することもできる。これらの形成方法においても、必要に応じてフォトリソグラフィでパターニングすることで、パターニングされた絶縁樹脂層を形成することができる。また、上記組成物を、塗布法ではなく、インクジェット法により付与することによっても、絶縁樹脂層を形成することができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、及び1,1-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、及びN,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、及び1-クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、及び2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、及びベンジルジメチルケタール等のケタール類;2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;リボフラビンテトラブチレート;2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、及び2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6-トリス-s-トリアジン、2,2,2-トリブロモエタノール、及びトリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;ベンゾフェノン、及び4,4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、が挙げられる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸、アミン化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、フェノール化合物、ユリア化合物、ポリスルフィド化合物、及び酸無水物等が挙げられる。
(5)プリント回路板
本発明のプリント回路板は、プリント配線板に電子部品が接続されて構成されるプリント回路板であって、前記プリント配線板が、本発明のプリント配線板であることを特徴とする。
電子部品は、特に限定されず、プリント回路板に使用可能な公知の部品を使用することができる。例えば、トランジスタ、ダイオード、インダクタ、コンデンサ、スイッチ、リレー、ポテンショメータ、抵抗器、集積回路、及びセンサー等が挙げられ、これらの組み合わせであってもよい。これらの電子部品は、プリント配線板が有する金属配線を介して、プリント配線板に接続される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
<含窒素複素芳香環化合物>
実施例で使用した含窒素複素芳香環化合物は以下のとおりである。化合物(1-18)、(1-9)、及び(1-52)は、一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物である。比較化合物1は、ベンゾトリアゾール化合物である。比較化合物2は、1,3,5-トリアジン化合物である。また、各含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値SPは表Iに示すとおりである。
Figure 2023068718000015
Figure 2023068718000016
<樹脂>
実施例で使用した各種樹脂の詳細は以下のとおりである。また、各樹脂の溶解度パラメータ値SPは表Iに示すとおりである。
エポキシ樹脂:メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂、エポキシ当量250、DIC社製、HP-5000
シクロオレフィン樹脂:日本ゼオン社製、ゼオノア
ポリフェニレンエーテル樹脂:反応型低分子量ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチック社製、SA90)70質量部、及びトリアリルイソシアネート(日本化成社製、TAIC)30質量部を混合し、室温で30分撹拌して、ワニスを得た。
フッ素樹脂:AGC社製、EA-2000
ビスマレイミドトリアジン樹脂:2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン(CA200、三菱ガス化学社製)25質量部、及びビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン(BMI-70、ケイアイ化成社製)25質量部を混合、150℃で溶融させて撹拌しながら6時間反応させて合成した。
<配線基板の作製>
配線基板の絶縁体基材には、厚さ1.6mmのFR-4(Flame Retardant Type4、ガラスエポキシ基板)を用いた。当該絶縁体基材上に、ライン幅/スペース幅(L/S)が100μm/100μmである櫛型の銅配線をパターニングして形成し、配線基板を作製した。
<絶縁樹脂層がエポキシ樹脂を含有するプリント配線板の作製>
下記組成のドープを調製した。
メチルエチルケトン 350.0質量部
エポキシ樹脂 50.0質量部
フェノール化合物(熱硬化剤) 48.0質量部
環状シロキサン化合物 2.0質量部
含窒素複素芳香環化合物(1-18) 5.3質量部
フェノール化合物(熱硬化剤)は、明和化成社製のMEH-7851-3Hを用いた。また、環状シロキサン化合物は、アズマックス社製の1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた。
上記調製したドープを、上記作製した配線基板の金属配線面に塗布し、190℃の硬化工程を経て、厚さ30μmの絶縁樹脂層(スペース上の厚さ30μm、ライン上の厚さ12μm)を形成した。
以上の操作により、プリント配線板1を作製した。
また、プリント配線板1の作製において、含窒素複素芳香環化合物の種類、含窒素複素芳香環化合物の含有率[質量%]、及び金属配線のライン幅/スペース幅(L/S)を表Iに示すとおり変更し、プリント配線板2~8、及び13~18を作製した。なお、表Iに示す含有率[質量%]は、絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対する含有率[質量%]である。
<絶縁樹脂層がシクロオレフィン樹脂を含有するプリント配線板の作製>
下記組成のドープを調製した。
ジクロロメタン 350.0質量部
シクロオレフィン樹脂 95.0質量部
含窒素複素芳香環化合物(1-18) 5.0質量部
上記調製したドープを、上記作製した配線基板の金属配線面に塗布し、残留溶媒が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、厚さ30μmの絶縁樹脂層(スペース上の厚さ30μm、ライン上の厚さ12μm)を形成した。
以上の操作により、プリント配線板9を作製した。
<絶縁樹脂層がポリフェニレンエーテル樹脂を含有するプリント配線板の作製>
下記組成のドープを調製した。
メチルエチルケトン 350.0質量部
ポリフェニレンエーテル樹脂 95.0質量部
含窒素複素芳香環化合物(1-18) 5.0質量部
上記調製したドープを、上記作製した配線基板の金属配線面に塗布し、残留溶媒が0.1質量%未満となるよう、170℃以上の乾燥温度で乾燥させ、厚さ30μmの絶縁樹脂層(スペース上の厚さ30μm、ライン上の厚さ12μm)を形成した。
以上の操作により、プリント配線板10を作製した。
<絶縁樹脂層がフッ素樹脂を含有するプリント配線板の作製>
下記組成の材料を押出機に投入して溶融させた。
フッ素樹脂 95.0質量部
含窒素複素芳香環化合物(1-18) 5.0質量部
上記溶融させた材料をスクリューにより混錬して、溶融押し出しで厚さ30μmのフィルムを得た。当該フィルムを、上記作製した配線基板の金属配線面に重ね、プレス温度300℃で熱プレスし、厚さ30μmの絶縁樹脂層(スペース上の厚さ30μm、ライン上の厚さ12μm)を形成した。
以上の操作により、プリント配線板11を作製した。
<絶縁樹脂層がビスマレイミドトリアジン樹脂を含有するプリント配線板の作製>
下記組成のドープを調製した。
メチルエチルケトン 350.0質量部
ビスマレイミドトリアジン樹脂 95.0質量部
含窒素複素芳香環化合物(1-18) 5.0質量部
上記調製したドープを、上記作製した配線基板の金属配線面に塗布し、残留溶媒が0.1質量%未満となる乾燥温度で乾燥させ、厚さ30μmの絶縁樹脂層(スペース上の厚さ30μm、ライン上の厚さ12μm)を形成した。
以上の操作により、プリント配線板12を作製した。
Figure 2023068718000017
<耐イオンマイグレーション性の評価>
温度85℃、相対湿度85%の環境下にて、上記作製したプリント配線板の金属配線にDC75Vの電圧を印加し続け、イオンマイグレーションによる短絡が起きるまでの時間を測定した。
なお、本評価においては、絶縁抵抗値が電圧印加前の絶縁抵抗値に対して100Ω以上低下した状態を短絡とみなした。
測定した短絡が起きるまでの時間から、下記の評価基準により耐イオンマイグレーション性を評価した。2以上を合格とする。評価結果は表Iに示すとおりである。
(評価基準)
4:1000時間印加しても短絡なし
3:500時間以上、1000時間未満で短絡あり
2:250時間以上、500時間未満で短絡あり
1:250時間未満で短絡あり
耐イオンマイグレーション性の評価結果から、本発明のプリント配線板は、金属配線間の間隔が微細でありながらイオンマイグレーションが抑制されていることが確認できた。
<絶縁樹脂層の靭性の評価>
上記プリント配線板の作製において、調製したドープを配線基板ではなくガラス基材上に塗布した以外は同様にして、厚さ30μmの絶縁樹脂層を形成した。さらに当該絶縁樹脂層をガラス基板から剥離し、100mm×10mmのサイズで裁断し、短冊フィルム状の靭性評価用サンプルを作製した。
また、上記靭性評価用サンプルの作製において、含窒素複素芳香環化合物を添加しない以外は同様にして、含窒素複素芳香環化合物無添加サンプルを、各樹脂を用いて作製した。
靭性評価用サンプル及び含窒素複素芳香環化合物無添加サンプルを、引張試験装置(オリエンテック製テンシロン)にチャック間距離50mm、幅10mmでセットし、引張速度50mm/minの条件で引張試験を行い、破断伸度[%]を測定した。
ここで、破断伸度[%]とは、下記式で表される値である。
破断伸度[%]=(L-L)/L×100
:試験前のサンプルの長さ[mm](=50mm)
L :破断時のサンプルの長さ[mm]
次いで、靭性評価用サンプルの破断伸度[%]と、靭性評価用サンプルが含有する樹脂と同じ樹脂を含有する含窒素複素芳香環化合物無添加サンプルの破断伸度[%]から、下記式により、比破断伸度[%]を求めた。
比破断伸度[%]=A/B×100
A:靭性評価用サンプルの破断伸度[%]
B:含窒素複素芳香環化合物無添加サンプルの破断伸度[%]
求めた比破断伸度[%]から、下記の評価基準により絶縁樹脂層の靭性を評価した。2以上を合格とする。評価結果は表Iに示すとおりである。
(評価基準)
3:比破断伸度が90%以上
2:比破断伸度が80%以上、90%未満
1:比破断伸度が80%未満
絶縁樹脂層の靭性の評価結果から、本発明に係る絶縁樹脂層は、含窒素複素芳香環化合物による靭性の低下が小さいことが確認できた。これによって、本発明のプリント配線板は、高い耐久性を有する。
1 プリント配線板
2 絶縁体基材
3 金属配線
4 絶縁樹脂層

Claims (7)

  1. 金属配線を有する配線基板と、当該配線基板の金属配線面に接する絶縁樹脂層とを有するプリント配線板であって、
    前記金属配線の最も狭い間隔が、10~100μmの範囲内であり、
    前記絶縁樹脂層が、樹脂と、下記一般式(1)で表される構造を有する含窒素複素芳香環化合物とを含有し、
    前記含窒素複素芳香環化合物を、前記絶縁樹脂層が含有する成分の全量に対して0.10~30質量%の範囲内で含有することを特徴とするプリント配線板。
    Figure 2023068718000018
    [一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、窒素原子又はCRを表す。Rは、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、チオール基、カルボニル基、ハロゲノ基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシ基を表し、更に置換基を有していても良い。]
  2. 前記一般式(1)中、X、X及びXが、CRを表し、X及びXが、窒素原子を表すことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記金属配線の最も狭い間隔が、50~100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 前記樹脂が、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂のいずれかを含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
  5. 前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値が、19.0~24.0MPa1/2の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
  6. 前記含窒素複素芳香環化合物の溶解度パラメータ値をSPとし、前記樹脂の溶解度パラメータ値をSPとしたとき、下記式で求められるΔSPが、-2.5~2.5MPa1/2の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプリント配線板。
    (式)ΔSP=SP-SP
  7. プリント配線板に電子部品が接続されて構成されるプリント回路板であって、
    前記プリント配線板が、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のプリント配線板であることを特徴とするプリント回路板。
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