JP2023066176A - 間接加熱式セメント焼成システム - Google Patents

間接加熱式セメント焼成システム Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマス燃料の使用比率を向上し、セメント原料由来の二酸化炭素の回収効率を向上することができるセメント焼成炉及びセメント製造方法を提供する。【解決手段】バイオマスを含む燃料11を間接加熱で熱分解し、分解ガス21と加熱残渣31を生成する間接加熱式の熱分解炉200と、分解ガス21を燃料として用い、セメント原料41を間接加熱で焼成して、二酸化炭素51と脱炭酸されたセメント原料61を生成する間接加熱式の仮焼炉300と、脱炭酸されたセメント原料61を焼成してクリンカを得るキルン400とを有するセメント焼成炉。【選択図】図1

Description

本発明は、間接加熱式セメント焼成システムに関し、より具体的には、間接加熱式セメント焼成炉及び間接加熱式セメント製造方法に関する。
近年、カーボンニュートラルの観点から、セメント原料の焼成により生じる二酸化炭素を回収する手法が種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
また、同様の観点から、セメント原料の焼成に用いる石炭等の代替として、バイオマス燃料、廃プラスチック等が用いられている。
国際公開第2011/058693号明細書
しかしながら、バイオマス燃料は水分を多く含むため、燃焼しにくい。石炭等の代替率を上げることが難しく、また、燃料由来の二酸化炭素の排出を削減しにくかった
本発明は、バイオマス燃料の使用比率を向上し、セメント原料由来の二酸化炭素の回収効率を向上することができるセメント焼成炉及びセメント製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の<1>~<12>を提供する。
<1> バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する間接加熱式の熱分解炉と、
前記分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する間接加熱式の仮焼炉と、
前記脱炭酸されたセメント原料を焼成してクリンカを得るキルンと
を有するセメント焼成炉。
<2> 前記二酸化炭素を、熱交換器で冷却し、回収すると共に、前記熱交換器から発生する水蒸気を含む媒体を、前記熱分解炉の加熱源として利用する<1>に記載のセメント焼成炉。
<3> 更に、前記キルンの出口側に前記クリンカを冷却するクリンカクーラーを有し、
前記クリンカクーラーから排出される回収空気を、前記熱分解炉及び前記仮焼炉からなる群より選択される1つ以上の加熱源として利用する<1>または<2>に記載のセメント焼成炉。
<4> 更に、前記キルンの入口側に接続され、前記脱炭酸されたセメント原料の一部を、前記キルンに送入する前に、更に焼成する補助仮焼炉を有する<1>~<3>のいずれか1つに記載のセメント焼成炉。
<5> 前記熱分解炉で生じた前記加熱残渣を、前記補助仮焼炉及びキルンの燃料として用いる<4>に記載のセメント焼成炉。
<6> 更に、前記分解ガスを、前記仮焼炉に供給する前に洗浄する洗浄装置を有する<1>~<5>のいずれか1つに記載のセメント焼成炉。
<7> バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する間接加熱式の熱分解工程と、
前記分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する間接加熱式の仮焼工程と、
前記脱炭酸されたセメント原料をキルンで焼成してクリンカを得る焼成工程と
を有するセメント製造方法。
<8> 前記二酸化炭素を、熱交換器で冷却し、回収すると共に、前記熱交換器から発生する水蒸気を含む媒体を、前記熱分解工程の加熱源として利用する<7>に記載のセメント製造方法。
<9> 更に、前記焼成工程の後に前記クリンカを冷却するクリンカ冷却工程を有し、
前記クリンカ冷却工程から排出される回収空気を、前記熱分解工程及び前記仮焼工程からなる群より選択される1つ以上の工程における加熱源として利用する<7>又は<8>に記載のセメント製造方法。
<10> 前記脱炭酸されたセメント原料の一部を、前記焼成工程で焼成する前に、更に焼成する補助仮焼工程を有する<7>~<9>のいずれか1つに記載のセメント製造方法。
<11> 前記熱分解工程で生じた前記加熱残渣を、前記補助仮焼工程及び前記キルンの燃料として用いる<10>に記載のセメント製造方法。
<12> 更に、前記分解ガスを、前記仮焼工程に供給する前に洗浄する洗浄工程を有する<7>~<11>のいずれか1つに記載のセメント製造方法。
本発明によれば、バイオマス燃料の使用比率を向上し、セメント原料由来の二酸化炭素の回収効率を向上することができるセメント焼成炉及びセメント製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のセメント焼成炉を示す模式図である。
<間接加熱式セメント焼成システム>
本発明の間接加熱式セメント焼成システムにおいては、バイオマス、廃プラスチック、汚泥等を直接加熱せずに、間接加熱によって熱分解し、得られた分解ガスと加熱残渣をセメント原料の加熱源として、セメント原料を間接加熱で焼成する。これにより、バイオマス燃料の改質によって使用比率が向上し、セメント原料由来の二酸化炭素の回収効率も向上する。本発明の間接加熱式セメント焼成システムを用いることで、セメント製造におけるバイオマス燃料の使用比率の向上、及びセメント原料由来の二酸化炭素の回収効率を向上することができる。
以下、本発明の間接加熱式セメント焼成システムの一実施形態であるセメント焼成炉及び他の一実施形態であるセメント製造方法の最良の形態について説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
<セメント焼成炉>
本発明のセメント焼成炉は、バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する間接加熱式の熱分解炉と、
前記分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する間接加熱式の仮焼炉と、
前記脱炭酸されたセメント原料を焼成してクリンカを得るキルンと
を有する。
本発明のセメント焼成炉は、上記の熱分解炉、仮焼炉、及びキルンに加え、更に、クリンカクーラー、補助仮焼炉等を含んでいてもよい。
以下、本発明のセメント焼成炉の一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態のセメント焼成炉を示す模式図である。
本実施形態に係るセメント焼成炉は、熱分解炉200と、仮焼炉300と、キルン400とを少なくとも有する。
〔熱分解炉〕
熱分解炉200は、間接加熱式の熱分解炉であり、バイオマスを含む燃料11を間接加熱で熱分解し、分解ガス21と加熱残渣31を生成する。
燃料11は、石炭等の代替燃料であり、少なくともバイオマスを含む。燃料11は、更に、廃プラスチック、汚泥等を含んでいてもよい。廃プラスチックは、例えば、ASR(Auto Mobile Shredder Residue)、容器包装プラスチック、容器包装プラスチックの選別残渣、RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)用原料プラスチック、建築物解体により排出されるプラスチック等が挙げられる。
バイオマス及び廃プラスチックは、加熱分解しやすいように、予め粉砕しておくことが好ましい。
燃料11を間接加熱で加熱することにより、燃料11が還元雰囲気下で熱分解される。燃料11を直接加熱すると、燃料11自身がそのまま燃焼してしまい、仮焼炉300及びキルン400の加熱源として用いる分解ガス21と加熱残渣31の熱エネルギーを減少させてしまう。
バイオマスは、通常、水分を含み及び又、繊維質を有するため粉砕が難しく、粒度が粗くなることから、バイオマス燃料を未処理のまま直接燃焼していた従来においては、不完全燃焼を起こしたり、石炭を用いる場合よりも燃焼時間が長くなった。
しかし、空気を遮断して間接加熱することで、含有水分が蒸発し、加えて還元雰囲気下での熱分解が容易になり加熱時間を短縮することができる。また、バイオマスがガス化して分解ガス21になり、石炭同等の燃焼しやすい燃料となる。また、加熱残渣31としてチャー、コークが生成することで、バイオマスの繊維質が脆くなり石炭同等に粉砕しやすくなる。加熱残渣31も石炭同等の燃焼しやすい燃料となる。
よって熱分解炉200で生じた加熱残渣31を、後述する補助仮焼炉60及びキルン400の燃料として用いることが容易になる。
このように、本発明のセメント焼成炉を用いることで、従来よりも、バイオマスの使用比率を向上することができる。
熱分解炉200の構造は、燃料11を間接的に加熱し得る構造であれば特に制限されない。燃料11と、燃料11の加熱源とを隔壁(伝熱板)を隔てて配置可能な空間を有する炉を用いることができる。例えば、密閉可能な内炉の外周にジャケットを設け、外周ジャケットを加熱源によって加熱することにより、隔壁を通じて内炉が加熱される。図1には、Heat Flowの向きを楔状の三角形で示す。これは、熱分解炉200の外周ジャケットの熱が内炉に向かうことを示す。燃料11を還元雰囲気下で加熱しやすいように、内炉は密閉空間であることが好ましい。このような間接加熱式の炉として、例えば、オカドラ社製のガス燃焼式炭化機を用いることができる。
燃料11の加熱源としては、燃料ガス12、回収空気72a、水蒸気を含む媒体53等を用いることができる。燃料ガス12は、天然ガス、水素ガス等を用いることができる。回収空気72aと水蒸気を含む媒体53の詳細は後述する。
バイオマスを均一に加熱し、また熱ロスを抑制する観点から、燃料11の加熱源としてガス燃料を用いることが好ましい。
燃料11の加熱温度は、バイオマスが熱分解可能な温度であれば特に制限されないが、500~700℃であることが好ましい。
(洗浄装置)
燃料11の熱分解により生成された分解ガス21は、仮焼炉300でセメント原料41を焼成する際の燃料として用いることができる。代替燃料には塩素及び硫黄分が含まれていることが多いため、燃料11の加熱により塩素及び硫黄分が揮発し、分解ガス21に含まれてしまうことがある。そのような場合には、ダンパーd1を開いて、分解ガス21を洗浄装置20に通じて洗浄した後、仮焼炉300に投じることが好ましい。
すなわち、本実施形態に係るセメント焼成炉は、更に、分解ガス21を、仮焼炉300に供給する前に洗浄する洗浄装置20を有することが好ましい。
燃料11の熱分解により生成された加熱残渣31は、必要に応じて石炭32と共に粉砕ミル30で粉砕されることで、燃料33として活用することができ、キルン400及び補助仮焼炉60の燃料として好適に用いることができる。
〔仮焼炉〕
仮焼炉300は、間接加熱式の仮焼炉であり、熱分解炉200から得られた分解ガス21を燃料として用い、セメント原料41を間接加熱で焼成して、二酸化炭素51と脱炭酸されたセメント原料61を生成する。
セメント原料41を間接加熱で焼成することで、セメント原料41から二酸化炭素51が脱離すると共に、脱炭酸されたセメント原料61が得られる。
セメント原料41を直接加熱により焼成するとセメント原料41から生成する二酸化炭素と、燃料の燃焼ガスとが混ざりあい、仮焼炉300から放出される二酸炭化濃度が低下する。また、混合ガスから二酸化炭素を分離するために、別途、分離手段を用意したり、分離のためのエネルギーが生じる。
セメント原料41を間接加熱で焼成することにより生じる二酸化炭素51は純度が高く、分離の必要性が無いため、設備負担を軽減することができる。
セメント原料41は、サイクロン40a~40cを通じて、仮焼炉300に導入される。サイクロン40a~40cは、SP(Suspension Preheater)方式の予熱装置が用いられ、仮焼炉300で生じた高温ガス42をセメント原料41の予熱に用いることができる。予熱に用いられた後の排ガス43はサイクロン40aから放出される。
セメント原料41の焼成燃料は、熱分解炉200から得られた分解ガス21、高温ガス42、熱分解炉200における加熱源の燃焼ガス22、燃料ガス23、回収空気72b、補助仮焼炉60から得られる燃焼ガス64等を用いることができる。燃料ガス23は、天然ガス、水素ガス等を用いることができる。回収空気72bと燃焼ガス64の詳細は後述する。
仮焼炉300の構造は、セメント原料41を間接的に加熱し得る構造であれば特に制限されない。セメント原料41と、セメント原料41の焼成燃料とを隔壁(伝熱板)を隔てて配置可能な空間を有する炉を用いることができる。例えば、密閉可能な内炉の外周にジャケットを設け、外周ジャケットを焼成燃料によって加熱することにより、隔壁を通じて内炉が加熱される。熱分解炉200と同様に、図1には、Heat Flowの向きを楔状の三角形で示す。これは、仮焼炉300の外周ジャケットの熱が内炉に向かうことを示す。セメント原料41を空気及び燃焼ガスと遮断された状態で加熱することにより高純度の二酸化炭素51を得ることができる。従って、内炉は密閉空間であることが好ましい。このような間接加熱式の炉として、例えば、オカドラ社製のガス燃焼式炭化機を用いることができる。
仮焼炉300におけるセメント原料41の焼成温度は特に制限されないが、炭酸カルシウムの分解(脱炭酸反応)に必要な温度800℃~1000℃を維持するため、外周ジャケットを900℃~1100℃程度に維持することが好ましい。熱分解炉200から得られた分解ガス21は、900℃~1100℃のジャケット内で完全燃焼する。
(熱交換器)
仮焼炉300から得られた二酸化炭素51は、通常、900℃程度の高温であることから、二酸化炭素51を熱交換器50に通すことで、二酸化炭素51を冷却して回収することができる。また、熱交換器50に水52を通じて得られる水蒸気を含む媒体53は、熱分解炉200の加熱源として利用することができる。これにより、間接加熱式セメント焼成システムの熱利用効率を上げることができる
このように、二酸化炭素51を、熱交換器50で冷却し、回収すると共に、熱交換器50から発生する水蒸気を含む媒体53を、熱分解炉200の加熱源として利用することが好ましい。水蒸気を含む媒体53は、少なくとも水蒸気を含むが、更に、例えば、空気、水、廃液等を含んでいてもよい。
なお、二酸化炭素51は、ダンパーd2を開くことにより熱交換器50を介さずに、そのまま回収してもよい。ダンパーd2の開閉により、熱交換器50に用いる二酸化炭素51の量を調整することができる。
〔キルン〕
キルン400は、仮焼炉300から得られた脱炭酸されたセメント原料61を焼成してクリンカを得る。
脱炭酸されたセメント原料61を焼成するための燃料34として、熱分解炉200から得られた加熱残渣31をそのまま用いてもよいし、石炭32と共に粉砕ミル30で粉砕されて得られた燃料33を用いてもよい。
(補助仮焼炉)
脱炭酸されたセメント原料61の脱炭酸率は、通常、90%程度であるが、脱炭酸率が低い場合は、更に焼成して脱炭酸率を高めることが好ましい。この場合、脱炭酸されたセメント原料61の一部を、キルン400に送入する前に、ダンパーd3を開いて補助仮焼炉60に供給して、更に焼成するとよい。
すなわち、本実施形態に係るセメント焼成炉は、熱分解炉200、仮焼炉300、及びキルン400に加え、更に、キルン400の入口側に接続され、脱炭酸されたセメント原料61の一部を、キルン400に送入する前に、更に焼成する補助仮焼炉60を有することが好ましい。
補助仮焼炉60で再焼成されるセメント原料61は、脱炭酸率が低い一部のセメント原料61を想定しているが、仮焼炉300から得られた脱炭酸されたセメント原料61の全般に渡って脱炭酸率が低い場合は、脱炭酸されたセメント原料61の全部を補助仮焼炉60に供給して再焼成してもよい。
また、脱炭酸されたセメント原料61を補助仮焼炉60に送入するにあたっては、キルン400で生じた高温ガス71をキャリアガスとして、脱炭酸されたセメント原料61を補助仮焼炉60に送入してもよい。このとき、高温ガス71に塩素が含まれる場合は、塩素バイパス80を介して洗浄装置20にて高温ガス71を洗浄することが好ましい。
脱炭酸されたセメント原料61が塩素バイパス80に引き込まれないように、高温ガス71の塩素バイパス80への導入管は、脱炭酸されたセメント原料61の導入部よりもキルン400寄りに離れていることが好ましい。
補助仮焼炉60から得られる焼成物62は、サイクロン45で、脱炭酸されたセメント原料63(再焼成されたセメント原料)と、燃焼ガス64とに分けられ、脱炭酸されたセメント原料63(再焼成されたセメント原料)は、キルン400に送入される。燃焼ガス64は、仮焼炉300の加熱源として用いることができる。
補助仮焼炉60における脱炭酸されたセメント原料61を焼成するための燃料35として、熱分解炉200から得られた加熱残渣31をそのまま用いてもよいし、石炭32と共に粉砕ミル30で粉砕されて得られた燃料33を用いてもよい。また、回収空気72cを加熱源として用いることもできる。
(クリンカクーラー)
セメント焼成炉は、通常、キルン400で得られたクリンカを冷却するクリンカクーラー70を有する。
クリンカクーラー70から排出される回収空気72は、種々の加熱源として利用することができる。ダンパーd4及びd5を開くことにより、補助仮焼炉60の加熱源(72c)として用いたり、ダンパーd6を開いて仮焼炉300の加熱源(72b)として用いることができる。また、熱分解炉200の加熱源(72a)として用いることもできる。
すなわち、本実施形態に係るセメント焼成炉は、キルン400の出口側にクリンカを冷却するクリンカクーラー70を有し、クリンカクーラー70から排出される回収空気72を、熱分解炉200及び仮焼炉300からなる群より選択される1つ以上の加熱源(72a、72b)として利用することが好ましい。
<セメント製造方法>
本実施形態に係るセメント製造方法は、熱分解工程と、仮焼工程と、焼成工程とを少なくとも有する。
熱分解工程は、間接加熱式の熱分解工程であって、バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する工程である。
仮焼工程は、間接加熱式の仮焼工程であって、熱分解工程で得られた分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する工程である。
焼成工程は、仮焼工程で得られた脱炭酸されたセメント原料をキルンで焼成してクリンカを得る工程である。
本実施形態に係るセメント製造方法が上記構成であることで、バイオマス燃料の使用比率を向上し、セメント原料由来の二酸化炭素の回収効率を向上してセメントを製造することができる。
熱分解工程、仮焼工程、及び焼成工程における具体的な手法及び好ましい態様は、それぞれ、図1を用いて説明した熱分解炉200、仮焼炉300及びキルン400の説明において記載した具体的な手法及び好ましい態様と同じである。
本実施形態に係るセメント製造方法は、熱分解工程で得られた分解ガスを、仮焼工程に供給する前に洗浄する洗浄工程を有することが好ましく、仮焼工程で得られた脱炭酸されたセメント原料の一部を、焼成工程で焼成する前に、更に焼成する補助仮焼工程を有することが好ましく、また、焼成工程で得られたクリンカを冷却するクリンカ冷却工程を有することが好ましい。
洗浄工程、補助仮焼工程、及びクリンカ冷却工程における具体的な手法及び好ましい態様は、それぞれ、図1を用いて説明した洗浄装置20、補助仮焼炉60及びクリンカクーラー70の説明において記載した具体的な手法及び好ましい態様と同じである。
熱分解工程で生じた加熱残渣は、補助仮焼工程及び焼成工程におけるキルンの燃料として用いることが好ましい。
仮焼工程で生成した二酸化炭素は、熱交換器で冷却し、回収すると共に、熱交換器から発生する水蒸気を含む媒体を、熱分解工程の加熱源として利用することが好ましい。
更に、クリンカ冷却工程から排出される回収空気は、熱分解工程及び仮焼工程からなる群より選択される1つ以上の工程における加熱源として利用することが好ましい。
11 バイオマスを含む燃料
20 洗浄装置
21 分解ガス
31 加熱残渣
41 セメント原料
50 熱交換器
51 二酸化炭素
53 水蒸気を含む媒体
60 補助仮焼炉
61 脱炭酸されたセメント原料
63 脱炭酸されたセメント原料(再焼成された脱炭酸されたセメント原料)
70 クリンカクーラー
72 回収空気
200 熱分解炉
300 仮焼炉
400 キルン

Claims (12)

  1. バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する間接加熱式の熱分解炉と、
    前記分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する間接加熱式の仮焼炉と、
    前記脱炭酸されたセメント原料を焼成してクリンカを得るキルンと
    を有するセメント焼成炉。
  2. 前記二酸化炭素を、熱交換器で冷却し、回収すると共に、前記熱交換器から発生する水蒸気を含む媒体を、前記熱分解炉の加熱源として利用する請求項1に記載のセメント焼成炉。
  3. 更に、前記キルンの出口側に前記クリンカを冷却するクリンカクーラーを有し、
    前記クリンカクーラーから排出される回収空気を、前記熱分解炉及び前記仮焼炉からなる群より選択される1つ以上の加熱源として利用する請求項1又は2に記載のセメント焼成炉。
  4. 更に、前記キルンの入口側に接続され、前記脱炭酸されたセメント原料の一部を、前記キルンに送入する前に、更に焼成する補助仮焼炉を有する請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント焼成炉。
  5. 前記熱分解炉で生じた前記加熱残渣を、前記補助仮焼炉及びキルンの燃料として用いる請求項4に記載のセメント焼成炉。
  6. 更に、前記分解ガスを、前記仮焼炉に供給する前に洗浄する洗浄装置を有する請求項1~5のいずれか1項に記載のセメント焼成炉。
  7. バイオマスを含む燃料を間接加熱で熱分解し、分解ガスと加熱残渣を生成する間接加熱式の熱分解工程と、
    前記分解ガスを燃料として用い、セメント原料の一部又は全部を間接加熱で焼成して、二酸化炭素と脱炭酸されたセメント原料を生成する間接加熱式の仮焼工程と、
    前記脱炭酸されたセメント原料をキルンで焼成してクリンカを得る焼成工程と
    を有するセメント製造方法。
  8. 前記二酸化炭素を、熱交換器で冷却し、回収すると共に、前記熱交換器から発生する水蒸気を含む媒体を、前記熱分解工程の加熱源として利用する請求項7に記載のセメント製造方法。
  9. 更に、前記焼成工程の後に前記クリンカを冷却するクリンカ冷却工程を有し、
    前記クリンカ冷却工程から排出される回収空気を、前記熱分解工程及び前記仮焼工程からなる群より選択される1つ以上の工程における加熱源として利用する請求項7又は8に記載のセメント製造方法。
  10. 前記脱炭酸されたセメント原料の一部を、前記焼成工程で焼成する前に、更に焼成する補助仮焼工程を有する請求項7~9のいずれか1項に記載のセメント製造方法。
  11. 前記熱分解工程で生じた前記加熱残渣を、前記補助仮焼工程及び前記キルンの燃料として用いる請求項10に記載のセメント製造方法。
  12. 更に、前記分解ガスを、前記仮焼工程に供給する前に洗浄する洗浄工程を有する請求項7~11のいずれか1項に記載のセメント製造方法。
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