JP2023067384A - 鮮度保持包装容器、包装袋および鮮度保持方法 - Google Patents

鮮度保持包装容器、包装袋および鮮度保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイコンサラダの鮮度を効果的に保持できる技術を提供する。【解決手段】本発明の鮮度保持包装容器は、樹脂フィルムにより構成されたダイコンサラダ用であって、以下の要件1を満たす。(要件1)以下の手順により得られたカットダイコンを55~70質量%含むサラダ125gを当該鮮度保持包装容器内に収容し密封包装した後、10℃で48時間保存する。当該密封包装直後と当該10℃で48時間保存した時点における前記カットダイコンのCIE1976-L*a*b*表色系でのb*値の差(Δb*)が、5以下である。手順:生の青首大根を洗浄する。次に、当該青首大根の葉および皮を除く部分を、長さ50~65mm、厚み2~3mmに切断した後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水し、カットダイコンを得る。【選択図】なし

Description

本発明は、鮮度保持包装容器、包装袋および鮮度保持方法に関する。より詳細には、ダイコンサラダ用の鮮度保持包装容器、ダイコンサラダ入り包装体、およびダイコンサラダの鮮度保持方法に関する。
カット野菜は、洗わずにそのまま食べられることや少量パックで利用できることから消費者のニーズが高まっている。一方、野菜は収穫食後から鮮度低下が始まるため、いかにして鮮度を保持するかが大きな課題となっている。特に、カット野菜は、劣化が進行しやすく、より一層高い鮮度保持技術が求められる。
たとえば、特許文献1には、従来野菜類などの除菌に用いられてきた次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤を用いずに、カット野菜の鮮度を保持する技術が開示されている。具体的には、カット野菜を、水酸化カルシウムおよび酸化カルシウムの少なくとも一方を添加した水で処理し、水洗した後、包装容器に収容し、包装容器内の酸素濃度を5~10体積%および炭酸ガス濃度を10~15体積%の範囲に保ちながら、-1℃~3℃の温度で低温保存する方法が開示されている。
特開2011-067161号公報
しかしながら、特許文献1に記載される技術は、ダイコンサラダに対する鮮度保持効果においてさらに改善の余地があった。
本発明者は、新たにダイコンサラダの鮮度保持を実現するための包装容器に関し鋭意検討を行ったところ、所定のカットダイコンが所望の変色パラメータを満たすように制御することがダイコンサラダの鮮度を高度かつ安定的に維持する観点から有効であることを知見した。
本発明は、樹脂フィルムにより構成されたダイコンサラダ用の鮮度保持包装容器であって、
以下の要件1を満たす、鮮度保持包装容器を提供する。
(要件1)以下の手順により得られたカットダイコンを55~70質量%含むサラダ125gを当該鮮度保持包装容器内に収容し密封包装した後、10℃で48時間保存する。当該密封包装直後と当該10℃で48時間保存した時点における前記カットダイコンのCIE1976-L表色系でのb値の差(Δb)が、5以下である。
手順:生の青首大根を洗浄する。次に、当該青首大根の葉および皮を除く部分を、長さ50~65mm、厚み2~3mmに切断した後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水し、カットダイコンを得る。
また、本発明は、上記の鮮度保持包装容器によりダイコンサラダを包装した、ダイコンサラダ入り包装体を提供する。
また、本発明は、上記の鮮度保持包装容器を用いてダイコンサラダを包装する、ダイコンサラダの鮮度保持方法を提供する。
本発明によれば、ダイコンサラダの鮮度を効果的に保持できる技術が提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
<鮮度保持容器>
本実施形態の鮮度保持包装容器は、樹脂フィルムにより構成され、用途をダイコンサラダ用とするものであり、以下の要件1を満たすものである。これにより、ダイコンサラダの鮮度を効果的かつ安定的に向上させることができる。
(要件1)以下の手順により得られたカットダイコンを55~70質量%含むサラダ125gを当該鮮度保持包装容器内に収容し密封包装した後、10℃で48時間保存する。当該密封包装直後と当該10℃で48時間保存した時点における前記カットダイコンのCIE1976-L表色系でのb値の差(Δb)が、5以下である。
手順:生の青首大根を洗浄する。次に、当該青首大根の葉および皮を除く部分を、長さ50~65mm、厚み2~3mmに切断した後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水し、カットダイコンを得る。
要件1の上記手順において、生の青首大根は、収穫直後から4日以内のものであることが好ましい。生の状態とは、加熱処理や塩漬けなどの調理が施されていない状態を意図する。ダイコンは、より新鮮な状態であることが望ましい。
洗浄は、青首大根に付着している土砂等を除去するため行われる。流水で行うことが好ましく、また、洗浄効果を高めるため、水を噴霧したり、ブラシを使用してもよい。洗浄時間、水量は青首大根に付着した土砂の量や状態などに応じて適宜調整される。また、水洗い後、必要に応じて、中性洗剤を用いた洗剤を行ってもよい。これにより、青首大根に付着した微生物をより低減することができる。
また、上記手順において、青首大根は公知の方法でカットする。カットする際は、葉および皮を予め取り除いてから行われてもよい。カットしたのちは、鮮度保持または異物除去の観点から、水に浸漬する等してもよい。また、上記カットダイコンの長さおよび厚みは、平均値である。
その後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理をし、脱水する。殺菌処理および脱水方法はカット野菜における公知の方法とすることができる。
密封包装直後のカットダイコンの含水率は20~60%が好ましく、25~55%であることがより好ましい。
かかる手順における一連の作業は、ダイコンの鮮度を低下させないよう速やかに行われる。また作業環境温度は、室温よりも低いことが好ましく、4℃~15℃がより好ましい。水温は、水道水の温度以下であればよい。
また、要件1において、カットダイコンを55~70質量%含むサラダは、カットダイコン以外にサラダとしてそのまま食される野菜類を含むものである。かかる野菜類として、ダイコンサラダに色味を付与して見た目の良さを向上させるための野菜、ダイコンサラダの味・風味を向上させるための野菜等が挙げられる。
具体的には、主に非加熱のまま食される野菜が好ましく、例えば、レタス類(レタス、リーフレタス、コスレタス、サニーレタス、サラダナ、サンチュなど)、キャベツ、ニンジン、ダイコン、ケール、セロリ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、キュウリ、タマネギ、ピーマン、パプリカ、エンダイブ、およびトレビス等の中から選ばれる1種または2種以上、ならびにこれらをカットしたものが挙げられる。
要件1において、密封包装は、公知の方法が用いられるが、良好な外観、利便性および密封性を得る観点から、ヒートシール処理であることが好ましい。
また、鮮度保持包装容器の大きさは、特に限定されず、サラダ125gを包装するのに大きすぎず、小さすぎず、適度な大きさである。また、外部からの応力によってサラダがつぶれにくくなるよう、いわゆるデッドスペースを有していることが好ましい。
本実施形態において、要件1に示される所定の保存の直前直後におけるダイコンのCIE1976-L表色系でのb値の差(Δb)が、5以下である。
ここで、L表色系では、a値は緑から赤の色味の強さを表し、0を軸としてマイナス側が緑、プラス側が赤を表す。b値は青から黄の色味の強さを表し、0を軸としてマイナス側が青、プラス側が黄色を表す。L値は明度を示す0から100までのパラメータであり、L値100は白を表し、L値0は黒を表す。
なお、L値は、JIS K 5600 4-4~4-6に準じて測定される。
本実施形態の鮮度保持包装容器は、ダイコンの黄色みにおける変動に着目し、保存の前後における(Δb)が小さいほど、ダイコンの黄色みの変動、すなわち褐変が小さいことを意図している。したがって、本実施形態の鮮度保持包装容器においては、当該(Δb)を5以下とすることで、ダイコンサラダの鮮度を高水準で保持できる。当該(Δb)は、好ましくは4.8以下、より好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.2以下、ことさらに好ましくは4.0以下、さらに一層好ましくは3.8以下である。
さらに、要件1において、保存の直前直後におけるダイコンのCIE1976-L表色系でのL値の差(ΔL)が、±0.8以下であることが好ましい。
すなわち、本実施形態の鮮度保持包装容器は、ダイコンの白さにおける変動に着目し、保存の前後における(ΔL)が小さいほど、ダイコンの白さの変動が小さいことを意図している。したがって、本実施形態の鮮度保持包装容器においては、当該(ΔL)を±0.8以下とすることで、ダイコンサラダの鮮度を高水準で保持できる。当該(ΔL)は、好ましくは±0.7以下、より好ましくは±0.6以下、さらに好ましくは±0.5以下、ことさらに好ましくは±0.4以下である。
本実施形態の鮮度保持包装容器において、かかるL値は、鮮度保持包装容器を構成する樹脂フィルムの構成材料、透気度等の特性、厚み等の構成を調整し組み合わせることで実現できる。
また、要件1において、当該10℃で48時間保存した時点における前記鮮度保持包装容器内の酸素濃度が0.5%以下であることが好ましく、0.4%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。これによりカットダイコンの呼吸を抑制し、褐変を抑制しやすくなる。
一方、当該10℃で48時間保存した時点における前記鮮度保持包装容器内の酸素濃度は0.01%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましい。これにより、酸素が不足して嫌気呼吸となり、匂いが発生することを抑制できる。
また、要件1において、当該10℃で48時間保存した時点における前記鮮度保持包装容器内の二酸化炭素濃度が2.0~4.0%の範囲内であることが好ましく、2.5~3.8%の範囲内であることがより好ましく、2.7~3.6%の範囲内であることがさらに好ましい。これによりカットダイコンの呼吸を適度に保持し、鮮度保持効果を安定的に得られる。
[樹脂フィルム]
本実施形態の鮮度保持容器は、樹脂フィルムから構成される。これにより、ダイコンサラダの適度な呼吸を得つつ、MA効果を得ることができる。また、臭気を抑制し、ダイコンの良好な外観を保持しやすくなる。
樹脂フィルムは、ダイコンサラダを外部から視認できる観点から、透明または半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。また、ダイコンサラダを特定する等の目的で印刷が施されたものであってもよい。
樹脂フィルムを構成する樹脂は、ダイコンサラダの包装に用いることができるものであれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。
例えば、樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのエチレン系共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、およびナイロンなどのポリアミド樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
なかでも、後述の水蒸気透過度、酸素透過度を適切に制御できる観点から、ポリエチレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリ乳酸、およびナイロンであることが好ましく、バイオマス度を高める観点から、ポリエチレンおよびポリプロピレンを含むことがより好ましく、ポリプロピレンを含むことがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂フィルムは、バイオマス度が5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。これにより、環境負荷を軽減しつつ、樹脂フィルムの性能の低下と鮮度保持効果のトレードオフバランスを向上させることができる。
バイオマス樹脂フィルムは、原油に変えてバイオマス原料を用いて合成されたバイオマス樹脂を用いることで実現される。例えば、バイオマス原料からバイオマスポリポロピレンを合成し、これを用いて重合されたバイオポリプロピレン樹脂を用いて、フィルムを成形することでバイオマスポリプロピレンフィルムを得ることができる。
本実施形態において、樹脂フィルムのバイオマス度は、樹脂フィルムにおけるバイオマスマスポリマー(例えばポリプロピレン)の配合量から求められる。例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンを用いて得られた樹脂フィルムの場合、バイオマスポリプロピレンを5%含むことでバイオマス度5%の樹脂フィルムを得ることができる。
樹脂フィルムの成形方法は、特に限定されないが、押出、インフレーション、カレンダーリング等の方法が用いられる。樹脂フィルムを成形する際、必要に応じて、防曇剤等の添加物を混練してもよく、2種類以上の樹脂をブレンドしてもよい。
また、樹脂フィルムに、延伸処理やアニーリングなどを施してもよく、さらに、ヒートシール性を付与するためシーラント層を設けたものでもよい。
なかでも、延伸処理を施した延伸フィルムであることが好ましい。これにより、樹脂フィルムの剛性、耐ピンホール性、水蒸気・酸素バリア性、および見栄えを向上できる。例えば、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリ乳酸フィルム、ポリエチレン及びポリプロピレン混合物の延伸フィルム、延伸ポリプロピレンフィルムであることが好ましい。
樹脂フィルムの厚みは、15~50μmであることが好ましく、20~40μmであることがより好ましく、23~35μmであることがさらに好ましい。
樹脂フィルムは、単層として用いてもよいし、2層以上の多層構造として用いてもよい。
樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過度は、カット野菜の呼吸を保持し、鮮度を保持する観点から、好ましくは200cc/(m・day・atm)以上であり、より好ましくは500cc/(m・day・atm)以上であり、さらに好ましは800cc/(m・day・atm)以上であり、ことさら好ましくは1000cc/(m・day・atm)以上である。
一方、樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過度は、カット野菜の品質保持、鮮度保持する観点から、好ましくは10000cc/(m・day・atm)以下であり、より好ましくは7000cc/(m・day・atm)以下であり、さらに好ましくは4000cc/(m・day・atm)以下であり、ことさらに好ましくは3000cc/(m・day・atm)以下である。
樹脂フィルムの40℃における水蒸気透過度は、カット野菜の呼吸による水蒸気を放出する観点から、好ましくは1g/(m・day)以上であり、より好ましくは3g/(m・day)以上であり、さらに好ましくは5g/(m・day)以上である。
一方、樹脂フィルムの40℃における水蒸気透過度は、カット野菜の呼吸を抑制する観点から、好ましくは300g/(m・day)以下であり、より好ましくは100g/(m・day)以下であり、さらに好ましくは80g/(m・day)以下であり、ことさらに好ましくは20g/(m・day)以下である。
水蒸気透過度は、JIS Z 0208(カップ法)に準拠した方法によって測定することができる。
また、本実施形態において、樹脂フィルムの酸素透過度および水蒸気透過度は、樹脂フィルムの材料の選択、樹脂フィルムの製造方法、樹脂フィルムの層構造、貫通孔の有無及び貫通孔の平均径、数などを制御することによって、調整することができる。
[用途]
本実施形態のダイコンサラダは、ダイコンを食べやすいサイズにカットされたものであり、ドレッシング等の消費者の好みに応じた調味料とともに、非加熱で食されることを意図したものである。カットは、例えば、千切り、スライスなど、公知の方法を用いることができる。
ダイコンサラダのダイコンの品種は特に限定されないが、サラダとして用いられる青首大根であることが好ましい。
ダイコンサラダは、他の野菜が混在していてもよく、ダイコンの割合が50質量%以上であればよく、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。
他の野菜としては、特に限定されず、包装容器の要件1において説明したサラダとしてそのまま食される野菜類と同様のものが挙げられる。また、他の野菜も食しやすいようカットされたものであることが好ましい。
[容器形状]
容器の形態としては、袋状、シート状、自立型容器、蓋つき自立型容器本体、または自立型容器の蓋部等が挙げられる。なかでも、鮮度保持効果を安定的に発揮できる点から、袋状、自立型容器であることが好ましく、袋状であることがより好ましい。
鮮度保持包装容器が袋状である場合、その大きさは適宜設定されるが、ダイコンサラダとして市販されたときの取扱性や開封後は早めに消費できる程度の内容量とする観点から、1辺の長さが100~300mmであることが好適である。
[貫通孔]
鮮度保持包装容器は、貫通孔が形成されていてもよいが、貫通孔を有さないものであってもよい。貫通孔の有無により、水蒸気透過度、酸素透過度を安定的に調整できるようになる。
貫通孔の平面形状としては、たとえば、円形、多角形、またはスリットであってもよい。円形とは、真円形に限定されず、略円形を含むものである。また、円形以外にも、半円形や三日月形状であってもよい。多角形とは、三角形、四角形、および五角形等の三つ以上の線分によって囲まれた形状であればよい。スリットとは、包装材を構成する合成樹脂シートを貫通している切り込み、細隙であって、直線、曲線、L字型、×印などであってもよく、その長さ等も特に限定されない。
貫通孔の平均直径は10μm~800μmであることが好ましく、20μm~500μmであることがより好ましく、50μm~200μmであることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることにより、水蒸気透過度、酸素透過度が向上し、カビ発生を抑制する等、鮮度保持しやすくなる。一方、上記上限値以下とすることにより、異物の侵入を防ぎ、かつ、ダイコンサラダの萎れを抑制できる。
なお、貫通孔の平均直径は、貫通孔の開孔面積から貫通孔を正円として算出される。
上記の貫通孔は、鮮度保持容器を製造する際、予め樹脂フィルムに形成されていてもよく、樹脂フィルムを容器状に形成したあとに形成されてもよく、樹脂フィルムを容器状に形成した前後において形成されてもよい。
<包装体>
本実施形態の包装体は、上記の鮮度保持包装容器によりダイコンサラダを包装した、ダイコンサラダ入り包装体である。
本実施形態において、ダイコンサラダ125gあたりの前記包装体の内表面積が100~5000cmであることが好ましく、200~1000cmがより好ましく、250~800cmがさらに好ましく、300~600cmがことさらに好ましい。これにより、ダイコンサラダの鮮度を一層高度に保持できる。
また、本実施形態における包装体の重量保持率は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは97%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。かかる数値とすることで、ダイコンサラダの鮮度をさらに安定的に維持できる。
なお、重量保持率は、上記の鮮度保持包装容器によりダイコンサラダを密封包装し10℃で48時間保存した前後においてダイコンサラダの重量(g)が保持される割合(%)をいう。ダイコンサラダの重量が保持されることは、ダイコンサラダの鮮度が保持されることを意味する。
<鮮度保持方法>
本実施形態のダイコンサラダの鮮度保持方法は、上記の鮮度保持包装容器を用いてダイコンサラダを包装する方法である。包装後、容器の開口部は密封されることが好ましい。
上記の密封は、たとえば、容器が袋である場合その開口部にヒートシール処理を施したり、バックシーリングテープ、結束帯、輪ゴム、またはかしめ等の部材を用いて密封してもよい。または、容器が自立型容器の蓋部である場合、自立式容器内にカット野菜を収容し、ガス置換した後に蓋部を閉じてもよい。蓋部は、ヒートシール処理により閉じられることが好ましい。また、密封することにより、カット野菜が包装後、流通し、消費者に消費されるまで、鮮度が保持されやすくなる。
また、本実施形態において、ダイコンサラダ入りの包装体は、環境温度2~10℃で保管することが好適である。すなわち、包装・密封後流通し、店頭で陳列される間、2~10℃で保管されることが好ましい。ただし、用途、流通条件などに応じて、温度変化があっても構わない。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
次に、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<測定>
・L値の測定
分光測色計「CM-600d」コニカミノルタ社製を用い、JIS K 5600 4-4~4-6に準じて測定した。
光源はパルスキセノンランプ、波長400~700nmとした。
また、測定は包装袋内のカットダイコンのみを対象とした。
・含水率の測定
カットダイコンの含水率は、ユニバーサル水分計「HB-300」ケット科学社製を用いて行った。包装袋の開口部から電極を挿入しカットダイコンに接触させ、通電して含水率(%)を測定した。一つの包装袋当たり5か所を測定し、包装袋2つ分の測定を行い、その平均値をとった。
・ガス濃度の測定:
MOCON Europe製Check Point O/COを用いて酸素濃度、および二酸化炭素濃度を測定した。
・40℃における水蒸気透過度(g/m・day)の測定
JIS Z 0208(カップ法)に準じて測定した。
・23℃、60%RHにおける酸素透過度(cc/m・day・atm)の測定
(1)窒素ガスの封入
ヒートシール等で袋を密封した後、アスピレーター等を用いて袋を脱気した。脱気は、袋の両面が貼りつくまで行った。次に、この袋に白硬注射筒を用いて窒素ガス(純度99.9%以上)を充填した。窒素ガスの注入量は、袋サイズに合わせ、注入した窒素ガスによって袋を構成するフィルムにテンションがかからず、かつ僅かにゆるんでいる範囲で極力多く入れ、当該白硬注射筒の目盛りを用いて測定した。なお、窒素ガスの脱気および注入は、例えば、注射針を袋に突き刺して行った。注射針を刺す際は、袋を構成するフィルムに両面テープを貼り、この上にさらにポリプロピレンフィルム製の粘着テープ(以下「PPテープ」という)を貼り付けた。また、注射針を抜いた後は、速やかにPPテープで針孔を塞いだ。袋に貼るテープは、4.5cm2以下の面積に収まるようにした。
また、袋を構成するフィルムが微細孔フィルムの場合は、テープで当該微細孔を塞がないようにした。
(2)初期酸素濃度測定
窒素ガス充填直後(t=0)の袋内の初期酸素濃度(C0)を測定した。袋内のガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(TCD)で袋内の初期酸素濃度(C0)を求めた。C0は0.2%以下であり、これを超える場合は、作業をやり直した。酸素濃度測定のためのサンプリングガスは、10cc以下とした。ガスクロマトグラフィーに注入する場合は、1cc程度の一定量を注入した。また、標準ガス(酸素約1%と約10%を含む2点以上)の測定も同量のガスを注入して行い、検量線を作成した。
(3)袋の保管
初期酸素濃度を測定した袋は、23℃、60%RH(恒温恒湿庫)で保管した。このとき、袋の上に物が乗ったり、恒温恒湿庫のファンの風が袋に直撃しないように静置した。
(4)保管中の袋内酸素濃度の測定及び酸素透過速度の計算
袋内酸素濃度の測定は、窒素ガス充填直後と3時間以上経過後に酸素濃度が1%以上7%以下の範囲内で2点以上の合計3~5点測定し、経過時間t(hr)と袋内酸素濃度間に比例関係(相関係数が0.98以上)が成り立つ必要がある。相関係数が成り立たない場合は再試験を行った。袋を構成するフィルムの酸素透過速度が大きすぎて袋内酸素濃度の上昇が速すぎ、この条件をクリアできない場合は、フィルムの一部を酸素透過速度が測定しているフィルムより小さく既知である同じ材質のフィルムと張り合わせて袋を作成して同様に行えばよい。この際、袋の表面積は既知である別のフィルムと貼り合わせた部分
は除き、求められた酸素透過速度より既知のフィルム部分の酸素透過速度を差し引いたものが測定フィルムの酸素透過速度とした。
酸素透過速度は、経過時間が長いほうの値を用いて以下の計算式(i)を計算した。
F=1.143×(Ct-C0)×V/t (i)
F:酸素透過速度(cc/袋・day・atm)
Ct:窒素ガス充填後t時間後における袋内酸素濃度(%)
C0:窒素ガス充填直後の袋内酸素濃度(%)
V:充填した窒素ガスの量(cc)
t:ガス充填時からの経過時間(hr)
<実施例、比較例>
(1)表1に示す樹脂フィルムを用いて公知の方法で袋を作製し、表1に示すサイズの鮮度保持包装袋をそれぞれ準備した。また、当該鮮度保持包装袋の要件1,2に関し、実験を行った。
(2)まず、生の青首大根を洗浄した。次に、当該青首大根の葉および皮を除く部分を、平均長さ50~65mm、平均厚み2~3mmに切断した。その後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水し、カットダイコンを得た。カットダイコンの含水率、および重量比率は、表1に示す通りとした。
(3)別途、その他の野菜として、ニンジン、レタス、パプリカ、水菜、赤パプリカ、紫キャベツを準備した。ニンジンはダイコンと同様に葉および皮を除く部分を、平均長さ50~65mm、平均厚み2~3mmに切断し、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水した。レタス、赤キャベツおよび赤パプリカについては可食部分について平均長さ50~65mm、平均厚み2~3mmに切断し、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水した。水菜については長さ平均50~65mmに切断し、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水した。
(4)表1に示す重量比率でカットダイコン、およびその他野菜を含むサラダ125gを各鮮度保持包装袋内に収容し、ヒートシールにより密封包装した。その後、10℃で48時間保存した。
(5)当該密封包装直後と、10℃で48時間した時点での前記カットダイコンのCIE1976-L表色系でのL値b値をそれぞれ測定し、その差(Δ)を求めた。また、10℃で48時間した時点での包装袋内の酸素濃度および二酸化炭素濃度をそれぞれ測定した。
なお、包装袋は4袋ずつ用意し、いずれについても平均値をとった。結果を表1に示す。
<参考例>
上記(2)の青首大根の葉および皮を除く部分を、平均長さ110~130mm、平均厚み0.8~1.2mmに切断した以外は、実施例と同様にして、カットダイコンを得たのち、カットダイコンを100重量%とするサラダ125gを各鮮度保持包装袋内に収容し、ヒートシールにより密封包装した。その後、10℃で48時間保存した。続けて、上記(5)の測定を行った。結果を表1に示す。
<評価>
上記で得られた10℃で48時間保存した時点でのカットダイコンの変色、臭気について、複数の専門技術者により評価(変色、臭気)を行った。
[変色]
専門技術者がカットダイコンの変色の程度について、昼白色の照明または太陽の自然光の下、目視で観察し、以下の基準に従い評価した。
4:とても良好(ダイコンの褐変または茶色みが見られない)
3:良好
2:やや劣化
1:著しい劣化
[臭気]
包装袋を開封してニオイセンサー「XP-329m」シロ産業社製の吸気側シリコンチューブ(15cm)を袋内に挿入して、挿入後30秒後の値を測定した。また、専門技術者3名が当該包装袋内のにおいを嗅ぎ異臭の有無を判定した。
得られた結果から、以下の基準に従い評価した。
4:良好(ニオイセンサーの測定値が600未満、かつ3人とも異臭を感じない)
3:やや劣化(ニオイセンサーの測定値が600未満、かつ1人が異臭を感じる)
2:明らかな劣化(ニオイセンサーの測定値が600以上、かつ2人が異臭を感じる)
1:著しい劣化(ニオイセンサーの測定値が600以上、かつ3人が異臭を感じる)
Figure 2023067384000001

Claims (16)

  1. 樹脂フィルムにより構成されたダイコンサラダ用の鮮度保持包装容器であって、
    以下の要件1を満たす、鮮度保持包装容器。
    (要件1)以下の手順により得られたカットダイコンを55~70質量%含むサラダ125gを当該鮮度保持包装容器内に収容し密封包装した後、10℃で48時間保存する。当該密封包装直後と当該10℃で48時間保存した時点における前記カットダイコンのCIE1976-L表色系でのb値の差(Δb)が、5以下である。
    手順:生の青首大根を洗浄する。次に、当該青首大根の葉および皮を除く部分を、長さ50~65mm、厚み2~3mmに切断した後、100ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて殺菌処理を施し、脱水し、カットダイコンを得る。
  2. 請求項1に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記要件1において、当該10℃で48時間保存した時点における前記鮮度保持包装容器内の酸素濃度が0.5%以下である、鮮度保持包装容器。
  3. 請求項1または2に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記要件1において、当該密封包装直後と当該10℃で48時間保存した時点における前記カットダイコンのCIE1976-L表色系でのL値の差(ΔL)が、±0.8以下である、鮮度保持包装容器。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムの23℃、60%RHにおける酸素透過度が、200~10000cc/(m・day・atm)以下である、鮮度保持包装容器。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムの40℃における水蒸気透過度が、1~400g/(m・day)である、鮮度保持包装容器。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムはバイオマス度が5%以上である、鮮度保持包装容器。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムはバイオマス度が10%以上である、鮮度保持包装容器。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムは、ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群より選ばれる1種または2種以上である、鮮度保持包装容器。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムの厚みは、15~50μmである、鮮度保持包装容器。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記樹脂フィルムは延伸フィルムである、鮮度保持包装容器。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記鮮度保持包装容器は、袋状である、鮮度保持包装容器。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載の鮮度保持包装容器であって、
    前記鮮度保持包装容器は貫通孔を有さない、鮮度保持包装容器。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の鮮度保持包装容器によりダイコンサラダを包装した、ダイコンサラダ入り包装体。
  14. 請求項13に記載の包装体であって、
    前記ダイコンサラダ125gあたりの前記包装体の内表面積が100cm以上5000cm以下である、包装体。
  15. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の鮮度保持包装容器を用いてダイコンサラダを包装する、ダイコンサラダの鮮度保持方法。
  16. 請求項15に記載のダイコンサラダの鮮度保持方法であって、
    環境温度2~10℃で保管する、ダイコンサラダの鮮度保持方法。
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