JP2023066955A - 回転電機、および駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】除電装置の除電性能が低下することを抑制できる回転電機を提供する。【解決手段】回転電機10は、シャフト31とハウジング20とに電気的に接触する除電装置80と、ハウジング流路部93aと、ノズル貫通孔70aを有するノズル部材70と、シール部材120と、を備える。シャフトは、中空の第1シャフト部31aと、第1シャフト部の軸方向一方側の部分に設けられた蓋部111および延伸部112を有する第2シャフト部110と、を有する。延伸部は、ノズル貫通孔に軸方向に通される。除電装置は、延伸部のうちノズル貫通孔よりも軸方向一方側に位置する部分に接触している。シール部材は、ノズル部材よりも軸方向一方側で、かつ、除電装置よりも軸方向他方側に位置する。シャフトは、第1シャフト部の内部とノズル貫通孔の内部とに繋がる接続流路部115を有する。ハウジング流路部はノズル部材とシール部材との軸方向隙間に向かって開口する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機、および駆動装置に関する。
回転電機の軸から電荷を放散する電荷放散装置が知られている。例えば、特許文献1には、軸に接触する導電セグメントを有する電流分流リングが記載されている。
特許第6163480号公報
上記のような電荷放散装置を備える回転電機においては、例えば冷却などを目的として、ロータおよびステータなどに流体が供給される場合がある。この場合、流体が電荷放散装置に掛かると、電荷放散装置の導電率が低下し、電荷を放散しにくくなる場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、除電装置の除電性能が低下することを抑制できる回転電機、および駆動装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸を中心として回転可能な中空のシャフトを有するロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、前記ロータおよび前記ステータを内部に収容するハウジングと、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、前記ハウジングに固定され、前記シャフトと前記ハウジングとに電気的に接触する除電装置と、前記ハウジングに設けられたハウジング流路部と、前記シャフトの内部に繋がるノズル貫通孔を有するノズル部材と、前記シャフトと前記ハウジングとの径方向の間に位置するシール部材と、を備える。前記シャフトは、中空の第1シャフト部と、前記第1シャフト部の軸方向一方側の部分に設けられた蓋部および前記蓋部から軸方向一方側に延びる延伸部を有する第2シャフト部と、を有する。前記延伸部は、前記ノズル貫通孔に軸方向に通されている。前記除電装置は、前記延伸部のうち前記ノズル貫通孔よりも軸方向一方側に位置する部分に接触している。前記シール部材は、前記ノズル部材よりも軸方向一方側で、かつ、前記除電装置よりも軸方向他方側に位置する。前記シャフトは、前記第1シャフト部の内部と前記ノズル貫通孔の内部とに繋がる接続流路部を有する。前記ハウジング流路部は、前記ハウジングの内部のうち前記ノズル部材と前記シール部材との軸方向隙間に向かって開口する。
本発明の駆動装置の一つの態様は、上記の回転電機と、前記回転電機に接続されたギヤ機構と、を備える。
本発明の一つの態様によれば、回転電機および駆動装置において、除電装置の除電性能が低下することを抑制できる。
図1は、一実施形態の駆動装置を模式的に示す概略構成図である。 図2は、一実施形態の回転電機の一部を示す断面図である。 図3は、一実施形態のモータハウジングの一部、第2シャフト部の一部、および除電装置を示す斜視図である。 図4は、一実施形態の第2シャフト部およびノズル部材を示す分解斜視図である。 図5は、一実施形態の第2シャフト部およびノズル部材を示す分解斜視図であって、図4とは異なる角度から各部材を見た図である。
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に関する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。Z軸の矢印が向く側(+Z側)は、鉛直方向上側であり、Z軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、X軸の矢印が向く側(+X側)は、車両における前側であり、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、Y軸の矢印が向く側(+Y側)は、車両における左側であり、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、X軸の矢印が向く側(+X側)が車両の後側であり、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)が車両の前側であってもよい。この場合には、Y軸の矢印が向く側(+Y側)は、車両の右側であり、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
適宜図に示す中心軸Jは、鉛直方向と交差する方向に延びる仮想軸である。より詳細には、中心軸Jは、鉛直方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、つまり中心軸Jの軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。以下の実施形態においては、右側(-Y側)を「軸方向一方側」と呼び、左側(+Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸64を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。図1に示すように、駆動装置100は、回転電機10と、ギヤ機構60と、を備える。ギヤ機構60は、回転電機10に接続され、回転電機10の回転、つまり後述するロータ30の回転を車両の車軸64に伝達する。本実施形態のギヤ機構60は、ギヤハウジング61と、回転電機10に接続される減速装置62と、減速装置62に接続される差動装置63と、を有する。
ギヤハウジング61は、減速装置62と差動装置63とオイルOとを内部に収容している。オイルOは、ギヤハウジング61内の下部領域に貯留されている。オイルOは、後述する冷媒流路90内を循環する。オイルOは、回転電機10を冷却する冷媒として使用される。また、オイルOは、減速装置62および差動装置63に対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
差動装置63は、リングギヤ63aを有する。リングギヤ63aには、回転電機10から出力されるトルクが減速装置62を介して伝えられる。リングギヤ63aの下側の端部は、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOに浸漬している。リングギヤ63aが回転することで、オイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置62および差動装置63に潤滑油として供給される。
回転電機10は、駆動装置100を駆動する部分である。回転電機10は、例えば、ギヤ機構60の軸方向一方側(-Y側)に位置する。本実施形態において回転電機10は、モータである。回転電機10は、モータハウジング20と、シャフト31を有するロータ30と、ロータ30を回転可能に支持するベアリング34,35と、ステータ40と、レゾルバ50と、ノズル部材70と、除電装置80と、シール部材120と、を備える。ベアリング34,35は、例えば、ボールベアリングである。
本実施形態においてベアリング34,35は、セラミックボールベアリングである。ベアリング34は、シャフト31のうちステータ40よりも軸方向他方側(+Y側)に位置する部分を回転可能に支持している。ベアリング35は、シャフト31のうちステータ40よりも軸方向一方側(-Y側)に位置する部分を回転可能に支持している。図2に示すように、ベアリング35は、中心軸Jを中心とする円環状の内輪35aと、中心軸Jを中心とする円環状であり、内輪35aの径方向外側に位置する外輪35bと、内輪35aと外輪35bとの径方向の間に位置する複数のボール35cと、を有する。ベアリング34の構成は、ベアリング35の構成と同様である。
モータハウジング20は、ロータ30およびステータ40を内部に収容するハウジングである。モータハウジング20は、ギヤハウジング61の軸方向一方側(-Y側)に繋がっている。モータハウジング20は、本体部21と、隔壁部22と、モータカバー23と、を有する。本体部21と隔壁部22とは、例えば、同一の単一部材の一部である。モータカバー23は、例えば、本体部21および隔壁部22とは別体である。
本体部21は、中心軸Jを囲み、軸方向一方側(-Y側)に開口する筒状である。隔壁部22は、本体部21の軸方向他方側(+Y側)の端部に繋がっている。隔壁部22は、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とを軸方向に隔てている。隔壁部22は、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とを繋ぐ隔壁開口22aを有する。隔壁部22には、ベアリング34が保持されている。モータカバー23は、本体部21の軸方向一方側の端部に固定されている。モータカバー23は、本体部21の軸方向一方側の開口を塞いでいる。モータカバー23には、ベアリング35が保持されている。
図2に示すように、モータカバー23は、モータカバー23の軸方向他方側(+Y側)の面から軸方向一方側(-Y側)に窪む穴部23fを有する。穴部23fは、軸方向一方側に底部を有し、軸方向他方側に開口する穴である。本実施形態において穴部23fは、中心軸Jを中心とする円形状の穴である。穴部23fが設けられることで、モータカバー23には、底壁部23aと、周壁部23bと、が設けられている。つまり、モータハウジング20は、底壁部23aと、周壁部23bと、を有する。
底壁部23aは、穴部23fの底部である。底壁部23aの軸方向他方側(+Y側)の面には、軸方向一方側に窪む第2凹部23gが設けられている。軸方向に見て、第2凹部23gの内縁は、中心軸Jを中心とする円形状である。周壁部23bは、底壁部23aの径方向外周縁部から軸方向他方側(+Y側)に突出している。周壁部23bは、シャフト31を囲んでいる。周壁部23bの内周面は、穴部23fの内周面である。本実施形態において周壁部23bの内周面は、中心軸Jを中心とする円筒状である。
周壁部23bは、第1壁部23cと、第2壁部23dと、第3壁部23eと、を有する。第1壁部23cは、底壁部23aの径方向外周縁部に繋がる部分である。第2壁部23dは、第1壁部23cの軸方向他方側(+Y側)に繋がっている。第2壁部23dの内径は、第1壁部23cの内径よりも大きい。第2壁部23dの軸方向の寸法は、第1壁部23cの軸方向の寸法よりも大きい。第3壁部23eは、第2壁部23dの軸方向他方側に繋がっている。第3壁部23eの内径は、第2壁部23dの内径よりも大きい。第3壁部23eの軸方向の寸法は、第2壁部23dの軸方向の寸法よりも大きい。第3壁部23eの径方向内側には、ベアリング35が保持されている。つまり、ベアリング35は、周壁部23b内に保持されている。ベアリング35の外輪35bは、第3壁部23eの径方向内側に嵌め合わされている。
本実施形態において周壁部23bの内周面は、第1段差部24aと、第2段差部24bと、を有する。第1段差部24aは、第1壁部23cの内周面と第2壁部23dの内周面との軸方向の間に設けられた段差である。第1段差部24aは、軸方向他方側(+Y側)を向く第1段差面24cを有する。第1段差面24cは、中心軸Jを中心とする円環状である。第1段差面24cは、軸方向と直交する平坦面である。第2段差部24bは、第2壁部23dの内周面と第3壁部23eの内周面との軸方向の間に設けられた段差である。第2段差部24bは、軸方向他方側を向く第2段差面24dを有する。第2段差面24dは、中心軸Jを中心とする円環状である。第2段差面24dは、軸方向と直交する平坦面である。第3壁部23e内に保持されたベアリング35は、第2段差面24dに接触している。そのため、モータハウジング20に対してベアリング35を軸方向に好適に位置決めできる。より詳細には、ベアリング35の外輪35bが、第2段差面24dに軸方向他方側から接触している。
モータカバー23の軸方向他方側(+Y側)の面には、レゾルバ保持部25が設けられている。本実施形態においてレゾルバ保持部25は、モータカバー23の軸方向他方側の面のうち穴部23fの周縁部に設けられている。レゾルバ保持部25は、周方向に延びて、シャフト31を囲んでいる。
モータハウジング20は、底壁部23aを軸方向に貫通する貫通孔23hを有する。貫通孔23hは、中心軸Jを中心とする円形状の孔である。貫通孔23hは、大径孔部23iと、小径孔部23jと、を有する。大径孔部23iは、底壁部23aの軸方向他方側(+Y側)の面のうち第2凹部23gの底面に開口している。小径孔部23jは、大径孔部23iの軸方向一方側(-Y側)に段差を介して繋がっている。小径孔部23jの内径は、大径孔部23iの内径よりも小さい。小径孔部23jは、底壁部23aの軸方向一方側の面に開口している。小径孔部23jの軸方向の寸法は、大径孔部23iの軸方向の寸法よりも小さい。
モータハウジング20は、除電装置80を内部に収容する収容部26を有する。収容部26は、モータカバー23の軸方向一方側(-Y側)の面に設けられている。収容部26は、モータカバー23から軸方向一方側に突出している。収容部26は、筒状部26aと、蓋体26bと、を有する。筒状部26aは、モータカバー23の軸方向一方側の面から軸方向一方側に突出している。図3に示すように、筒状部26aは、軸方向一方側に開口する略円筒状である。筒状部26aの中心軸は、回転電機10の中心軸Jと平行であり、中心軸Jに対して径方向に偏心した位置に設けられている。筒状部26aの中心軸は、例えば、中心軸Jよりも下方に位置する。
筒状部26aは、軸方向に見て、貫通孔23hを囲んでいる。軸方向に見て、筒状部26aの内側には、底壁部23aの一部が位置する。本実施形態において筒状部26aとモータカバー23とは、同一の単一部材の一部である。筒状部26aは、複数の雌ねじ穴26cを有する。複数の雌ねじ穴26cは、筒状部26aの軸方向一方側(-Y側)の面に設けられている。
図2に示すように、蓋体26bは、筒状部26aの軸方向一方側(-Y側)に固定されている。図示は省略するが、蓋体26bは、複数の雌ねじ穴26cにそれぞれ締め込まれたボルトによって筒状部26aに固定されている。蓋体26bは、板面が軸方向を向く板状である。
図3に示すように、モータハウジング20は、支持柱部26dを有する。支持柱部26dは、モータカバー23の軸方向一方側(-Y側)の面のうち軸方向に見て筒状部26aの内側に位置する部分から軸方向一方側に突出している。支持柱部26dは、円柱状である。支持柱部26dは、収容部26内に位置する。支持柱部26dは、軸方向と直交する方向に間隔を空けて一対設けられている。軸方向に見て、一対の支持柱部26d同士の間には、貫通孔23hが位置しない。つまり、貫通孔23hは、一対の支持柱部26d同士の間から軸方向と直交する方向にずれて配置されている。
図1に示すように、ロータ30は、シャフト31と、ロータ本体32と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体32は、ロータコアと、ロータコアに固定されたロータマグネットと、を有する。ロータ30のトルクは、ギヤ機構60に伝達される。
シャフト31は、中心軸Jを中心として回転可能である。シャフト31は、ベアリング34,35によって回転可能に支持されている。シャフト31は、中空のシャフトである。シャフト31は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。シャフト31には、シャフト31の内部とシャフト31の外部とを繋ぐ孔部33が設けられている。シャフト31は、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とに跨って延びている。シャフト31の軸方向他方側(+Y側)の端部は、ギヤハウジング61の内部に突出している。シャフト31の軸方向他方側の端部には、減速装置62が接続されている。
シャフト31は、中空の第1シャフト部31aと、第2シャフト部110と、を有する。本実施形態において第1シャフト部31aと第2シャフト部110とは、互いに別体である。第1シャフト部31aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。第1シャフト部31aは、軸方向両側に開口している。第1シャフト部31aは、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とに跨って延びている。第1シャフト部31aは、ベアリング34,35によって回転可能に支持されている。なお、第1シャフト部31aは、例えば、モータハウジング20内に位置するモータシャフトと、ギヤハウジング61内に位置するギヤシャフトとが軸方向に連結されて構成されていてもよい。
図2に示すように、第1シャフト部31aは、大径部31bと、小径部31cと、を有する。小径部31cは、大径部31bの軸方向一方側(-Y側)に繋がっている。小径部31cの外径は、大径部31bの外径よりも小さい。小径部31cの軸方向の寸法は、大径部31bの軸方向の寸法よりも小さい。小径部31cの軸方向一方側の端部は、第1シャフト部31aの軸方向一方側の端部である。大径部31bの外周面と小径部31cの外周面との間には、軸方向一方側を向く段差面を有する段差部が設けられている。
小径部31cのうち軸方向一方側(-Y側)の部分は、周壁部23bの径方向内側に位置する。より詳細には、小径部31cのうち軸方向一方側の部分は、第3壁部23eの径方向内側に位置する。小径部31cの外周面は、周壁部23bの内周面から径方向内側に離れて配置されている。小径部31cの外周面には、ベアリング35の内輪35aが固定されている。本実施形態において小径部31cの軸方向一方側の端部における軸方向位置は、ベアリング35の軸方向一方側の端部における軸方向位置と同じである。小径部31cの外周面には、止め輪36が取り付けられている。止め輪36は、ベアリング35の内輪35aの軸方向他方側(+Y側)に対向して配置されている。
第2シャフト部110は、第1シャフト部31aの軸方向一方側(-Y側)に連結されている。第2シャフト部110は、第1シャフト部31aの軸方向一方側の開口部に固定されている。図4および図5に示すように、第2シャフト部110は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。第2シャフト部110は、蓋部111と、延伸部112と、を有する。
蓋部111は、中心軸Jを中心とする円柱状である。図2に示すように、蓋部111は、第1シャフト部31aの軸方向一方側(-Y側)の部分に設けられている。本実施形態において蓋部111は、第1シャフト部31aの軸方向一方側の端部に設けられている。蓋部111は、第1シャフト部31aの軸方向一方側の端部内に嵌め合わされている。蓋部111は、第1シャフト部31aの内部に圧入されている。これにより、第2シャフト部110は、第1シャフト部31aに固定されている。
蓋部111は、ベアリング35の径方向内側に位置する。蓋部111は、ベアリング35と径方向に重なっている。言い換えれば、蓋部111は、径方向に見て、ベアリング35と重なっている。本実施形態において蓋部111の軸方向一方側(-Y側)の端部における軸方向位置は、第1シャフト部31aの軸方向一方側の端部における軸方向位置、およびベアリング35の軸方向一方側の端部における軸方向位置と同じである。蓋部111の軸方向一方側の端面と第1シャフト部31aの軸方向一方側の端面とベアリング35の内輪35aにおける軸方向一方側の端面とは、軸方向と直交する同一の仮想平面上に配置されている。
蓋部111は、蓋部111の軸方向一方側(-Y側)の面から軸方向他方側(+Y側)に窪む凹部として第1凹部113を有する。図5に示すように、軸方向に見て第1凹部113の内周縁部は、中心軸Jを中心とする円形状である。図2に示すように、第1凹部113の軸方向の寸法は、蓋部111の軸方向の寸法の半分よりも大きい。
蓋部111は、蓋部111を軸方向に貫通する蓋部貫通孔114を有する。本実施形態において蓋部貫通孔114は、蓋部111のうち第1凹部113が設けられた部分を軸方向に貫通している。蓋部貫通孔114の軸方向一方側(-Y側)の端部は、第1凹部113内に開口している。図5に示すように、蓋部貫通孔114の軸方向一方側(-Y側)の端部は、第1凹部113の内面のうち軸方向他方側(+Y側)に位置する底面113aと、第1凹部113の内面のうち径方向外側に位置する内周面113bとに跨って開口している。
図2に示すように、蓋部貫通孔114の軸方向他方側(+Y側)の端部は、蓋部111の軸方向他方側の端面に開口している。蓋部貫通孔114の軸方向他方側の端部は、第1シャフト部31a内に開口している。蓋部貫通孔114は、円形状の孔である。蓋部貫通孔114の内径は、軸方向他方側に向かうに従って大きくなっている。蓋部貫通孔114の内周面は、軸方向他方側に向かうに従って内径が線形に大きくなる円筒状である。蓋部貫通孔114の内周面の形状は、軸方向他方側に向かうに従って外径が大きくなる円錐台の外周面と同様の形状である。蓋部貫通孔114は、中心軸Jの径方向外側に位置する。図4に示すように、蓋部貫通孔114は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の蓋部貫通孔114は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態において蓋部貫通孔114は、6つ設けられている。
本実施形態において各蓋部貫通孔114のそれぞれは、接続流路部115を構成している。つまり、シャフト31は、接続流路部115を有する。接続流路部115の内周面は、蓋部貫通孔114の内周面である。接続流路部115は、蓋部111に設けられている。本実施形態において接続流路部115は、軸方向に見て、延伸部112を囲んで複数設けられている。複数の接続流路部115は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態において接続流路部115は、6つ設けられている。
本実施形態では、接続流路部115が蓋部111に設けられているため、蓋部111を軸方向に貫通する蓋部貫通孔114を設けることで、容易に接続流路部115を作ることができる。したがって、接続流路部115が例えば延伸部112に設けられる場合と比べて、接続流路部115を作りやすい。
図2に示すように、接続流路部115は、軸方向に延びている。本実施形態において接続流路部115は、第1シャフト部31aの内部と第1凹部113の内部とを繋いでいる。接続流路部115は、第1シャフト部31aの内部と第1凹部113の内部とに開口している。本実施形態において接続流路部115は、第1凹部113の内部を介して後述するノズル貫通孔70aの内部に繋がっている。これにより、接続流路部115は、第1シャフト部31aの内部とノズル貫通孔70aの内部とに繋がっている。図5に示すように、接続流路部115は、第1凹部113の内面のうち軸方向他方側(+Y側)に位置する底面113aと第1凹部113の内面のうち径方向外側に位置する内周面113bとに跨って開口している。
図2に示すように、接続流路部115の流路断面積は、軸方向他方側(+Y側)に向かうに従って大きくなっている。つまり、接続流路部115の流路断面積は、第1シャフト部31aの内部に近づくに従って大きくなっている。本実施形態において接続流路部115の流路断面積は、軸方向と直交する断面における接続流路部115の内部の面積である。接続流路部115の内周面のうち径方向外側に位置する部分は、軸方向他方側に向かうに従って径方向外側に位置する。つまり、接続流路部115の内周面のうち径方向外側に位置する部分は、第1シャフト部31aの内部に近づくに従って径方向外側に位置する。
延伸部112は、蓋部111から軸方向一方側(-Y側)に延びている。延伸部112は、中心軸Jを中心とする円柱状である。延伸部112の外径は、蓋部111の外径および第1凹部113の内径よりも小さい。本実施形態において延伸部112は、第1凹部113の内面のうち軸方向他方側(+Y側)に位置する面、すなわち底面113aから軸方向一方側に延びている。延伸部112の軸方向他方側の端部は、第1凹部113内に位置する。延伸部112の外周面は、第1凹部113の内周面113bから径方向内側に離れて配置されている。延伸部112は、第1凹部113の内部よりも軸方向一方側に突出している。
延伸部112は、貫通孔23hに軸方向に通されている。延伸部112の外周面は、貫通孔23hの内周面から径方向内側に離れて配置されている。延伸部112の軸方向一方側(-Y側)の端部は、収容部26の内部に位置する。延伸部112の軸方向の寸法は、蓋部111の軸方向の寸法よりも大きい。延伸部112のうち第1凹部113の内部よりも軸方向一方側に位置する部分における軸方向の寸法は、蓋部111の軸方向の寸法よりも大きい。
図1に示すように、ステータ40は、ロータ30と径方向に隙間を介して対向している。より詳細には、ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、モータハウジング20の内部に固定されている。ステータ40は、ステータコア41と、コイルアセンブリ42と、を有する。
ステータコア41は、回転電機10の中心軸Jを囲む環状である。ステータコア41は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータコア41は、ロータ30を囲んでいる。ステータコア41は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。図示は省略するが、ステータコア41は、軸方向に延びる円筒状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。
コイルアセンブリ42は、周方向に沿ってステータコア41に取り付けられる複数のコイル42cを有する。複数のコイル42cは、図示しないインシュレータを介してステータコア41の各ティースにそれぞれ装着されている。コイルアセンブリ42は、ステータコア41から軸方向に突出するコイルエンド42a,42bを有する。
レゾルバ50は、ロータ30の回転を検出可能である。レゾルバ50は、モータハウジング20の内部に収容されている。レゾルバ50は、レゾルバロータ51と、レゾルバステータ52と、を有する。レゾルバロータ51は、シャフト31に固定されている。レゾルバロータ51は、シャフト31を囲む環状である。本実施形態においてレゾルバロータ51は、中心軸Jを中心とする円環状である。図2に示すように、本実施形態においてレゾルバロータ51は、小径部31cの軸方向他方側(+Y側)の端部を囲んでいる。レゾルバロータ51は、板面が軸方向を向く板状である。レゾルバロータ51の軸方向他方側の面は、大径部31bと小径部31cとの軸方向の間に設けられた段差部の段差面に接触している。レゾルバロータ51は、大径部31bの外周面よりも径方向外側に突出している。レゾルバロータ51は、ベアリング35の軸方向他方側に間隔を空けて配置されている。
レゾルバステータ52は、レゾルバロータ51の径方向外側に位置する。レゾルバステータ52は、レゾルバロータ51を囲む環状である。レゾルバステータ52は、レゾルバ保持部25に保持されている。図示は省略するが、レゾルバステータ52は、コイルを有する。シャフト31とともにレゾルバロータ51が回転することによって、レゾルバステータ52のコイルに、レゾルバロータ51の周方向位置に応じた誘起電圧が生じる。レゾルバ50は、レゾルバステータ52のコイルに生じた誘起電圧の変化に基づいて、レゾルバロータ51およびシャフト31の回転を検出できる。これにより、レゾルバ50は、ロータ30の回転を検出可能である。
除電装置80は、収容部26の内部に収容されている。図3に示すように、除電装置80は、延伸部112のうち収容部26内に位置する部分の径方向外側に位置する。除電装置80は、例えば、延伸部112の下方に位置する。除電装置80は、ホルダ部81と、ブラシ部82と、被固定部83と、を有する。本実施形態においてホルダ部81は、径方向に長い直方体状である。ホルダ部81は、ブラシ部82を保持している。
ブラシ部82は、ホルダ部81から径方向内側に突出している。ブラシ部82は、略直方体状である。本実施形態においてブラシ部82は、カーボンブラシである。ブラシ部82は、延伸部112の径方向外側に位置する。ブラシ部82の径方向内端部は、延伸部112の外周面に電気的に接触している。これにより、除電装置80は、シャフト31に電気的に接触している。本実施形態において除電装置80は、延伸部112のうち後述するノズル貫通孔70aよりも軸方向一方側(-Y側)に位置する部分に接触している。シャフト31は、延伸部112の外周面がブラシ部82の径方向内端部に擦られながら回転する。なお、本明細書において「或る対象が他の対象に電気的に接触している」とは、或る対象と他の対象との間で電流が流れることが可能となっていればよい。
被固定部83は、軸方向およびホルダ部81からブラシ部82が突出する方向の両方と直交する方向に、ホルダ部81から突出している。被固定部83は、板面が軸方向を向く板状である。被固定部83は、金属製である。図示は省略するが、被固定部83は、例えば、ホルダ部81の内部においてブラシ部82と電気的に接続されている。被固定部83は、軸方向およびホルダ部81からブラシ部82が突出する方向の両方と直交する方向にホルダ部81を挟んで一対設けられている。一対の被固定部83は、一対の支持柱部26dにそれぞれボルトで固定されている。これにより、除電装置80は、モータハウジング20に固定されている。被固定部83は、支持柱部26dを介してモータハウジング20に電気的に接触している。これにより、除電装置80は、モータハウジング20に電気的に接触している。
上述したように被固定部83はブラシ部82と電気的に接続されているため、ブラシ部82がシャフト31に電気的に接触し、かつ、被固定部83がモータハウジング20に電気的に接触することで、除電装置80を介して、シャフト31とモータハウジング20とが電気的に繋がる。そのため、シャフト31に生じた電流を、ブラシ部82および被固定部83をこの順に介して、支持柱部26dからモータハウジング20に流すことができる。これにより、シャフト31を回転可能に支持するベアリング34,35に、シャフト31から電流が流れることを抑制できる。したがって、ベアリング34,35に電食が生じることを抑制できる。
ノズル部材70は、シャフト31の内部に流体としてのオイルOを供給するための部材である。図2に示すように、ノズル部材70は、例えば、金属製の板部材にプレス加工などの機械加工が施されることで作られている。ノズル部材70は、周壁部23b内に配置されている。ノズル部材70は、底壁部23aの軸方向他方側(+Y側)に離れて配置されている。ノズル部材70は、供給筒部71と、フランジ部72と、突出筒部73と、を有する。
供給筒部71は、軸方向に延びている。本実施形態において供給筒部71は、中心軸Jを中心とする円筒状である。供給筒部71は、軸方向両側に開口している。供給筒部71の径方向内側には、延伸部112が軸方向に通されている。供給筒部71の軸方向他方側(+Y側)の端部は、第1凹部113内に位置する。供給筒部71の外周面は、第1凹部113の内周面113bから径方向内側に離れて配置されている。供給筒部71は、吐出筒部71aと、ガイド筒部71bと、を有する。
吐出筒部71aは、中心軸Jを中心とし、軸方向他方側(+Y側)に開口する円筒状である。吐出筒部71aの軸方向他方側の端部は、供給筒部71の軸方向他方側の端部である。吐出筒部71aの内径および外径は、軸方向の全体に亘って同じである。吐出筒部71aは、第1凹部113の内部に開口している。吐出筒部71aの軸方向他方側の部分は、第1凹部113内に位置する。吐出筒部71aの軸方向他方側の端部は、第1凹部113の底面113aから軸方向一方側(-Y側)に離れて配置されている。吐出筒部71aの軸方向他方側の端部は、第1凹部113の底面113aのうち接続流路部115が開口している部分よりも径方向内側の部分と軸方向に隙間を介して対向している。吐出筒部71aの軸方向一方側(-Y側)の部分は、第1凹部113の内部よりも軸方向一方側に位置する。
ガイド筒部71bは、吐出筒部71aの軸方向一方側(-Y側)に繋がっている。ガイド筒部71bは、中心軸Jを中心とし、軸方向一方側に開口する円筒状である。ガイド筒部71bの軸方向一方側の端部は、供給筒部71の軸方向一方側の端部である。ガイド筒部71bの内径および外径は、軸方向一方側に向かうに従って大きくなっている。ガイド筒部71bは、内径および外径が軸方向一方側に向かうに従って大きくなる円錐台形状の筒である。ガイド筒部71bの軸方向他方側(+Y側)の端部における外径は、吐出筒部71aの軸方向一方側の端部における外径と同じであり、第1凹部113の内径よりも小さい。ガイド筒部71bの軸方向他方側の端部における内径は、吐出筒部71aの軸方向一方側の端部における内径と同じである。ガイド筒部71bの軸方向一方側の端部における外径は、第1凹部113の内径よりも大きい。
ガイド筒部71bは、蓋部111の軸方向一方側(-Y側)に離れて配置されている。ガイド筒部71bは、蓋部111と隙間を介して軸方向に対向している。ガイド筒部71bは、第2壁部23dの径方向内側に位置する。ガイド筒部71bの軸方向一方側の開口部は、第2凹部23gと隙間を介して軸方向に対向している。ガイド筒部71bの軸方向の寸法は、吐出筒部71aの軸方向の寸法よりも大きい。
供給筒部71は、ノズル貫通孔70aを構成している。つまり、ノズル部材70は、ノズル貫通孔70aを有する。ノズル貫通孔70aの内部は、供給筒部71の内部である。ノズル貫通孔70aは、ノズル部材70を軸方向に貫通している。ノズル貫通孔70aは、中心軸Jを中心とする円形状の孔である。ノズル貫通孔70aのうち吐出筒部71aによって構成される部分における内径は、軸方向の全体に亘って同じである。ノズル貫通孔70aのうちガイド筒部71bによって構成される部分における内径は、軸方向一方側(-Y側)に向かうに従って大きくなっている。
ノズル貫通孔70aには、延伸部112が軸方向に通されている。ノズル貫通孔70aの内周面は、延伸部112の外周面から径方向外側に離れて配置されている。ノズル貫通孔70aの内周面と延伸部112の外周面との径方向の間には、周方向の全周に亘って隙間が設けられている。ノズル貫通孔70a内を流れるオイルOは、ノズル貫通孔70aの内周面と延伸部112の外周面との径方向の隙間を流れる。ノズル貫通孔70aは、第1凹部113の内部に開口している。本実施形態においてノズル貫通孔70aは、第1凹部113の内部および接続流路部115を介して、シャフト31の内部に繋がっている。
ノズル貫通孔70aの軸方向他方側(+Y側)の開口部は、第1凹部113の底面113aから軸方向一方側(-Y側)に離れて配置されている。ノズル貫通孔70aの軸方向他方側の開口部は、第1凹部113の底面113aのうち接続流路部115が開口している部分よりも径方向内側の部分と軸方向に隙間を介して対向している。ノズル貫通孔70aの軸方向他方側の開口部における内縁は、接続流路部115のうち底面113aに開口する開口部よりも径方向内側に位置する。
フランジ部72は、供給筒部71から径方向外側に広がっている。本実施形態においてフランジ部72は、供給筒部71の軸方向一方側(-Y側)の端部から径方向外側に突出している。フランジ部72は、中心軸Jを囲む環状である。本実施形態においてフランジ部72は、中心軸Jを中心とする円環状である。フランジ部72は、板面が軸方向を向く板状である。フランジ部72の径方向外縁部は、第1段差面24cに接触している。フランジ部72のうち径方向外縁部を除いた部分は、底壁部23aと隙間を介して軸方向に対向している。フランジ部72は、ベアリング35の軸方向一方側に対向して配置されている。このように、本実施形態においてノズル部材70の一部は、ベアリング35と軸方向に対向している。
突出筒部73は、フランジ部72の径方向外縁部から軸方向他方側(+Y側)に突出している。突出筒部73は、中心軸Jを中心とする円筒状である。突出筒部73は、第2壁部23dの径方向内側に隙間嵌めされている。これにより、ノズル部材70は、周壁部23bの内部に嵌め合わされている。突出筒部73の軸方向他方側の端部は、ベアリング35と軸方向に対向している。突出筒部73の軸方向他方側の端部は、ベアリング35の外輪35bに接触している。突出筒部73の軸方向他方側の端部は、供給筒部71の軸方向他方側の端部よりも軸方向一方側(-Y側)に位置する。突出筒部73の内周面は、ベアリング35の外輪35bの内周面より径方向外側に位置する。突出筒部73の外周面の少なくとも一部は、例えば、第2壁部23dの内周面に接触している。
本実施形態では、フランジ部72が第1段差面24cに接触し、かつ、突出筒部73がベアリング35に接触していることで、ノズル部材70が軸方向に位置決めされている。本実施形態では、ノズル部材70を周壁部23b内に配置した後にベアリング35を配置することで、ベアリング35によってノズル部材70を軸方向に固定することができる。なお、フランジ部72と第1段差面24cとは接触せずに隙間を介して対向していてもよいし、突出筒部73とベアリング35とは接触せずに隙間を介して対向していてもよい。
ノズル部材70は、ノズル部材70のうちベアリング35と軸方向に対向する部分を軸方向に貫通する貫通部74を有する。本実施形態において、ノズル部材70のうちベアリング35と軸方向に対向する部分は、フランジ部72と突出筒部73とを含む。本実施形態において貫通部74は、フランジ部72に設けられている。図4および図5に示すように、貫通部74は、フランジ部72を軸方向に貫通する円形状の孔である。貫通部74は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において貫通部74は、中心軸Jを径方向に挟んで2つ設けられている。図2に示すように、貫通部74は、ベアリング35の内輪35aと隙間を介して軸方向に対向している。貫通部74は、ベアリング35に流体としてのオイルOを供給する供給孔である。貫通部74の内径は、ノズル貫通孔70aの内径よりも小さい。
シール部材120は、シャフト31を囲む環状である。本実施形態においてシール部材120は、中心軸Jを中心とする円環状である。シール部材120は、シャフト31とモータハウジング20との径方向の間に位置する。本実施形態においてシール部材120は、底壁部23aに設けられた貫通孔23hのうち大径孔部23i内に固定されている。シール部材120は、ノズル部材70よりも軸方向一方側(-Y側)で、かつ、除電装置80よりも軸方向他方側(+Y側)に位置する。
シール部材120の径方向外縁部は、大径孔部23iの内周面に接触している。シール部材120の径方向内縁部は、延伸部112の外周面に接触している。これにより、シール部材120は、大径孔部23iの内周面と延伸部112の外周面との径方向の間を封止している。本実施形態においてシール部材120の径方向内縁部は、径方向に弾性変形可能となっており、弾性力によって延伸部112の外周面に押し付けられている。本実施形態においてシール部材120は、オイルシールである。
図1に示すように、本実施形態において駆動装置100には、冷媒としてのオイルOが循環する冷媒流路90が設けられている。冷媒流路90は、モータハウジング20の内部とギヤハウジング61の内部とに跨って設けられている。冷媒流路90は、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOが回転電機10に供給されて再びギヤハウジング61内に戻る経路である。冷媒流路90には、ポンプ96と、クーラ97と、冷媒供給部95と、が設けられている。以下の説明においては、冷媒流路90内のオイルOの流れ方向における上流側を単に「上流側」と呼び、冷媒流路90内のオイルOの流れ方向における下流側を単に「下流側」と呼ぶ。冷媒流路90は、ギヤ側流路部91と、中間流路部92と、回転電機側流路部93と、を有する。
ギヤ側流路部91は、第1部分91aと、第2部分91bと、を有する。第1部分91aおよび第2部分91bは、例えば、ギヤハウジング61の壁部に設けられている。第1部分91aは、ギヤハウジング61の内部のうちオイルOが貯留されている部分とポンプ96とを繋いでいる。第2部分91bは、ポンプ96とクーラ97とを繋いでいる。
中間流路部92は、ギヤハウジング61の壁部とモータハウジング20の壁部とに跨って設けられている。中間流路部92は、ギヤ側流路部91と回転電機側流路部93とを繋いでいる。より詳細には、中間流路部92は、クーラ97と後述する第3流路部93cとを繋いでいる。
回転電機側流路部93は、回転電機10に設けられている。回転電機側流路部93は、第1流路部93aと、第2流路部93bと、第3流路部93cと、を有する。つまり、回転電機10は、第1流路部93aと、第2流路部93bと、第3流路部93cと、を備える。第1流路部93aおよび第3流路部93cは、モータハウジング20の壁部に設けられている。第2流路部93bは、モータハウジング20の壁部に設けられた第4流路部93dと、冷媒供給部95と、を有する。本実施形態において、第1流路部93a、第3流路部93c、および第4流路部93dは、モータカバー23に設けられている。第3流路部93cには、第1流路部93aおよび第2流路部93bが繋がっている。本実施形態において第1流路部93aと第2流路部93bとは、第3流路部93cから分岐している。
第1流路部93aは、周壁部23bの内部に流体としてのオイルOを供給する流路部である。第1流路部93aの上流側の端部は、第3流路部93cの下流側の端部に繋がっている。第1流路部93aの下流側の端部は、周壁部23bの内部に開口している。図2に示すように、第1流路部93aの下流側の端部は、底壁部23aの軸方向他方側(+Y側)の面に開口している。本実施形態において第1流路部93aの下流側の端部は、第2凹部23gの内部に開口している。第1流路部93aの下流側の端部は、周壁部23b内にオイルOを供給する供給口93eである。
第1流路部93aは、モータハウジング20の内部のうちノズル部材70とシール部材120との軸方向隙間27に向かって開口している。本実施形態において軸方向隙間27は、周壁部23bの内部空間のうち、ノズル部材70よりも軸方向一方側(-Y側)に位置し、かつ、シール部材120よりも軸方向他方側(+Y側)に位置する部分である。軸方向隙間27は、第1壁部23cの径方向内側の空間、および第2凹部23gの内部空間を含む。なお、本実施形態において第1流路部93aは、モータハウジング20に設けられた「ハウジング流路部」に相当する。
図1に示すように、第2流路部93bは、ステータ40に流体としてのオイルOを供給する流路部である。第2流路部93bのうち第4流路部93dの上流側の端部は、第3流路部93cの下流側の端部に繋がっている。第4流路部93dの下流側の端部は、冷媒供給部95の上流側の端部に繋がっている。
本実施形態において冷媒供給部95は、軸方向に延びる管状である。言い換えれば、本実施形態において冷媒供給部95は、軸方向に延びるパイプである。冷媒供給部95の軸方向両端部は、モータハウジング20に支持されている。冷媒供給部95の軸方向他方側(+Y側)の端部は、例えば、隔壁部22に支持されている。冷媒供給部95の軸方向一方側(-Y側)の端部は、例えば、モータカバー23に支持されている。
冷媒供給部95は、ステータ40の径方向外側に位置する。本実施形態において冷媒供給部95は、ステータ40の上側に位置する。本実施形態において冷媒供給部95内におけるオイルOの流れる向きは、軸方向一方側から軸方向他方側に流れる向きである。つまり、冷媒供給部95内のオイルOの流れ方向において、軸方向一方側は上流側であり、軸方向他方側は下流側である。冷媒供給部95は、ステータ40に冷媒としてのオイルOを供給する供給口95aを有する。本実施形態において供給口95aは、冷媒供給部95内に流入したオイルOの一部を冷媒供給部95の外部に噴射させる噴射口である。供給口95aは、複数設けられている。
ポンプ96が駆動されると、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOが第1部分91aを通って吸い上げられ、第2部分91bを通ってクーラ97内に流入する。クーラ97内に流入したオイルOは、クーラ97内で冷却された後、中間流路部92を通って、第3流路部93cから回転電機側流路部93に流入する。第3流路部93cに流入したオイルOは、第1流路部93aと第2流路部93bとに分岐する。図2に示すように、第1流路部93aに流入したオイルOは、周壁部23bの内部に流入する。本実施形態において第1流路部93aからのオイルOは、底壁部23aに設けられた第2凹部23g内に流入する。第1流路部93aからのオイルOは、軸方向隙間27に流入する。
軸方向隙間27に流入したオイルOの一部は、ノズル貫通孔70aを通って、第1凹部113の内部に流入する。より詳細には、軸方向隙間27に流入したオイルOの一部は、ガイド筒部71b内と吐出筒部71a内とをこの順に通って、第1凹部113の内部に流入する。第1流路部93aから軸方向隙間27に流入したオイルOの他の一部は、貫通部74を通ってフランジ部72よりも軸方向他方側(+Y側)に流れる。貫通部74を通ってフランジ部72よりも軸方向他方側に流れたオイルOは、例えば、フランジ部72の軸方向他方側の面、および突出筒部73の内周面に沿って流れて、ベアリング35に供給される。貫通部74を通るオイルOの量は、ノズル貫通孔70aを通るオイルOの量よりも少ない。
第1凹部113の内部に流入したオイルOの一部は、複数の接続流路部115を通って第1シャフト部31aの内部に流入する。第1シャフト部31aの内部に流入したオイルOの一部は、第1シャフト部31aの内部を軸方向他方側(+Y側)に流れていく。図1に示すように、ノズル部材70からシャフト31内に流入し、第1シャフト部31a内を軸方向他方側に流れるオイルOは、孔部33からロータ本体32の内部を通過して、ステータ40に飛散する。
図2に示すように、第1凹部113の内部に流入したオイルOの他の一部は、第1凹部113の内部のうち吐出筒部71aよりも径方向外側に位置する部分を介して、第1凹部113内から軸方向一方側(-Y側)に吐出される。第1凹部113内から軸方向一方側に吐出されたオイルOは、例えば、供給筒部71の外周面、フランジ部72の軸方向他方側(+Y側)の面、および突出筒部73の内周面に沿って流れて、ベアリング35に供給される。第1凹部113内から軸方向一方側に吐出されるオイルOの量は、接続流路部115を通って第1シャフト部31a内に吐出されるオイルOの量よりも少ない。
図1に示すように、第2流路部93bに流入したオイルOは、第4流路部93dを通って、冷媒供給部95の内部へと流れる。冷媒供給部95内に流入したオイルOは、供給口95aから噴射されて、ステータ40に供給される。このように、第3流路部93cから分岐する第1流路部93aと第2流路部93bとが設けられることで、ギヤハウジング61内から送られてきたオイルOを、好適かつ容易に、周壁部23b内を介してシャフト31内に供給できるとともに冷媒供給部95からステータ40に供給できる。
本実施形態では、リングギヤ63aによってかき上げられたオイルOの一部がギヤハウジング61内に設けられたリザーバ98内に入る。リザーバ98内に入ったオイルOは、シャフト31内に軸方向他方側(+Y側)の端部から流入する。リザーバ98からシャフト31内に流入したオイルOは、孔部33からロータ本体32の内部を通過して、ステータ40に飛散する。
供給口95aからステータ40に供給されたオイルOおよびシャフト31内からステータ40に供給されたオイルOは、ステータ40から熱を奪う。ステータ40を冷却したオイルOは、下側に落下して、モータハウジング20内の下部領域に溜まる。モータハウジング20内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁部22に設けられた隔壁開口22aを介してギヤハウジング61内に戻る。以上のようにして、冷媒流路90は、ギヤハウジング61内に貯留されたオイルOをロータ30およびステータ40に供給する。
本実施形態によれば、除電装置80は、延伸部112のうちノズル貫通孔70aよりも軸方向一方側(-Y側)に位置する部分に接触している。シール部材120は、ノズル部材70よりも軸方向一方側で、かつ、除電装置80よりも軸方向他方側(+Y側)に位置している。そのため、延伸部112のうちノズル部材70と除電装置80との軸方向の間に位置する部分と、モータハウジング20との径方向の間をシール部材120によって封止できる。これにより、ノズル部材70を流れるオイルOが除電装置80に流れることをシール部材120によって抑制できる。したがって、除電装置80の導電率がオイルOによって低下することを抑制できる。そのため、シャフト31に生じた電流が除電装置80を介してモータハウジング20に流れにくくなることを抑制できる。つまり、除電装置80の除電性能が低下することを抑制できる。したがって、例えば、除電装置80を耐油性に優れた除電装置としなくてもよく、除電装置80を比較的安価な除電装置にしやすい。
本実施形態では、除電装置80は、延伸部112に電気的に接触するブラシ部82としてカーボンブラシを有する。このようなカーボンブラシを有する除電装置80は、例えば複数の導電性の繊維で構成された環状のブラシ部を有する除電装置よりも安価である。そのため、除電装置80のコストを低減でき、回転電機10の製造コストを低減できる。
また、シャフト31のうち外径が比較的大きい部分にカーボンブラシを接触させる場合、シャフト31の外周面のうちカーボンブラシが擦れる部分の周方向の寸法が比較的大きくなる。そのため、カーボンブラシが摩耗しやすくなる。これに対して、本実施形態では、ブラシ部82は、延伸部112に接触している。延伸部112は第1シャフト部31aと異なり内部にオイルOを流す必要がないため、延伸部112の外径は、第1シャフト部31aの外径よりも小さくできる。これにより、シャフト31のうちで外径が比較的小さい部分にブラシ部82を接触させることができる。したがって、ブラシ部82を比較的安価なカーボンブラシとした場合であっても、ブラシ部82が摩耗することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、シャフト31は、第1シャフト部31aの内部とノズル貫通孔70aの内部とに繋がる接続流路部115を有する。モータハウジング20に設けられたハウジング流路部としての第1流路部93aは、モータハウジング20の内部のうちノズル部材70とシール部材120との軸方向隙間27に向かって開口する。そのため、例えば本実施形態のように、第1流路部93aから軸方向隙間27に供給されたオイルOを、ノズル貫通孔70aおよび接続流路部115を介して、第1シャフト部31aの内部に供給することができる。これにより、シャフト31の内部に好適にオイルOを供給できる。
なお、除電装置80は、耐油性に優れた除電装置80であってもよいし、耐油性が比較的悪い除電装置であってもよい。「除電装置80の耐油性が優れている」とは、除電装置80がオイルOと接触することに起因する変化が除電装置80に生じにくいことを意味する。また、耐油性については、オイルO中への浸漬試験によって評価することが考えられる。この場合は、所定時間の浸漬後の重量変化および強度変化によって耐油性の評価を行う。重量変化の評価は、例えば、腐食および膨潤の観点を含む。
また、本実施形態によれば、ノズル部材70は、ノズル部材70のうちベアリング35と軸方向に対向する部分を軸方向に貫通する貫通部74を有する。そのため、貫通部74を介して、軸方向隙間27内のオイルOの一部を、ベアリング35に潤滑油として供給することができる。これにより、オイルOを好適にベアリング35に供給することができる。
ここで、本実施形態では、ベアリング35がセラミックボールベアリングである。セラミックボールベアリングは内部にグリスを封入できない構造であることが多い。そのため、本実施形態のようにベアリング35がセラミックボールベアリングである場合、ベアリング35の外部からオイルOを潤滑油として供給できることが特に重要となる。また、ベアリング35がセラミックボールベアリングである場合、シャフト31に生じた電流がベアリング35に流れることを抑制できる。そのため、シャフト31とベアリング35とモータハウジング20とを循環する循環電流が生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、接続流路部115の流路断面積は、第1シャフト部31aの内部に近づくに従って大きくなっている。そのため、ノズル部材70から接続流路部115内に流入したオイルOを第1シャフト部31aの内部に吐出しやすくできる。これにより、シャフト31の内部にオイルOをより供給しやすくできる。本実施形態では、接続流路部115は中心軸Jの径方向外側に位置し、かつ、接続流路部115の内周面は第1シャフト部31aの内部に近づくに従って内径が大きくなる円筒状である。そのため、接続流路部115の内周面のうち径方向外側に位置する部分は、第1シャフト部31aの内部に軸方向に近づくに従って径方向外側に位置する。これにより、シャフト31が回転することで生じる遠心力によってオイルOが接続流路部115の内周面のうち径方向外側に位置する部分に押し付けられると、当該押し付けられたオイルOが、接続流路部115の内周面に沿って第1シャフト部31aの内部に近づく向きに流れやすい。したがって、接続流路部115内に流入したオイルOをより好適に第1シャフト部31a内に吐出させることができる。
また、本実施形態によれば、蓋部111は、蓋部111の軸方向一方側(-Y側)の面から軸方向他方側(+Y側)に窪む第1凹部113を有する。ノズル貫通孔70aを構成する供給筒部71の軸方向他方側の端部は、第1凹部113内に位置する。接続流路部115は、第1凹部113の内部に開口し、第1凹部113の内部を介してノズル貫通孔70aの内部に繋がっている。そのため、供給筒部71から第1凹部113内にオイルOを供給することができ、第1凹部113内から接続流路部115内にオイルOを流すことができる。これにより、ノズル貫通孔70a内を流れるオイルOを好適に接続流路部115に流すことができる。したがって、シャフト31の内部に、より好適にオイルOを供給できる。
また、本実施形態によれば、接続流路部115は、第1凹部113の内面のうち軸方向他方側(+Y側)に位置する底面113aと第1凹部113の内面のうち径方向外側に位置する内周面113bとに跨って開口している。そのため、例えば接続流路部115が底面113aのみに開口している場合に比べて、ノズル貫通孔70aから第1凹部113内に流入したオイルOを、接続流路部115内に流しやすくできる。特に、第1凹部113内に流入したオイルOは遠心力によって径方向外側向きに力を受けるため、第1凹部113内において遠心力によって径方向外側向きに流れたオイルOが、接続流路部115のうち内周面113bに開口した部分から、接続流路部115内に流れやすい。
また、本実施形態によれば、延伸部112は、第1凹部113の内面のうち軸方向他方側(+Y側)に位置する底面113aから軸方向一方側(-Y側)に延びている。接続流路部115は、軸方向に見て、延伸部112を囲んで複数設けられている。そのため、第1凹部113を設けて供給筒部71の軸方向端部を第1凹部113内に配置しつつ、延伸部112を容易にノズル貫通孔70aに通すことができる。また、複数の接続流路部115によって、第1シャフト部31a内にオイルOをより好適に供給できる。
また、本実施形態によれば、ノズル部材70は、供給筒部71から径方向外側に広がり、ベアリング35の軸方向一方側(-Y側)に対向して配置されたフランジ部72と、フランジ部72の径方向外縁部から軸方向他方側(+Y側)に突出する突出筒部73と、を有する。そのため、軸方向隙間27内に流入したオイルOがベアリング35へと流れ過ぎることをフランジ部72によって抑制できる。これにより、軸方向隙間27内に流入したオイルOを、供給筒部71を介してシャフト31内へと供給しやすくできる。また、上述したように、第1凹部113内から軸方向一方側に流出したオイルOを、供給筒部71、フランジ部72、および突出筒部73に沿って、ベアリング35へと好適に導きやすい。
また、本実施形態によれば、蓋部111は、ベアリング35と径方向に重なっている。そのため、蓋部111に設けられた接続流路部115を、ベアリング35に近い位置に配置できる。これにより、ノズル部材70から供給されるオイルOのうちで接続流路部115に流入されずに漏れ出たオイルOをベアリング35に供給しやすくできる。具体的に、本実施形態では、第1凹部113の軸方向一方側(-Y側)の開口を介して漏れ出たオイルOをベアリング35に供給しやすくできる。
また、本実施形態によれば、蓋部111の軸方向一方側(-Y側)の端部における軸方向位置は、ベアリング35の軸方向一方側の端部における軸方向位置と同じである。そのため、蓋部111に設けられた接続流路部115を、よりベアリング35に近い位置に配置できる。これにより、ノズル部材70から供給されるオイルOのうちで接続流路部115に流入されずに漏れ出たオイルOをよりベアリング35に供給しやすくできる。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。第1シャフト部と第2シャフト部とは、互いに別体でなくてもよい。第1シャフト部と第2シャフト部とは、同一の単一部材の一部であってもよい。第1シャフト部がモータハウジング内に位置するモータシャフトとギヤハウジング内に位置するギヤシャフトとが軸方向に連結されて構成されている場合、当該モータシャフトと第2シャフト部とが、同一の単一部材の一部であってもよい。第2シャフト部の蓋部は、ノズル部材の供給筒部が挿入される凹部を有しなくてもよい。蓋部とベアリングとの相対位置関係は、特に限定されない。
シャフトに設けられた接続流路部は、第1シャフト部の内部とノズル貫通孔の内部とに繋がるならば、どのような構成であってもよい。接続流路部は、第2シャフト部において蓋部と延伸部とに跨って設けられてもよいし、第1シャフト部と第2シャフト部とに跨って設けられてもよいし、第1シャフト部のみに設けられてもよい。接続流路部は、どのような形状であってもよい。接続流路部の流路断面積は、全体に亘って均一であってもよい。接続流路部は、第1シャフト部の内部とノズル貫通孔の内部とに直接的に繋がっていてもよい。接続流路部の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。
除電装置は、シャフトと回転電機のハウジングとに電気的に接触してシャフトに流れる電流をハウジングに逃がせるならば、どのような種類の除電装置であってもよい。除電装置は、複数の導電性の繊維で構成された環状のブラシ部を有する除電装置であってもよい。
ノズル部材は、ノズル貫通孔を有するならば、どのような形状であってもよい。ノズル部材のうちベアリングと軸方向に対向する部分を軸方向に貫通する貫通部は、どのような形状であってもよいし、孔でなく切欠きであってもよい。貫通部の数は、特に限定されない。貫通部は、設けられなくてもよい。
回転電機のハウジングに設けられたハウジング流路部は、ハウジングの内部のうちノズル部材とシール部材との軸方向隙間に向かって開口するならば、どのような流路部であってもよい。ハウジング流路部は、ハウジングの内部のうちノズル部材とシール部材との軸方向隙間内に流体を供給する流路部でなくてもよい。例えば、流体は、シャフトの内部から接続流路部およびノズル貫通孔を介して、当該軸方向隙間に流れ、当該軸方向隙間からハウジング流路部内に流れてもよい。
ハウジング流路部を流れる流体、およびノズル部材を流れる流体は、どのような種類の流体であってもよい。当該流体は、絶縁液であってもよいし、水であってもよい。流体が水である場合、ステータの表面に絶縁処理が施されてもよい。ノズル部材を介して流体が供給されるベアリングは、どのような種類のベアリングであってもよい。
シャフトとハウジングとの径方向の間に位置するシール部材は、ノズル部材よりも軸方向一方側で、かつ、除電装置よりも軸方向他方側に位置するならば、どのような構成であってもよい。シール部材は、シャフトとハウジングとの径方向の間を封止できるならば、どのような種類のシール部材であってもよい。
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。回転電機が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。回転電機の中心軸は、鉛直方向に延びてもよい。以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
10…回転電機、20…モータハウジング(ハウジング)、27…軸方向隙間、30…ロータ、31…シャフト、31a…第1シャフト部、35…ベアリング、40…ステータ、60…ギヤ機構、70…ノズル部材、70a…ノズル貫通孔、71…供給筒部、72…フランジ部、73…突出筒部、74…貫通部、80…除電装置、93a…第1流路部(ハウジング流路部)、100…駆動装置、110…第2シャフト部、111…蓋部、112…延伸部、113…第1凹部(凹部)、115…接続流路部、120…シール部材、J…中心軸

Claims (11)

  1. 中心軸を中心として回転可能な中空のシャフトを有するロータと、
    前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
    前記ロータおよび前記ステータを内部に収容するハウジングと、
    前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、
    前記ハウジングに固定され、前記シャフトと前記ハウジングとに電気的に接触する除電装置と、
    前記ハウジングに設けられたハウジング流路部と、
    前記シャフトの内部に繋がるノズル貫通孔を有するノズル部材と、
    前記シャフトと前記ハウジングとの径方向の間に位置するシール部材と、
    を備え、
    前記シャフトは、
    中空の第1シャフト部と、
    前記第1シャフト部の軸方向一方側の部分に設けられた蓋部および前記蓋部から軸方向一方側に延びる延伸部を有する第2シャフト部と、
    を有し、
    前記延伸部は、前記ノズル貫通孔に軸方向に通され、
    前記除電装置は、前記延伸部のうち前記ノズル貫通孔よりも軸方向一方側に位置する部分に接触し、
    前記シール部材は、前記ノズル部材よりも軸方向一方側で、かつ、前記除電装置よりも軸方向他方側に位置し、
    前記シャフトは、前記第1シャフト部の内部と前記ノズル貫通孔の内部とに繋がる接続流路部を有し、
    前記ハウジング流路部は、前記ハウジングの内部のうち前記ノズル部材と前記シール部材との軸方向隙間に向かって開口する、回転電機。
  2. 前記ノズル部材の一部は、前記ベアリングと軸方向に対向し、
    前記ノズル部材は、前記ノズル部材のうち前記ベアリングと軸方向に対向する部分を軸方向に貫通する貫通部を有する、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記接続流路部の流路断面積は、前記第1シャフト部の内部に近づくに従って大きくなっている、請求項1または2に記載の回転電機。
  4. 前記接続流路部は、前記蓋部に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記蓋部は、前記蓋部の軸方向一方側の面から軸方向他方側に窪む凹部を有し、
    前記ノズル部材は、前記ノズル貫通孔を構成する供給筒部を有し、
    前記供給筒部の軸方向他方側の端部は、前記凹部内に位置し、
    前記接続流路部は、前記凹部の内部に開口し、前記凹部の内部を介して前記ノズル貫通孔の内部に繋がっている、請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記接続流路部は、前記凹部の内面のうち軸方向他方側に位置する面と前記凹部の内面のうち径方向外側に位置する面とに跨って開口している、請求項5に記載の回転電機。
  7. 前記延伸部は、前記凹部の内面のうち軸方向他方側に位置する面から軸方向一方側に延びており、
    前記接続流路部は、軸方向に見て、前記延伸部を囲んで複数設けられている、請求項5または6に記載の回転電機。
  8. 前記ノズル部材は、
    前記供給筒部から径方向外側に広がり、前記ベアリングの軸方向一方側に対向して配置されたフランジ部と、
    前記フランジ部の径方向外縁部から軸方向他方側に突出する突出筒部と、
    を有する、請求項5から7のいずれか一項に記載の回転電機。
  9. 前記蓋部は、前記ベアリングと径方向に重なっている、請求項4から8のいずれか一項に記載の回転電機。
  10. 前記蓋部の軸方向一方側の端部における軸方向位置は、前記ベアリングの軸方向一方側の端部における軸方向位置と同じである、請求項9に記載の回転電機。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の回転電機と、
    前記回転電機に接続されたギヤ機構と、
    を備える、駆動装置。
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